JP2002130371A - 免震装置 - Google Patents
免震装置Info
- Publication number
- JP2002130371A JP2002130371A JP2000322349A JP2000322349A JP2002130371A JP 2002130371 A JP2002130371 A JP 2002130371A JP 2000322349 A JP2000322349 A JP 2000322349A JP 2000322349 A JP2000322349 A JP 2000322349A JP 2002130371 A JP2002130371 A JP 2002130371A
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- JP
- Japan
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- seismic isolation
- isolation device
- lower flanges
- earthquake
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 地震時に上下部構造間に引張力が作用する箇
所に介装しても、安定的に免震効果を発揮することがで
きる免震装置を提供する。 【解決手段】 上下部フランジ4、5間に、複数の金属
板とゴムシートとが両面接着されて積層状に一体化され
た免震装置3において、上下部フランジ4、5の厚さ寸
法tを、積層部分6の直径Dに対して、t>D/20と
なるように設定したことを特徴とする。
所に介装しても、安定的に免震効果を発揮することがで
きる免震装置を提供する。 【解決手段】 上下部フランジ4、5間に、複数の金属
板とゴムシートとが両面接着されて積層状に一体化され
た免震装置3において、上下部フランジ4、5の厚さ寸
法tを、積層部分6の直径Dに対して、t>D/20と
なるように設定したことを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層ゴムを用いた
免震装置に関するものであり、より詳しくは、地震時に
引張力が作用する上下部構造間に介装して好適な免震装
置に関するものである。
免震装置に関するものであり、より詳しくは、地震時に
引張力が作用する上下部構造間に介装して好適な免震装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、各種構造物において、地
震時の安全性を向上させるために、当該構造物の基礎部
分や中間階等に免震装置を介装することにより、地震に
よって下部構造から上部構造に伝播しようとする振動を
絶縁して、上部構造の躯体に生じる応力や変形を抑制す
るようにした各種の免震工法が採用されている。図1
は、一般的なこの種の免震化された構造物における、免
震装置の取付状態を示すもので、上部構造1と下部構造
2との間に、積層ゴムを用いた免震装置3を介装したも
のである。
震時の安全性を向上させるために、当該構造物の基礎部
分や中間階等に免震装置を介装することにより、地震に
よって下部構造から上部構造に伝播しようとする振動を
絶縁して、上部構造の躯体に生じる応力や変形を抑制す
るようにした各種の免震工法が採用されている。図1
は、一般的なこの種の免震化された構造物における、免
震装置の取付状態を示すもので、上部構造1と下部構造
2との間に、積層ゴムを用いた免震装置3を介装したも
のである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この免震装置3は、薄
い鋼鈑とゴムシートとを積層状に接着・一体化させた本
体部6の上下端に、連結鋼鈑9を接合するとともに、こ
れら連結鋼板9を上下部フランジ4、5に形成された凹
部に嵌合させたもので、上部フランジ4がボルト7によ
って上部構造1の柱または基礎の下面に取り付けられ、
下部フランジ5がボルト8によって下部構造2の柱また
は基礎の上面に構築された取付台に固定されている。こ
のような免震装置3によれば、平常時は、積層一体化さ
れた本体部6によって上部構造1の荷重を下部構造2上
に支承することができるとともに、地震時には、本体部
6が水平方向に弾性変形することにより、上部構造1に
作用する地震力を低減させることができる。
い鋼鈑とゴムシートとを積層状に接着・一体化させた本
体部6の上下端に、連結鋼鈑9を接合するとともに、こ
れら連結鋼板9を上下部フランジ4、5に形成された凹
部に嵌合させたもので、上部フランジ4がボルト7によ
って上部構造1の柱または基礎の下面に取り付けられ、
下部フランジ5がボルト8によって下部構造2の柱また
は基礎の上面に構築された取付台に固定されている。こ
のような免震装置3によれば、平常時は、積層一体化さ
れた本体部6によって上部構造1の荷重を下部構造2上
に支承することができるとともに、地震時には、本体部
6が水平方向に弾性変形することにより、上部構造1に
作用する地震力を低減させることができる。
【0004】ところで、上記従来の免震装置にあって
は、平常時および地震時ともに常に上部構造1から鉛直
荷重が作用することを前提として設計されている。一
方、免震装置3が介装される上部構造1が高層であった
り、アスペクト比(塔状比)が大きい場合、あるいは建
物の形状等に関わらず、地震動の上下動成分が大きい場
合などにおいては、地震が発生した際に、免震装置3に
図中矢印で示すように引張力が作用する箇所が発生する
場合が想定される。
は、平常時および地震時ともに常に上部構造1から鉛直
荷重が作用することを前提として設計されている。一
方、免震装置3が介装される上部構造1が高層であった
り、アスペクト比(塔状比)が大きい場合、あるいは建
物の形状等に関わらず、地震動の上下動成分が大きい場
合などにおいては、地震が発生した際に、免震装置3に
図中矢印で示すように引張力が作用する箇所が発生する
場合が想定される。
【0005】そして、このような箇所に設置された免震
装置3においては、図2に示す解析結果のように、上下
部フランジ4、5が変形するとともに、本体部6に応力
集中が発生し、この結果地震発生時に、本体部6におけ
る引張性状が低下するという問題点があった。
装置3においては、図2に示す解析結果のように、上下
部フランジ4、5が変形するとともに、本体部6に応力
集中が発生し、この結果地震発生時に、本体部6におけ
る引張性状が低下するという問題点があった。
【0006】そこで、本発明者等は、引張力が作用した
際の積層ゴムによる免震装置の安定性について鋭意研究
を重ねた結果、この種の標準的な免震装置においては、
本体部6の直径Dが大きくなる程、上下部フランジ4、
5の厚さ寸法tとの比率t/Dが小さくなり、本体部6
における引張性状が悪化する傾向のあることが判明し
た。そして、上記比率t/Dを1/20よりも大きな値
に設定することにより、上下部フランジ4、5の変形が
抑えられ、この結果本体部6に応力集中が生じることな
く、安定的な免震性能を発揮することができるとの知見
を得るに至った。
際の積層ゴムによる免震装置の安定性について鋭意研究
を重ねた結果、この種の標準的な免震装置においては、
本体部6の直径Dが大きくなる程、上下部フランジ4、
5の厚さ寸法tとの比率t/Dが小さくなり、本体部6
における引張性状が悪化する傾向のあることが判明し
た。そして、上記比率t/Dを1/20よりも大きな値
に設定することにより、上下部フランジ4、5の変形が
抑えられ、この結果本体部6に応力集中が生じることな
く、安定的な免震性能を発揮することができるとの知見
を得るに至った。
【0007】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
ので、地震時に上下部構造間に引張力が作用する箇所に
介装しても、安定的に免震効果を発揮することができる
免震装置を提供することを目的とするものである。
ので、地震時に上下部構造間に引張力が作用する箇所に
介装しても、安定的に免震効果を発揮することができる
免震装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
に係る免震装置は、上下部フランジ間に、複数の金属板
とゴムシートとが両面接着されて積層状に一体化された
免震装置において、上記上下部フランジの厚さ寸法t
を、上記積層部分の直径Dに対して、t>D/20とな
るように設定したことを特徴とするものである。
に係る免震装置は、上下部フランジ間に、複数の金属板
とゴムシートとが両面接着されて積層状に一体化された
免震装置において、上記上下部フランジの厚さ寸法t
を、上記積層部分の直径Dに対して、t>D/20とな
るように設定したことを特徴とするものである。
【0009】上記構成からなる免震装置によれば、地震
時に当該免震装置に引張力が作用した場合においても、
上下部フランジの変形を抑制して、本体部に応力集中が
生じることを防止することができ、よって安定的な免震
性能を発揮することができる。したがって、上記免震装
置は、構造物の上下部構造間であって、かつ地震時に引
張力が作用する箇所に介装する免震構造に適用した場合
に、顕著な効果を奏する。
時に当該免震装置に引張力が作用した場合においても、
上下部フランジの変形を抑制して、本体部に応力集中が
生じることを防止することができ、よって安定的な免震
性能を発揮することができる。したがって、上記免震装
置は、構造物の上下部構造間であって、かつ地震時に引
張力が作用する箇所に介装する免震構造に適用した場合
に、顕著な効果を奏する。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る免震装置の
実施形態を説明するための側面図で、この免震装置3に
おいては、上下部フランジ4、5間に、複数の鋼鈑と高
弾性を有するゴムシートとが両面接着されて積層状に一
体化されるとともに、さらに上下部フランジ4、5の厚
さ寸法tが、本体部(積層部分)6の直径Dに対して、
t>D/20となるように設定されている。なお、図中
符号10は、中心部に形成された孔部である。
実施形態を説明するための側面図で、この免震装置3に
おいては、上下部フランジ4、5間に、複数の鋼鈑と高
弾性を有するゴムシートとが両面接着されて積層状に一
体化されるとともに、さらに上下部フランジ4、5の厚
さ寸法tが、本体部(積層部分)6の直径Dに対して、
t>D/20となるように設定されている。なお、図中
符号10は、中心部に形成された孔部である。
【0011】上記構成からなる免震装置3によれば、平
常時においては、本体部6によって上部構造1の荷重を
下部構造2上に支承することができ、かつ地震時には、
本体部6が水平方向に弾性変形することにより、上部構
造1に作用する地震力を低減させることができるととも
に、当該地震時に引張力が作用した場合においても、上
下部フランジ4、5の変形を抑制して、本体部6に応力
集中が生じることを防止することができ、よって安定的
な免震性能を発揮することができる。
常時においては、本体部6によって上部構造1の荷重を
下部構造2上に支承することができ、かつ地震時には、
本体部6が水平方向に弾性変形することにより、上部構
造1に作用する地震力を低減させることができるととも
に、当該地震時に引張力が作用した場合においても、上
下部フランジ4、5の変形を抑制して、本体部6に応力
集中が生じることを防止することができ、よって安定的
な免震性能を発揮することができる。
【0012】なお、上記実施の形態においては、本発明
を本体部(積層部分)6の中心部に孔部10が形成され
た免震装置3に適用した場合についてのみ説明したが、
これに限定されるものではなく、中心部に上記孔部10
が形成されていない免震装置に適用した場合において
も、同様の作用効果を得ることができる。また、鋼鈑と
共に本体部6を構成するゴムシートとしては、高減衰ゴ
ム、高強度(高弾性)ゴム、あるいは低弾性ゴム等の様
々な材質のゴムシートを使用することが可能である。
を本体部(積層部分)6の中心部に孔部10が形成され
た免震装置3に適用した場合についてのみ説明したが、
これに限定されるものではなく、中心部に上記孔部10
が形成されていない免震装置に適用した場合において
も、同様の作用効果を得ることができる。また、鋼鈑と
共に本体部6を構成するゴムシートとしては、高減衰ゴ
ム、高強度(高弾性)ゴム、あるいは低弾性ゴム等の様
々な材質のゴムシートを使用することが可能である。
【0013】さらに、本実施形態においては、連結鋼板
9を上下部フランジ4、5に形成された凹部に嵌合・一
体化させた、いわゆる埋め込み型のフランジ構造を有す
る免震装置3のみを示したが、これに限るものではな
く、上下部フランジと連結鋼鈑との間に、さらに剪断力
キープレートを介装させたシアキー型や、あるいは本体
部6と上下部フランジ4、5とを直接一体化させたフラ
ンジ一体型等の各種のフランジ構造の免震装置に適用す
ることができる。
9を上下部フランジ4、5に形成された凹部に嵌合・一
体化させた、いわゆる埋め込み型のフランジ構造を有す
る免震装置3のみを示したが、これに限るものではな
く、上下部フランジと連結鋼鈑との間に、さらに剪断力
キープレートを介装させたシアキー型や、あるいは本体
部6と上下部フランジ4、5とを直接一体化させたフラ
ンジ一体型等の各種のフランジ構造の免震装置に適用す
ることができる。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
本発明に係る免震装置によれば、上下部フランジの厚さ
寸法tを、積層部分の直径Dに対して、t>D/20と
なるように設定しているので、地震時に引張力が作用し
た場合においても、上下部フランジの変形を抑制して、
積層部分に応力集中が生じることを防止することがで
き、この結果確実に安定的な免震性能を発揮することが
できる。
本発明に係る免震装置によれば、上下部フランジの厚さ
寸法tを、積層部分の直径Dに対して、t>D/20と
なるように設定しているので、地震時に引張力が作用し
た場合においても、上下部フランジの変形を抑制して、
積層部分に応力集中が生じることを防止することがで
き、この結果確実に安定的な免震性能を発揮することが
できる。
【0015】したがって、本発明に係る免震装置は、特
に構造物の上下部構造間であって、かつ地震時に引張力
が作用する箇所に介装する免震構造に適用した場合に、
顕著な効果を奏する。
に構造物の上下部構造間であって、かつ地震時に引張力
が作用する箇所に介装する免震構造に適用した場合に、
顕著な効果を奏する。
【図1】積層ゴムによる免震装置の取付状態を示す側面
図である。
図である。
【図2】免震装置が引張力を受けた際の変形状態を示す
断面視した斜視図である。
断面視した斜視図である。
1 上部構造 2 下部構造 3 免震装置 4 上部フランジ 5 下部フランジ 6 本体部(積層部分) t フランジの厚さ寸法 D 本体部の直径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高山 正春 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内 (72)発明者 木村 雄一 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内 Fターム(参考) 3J048 AA01 AC01 AD16 BA08 BB03 DA03 EA38
Claims (1)
- 【請求項1】 上下部フランジ間に、複数の金属板とゴ
ムシートとが両面接着されて積層状に一体化された免震
装置において、上記上下部フランジの厚さ寸法tを、上
記積層部分の直径Dに対して、t>D/20となるよう
に設定したことを特徴とする免震装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000322349A JP2002130371A (ja) | 2000-10-23 | 2000-10-23 | 免震装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000322349A JP2002130371A (ja) | 2000-10-23 | 2000-10-23 | 免震装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002130371A true JP2002130371A (ja) | 2002-05-09 |
Family
ID=18800246
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000322349A Pending JP2002130371A (ja) | 2000-10-23 | 2000-10-23 | 免震装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002130371A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013204364A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Fujita Corp | 免震装置を鉄筋コンクリート造構造物に接合するための接合構造 |
-
2000
- 2000-10-23 JP JP2000322349A patent/JP2002130371A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013204364A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Fujita Corp | 免震装置を鉄筋コンクリート造構造物に接合するための接合構造 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070518 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090403 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090414 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090804 |