JP2002133427A - 輪郭パターン検査方法およびその装置 - Google Patents

輪郭パターン検査方法およびその装置

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JP2002133427A
JP2002133427A JP2000323188A JP2000323188A JP2002133427A JP 2002133427 A JP2002133427 A JP 2002133427A JP 2000323188 A JP2000323188 A JP 2000323188A JP 2000323188 A JP2000323188 A JP 2000323188A JP 2002133427 A JP2002133427 A JP 2002133427A
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image
histogram
contour pattern
edge
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JP2000323188A
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English (en)
Inventor
Shiro Fujieda
紫朗 藤枝
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 対象物の大きさ、傾き、かすれ、濃度むらな
どの影響を受けずに、実用に適した輪郭パターンの検査
を行う。 【解決手段】 対象物を撮像して得られたディジタル濃
淡画像データが画像メモリ3に格納されると、制御部8
は、この濃淡画像上のエッジを抽出した後、画像上の所
定位置に基準点を設定し、この基準点から見た方向毎の
エッジの度合を示すヒストグラムを作成する。さらに制
御部8は、作成されたヒストグラムを輪郭パターンが適
正なモデルの画像により作成した基準のヒストグラムと
比較することによって、対象物の輪郭パターンの適否を
判別する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンピュータに
より濃淡画像データを処理する分野に属するもので、特
に、所定の輪郭形状を具備する対象物の濃淡画像を用い
て、前記対象物の輪郭パターンの適否を検査するための
技術に関連する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の検査では、検査に先立
ち、輪郭パターンが適正な対象物のモデルの濃淡画像を
基準画像として登録しておき、検査対象の濃淡画像と前
記基準画像との間で正規化相関演算を実行し、得られた
相関値に基づき対象物の輪郭パターンの適否を判別する
ようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の正規化相関演算
による輪郭パターン検査では、対象物の大きさがモデル
と異なったり、対象物がモデルに対して回転ずれしてい
たり、対象物の一部がかすれたり、対象物に濃度むらが
生じたりしていると、相関値が小さくなって不良判定が
なされることがある。
【0004】しかしながら、たとえばICパッケージ上
の印刷文字のように、文字認識に差し支えない程度の精
度を得れば良い対象物について、このように厳密な適否
判定を行うと、良品として許容できる対象物まで不良と
判定されてしまうという問題が生じる。他方、このよう
な対象物が良品と判定されるように、良否判定の基準と
するしきい値を下げると、今度は、不良と判定しなけれ
ばならない対象物まで良品と判定されるという不具合が
生じてしまう。
【0005】またモデルとの大きさの差異や回転ずれに
よって対象物が不良と判断される問題を解消するには、
前記基準画像上のモデルを所定倍ずつ拡大および収縮さ
せたり、モデルを所定角度ずつ回転させることによって
複数枚の基準画像を設定し、各基準画像毎に検査対象画
像との照合処理を行えばよいが、このような処理には多
大な時間がかかるから、検査を高速化することは不可能
となる。
【0006】さらに前記したICパッケージ上の文字検
査においては、文字の印刷状態がロット毎に異なる場合
がある。このように良品のばらつきが大きい対象物を正
規化相関演算によって検査しても、安定した検査結果を
得るのはきわめて困難である。
【0007】この発明は上記問題点に着目してなされた
もので、対象物の大きさ、傾き、かすれ、濃度むらなど
の影響を受けずに輪郭パターンの適否を判別することに
よって、実用に適した輪郭パターンの検査を精度良く行
うことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】2次元の対象物と同一平
面上にある所定位置を基準点として、この基準点から時
計回りまたは半時計回りに観測方向を変えながら、対象
物の輪郭構成点を順に抽出した場合、その抽出結果は対
象物の輪郭パターンに応じて変化する。すなわち基準点
から見た各方向毎の輪郭構成点の抽出数をヒストグラム
にすると、対象物の輪郭パターンに特有の形状のヒスト
グラムが得られることになる。また仮に対象物の大きさ
が変化したとしても、その輪郭パターンに大きな差異が
生じていない場合は、本来の輪郭構成点に対応する点は
観測位置から見てほぼ同じ方向に位置するから、ヒスト
グラムの形状にも大きな変化は生じない。また対象物が
傾いている場合は、観測位置から見た各輪郭構成点の方
向がいずれも前記傾き分だけ均等に変化するから、ヒス
トグラムは、位置がずれるだけで、形状自体は変化しな
い。他方、対象物に欠けや突出が生じるなどして輪郭パ
ターンに大きな変化が生じると、ヒストグラムの形状も
通常とは異なるものとなる。
【0009】この発明は、上記原理に基づき、対象物を
撮像して得られた濃淡画像上でエッジを抽出するととも
に、画像上の所定位置に基準点を設定して、画像上のエ
ッジの度合を基準点から見た方向毎に示したヒストグラ
ムを作成し、このヒストグラムを輪郭パターンが適正な
場合に得られる基準のヒストグラムと比較して前記対象
物の輪郭パターンの適否を判別するようにした。
【0010】濃淡画像上のエッジ抽出処理とは、たとえ
ばエッジ抽出用フィルタを用いた微分処理によって、画
像上の濃淡に所定レベル以上の変動(濃度勾配)が生じ
ている画素を抽出する処理をいう。なおここでは、濃度
に変動が生じた各画素を1画素単位で「エッジ」と呼ん
でいる。すなわち各エッジが前記対象物の輪郭構成点に
相当することになる。
【0011】前記ヒストグラムは、前記基準点から放射
状に延びる各方向において、それぞれその方向における
エッジの度合を個別に示したものとなる。このヒストグ
ラムは、たとえば画像上で抽出されたエッジにつき、そ
れぞれ基準点から見たエッジの方向を計測し、計測され
た方向に対応する度数データを所定度数ずつ累積してい
く処理によって作成することができる。
【0012】なおヒストグラムにおいては、所定角度お
きに設定された方向毎にエッジの度合を示すだけでもよ
い。また任意の角度θ(たとえばθ=5度)の開きがあ
る2方向間におけるエッジの度合を1単位分の度数デー
タとして表してもよい。また前記度数の累積処理におい
ては、着目中のエッジの強度(エッジを境とする濃度勾
配の強さ)やエッジにおける濃度を重みづけした度数を
加算するようにしてもよい。
【0013】上記したヒストグラムによれば、対象物の
大きさにばらつきが生じたり、画像上の対象物が傾いて
いても、輪郭パターンが適正であれば、ヒストグラムの
形状は基準ヒストグラムと同様になる。また対象物の一
部にかすれや濃度むらが生じた場合も同様であって、抽
出されたエッジの示す輪郭パターンが適正であれば、作
成されたヒストグラムの形状は基準ヒストグラムと同様
になる。
【0014】これに対し、対象物の輪郭の一部が欠けた
り、突出したりすると、この欠陥部分に対応するエッジ
の抽出数が変動するため、作成されたヒストグラムは基
準のヒストグラムとは異なる形状をとるようになる。し
たがって検査対象のヒストグラムが基準ヒストグラムと
同様の形状をとる場合は、対象物の輪郭パターンは適正
であると判断することができる。
【0015】なおヒストグラムの比較処理は、各ヒスト
グラムの度数データを用いた相関演算処理により行われ
る。ここで対象物の傾きに対応する必要がある場合は、
検査対象または基準のいずれか一方のヒストグラムの度
数データを、許容できる傾き角度の範囲内で移動させな
がら相関演算処理を繰り返し、得られた相関値の中の最
大値によって輪郭パターンの適否を判別するとよい。
【0016】よってこの発明による輪郭パターン検査に
よれば、対象物の大きさのばらつき、傾き、かすれ、濃
度のむらなどの発生に影響を受けることなく、対象物の
輪郭パターンの適否を簡単かつ精度良く判別することが
できる。
【0017】好ましい態様によれば、前記基準のヒスト
グラムは、検査に先立ち、輪郭パターンが適正なモデル
の濃淡画像を用いて作成される。すなわちこの基準のヒ
ストグラムは、検査時と同様の撮像条件下でモデルを撮
像し、得られた画像から作成したヒストグラムであり、
装置の内部メモリなどに登録される。この方法によれ
ば、検査を実行するコンピュータにおいて、検査時と同
様の方法で作成したヒストグラムが基準ヒストグラムと
して登録され、検査時に作成されたヒストグラムと比較
されることになる。
【0018】さらに他の好ましい態様によれば、濃淡画
像上において、適正な輪郭パターンにより特定される画
像領域内の任意の点に対応する位置に基準点が設定さ
れ、ヒストグラムが作成される。前記画像領域の特定
は、たとえばモデルを撮像して得られた濃淡画像上で、
エッジの抽出結果を用いた計測処理またはオペレータに
よる領域の指定によって行われ、さらにその画像領域内
のたとえば中心点が基準点として設定される。検査対象
の画像においては、たとえばエッジの抽出結果から対象
物のおよその位置を計測し、その計測結果に基づく位置
に、前記モデルの画像上で設定されたのと同様の画像領
域を指定した上で、その画像領域内においてモデルの画
像上で設定されたのと同じ位置に基準点が設定される。
【0019】上記のような設定によれば、検査の対象物
に対しても、モデルと同様の位置から見たエッジの数を
方向毎に示したヒストグラムが作成されることになり、
検査対象のヒストグラムと基準のヒストグラムとを精度
良く比較することが可能となる。
【0020】なお前記画像領域は、少なくともモデル画
像上で抽出された対象物のエッジをすべて含む大きさに
設定するのが望ましい。このような設定によって、ヒス
トグラムの作成時には、画像領域内のエッジのみを処理
対象とすることが可能であり、また同じ画像上に複数の
検査対象がある場合に、各対象物毎の検査を切り分けて
行うことができる。
【0021】さらにこの発明にかかる輪郭パターン検査
装置は、対象物を撮像して得られた濃淡画像を取り込む
ための画像入力手段、この画像入力手段により取り込ま
れた濃淡画像上のエッジを抽出するエッジ抽出手段、前
記濃淡画像上の所定位置に基準点を設定し、画像上のエ
ッジの度合を基準点から見た方向毎に示したヒストグラ
ムを作成するヒストグラム作成手段、輪郭パターンの適
正なモデルについて得られた基準のヒストグラムを登録
するメモリ、対象物の濃淡画像より得られたヒストグラ
ムを前記メモリ内の基準のヒストグラムと比較して前記
対象物の輪郭パターンの適否を判別する判別手段、の各
手段を具備する。
【0022】上記構成の検査装置では、あらかじめモデ
ルの濃淡画像を取り込んで作成するなどして得られた基
準のヒストグラムがメモリに登録される。この後、検査
の対象物が撮像されると、その画像からエッジの抽出処
理、ヒストグラムの作成処理が自動的に行われた後、作
成されたヒストグラムと基準のヒストグラムとの比較が
自動的に行われて対象物の輪郭パターンの適否が判別さ
れる。なおこの適否判別の結果は、モニタ画面上に表示
されたり、外部記憶装置に記憶されたり、通信回線など
を介して他の装置に伝送されるなど、任意の方法によっ
て出力することが可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の一実施例にか
かる輪郭パターン検査装置の構成を示す。この輪郭パタ
ーン検査装置1は、ICパッケージ上の印刷文字などの
輪郭パターンの適否を判別するためのもので、画像入力
部2,画像メモリ3,画像出力部4,タイミング制御部
5,キャラクタ・グラフィックメモリ6,文字メモリ
7,制御部8,モニタ9,I/Oポート10などにより
構成される。
【0024】画像入力部2は、図示しないアナログカメ
ラからの濃淡画像信号を取り込むためのインターフェイ
ス回路,前記濃淡画像信号をディジタル変換するための
A/D変換回路,ノイズカット用のフィルタ回路などに
より構成される。なお前記カメラはアナログカメラに限
らず、ディジタルカメラを用いてもよい。
【0025】前記画像メモリ3は、画像入力部2により
取り込まれたディジタル量の濃淡画像データ(以下単に
「画像」という。)を取り込んで保存する。キャラクタ
・グラフィックメモリ6は、後記するヒストグラムの作
成に用いられるもので、制御部8より供給された度数デ
ータをヒストグラムとして表示するための画像データ
や、ヒストグラムに付加する文字などのキャラクタデー
タを記憶する。
【0026】文字メモリ7には、検査結果などの文字情
報を表示するためのテキストデータやその表示位置など
が格納される。各メモリ3,6,7は、それぞれアドレ
ス/データバス11を介して制御部8に接続され、制御
部8からの指示に応じたデータを、タイミング制御部5
からのタイミング信号に応じて画像出力部4またはアド
レス/データバス11に出力する。
【0027】前記制御部8は、CPU12,ROM1
3,RAM14を主体とし、このほかに検査のための処
理手順を示す制御プログラムがインストールされたハー
ドディスク15を具備する。CPU12は、ハードディ
スク15内の制御プログラムに基づき、アドレス/デー
タバス11を介して各メモリに対する情報の読書きを行
いつつ目的とする計測処理を実行する。
【0028】前記画像出力部4は、モニタ9に対し、検
査の対象物の画像のほか、前記ヒストグラムの表示用デ
ータや検査結果を示す文字情報などを単独または合成し
た状態で与え、画面上に表示させる。I/Oポート10
は、キーボード,マウスなどの入力部や、外部記憶装
置,伝送部のような出力部に接続され、入力部からの各
種設定データを入力したり、検査結果を外部に出力する
際に用いられる。
【0029】この実施例の輪郭パターン検査装置1で
は、画像メモリ3に入力された画像に対し、画像上のエ
ッジを抽出するとともに、画像上の所定位置に基準点を
設定し、この基準点から見た方向毎に、それぞれその方
向におけるエッジの度合を示したヒストグラムを作成す
る。そしてこのヒストグラムをあらかじめ輪郭パターン
が適正なモデルの画像を用いて設定された基準のヒスト
グラムと比較することにより、対象物の輪郭パターンの
適否を判別するようにしている。
【0030】以下、このヒストグラムの原理および作成
方法の詳細について説明する。エッジの抽出処理では、
画像上に図2に示すような3×3マスクを走査しつつ、
走査位置毎に、マスク内の各画素の濃度値Iをつぎの
(1)〜(3)式にあてはめることにより、中央の画素
g(座標位置(x,y)にある画素)について、x,y
の各軸方向毎の濃度勾配Ex(x,y),Ey(x、
y)、およびその濃度勾配の強さ(以下「エッジ強度」
という。)Ei(x,y)を算出する。
【0031】
【数1】
【0032】
【数2】
【0033】
【数3】
【0034】前記濃度勾配Ex(x,y),Ey(x,
y)は、着目画素gを境にした濃度の変化量をx,yの
各軸方向毎に示したものである。エッジ強度Ei(x,
y)は、これら濃度勾配Ex(x,y),Ey(x,
y)の示すベクトルの合成ベクトルの長さに相当するも
ので、このエッジ強度Eiが所定値を越えるとき、着目
画素gはエッジとして認定される。
【0035】なおこの実施例では、ソフトウェア処理に
よりマスクを走査してエッジ抽出処理を行っているが、
これに限らず、専用の微分回路により画像メモリ3への
画像入力と平行させてエッジ抽出処理を行い、生成され
たエッジ画像を用いて以下の処理を行うようにしてもよ
い。
【0036】図3は、前記基準点とエッジとの関係を示
すもので、図中、基準点はP、エッジはEの符号により
それぞれ示されている。この実施例では、基準点Pから
見たエッジEの方向(図中のベクトルA)を、前記基準
点Pにおいてx軸の正方向に平行なベクトルBから半時
計回り方向に見た角度Ep(x,y)によって表してい
る。(以下、この角度データEp(x,y)を「エッジ
方向コード」という。)
【0037】よって基準点Pの座標を(x0,y0)、エ
ッジの座標を(x,y)とおき、X=x−x0,Y=y0
−yとおくと、エッジ方向コードEa(x,y)は、
X,Yの値に応じて、つぎのa〜cのいずれかの式によ
って求められる。
【0038】a. X≧0 および Y≧0のとき Ea(x,y)=atan(Y/X) b. X≧0 および Y<0のとき Ea(x,y)=360+atan(Y/X) c. X<0のとき Ea(x,y)=180+atan(Y/X)
【0039】この実施例では、図4に示すように、前記
基準点Pを対象物の中心付近に設定し、対象物の輪郭を
構成する各エッジにつき、それぞれ基準点Pから見たエ
ッジの方向を示すエッジ方向コードEp(x,y)を算
出する。前記したヒストグラムは、このエッジ方向コー
ドEp(x,y)に基づいて作成されるもので、たとえ
ば各エッジのエッジ方向コードEp(x,y)を1度単
位で算出した場合、0〜359度の範囲内を1度おきに
サンプリングしたヒストグラムを作成することができ
る。
【0040】なおこの実施例では、基準ヒストグラムの
設定、登録に用いるモデルの画像上において、ユーザー
の設定操作または画像上のエッジを用いた計測処理によ
りモデルの大きさに対応する計測領域を設定し、さらに
重心計測などによって計測領域の中心点を特定し、これ
を基準点Pとする。また検査対象の画像については、対
象物の位置ずれや傾きを考慮して、画像上のエッジの位
置から対象物のおよその位置を認識した上で前記モデル
画像と同様の計測領域を設定し、その領域内の中心点を
基準点Pとして設定する。したがって対象物の輪郭パタ
ーンが適正である場合には、基準点Pは対象物の中心付
近に設定されるようになり、モデルの画像と同様の条件
でヒストグラムを作成することができる。なお計測領域
は、矩形または対象物の輪郭パターンに応じた形状をと
る。また計測領域に対する基準点Pの相対位置は、ユー
ザーの選択操作などにより適宜変更することができる。
【0041】図4は、前記ヒストグラムの具体的な作成
方法として、印刷文字「I」についてのヒストグラムの
作成方法を示している。図5(1)は、この文字「I」
の画像と、この画像から図4の方法によって作成された
エッジ方向ヒストグラムの概略形状を示す。この場合、
画像上の文字の輪郭パターンが適正に現れ、また文字に
傾きが生じていないので、文字の上端および下端を構成
するエッジを反映して90度および270度の付近にピ
ークを持つヒストグラムが作成されている。
【0042】図5(2)は、前記文字「I」の下半分が
欠けている画像と、この画像から作成されたヒストグラ
ムとを示す。この場合、基準点Pは図4と同じ位置に設
定されるから、前記2つのピークのうち、上半分のエッ
ジに相当する90度付近のピークのみが現れたヒストグ
ラムが作成されることになる。ただし図5(2)の画像
において、文字「I」の下半分が完全に欠けた状態では
なく、かすれた状態で存在するような場合は、下半分に
ついてもエッジを抽出することができるから、図5
(1)と同様のヒストグラムを得ることが可能となる。
【0043】図5(3)は、前記文字「I」が傾いた状
態の画像と、この画像から作成されたヒストグラムとを
示す。この場合も、基準点Pは図4と同じ位置に設定さ
れるから、基準点から見た各エッジの方向には、文字の
傾きに応じたずれが生じる。しかしながら図示例の文字
「I」の輪郭パターン自体は適正であるので、前記2つ
のピークが所定角度分だけずれた状態のヒストグラムが
作成されることになる。
【0044】このように対象物が傾いたり、かすれや濃
度むらが発生していても、ヒストグラムの形状は、輪郭
形状や姿勢が良好な場合のヒストグラムと同様のパター
ンを示すので、いずれの場合も、対象物の輪郭パターン
は適正であると見なすことができる。また対象物の大き
さに多少のばらつきがあっても、ヒストグラムの形状パ
ターンに大きな差異が生じていない場合は、対象物の輪
郭パターンは適正であると見なすことができる。
【0045】ところで出願人は以前に、所定の対象物を
撮像して得られた画像について、画像上のエッジの数を
エッジの方向毎に示すヒストグラムを作成し、そのヒス
トグラムの分布パターンを用いて対象物の向きを特定す
る方法を提案した(特開平11−96372号公報)。
しかしながらこの方法におけるヒストグラムは、エッジ
自身の向き、すなわちエッジを境として濃度が変化する
方向(前記濃度勾配Ex(x,y),Ey(x,y)に
よる合成ベクトルの方向)に直交する方向を指標として
設定されたものであり、この実施例におけるヒストグラ
ムとは性質の異なるものである。
【0046】特開平11−96372号公報の発明は、
輪郭パターンが適正な対象物の向きを観測することを目
的とするものであり、この実施例のような輪郭パターン
の適否判別は想定していない。またエッジ自身の方向に
基づくヒストグラムでは、輪郭パターンが変化してもヒ
ストグラムの形状はさほど変わらない場合がある。(た
とえば前記図5(2)のように、文字Iの下半分が欠け
ている場合、上記公報のヒストグラムでは、消失した部
分に対応する方向の度数が小さくなるが、ヒストグラム
のピークの位置には変化は生じない。)
【0047】前記したように、この実施例のエッジ方向
コードを用いたヒストグラムによれば、対象物の輪郭パ
ターンの適否を簡単かつ精度良く判別することができる
上、対象物の大きさのばらつき、傾き、濃度むらなどに
影響されずに、目視により輪郭パターンを適正に確認で
きるレベルの対象物であれば、良品として認定すること
が可能となる。このような技術思想は、特開平11−9
6372号の発明には全くなく、今回はじめて明らかに
されたものである。
【0048】図6は、上記輪郭パターン検査装置におけ
る一連の検査の手順を示す。なおこの手順は、モデルの
濃淡画像上での計測領域の設定や基準のヒストグラムの
作成が完了し、計測領域の大きさや計測領域に対する基
準点Pの相対位置、ならびに基準ヒストグラムの作成結
果などのデータが、RAM10などに登録されたことを
前提に実行される。
【0049】まずST1で、画像入力部2により対象物
の濃淡画像が取り込まれ、画像メモリ3内に格納される
と、CPU8により、ST2以下の処理が開始される。
ST2では、前記(1)〜(3)式を用いて、前記画像
上のエッジを抽出する。さらにST3では、エッジ抽出
結果に基づき対象物のおよその位置を認識した上で、そ
の認識結果に基づく位置に前記計測領域を設定し、その
領域内の中心に基準点Pを設定する。
【0050】つぎに、計測領域内に含まれる各エッジに
つき、順にST4,5の処理を行うことにより、エッジ
方向コードEp(x,y)を求め、そのエッジ方向コー
ドEp(x,y)に対応する度数を所定度数ずつ加算す
る。なおこの度数加算においては、一定の度数を加算す
る方式に代えて、着目中のエッジにおけるエッジ強度E
i(x,y)、またはそのエッジの濃度を示す数値を加
算してもよい。
【0051】計測領域内のすべてのエッジについてST
4,5の処理が終了すると、ST6が「YES」となっ
てST7に進む。このST7では、作成されたヒストグ
ラムの各度数データについて、隣接データとの平均化処
理を行うことにより、ヒストグラムを平滑化する。続く
ST8では、作成されたヒストグラムHおよび基準のヒ
ストグラムMの各度数データH(i),M(i)(i=
0〜359)をつぎの(4)式にあてはめることによ
り、各ヒストグラム間の相関値Rを算出する。なお
(4)式におけるA,B,Cは、(5)(6)(7)式
によって求められるものである。また(5)〜(6)式
において、N=360である。
【0052】
【数4】
【0053】
【数5】
【0054】
【数6】
【0055】
【数7】
【0056】つぎのST9では、算出された相関値Rを
所定のしきい値R0と比較する。そして相関値Rがしき
い値R0以上であれば、ST10に進んで対象物が良品
であると判定する。反対に相関値Rがしきい値R0より
低い場合は、ST11で不良判定が行われる。
【0057】なお検査対象物が傾いている場合に対応す
るためには、ST8の相関値Rの算出において、検査対
象のヒストグラムHの各度数データH(i)を傾き角度
の許容範囲内で所定角度θずつ移動させながら相関演算
を繰り返し実行し、得られた相関値の中の最大値を前記
しきい値R0と比較するようにすればよい。
【0058】
【発明の効果】上記したように、この発明では、対象物
を撮像して得られた濃淡画像上でエッジを抽出した後、
画像上の所定の基準位置から見た方向毎に示すヒストグ
ラムを作成し、作成されたヒストグラムを対象物の輪郭
パターンが適正な場合に得られる基準のヒストグラムと
比較することによって、対象物の輪郭パターンの適否を
判別するようにしたので、対象物の大きさ、傾き、かす
れ、濃度のむらなどの影響を受けずに、輪郭パターンの
視認に問題のない対象物を良品と判別することが可能と
なり、実用性が高い検査装置を提供できる。しかも簡易
な構成によって高速の検査を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例にかかる輪郭パターン検査
装置の構成を示すブロック図である。
【図2】エッジ抽出処理に用いるマスクを示す説明図で
ある。
【図3】基準点から見たエッジの方向、およびその方向
を示すエッジ方向コードの定義を示す説明図である。
【図4】ヒストグラムの作成方法を示す説明図である。
【図5】対象物の画像とヒストグラムとの関係を示す説
明図である。
【図6】輪郭パターン検査にかかる処理手順を示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1 輪郭パターン検査装置 2 画像入力部 3 画像メモリ 8 制御部 12 CPU 14 RAM
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA12 AA56 AA61 CC25 DD11 FF04 FF61 JJ03 JJ26 QQ03 QQ23 QQ24 QQ25 QQ34 QQ42 QQ43 RR05 RR09 TT03 5B057 AA03 DA03 DB02 DB09 DC08 DC16 DC19 5L096 AA06 BA03 FA06 FA34 FA35 FA67 GA51

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象物を撮像して得られた濃淡画像上で
    エッジを抽出するとともに、前記濃淡画像上の所定位置
    に基準点を設定して、画像上におけるエッジの度合を前
    記基準点から見た方向毎に示したヒストグラムを作成
    し、このヒストグラムを輪郭パターンが適正な場合に得
    られる基準のヒストグラムと比較して前記対象物の輪郭
    パターンの適否を判別することを特徴とする輪郭パター
    ン検査方法。
  2. 【請求項2】 前記基準のヒストグラムは、検査に先立
    ち、輪郭パターンが適正なモデルの濃淡画像を用いて作
    成される請求項1に記載された輪郭パターン検査方法。
  3. 【請求項3】 前記基準点は、前記適正な輪郭パターン
    により特定される画像領域内の任意の点に対応する位置
    に設定される請求項1または2に記載された輪郭パター
    ン検査方法。
  4. 【請求項4】 対象物を撮像して得られた濃淡画像を取
    り込むための画像入力手段と、 前記画像入力手段により取り込まれた濃淡画像上のエッ
    ジを抽出するエッジ抽出手段と、 前記濃淡画像上の所定位置に基準点を設定し、画像上に
    おけるエッジの度合を前記基準点から見た方向毎に示し
    たヒストグラムを作成するヒストグラム作成手段と、 輪郭パターンの適正なモデルについて得られた基準のヒ
    ストグラムを登録するメモリと、 前記対象物の濃淡画像より得られたヒストグラムを前記
    メモリ内の基準のヒストグラムと比較して前記対象物の
    輪郭パターンの適否を判別する判別手段とを具備して成
    る輪郭パターン検査装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載された輪郭パターン検査
    装置であって、 前記画像入力手段により輪郭パターンが適正な対象物の
    モデルの濃淡画像が入力されたとき、前記ヒストグラム
    作成手段にこの濃淡画像によるヒストグラムを作成さ
    せ、作成されたヒストグラムを前記基準のヒストグラム
    としてメモリ内に登録する登録手段を具備して成る輪郭
    パターン検査装置。
  6. 【請求項6】 前記ヒストグラム作成手段は、 前記対象物のモデルの濃淡画像上において、前記モデル
    の輪郭パターンにより特定される画像領域内の所定位置
    に基準点を設定して前記基準のヒストグラムを作成し、 検査対象の画像上において、前記エッジ抽出手段の抽出
    結果に基づく所定位置に前記モデルの画像上で特定され
    たのと同様の画像領域を設定し、この画像領域内におい
    て前記モデルの画像上で設定されたのと同じ位置に基準
    点を設定して前記ヒストグラムを作成する請求項4また
    は5に記載された輪郭パターン検査装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011141202A (ja) * 2010-01-07 2011-07-21 Kokusai Gijutsu Kaihatsu Co Ltd 部品検査装置及びプログラム
US8712164B2 (en) 2006-11-08 2014-04-29 Omron Corporation Image processing apparatus, image registering method, program causing computer to execute image registering method, and recording medium in which program is recorded

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