JP2002135038A - アンテナ - Google Patents

アンテナ

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JP2002135038A
JP2002135038A JP2000329558A JP2000329558A JP2002135038A JP 2002135038 A JP2002135038 A JP 2002135038A JP 2000329558 A JP2000329558 A JP 2000329558A JP 2000329558 A JP2000329558 A JP 2000329558A JP 2002135038 A JP2002135038 A JP 2002135038A
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JP
Japan
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antenna
portions
coil
conductor
resonance
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Application number
JP2000329558A
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English (en)
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Takao Yokoshima
高雄 横島
Toshiyuki Chiba
敏幸 千葉
Shiro Sugimura
詩朗 杉村
Hideki Kobayashi
英樹 小林
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Mitsubishi Materials Corp
FEC Inc
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FEC KK
Mitsubishi Materials Corp
FEC Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の共振部の間の相互干渉を低減すること
ができ、高利得を得ることができる小形のアンテナを提
供する。 【解決手段】 インダクタンス部1とキャパシタンス部
2とが電気的に並列に接続されてなる共振部E1,E2
が電気的に直列に接続されてなるアンテナA1におい
て、インダクタンス部1,1がコイル部1a,1bを有
する構成とし、これらコイル部1a,1bの軸線L1,
L2を同一直線上に揃え、導体の軸線L1,L2を一周
する部分が軸線L1,L2に対して傾斜した平面に略含
まれるように形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電波を送受信する
各種通信機器を含め、電波の送受信機能を有する各種機
器に組み込む小形のアンテナとして特に好適に使用する
ことができるアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電波を送受信する各種通信機器を
含め、電波の送受信機能を有する各種機器の需要の高ま
りによって、数百MHzから数十GHzの周波数帯域で
使用されるアンテナがますます多く用いられるようにな
ってきている。移動体通信、次世代交通システム、自動
検札等に用いられる非接触カード等に多く用いられるこ
とは言うまでもなく、また、インターネット家電の無線
によるコードレス化、企業内無線LAN、Blueto
oth等、長尺で煩雑なケーブルを用いずに無線によっ
てデータの授受を行う方法が用いられつつあり、この方
面でも広汎な用途が見込まれている。さらに、各種端末
からの無線によるデータの送受信にも用いられ、水道・
ガス、その他安全管理に必要な情報を電波でやりとりす
るテレメトリング、金融端末のPOSシステム等の普及
に対しても需要は高まりつつある。この他にも、衛星放
送受信機のポータブル化といったテレビ等の家庭電器製
品、また、自動販売機への応用等、その使用範囲は極め
て広いものとなってきている。上述したような電波の送
受信機能を有する各種機器に用いるアンテナは、これま
でのところ、機器のケースに付設される伸縮自在のモノ
ポールアンテナが主流である。また、ケースの外部に短
く突き出しているヘリカルアンテナも知られている。と
ころが、モノポールアンテナの場合、使用のたびに長く
引き伸ばす必要があるため操作が面倒であり、さらに、
引き伸ばしたアンテナの部分が壊れやすいといった欠点
を有していた。また、ヘリカルアンテナの場合、空芯コ
イルからなるアンテナ本体が樹脂等のカバー材によって
保護されているため外形が大きくなりがちであり、ケー
スの外に固定すると全体の体裁が良くないという問題が
避けられなかった。しかしながら、単にアンテナを小形
にするだけでは、利得も同時に下がり、電波送受信系の
回路が大形化したり、電力の消費が著しくバッテリーが
大きいものにならざるを得ず、結局、機器全体の小形化
が図れないという問題があった。そこで、電波を授受す
る共振部をインダクタンス成分とキャパシタンス成分か
らなる共振回路により構成し、小形で利得の高いアンテ
ナを回路的に実現しようという試みがなされてきてい
る。このような共振回路から構成されたアンテナとし
て、高い利得を得るために複数の共振部を組み合わせて
一つのアンテナとする構成が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような複数の共振部を有するアンテナにおいては、複
数の共振部を組み合わせる際に、一の共振部から生じる
電磁波が他の共振部に影響を与えて相互に干渉し、全体
の利得を効果的に上げることができないという問題を有
していた。共振部の間の相互干渉を避けるためには、従
来のアレイアンテナと同様、理想的にはこれらの間の距
離を少なくとも使用周波数における半波長以上、より好
ましくは数波長程度は離さなければならない。しかしこ
れでは、少なくともMHzの周波数帯域においては、ア
ンテナの小形化という本来の目的を達成することができ
ない。このため、近接した複数の共振部の間の相互干渉
を低減して利得を上げることのできる新たな技術の開発
が望まれていた。
【0004】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであって、複数の共振部の間の相互干渉を低減するこ
とができ、高利得を得ることができる小形のアンテナを
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、インダクタンス部とキャパシタンス部とが電気的に
並列に接続されてなる共振部が、二つ以上電気的に直列
に接続されてなるアンテナであって、前記インダクタン
ス部は、軸線を中心とした螺旋状もしくは螺旋に近似し
得る角形状をなす導体からなるコイル部を有し、前記コ
イル部の前記軸線が、少なくとも二つの隣り合う前記共
振部において略同一直線状に揃えられ、前記導体の前記
軸線を一周する部分の少なくとも一つは、前記軸線に対
して傾斜した平面内に略含まれていることを特徴とす
る。
【0006】このような構成としたことにより、コイル
部の軸線が揃えられた隣り合う二つの共振部の間の相互
干渉が低減され、全体としてアンテナの利得が増加す
る。軸線回りに巻回された導体からなるコイル部を有す
る共振部の場合、隣り合う共振部の位置関係には、幾つ
かの組み合わせが可能である。このような組み合わせの
うち、コイル部を並列に配置するよりも、コイル部の軸
線が略同一直線上に揃えられるように共振部を接続する
方が利得が高くなることが実験的に証明されている。こ
の他にも、コイル部の軸線が交差するように隣り合う共
振部を配置すると相互干渉を低減できる。本発明におい
ては、アンテナの実装に要する面積を少なくし、かつ、
実装上の利便性を高めることを優先した。導体は、軸線
の回りを一周する部分が軸線方向に複数連接されて形成
されている。軸線方向をz軸方向とする円柱座標を用い
て導体の各部の位置を記述するならば、典型的な螺旋の
場合、円周方向θの座標の変化に伴って、z軸方向の座
標が単調に変化する。そこで、導体に沿ってθが360
°変化したときの導体の始点と終点のz軸上の座標を通
り、しかも軸線に対して垂直な二つの平面を想定する
と、上述したような螺旋は、始点と終点を除いてこれら
の平面に交わらない。導体に沿って軸線の回りを一周す
る毎にこのような平面を想定するならば、導体は、軸線
に垂直なこれらの平面によって分割される。これをさら
に一般的な螺旋状の導体、あるいは螺旋に近似し得る導
体の場合に拡張して、導体の軸線の回りに一周する部分
が始点と終点以外では交わらないような平面群で導体を
分割する場合を想定し、導体の軸線回りに一周する部分
と、この部分を分割する平面の一方を対応させ、これ
を、導体の軸線回りに一周する部分が導体を分割する平
面(以後単に平面と言う)内に略含まれると表現するこ
とにする。さて、導体の軸線を一周する部分の少なくと
も一つが、軸線に対して傾斜した平面内に略含まれてい
ると、この部分に流れる電流が作る磁場の向きは、この
平面に略垂直に生成される。全体的に見ても、このコイ
ル部に流れる電流が作る磁場の向きが軸線回りに非対称
となり、この一方のコイル部に流れる電流が軸線方向に
配置された他方のコイル部に生成する磁場の強さが低下
し、共振部の間の相互干渉が低減される。このようにし
て、アンテナ全体の利得を上げることができる。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のアンテナであって、前記導体の前記軸線を一周する部
分は、互いに平行に形成されていることを特徴とする。
【0008】このような構成としたことにより、コイル
部に流れる電流が作る磁場がいっそう軸線回りに非対称
となり、この一方のコイル部に流れる電流が軸線方向に
配置された他方のコイル部に生成する磁場の強さが低下
し、共振部の間の相互干渉が低減される。こうして、ア
ンテナ全体の利得をさらに効果的に上げることができ
る。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1または
請求項2のいずれかに記載のアンテナであって、前記傾
斜した平面は、隣り合う二つの前記コイル部において異
なる傾斜を有していることを特徴とする。
【0010】このような構成としたことにより、略同一
直線上に軸線が揃えられた隣り合う二つのコイル部にお
いて、コイル部に流れる電流が作る磁場がそれぞれ軸線
回りに非対称になるとともに、一方のコイル部に流れる
電流が他方のコイル部に生成する磁場の強さが低下し、
さらに、生成されるそれぞれの磁場の向きが、二つのコ
イル部の間で交差するようになるため、共振部間の相互
干渉がさらに効果的に低減され、全体としてアンテナの
利得が増加する。ここで、導体を含む平面が軸線となす
角度が、二つのコイル部において45°〜135°、よ
り好ましくは60°〜120°異なると、相互干渉が効
果的に低減される。
【0011】請求項4に記載の発明は、インダクタンス
部とキャパシタンス部とが電気的に並列に接続されてな
る共振部が、二つ以上電気的に直列に接続されてなるア
ンテナであって、隣り合う少なくとも二つの前記共振部
の前記インダクタンス部の間に、導体部が設置されてい
ることを特徴とする。
【0012】このような構成としたことにより、設置さ
れた導体部が、共振部で生成された電磁波をいくらか遮
蔽するようになるため、隣り合う二つの共振部の間の相
互干渉が低減され、全体としてアンテナの利得が増加す
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるアンテナを図
面に基づき説明する。
【0014】[第一の実施の形態]図1〜3に、本発明に
係るアンテナの第一の実施形態を示す。図において、ア
ンテナA1は、二つの共振部E1,E2を備え、これら
共振部E1,E2が電気的に直列に接続されて構成され
ている。共振部E1,E2は、各々インダクタンス部1
とキャパシタンス部2とが並列に接続されて構成されて
いる。図3は、これらの接続を等価回路で示したもので
ある。共振部E1の一端P1は、共振部E1,E2に給
電する給電口3に接続されている。この給電口3に、ア
ンテナA1の入力インピーダンスと整合するインピーダ
ンス整合部4が外部接続されている。さらに、共振部E
2の一端P3には、周波数調整キャパシタンス部5が直
列に接続されている。
【0015】インダクタンス部1,1は、それぞれコイ
ル部1a,1bを有している。コイル部1aは、軸線L
1を中心とした螺旋に近似し得る四角形状をなす導体か
らなり、この導体は、図示されぬ基板の表面に形成され
たそれぞれ平行な導体パターン11a,11a・・・及び
前記基板の裏面に形成されたそれぞれ平行な導体パター
ン12a,12a・・・と、これら導体パターン11a,
11a・・・,導体パターン12a,12a・・・を電気的に
接続する前記基板を厚さ方向に貫くスルーホールに充填
された金属導体からなるコイル導体部13a,13a・・
・とを備えている。また、コイル部1bは、軸線L2を
中心とした螺旋に近似し得る四角形状をなす導体からな
り、この導体は、前記基板の表面に形成されたそれぞれ
平行な導体パターン11b,11b・・・及び前記基板の
裏面に形成されたそれぞれ平行な導体パターン12b,
12b・・・と、これら導体パターン11b,11b・・・,
導体パターン12b,12b・・・を電気的に接続する前
記基板を厚さ方向に貫くスルーホールに充填された金属
導体からなるコイル導体部13b,13b・・・とを備え
ている。ここで、コイル部1a,1bを構成する導体
は、それぞれ軸線L1,L2を中心として同一方向(本
実施形態では右ネジ方向)に螺旋様に巻回(本実施形態
においては5ターン)されている。これらのコイル部1
a,1bは、接続点P2においてそれぞれ軸線L1,L
2が同一直線上に揃えられるようにして接続されてい
る。そして、このように構成された本実施形態に係るイ
ンダクタンス部1は、周波数約1MHzにおいて、69
nHを有している。
【0016】図2は、図1の上面図であって、コイル部
1a,1bの部分を軸線L1,L2に垂直な方向から見
た状態で拡大して示す図である。図2に示すように、隣
り合う二つのコイル部1a,1bは、共振部E1の導体
パターン11a,11a・・・及び導体パターン12a,
12a・・・と軸線L1とがなす角度を平均した角度が角
度αとされ、共振部E2の導体パターン11b,11b
・・・及び導体パターン12b,12b・・・と軸線L2とが
なす角度を平均した角度が角度βとされており、これら
角度α及び角度βが共振部E1と共振部E2において異
なるように形成されている。しかも、これらの角度α及
び角度βは、いずれも90°と異なる角度とされてい
る。コイル部1aは、導体パターン12a、コイル導体
部13a、導体パターン11a、コイル導体部13aの
順に軸線L1の回りを一周するターン部15a(軸線の
回りを一周する部分)が軸線L1方向に連接されて形成
された導体からなり、ここで言う角度αとは、上面視し
て、このターン部15aが軸線L1となす平均の角度と
もなっている。導体は、角度αで傾斜した、しかも、図
2の紙面に垂直な平面H1,H1・・・で分割され、ター
ン部15a,15a・・・は、ターン部15a,15a・・・
のそれぞれの始点と終点以外ではこれらの平面H1,H
1・・・に交わらないように形成されている。すなわち、
ターン部15a,15a・・・は、傾斜した平面H1,H
1・・・に略含まれている。また、導体パターン11a,
11a・・・、導体パターン12a,12a・・・は、それぞ
れ平行に形成されているので、ターン部15a,15a
・・・も、互いに平行に形成されている。同様に、コイル
部1bは、導体パターン12b、コイル導体部13b、
導体パターン11b、コイル導体部13bの順に軸線L
2の回りを一周するターン部15bが軸線L2方向に連
接されて形成された導体からなり、ここで言う角度βと
は、上面視して、このターン部15bが軸線L2となす
平均の角度ともなっている。導体は、角度βで傾斜し
た、しかも、図2の紙面に垂直な平面H2,H2・・・で
分割され、ターン部15b,15b・・・は、ターン部1
5b,15b・・・のそれぞれの始点と終点以外ではこれ
らの平面H2,H2・・・に交わらないように形成されて
いる。すなわち、ターン部15b,15b・・・は、傾斜
した平面H2,H2・・・に略含まれている。また、導体
パターン11b,11b・・・、導体パターン12b,1
2b・・・は、それぞれ平行に形成されているので、ター
ン部15b,15b・・・も、互いに平行に形成されてい
る。さらに、共振部E1のコイル部1aの導体パターン
12aと共振部E2のコイル部1bの導体パターン11
bが、図2に角度γとして示す如く、上面視して接続点
P2で略90°ないしは若干鋭角よりの角度をなすよう
に設けられている。
【0017】キャパシタンス部2,2は、コンデンサー
部2a,2bを有している。コンデンサー部2a,2b
は、図示されぬ基板の一方の面にそれぞれ形成された略
四角形状の導体パターン21a,21b及び前記基板の
他方の面にそれぞれ形成された導体パターン22a,2
2bとを備え、これら導体パターン21a,21bと導
体パターン22a,22bがそれぞれ対向配置されて構
成されている。そして、共振部E1の一方の導体パター
ン21aが給電口3に、他方の導体パターン22aが接
続点P2にそれぞれ電気的に接続されている。また、共
振部E2の一方の導体パターン21bが接続点P2に、
他方の導体パターン22bが接続点P3にそれぞれ電気
的に接続されている。本実施形態に係るキャパシタンス
部2は、周波数約1MHzにおいて、30pFを有して
いる。なお、上記インダクタンス部1,1が形成された
基板と、キャパシタンス部2,2が形成された基板と
は、アルミナを主とする図示されぬ絶縁層を挟んで積層
され、かつ、一体に設けられている。
【0018】また、給電口3に接続されるアンテナA1
の入力インピーダンスと整合するインピーダンス整合部
4は、図3に示すような等価的回路となる。
【0019】また、接続点P3には、基板面上に形成さ
れた電極51が接続されている。この基板は、電極51
がインダクタンス部1,1、キャパシタンス部2,2に
臨むように配置され、さらに、絶縁層であるアルミナを
主とした基板を挟んでキャパシタンス部2,2が形成さ
れた基板と平行に重ねられている。このようにして、ア
ンテナ本体Bが一体に構成されている。
【0020】アンテナA1は、基板となるプリント基板
X上にアンテナ本体Bが実装されることによって、電極
51と、プリント基板上に形成された電極52との間
に、共振部E2に直列に接続される周波数調整キャパシ
タンス部5を形成するように構成されている。すなわ
ち、電極51と電極52とが対向配置されるようにアン
テナ本体Bがプリント基板X上に実装され、電極51、
電極52の面積、あるいは極板間の材質および距離等で
容量値が決定されるように構成されている。
【0021】本実施の形態によるアンテナA1は、イン
ダクタンス部1とキャパシタンス部2が並列接続された
共振部が電波を授受する共振系として二つ直列に接続さ
れてなり、全体として電波を送受信する機能を有する。
単一の共振部を用いる場合と比較して、共振部をこのよ
うに二つ以上配列することにより利得が増加する。隣り
合う共振部E1,E2の位置関係には、本実施形態にお
いて示される以外の幾つかの組み合わせが可能である。
しかしながら、コイル部1a,1bを並列に配置するよ
りも、軸線L1,L2が略同一直線上に揃えられるよう
に共振部E1,E2を配置して接続する方が利得が高く
なることが実験的に証明されている。これ以外にも、例
えば軸線L1,L2が交差するように共振部E1,E2
を配置すれば相互干渉を低減できることが知られてい
る。しかし、本実施形態では、実装に要する面積を少な
くし、かつ、実装上の利便性を高めるために軸線L1,
L2を揃える構成とした。
【0022】本実施形態のように、略同一直線上に軸線
L1,L2が揃えられた隣り合う二つのコイル部1a,
1bにおいて、コイル部1a,1bの導体を形成するタ
ーン部15a、及びターン部15bが軸線L1,L2と
平均的に90°以外の角度α、角度βをそれぞれ有する
ようにコイル部1a,1bを構成すると、コイル部1
a,1bに流れる電流が作る磁場の向きが、ターン部1
5a,15bを含む傾斜した平面H1,H2に垂直とな
り、軸線L1,L2回りに非対称となる。したがって、
コイル部1aに流れる電流がコイル部1bに生成する磁
場の強さ、及びコイル部1bに流れる電流がコイル部1
aに生成する磁場の強さがそれぞれ弱くなり、相互干渉
が低減する。さらに、角度α、角度βが異なり、共振部
E1のコイル部1aの導体パターン12aと共振部E2
のコイル部1bの導体パターン11bが、略90°の角
度γをなすため、コイル部1a,1bに流れる電流が作
る磁場の向きが、接続点P2付近の領域で90°に近い
角度で交差するようになり、共振部E1,E2の間の相
互干渉が低減され、全体としてアンテナA1の利得が増
加する。
【0023】加えて、周波数調整キャパシタンス部5の
容量によって、アンテナA1の共振周波数が変更されて
最大利得の得られる周波数が調整変更される。
【0024】また、インピーダンス整合部4によって、
接続される高周波回路の高周波電源から給電口3に至る
伝送路のインピーダンスとアンテナA1の入力インピー
ダンスとが整合され、伝送損失を最小にすることができ
る。
【0025】上述のように本実施の形態によれば、共振
部E1,E2のコイル部1a,1bの軸線L1,L2が
略同一直線状に揃えられ、コイル部1a,1bのターン
部15a,15bが軸線L1,L2に対して傾斜した平
面H1,H2に略含まれるので、共振部E1,E2の間
の相互干渉が低減され、高い利得を得ることができる。
例えば図4は、本実施形態に係る共振部E1,E2によ
る放射をY−Z面内の電力パターンで示したものである
が、絶対利得は最大で1.63dBiの値が得られた。
角度α、角度βをそれぞれ90°に揃えた場合、絶対利
得は1.12dBiとなり、0.5dBi低い値となっ
た。このように、本実施の形態によれば、明らかに利得
を増加できる。また、共振部E1の導体パターン12a
と共振部E2の導体パターン11bとが接続点P2にお
いてなす角度γが略90°の角度を有するので、ちょう
ど水平偏波、垂直偏波に対応して均一な放射パターンを
得る事ができる。図4は、このような電波の放射の無指
向性をも示している。
【0026】なお、上記の実施形態では、角度γが略9
0°となる構成としたが、他の角度としてもよい。例え
ば、角度γが45°〜135°、望ましくは60°〜1
20°の範囲にあれば、有意に利得を増加させることが
できる。また、本実施形態では、それぞれのコイルの巻
数を5ターンとしたが、巻数を変えてもよいし、共振部
を二つ以上、複数直列接続する構成としてもよい。
【0027】[第二の実施の形態]図5及び図6に、本発
明に係るアンテナの第二の実施形態を示す。図におい
て、アンテナA2は、二つの共振部E1,E2を備え、
これら共振部E1,E2が電気的に直列に接続されて構
成されている。共振部E1,E2は、各々インダクタン
ス部1とキャパシタンス部2とが並列に接続されて構成
されている。インダクタンス部1,1は、それぞれコイ
ル部1a,1bを有しており、これらコイル部1a,1
bの間に、導体部6が設置されている。この他、図にお
いて、図1〜3にそれぞれ対応する部分は、同一の符号
を付し、ここではその説明を省略する。
【0028】図6は、図5の上面図であって、コイル部
1a,1bの部分を軸線L1,L2に垂直な方向から見
た状態で拡大して示す図である。図5に示すように、コ
イル部1aの軸線L1とコイル部1bの軸線L2は、略
同一直線状に揃えられている。コイル部1aを構成する
導体パターン11a,11a・・・、及びコイル部1bを
構成する導体パターン11b,11b・・・は、それぞれ
全て平行に形成されており、また、コイル部1aを構成
する導体パターン12a,12a・・・、及びコイル部1
bを構成する導体パターン12b,12b・・・は、それ
ぞれ全て平行に形成されている。さらに、上面視して、
これらの導体パターン11a,11a・・・、及び導体パ
ターン12a,12a・・・と軸線L1とがなす角度の平
均は90°とされ、また、導体パターン11b,11b
・・・、及び導体パターン12b,12b・・・と軸線L2と
がなす角度の平均も90°とされている。
【0029】図5及び図6に示すアンテナA2におい
て、導体部6が、共振部E1,E2、とりわけ、コイル
部1a,1bで生成された電磁波をいくらか遮蔽するよ
うになるため、隣り合う二つの共振部E1,E2の間の
相互干渉が低減される。
【0030】上述のように、本実施の形態によれば、共
振部E1,E2のコイル部1a,1bの軸線L1,L2
が略同一直線状に揃えられ、これらコイル部1a,1b
の間に導体部6が設置されるので、共振部E1,E2の
間の相互干渉が低減され、高い利得を得ることができ
る。
【0031】なお、本実施形態においては、上面視し
て、コイル部1a,1bの導体と軸線L1,L2のなす
角度の平均が90°となるように構成したが、図7に示
すように、90°と異なる角度で傾斜する構成としても
よい。このような構成によれば、コイル部1a,1bの
端部における開口面積が広くなり、この開口面積を横切
る磁束が増して利得を高くすることができる。
【0032】また、コイル部1a,1bを第一の実施の
形態で述べたような形状に形成し、これらのコイル部1
a,1bの間に導体部を設置する構成としてもよい。こ
のような構成とすれば、共振部E1,E2の間の相互干
渉がさらに低減され、全体としてアンテナA2の利得が
増加する。
【0033】加えて、上記の実施形態では、隣り合う二
つのコイル部1a,1bは、極めて近接した構成とした
が、アンテナが設置される機器内にスペースが充分取
れ、導体パターンが形成される基板の長さ寸法が充分長
いようであれば、個々の共振部は、例えば基板の両端に
コイル部が形成されるように可能な限り離す方が、相互
干渉をそれだけ容易に低減できるという点において、よ
り好ましい構成であることは言うまでもない。今後、さ
らに波長の短い周波数帯域が頻繁に用いられるようにな
れば、共振部を半波長ないしは一波長、あるいは、数波
長程度離して配置し、なおかつ小形のアンテナを構成す
ることが可能である。
【0034】
【発明の効果】本発明は、以下に記載されるような効果
を奏する。以上説明したように、請求項1に記載の発明
によれば、隣り合う二つの共振部のコイル部の軸線が略
同一直線状に揃えられ、導体の軸線を一周する部分が、
軸線に対して傾斜した平面に略含まれているので、共振
部の間の相互干渉が低減され、高利得の小形のアンテナ
を構成することが出来る。
【0035】また、請求項2に記載の発明によれば、導
体の軸線を一周する部分が、軸線に対して傾斜した平面
に略含まれ、しかも互いに平行に形成されているので、
共振部の間の相互干渉がさらに低減され、高利得の小形
のアンテナを構成することが出来る。
【0036】また、請求項3に記載の発明によれば、導
体の軸線を一周する部分が略含まれる傾斜した平面が、
隣り合う二つの前記コイル部において異なる傾斜を有し
ているので、共振部の間の相互干渉が低減され、高利得
の小形のアンテナを構成することが出来る。
【0037】また、請求項4に記載の発明によれば、隣
り合う二つの共振部の間に、導体部が設置されているの
で、共振部の間の相互干渉が低減され、高利得の小形の
アンテナを構成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第一の実施の形態を示す図であっ
て、アンテナの一例を示す斜視図である。
【図2】図1の上面図であって、コイル部の拡大図であ
る。
【図3】本発明に係るアンテナの等価回路を示す図であ
る。
【図4】本発明に係るアンテナの放射パターンを示す図
である。
【図5】本発明に係る第二の実施の形態を示す図であっ
て、アンテナの一例を示す斜視図である。
【図6】図5の上面図であって、コイル部の拡大図であ
る。
【図7】本発明に係るさらに他の実施の形態を示す図で
あって、コイル部を上側から見た拡大図である。
【符号の説明】
A1,A2・・・アンテナ B・・・アンテナ本体 E1,E2・・・共振部 X・・・プリント基板 1・・・インダクタンス部 1a,1b・・・コイル部 2・・・キャパシタンス部 2a,2b・・・コンデンサー部 3・・・給電口 4・・・インピーダンス整合部 5・・・周波数調整キャパシタンス部 6・・・導体部 11a,11b・・・導体パターン 12a,12b・・・導体パターン 13a,13b・・・コイル導体部 15a,15b・・・ターン部(導体の軸線を一周する
部分) 21a,21b・・・導体パターン 22a,22b・・・導体パターン 51,52・・・電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01Q 21/28 H01Q 21/28 (72)発明者 千葉 敏幸 東京都千代田区大手町一丁目5番1号 三 菱マテリアル株式会社移動体事業推進本部 内 (72)発明者 杉村 詩朗 石川県金沢市打木町東1414番地 株式会社 エフ・イー・シー内 (72)発明者 小林 英樹 石川県金沢市打木町東1414番地 株式会社 エフ・イー・シー内 Fターム(参考) 5J021 AA02 AB04 GA08 HA05 HA10 JA02 5J046 AA04 AA07 AB12 PA06 QA02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インダクタンス部とキャパシタンス部と
    が電気的に並列に接続されてなる共振部が、二つ以上電
    気的に直列に接続されてなるアンテナであって、 前記インダクタンス部は、軸線を中心とした螺旋状もし
    くは螺旋に近似し得る角形状をなす導体からなるコイル
    部を有し、前記コイル部の前記軸線が、少なくとも二つ
    の隣り合う前記共振部において略同一直線状に揃えら
    れ、前記導体の前記軸線を一周する部分の少なくとも一
    つは、前記軸線に対して傾斜した平面内に略含まれてい
    ることを特徴とするアンテナ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のアンテナであって、 前記導体の前記軸線を一周する部分は、互いに平行に形
    成されていることを特徴とするアンテナ。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2のいずれかに記
    載のアンテナであって、 前記傾斜した平面は、隣り合う二つの前記コイル部にお
    いて異なる傾斜を有していることを特徴とするアンテ
    ナ。
  4. 【請求項4】 インダクタンス部とキャパシタンス部と
    が電気的に並列に接続されてなる共振部が、二つ以上電
    気的に直列に接続されてなるアンテナであって、 隣り合う少なくとも二つの前記共振部の前記インダクタ
    ンス部の間に、導体部が設置されていることを特徴とす
    るアンテナ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010074842A (ja) * 2009-11-13 2010-04-02 Panasonic Corp アンテナモジュール

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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