JP2002132016A - 接触型帯電器、その作製方法およびそれを有する画像形成装置 - Google Patents

接触型帯電器、その作製方法およびそれを有する画像形成装置

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JP2002132016A
JP2002132016A JP2000323177A JP2000323177A JP2002132016A JP 2002132016 A JP2002132016 A JP 2002132016A JP 2000323177 A JP2000323177 A JP 2000323177A JP 2000323177 A JP2000323177 A JP 2000323177A JP 2002132016 A JP2002132016 A JP 2002132016A
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carbon nanotubes
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JP2000323177A
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English (en)
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Akishige Murakami
明繁 村上
Shuichi Hikiji
秀一 曳地
Hiroyoshi Shoji
浩義 庄子
Yukie Suzuki
幸栄 鈴木
Toshihiro Ishii
稔浩 石井
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 注入速度が速いため感光体に十分な帯電電圧
を与えられ、かつ湿度が等の環境変動に対し十分な耐性
があり、かつ長期の使用においては帯電電圧の変動が小
さい構造を有する接触型帯電器、その作製方法およびそ
れを有する画像形成装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 感光体表面と接触し、電圧を印加するこ
とによって感光体に所定の表面電位を接触型帯電器にお
いて、感光体と接触する面に離散して配置された樹脂層
があり、かつ、樹脂層によりカーボンナノチューブに保
持させる。さらに、樹脂層が導電性粒子を含有し、カー
ボンナノチューブが化学的気相成長法によって作製され
ている。さらに、樹脂層を熱可塑性高分子樹脂から構成
する。また、樹脂層をホットメルト型の接着剤や熱硬化
型接着剤から構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式の複
写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置の接
触型帯電器、その作製方法およびそれを有する画像形成
装置に関する。また、転写装置や除電装置に応用できる
接触型帯電器、その作製方法およびそれをを有する画像
形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の帯電方式はコロナ放電を用いたコ
ロトロン、スコロトロンが主流であった。しかしコロナ
放電は空気中に電界をかけることから、オゾンやNOx
など有害物質を大量に発生することや、帯電効率が低い
ため消費電力が多く、また4〜6kVの高圧電源が必要
なためコストが高くかつ人体に対し危険性があるといっ
た欠点があった。近年の環境に対する配慮からこのよう
な帯電方式を改善することは急務であり、ローラ帯電へ
と移行されつつある。
【0003】ローラ帯電とは、導電性ゴムローラを感光
体と接触させ感光体と帯電ローラの微小空隙で放電を起
こし感光体表面を帯電させる方法であり、コロトロンと
比較しオゾンが著しく低減(1/100〜1/500に
低減)されている。
【0004】しかしながら、帯電ローラも感光体と帯電
ローラ間の微小空隙に電圧を加えコロナ放電を起こすこ
とから、原理的にオゾン発生をゼロにはできない。また
オゾンやNOxが感光体近傍で発生するためオゾンやN
Oxによる感光体の劣化は依然として課題として残る。
【0005】よってオゾンやNOxが全く発生しない帯
電方式が強く望まれ、最近では電荷注入が注目されてい
る。電荷注入とは放電を起こさないで接触型帯電器から
直接電荷を感光層に注入する方法である。そのため原理
的にオゾンやNOxは発生しない。
【0006】電荷注入においては、接触型帯電器と感光
体との接触抵抗や微小空隙の容量が電荷を注入する際の
注入速度に影響を与えるため、接触抵抗は低いほど良い
と考えられる。
【0007】そのため特開平6−75459号公報では
テトラシアノキノジメタン(TCNQ)等の電子受容性
化合物とテトラチアフルバレン(TTF)等の電子供与
性化合物から構成される電荷移動錯体を高分子ネットワ
ークに置換し、全体に導電性を付与した高分子材料から
なる導電性ゴムで帯電ローラを作っている。
【0008】しかしながら、特開平6−75459号公
報ではテトラシアノキノジメタン(TCNQ)等の電子
受容性化合物とテトラチアフルバレン(TTF)等の電
子供与性化合物から構成される電荷移動錯体を高分子ネ
ットワークに置換し、全体に導電性を付与した高分子材
料からなる導電性ゴムで帯電ローラを作っている。
【0009】しかしながら、Japan Hardco
py' 92、pp287〜290の報告によると、80
%RHの高湿下では有機感光体(以後OPCと略す)は
十分な帯電電圧が得られるが、30〜50%RHの湿度
化では印加電圧の半分までしか帯電されず注入速度が遅
いことが判る(図30参照)。これは帯電ローラの接触
面積(ニップ幅)が小さいことと、導電性ゴムが十分低
抵抗化していないためと予想される。
【0010】つまり低抵抗の導電性ゴムを得るには電荷
移動錯体を多量にドーピングする必要があるが、ドーピ
ング量が多くなると高分子自体のネットワークの柔軟性
が減少し、ゴム硬度が大きくなるのではないかと思われ
る。例えば特開平6−75459号公報での導電性ゴム
の抵抗は106Ω・cmとなっており、適度なゴム硬度
を維持しながら導電性ゴムを低抵抗化することは高分子
材料の選択の点から容易ではないと予想される。
【0011】また、図30のように全体に導電性を付与
した高分子材料からなる導電性ゴムでは帯電電位が湿度
に敏感であるため、環境を厳密に制御する必要があり、
接触型帯電器の構造が複雑になる。
【0012】一方特開平7−140729号公報では吸
水性のスポンジローラを用いて感光体に電荷を注入して
いる。吸水性のスポンジローラを用いる場合、ローラの
含水率がローラ抵抗や電荷の注入速度に大きな影響を与
えるので、ローラからの水分蒸発によって帯電電位が変
動する恐れがある。帯電電位の変動を抑えるためにはロ
ーラからの水分蒸発を長期に渡って厳密に制御する必要
があり、接触型帯電器の構造は複雑になり安価に製造す
ることができない。
【0013】また特開平9−101649号公報におい
ては、帯電ブラシ3110の導電性繊維3112をエッ
チング繊維ないし分割繊維にすることによって導電性繊
維と感光体3100との接触面積を増加させ、電荷注入
の速度を向上させることが提案されている(図31参
照)。
【0014】エッチング繊維とは導電性繊維の成分の一
部を薬液で溶解し、1本の導電性繊維を太さ方向で複数
本に分割した繊維である。また分割繊維とは加熱時の各
部の熱収縮の差を利用し、1本の導電性繊維を太さ方向
で分轄した繊維である。これらの処理によって実質的に
より細い径の導電性繊維を用いたことになり、感光体と
の接触面積を増加することができる。
【0015】しかしながら、分割された繊維の引っ張り
強度は分割前の導電性繊維と比較し分割された分だけ小
さくなる。その結果感光体と接触した場合分割された繊
維は切断されやすくなり、長期の使用では帯電電位のバ
ラツキを起こし、接触型帯電器の寿命を低下させる原因
となってしまう。
【0016】逆に長寿命の接触型帯電器を得ようとする
と、導電性繊維の分割数を多くできないため接触面積の
著しい増加は期待できず、電荷の注入速度の著しい改善
はできない。
【0017】また接触型帯電器の別の構造として磁気ブ
ラシが挙げられるが、一般的に磁気ブラシは磁性導電粒
子の直径を大きくするとマグネットロールからの規制力
が大きくなり、帯電ブラシや帯電ブレード、帯電ローラ
よりも大きなニップ幅を形成できる。しかしながら磁性
導電粒子の直径が大きくなると、逆に有機感光層との接
触面積が減少する。そのため最適な磁性導電粒子の大き
さが存在した。
【0018】磁性導電粒子の形状(図32参照)につい
ては、特開平8−6355号公報では表面が平滑な磁性
導電粒子3213と表面に凹凸のある磁性導電粒子32
14を混合して用い、また特開平8−691491号公
報では2つの粒径分布を持つ磁性導電粒子(粒径大を3
215、粒径小を3216とする)を用いて、マグネッ
トロール3211の規制力を維持し大きなニップ幅を確
保しながら磁性導電粒子の接触面積を増加させる試みが
なされている。
【0019】しかしながら、接触面積の増加に寄与する
磁性導電粒子は用いた磁性導電粒子3213〜3216
のうち凹凸のある磁性導電粒子3214と粒径の小さな
磁性導電粒子3216だけなので、接触面積の著しい増
加は期待できず、高速の画像形成装置においては十分な
帯電電位が得られにくかった。
【0020】また、本出願人は以下に示す技術を提案し
ている。この技術は感光体と接触する面にカーボンナノ
チューブを保持し、感光体と帯電器の導電性の接点を増
加させ、電荷注入の効率を向上させるというものであ
る。特に帯電ブラシにおいては導電性繊維にカーボンナ
ノチューブを結合させている。結合方法としては以下の
3法を提案している。
【0021】(a)導電性接着剤でカーボンナノチュー
ブを接着 導電性繊維の先端にのみ導電性接着剤を厚さ2〜10μ
mで塗布し、その後静電力を利用してカーボンナノチュ
ーブを導電性繊維に吸い上げて接触させ、さらに導電性
接着剤を熱硬化させ、カーボンナノチューブを固定し、
帯電ブラシを完成させる。
【0022】(b)導電性繊維と融着 導電性繊維を加熱して先端を溶融し、その後カーボンナ
ノチューブと接触させ、更に導電性繊維を冷却し再硬化
させることによってカーボンナノチューブと導電性繊維
を融着し、帯電ブラシを完成させる。
【0023】(c)電気泳動法 導電性繊維の先端にのみポリメチルフェニルシランを塗
布し、その後超高圧水銀灯により波長400nm程度の
光を照射し、ポリメチルフェニルシランのSi−Si結
合を切断する。その後イソプロピルアルコール中にカー
ボンナノチューブを分散させた溶液に導電性繊維を浸漬
し、Al電極を対向電極として導電性繊維に負電圧を印
加して、電気泳動によりカーボンナノチューブを導電性
繊維に接触させる。
【0024】カーボンナノチューブは印加された電界と
平行な方向に移動するため、導電性繊維に接触してSi
−Si結合の切れたポリメチルフェニルシランに突き刺
さり、固定化される。
【0025】上記の方法を用いると、導電性繊維の表面
に導電性接着剤、ポリメチルフェニルシランが塗付され
たり、あるいは導電性繊維の表面に軟化層が形成され、
それらの層によってカーボンナノチューブが固定され
る。
【0026】しかしながら、帯電ブラシでは導電性繊維
の植毛密度が50〜300本/mm 2 と非常に高密度で
あるため、導電性繊維にカーボンナノチューブのみを固
定するのは容易ではなく、隣接した導電性繊維も接着し
てしまい、導電性繊維の柔軟性を低下させる問題が生じ
ていた。
【0027】上記の問題を防ぐためには導電性繊維表面
のうちカーボンナノチューブを固定する場所にのみ極薄
く導電性接着剤、ポリメチルフェニルシランを塗付すれ
ば良い。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、帯電ブ
レードや帯電ローラのようにほぼリジットな構造体では
所定の場所に接着剤を極薄く塗付することも可能である
が、導電性繊維では非常な困難を伴う。また導電性繊維
の表面を加熱によって軟化させる場合、微小な領域のみ
を軟化させることはほぼ不可能である。 そのため帯電ブ
ラシでは、パイル地に編み込む前に導電性繊維にカーボ
ンナノチューブを固定するしかなく、現在流通している
帯電ブラシを追加工によって改善を加えることは不可能
であった。
【0029】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、電荷注入によって感光体を帯電させる接触型
帯電器においては、注入速度が速いため感光体に十分な
帯電電圧を与えられ、かつ湿度等の環境変動に対し十分
な耐性があり、かつ長期の使用においては帯電電圧の変
動が小さい構造を有する接触型帯電器、その作製方法お
よびそれを有する画像形成装置を提供することを目的と
している。
【0030】また、帯電ブラシにおいてはカーボンナノ
チューブを導電性繊維に固定する場合、導電性繊維同士
の接着を防止し、導電性繊維の柔軟性を低下させないも
のを提供することも目的としている。さらに磁気ブラシ
においてはカーボンナノチューブを磁性導電粒子に固定
する場合、磁性導電粒子同士の接着を防止するものを提
供することも目的としている。
【0031】さらに、オゾンやNOxを発生させない
で、かつ帯電システムの外部電源を低電圧化しつつ良好
な画像を得ることができる画像形成装置を提供すること
も目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1記載の接触型帯電器は、感光体表面と接触
し、電圧を印加することによって感光体に所定の表面電
位を与える接触型帯電器において、感光体と接触する面
に離散して配置された樹脂層があり、かつ該樹脂層によ
りカーボンナノチューブが保持されていることを特徴と
する。
【0033】請求項2記載の接触型帯電器は、請求項1
記載の接触型帯電器において樹脂層が導電性粒子が含有
することを特徴とする。
【0034】請求項3記載の接触型帯電器は、請求項1
または2に記載の接触型帯電器において、カーボンナノ
チューブが化学的気相成長法(chemical vapor depositi
on)によって作製されたことを特徴とする。
【0035】請求項4記載の接触型帯電器は、請求項1
から3のいずれか1項に記載の接触型帯電器において、
樹脂層が熱可塑性高分子樹脂から構成されることを特徴
とする。
【0036】請求項5記載の接触型帯電器は、請求項1
から3のいずれか1項に記載の接触型帯電器において、
樹脂層がホットメルト型の接着剤から構成されることを
特徴とする。
【0037】請求項6記載の接触型帯電器は、請求項1
から3のいずれか1項に記載の接触型帯電器において、
樹脂層が熱硬化型接着剤から構成されることを特徴とす
る。
【0038】請求項7記載の接触型帯電器の作製方法
は、請求項4または5に記載の接触型帯電器の作製方法
において、カーボンナノチューブと少なくとも熱可塑性
高分子樹脂またはホットメルト型接着剤の一方から構成
される樹脂を混合した微粒子を樹脂を溶解しない第1の
溶媒に分散し、該分散の後、分散液を接触型帯電器の感
光体と接触する面に塗布し、該塗布の後、樹脂の融点以
上の温度で樹脂を熔融し、さらに樹脂を冷却して再度硬
化させることによって、接触型帯電器の感光体と接触す
る面にカーボンナノチューブを保持した離散した樹脂層
を形成することを特徴とする。
【0039】請求項8記載の接触型帯電器の作製方法
は、請求項7に記載の接触型帯電器の作製方法におい
て、カーボンナノチューブと少なくとも熱可塑性高分子
樹脂またはホットメルト型接着剤の一方から構成される
樹脂を混合した微粒子を樹脂を溶解しない第1の溶媒に
分散し、該分散の後、分散液を接触型帯電器の感光体と
接触する面に塗布し、該塗布の後、樹脂の融点以下の温
度で第1の溶媒を蒸発し、該蒸発の後、樹脂の融点以上
の温度で樹脂を熔融し、さらに樹脂を冷却して再度硬化
させることによって、接触型帯電器の感光体と接触する
面にカーボンナノチューブを保持した離散した樹脂層を
形成することを特徴とする。
【0040】請求項9記載の接触型帯電器の作製方法
は、請求項4または5に記載の接触型帯電器の作製方法
において、カーボンナノチューブと少なくとも熱可塑性
高分子樹脂またはホットメルト型接着剤の一方から構成
される樹脂を混合した微粒子を乾式の状態で接触型帯電
器の感光体と接触する面に付着させ、該付着の後、樹脂
の融点以上の温度で樹脂を熔融し、さらに樹脂を冷却し
て再度硬化させることによって、接触型帯電器の感光体
と接触する面にカーボンナノチューブを保持した離散し
た樹脂層を形成することを特徴とする。
【0041】請求項10記載の接触型帯電器の作製方法
は、請求項7から9のいずれか1項に記載の接触型帯電
器の作製方法において、少なくとも熱可塑性高分子樹脂
またはホットメルト型接着剤の一方から構成される樹脂
とカーボンナノチューブを樹脂の融点以上の温度で混合
し、該混合の後、樹脂を冷却してカーボンナノチューブ
と樹脂の混合体を形成し、さらに混合体を粉砕すること
によってカーボンナノチューブと樹脂が混合した微粒子
を得ることを特徴とする。
【0042】請求項11記載の接触型帯電器の作製方法
は、請求項7から9のいずれか1項に記載の接触型帯電
器の作製方法において、少なくとも熱可塑性高分子樹脂
またはホットメルト型接着剤の一方から構成される樹脂
を溶解する第2の溶媒にの樹脂を溶解し、かつカーボン
ナノチューブを分散させた後、第2の溶媒を蒸発させて
カーボンナノチューブと樹脂の混合体を形成し、さらに
混合体を粉砕することによってカーボンナノチューブと
樹脂が混合した微粒子を得ることを特徴とする。
【0043】請求項12記載の接触型帯電器の作製方法
は、請求項7から9に記載の接触型帯電器の作製方法に
おいて、少なくとも熱可塑性高分子樹脂またはホットメ
ルト型接着剤の一方から構成される樹脂を懸濁した懸濁
液にカーボンナノチューブを分散させた後、懸濁液を構
成する第3の溶媒を蒸発させてカーボンナノチューブと
樹脂の混合体を形成し、さらに混合体を粉砕することに
よってカーボンナノチューブと樹脂が混合した微粒子を
得ることを特徴とする。
【0044】請求項13記載の接触型帯電器の作製方法
は、請求項6記載の接触型帯電器の作製方法において、
カーボンナノチューブと熱硬化型接着剤から構成される
樹脂を混合した微粒子を樹脂を溶解しない第4の溶媒に
分散し、分散の後、分散液を接触型帯電器の感光体と接
触する面に塗布し、該塗布の後、樹脂の硬化温度以上の
温度で樹脂を硬化し、接触型帯電器の感光体と接触する
面にカーボンナノチューブを保持した離散した樹脂層を
形成することを特徴とする。
【0045】請求項14記載の接触型帯電器の作製方法
は、請求項13記載の接触型帯電器の作製方法におい
て、カーボンナノチューブと熱硬化型接着剤から構成さ
れる樹脂を混合した微粒子を樹脂を溶解しない第4の溶
媒に分散し、該分散の後、分散液を接触型帯電器の感光
体と接触する面に塗布し、該塗布の後、樹脂の硬化温度
以下の温度で第4の溶媒を蒸発し、該蒸発の後、樹脂の
硬化温度以上の温度で硬化し、接触型帯電器の感光体と
接触する面にカーボンナノチューブを保持した離散した
樹脂層を形成することを特徴とする。
【0046】請求項15記載の接触型帯電器の作製方法
において、請求項6記載の接触型帯電器の作製方法にお
いて、カーボンナノチューブと熱硬化型接着剤から構成
される樹脂を混合した微粒子を乾式の状態で接触型帯電
器の感光体と接触する面に付着させ、該付着の後、樹脂
の硬化温度以上の温度で樹脂を硬化し、接触型帯電器の
感光体と接触する面にカーボンナノチューブを保持した
離散した樹脂層を形成することを特徴とする。
【0047】請求項16記載の接触型帯電器の作製方法
は、請求項13から15のいずれか1項に記載の接触型
帯電器の作製方法において、熱硬化型接着剤から構成さ
れる樹脂を溶解する第5の溶媒にの樹脂を溶解し、かつ
カーボンナノチューブを分散させた後、第5の溶媒を蒸
発させてカーボンナノチューブと樹脂の混合体を形成
し、さらに混合体を粉砕することによってカーボンナノ
チューブと樹脂が混合した微粒子を得ることを特徴とす
る。
【0048】請求項17記載の接触型帯電器の作製方法
は、請求項13から15いずれか1項に記載の接触型帯
電器の作製方法において、熱硬化型接着剤から構成され
る樹脂を懸濁した懸濁液にカーボンナノチューブを分散
させた後、懸濁液を構成する第6の溶媒を蒸発させてカ
ーボンナノチューブと樹脂の混合体を形成し、さらに混
合体を粉砕することによってカーボンナノチューブと樹
脂が混合した微粒子を得ることを特徴とする。
【0049】請求項18記載の接触型帯電器は、請求項
1から6のいずれか1項に記載の接触型帯電器におい
て、カーボンナノチューブを保持した離散した樹脂層が
導電性繊維に保持され、帯電ブラシの構造を有すること
を特徴とする。
【0050】請求項19記載の接触型帯電器は、請求項
1から6のいずれか1項に記載の接触型帯電器におい
て、カーボンナノチューブを保持した離散した樹脂層が
磁性導電粒子に保持され、磁気ブラシの構造を有するこ
とを特徴とする。
【0051】請求項20記載の接触型帯電器は、請求項
1から6のいずれか1項に記載の接触型帯電器におい
て、カーボンナノチューブを保持した離散した樹脂層が
導電性ゴムに保持され、帯電ローラの構造を有すること
を特徴とする。
【0052】請求項21記載の接触型帯電器は、請求項
1から6のいずれか1項に記載の接触型帯電器におい
て、カーボンナノチューブを保持した離散した樹脂層が
導電性ゴムに保持され、帯電ブレードの構造を有するこ
とを特徴とする。
【0053】請求項22記載の画像形成装置は、請求項
1から6のいずれか1項または請求項18から21のい
ずれか1項に記載の接触型帯電器を有することを特徴と
する。
【0054】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
に係る接触型帯電器、その作製方法およびそれを有する
画像形成装置の実施形態を詳細に説明する。図1から図
32を参照すると、本発明に係る接触型帯電器、その作
製方法およびそれを有する画像形成装置の実施形態が示
されている。
【0055】以下、実施例に従って詳細に述べる。 <実施例1>図1には本発明に係る接触型帯電器の一例
が示されている。図1は接触型帯電器の形状として帯電
ブラシ(固定ブラシ)を用いたものであり、帯電ブラシ
に用いられる導電性繊維表面にカーボンナノチューブを
保持した離散した樹脂層が保持されている。
【0056】本発明に係る帯電ブラシ100は金属芯1
10に導電性繊維120が固定された構造を持ち、かつ
導電性繊維120の表面に複数の離散した樹脂層130
が保持されており、各々の樹脂層130にはカーボンナ
ノチューブ131が保持されている。
【0057】そして帯電ブラシ100は主にカーボンナ
ノチューブ131でOPC140の表面と接触してい
る。なお一部では樹脂層130ないしカーボンナノチュ
ーブ131が直接OPCと接触していても良い。OPC
140はドラム形状のAl基体141と有機感光層14
2から構成されており、必要に応じてAl基体141と
有機感光層142の間に電荷注入阻止層が設けられてい
る。
【0058】図示されてはいないが、帯電ブラシ100
の金属芯110は外部の直流電源に接続され、主にカー
ボンナノチューブ131から有機感光層142に直接電
子を注入(つまり負帯電の電荷注入)することでOPC
140を帯電させている。
【0059】なお、一部の電荷はカーボンナノチューブ
131から電子が電界放出によって引き出され有機感光
層142を帯電しても構わない。さらに一部の電荷はO
PCと直接接触する樹脂層や導電性繊維から有機感光層
142に電荷注入されても良い。
【0060】電荷注入は接触型帯電器と有機感光層の接
触部で直接電荷の授受を行うため、実用的な注入速度を
得るためには接触型帯電器と有機感光層の接触面積を大
きくしなければならない。
【0061】しかしながら一般的には帯電ブラシの導電
性繊維の直径は10〜40μm程度であり、OPCが高
速回転する高速な画像形成装置では十分な接触面積を確
保することはできなかった。
【0062】また導電性繊維をエッチング繊維ないし分
割繊維にした場合、数倍程度の接触面積の拡大は実現で
きるが、導電性繊維の引っ張り強度が小さくなるため長
寿命化できない問題があった。
【0063】本発明に係る帯電ブラシは主にカーボンナ
ノチューブ131で有機感光層142と接触する。カー
ボンナノチューブ131には単層カーボンナノチューブ
と多層カーボンナノチューブがあり、両方ともアスペク
ト比が非常に大きい極細の繊維形状をしている。
【0064】またカーボンナノチューブ131はシーム
レス構造であるため、非常に高い弾性率とチューブの軸
方向に対しての大きな引っ張り強度を持つ。上記のよう
にカーボンナノチューブ131は極細の直径を持つた
め、樹脂層を介して導電性繊維の表面に密集して配置す
ることが可能である。
【0065】またカーボンナノチューブ131は大きな
弾性を持つため、有機感光層142と接触すると撓るこ
とができ、カーボンナノチューブ131の先端のみでは
なく側面でも有機感光層142と接触することができ
る。
【0066】ここでカーボンナノチューブ131は半導
体性や金属性(つまりオーミック接触をしている)の導
電特性を持つため、カーボンナノチューブ131から電
荷を直接有機感光層142へ注入することが可能であ
る。
【0067】その結果導電性繊維120表面にカーボン
ナノチューブ131を保持した離散した樹脂層を形成し
た帯電ブラシ100においては、導電性繊維がエッチン
グ繊維、分割繊維からなる従来の帯電ブラシと比較し、
有機感光層142と帯電ブラシ100の間で電荷の授受
が行える面積、つまり実質的な接触面積(以後導電性の
接点と記述)を著しく大きくでき、電荷の注入速度を向
上できる。そのため高速の画像形成装置においても十分
な帯電電圧が得られる。
【0068】さらにカーボンナノチューブ131は軸方
向に対して大きな引っ張り強度を持つため、極細でも有
機感光層142との接触において破断することが非常に
少なく、長期的には帯電電圧のバラツキが非常に少なく
帯電ブラシ100の長寿命化を実現できる。
【0069】また本発明に係る帯電ブラシ100ではカ
ーボンナノチューブ131は離散して配置された樹脂層
130のみで導電性繊維120に固定化させる。よって
樹脂層130はカーボンナノチューブ131を保持でき
る大きさがあれば良く、樹脂層130の大きさ(1 個当
たりの容量)としてはカーボンナノチューブ131の長
さにもよるが10〜2000μm2 もあれば十分であ
る。
【0070】そのため樹脂層130によって隣接した導
電性繊維120を接着する確率が小さくなる。また、た
とえ隣接した導電性繊維120を接着したとしても、従
来の帯電ブラシと異なり点接着であるため、接着力は小
さく、OPC140とのカウンター回転ないし従動によ
って導電性繊維120同士の接着がとれ、帯電ブラシ1
00の導電性繊維120の柔軟性を低下しない。
【0071】ただし樹脂層130はカーボンナノチュー
ブ131を固定するのには十分な容量があるため、OP
C140とのカウンター回転(帯電ブラシとOPCが逆
方向に回転)ないし従動によってカーボンナノチューブ
131が抜けるようなことはなく、帯電ブラシ100の
長期信頼性も低下させない。
【0072】なお本例では導電性繊維表面に樹脂層を形
成しているが、導電性繊維表面を薬液でエッチングし導
電性繊維表面に凹部を形成し、樹脂層を導電性繊維に部
分的に埋め込むことによって、導電性繊維と樹脂層の接
着力を向上させても何ら構わない。前記のように導電性
繊維の表面が平滑ないし凹部が形成され樹脂層が部分的
に埋め込まれている場合も本発明に含まれるものとす
る。
【0073】次に本発明の帯電ブラシ100の構成部材
について説明する。金属芯110はFe、Al、Cu、
ステンレス等の金属や合金から構成され、外部の直流電
源と接続され、導電性繊維120やカーボンナノチュー
ブ131を介してOPC140を帯電させるための電荷
をカーボンナノチューブ131へ供給する働きをしてい
る。
【0074】導電性繊維120としては、カーボンブラ
ックや金属微粒子をレーヨン樹脂やナイロン樹脂、アク
リル樹脂、ポリエステル樹脂等に分散させた後、紡糸し
て繊維形状にしたものや、あるいはテトラシアノキノジ
メタン(TCNQ)等の電子受容性化合物とテトラチア
フルバレン(TTF)等の電子供与性化合物から構成さ
れる電荷移動錯体を高分子ネットワークに置換した高分
子樹脂を紡糸したものが用いられる。これらの導電性繊
維120をパイル地に編み込んで使用される。
【0075】樹脂層130は導電性繊維120との接着
力とカーボンナノチューブ131の保持力を両立し、か
つ隣接した導電性繊維120を接着しない機能を必要と
する。カーボンナノチューブ131を保持する構造とし
ては図2のような構造が挙げられる。
【0076】樹脂層130は少なくとも熱可塑性高分子
樹脂またはホットメルト型の接着剤の一方から構成され
る樹脂からなり、樹脂の中にカーボンナノチューブ13
1が部分的に埋め込まれており(図中の点線が埋め込ま
れたカーボンナノチューブの部位を示す)、樹脂層13
0の表面からカーボンナノチューブが突出している。な
お樹脂層130に埋め込まれたカーボンナノチューブ1
31の終端は樹脂から突出して導電性繊維120と直接
接触しても良い。
【0077】またカーボンナノチューブ131を樹脂に
混在させることによって樹脂層130の抵抗が小さくな
る。樹脂層130の抵抗が導電性繊維120の抵抗と同
じ程度まで低下した場合、埋め込まれた側のカーボンナ
ノチューブ131の終端は樹脂の中にあっても樹脂層か
らカーボンナノチューブへ電荷が輸送される場合大きな
抵抗成分にならない。
【0078】よって一般的に、樹脂層130の抵抗が1
03〜108Ω・cmまで低下した場合、埋め込まれた
側のカーボンナノチューブ131の終端は樹脂の中にあ
っても何ら構わない。
【0079】さらに図3に示すように樹脂層130に導
電性粒子140を含有(樹脂中に分散状態で配置する)
させることにより、樹脂層130の抵抗を更に低下させ
ると、導電性繊維から樹脂層への電荷の輸送、樹脂層か
らカーボンナノチューブへの電荷の輸送がより容易にな
るので望ましい。
【0080】例えば導電性粒子140としてはFe、N
i、Co、Al、Au、Ag、Pt等の金属や合金の微
粒子、またはグラファイト、フラーレン等の導電性無機
材料、または表面にNi、Co、Al等の金属薄膜を形
成して導電処理した高分子樹脂の微粒子が使用でき、導
電性粒子の大きさとしては樹脂層の大きさや導電性粒子
の素材にも依存するが、10μm以下が望ましい。
【0081】また樹脂層130を構成する樹脂はカーボ
ンナノチューブを保持する他に導電性繊維表面に固定化
されるため接着性が必要とされる。一般的な高分子樹脂
や接着剤はある程度の接着性は持っているので、導電性
繊維120に樹脂層130を固定化することは困難では
ない。
【0082】しかしながら導電性繊維120表面に樹脂
層130を形成するプロセスにおいて、樹脂が液状であ
る場合、樹脂層を離散して配置すること自体が非常に困
難である。そのため必然的に樹脂層を導電性繊維へ固定
化するプロセス全般では樹脂は微粒化した固体形状でな
ければならず、かつ導電性繊維との接着工程においての
み接着性を発揮することが重要となる。
【0083】これらの機能を発現する材料としては、加
熱によって接着性を発現する熱可塑性高分子樹脂があ
る。またホットメルト型の接着剤は熱可塑性の高分子樹
脂よりも更に接着性が向上しているためより好適であ
る。 なお熱可塑性高分子樹脂ないしホットメルト型接着
剤を用いる場合、それらの融点は導電性繊維の軟化点、
融点以下の温度でなければならない。
【0084】その他接着工程のみに接着性を発現させる
ことができる材料としては紫外線硬化型接着剤がある
が、紫外線硬化型接着剤の場合帯電ブラシ100の導電
性繊維120の付け根部分に樹脂層130を形成する場
合、導電性繊維120の付け根部分に紫外線を到達させ
る必要があり、紫外線の照射方法に工夫が必要となり、
結果的に低コストでカーボンナノチューブを保持した帯
電ブラシを作製することは困難である。
【0085】さらに樹脂層130は導電性繊維120表
面に固定化する場合、導電性繊維の柔軟性を維持するた
め隣接した導電性繊維120との接着を避ける必要があ
り、樹脂層130の大きさを小さくする必要がある。
【0086】アーク放電法で作製されるカーボンナノチ
ューブ131は比較的長さが短いので、樹脂層130表
面からカーボンナノチューブ131を突出させるために
は、樹脂層の大きさを可能な限り小さくすることが望ま
しい。
【0087】一方化学的気相成長法(chemical vapor de
position) 法で作製されるカーボンナノチューブ131
は比較的長いため、樹脂層130表面からカーボンナノ
チューブ131が突出しやすく、樹脂層を大きくでき
る。一般的には樹脂層130の大きさとしてはカーボン
ナノチューブの保持、導電性繊維との接着、隣接した導
電性繊維との接着回避を考慮すると10〜8000μm
3 もあれば十分である。
【0088】なお隣接した導電性繊維との接着を回避す
ることによって、有機感光層と良好な接触を維持でき、
電荷注入の効率が低下しない。なお樹脂層130の大き
さを小さくする手段としては、導電性繊維120表面へ
固定する熱可塑性高分子樹脂やホットメルト型の接着剤
の容量を小さくする他に、導電性繊維120表面に樹脂
層130を形成した後に、CF4 、O2 、CO2 等のガ
スを用いたプラズマによって樹脂層130を部分的にエ
ッチングしても良い。
【0089】高分子樹脂や接着剤はC−H結合を中心に
構成されているため、炭素のSP2構成軌道からのみな
るカーボンナノチューブよりもエッチング速度が著しく
大きい。よって上記のプラズマに晒すと樹脂層を優先的
にエッチングすることができ、ほぼ樹脂層のみを小さく
できる。
【0090】加えて樹脂層130のみが小さくなること
によって、初期には樹脂層130に完全に埋没していた
カーボンナノチューブ131の先端を樹脂層130の表
面から突出させることが可能となり、カーボンナノチュ
ーブの突出密度を向上でき、電荷注入の効率を更に改善
できる。
【0091】カーボンナノチューブ131には単層カー
ボンナノチューブと多層カーボンナノチューブがあり、
単層カーボンナノチューブは直径が0.7〜50nm、
軸方向の長さ(以後長さと略す)は10nm〜1mmで
あり、より合成しやすい大きさとしては直径が0.7〜
5nm、長さは30nm〜100μmである。
【0092】一方多層カーボンナノチューブは直径が1
〜500nmで、長さは10nm〜1mmであり、より
合成しやすい大きさとしては直径が2〜50nmで、長
さは1μm以上であり、単層、多層カーボンナノチュー
ブともアスペクト比が非常に大きい極細の繊維形状をし
ている。
【0093】本発明に係るカーボンナノチューブは前記
の大きさの範囲に限定されるものではなく、直径が1μ
m未満のカーボンナノチューブであれば本発明に含まれ
るものとする。
【0094】カーボンナノチューブは以下の方法によっ
て作製される。単層カーボンナノチューブは、陽極とし
てグラファイトにFe、Co、Ni、Ru、Rh、P
d、Os、Ir、Pt、La、Y等の金属触媒を混合し
たコンポジット棒を用い、陰極としてグラファイト棒を
用い、100〜700TorrのHeないしH2 雰囲気
でのアーク放電により合成する。
【0095】単層カーボンナノチューブは金属触媒の種
類によってチャンバー内壁の煤(チャンバー煤)か、陰
極表面の煤(陰極煤)の中に存在する。また前記のコン
ポジット棒を電気炉中で1000〜1400℃に加熱
し、500TorrのAr雰囲気で、Nd:YAGパル
スレーザーを照射して単層カーボンナノチューブを合成
しても良い。合成された単層カーボンナノチューブは種
々の不純物を含むため、水熱法、遠心分離法、限外ろ過
法等によって精製しても良い。
【0096】一方多層カーボンナノチューブは、陽極、
陰極ともグラファイト棒を用い、100〜700Tor
rのHe雰囲気でのアーク放電を用いて合成する。多層
カーボンナノチューブは陰極上の円柱状堆積物の中心に
存在する。
【0097】多層カーボンナノチューブも合成後は種々
の不純物が含まれるため、有機溶媒や界面活性剤が添加
された水溶液に分散した後、遠心分離法や限外ろ過法に
よって高純度に精製するのが良い。
【0098】なお未精製のカーボンナノチューブ131
を樹脂層130に保持させた場合も、樹脂層130の表
面に突出しているカーボンナノチューブ131は導電性
の接点の増加に寄与するので、本発明は精製、未精製の
両方のカーボンナノチューブついて言及している。
【0099】またカーボンナノチューブの先端は閉管、
開管のどちらの形状でも良い。加えて化学的気相成長法
(chemical vapor deposition)で作製されるカーボン
ナノチューブはアーク放電法やレーザーアブレーション
法よりも長いカーボンナノチューブを高純度の状態で作
製できる。
【0100】長いカーボンナノチューブ131はOPC
140との導電性の接点をより多く持つことができるた
め、化学的気相成長法(chemical vapor deposition)
で作製されるカーボンナノチューブ131を樹脂層13
0に保持させることによって、帯電ブラシ100の電荷
注入の効率がより改善できる。
【0101】更にカーボンナノチューブ131が高純度
で作製されることから、カーボンナノチューブ131の
精製工程が不要となり、より低コストで帯電ブラシ10
0を作製できる。
【0102】化学的気相成長法(chemical vapor depo
sition)の一例を述べる。Fe、Ni、Co、Fe合
金、Ni合金、Co合金、Fe酸化物、Ni酸化物また
はCo酸化物の1種からなる触媒層を支持体上に形成
し、アニールによって触媒層を微粒子化する。
【0103】その後CH4 、C2 2 、C2 4 等の炭
化水素ガスを導入し、700〜1200℃前後で炭化水
素ガスの熱分解を行うと、触媒層が形成され支持体上に
カーボンナノチューブが成長する。特にガス流量、熱分
解温度、触媒構成を最適化することによって支持体から
垂直成長したカーボンナノチューブも得ることができ
る。
【0104】垂直配向したカーボンナノチューブは以降
のプロセスにおいて、カーボンナノチューブの取り扱い
が容易になる。またこの作製法によるカーボンナノチュ
ーブは合成時間の間は絶えず成長し続けるため、合成時
間によって長さを制御するのが容易であり、アーク放電
法では多量に合成する事が困難であった長さが長い(一
般的には長さが20μm以上のカーボンナノチューブを
ほぼ100%で得ることも可能)のカーボンナノチュー
ブ131を安定的にかつ多量に得られる。
【0105】次に本発明の帯電ブラシ100の作製法の
一例を図4に従って述べる。 (a)少なくとも熱可塑性高分子樹脂ないしホットメル
ト型の接着剤から構成される樹脂151にカーボンナノ
チューブ131を混合し微粒子150を形成する。また
微粒子150の表面にはカーボンナノチューブ131が
突出していると(d)の工程後で樹脂層130からカー
ボンナノチューブ131が突出している割合が高くなる
ので低コスト化を考慮すると望ましく、更に微粒子15
0は(d)の工程で熱溶融して導電性繊維120と接着
し、カーボンナノチューブ131を保持した1個の樹脂
層130を形成するので、微粒子150の大きさは樹脂
層と同程度が良く容量としては10〜8000μm
3 (大きさとしては20μm以下)とするのが良い。
【0106】なお樹脂151は熱によって熔融する材料
であるから、導電性繊維120の融点及び軟化点よりも
低い温度に融点を持つ必要があり、熱可塑性高分子樹脂
よりもホットメルト型の接着剤の方が選択が容易であ
る。
【0107】熱可塑性高分子樹脂としてはポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等が使用でき、
またホットメルト型の接着剤は広く市販されているもの
の中から以下のプロセスに見合うものを選択すれば良
い。たとえば東亜合成化学製PES100シリーズ等が
挙げられる。
【0108】更に導電性粒子を含有した樹脂層を導電性
繊維120に固定化する場合は、樹脂151にカーボン
ナノチューブ131とFe、Ni、Co、Al、Au、
Ag、Pt等の金属や合金の微粒子、またはグラファイ
ト、フラーレン等の導電性無機材料、または表面にN
i、Co、Al等の金属薄膜を形成して導電処理した高
分子樹脂を混合した微粒子を使用すれば良い。
【0109】(b)その後樹脂151を溶解しない第1
の溶媒152に微粒子150を分散する。例えば熱可塑
性高分子樹脂であるポリエチレンを用いる場合にはメタ
ノール、エタノールまたは水等に分散させるのが良い。
またホットメルト型の接着剤として東亜合成PES10
0シリーズを用いる場合は水に微粒子150の分散させ
るのが良い。
【0110】なお第1の溶媒152に対する微粒子15
0の添加量としては導電性繊維120に付ける樹脂層1
30の密度や導電性繊維120の植毛密度によって影響
されるが、微粒子130の均一分散を考えると0.01
〜10%程度が良い。また微粒子150の凝集を防ぐた
め、第1の溶媒152に界面活性剤添加しても良い。
【0111】なお第1の溶媒152は導電性繊維120
自体を溶解しないものを選ぶ必要があるが、導電性繊維
を構成するレーヨン、ナイロン、ポリエステル等は水や
相当数の汎用有機溶媒によってもダメージがないので、
第1の溶媒152を選択することは困難でない。
【0112】(c)その後微粒子150が分散された分
散液にパイル地に編まれた導電性繊維120(導電性繊
維120を保持する金属芯は110)を浸積し、導電性
繊維120表面に微粒子150を付着させる。なお導電
性繊維120への微粒子150の付着量は微粒子150
の分散量、浸積時間、浸積回数等で制御するのが良い。
【0113】(d)その後導電性性繊維120を微粒子
150が分散された分散液から取り出し、熱可塑性高分
子樹脂あるいはホットメルト型接着剤の融点以上の温度
に加熱して樹脂を熔融する。その後樹脂を冷却して再度
硬化させることによって、導電性繊維120表面に樹脂
を固定化し、カーボンナノチューブ131を保持した離
散した樹脂層130を形成する。
【0114】なお微粒子が小さいため融ける樹脂の量は
少なく、樹脂の流れ出しが小さい。さらに熔融する温度
を制御することにより熔融時の樹脂の粘度の最適化を計
ることによって樹脂の流れ出しを更に抑制できるので、
隣接した導電性繊維を接着することなくカーボンナノチ
ューブを保持しつつ、かつ導電性繊維と十分な接着力を
確保することができる。
【0115】例えば熱可塑性高分子樹脂としてポリエチ
レンを用いる場合は、オーブン中で融点から10℃高く
10分間加熱し、その後自然冷却することによって、ホ
ットメルト型接着剤PES100シリーズではオーブン
中で融点から10℃程高く15分間加熱しその後自然冷
却することによって、導電性繊維120にカーボンナノ
チューブ131を保持した離散した樹脂層130を形成
できる。
【0116】最後に樹脂層130からカーボンナノチュ
ーブ131が突出していない場合は、CF4 、O2 、C
2 等のガスを用いたプラズマによって樹脂層130を
部分的にエッチングし、カーボンナノチューブの突出を
実現すれば良い。
【0117】なお(a)において微粒子150表面から
カーボンナノチューブ131が突出していることが望ま
しいが、突出していない場合でも最後にCF4 、O2
CO 2 等のガスを用いたプラズマによって樹脂層130
を部分的にエッチングし、カーボンナノチューブの突出
を実現すれば良いので、必ずしも微粒子の状態でカーボ
ンナノチューブが表面に突出している必要はない。
【0118】次に帯電ブラシの別の作製方法を図5に従
って述べる。 (a)前述の方法と同様に、少なくとも熱可塑性の高分
子樹脂ないしホットメルト型の接着剤からなる樹脂15
1とカーボンナノチューブ131を混合した微粒子15
0を樹脂151を溶解しない第1の溶媒152に分散す
る。
【0119】(b)その後微粒子150が分散された分
散液にパイル地に編まれた導電性繊維性120(導電性
繊維120を保持する金属芯は110)を浸積し、導電
性繊維120表面に微粒子を付着させる。なお導電性繊
維120への微粒子150の付着量は微粒子150の分
散量、浸積時間、浸積回数等で制御するのが良い。
【0120】(c)その後導電性繊維120を微粒子が
分散された分散液から取り出し、熱可塑性高分子樹脂あ
るいはホットメルト型接着剤の融点以下の温度に加熱し
て第1 の溶媒152を蒸発させる。例えば熱可塑性高分
子樹脂としてポリエチレン、第1の溶媒としてメタノー
ルを用いる場合は80℃に加熱すると、ポリエチレンを
熔融することなくメタノールを蒸発できる。
【0121】(d)その後微粒子150を熱可塑性高分
子樹脂あるいはホットメルト型接着剤の融点以上の温度
に加熱して樹脂を熔融する。その後樹脂を冷却して再度
硬化させることによって、導電性繊維120表面に樹脂
を固定化し、カーボンナノチューブ131を保持した離
散した樹脂層130を形成する。
【0122】本方法によると、微粒子150を加熱熔融
する前に微粒子150と導電性繊維120の界面にある
第1の溶媒152を完全に除去できるので、樹脂層13
0と導電性繊維120の接着力が向上する。その結果、
OPC140との接触によってもカーボンナノチューブ
131の脱離が起こりにくくなり、帯電ブラシの長期信
頼性が改善される。
【0123】なお第1の溶媒に水等の沸点の高い溶媒を
用いた場合は減圧下で加熱することによって、第1の溶
媒152の蒸発を加速でき、低温つまり樹脂を熔融させ
ないで第1の溶媒を完全に除去できる。
【0124】最後に必要に応じ、前述の方法と同様にC
4 、O2 、CO2 等のガスを用いたプラズマによって
樹脂層130を部分的にエッチングしてもよい。
【0125】また帯電ブラシは図6の方法によっても作
製できる。 (a)前述の方法と同様に、少なくとも熱可塑性の高分
子樹脂ないしホットメルト型の接着剤からなる樹脂15
1とカーボンナノチューブ131を混合した微粒子15
0を樹脂151を溶解しない第1の溶媒152に分散す
る。
【0126】(b)その後微粒子150を分散した分散
液を噴霧装置153を用い霧状にして導電性繊維120
(導電性繊維120は金属芯110で保持されている)
に塗付し、導電性繊維120の表面に微粒子150を付
着させる。
【0127】湿式噴霧では分散液の液温及び分散液の液
径、噴霧装置153出口と導電性繊維120との距離、
導電性繊維120の環境温度等を制御することによっ
て、微粒子150が導電性繊維120へ到着する間に第
1の溶媒152を完全に蒸発させることができ、導電性
繊維120に乾いた状態の微粒子150を付着させるこ
とが可能となる。また噴霧後の微粒子150の凝集を防
ぐため1個の液滴に1個の微粒子150のみが入るよう
に噴霧条件を制御するのが良い。なお噴霧装置153と
しては低圧噴霧器、高圧噴霧器、超音波噴霧器等が使用
できる。
【0128】(c)その後微粒子150を熱可塑性高分
子樹脂あるいはホットメルト型接着剤の融点以上の温度
に加熱して樹脂を溶融する。その後樹脂を冷却して再度
硬化させることによって、導電性繊維120表面に樹脂
を固定化し、カーボンナノチューブ131を保持した離
散した樹脂層130を形成する。
【0129】本方法によっても、微粒子120と導電性
繊維120の間に第1の溶媒152を残さないので、樹
脂層130と導電性繊維の接着力が向上し、OPC14
0との接触によってもカーボンナノチューブ131の脱
離が起こりにくくなり、帯電ブラシの長期信頼性が改善
される。
【0130】最後に必要に応じ、前述の方法と同様にC
4 、O2 、CO2 等のガスを用いたプラズマによって
樹脂層130を部分的にエッチングしてもよい。なお本
発明に係る帯電ブラシの作製方法は上記の方法に限定さ
れるわけではなく、樹脂151を溶解しない第1の溶媒
152に分散した後、浸積ないし噴霧以外の方法で分散
液を導電性繊維に塗付し、導電性繊維へ微粒子を付着さ
せ、樹脂151の融点以上の温度に加熱して樹脂を熔融
し、その後樹脂を冷却して再度硬化させることによっ
て、導電性繊維120表面に樹脂を固定化し、カーボン
ナノチューブ131を保持した離散した樹脂層130を
形成しても何ら構わない。それらの方法も本発明に含ま
れるものとする。
【0131】加えて本発明の帯電ブラシは図7のように
分散液を用いない方法によっても作製できる。 (a)前述の方法と同様に、少なくとも熱可塑性の高分
子樹脂ないしホットメルト型の接着剤からなる樹脂15
1とカーボンナノチューブ131を混合した微粒子15
0を作製する。
【0132】(b)その後微粒子150を乾式噴霧装置
154に充填し、N2 ガス等の高圧ガス流に微粒子15
0を乗せることによって微粒子150を凝集させないで
噴霧する。噴霧流の直下及び近傍では微粒子150の流
速が大きく導電性繊維120に微粒子150が付着しに
くいので、噴霧流から離したところに導電性繊維120
(導電性繊維120は金属芯110で保持)を置き、拡
散してきた微粒子150を導電性繊維120に付着させ
る。拡散してきた微粒子は流速が遅くなっているため、
導電性繊維120に容易に付着する。
【0133】なお微粒子150の凝集を防ぐため、噴霧
装置内で微粒子150と装置内壁との衝突回数を増や
し、壁との摩擦帯電によって微粒子を同一極性に帯電さ
せることによって、静電反発を起こさせるのが良い。さ
らに導電性繊維120に微粒子が帯びた帯電と逆極性の
電圧を印加することにより、静電気力によって導電性繊
維120へ微粒子150の付着を促進しても良い。
【0134】なお本方法で使用できる噴霧装置としては
高圧噴霧器がある。 (c)その後微粒子150を熱可塑性高分子樹脂あるい
はホットメルト型接着剤の融点以上の温度に加熱して樹
脂を熔融する。その後樹脂を冷却して再度硬化させるこ
とによって、導電性繊維120表面に樹脂を固定化し、
カーボンナノチューブ131を保持した離散した樹脂層
130を形成する。
【0135】本方法によると微粒子150を第1の溶媒
に分散させる必要がないため、プロセスが簡略化でき、
より低コストで帯電ブラシを作製できる。
【0136】以上のように、樹脂151とカーボンナノ
チューブ131を混合した微粒子150を湿式ないし乾
式の状態で導電性繊維120に付着させ、その後樹脂1
51の融点以上の温度に加熱して樹脂を熔融し、その後
樹脂を冷却して再度硬化させることによって、導電性繊
維120表面に樹脂を固定化し、カーボンナノチューブ
131を保持した離散した樹脂層130を形成する作製
方法は本発明に含まれるものとする。
【0137】次に樹脂151とカーボンナノチューブ1
31を混合した微粒子150の作製方法の一例を図8に
従って述べる。 (a)少なくとも熱可塑性高分子樹脂ないしホットメル
ト型接着剤からなるペレット状、顆粒状または粉末状の
樹脂161とカーボンナノチューブ131を予備混合す
る。
【0138】樹脂161に対するカーボンナノチューブ
131の比率は大きいほど微粒子150表面から突出す
るカーボンナノチューブ131の密度が大きくなるので
好ましいが、カーボンナノチューブ131が多すぎると
形成される微粒子150がもろくなり、プロセスに適さ
なくなる。
【0139】使用する熱可塑性高分子樹脂やホットメル
ト型接着剤によって添加できるカーボンナノチューブ1
31の量が決まるが、おおよそ10〜50%程度が望ま
しい。
【0140】なおカーボンナノチューブ131の割合を
多くできない場合は形成された微粒子150をCF4
2 、CO2 等のガスを用いたプラズマに晒し、樹脂層
130を部分的にエッチングしてカーボンナノチューブ
130の突出密度を向上させると、導電性繊維に微粒子
を固定した後、樹脂層130から突出しているカーボン
ナノチューブの密度が多くなりやすく、電荷注入効率の
改善が期待できる。
【0141】さらに導電性粒子を含有した樹脂層を作製
する場合は、樹脂161にカーボンナノチューブ131
と同時にFe、Ni、Co、Al、Au、Ag、Pt等
の金属や合金の微粒子、またはグラファイト、フラーレ
ン等の導電性無機材料、または表面にNi、Co、Al
等の金属薄膜を形成して導電処理した高分子樹脂の微粒
子を混合すれば良い。
【0142】(b)その後樹脂161を融点以上に加熱
して十分熔融させた状態でカーボンナノチューブ131
と樹脂をホモジナイザー等を用い攪拌し、熔融した樹脂
161中にカーボンナノチューブ131を均一分散させ
る。
【0143】(c)その後樹脂を冷却して再硬化させ、
カーボンナノチューブ131が樹脂中に均一分散した混
合体170を形成する。 (d)その後混合体170を乳鉢で予備粉砕後、ボール
ミル、ジェットミル等を用いて本粉砕を行い、カーボン
ナノチューブ131を保持した樹脂からなる微粒子15
0を形成する。
【0144】カーボンナノチューブは樹脂よりもはるか
に硬いため、粉砕時に樹脂のみが粉砕され、カーボンナ
ノチューブは折れず、最終的には表面からカーボンナノ
チューブが突出した状態の微粒子が得られる。
【0145】本粉砕によって微粒子150を前述の方法
で使用できる大きさまで(用いるカーボンナノチューブ
の大きさによって影響されるが20μm以下を目安とす
る)に微粒子化するのが最も好ましいが、本粉砕によっ
ても所定の大きさ以下の微粒子が多量に得られない時は
粉砕した微粒子150をふるいなどによって分級し、所
定の大きさ以下の微粒子150のみを使用しても良い。
【0146】また粉砕した微粒子150をCF4
2 、CO2 等のガスを用いたプラズマによって樹脂層
130を部分的にエッチングし、カーボンナノチューブ
131の突出密度を向上させると、導電性繊維に微粒子
を固定した後、樹脂層130から突出しているカーボン
ナノチューブの密度が多くなるので、より望ましい。
【0147】さらに本粉砕では樹脂を溶解しない第1の
溶媒を少量加え、湿式の状態でボールミルにより本粉砕
を行っても良く、その場合は第1の溶媒ごと微粒子を回
収して、第1の溶媒に分散させ図4、図5、図6等の方
法によって帯電ブラシを作製すれば良い。
【0148】またカーボンナノチューブ131を保持し
た樹脂からなる微粒子150は図9の方法によっても作
製できる。 (a)少なくとも熱可塑性高分子樹脂ないしホットメル
ト型接着剤からなるペレット状、顆粒状または粉末状の
樹脂161を樹脂を溶解する第2の溶媒162に溶解
し、更に化学的気相成長法(chemical vapor depositio
n) によって作製された基板132から垂直配向したカ
ーボンナノチューブ131を基板132から取り除き、
第2の溶媒162に分散させる。
【0149】熱可塑性高分子樹脂としてポリカーボネー
トを使用する場合は、第2の溶媒162としてテトラヒ
ドロフラン等の有機溶媒が使用でき、ホットメルト型の
接着剤を使用する場合はトルエンやメチルエチルケト
ン、アセトン等の汎用有機溶媒の中から選択するのが良
い。
【0150】なおカーボンナノチューブ131を第2の
溶媒162に均一分散させるため界面活性剤を添加して
も良い。樹脂161に対するカーボンナノチューブ13
1の比率は大きいほど微粒子150表面から突出するカ
ーボンナノチューブ131の密度が大きくなるので好ま
しいが、カーボンナノチューブ131が多すぎると形成
される微粒子150がもろくなり、プロセスに適さなく
なる。
【0151】使用する熱可塑性高分子樹脂やホットメル
ト型接着剤によって添加できるカーボンナノチューブ1
31の量が決まるが、おおよそ10〜50%程度が望ま
しい。なおカーボンナノチューブ131の割合を多くで
きない場合は形成された微粒子150をCF4 、O2
CO2 等のガスを用いたプラズマに晒し、樹脂層130
を部分的にエッチングしてカーボンナノチューブ130
の突出密度を向上させると、導電性繊維に微粒子を固定
した後、樹脂層130から突出しているカーボンナノチ
ューブの密度が多くなりやすく、電荷注入効率の改善が
期待できる。
【0152】さらに導電性粒子を含有した樹脂層を作製
する場合は、樹脂161にカーボンナノチューブ131
と同時にFe、Ni、Co、Al、Au、Ag、Pt等
の金属や合金の微粒子、またはグラファイト、フラーレ
ン等の導電性無機材料、または表面にNi、Co、Al
等の金属薄膜を形成して導電処理した高分子樹脂の微粒
子を分散すれば良い。
【0153】(b)その後第2の溶媒162をスターラ
ー等を用い攪拌し、カーボンナノチューブを第2の溶媒
162中に均一分散させる。 (c)その後第2の溶媒を加熱等によって蒸発させてカ
ーボンナノチューブ131と樹脂の混合体170を形成
する。なお混合体170の硬度が小さく、次工程の粉砕
が困難であれば樹脂の融点以上に加熱して樹脂を熔融さ
せた後、冷却し樹脂を再硬化させ、硬度を大きくしても
良い。
【0154】(d)その後混合体170を乳鉢で予備粉
砕後、ボールミル、ジェットミル等を用いて本粉砕を行
い、カーボンナノチューブ131を保持した樹脂からな
る微粒子150を形成する。
【0155】なお本方法も本粉砕によって微粒子150
を前述の方法で使用できる大きさまで微粒子化するのが
最も好ましいが、本粉砕によっても所定の大きさ以下の
微粒子が得られない時は粉砕した微粒子150を篩等に
よって分級し、所定の大きさ以下の微粒子150のみを
使用しても良く、粉砕した微粒子150をCF4
2 、CO2 等のガスを用いたプラズマによって樹脂層
130を部分的にエッチングし、カーボンナノチューブ
130の突出密度を向上させても良い。
【0156】さらにカーボンナノチューブ131を保持
した樹脂からなる微粒子150は図10の方法によって
も作製できる。 (a)少なくとも熱可塑性高分子樹脂ないしホットメル
ト型接着剤を懸濁した懸濁液163に化学的気相成長法
(chemical vapor deposition) によって作製された基板
132から垂直配向したカーボンナノチューブ131を
基板132から取り除き分散させる。
【0157】例えばホットメルト型接着剤を懸濁した懸
濁液としては東亜合成化学のホットメルト型接着剤PE
S300シリーズ等が使用できる。なおカーボンナノチ
ューブ131を懸濁液163に均一分散させるため界面
活性剤を添加しても良い。
【0158】樹脂に対するカーボンナノチューブ131
の比率は大きいほど微粒子150表面から突出するカー
ボンナノチューブ131の密度が大きくなるので好まし
いが、カーボンナノチューブ131が多すぎると形成す
る微粒子150がもろくなり、プロセスに適さなくな
る。
【0159】使用する懸濁液に分散している樹脂によっ
て添加できるカーボンナノチューブ131の量が決まる
が、おおよそ分散液に含有される樹脂に対し10〜50
%程度が望ましい。なおカーボンナノチューブ131の
割合を多くできない場合は形成された微粒子150をC
4 、O2 、CO2 等のガスを用いたプラズマに晒し、
樹脂層130を部分的にエッチングしてカーボンナノチ
ューブ131の突出密度を向上させると、導電性繊維に
微粒子を固定した後、樹脂層130から突出しているカ
ーボンナノチューブの密度が多くなりやすく、電荷注入
効率の改善が期待できる。
【0160】また導電性粒子を含有した樹脂層を作製す
る場合は、樹脂161にカーボンナノチューブ131と
同時にFe、Ni、Co、Al、Au、Ag、Pt等の
金属や合金の微粒子、またはグラファイト、フラーレン
等の導電性無機材料、または表面にNi、Co、Al等
の金属薄膜を形成して導電処理した高分子樹脂の微粒子
を分散すれば良い。
【0161】(b)その後懸濁液163をスターラー等
を用い攪拌し、カーボンナノチューブ131を懸濁液1
63に均一分散させる。 (c)その後懸濁液163を構成する第3の溶媒を加熱
等によって蒸発させてカーボンナノチューブ131と樹
脂の混合体170を形成する。なお混合体170の硬度
が小さく、次工程の粉砕が困難であれば樹脂の融点以上
に加熱して樹脂を熔融させた後、冷却し樹脂を再硬化さ
せ、硬度を大きくしても良い。
【0162】(d)その後混合体170を乳鉢で予備粉
砕後、ボールミル、ジェットミル等を用いて本粉砕を行
い、カーボンナノチューブ131を保持した樹脂からな
る微粒子150を形成する。
【0163】なお本方法も本粉砕によって微粒子150
を前述の方法で使用できる大きさまで微粒子化するのが
最も好ましいが、最終の粉砕によっても所定の大きさ以
下の微粒子が得られない時は粉砕した微粒子150をふ
るいなどによって分級し、所定の大きさ以下の微粒子1
50のみを使用しても良く、粉砕した微粒子150をC
4 、O2 、CO2 等のガスを用いたプラズマによって
樹脂層130を部分的にエッチングし、カーボンナノチ
ューブ130の突出密度を向上させても良い。
【0164】上記に述べた微粒子の作製方法と帯電ブラ
シの作製方法を組み合わせることにより、導電性繊維に
カーボンナノチューブを保持した離散した樹脂層を形成
でき、電荷注入効率に優れた帯電ブラシを実現できる。
【0165】なお本例は固定型の帯電ブラシについて説
明したが、従動回転やカウンター回転を行う帯電ブラシ
であっても本発明の効果は同様に実現でき、帯電ブラシ
の形状は何ら問わないものとする。
【0166】加えて帯電ブラシ100は直流電源に接続
されているが、電源は直流に限定されるものではなく、
直流と交流が重畳されていても構わないものとする。
【0167】次に本発明に用いられるOPC140につ
いて述べる。ドラム形状のAl基体141上に酸化チタ
ン微粒子をバインダー樹脂に分散させたホール注入阻止
層をディップコーティング法により厚さ1〜5μmで形
成し、その後電荷発生層(以後CGLと略す)と電荷輸
送層(以後CTLと略す)からなる積層の有機感光層1
42を形成した。
【0168】CGLは電荷発生材料(以後CGMと略
す)をプチラール樹脂、熱硬化型の変性アクリル樹脂、
フェノール樹脂などのバインダー樹脂に分散させたもの
からなり、ディッピングコーティング法により厚さ0.
1〜1μmで形成した。
【0169】CGMとしては波長740〜780nm付
近に感度を持つスクエアリリウム色素、無金属フタロシ
アニン、金属フタロシアニン、アズレニウム塩色素、及
びアゾ顔料等が、635〜650nm付近に感度のある
チアピリリウム塩や多環キノン系、ペリレン系又はアゾ
顔料系等が使用できる。
【0170】CTLはホールのキャリア輸送材料(以後
CTMと略す)をビスフェノール系ポリカーボネイト樹
脂等のバインダー樹脂に分散させたものからなり、膜厚
は10〜40μm程度でディッピングコーティング法に
よって形成した。CTMとしてはオキサジアゾール誘導
体、ピラリゾン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、オ
キサゾール誘導体、トリアリールアミン誘導体、ブタジ
エン誘導体などが用いられる。
【0171】なお本例では光によって発生するキャリア
のうちホールを用いるOPCであるが、電子を発生する
CGM、電子を輸送するCTMも若干ではあるが開発さ
れており、光生成キャリアのうち電子を用いるOPCで
あっても何ら構わない。その場合は直流電源の正負が逆
となり正帯電で使用されるが、帯電ブラシとしては前記
のものがそのまま使用できる。
【0172】また本例は機能分離型のOPCを例に取り
説明を行ったが、本発明は機能分離型に限定されるわけ
ではなく、単層型のOPCであっても何ら構わない。ま
た本例はドラム形状のOPCであるが、Al基体の代わ
りに表面に導電層を形成したベルトを採用し、ベルト状
のOPCとしても良い。またシート状のOPCでも良
い。
【0173】更に本発明はOPCに用いられる接触型帯
電器に限定されるわけではなく、Se系、a−Si、Z
nO等の無機感光体であっても同じ接触型帯電器が使用
できるので、感光体の種類が本発明の接触型帯電器の請
求の範囲を限定するものではない。
【0174】<実施例2>次に本発明の別の一例を図1
1を用いて説明する。図11も接触型帯電器の形状とし
て帯電ブラシ(固定ブラシ)を用いたものであり、帯電
ブラシに用いられる導電性繊維表面にカーボンナノチュ
ーブを保持した離散した樹脂層が保持されている。なお
図11では図1〜10と同じ部材を示す場合は同じ符号
を用いた。
【0175】本発明の帯電ブラシ100は金属芯110
に導電性繊維120が固定された構造を持ち、かつ導電
性繊維120の表面に複数の離散した樹脂層130が保
持されており、各々の樹脂層130にはカーボンナノチ
ューブ131が保持されている。
【0176】なお樹脂層130は熱硬化型接着剤から構
成されている。そして帯電ブラシ100は主にカーボン
ナノチューブ131でOPC140の表面と接触してい
る。なお一部では樹脂層130ないし導電性繊維131
が直接OPCと接触していても良い。OPC140はド
ラム形状のAl基体141と有機感光層142から構成
されており、必要に応じてAl基体141と有機感光層
142の間に電荷注入阻止層が設けられている。
【0177】図示されてはいないが、帯電ブラシ100
の金属芯110は外部の直流電源に接続され、主にカー
ボンナノチューブ131から有機感光層142に直接電
子を注入(つまり負帯電の電荷注入)することでOPC
140を帯電させている。なお一部の電荷はカーボンナ
ノチューブ131から電子が電界放出によって引き出さ
れ有機感光層142を帯電しても構わない。
【0178】さらに一部の電荷はOPCと直接接触する
樹脂層や導電性繊維から有機感光層142に電荷注入さ
れても良い。本例においても実施例1と同様に、導電性
繊維120表面にカーボンナノチューブ131を保持し
た離散した樹脂層を形成しているため、従来の帯電ブラ
シと比較し有機感光層142と帯電ブラシ100の間で
導電性の接点を著しく大きくでき、電荷の注入速度を向
上できる。その結果高速の画像形成装置においても十分
な帯電電圧が得られる。
【0179】さらにカーボンナノチューブ131は軸方
向に対して大きな引っ張り強度を持つため、極細でも有
機感光層142との接触において破断することが非常に
少なく、長期的には帯電電圧のバラツキが非常に少なく
帯電ブラシ100の長寿命化を実現できる。
【0180】また本発明の帯電ブラシ100において
も、実施例1と同様にカーボンナノチューブ131は離
散して配置された樹脂層130のみで導電性繊維120
に固定化させるので、樹脂層130はカーボンナノチュ
ーブ131を保持できる大きさがあれば良く、樹脂層1
30の大きさ(1 個当たりの容量)としてはカーボンナ
ノチューブ131の長さにもよるが10〜8000μm
3 もあれば十分である。
【0181】その結果樹脂層130によって隣接した導
電性繊維120を接着する確率が小さくなり、帯電ブラ
シの導電性繊維の柔軟性を低下させず、有機感光層と良
好な接触を維持でき、電荷注入の効率を低下させない。
【0182】ただしカーボンナノチューブ131を固定
するのには十分な容量があるため、OPC140とのカ
ウンター回転ないし従動によってカーボンナノチューブ
131が抜けるようなことはなく、帯電ブラシ100の
長期信頼性も低下させない。
【0183】なお本例でも導電性繊維表面に樹脂層を形
成しているが、導電性繊維表面を薬液でエッチングし導
電性繊維表面に凹部を形成し、樹脂層を導電性繊維に部
分的に埋め込むことによって、導電性繊維と樹脂層の接
着力を向上させても何ら構わない。前記のように導電性
繊維の表面が平滑ないし凹部が形成され樹脂層が部分的
に埋め込まれている場合も本発明に含まれるものとす
る。
【0184】次に本発明の帯電ブラシ100の構成部材
について説明する。金属芯110、導電性繊維120、
カーボンナノチューブ131は実施例1と同様のものが
使用できる。
【0185】樹脂層130は導電性繊維120との接着
力とカーボンナノチューブ131の保持力を両立し、か
つ隣接した導電性繊維120を接着しない機能を必要と
する。
【0186】カーボンナノチューブ131を保持する構
造としては図12のような構造が挙げられる。樹脂層1
30は熱硬化型接着剤から構成される樹脂からなり、樹
脂の中にカーボンナノチューブ131が部分的に埋め込
まれており(図中の点線が埋め込まれたカーボンナノチ
ューブの部位を示す)、樹脂層130の表面からカーボ
ンナノチューブが突出している。
【0187】なお樹脂層130に埋め込まれたカーボン
ナノチューブ131の終端は樹脂から突出して導電性繊
維120と直接接触しても良い。またカーボンナノチュ
ーブ131を樹脂に混在させることによって樹脂層13
0の抵抗が小さくなる。樹脂層130の抵抗が導電性繊
維120の抵抗と同じ程度まで低下した場合、埋め込ま
れた側のカーボンナノチューブ131の終端は樹脂の中
にあっても樹脂層からカーボンナノチューブへ電荷が輸
送される場合大きな抵抗成分にならない。
【0188】よって一般的に、樹脂層130の抵抗が1
03〜108Ω・cmまで低下した場合、埋め込まれた
側のカーボンナノチューブ131の終端は樹脂の中にあ
っても何ら構わない。
【0189】さらに図13に示すように樹脂層130に
導電性粒子140を含有(樹脂中に分散状態で配置す
る)させることにより、樹脂層130の抵抗を更に低下
させると、導電性繊維から樹脂層への電荷の輸送、樹脂
層からカーボンナノチューブへの電荷の輸送がより容易
になるので望ましい。
【0190】例えば導電性粒子140としてはFe、N
i、Co、Al、Au、Ag、Pt等の金属や合金の微
粒子、またはグラファイト、フラーレン等の導電性無機
材料、または表面にNi、Co、Al等の金属薄膜を形
成して導電処理した高分子樹脂の微粒子が使用でき、導
電性粒子の大きさとしては樹脂層の大きさや導電性粒子
の素材にも依存するが、10μm以下が望ましい。
【0191】また樹脂層130を構成する樹脂はカーボ
ンナノチューブを保持する他に導電性繊維表面に固定化
されるため接着性が必要とされるため、本実施例1で述
べたように樹脂層を導電性繊維へ固定化するプロセス全
般では樹脂は微粒化した固体形状でなければならず、か
つ導電性繊維との接着工程においてのみ接着性を発揮す
ることが重要である。
【0192】そのような候補としては実施例1で述べた
熱可塑性樹脂、ホットメルト型接着剤の他に、硬化温度
で初めて接着性を発現する固体の熱硬化型接着剤が挙げ
られる。本例は熱硬化型接着剤を用いている。
【0193】なお熱硬化型接着剤を用いる場合、その硬
化温度は導電性繊維の軟化点、融点以下の温度でなけれ
ばならない。さらに樹脂層130は導電性繊維120表
面に固定化する場合、導電性繊維の柔軟性を維持するた
め隣接した導電性繊維120との接着を避ける必要があ
り、樹脂層130の大きさを小さくする必要がある。
【0194】アーク放電法で作製されるカーボンナノチ
ューブ131は比較的長さが短いので、樹脂層130表
面からカーボンナノチューブ131を突出させるために
は、樹脂層の大きさを可能な限り小さくすることが望ま
しい。
【0195】一方化学的気相成長法(chemical vapor de
position) 法で作製されるカーボンナノチューブ131
は比較的長いため、樹脂層130表面からカーボンナノ
チューブ131が突出しやすく、樹脂層を大きくでき
る。一般的には樹脂層130の大きさとしてはカーボン
ナノチューブの保持、導電性繊維との接着、隣接した導
電性繊維との接着回避を考慮すると10〜8000μm
3 もあれば十分である。
【0196】なお樹脂層130の大きさを小さくする手
段としては、実施例1と同様に導電性繊維120表面へ
固定する熱硬化型接着剤の容量を小さくするか、導電性
繊維120表面に樹脂層130を形成した後に、C
4 、O2 、CO2 等のガスを用いたプラズマによって
樹脂層130を部分的にエッチングすることによって達
成できる。
【0197】加えてプラズマに晒すと樹脂層130のみ
が小さくなることによって、初期には樹脂層130に完
全に埋没していたカーボンナノチューブ131の先端を
樹脂層130の表面から突出させることが可能となり、
カーボンナノチューブの突出密度を向上でき、電荷注入
の効率を更に改善できる。
【0198】次に本発明の帯電ブラシ100の作製法の
一例を図14に従って述べる。 (a)常温で固体形状を取る熱硬化型接着剤からなる樹
脂151とカーボンナノチューブ131を混合した微粒
子150を形成する。
【0199】なお微粒子150の表面にはカーボンナノ
チューブ131が突出していると(d)の工程後で樹脂
層130からカーボンナノチューブ131が突出してい
る割合が高くなるので低コスト化を考慮すると望まし
く、更に微粒子150は(d)の工程で熱溶融して導電
性繊維120と接着し、カーボンナノチューブ131を
保持した1 個の樹脂層130を形成するので、微粒子1
50の大きさは樹脂層と同程度が良く容量としては10
〜8000μm2 (大きさとしては20μm以下)とす
るのが良い。
【0200】なお樹脂151は熱によって接着性を発現
する材料であるから、導電性繊維120の融点及び軟化
点よりも低い温度に硬化温度を持つ必要がある。 常温で
固体形状を取る熱硬化型接着剤としては東亜合成化学の
FS−175Pが挙げられる。
【0201】更に導電性粒子を含有した樹脂層を導電性
繊維120に固定化する場合は、実施例1と同様に樹脂
151にカーボンナノチューブ131とFe、Ni、C
o、Al、Au、Ag、Pt等の金属や合金の微粒子、
またはグラファイト、フラーレン等の導電性無機材料、
または表面にNi、Co、Al等の金属薄膜を形成して
導電処理した高分子樹脂を混合した微粒子を使用すれば
良い。
【0202】(b)その後樹脂151を溶解しない第4
の溶媒155に微粒子150を分散する。例えば熱硬化
型接着剤としては東亜合成化学のFS−175Pを用い
る場合には水や低級アルコール等に分散させるのが良
い。なお第4の溶媒155に対する微粒子150の添加
量としては導電性繊維120に付ける樹脂層130の密
度や導電性繊維120の植毛密度によって影響される
が、微粒子130の均一分散を考えると0.01〜10
%程度が良い。
【0203】また微粒子150の凝集を防ぐため、第4
の溶媒155に界面活性剤添加しても良い。なお第4の
溶媒155は導電性繊維120自体を溶解しないものを
選ぶ必要があるが、導電性繊維を構成するレーヨン、ナ
イロン、ポリエステル等は水や相当数の汎用有機溶媒に
よってもダメージがないので、第4の溶媒155を選択
することは困難でない。
【0204】(c)その後微粒子150が分散された分
散液にパイル地に編まれた導電性繊維性120(導電性
繊維120を保持する金属芯は110)を浸積し、導電
性繊維120表面に微粒子150を付着させる。なお導
電性繊維120への微粒子150の付着量は微粒子15
0の分散量、浸積時間、浸積回数等で制御するのが良
い。
【0205】(d)その後導電性繊維120を微粒子1
50が分散された分散液から取り出し、熱硬化型接着剤
の硬化温度以上に加熱して樹脂を硬化させる。一般的に
固形状の熱硬化型型接着剤は硬化温度以前に低粘度し、
硬化温度で架橋が加速されるので、樹脂の流れ出しがほ
とんどない。その結果導電性繊維120表面に樹脂を固
定化でき、カーボンナノチューブ131を保持した離散
した樹脂層130を形成できる。
【0206】最後に樹脂層130からカーボンナノチュ
ーブ131が突出していない場合は、CF4 、O2 、C
2 等のガスを用いたプラズマによって樹脂層130を
部分的にエッチングし、カーボンナノチューブの突出を
実現すれば良い。
【0207】なお(a)において微粒子150表面から
カーボンナノチューブ131が突出していることが望ま
しいが、突出していない場合でも最後にCF4 、O2
CO 2 等のガスを用いたプラズマによって樹脂層130
を部分的にエッチングし、カーボンナノチューブの突出
を実現すれば良いので、必ずしも微粒子の状態でカーボ
ンナノチューブが表面に突出している必要はない。
【0208】次に帯電ブラシの別の作製方法を図15に
従って述べる。 (a)前述の方法と同様に、常温で固形である熱硬化型
接着剤からなる樹脂151とカーボンナノチューブ13
1を混合した微粒子150を樹脂151を溶解しない第
4の溶媒155に分散する。
【0209】(b)その後微粒子150が分散された分
散液にパイル地に編まれた導電性繊維性120(導電性
繊維120を保持する金属芯は110)を浸積し、導電
性繊維120表面に微粒子を付着させる。なお導電性繊
維120への微粒子150の付着量は微粒子150の分
散量、浸積時間、浸積回数等で制御するのが良い。
【0210】(c)その後導電性繊維120を微粒子が
分散された分散液から取り出し、熱硬化型接着剤の硬化
温度以下の温度に加熱して第4の溶媒155を蒸発させ
る。例えば熱硬化型接着剤として東亜合成化学のFS−
175P、第4の溶媒155としてメタノールを用いた
場合は80℃に加熱すると、熱硬化型接着剤を硬化させ
ることなくメタノールを蒸発できる。
【0211】(d)その後微粒子150を熱硬化型接着
剤の硬化温度以上の温度に加熱して樹脂を硬化し、導電
性繊維120表面に樹脂を固定化し、カーボンナノチュ
ーブ131を保持した離散した樹脂層130を形成す
る。
【0212】本方法によると、微粒子150を硬化させ
る前に微粒子150と導電性繊維120の界面にある第
4の溶媒155を完全に除去できるので、樹脂層130
と導電性繊維120の接着力が向上する。その結果、O
PC140との接触によってもカーボンナノチューブ1
31の脱離が起こりにくくなり、帯電ブラシの長期信頼
性が改善される。
【0213】なお第4の溶媒に水等の沸点の高い溶媒を
用いた場合は、実施例1と同様に減圧下で加熱すること
によって、第4の溶媒155の蒸発を加速でき、低温つ
まり樹脂を硬化させないで第4の溶媒を完全に除去でき
る。
【0214】最後に必要に応じ、前述の方法と同様にC
4 、O2 、CO2 等のガスを用いたプラズマによって
樹脂層130を部分的にエッチングしてもよい。また帯
電ブラシは図16の方法によっても作製できる。
【0215】(a)前述の方法と同様に、常温で固形で
ある熱硬化型型接着剤からなる樹脂151とカーボンナ
ノチューブ131を混合した微粒子150を樹脂151
を溶解しない第4の溶媒155に分散する。
【0216】(b)その後微粒子150を分散した分散
液を噴霧装置153を用い霧状にして導電性繊維120
(導電性繊維120は金属芯110で保持されている)
に塗付し、導電性繊維120の表面に微粒子150を付
着させる。
【0217】湿式噴霧では分散液の液温及び分散液の液
径、噴霧装置153出口と導電性繊維120との距離、
導電性繊維120の環境温度等を制御することによっ
て、微粒子150が導電性繊維120へ到着する間に第
4の溶媒155を完全に蒸発させることができ、導電性
繊維120に乾いた状態の微粒子150を付着させるこ
とが可能となる。また噴霧後の微粒子150の凝集を防
ぐため1個の液滴に1個の微粒子150のみが入るよう
に噴霧条件を制御するのが良い。
【0218】なお噴霧装置153としては低圧噴霧器、
高圧噴霧器、超音波噴霧器等が使用できる。 (c)その後微粒子150を硬化型接着剤の硬化温度以
上の温度に加熱して樹脂を硬化し、導電性繊維120表
面に樹脂を固定化し、カーボンナノチューブ131を保
持した離散した樹脂層130を形成する。
【0219】本方法によっても、微粒子150と導電性
繊維120の間に第4の溶媒155を残さないので、樹
脂層130と導電性繊維の接着力が向上し、OPC14
0との接触によってもカーボンナノチューブ131の脱
離が起こりにくくなり、帯電ブラシの長期信頼性が改善
される。
【0220】最後に必要に応じ、前述の方法と同様にC
4 、O2 、CO2 等のガスを用いたプラズマによって
樹脂層130を部分的にエッチングしてもよい。
【0221】なお本発明の帯電ブラシの作製方法は上記
の方法に限定されるわけではなく、樹脂151を溶解し
ない第4の溶媒155に分散した後、浸積ないし噴霧以
外の方法で分散液を導電性繊維に塗付し、導電性繊維へ
微粒子を付着させ、樹脂151の硬化温度以上に加熱し
て樹脂を硬化させることによって、導電性繊維120表
面に樹脂を固定化し、カーボンナノチューブ131を保
持した離散した樹脂層130を形成しても何ら構わな
い。それらの方法も本発明に含まれるものとする。
【0222】加えて本発明の帯電ブラシは図17のよう
に分散液を用いない方法によっても作製できる。 (a)前述の方法と同様に、常温で固形を取りうる熱硬
化型接着剤からなる樹脂151とカーボンナノチューブ
131を混合した微粒子150を作製する。 (b)その後微粒子150を乾式噴霧装置154に充填
し、N2 ガスなどの高圧ガス流に微粒子150を乗せる
ことによって微粒子150を凝集させないで噴霧する。
【0223】噴霧流の直下及び近傍では微粒子150の
流速が大きく導電性繊維120に微粒子150が付着し
にくいので、噴霧流から離したところに導電性繊維12
0(導電性繊維120は金属芯110で保持)を置き、
拡散してきた微粒子150を導電性繊維120に付着さ
せる。拡散してきた微粒子は流速が遅くなっているた
め、導電性繊維120に容易に付着する。
【0224】なお微粒子150の凝集を防ぐため、噴霧
装置内で微粒子150と装置内壁との衝突回数を増や
し、壁との摩擦帯電によって微粒子を同一極性に帯電さ
せることによって、静電反発を起こさせるのが良い。
【0225】さらに導電性繊維120に微粒子が帯びた
帯電と逆極性の電圧を印加することにより、静電気力に
よって導電性繊維120へ微粒子150の付着を促進し
ても良い。
【0226】なお本方法で使用できる噴霧装置としては
高圧噴霧器がある。 (c)その後微粒子150を熱硬化型接着剤の硬化温度
以上の温度に加熱して樹脂を硬化し、導電性繊維120
表面に樹脂を固定化し、カーボンナノチューブ131を
保持した離散した樹脂層130を形成する。
【0227】本方法によると微粒子150を第4の溶媒
に分散させる必要がないため、プロセスが簡略化でき、
より低コストで帯電ブラシを作製できる。
【0228】以上のように、樹脂151とカーボンナノ
チューブ131を混合した微粒子150を湿式ないし乾
式の状態で導電性繊維120に付着させ、その後樹脂1
51の硬化温度以上の温度に加熱して樹脂を硬化させる
ことによって、導電性繊維120表面に樹脂を固定化
し、カーボンナノチューブ131を保持した離散した樹
脂層130を形成する作製方法は本発明に含まれるもの
とする。
【0229】次に樹脂151とカーボンナノチューブ1
31を混合した微粒子150の作製方法の一例を図18
に従って述べる。 (a)常温で固形の熱硬化型接着剤からなる樹脂161
を樹脂を溶解する第5の溶媒164に溶解し、更に化学
的気相成長法(chemical vapor deposition) によって作
製された基板132から垂直配向したカーボンナノチュ
ーブ131を基板132から取り除き、第5の溶媒16
4に分散させる。
【0230】熱硬化型接着剤として例えば東亜合成化学
のFS−175Pを使用する場合は、第5の溶媒164
としてメチルエチルケトン等の有機溶媒が使用できる。
なおカーボンナノチューブ131を第5の溶媒164に
均一分散させるため界面活性剤を添加しても良い。
【0231】樹脂161に対するカーボンナノチューブ
131の比率は大きいほど微粒子150表面から突出す
るカーボンナノチューブ131の密度が大きくなるので
好ましいが、カーボンナノチューブ131が多すぎると
形成される微粒子150がもろくなり、プロセスに適さ
なくなる。
【0232】使用する熱硬化型接着剤によって添加でき
るカーボンナノチューブ131の量が決まるが、おおよ
そ10〜50%程度が望ましい。なおカーボンナノチュ
ーブ131の割合を多くできない場合は形成された微粒
子150をCF4 、O2 、CO2 等のガスを用いたプラ
ズマに晒し、樹脂層130を部分的にエッチングしてカ
ーボンナノチューブ130の突出密度を向上させると、
導電性繊維に微粒子を固定した後、樹脂層130から突
出しているカーボンナノチューブの密度が多くなりやす
く、電荷注入効率の改善が期待できる。
【0233】さらに導電性粒子を含有した樹脂層を作製
する場合は、樹脂161にカーボンナノチューブ131
と同時にFe、Ni、Co、Al、Au、Ag、Pt等
の金属や合金の微粒子、またはグラファイト、フラーレ
ン等の導電性無機材料、または表面にNi、Co、Al
等の金属薄膜を形成して導電処理した高分子樹脂の微粒
子を分散すれば良い。
【0234】(b)その後第5の溶媒164をスターラ
ー等を用い攪拌し、カーボンナノチューブを第5の溶媒
164中に均一分散させる。 (c)その後第5の溶媒を加熱等によって蒸発させてカ
ーボンナノチューブ131と樹脂の混合体170を形成
する。 (d)その後混合体170を乳鉢で予備粉砕後、ボール
ミル、ジェットミル等を用いて本粉砕を行い、カーボン
ナノチューブ131を保持した樹脂からなる微粒子15
0を形成する。
【0235】カーボンナノチューブは樹脂よりも遥かに
硬いため、粉砕時に樹脂のみが粉砕され、カーボンナノ
チューブは折れず、最終的には表面からカーボンナノチ
ューブが突出した状態の微粒子が得られる。
【0236】本粉砕によって微粒子150を前述の方法
で使用できる大きさまで(用いるカーボンナノチューブ
の大きさによって影響されるが20μm以下を目安とす
る)に微粒子化するのが最も好ましいが、本粉砕によっ
ても所定の大きさ以下の微粒子が多量に得られない時は
粉砕した微粒子150をふるいなどによって分級し、所
定の大きさ以下の微粒子150のみを使用しても良い。
【0237】また粉砕した微粒子150をCF4
2 、CO2 等のガスを用いたプラズマによって樹脂層
130を部分的にエッチングし、カーボンナノチューブ
130の突出密度を向上させると、導電性繊維に微粒子
を固定した後、樹脂層130から突出しているカーボン
ナノチューブの密度が多くなるので、より望ましい。
【0238】さらに本粉砕では樹脂を溶解しない第4の
溶媒を少量加え、湿式の状態でボールミルにより本粉砕
を行っても良く、その場合は第4の溶媒ごと微粒子を回
収して、第4の溶媒に分散させ図14、図15、図16
等の方法によって帯電ブラシを作製すれば良い。
【0239】さらにカーボンナノチューブ131を保持
した樹脂からなる微粒子150は図19の方法によって
も作製できる。 (a)常温で固体形状を取る熱硬化型接着剤を懸濁した
懸濁液165に化学的気相成長法(chemical vapor depo
sition) によって作製された基板132から垂直配向し
たカーボンナノチューブ131を基板132から取り除
いて分散させる。
【0240】なおカーボンナノチューブ131を懸濁液
165に均一分散させるため界面活性剤を添加しても良
い。樹脂に対するカーボンナノチューブ131の比率は
大きいほど微粒子150表面から突出するカーボンナノ
チューブ131の密度が大きくなるので好ましいが、カ
ーボンナノチューブ131が多すぎると形成する微粒子
150がもろくなり、プロセスに適さなくなる。
【0241】使用する懸濁液に分散している樹脂によっ
て添加できるカーボンナノチューブ131の量が決まる
が、おおよそ分散液に含有される樹脂に対し10〜50
%程度が望ましい。なおカーボンナノチューブ131の
割合を多くできない場合は形成された微粒子150をC
4 、O2 、CO2 等のガスを用いたプラズマに晒し、
樹脂層130を部分的にエッチングしてカーボンナノチ
ューブ130の突出密度を向上させると、導電性繊維に
微粒子を固定した後、樹脂層130から突出しているカ
ーボンナノチューブの密度が多くなりやすく、電荷注入
効率の改善が期待できる。
【0242】また導電性粒子を含有した樹脂層を作製す
る場合は、樹脂161にカーボンナノチューブ131と
同時にFe、Ni、Co、Al、Au、Ag、Pt等の
金属や合金の微粒子、またはグラファイト、フラーレン
等の導電性無機材料、または表面にNi、Co、Al等
の金属薄膜を形成して導電処理した高分子樹脂の微粒子
を分散すれば良い。
【0243】(b)その後懸濁液165をスターラー等
を用い攪拌し、カーボンナノチューブ131を懸濁液1
65に均一分散させる。 (c)その後懸濁液165を構成する第6の溶媒を加熱
等によって蒸発させてカーボンナノチューブ131と樹
脂の混合体170を形成する。 (d)その後混合体170を乳鉢で予備粉砕後、ボール
ミル、ジェットミル等を用いて本粉砕を行い、カーボン
ナノチューブ131を保持した樹脂からなる微粒子15
0を形成する。
【0244】なお本方法も本粉砕によって微粒子150
を前述の方法で使用できる大きさまで微粒子化するのが
最も好ましいが、最終の粉砕によっても所定の大きさ以
下の微粒子が得られない時は粉砕した微粒子150をふ
るいなどによって分級し、所定の大きさ以下の微粒子1
50のみを使用しても良く、粉砕した微粒子150をC
4 、O2 、CO2 等のガスを用いたプラズマによって
樹脂層130を部分的にエッチングし、カーボンナノチ
ューブ130の突出密度を向上させても良い。
【0245】上記に述べた微粒子の作製方法と帯電ブラ
シの作製方法を組み合わせることにより、導電性繊維に
カーボンナノチューブを保持した離散した樹脂層を形成
でき、電荷注入効率に優れた帯電ブラシを実現できる。
【0246】なお本例は固定型の帯電ブラシについて説
明したが、従動回転やカウンター回転を行う帯電ブラシ
であっても本発明の効果は同様に実現でき、帯電ブラシ
の形状は何ら問わないものとする。
【0247】加えて帯電ブラシ100は直流電源に接続
されているが、電源は直流に限定されるものではなく、
直流と交流が重畳されていても構わないものとする。な
お本発明に用いられるOPC140は実施例1と同様な
ものが使用できる。
【0248】<実施例3>次に本発明の別の一例を図2
0を用いて説明する。図20は接触型帯電器の形状とし
て磁気ブラシを用いたものであり、磁気ブラシに用いら
れる磁性導電粒子表面にカーボンナノチューブを保持し
た離散した樹脂層が保持されている。
【0249】本発明の磁気ブラシはマグネットロール1
82を取り囲む導電性スリーブ181に磁性導電粒子1
83が保持された構造を持ち、かつ磁性導電粒子183
の表面に複数の離散した樹脂層130が保持されてお
り、各々の樹脂層130にはカーボンナノチューブ13
1が保持されている。
【0250】なお樹脂層130はホットメルト型接着剤
から構成されている。図示されていないが、磁気ブラシ
は主にカーボンナノチューブ131でOPCの表面と接
触している。なお一部では樹脂層130ないし磁性導電
粒子183が直接OPCと接触していても良い。OPC
はドラム形状のAl基体と有機感光層から構成されてお
り、必要に応じてAl基体と有機感光層の間に電荷注入
阻止層が設けられている。
【0251】また磁気ブラシの導電性スリーブ181は
外部の直流電源に接続され、主にカーボンナノチューブ
131から有機感光層に直接電子を注入(つまり負帯電
の電荷注入)することでOPCを帯電させている。なお
1部の電荷はカーボンナノチューブ131から電子が電
界放出によって引き出され有機感光層を帯電しても構わ
ない。
【0252】さらに一部の電荷はOPCと直接接触する
樹脂層130や磁性導電粒子183から有機感光層に電
荷注入されても良い。本例においては、磁性導電粒子1
83表面にカーボンナノチューブ131を保持した離散
した樹脂層130を形成しているため、従来の磁気ブラ
シと比較し有機感光層と磁気ブラシの間で導電性の接点
を著しく大きくでき、電荷の注入速度を向上できる。
【0253】その結果高速の画像形成装置においても十
分な帯電電圧が得られる。さらに磁気ブラシの構成にす
ることによって、OPCとの接触幅、つまりニップ幅を
大きくすることができ、更に電荷注入の効率が改善され
る。
【0254】さらにカーボンナノチューブ131は軸方
向に対して大きな引っ張り強度を持つため、極細でも有
機感光層との接触において破断することが非常に少な
く、長期的には帯電電圧のバラツキが非常に少なく磁気
ブラシの長寿命化を実現できる。
【0255】また本発明の磁気ブラシにおいても、実施
例1と同様にカーボンナノチューブ131は離散して配
置された樹脂層130のみで磁性導電粒子183に固定
化させるので、樹脂層130はカーボンナノチューブ1
31を保持できる大きさがあれば良く、樹脂層130の
大きさ(1個当たりの容量)としてはカーボンナノチュ
ーブ131の長さにもよるが10〜8000μm3 もあ
れば十分である。
【0256】その結果樹脂層130によって隣接した磁
性導電粒子183を接着する確率が小さくなり、磁性導
電粒子を凝集させず、有機感光層と良好な接触を維持で
き、電荷注入の効率を低下させない。
【0257】しかしカーボンナノチューブ131を固定
するのには十分な容量があるため、OPC、導電性スリ
ーブ、他の磁性導電粒子183との接触によってカーボ
ンナノチューブ131が抜けるようなことはなく、磁気
ブラシの長期信頼性も低下させない。
【0258】次に本発明の磁気ブラシの構成部材につい
て説明する。本例に用いられる、マグネットロール、導
電性スリーブは従来と同じものが使用できる。例えば、
マグネットロールは磁束密度が導電性スリーブ上で80
0×10−4T程度のマグネットが使用され、導電性ス
リーブとしては非磁性のステンレスで直径が20mmの
ものが使用される。
【0259】また磁性導電粒子183はFe、Co、C
r等の金属、合金から構成され、直径は10〜20μm
である。樹脂層130は磁性導電粒子183との接着力
とカーボンナノチューブ131の保持力を両立し、かつ
隣接した磁性導電粒子183を接着しない機能を必要と
する。
【0260】樹脂層130は実施例1と同様にホットメ
ルト型接着剤から構成される樹脂からなり、樹脂の中に
カーボンナノチューブ131が部分的に埋め込まれてお
り樹脂層131の表面からカーボンナノチューブが突出
している。なお樹脂層130に埋め込まれたカーボンナ
ノチューブ131の終端は樹脂から突出して磁性導電粒
子183と直接接触していても良い。
【0261】さらに樹脂層130に導電性粒子を含有
(樹脂中に分散状態で配置する)させることにより、樹
脂層130の抵抗がさらに低下し、磁性導電粒子183
から樹脂層への電荷の輸送、樹脂層からカーボンナノチ
ューブへの電荷の輸送がより容易になるので望ましい。
【0262】例えば導電性粒子としては実施例1と同様
にFe、Ni、Co、Al、Au、Ag、Pt等の金属
や合金の微粒子、またはグラファイト、フラーレン等の
導電性無機材料、または表面にNi、Co、Al等の金
属薄膜を形成して導電処理した高分子樹脂の微粒子が使
用でき、導電性粒子の大きさとしては樹脂層の大きさや
導電性粒子の素材にも依存するが、10μm以下が望ま
しい。
【0263】また樹脂層130を構成する樹脂はカーボ
ンナノチューブを保持する他に磁性導電粒子表面に固定
化されるため接着性が必要とされるため、実施例1で述
べたように樹脂層を磁性導電粒子183へ固定化するプ
ロセス全般では樹脂は微粒化した固体形状でなければな
らず、かつ磁性導電粒子との接着工程においてのみ接着
性を発揮することが重要である。本例では実施例1と同
様にホットメルト型接着剤を用いている。
【0264】さらに樹脂層130は磁性導電粒子183
表面に固定化する場合、隣接した磁性導電粒子183と
の接着を避ける必要があり、樹脂層130の大きさを小
さくする必要がある。
【0265】アーク放電法で作製されるカーボンナノチ
ューブ131は比較的長さが短いので、樹脂層130表
面からカーボンナノチューブ131を突出させるために
は、樹脂層の大きさを可能な限り小さくすることが望ま
しい。
【0266】一方化学的気相成長法(chemical vapor de
position) 法で作製されるカーボンナノチューブ131
は比較的長いため、樹脂層130表面からカーボンナノ
チューブ131が突出しやすく、樹脂層を大きくでき
る。一般的には樹脂層130の大きさとしてはカーボン
ナノチューブの保持、磁性導電粒子との接着、隣接した
磁性導電粒子との接着回避を考慮すると10〜8000
μm3 もあれば十分である。
【0267】なお樹脂層130の大きさを小さくする手
段としては、実施例1と同様に磁性導電粒子183表面
へ固定するホットメルト型接着剤の容量を小さくする
か、磁性導電粒子183表面に樹脂層130を形成した
後に、CF4 、O2 、CO2 等のガスを用いたプラズマ
によって樹脂層130を部分的にエッチングすることに
よって達成できる。
【0268】加えてプラズマに晒すと樹脂層130のみ
が小さくなることによって、初期には樹脂層130に完
全に埋没していたカーボンナノチューブ131の先端を
樹脂層130の表面から突出させることが可能となり、
カーボンナノチューブの突出密度を向上でき、電荷注入
の効率を更に改善できる。
【0269】カーボンナノチューブ131は実施例1、
2で述べたものが使用できる。次に本発明の磁気ブラシ
の作製法の一例を図21に従って述べる。 (a)少なくともホットメルト型接着剤からなる樹脂1
51とカーボンナノチューブ131からなる微粒子15
0を実施例1で述べた方法によって作製する。
【0270】微粒子150の表面にはカーボンナノチュ
ーブ131が突出していると(d)の工程後で樹脂層1
30からカーボンナノチューブ131が突出している割
合が高くなるので低コスト化を考慮すると望ましく、更
に微粒子150は(d)の工程で熱溶融して磁性導電粒
子183と接着し、カーボンナノチューブ131を保持
した1個の樹脂層130を形成するので、微粒子150
の大きさは樹脂層と同程度が良く容量としては10〜8
000μm3 (大きさとしては20μm以下)とするの
が良い。
【0271】なおホットメルト型の接着剤は広く市販さ
れているものの中から以下のプロセスに見合うものを選
択すれば良い。たとえば東亜合成化学製PES100シ
リーズ等が挙げられる。
【0272】更に導電性粒子を含有した樹脂層を磁性導
電粒子183に固定化する場合は、樹脂151にカーボ
ンナノチューブ131とFe、Ni、Co、Al、A
u、Ag、Pt等の金属や合金の微粒子、またはグラフ
ァイト、フラーレン等の導電性無機材料、または表面に
Ni、Co、Al等の金属薄膜を形成して導電処理した
高分子樹脂を混合した微粒子を使用すれば良い。
【0273】(b)その後樹脂151を溶解しない第1
の溶媒152に微粒子150を分散する。ホットメルト
型の接着剤として東亜合成PES100シリーズを用い
る場合は水に微粒子150の分散させるのが良い。
【0274】なお第1の溶媒152に対する微粒子15
0の添加量としては磁性導電粒子に付ける樹脂層130
の密度によって影響されるが、微粒子150の均一分散
を考えると0.01〜10%程度が良い。また微粒子1
50の凝集を防ぐため、第1の溶媒152に界面活性剤
添加しても良い。
【0275】なお第1の溶媒152は磁性導電粒子18
3自体を溶解しないものを選ぶ必要があるが、磁性導電
粒子はFe、Co、Cr等の金属、合金からなるため水
や有機溶媒が使用できる。
【0276】(c)その後微粒子150が分散された分
散液に磁性導電粒子183を分散させ、磁性導電粒子1
83表面に微粒子150を付着させる。なお磁性導電粒
子183への微粒子150の付着量は微粒子150の分
散量、浸積時間、浸積回数等で制御するのが良い。
【0277】(d)その後磁性導電粒子183を微粒子
150が分散された分散液から取り出し、ホットメルト
型接着剤の融点以上の温度に加熱して樹脂を熔融する。
その後樹脂を冷却して再度硬化させることによって、磁
性導電粒子183表面に樹脂を固定化し、カーボンナノ
チューブ131を保持した離散した樹脂層130を形成
する。
【0278】なお微粒子が小さいため融ける樹脂の量は
少なく、樹脂の流れ出しが小さい。さらに熔融する温度
を制御することにより熔融時の樹脂の粘度の最適化を計
ることによって樹脂の流れ出しを更に抑制できるので、
隣接した磁性導電粒子を接着することなくカーボンナノ
チューブを保持しつつ、かつ磁性導電粒子と十分な接着
力を確保することができる。
【0279】例えばホットメルト型接着剤PES100
シリーズではオーブン中で融点から10℃程高く15分
間加熱しその後自然冷却することによって、磁性導電粒
子183にカーボンナノチューブ131を保持した離散
した樹脂層130を形成できる。
【0280】最後に樹脂層130からカーボンナノチュ
ーブ131が突出していない場合は、実施例1と同様に
CF4 、O2 、CO2 等のガスを用いたプラズマによっ
て樹脂層130を部分的にエッチングし、カーボンナノ
チューブの突出を実現すれば良い。
【0281】なお(a)において微粒子150表面から
カーボンナノチューブ131が突出していることが望ま
しいが、突出していない場合でも最後にCF4 、O2
CO 2 等のガスを用いたプラズマによって樹脂層130
を部分的にエッチングし、カーボンナノチューブの突出
を実現すれば良いので、必ずしも微粒子の状態でカーボ
ンナノチューブが表面に突出している必要はない。
【0282】また本例でも実施例1、2で使用されるO
PCが使用できる。 <実施例4>次に本発明の別の一例を図22を用いて説
明する。図22は接触型帯電器の形状として帯電ローラ
を用いたものであり、帯電ローラの導電性ゴム185の
表面にカーボンナノチューブ130を保持した離散した
樹脂層130が保持されている。
【0283】本発明の帯電ブラシは金属芯184の回り
導電性ゴム185が形成された構造をもち、かつ導電性
ゴム185の表面に複数の離散した樹脂層130が保持
されており、各々の樹脂層130にはカーボンナノチュ
ーブ131が保持されている。
【0284】なお樹脂層130は熱硬化型接着剤から構
成されている。図示されていないが、帯電ローラーは主
にカーボンナノチューブ131でOPCの表面と接触し
ている。なお一部では樹脂層130ないし導電性ゴム1
85が直接OPCと接触していても良い。OPCはドラ
ム形状のAl基体141と有機感光層から構成されてお
り、必要に応じてAl基体と有機感光層の間に電荷注入
阻止層が設けられている。
【0285】また帯電ローラーの金属芯184は外部の
直流電源に接続され、主にカーボンナノチューブ131
から有機感光層に直接電子を注入(つまり負帯電の電荷
注入)することでOPCを帯電させている。
【0286】なお一部の電荷はカーボンナノチューブ1
31から電子が電界放出によって引き出され有機感光層
を帯電しても構わない。さらに一部の電荷はOPCと直
接接触する樹脂層130、導電性ゴム185から有機感
光層に電荷注入されても良い。
【0287】本例においては、導電性ゴム185表面に
カーボンナノチューブ131を保持した離散した樹脂層
130を形成しているため、従来の帯電ローラーと比較
し有機感光層と帯電ローラーの間で導電性の接点を著し
く大きくでき、電荷の注入速度を向上できる。その結果
高速の画像形成装置においても十分な帯電電圧が得られ
る。
【0288】さらにカーボンナノチューブ131は軸方
向に対して大きな引っ張り強度を持つため、極細でも有
機感光層との接触において破断することが非常に少な
く、長期的には帯電電圧のバラツキが非常に少なく帯電
ローラーの長寿命化を実現できる。
【0289】また本発明の帯電ローラーにおいても、カ
ーボンナノチューブ131は離散して配置された樹脂層
130のみで導電性ゴム185に固定化させるので、樹
脂層130はカーボンナノチューブ131を保持できる
大きさがあれば良く、樹脂層130の大きさ(1個当た
りの容量)としてはカーボンナノチューブ131の長さ
にもよるが10〜8000μm3 もあれば十分である。
【0290】その結果OPCとの従動によってもカーボ
ンナノチューブ131が抜けるようなことはなく、帯電
ローラーの長期信頼性も低下させない。加えて接触型帯
電器の構造として帯電ローラーを採用することによっ
て、帯電ブラシや磁気ブラシよりも構造が簡単になり、
低コスト化が期待できる。
【0291】さらに帯電ブラシや磁気ブラシと異なり固
体状の樹脂の他に液体状の熱硬化型接着剤等も使用でき
るため、樹脂の材料選択の範囲が広がり、樹脂として安
価な材料が選択でき、帯電器の更なる低コスト化が期待
できる。
【0292】次に本発明の帯電ローラーの構成部材につ
いて説明する。本例に用いられる、金属芯、導電性ゴム
は従来と同じものが使用できる。例えば金属芯184と
してはステンレス、Al、Cu等の金属や合金が使用で
きる。また導電性ゴムはポリウレタンゴムやシリコン樹
脂等のゴムにカーボンブラック等の導電性微粒子を分散
したものが使用できる。
【0293】また導電性ゴムは単一の抵抗層であっても
良いが、OPCとの接触を確保するための弾性層、OP
Cのピンホールによって帯電ローラーへ流れる過電流を
抑制するための中抵抗層、最表面には樹脂層やカーボン
ナノチューブと良好な電気接触を確保するための低抵抗
層からなる多層構造にすると、帯電性能の効率化を図り
つつOPCのピンホールへの対策を施すことができるの
で更に良い。
【0294】また樹脂層130は導電性ゴム185との
接着力とカーボンナノチューブ131の保持力を両立し
なければならない。樹脂層130は熱硬化型接着剤から
構成される樹脂からなり、樹脂の中にカーボンナノチュ
ーブ131が部分的に埋め込まれており樹脂層130の
表面からカーボンナノチューブが突出している。
【0295】なお樹脂層130に埋め込まれたカーボン
ナノチューブ131の終端は樹脂から突出して導電性ゴ
ム185と直接接触していても良い。さらに樹脂層13
0に導電性粒子を含有(樹脂中に分散状態で配置する)
させることにより、樹脂層130の抵抗がさらに低下
し、導電性ゴム185から樹脂層への電荷の輸送、樹脂
層からカーボンナノチューブへの電荷の輸送がより容易
になるので望ましい。
【0296】例えば導電性粒子としては実施例1と同様
にFe、Ni、Co、Al、Au、Ag、Pt等の金属
や合金の微粒子、またはグラファイト、フラーレン等の
導電性無機材料、または表面にNi、Co、Al等の金
属薄膜を形成して導電処理した高分子樹脂の微粒子が使
用でき、導電性粒子の大きさとしては樹脂層の大きさや
導電性粒子の素材にも依存するが、10μm以下が望ま
しい。
【0297】本例においては樹脂層130を構成する樹
脂はカーボンナノチューブを保持する他に導電性ゴム表
面に固定化されるため接着性が必要とされるが、工程
上、実施例1、2、3で述べたように隣接する部材(導
電性繊維、磁性導電粒子等)がなく、一個の導電性ゴム
上にのみ複数の離散した樹脂層を形成すれば良いので、
樹脂層はプロセス全般において微粒化した固体形状であ
る必要がなく、接着工程で接着性を発揮すれば良い。つ
まり液体状の接着剤でも何ら問題ない。本例では液体状
の熱硬化型接着剤を用いている。
【0298】しかしながら本例においてもOPCと帯電
ローラーは主にカーボンナノチューブ131で接触し、
樹脂層130表面からカーボンナノチューブ131は突
出する必要があるので、樹脂層はできるだけ小さいほう
が良い。カーボンナノチューブ131の保持を考慮する
と、実施例1〜3と同様に10〜8000μm3 もあれ
ば十分である。
【0299】なお樹脂層130の大きさを小さくする手
段としては、前記の例と同様に導電性ゴム185表面へ
固定する熱硬化型接着剤の容量を小さくするか、導電性
ゴム185表面に樹脂層130を形成した後に、C
4 、O2 、CO2 等のガスを用いたプラズマによって
樹脂層130を部分的にエッチングすることによって達
成できる。
【0300】加えてプラズマに晒すと樹脂層130のみ
が小さくなることによって、初期には樹脂層130に完
全に埋没していたカーボンナノチューブ131の先端を
樹脂層130の表面から突出させることが可能となり、
カーボンナノチューブの突出密度を向上でき、電荷注入
の効率を更に改善できる。なおカーボンナノチューブ1
31は実施例1、2、3で述べたものが使用できる。
【0301】次に本発明の帯電ローラーの作製法の一例
を図23に従って述べる。 (a)少なくとも液体状の熱硬化型接着剤からなる樹脂
151にカーボンナノチューブ131を均一に分散させ
る。液体状の熱硬化型接着剤は広く市販されているもの
の中から以下のプロセスに見合うものを選択すれば良
く、例えばエイブルスティック製のエイブルボンド93
1―1等が挙げられる。
【0302】また熱硬化型接着剤の粘度が大きく、次工
程のインクジェット方式のプリンターヘッドでの射出が
不可能で有れば、熱硬化型接着剤を溶解する溶媒を熱硬
化型接着剤に添加し、粘度調整をするのが良い。
【0303】例えば熱硬化型接着剤としてエイブルステ
ィック製のエイブルボンド931−1を使用する場合は
テトラヒドロフランを加えて粘度調整をすることができ
る。更に導電性粒子を含有した樹脂層を導電性ゴム18
5に固定化する場合は、樹脂151にカーボンナノチュ
ーブ131とFe、Ni、Co、Al、Au、Ag、P
t等の金属や合金の微粒子、またはグラファイト、フラ
ーレン等の導電性無機材料、または表面にNi、Co、
Al等の金属薄膜を形成して導電処理した高分子樹脂を
混合した微粒子を使用すれば良い。
【0304】(b)その後樹脂151をピエゾ素子19
1を用いたインクジェット方式のプリンタヘッド190
に装填し、被印刷体を保持するところに導電性ゴム18
5(導電性ゴムは金属芯を取り囲むように形成されてい
る)を置き、所定のピッチでプリンタヘッド190から
カーボンナノチューブ131を分散した熱硬化型接着剤
を射出し導電性ゴム表面上にドット状のカーボンナノチ
ューブ131を分散した樹脂151の液状微粒子を形成
する。
【0305】なお液状微粒子の大きさはプリンタヘッド
からの射出量で制御するのが良く、導電性ゴム185上
に塗布された熱硬化型樹脂は、熱硬化前に流れ出さない
ように粘度を選択するのが良い。また熱硬化型接着剤に
溶媒を添加した場合は、熱硬化型接着剤の硬化温度以下
で加熱し、溶媒を蒸発させるのが良い。
【0306】(c)その後カーボンナノチューブ131
を分散した熱硬化型接着剤を硬化温度以上に加熱して樹
脂151を硬化させ、樹脂を導電性ゴムの表面に固定化
することによってカーボンナノチューブ131を保持し
た離散した樹脂層130を形成する。
【0307】例えば熱硬化型接着剤エイブルボンド93
1−1ではオーブン中で100℃60分間加熱すること
によって、導電性ゴム185表面にカーボンナノチュー
ブ131を保持した離散した樹脂層130を形成でき
る。
【0308】最後に樹脂層130からカーボンナノチュ
ーブ131が突出していない場合は、先の実施例と同様
にCF4 、O2 、CO2 等のガスを用いたプラズマによ
って樹脂層130を部分的にエッチングし、カーボンナ
ノチューブの突出を実現すれば良い。
【0309】次に本例で使用されるOPCに付いて説明
する。本例では実施例1、2、3で使用されるOPCが
使用できる。加えて本例では樹脂層を液状の熱硬化型接
着剤から構成したが、実施例1〜3と同様に固形状の熱
可塑性高分子樹脂やホットメルト型接着剤、熱硬化型接
着剤を用いて構成しても何ら問題はなく、また実施例5
と同様に液体状の紫外線硬化型接着剤から構成されても
何ら問題はなく、本発明は実施例の作製方法に限定され
るものではない。
【0310】<実施例5>次に本発明の別の一例を図2
4を用いて説明する。図24は接触型帯電器の形状とし
て帯電ブレードを用いたものであり、帯電ブレードに用
いられる導電性ゴム表面にカーボンナノチューブを保持
した離散した樹脂層が保持されている。
【0311】本発明の帯電ブレードは金属芯184によ
って保持される導電性ゴム187表面に複数の樹脂層1
30が固定化されており、各々の樹脂層130にはカー
ボンナノチューブ131が保持されている。
【0312】なお樹脂層130は紫外線硬化型接着剤か
ら構成されている。図示されていないが、帯電ブレード
は主にカーボンナノチューブ131でOPCの表面と接
触している。なお一部では樹脂層130ないし導電性ゴ
ム187が直接OPCと接触していても良い。
【0313】OPCはドラム形状のAl基体と有機感光
層から構成されており、必要に応じてAl基体と有機感
光層の間に電荷注入阻止層が設けられている。また帯電
ブレードの金属芯186は外部の直流電源に接続され、
主にカーボンナノチューブ131から有機感光層に直接
電子を注入(つまり負帯電の電荷注入)することでOP
Cを帯電させている。
【0314】なお一部の電荷はカーボンナノチューブ1
31から電子が電界放出によって引き出され有機感光層
を帯電しても構わない。さらに一部の電荷はOPCと直
接接触する樹脂層130や導電性ゴム187から有機感
光層に電荷注入されても良い。
【0315】本例においても導電性ゴム187表面にカ
ーボンナノチューブ131を保持した離散した樹脂層1
30を形成しているため、従来の帯電ブレードと比較し
有機感光層と帯電ブレードの間で導電性の接点を著しく
大きくでき、電荷の注入速度を向上できる。その結果高
速の画像形成装置においても十分な帯電電圧が得られ
る。
【0316】さらにカーボンナノチューブ131は軸方
向に対して大きな引っ張り強度を持つため、極細でも有
機感光層との接触において破断することが非常に少な
く、長期的には帯電電圧のバラツキが非常に少なく帯電
ブレードの長寿命化を実現できる。
【0317】また本発明の帯電ブレードにおいても、カ
ーボンナノチューブ131は離散して配置された樹脂層
130のみで導電性ゴム187に固定化されているの
で、樹脂層130はカーボンナノチューブ131を保持
できる大きさがあれば良く、樹脂層130の大きさ(1
個当たりの容量)としてはカーボンナノチューブ131
の長さにもよるが10〜8000μm3 もあれば十分で
ある。
【0318】その結果OPCとの接触によってもカーボ
ンナノチューブ131が抜けるようなことはなく、帯電
ブレードの長期信頼性も低下させない。加えて接触型帯
電器の構造として帯電ブレードを採用することによっ
て、帯電ブラシや磁気ブラシ、帯電ローラーよりも構造
が簡単になり、低コスト化が期待できる。
【0319】さらに帯電ブラシや磁気ブラシと異なり固
体状の樹脂の他に液体状の接着剤も使用できるため、樹
脂の材料選択の範囲が広がり、樹脂として安価な材料が
選択でき、帯電器の更なる低コスト化が期待できる。
【0320】次に本発明の帯電ブレードの構成部材につ
いて説明する。本例に用いられる、金属芯、導電性ゴム
は従来と同じものが使用できる。例えば金属芯186と
してはステンレス、Al、Cu等の金属や合金が使用で
きる。また導電性ゴムはポリウレタンゴムやシリコーン
樹脂等のゴムにカーボンブラック等の導電性微粒子を分
散したものが使用できる。
【0321】また導電性ゴムは単一の抵抗層であっても
良いが、OPCとの接触を確保するための弾性層、OP
Cのピンホールによって帯電ブレードへ流れる過電流を
抑制するための中抵抗層、最表面には樹脂層やカーボン
ナノチューブと良好な電気接触を確保するための低抵抗
層からなる多層構造にすると、帯電性能の効率化を図り
つつOPCのピンホールへの対策を施すことができるの
で更に良い。
【0322】また樹脂層130は導電性ゴム187との
接着力とカーボンナノチューブ131の保持力を両立し
なければならない。樹脂層130は紫外線硬化型接着剤
から構成される樹脂からなり、樹脂の中にカーボンナノ
チューブ131が部分的に埋め込まれており樹脂層13
1の表面からカーボンナノチューブが突出している。な
お樹脂層130に埋め込まれたカーボンナノチューブ1
31の終端は樹脂から突出して導電性ゴム187と直接
接触していても良い。
【0323】さらに樹脂層130に導電性粒子を含有
(樹脂中に分散状態で配置する)させることにより、樹
脂層130の抵抗がさらに低下し、導電性ゴム187か
ら樹脂層への電荷の輸送、樹脂層からカーボンナノチュ
ーブへの電荷の輸送がより容易になるので望ましい。
【0324】例えば導電性粒子としては実施例1と同様
にFe、Ni、Co、Al、Au、Ag、Pt等の金属
や合金の微粒子、またはグラファイト、フラーレン等の
導電性無機材料、または表面にNi、Co、Al等の金
属薄膜を形成して導電処理した高分子樹脂の微粒子が使
用でき、導電性粒子の大きさとしては樹脂層の大きさや
導電性粒子の素材にも依存するが、10μm以下が望ま
しい。
【0325】本例においては樹脂層130を構成する樹
脂はカーボンナノチューブを保持する他に導電性ゴム表
面に固定化されるため接着性が必要とされるが、工程
上、実施例1、2、3で述べたように隣接する部材(導
電性繊維、磁性導電粒子等)がなく、一個の導電性ゴム
上にのみ複数の離散した樹脂層を形成できれば良いの
で、樹脂層はプロセス全般において微粒化した固体形状
である必要がなく、接着工程で接着性を発揮すれば良
い。
【0326】つまり液体接着剤でも何ら問題ない。本例
では液体状の紫外線硬化型接着剤を用いている。しかし
ながら本例においてもOPCと帯電ブレードは主にカー
ボンナノチューブ131で接触し、樹脂層130表面か
らカーボンナノチューブ131は突出する必要があるの
で、樹脂層はできるだけ小さいほうが良い。カーボンナ
ノチューブ131の保持を考慮すると、実施例1〜3と
同様に10〜8000μm3 もあれば十分である。
【0327】なお樹脂層130の大きさを小さくする手
段としては、前期の例と同様に導電性ゴム187表面へ
固定する紫外線硬化型接着剤の容量を小さくするか、導
電性ゴム187表面に樹脂層130を形成した後に、C
4 、O2 、CO2 等のガスを用いたプラズマによって
樹脂層130を部分的にエッチングすることによって達
成できる。
【0328】加えてプラズマに晒すと樹脂層130のみ
が小さくなることによって、初期には樹脂層130に完
全に埋没していたカーボンナノチューブ131の先端を
樹脂層130の表面から突出させることが可能となり、
カーボンナノチューブの突出密度を向上でき、電荷注入
の効率を更に改善できる。
【0329】なおカーボンナノチューブ131は実施例
1、2、3、4で述べたものが使用できる。次に本発明
の帯電ブレードの作製法の一例を図25に従って述べ
る。 (a)少なくとも液体状の紫外線硬化型接着剤からなる
樹脂151にカーボンナノチューブ131を均一に分散
させる。液体状の紫外線硬化型接着剤は広く市販されて
いるものの中から以下のプロセスに見合うものを選択す
れば良く、例えば日本ロックタイト製601UV等が挙
げられる。
【0330】更に導電性粒子を含有した樹脂層を導電性
ゴム187に固定化する場合は、樹脂151にカーボン
ナノチューブ131とFe、Ni、Co、Al、Au、
Ag、Pt等の金属や合金の微粒子、またはグラファイ
ト、フラーレン等の導電性無機材料、または表面にN
i、Co、Al等の金属薄膜を形成して導電処理した高
分子樹脂を混合した微粒子を使用すれば良い。
【0331】(b)その後カーボンナノチューブ131
を分散した紫外線硬化型接着剤からなる樹脂151を噴
霧装置192によって導電性ゴム187のOPCと接す
る面に塗布する。なお紫外線硬化型接着剤の粘度が大き
く噴霧法に適さない場合は、紫外線硬化型接着剤を溶解
する溶媒に紫外線硬化型接着剤を溶解し、粘度を低下さ
せて導電性ゴム表面に塗布する。
【0332】その後加熱によって溶媒のみを蒸発させ、
導電性ゴム187表面にカーボンナノチューブ131を
分散した樹脂を形成する。 (c)その後カーボンナノチューブ131を分散した熱
硬化型接着剤の所定の位置に紫外線照射装置193から
ガラスファイバー194で導いた紫外線のスポット光を
照射して、紫外線を照射した領域のみの樹脂を硬化さ
せ、導電性ゴム表面に固定化する。
【0333】(d)その後導電性ゴム187表面で硬化
していない紫外線硬化型樹脂を拭き取り、カーボンナノ
チューブ131を保持した離散した樹脂層130を形成
する。
【0334】よって本例の方法を用いると、紫外線のス
ポット光の大きさによって樹脂層の大きさを制御するこ
とが可能になり、実施例1〜3で述べた樹脂の微粒子を
用いる方法よりも簡単なプロセスで帯電器の表面にカー
ボンナノチューブを保持した離散した樹脂層を作ること
が可能となり、帯電器の作製コストを更に抑えることが
できる。
【0335】最後に樹脂層130からカーボンナノチュ
ーブ131が突出していない場合は、先の実施例と同様
にCF4 、O2 、CO2 等のガスを用いたプラズマによ
って樹脂層130を部分的にエッチングし、カーボンナ
ノチューブの突出を実現すれば良い。
【0336】次に本例で使用されるOPCに付いて説明
する。本例では実施例1、2、3、4で使用されるOP
Cが使用できる。加えて本例では樹脂層を液状の紫外線
硬化型接着剤から構成したが、実施例1〜3と同様に固
形状の熱可塑性樹脂やホットメルト型樹脂、熱硬化型接
着剤を用いて構成しても何ら問題なく、また実施例4と
同様に液体状の熱硬化型接着剤から構成されても何ら問
題はなく、本発明は実施例の作製方法に限定されるもの
ではない。
【0337】<実施例6>本例はOPCの帯電手段とし
て従来の帯電ローラーの代わりに実施例1〜5に述べた
接触型帯電器を搭載した複写機である。実施例1〜5の
接触型帯電器を搭載しているため、印加電圧の80〜9
5%がOPCに帯電されるため、帯電手段に接続する電
源を低電圧化できる。また実施例1〜5の接触型帯電器
を用いると、OPCは電荷注入によって帯電されるため
微小空隙での放電が起こらない。そのためオゾンが発生
せず環境への負荷を低減できる。
【0338】またNOx が発生しないためOPC表面に
硝酸塩が付着しない。その結果長期の使用に渡って高品
質な画像を出力しつづけることが可能となる。さらにO
PC表面に硝酸塩が付着しないことから、クリーニング
ブレードによって有機感光層を削る必要がなくなるた
め、OPCの寿命を長くすることができる。
【0339】加えてOPCの長寿命化のため、OPCの
交換頻度を少なくすることができるので、カーボンナノ
チューブの価格が現状の1/10以下程度になった場合
は、画像形成装置のメンテナンスを含めたトータルコス
トを低減できる可能性がある。
【0340】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1記載の接触型帯電器によれば、感光体と接触する面に
離散して樹脂層が形成されており、かつカーボンナノチ
ューブが樹脂層に保持されている。そのため接触型帯電
器はOPCと主にカーボンナノチューブで接触するの
で、OPCとの間で導電性の接点を多く持つことがで
き、電荷注入の効率が改善される。
【0341】またカーボンナノチューブは軸方向に対し
て大きな引っ張り強度を持つため、OPCと接触しても
破断することが非常に少ない。更に離散した樹脂層がカ
ーボンナノチューブを保持しているので、OPCとの接
触によってもカーボンナノチューブが抜けるようなこと
はない。
【0342】加えて樹脂層はカーボンナノチューブが含
有されているため低抵抗化しており、樹脂層からカーボ
ンナノチューブへ電荷が輸送される場合大きな抵抗成分
にならない。
【0343】請求項2記載の接触型帯電器によれば、樹
脂層の中に導電性粒子が含有されているため樹脂層の抵
抗を更に低減できる。その結果接触型帯電器表面から樹
脂層への電荷の輸送、樹脂層からカーボンナノチューブ
への電荷の輸送がより容易になる。
【0344】請求項3記載の接触型帯電器によれば、樹
脂層に化学的気相成長法(chemicalvapor deposition)
によって作製されたカーボンナノチューブを保持してい
る。化学的気相成長法によって作製されたカーボンナノ
チューブは軸方向の長さが長いため、OPCとの導電性
の接点をより多く持つことができるため、電荷注入の効
率が改善される。また化学的気相成長法で作製されたカ
ーボンナノチューブは高純度であることから精製の必要
がないため、接触型帯電器をより低コストで作製でき
る。
【0345】請求項4または5記載の接触型帯電器によ
れば、樹脂層が熱可塑性高分子樹脂またはホットメルト
型接着剤から構成されるため、熱可塑性樹脂とカーボン
ナノチューブを混合した微粒子を形成し、その後微粒子
を帯電ブラシの導電性繊維に付着させ樹脂を再硬化させ
ることによって、隣接した導電性繊維を接着することが
なく導電性繊維に樹脂層を固定できる。その結果帯電ブ
ラシの導電性繊維の柔軟性を低下させないため、OPC
と良好な接触を維持できる。
【0346】また磁気ブラシにおいても磁性導電粒子を
凝集させないで磁性導電粒子の表面に樹脂層を固定化で
きるため、OPCと良好な接触を維持できる。
【0347】請求項6記載の接触型帯電器は樹脂層が熱
硬化型接着剤から構成される。固体状の熱硬化型接着剤
の場合、樹脂とカーボンナノチューブを混合した微粒子
を形成し、その後微粒子を帯電ブラシの導電性繊維に付
着させ樹脂を硬化させることによって、隣接した導電性
繊維を接着することがなく導電性繊維に樹脂層を固定で
きる。その結果帯電ブラシの導電性繊維の柔軟性を低下
させないため、OPCと良好な接触を維持できる。
【0348】また磁気ブラシにおいても磁性導電粒子を
凝集させないで、磁性導電粒子の表面に樹脂層を固定化
できるため、OPCと良好な接触を維持できる。さらに
液体状の熱硬化型接着剤の場合、樹脂にカーボンナノチ
ューブを分散させ、導電性ゴム上にドット状に樹脂を塗
布し、その後熱硬化させることによって、離散した樹脂
層を帯電ローラーや帯電ブレードの導電性ゴム表面に形
成できる。
【0349】請求項7記載の接触型帯電器の作製方法に
よれば、カーボンナノチューブと少なくとも熱可塑性高
分子樹脂またはホットメルト型接着剤の一方から構成さ
れる樹脂を混合した微粒子を樹脂を溶解しない第1の溶
媒に分散し、その後分散液を接触型帯電器の感光体と接
触する面に塗布し、その後樹脂の融点以上の温度で樹脂
を熔融し、さらに樹脂を冷却して再度硬化させることに
よって、接触型帯電器の感光体と接触する面にカーボン
ナノチューブを保持した離散した樹脂層を形成するの
で、カーボンナノチューブを保持する離散した樹脂層を
導電性繊維表面に固定化している帯電ブラシ、またはカ
ーボンナノチューブを保持する離散した樹脂層を磁性導
電性粒子表面に固定化している磁気ブラシを作製でき
る。
【0350】請求項8記載の接触型帯電器の作製方法に
よれば、カーボンナノチューブと少なくとも熱可塑性高
分子樹脂またはホットメルト型接着剤の一方から構成さ
れる樹脂を混合した微粒子を樹脂を溶解しない第1の溶
媒に分散し、その後分散液を接触型帯電器の感光体と接
触する面に塗布し、その後樹脂の融点以下の温度で第1
の溶媒を蒸発し、その後樹脂の融点以上の温度で樹脂を
熔融し、さらに樹脂を冷却して再度硬化させることによ
って、接触型帯電器の感光体と接触する面にカーボンナ
ノチューブを保持した離散した樹脂層を形成するので、
樹脂層が再硬化する前に樹脂層と接触型帯電器の感光体
と接触する面の間に第1の溶媒が残らないため、樹脂層
の固着力が増加する。
【0351】請求項9記載の接触型帯電器の作製方法に
よれば、前記のカーボンナノチューブと前記の少なくと
も熱可塑性高分子樹脂またはホットメルト型接着剤の一
方から構成される樹脂を混合した微粒子を乾式の状態で
接触型帯電器の感光体と接触する面に付着させ、その後
樹脂の融点以上の温度で樹脂を熔融し、さらに樹脂を冷
却して再度硬化させることによって、接触型帯電器の感
光体と接触する面にカーボンナノチューブを保持した離
散した樹脂層を形成するので、樹脂層が再硬化する前に
樹脂層と接触型帯電器の感光体と接触する面の間に溶媒
がないため、樹脂層の固着力が増加する。また微粒子を
第1の溶媒に分散させる必要がないため、請求項7また
は8記載の作製方法よりもプロセスを簡略化できる。
【0352】請求項10記載の接触型帯電器の作製方法
によれば、熱可塑性高分子樹脂またはホットメルト型接
着剤の一方から構成される樹脂とカーボンナノチューブ
を樹脂の融点以上の温度で混合し、その後樹脂を冷却し
てカーボンナノチューブと樹脂の混合体を形成し、さら
に混合体を粉砕することによってカーボンナノチューブ
と樹脂が混合した微粒子を得るので、請求項6から9の
いずれか1項に記載の作製方法を用いることによってカ
ーボンナノチューブを保持する離散した樹脂層を持つ帯
電ブラシまたは磁気ブラシを容易に作製できる。
【0353】請求項11記載の接触型帯電器の作製方法
によれば、熱可塑性高分子樹脂またはホットメルト型接
着剤の一方から構成される樹脂を溶解する第2の溶媒に
前記の樹脂を溶解し、かつカーボンナノチューブを分散
させた後、第2の溶媒を蒸発させてカーボンナノチュー
ブと樹脂の混合体を形成し、さらに混合体を粉砕するこ
とによってカーボンナノチューブと樹脂が混合した微粒
子を得るので、請求項6〜9の作製方法を用いることに
よってカーボンナノチューブを保持する離散した樹脂層
を持つ帯電ブラシまたは磁気ブラシを容易に作製でき
る。
【0354】請求項12記載の接触型帯電器の作製方法
によれば、熱可塑性高分子樹脂またはホットメルト型接
着剤の一方から構成される樹脂を懸濁した懸濁液にカー
ボンナノチューブを分散させた後、懸濁液を構成する第
3の溶媒を蒸発させてカーボンナノチューブと樹脂の混
合体を形成し、さらに混合体を粉砕することによってカ
ーボンナノチューブと樹脂が混合した微粒子を得るの
で、請求項6から9のいずれか1項に記載の作製方法を
用いることによってカーボンナノチューブを保持する離
散した樹脂層を持つ帯電ブラシまたは磁気ブラシを容易
に作製できる。
【0355】請求項13記載の接触型帯電器の作製方法
によれば、カーボンナノチューブと熱硬化型接着剤から
構成される樹脂を混合した微粒子を樹脂を溶解しない第
4の溶媒に分散し、その後分散液を接触型帯電器の感光
体と接触する面に塗布し、その後樹脂の硬化温度以上の
温度で樹脂を硬化し、接触型帯電器の感光体と接触する
面にカーボンナノチューブを保持した離散した樹脂層を
形成するので、カーボンナノチューブを保持する離散し
た樹脂層を導電性繊維表面に固定化している帯電ブラ
シ、またはカーボンナノチューブを保持する離散した樹
脂層を磁性導電性粒子表面に固定化している磁気ブラシ
を作製できる。
【0356】請求項14記載の接触型帯電器の作製方法
によれば、カーボンナノチューブと熱硬化型接着剤から
構成される樹脂を混合した微粒子を樹脂を溶解しない第
4の溶媒に分散し、その後分散液を接触型帯電器の感光
体と接触する面に塗布し、その後樹脂の硬化温度以下の
温度で第4の溶媒を蒸発し、その後樹脂の硬化温度以上
の温度で硬化し、接触型帯電器の感光体と接触する面に
カーボンナノチューブを保持した離散した樹脂層を形成
するので、樹脂層が硬化する前に樹脂層と接触型帯電器
の感光体と接触する面の間に第4の溶媒が残らないた
め、樹脂層の固着力が増加する。
【0357】請求項15記載の接触型帯電器の作製方法
によれば、カーボンナノチューブと熱硬化型接着剤から
構成される樹脂を混合した微粒子を乾式の状態で接触型
帯電器の感光体と接触する面に付着させ、その後樹脂の
硬化温度以上の温度で樹脂を硬化し、接触型帯電器の感
光体と接触する面にカーボンナノチューブを保持した離
散した樹脂層を形成するので、樹脂層が硬化する前に樹
脂層と接触型帯電器の感光体と接触する面の間に溶媒が
ないため、樹脂層の固着力が増加する。また微粒子を第
4の溶媒に分散させる必要がないため、請求項13また
は14の作製方法よりもプロセスを簡略化できる。
【0358】請求項16記載の接触型帯電器の作製方法
によれば、熱硬化型接着剤から構成される樹脂を溶解す
る第5の溶媒に前記の樹脂を溶解し、かつカーボンナノ
チューブを分散させた後、第4の溶媒を蒸発させてカー
ボンナノチューブと樹脂の混合体を形成し、さらに混合
体を粉砕することによってカーボンナノチューブと樹脂
が混合した微粒子を得ることができるので、請求項13
から15のいずれか1項に記載の作製方法を用いること
によってカーボンナノチューブを保持する離散した樹脂
層を持つ帯電ブラシや磁気ブラシを容易に作製できる。
【0359】請求項17記載の接触型帯電器の作製方法
によれば、熱硬化型接着剤から構成される樹脂を懸濁し
た懸濁液にカーボンナノチューブを分散させた後、懸濁
液を構成する第6の溶媒を蒸発させてカーボンナノチュ
ーブと樹脂の混合体を形成し、さらに混合体を粉砕する
ことによってカーボンナノチューブと樹脂が混合した微
粒子を得ることができるので、カーボンナノチューブを
保持する離散した樹脂層を持つ帯電ブラシや磁気ブラシ
を容易に作製できる。
【0360】請求項18記載の接触型帯電器によれば、
導電性繊維にカーボンナノチューブを保持した離散した
樹脂層が形成されている。そのため帯電ブラシはOPC
と主にカーボンナノチューブで接触するので、OPCと
の間で導電性の接点を多く持つことができ、電荷注入の
効率が改善される。
【0361】またカーボンナノチューブは軸方向に対し
て大きな引っ張り強度を持つため、OPCと接触しても
破断することが非常に少なく、更に離散した樹脂層がカ
ーボンナノチューブを保持しているので、OPCとの接
触によってもカーボンナノチューブが抜けるようなこと
はないので、長寿命である。
【0362】請求項19記載の接触型帯電器によれば、
磁性導電粒子にカーボンナノチューブを保持した離散し
た樹脂層が形成されている。そのため磁気ブラシはOP
Cと主にカーボンナノチューブで接触するので、OPC
との間で導電性の接点を多く持つことができ、電荷注入
の効率が改善される。
【0363】またカーボンナノチューブは軸方向に対し
て大きな引っ張り強度を持つため、OPCと接触しても
破断することが非常に少なく、更に離散した樹脂層がカ
ーボンナノチューブを保持しているので、OPCとの接
触によってもカーボンナノチューブが抜けるようなこと
はないので、長寿命である。さらに帯電ブラシよりもニ
ップ幅を大きくできるため、電荷注入効率がより改善さ
れる。
【0364】請求項20または請求項21記載の接触型
帯電器によれば、導電性ゴム表面にカーボンナノチュー
ブを保持した離散した樹脂層が形成されている。そのた
め帯電ローラーや帯電ブレードはOPCと主にカーボン
ナノチューブで接触するので、OPCとの間で導電性の
接点を多く持つことができ、電荷注入の効率が改善され
る。
【0365】またカーボンナノチューブは軸方向に対し
て大きな引っ張り強度を持つため、OPCと接触しても
破断することが非常に少なく、更に離散した樹脂層がカ
ーボンナノチューブを保持しているので、OPCとの接
触によってもカーボンナノチューブが抜けるようなこと
はないので、長寿命である。さらに帯電ブラシや磁気ブ
ラシよりも構造が簡単なので、低コストの接触型帯電器
を得ることができる。
【0366】請求項22記載の画像形成装置は請求項1
から6のいずれか1項か、18から21のいずれか1項
に記載の接触型帯電器を搭載しているので、印加電圧の
80〜95%がOPCに帯電される。その結果、接触型
帯電器に接続する電源を低電圧化できる。
【0367】またOPCは電荷注入によって帯電される
ため、微小空隙での放電が起こらず、オゾンやNOx
発生しない。その結果環境への負荷を小さくでき、OP
Cの劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る接触型帯電器の一実施例(固定型
帯電ブラシ)が示されている。
【図2】本発明に係る樹脂層の一実施例が示されてい
る。
【図3】本発明に係る樹脂層の別の一実施例が示されて
いる。
【図4】本発明に係る帯電ブラシの作製方法の一実施例
が示されている。
【図5】本発明に係る帯電ブラシの作製方法の一実施例
が示されている。
【図6】本発明に係る帯電ブラシの作製方法の一実施例
が示されている。
【図7】本発明に係る帯電ブラシの作製方法の一実施例
が示されている。
【図8】本発明に係るカーボンナノチューブと樹脂から
なる微粒子の形成方法の一実施例が示されている。
【図9】本発明に係るカーボンナノチューブと樹脂から
なる微粒子の形成方法の一実施例が示されている。
【図10】本発明に係るカーボンナノチューブと樹脂か
らなる微粒子の形成方法の一実施例が示されている。
【図11】本発明に係る接触型帯電器の一実施例(固定
型帯電ブラシ)が示されている。
【図12】本発明に係る樹脂層の一実施例が示されてい
る。
【図13】本発明に係る樹脂層の一実施例が示されてい
る。
【図14】本発明に係る帯電ブラシの作製方法の一実施
例が示されている。
【図15】本発明に係る帯電ブラシの作製方法の一実施
例が示されている。
【図16】本発明に係る帯電ブラシの作製方法の一実施
例が示されている。
【図17】本発明に係る帯電ブラシの作製方法の一実施
例が示されている。
【図18】本発明に係る帯電ブラシの作製方法の一実施
例が示されている。
【図19】本発明に係る帯電ブラシの作製方法の一実施
例が示されている。
【図20】本発明に係る接触型帯電器の別の一実施例
(磁気ブラシ)が示されている。
【図21】本発明に係る磁気ブラシの作製方法の一実施
例が示されている。
【図22】本発明に係る接触型帯電器の別の一実施例
(帯電ローラー)が示されている。
【図23】本発明に係る帯電ローラーの作製方法の一実
施例が示されている。
【図24】本発明に係る接触型帯電器の一実施例(帯電
ブレード)が示されている。
【図25】本発明に係る帯電ブレードの作製方法の一実
施例が示されている。
【図26】従来例(帯電ローラー)が示されている。
【図27】従来例(帯電ブラシ)が示されている。
【図28】従来例(磁気ブラシ)が示されている。
【符号の説明】
100 帯電ブラシ 110 金属芯 120 導電性繊維 130 樹脂層 131 カーボンナノチューブ 132 基板 140 OPC 141 Al基体 142 有機感光層 150 微粒子 151 樹脂 152 第1の溶媒 153 噴霧装置 154 乾式噴霧装置 155 第4の溶媒 161 樹脂 162 第2の溶媒 164 第5の溶媒 163 懸濁液 170 混合液 181 導電性スリーブ 182 マグネットロール 183 磁性導電粒子 184 金属芯 185 導電性ゴム 187 導電性ゴム 190 プリンタヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 幸栄 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 石井 稔浩 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H003 BB11 CC04 CC06 3J103 AA02 AA14 AA33 AA51 AA72 BA41 BA46 EA07 EA11 EA12 FA12 FA15 FA30 GA02 GA52 HA03 HA04 HA05 HA12 HA15 HA20 HA33 HA36 HA37 HA41 HA52 HA53 HA54 HA60

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光体表面と接触し、電圧を印加するこ
    とによって前記感光体に所定の表面電位を与える接触型
    帯電器において、前記感光体と接触する面に離散して配
    置された樹脂層があり、かつ該樹脂層によりカーボンナ
    ノチューブが保持されていることを特徴とする接触型帯
    電器。
  2. 【請求項2】 前記樹脂層が導電性粒子を含有すること
    を特徴とする請求項1に記載の接触型帯電器。
  3. 【請求項3】 前記カーボンナノチューブが化学的気相
    成長法(chemical vapor deposition) によって作製され
    たことを特徴とする請求項1または2に記載の接触型帯
    電器。
  4. 【請求項4】 前記樹脂層が熱可塑性高分子樹脂から構
    成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1
    項に記載の接触型帯電器。
  5. 【請求項5】 前記樹脂層がホットメルト型の接着剤か
    ら構成されることを特徴とする請求項1から3のいずれ
    か1項に記載の接触型帯電器。
  6. 【請求項6】 前記樹脂層が熱硬化型接着剤から構成さ
    れることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に
    記載の接触型帯電器。
  7. 【請求項7】 請求項4または5に記載の接触型帯電器
    の作製方法において、 前記カーボンナノチューブと少なくとも熱可塑性高分子
    樹脂またはホットメルト型接着剤の一方から構成される
    樹脂を混合した微粒子を樹脂を溶解しない第1の溶媒に
    分散し、 該分散の後、分散液を前記接触型帯電器の感光体と接触
    する面に塗布し、 該塗布の後、樹脂の融点以上の温度で樹脂を熔融し、さ
    らに樹脂を冷却して再度硬化させることによって、前記
    接触型帯電器の感光体と接触する面にカーボンナノチュ
    ーブを保持し、離散した樹脂層を形成することを特徴と
    する接触型帯電器の作製方法。
  8. 【請求項8】 前記カーボンナノチューブと前記少なく
    とも熱可塑性高分子樹脂またはホットメルト型接着剤の
    一方から構成される樹脂を混合した微粒子を樹脂を溶解
    しない第1の溶媒に分散し、 該分散の後、分散液を前記接触型帯電器の感光体と接触
    する面に塗布し、 該塗布の後、樹脂の融点以下の温度で第1の溶媒を蒸発
    し、 該蒸発の後、樹脂の融点以上の温度で樹脂を熔融し、さ
    らに樹脂を冷却して再度硬化させることによって、前記
    接触型帯電器の感光体と接触する面に前記カーボンナノ
    チューブを保持し、離散した樹脂層を形成することを特
    徴とする請求項7に記載の接触型帯電器の作製方法。
  9. 【請求項9】 請求項4または5に記載の接触型帯電器
    の作製方法において、 前記カーボンナノチューブと前記少なくとも熱可塑性高
    分子樹脂またはホットメルト型接着剤の一方から構成さ
    れる樹脂を混合した微粒子を乾式の状態で前記接触型帯
    電器の感光体と接触する面に付着させ、 該付着の後、樹脂の融点以上の温度で樹脂を熔融し、さ
    らに樹脂を冷却して再度硬化させることによって、接触
    型帯電器の感光体と接触する面に前記カーボンナノチュ
    ーブを保持し、離散した樹脂層を形成することを特徴と
    する接触型帯電器の作製方法。
  10. 【請求項10】 前記少なくとも熱可塑性高分子樹脂ま
    たはホットメルト型接着剤の一方から構成される樹脂と
    前記カーボンナノチューブを樹脂の融点以上の温度で混
    合し、 該混合の後、樹脂を冷却して前記カーボンナノチューブ
    と樹脂の混合体を形成し、さらに混合体を粉砕すること
    によってカーボンナノチューブと樹脂が混合した微粒子
    を得ることを特徴とする請求項7から9のいずれか1項
    に記載の接触型帯電器の作製方法。
  11. 【請求項11】 前記少なくとも熱可塑性高分子樹脂ま
    たはホットメルト型接着剤の一方から構成される樹脂を
    溶解する第2の溶媒に前記樹脂を溶解し、かつカーボン
    ナノチューブを分散させた後、第2の溶媒を蒸発させて
    カーボンナノチューブと樹脂の混合体を形成し、さらに
    混合体を粉砕することによってカーボンナノチューブと
    樹脂が混合した微粒子を得ることを特徴とする請求項7
    から9のいずれか1項に記載の接触型帯電器の作製方
    法。
  12. 【請求項12】 前記少なくとも熱可塑性高分子樹脂ま
    たはホットメルト型接着剤の一方から構成される樹脂を
    懸濁した懸濁液にカーボンナノチューブを分散させた
    後、前記懸濁液を構成する第3の溶媒を蒸発させてカー
    ボンナノチューブと樹脂の混合体を形成し、さらに混合
    体を粉砕することによってカーボンナノチューブと樹脂
    が混合した微粒子を得ることを特徴とする請求項7から
    9のいずれか1項に記載の接触型帯電器の作製方法。
  13. 【請求項13】 請求項6記載の接触型帯電器の作製方
    法において、前記カーボンナノチューブと前記熱硬化型
    接着剤から構成される樹脂を混合した微粒子を樹脂を溶
    解しない第4の溶媒に分散し、 該分散の後、分散液を接触型帯電器の感光体と接触する
    面に塗布し、 該塗布の後、樹脂の硬化温度以上の温度で樹脂を硬化
    し、前記接触型帯電器の感光体と接触する面にカーボン
    ナノチューブを保持し、離散した樹脂層を形成すること
    を特徴とする接触型帯電器の作製方法。
  14. 【請求項14】 前記カーボンナノチューブと前記熱硬
    化型接着剤から構成される樹脂を混合した微粒子を樹脂
    を溶解しない第4の溶媒に分散し、 該分散の後、分散液を前記接触型帯電器の感光体と接触
    する面に塗布し、 該塗布の後、樹脂の硬化温度以下の温度で第4の溶媒を
    蒸発し、 該蒸発の後、樹脂の硬化温度以上の温度で硬化し、前記
    接触型帯電器の感光体と接触する面に前記カーボンナノ
    チューブを保持し、離散した樹脂層を形成することを特
    徴とする請求項13記載の接触型帯電器の作製方法。
  15. 【請求項15】 請求項6記載の接触型帯電器の作製方
    法において、 前記カーボンナノチューブと前記熱硬化型接着剤から構
    成される樹脂を混合した微粒子を乾式の状態で前記接触
    型帯電器の感光体と接触する面に付着させ、 該付着の後、樹脂の硬化温度以上の温度で樹脂を硬化
    し、前記接触型帯電器の感光体と接触する面にカーボン
    ナノチューブを保持し、離散した樹脂層を形成すること
    を特徴とする接触型帯電器の作製方法。
  16. 【請求項16】 前記熱硬化型接着剤から構成される樹
    脂を溶解する第5の溶媒に前記樹脂を溶解し、かつカー
    ボンナノチューブを分散させた後、第5の溶媒を蒸発さ
    せてカーボンナノチューブと樹脂の混合体を形成し、さ
    らに混合体を粉砕することによってカーボンナノチュー
    ブと樹脂が混合した微粒子を得ることを特徴とする請求
    項13から15のいずれか1項に記載の接触型帯電器の
    作製方法。
  17. 【請求項17】 前記熱硬化型接着剤から構成される樹
    脂を懸濁した懸濁液にカーボンナノチューブを分散させ
    た後、前記懸濁液を構成する第6の溶媒を蒸発させてカ
    ーボンナノチューブと樹脂の混合体を形成し、さらに混
    合体を粉砕することによってカーボンナノチューブと樹
    脂が混合した微粒子を得ることを特徴とする請求項13
    から15のいずれか1項に記載の接触型帯電器の作製方
    法。
  18. 【請求項18】 前記カーボンナノチューブを保持した
    離散した樹脂層が導電性繊維に保持され、帯電ブラシの
    構造を有することを特徴とする請求項1から6のいずれ
    か1項に記載の接触型帯電器。
  19. 【請求項19】 前記カーボンナノチューブを保持した
    離散した樹脂層が磁性導電粒子に保持され、磁気ブラシ
    の構造を有することを特徴とする請求項1から6のいず
    れか1項に記載の接触型帯電器。
  20. 【請求項20】 前記カーボンナノチューブを保持した
    離散した樹脂層が導電性ゴムに保持され、帯電ローラの
    構造を有することを特徴とする請求項1から6のいずれ
    か1項に記載の接触型帯電器。
  21. 【請求項21】 前記カーボンナノチューブを保持した
    離散した樹脂層が導電性ゴムに保持され、帯電ブレード
    の構造を有することを特徴とする請求項1から6のいず
    れか1項に記載の接触型帯電器。
  22. 【請求項22】 請求項1から6のいずれか1項または
    請求項18から21のいずれか1項に記載の接触型帯電
    器を有することを特徴とする画像形成装置。
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JP2008122950A (ja) * 2006-11-08 2008-05-29 Toshiba Corp 帯電装置、画像形成装置、帯電方法
US7551884B2 (en) 2006-06-07 2009-06-23 Kabushiki Kaisha Toshiba Cleaning apparatus and image forming apparatus

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