JP2002134422A - 窒化物半導体膜の製造方法および窒化物半導体基板の製造方法 - Google Patents
窒化物半導体膜の製造方法および窒化物半導体基板の製造方法Info
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Abstract
物半導体との熱膨張係数差を緩和し、歪の低減された窒
化物半導体膜を製造する方法および、歪の低減された窒
化物半導体基板を製造する方法を提供する。 【解決手段】 窒化物半導体より熱膨張係数が大きな層
の両側に、窒化物半導体より熱膨張係数が小さな層を設
置した複合基板を用い、その上に窒化物半導体を成長す
る。具体的には、サファイア基板の両主面にシリコンを
貼り合わせた複合基板の1主面上に窒化物半導体を成長
する。さらに、シリコン基板をエッチングで除去して窒
化物半導体基板を得る。
Description
導体層を備えた半導体装置の製造などに用いられる、窒
化物半導体膜の製造方法および、窒化物半導体基板の製
造方法に関する。
体は、青色や緑色のLEDや、青色半導体レーザ、高温
動作可能な高速トランジスタなどに用いる材料として、
好適である。窒化物半導体を成長させるための基板とし
て、従来よりサファイア基板などが広く用いられてい
る。ただし、サファイアなどの窒化物半導体膜とは異な
る材料の基板を用いた成長では、窒化物半導体と異種材
料基板との熱膨張係数の差による、基板の反り、クラッ
クの発生、それらに伴う結晶性の悪化がある。近年我々
はこれらを防ぐ方法として、窒化物半導体より熱膨張係
数の大きなサファイア上に、窒化物半導体より熱膨張係
数の小さなシリコンを結晶成長により形成し、その上に
窒化物半導体を成長する技術を開発している(2000
年秋季応用物理学会 講演番号5a−Y−4)。
イア上にシリコンを形成した複合基板(以下、シリコン
・オン・サファイア基板、略してSOS基板と称する)
によって、窒化物半導体膜に加わる歪を低減させようと
すると、シリコンの膜厚をサファイアの膜厚の1/3.
5程度、例えば、サファイア350μmに対して、10
0μm程度の厚さのシリコンを形成する必要があった。
このように厚いシリコンをサファイア上に形成すると、
サファイアとシリコンは相当の熱膨張係数差を有するの
で、窒化物半導体の成長工程の加熱などによってSOS
基板が反ってしまい、場合によっては基板が割れてしま
うという課題があった。また、SOS基板上に窒化物半
導体を成長した場合でも反りなどが残るため、窒化物半
導体膜中に加わる歪を完全にゼロにすることは非常に困
難であった。
に、本発明の窒化物半導体膜の製造方法および窒化物半
導体基板の製造方法は、以下に示す構成よりなるもので
ある。
化物半導体より大きな熱膨張係数を有する層の両側に、
窒化物半導体より小さな熱膨張係数を有する層を形成し
て複合基板とし、その少なくとも一主面に、窒化物半導
体膜が成長するというものである。本構成によって、複
合基板は大きな熱膨張係数の両側に小さな熱膨張係数の
層を配置しているため、温度の昇降によって生じる反り
が低減され、基板の割れなどを防ぐことが可能である。
有する層は、厚さがほぼ等しいことが好ましい。
い層の熱膨張係数がα1、ヤング率がE1、熱膨張係数が
小さい層の熱膨張係数がα2、ヤング率がE2であり、窒
化物半導体の熱膨張係数がαNであるとき、熱膨張係数
が大きい層の厚さT1と、熱膨張係数が小さい層の厚さ
の合計T2との比T1/T2が、ほぼ
される。
化物半導体より熱膨張係数が小さいサファイア層の両側
に、窒化物半導体より熱膨張係数が大きいシリコン層を
形成して複合基板とし、その少なくとも一方のシリコン
層上に、窒化物半導体を成長することを特徴とする。本
構成においては、サファイア、シリコンともに窒化物半
導体を成長する高温の原料ガス雰囲気中で、著しい腐食
や不純物の生成をしないので、良好な結晶の窒化物半導
体を成長することが可能である。
の厚さはほぼ等しいことが好ましい。
厚さが、前記シリコン層の厚さの合計の、ほぼ半分とす
る。
成長される前記シリコン層の主面の面方位は(111)
面と等価な面である。
01)面と等価な面であることが好ましい。
−20)面と等価な面であることが好ましい。
イア層の両側にシリコン層を形成した複合基板上の少な
くとも一方のシリコン層上に、窒化物半導体を成長する
工程と、窒化物半導体の下のシリコン層を除去する工程
とを有することを特徴とするものである。本構成によっ
て、成長した窒化物半導体は歪や反りが低減されてお
り、充分な厚さの成長が可能であるので、半導体装置の
製造などに用いることができる窒化物半導体基板を得る
ことができる。
する工程はフッ酸を含む溶液中で行われる。
化物半導体より小さな熱膨張係数を有する層の両側に、
窒化物半導体より大きな熱膨張係数を有する層を形成し
て複合基板とし、その少なくとも一主面に、窒化物半導
体膜が成長するというものである。本構成によって、複
合基板は小さな熱膨張係数の両側に大きな熱膨張係数の
層を配置しているため、温度の昇降によって生じる反り
や基板の割れなどを防ぐことが可能である。
有する層は、厚さがほぼ等しいことが好ましい。
い層の熱膨張係数がα1、ヤング率がE1、熱膨張係数が
小さい層の熱膨張係数がα2、ヤング率がE2であり、窒
化物半導体の熱膨張係数がαNであるとき、熱膨張係数
が大きい層の厚さT1と、熱膨張係数が小さい層の厚さ
の合計T2との比T1/T2が、ほぼ
される。
リコン層の両側にサファイア層が形成された複合基板
の、少なくとも一方のサファイア層上に、窒化物半導体
を成長することを特徴とするものである。本構成におい
ては、サファイア、シリコンともに窒化物半導体を成長
する高温の原料ガス雰囲気中で、著しい腐食や不純物の
生成をしないので、良好な結晶の窒化物半導体を成長す
ることが可能である。
とが好ましい。
リコン層の厚さのほぼ半分であることが好ましい。
イア層は、主面の面方位が(0001)面と等価な面で
あることが好ましい。
シリコン層の両側の主面上にサファイア層が形成された
複合基板の、少なくとも一方のサファイア層上に窒化物
半導体を成長する工程と、窒化物半導体の下のサファイ
ア層を除去する工程とを有することを特徴とする。本構
成によって、成長した窒化物半導体は歪や反りが低減さ
れており、充分な厚さ成長が可能であるので、半導体装
置の製造などに用いることができる窒化物半導体基板を
得ることができる。
酸を含む溶液で除去する工程の後、前記サファイア基板
を除去する工程を行う。
る実施形態では、前記窒化物半導体膜の膜厚荷重平均の
熱膨張係数がαNであり、前記複合基板を形成する層を
ある順序で数えてi番目の層の熱膨張係数がαiであ
り、かつi番目の層のヤング率がEiであり、i番目の
層の膜厚がTiであり、これらの値がほぼ
いる。本構成においては、前記複数の層の窒化物半導体
層に対する歪の和が打ち消されているため、温度の昇降
による基板の反りや割れの発生がなく、歪のない良好な
結晶性の窒化物半導体膜を厚く成長することができる。
対称に積層されている。
て、図面を用いて説明する。
発明の第1の実施の形態について説明する。図1は、実
施形態1にかかる窒化物半導体膜の製造方法を示してい
る。
層2との貼り合わせ工程を行う。シリコン層2とサファ
イア層1の径はいずれも2インチである。シリコン層2
の面方位は(111)面とし、サファイア層1の面方位
は(0001)面とする。以下、面方位については、等
価な面での置き換えを行っても同様の結果が得られるこ
とは言うまでもない。例えば、シリコン(111)面に
対する等価な面とは、シリコン(1、−1、1)面、
(−1、1、1)面、(1、1、−1)面、(−1、−
1、1)面、(−1、1、−1)面、(1、−1、−
1)面である。なお、結晶の面方位を表す指数として、
1バーを用いるのに変えて、−1と標記することとす
る。
鏡面であることが好ましいことから、シリコン層2とサ
ファイア層1はいずれも両面鏡面とする。
いても、できるだけ均一なものを選び、シリコン層2と
サファイア層1のいずれもが400μmのものを使用す
る。
ン酸と硫酸の混合溶液で洗浄した後、水洗を行い乾燥す
る(図1(a))。
度に、真空の蒸着装置内に基板を導入する。
サファイア層1の一主面上にAl層3を蒸着する。本実
施の形態では、Al層3の厚さは50nmである。な
お、Al層3の形成方法は蒸着に限定するものではな
い。
空中から取り出し、速やかにサファイア層を裏向けて配
置し装置内を真空にして、再度蒸着装置内でAlを蒸着
する。Al層の厚さは同じく50nmとする(図1
(c))。なお、蒸着装置に、真空を破らずに基板を裏
向ける工夫を加え、一度の蒸着で両面にAlが蒸着され
るようにしても良い。
空に引いたまま保管し、2枚のシリコン基板2の洗浄を
行う。シリコン層2は、アセトンなどの有機溶剤で洗浄
した後、水洗を行い、フッ酸を含む溶液で酸化膜を除去
する。その後、フッ酸を除去する目的で軽く水洗し、乾
燥する。洗浄後、速やかに蒸着装置からサファイア層1
を取り出し、サファイア層1の両側に速やかにシリコン
層2とAl層3を密着させ、加熱炉内へ導入し、炉内を
真空とする。このとき、サファイア層1とシリコン層2
の向きや設置方法などは特に限定するものではないが、
シリコン層2、サファイア層1、シリコン層2を重ねて
おくこととする。特に荷重はかけずに、基板自身の重さ
のみでAl層3とシリコン層2とを密着させることとす
る(図1(d))。
スの毎分15リットルのフロー中で600℃の基板温度
で15分加熱した。引き続き、さらに結合強度を増す目
的で800℃、15分の加熱を行った。加熱中は、シリ
コン層2とサファイア層1の界面には液体のAl−Si
合金層4が形成されて基板は互いに密着している(図1
(e))。
る。炉の温度を800℃から下げた瞬間に、合金層4は
固化し、基板同士を強固に結合する。そのため、シリコ
ン層2とサファイア層1の界面には、熱膨張係数差によ
る応力が加わる。しかしながら、本実施の形態のSOS
基板は、サファイア層1の両面にシリコン層2が形成さ
れているため、一方の主面のシリコン層が熱膨張係数差
によって反ろうとする力と、他方の主面のシリコン層が
反ろうとする力とが打ち消しあう。なお、反ろうとする
力を効果良く打ち消すには、2つのシリコンの膜厚をほ
ぼ等しくすることが好ましいことはいうまでもない。
ア(0001)面およびシリコン(111)面の熱膨張
係数が面内で同じであるため、SOS基板が一方向に反
るなどの現象は観察されない。
させる。本実施の形態では両方のシリコンとも両面研磨
なので、鏡面の窒化物半導体が成長可能であるが、加熱
炉内でガス側になっていた面の方が、サセプタからの付
着物がないので好ましい。なお、長期保管などで、シリ
コン表面が酸化ないしは汚染されている可能性があると
きは、フッ酸などでSOS基板を洗浄しても良い。
VPEと略する)装置に導入する。まず、水素の毎分1
0リットルのフロー中で1000℃に加熱し、表面に付
着した水分等を除去する。
は、液化した合金層4を介して密着している状態であ
る。MOVPE装置で基板を高速回転するなど基板に相
当の負荷がかかる場合は、基板が剥がれる恐れがあるの
で、いったん1000℃より高い温度に加熱し、100
0℃まで温度を下げても良い。このように1000℃よ
り高い温度に加熱すると、合金層4の融点は加熱温度ま
で高まり、再び1000℃にしたときは固化する。ま
た、本実施の形態では両面にシリコンを配したSOS基
板なので、このような処理を施しても基板が反ることは
ない。
水素で希釈した有機金属を導入することで成長が開始す
る。シリコンに接する層は、アルミを含む混晶とする方
が核形成密度が高く鏡面成長が得られやすいため、まず
トリメチルアルミニウムを導入して、AlN層5を10
0nmの厚さに成長する。
トリメチルガリウムを導入し、GaN層6を2μmの厚
さに成長する。成長後、基板温度を室温に下げ、MOV
PE装置から基板を取り出す(図1(f))。
膨張係数の大きなサファイアと、熱膨張係数の小さなシ
リコンがあるために、熱膨張係数差による応力を打ち消
しあって、GaN層6には割れやクラックが観測されな
かった。また、サファイア層1の両面にシリコン層2が
あるため反りも観測されなかった。
コンの(111)面であるため、その上には結晶性の良
いGaNの(0001)面が成長した。なお、サファイ
ア層1および、窒化物半導体を成長させない方のシリコ
ン層2の面方位は、特に、限定するものではない。例え
ば、サファイア(11−20)面基板は大面積化が容易
で、かつ単位面積あたりの価格も安いので、コスト面で
有利である。
下HVPEと略する)装置に導入して、厚膜のGaNの
成長を行った。まず、毎分10リットルの窒素雰囲気中
で基板1000℃に加熱し、引き続いてアンモニアを導
入した。さらに基板の上流に設置された金属Gaに塩化
水素(HCl)を照射すると、生成された塩化ガリウム
とアンモニアが基板上で反応してGaNが成長する。成
長速度はおおよそ毎時100μmである。
300μmのGaN層7を得た。成長後、基板を室温に
下げ、HVPE装置から基板を取り出した。GaN層7
は300μmもの厚さがあるにもかかわらず、反りやク
ラックは全く観測されなかった(図1(g))。
を有するSOS基板は、擬似的にGaNと同じ熱膨張係
数を有する基板として働く。したがって、非常に厚いG
aNや、任意の厚さのGaNをクラックや反りなく成長
する方法を提供することができる。なお、SOS基板に
は合金層4が存在しているが、合金層は強固に固化して
サファイアとシリコンを結合すると共に、全体の厚さが
千数百μmに対して、高々百数十nmの厚さしかないの
で熱膨張係数に与える影響は軽微である。またシリコン
層2とGaN層6の間にはAlN層5が存在しているが
こちらも、全体の厚さに比べて薄いため、窒化物半導体
全体の平均の熱膨張係数はほとんどGaNと同じであ
る。
されるときはそれらの膜厚荷重平均を全体の熱膨張係数
として考えればよいことはいうまでもない。また、Ga
NやAlN以外の任意の窒化物半導体の混晶に対して
も、サファイアの熱膨張係数は大きく、シリコンの熱膨
張係数は小さいために、サファイアまたはシリコンの膜
厚を調整すれば、無歪、無反り成長が可能であることは
いうまでもない。
がら、実施の形態2について説明する。
介してGaNを成長したときのGaN層の応力と曲率を
計算により示したものである。応力は、GaN層とシリ
コン界面の値である。曲率は、曲率半径の逆数である。
成長温度と室温との差を1000℃と仮定している。サ
ファイアの厚さは400μm、GaNの厚さは200μ
mでシリコンの膜厚を変化させている。なお、各層のヤ
ング率および熱膨張係数を以下に示す。
およそ100μmのとき、GaN層の応力はゼロとな
る。しかしながら、反りは解消されていないことが分か
る。
に同じ厚さのシリコン層を設置し、一方のシリコン層上
にGaNを成長したときの応力と曲率である。サファイ
アの厚さは400μm、GaNの厚さは200μmとし
て、シリコンの膜厚を変化させている。シリコンの膜厚
が390μmのとき、応力、曲率共にゼロになることが
わかる。
以下に示す。
をE1、厚さをT1、シリコンの熱膨張係数をα2、ヤン
グ率をE2、シリコンの厚さの合計T2、窒化物半導体の
熱膨張係数をαNとする。
の、ある温度での長さがLであった場合、Δt温度変化
したときの長さは、
が、擬似的に窒化物半導体と同じ熱膨張係数を有する場
合、SOS基板中のサファイア層の長さは、
応力は、サファイアを圧縮する方向をプラスとして、
に加わる応力の合計は、
で、Δtが正のとき、この値はマイナスの値であり、シ
リコンを引っ張る方向に応力が加わっていることを示
す。
れらの応力が釣り合っているということなので、
っているので、実施の形態1とは逆に、シリコン層の両
側にサファイア層を配した場合にも、シリコンの符号を
1、サファイアの符号を2として成立することはいうま
でもない。また、シリコンやサファイアに限らず、他の
材料一般に対して成立することはいうまでもない。
符号2をシリコン(Si)とし、窒化物半導体がGaN
として値を代入すると、
をサファイアの膜厚の合計の2倍とすれば、歪と反りの
ないGaNの成長が可能である。また、GaN単層以外
でも、実際のレーザなどのデバイスは、GaNを組成の
中心として、Al組成が小さくかつ薄いAlGaN層
と、In組成が小さくかつ薄いInGaN層により構成
されているので、平均の熱膨張係数はGaNに近い場合
がほとんどであり、数13に示す厚さのシリコン層とサ
ファイア層によるSOS基板はほとんどの窒化物半導体
装置の基板として用いることができる。
施の形態3について以下に説明する。
体基板の製造方法である。
作成したSOS基板上のGaNである。ただし、実際の
成長では基板の側面にもGaNが成長してしまう場合が
あるので、その様子をより忠実に示している。
している窒化物半導体を除去する。このとき、側面の一
部だけでも良いが、より好ましくは全周の窒化物半導体
を除去する。
酸を含んだ溶液でエッチングすると、サファイアと窒化
物半導体はエッチングされず、シリコン層2と合金層4
が選択的にエッチングされ、窒化物半導体よりなるフリ
ースタンディング基板8が得られた(図4(c))。
けていく。
と、熱膨張係数差や反りがGaNに局部的に加わって割
れが生じることがある。これを防ぐには前述のように、
基板側面の窒化物半導体を全て取り除き、さらに好まし
くは、エッチング中に充分撹拌を行って、エッチングが
均一に進行するようにする。
ンが先に溶けて消失してしまうような場合にも、割れが
生じることがある。これを防ぐには、予め、GaNを成
長させていないシリコンの表面に、エッチング液では腐
食されにくい材料、例えば、SiN膜、金、白金などの
金属膜、レジスト、樹脂類を設置しておけばよい。
除去すれば、直径2インチのGaN単体よりなるフリー
スタンディング基板8が得られた(図4(d))。
を成長させれば、GaNを堆積していない方のシリコン
が先に溶けるような課題が解決できる上に、一度のプロ
セスでフリースタンディングのGaN基板が2枚得られ
るという効果があることは、いうまでもない。
2を貼り合わせることにより、再利用できることはいう
までもない。
施の形態4について以下に説明する。
ァイア層1である。径は2インチで面方位は(000
1)で両面鏡面である。サファイア層1を洗浄し、2枚
おのおのに、Al層を50nm蒸着する。蒸着後速やか
に、洗浄した厚さ600μm、2インチ径の(111)
シリコン層2を、Al層3を介して密着させる(図5
(b))。
00℃15分で加熱して、シリコン層2の両面にサファ
イア層1が接合されたSOS基板が完成する(図5
(c))。
し、GaNの成長を行う。サファイア上には直接GaN
を成長可能であるが、好ましい実施の形態として、サフ
ァイア上へのGaNの核形成密度を高めて鏡面のGaN
成長が行われやすいように、成長に先立って1000℃
でアンモニアと窒素のフローに30分保持し、サファイ
ア表面を窒化しておく。引き続いてHClを導入するこ
とでGaN層7の成長を行った。GaN層7の厚さは5
00μmとした。
出したところ、GaN層7は500μmもの厚さを有し
ているにもかかわらず、反りや割れやクラックは生じて
いなかった。また、GaNを成長させる面がサファイア
(0001)面であるため、良好な結晶のGaN(00
01)面が成長した(図5(d))。なお、この状態で
窒化物半導体装置などを形成することも可能である。
板の作製を行った。
反らないように、GaN層7を強固に保持して、裏面か
ら研磨を行う方法がある。しかしながら、SOS基板は
900μmもの厚さを有しているので、研磨のためにダ
イヤモンドなどの高価な研磨剤を大量に要し、かつ、非
常に非効率的である。
除去を行った。
体を除去した(図5(e))。次に、フッ酸と硝酸によ
る混合溶液でシリコン層2と合金層4を除去した(図5
(f))。シリコン層2の除去後は、GaN層7に付着
しているのは、わずか150μmのサファイア層1であ
るので、研磨のみでSOS基板全てを除去するより著し
く効率が良い。また、サファイア層1の厚さはGaN層
7の厚さより薄いので、熱膨張係数差等による反りや割
れの問題もほとんどない。なお、GaN層7の割れを防
ぐため、GaN層7の厚さはサファイア層1の厚さより
大きくするか、または小さくすることによって、サファ
イア層1の反りを小さくするのが好ましい。より好まし
くは、GaN層7の厚さはサファイア層1の2倍以上と
するないしは3分の1以下とする。
イア層1を研磨によって除去して、GaN基板8を得る
ことができた(図5(g))。
して説明を行う。
いた、一般的な場合についてである。n個の層を有する
複合基板上に窒化物半導体層を成長して、歪や反りが発
生しない場合、数11を参照して、以下の式が成立す
る。
成温度をΔtiとしているが、多くの場合は基板の貼り
合わせ等は同一の温度で一度で行うことが考えられるの
で、次式が成立する。
を与える式である。
ためには、熱膨張係数差によって反ろうとする力を打ち
消すために、表裏対称に層を積層すればよい。
係であり、単結晶に限らず多結晶やガラスなどのアモル
ファスでも同様に成立する。したがって、窒化物半導体
を成長する面さえ適切に選べば、熱膨張係数とヤング率
が釣り合うように、上式にしたがって膜厚を決めさえす
れば、歪や反りのない窒化物半導体の成長が可能であ
る。例えば、窒化物半導体を成長させる面のみを単結晶
として、他の層は高価なサファイアに替えて、多結晶の
サファイアいわゆるアルミナを用い、単結晶シリコン基
板に替えて、太陽電池などに用いる安価な多結晶シリコ
ンを用いてもよい。例えば、窒化物半導体の成長に悪影
響を及ぼさないAl、Zn、Mg、Si、O、Nなどの
物質でセラミックスを構成し、その配合および層構成を
適切に行って、表面に単結晶基板を貼り合わせて窒化物
半導体を成長するといったことも可能である。
外の、例えば結晶成長や堆積やコーティングなどの方法
によっても良いことはいうまでもない。
には熱膨張係数差による応力以外に、格子定数差による
応力が加わっている場合があるが、このときは、格子定
数差による応力の方向に応じて、シリコンないしはサフ
ァイアの層の厚さを調整すればよいことは言うまでもな
い。
の製造方法によれば、反りやクラックや歪を低減した良
好な結晶の窒化物半導体を提供することが可能となり、
窒化物半導体基板を供するため厚い膜の製造方法や、歪
が低減された良好な特性の窒化物半導体装置を製造する
ための窒化物半導体膜の製造方法を提供することが可能
であるという効果を有する。また、本発明の窒化物半導
体基板の製造方法によれば、反りや歪が低減された良好
な結晶性の窒化物半導体による基板を提供することがで
きるという効果がある。
体膜の製造方法を表す図
層が1層のシリコン・オン・サファイア基板上に成長し
たGaNの反りと歪の関係を表す図
層が2層のシリコン・オン・サファイア基板上に成長し
たGaNの反りと歪の関係を表す図
体基板の製造方法を表す図
体基板の製造方法を表す図
Claims (22)
- 【請求項1】 第1の熱膨張係数α1を有する第1の層
の一方の主面上に第2の熱膨張係数α2を有する第2の
層が形成され、かつ、前記第1の基板の他方の主面上に
第2の熱膨張係数α2を有する第3の層が形成された複
合基板上の少なくとも一主面に、熱膨張係数がαNであ
る窒化物半導体を成長する工程を有し、前記第1の熱膨
張係数α1は前記窒化物半導体の熱膨張係数αNより大き
く、前記第2の熱膨張係数α2は前記窒化物半導体の熱
膨張係数αNより小さいことを特徴とする、窒化物半導
体膜の製造方法。 - 【請求項2】 前記第2の層の厚さと、前記第3の層の
厚さはほぼ等しいことを特徴とする請求項1に記載の窒
化物半導体膜の製造方法。 - 【請求項3】 前記第1の層の熱膨張係数がα1、ヤン
グ率がE1であり、前記第2の層および前記第3の層の
熱膨張係数がα2、ヤング率がE2であり、前記窒化物半
導体の熱膨張係数がαNであって、前記第1の層の厚さ
T1と、前記第2の層の厚さと前記第3の層の厚さの合
計T2との比T1/T2が、ほぼ 【数1】 の関係を満たすべく、前記複合基板が構成されているこ
とを特徴とする請求項1ないしは請求項2に記載の窒化
物半導体膜の製造方法。 - 【請求項4】 サファイア層の一方の主面上に第1のシ
リコン層が形成され、他方の主面上に第2のシリコン層
が形成された複合基板の、少なくとも一方のシリコン層
上に、窒化物半導体を成長することを特徴とする、窒化
物半導体膜の製造方法。 - 【請求項5】 前記第1のシリコン層の厚さと、前記第
2のシリコン層の厚さがほぼ等しいことを特徴とする請
求項4に記載の窒化物半導体膜の製造方法。 - 【請求項6】 前記サファイア層の厚さが、前記第1の
シリコン層の厚さと前記第2のシリコン層の厚さの合計
の、ほぼ半分であることを特徴とする請求項4ないしは
請求項5に記載の窒化物半導体膜の製造方法。 - 【請求項7】 窒化物半導体が成長されるシリコン層は
単結晶であり、主面の面方位が(111)面と等価な面
であることを特徴とする請求項4に記載の窒化物半導体
膜の製造方法。 - 【請求項8】 前記サファイア層は単結晶であり、主面
の面方位が(0001)面と等価な面であることを特徴
とする請求項4に記載の窒化物半導体膜の製造方法。 - 【請求項9】 前記サファイア層は単結晶であり、主面
の面方位が(11−20)面と等価な面であることを特
徴とする請求項4に記載の窒化物半導体膜の製造方法。 - 【請求項10】 サファイア層の一方の主面上に第1の
シリコン層が形成され、他方の主面上に第2のシリコン
層が形成された複合基板の、少なくとも一方のシリコン
層上に、窒化物半導体を成長する工程と、窒化物半導体
の下のシリコン層を除去する工程とを有することを特徴
とする、窒化物半導体基板の製造方法。 - 【請求項11】 前記シリコン層を除去する工程はフッ
酸を含む溶液中で行われることを特徴とする請求項10
に記載の窒化物半導体基板の製造方法。 - 【請求項12】 第1の熱膨張係数α1を有する第1の
層の一方の主面上に第2の熱膨張係数α2を有する第2
の層が形成され、かつ、前記第1の基板の他方の主面上
に第2の熱膨張係数α2を有する第3の層が形成された
複合基板上の少なくとも一主面に、熱膨張係数がαNで
ある窒化物半導体を成長する工程を有し、前記第1の熱
膨張係数α1は前記窒化物半導体の熱膨張係数αNより小
さく、前記第2の熱膨張係数α2は前記窒化物半導体の
熱膨張係数αNより大きいことを特徴とする、窒化物半
導体膜の製造方法。 - 【請求項13】 前記第2の層の厚さと、前記第3の層
の厚さはほぼ等しいことを特徴とする請求項12に記載
の窒化物半導体膜の製造方法。 - 【請求項14】 前記第1の層の熱膨張係数がα1、ヤ
ング率がE1であり、前記第2の層および前記第3の層
の熱膨張係数がα2、ヤング率がE2であり、前記窒化物
半導体の熱膨張係数がαNであって、前記第1の層の厚
さT1と、前記第2の層の厚さと前記第3の層の厚さの
合計T2との比T1/T2が、ほぼ 【数2】 の関係を満たすべく、前記複合基板が構成されているこ
とを特徴とする請求項12ないしは請求項13に記載の
窒化物半導体膜の製造方法。 - 【請求項15】 シリコン層の一方の主面上に第1のサ
ファイア層が形成され、他方の主面上に第2のサファイ
ア層が形成された複合基板の、少なくとも一方のサファ
イア層上に、窒化物半導体を成長することを特徴とす
る、窒化物半導体膜の製造方法。 - 【請求項16】 前記第1のサファイア層の厚さと、前
記第2のサファイア層の厚さがほぼ等しいことを特徴と
する請求項15に記載の窒化物半導体膜の製造方法。 - 【請求項17】 前記シリコン層の厚さが、前記第1の
サファイア層の厚さと前記第2のサファイア層の厚さの
合計の、ほぼ半分であることを特徴とする請求項15な
いしは請求項16に記載の窒化物半導体膜の製造方法。 - 【請求項18】 窒化物半導体が成長されるサファイア
層は単結晶であり、主面の面方位が(0001)面と等
価な面であることを特徴とする請求項4に記載の窒化物
半導体膜の製造方法。 - 【請求項19】 シリコン層の一方の主面上に第1のサ
ファイア層が形成され、他方の主面上に第2のサファイ
ア層が形成された複合基板の、少なくとも一方のサファ
イア層上に窒化物半導体を成長する工程と、窒化物半導
体の下のサファイア層を除去する工程とを有することを
特徴とする、窒化物半導体基板の製造方法。 - 【請求項20】 前記シリコン層をフッ酸を含む溶液で
除去する工程を、前記サファイア基板を除去する工程の
前に有することを特徴とする請求項19に記載の窒化物
半導体基板の製造方法。 - 【請求項21】 窒化物半導体膜の膜厚荷重平均の熱膨
張係数がαNであり、複合基板を形成する層をある順序
で数えて、i番目の層の熱膨張係数がαiであり、かつ
i番目の層のヤング率がEiであり、i番目の層の膜厚
がTiであり、これらの値がほぼ 【数3】 を満たすべく、前記複合基板が構成されていることを特
徴とする窒化物半導体膜の製造方法。 - 【請求項22】 前記複数の層により構成された前記複
合基板上に前記窒化物半導体膜を成長する方法であっ
て、前記複合基板の層は、表裏対称に積層されているこ
とを特徴とする請求項21に記載の窒化物半導体膜の製
造方法。
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JP2000325327A JP2002134422A (ja) | 2000-10-25 | 2000-10-25 | 窒化物半導体膜の製造方法および窒化物半導体基板の製造方法 |
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---|---|---|---|---|
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- 2000-10-25 JP JP2000325327A patent/JP2002134422A/ja not_active Withdrawn
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