JP2002129587A - 緑化用植栽基盤とその製造方法、並びにその緑化用植栽基盤を用いた緑化工法 - Google Patents
緑化用植栽基盤とその製造方法、並びにその緑化用植栽基盤を用いた緑化工法Info
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Abstract
川の堤防、法面、トンネルの入り口、砂防ダム等の箇所
に設置されて緑化用として使用される緑化用植栽基盤
と、その緑化用植栽基盤の製造方法、並びにその緑化用
植栽基盤を用いた緑化工法に関し、透水性が良好であ
り、軽量で取り扱いが簡易であり、また部品点数を大幅
に削減することができ、しかも垂直面や斜面等に設置さ
れる建築物の緑化用として使用しても、土壌の崩落等の
従来の問題を生じさせることのない全く新規な緑化用植
栽基盤を提供することを課題とする。 【解決手段】 草炭地の草炭が乾燥されて立体的繊維状
物に形成されてなることを特徴とする。
Description
根、壁面、或いはダム、河川の堤防、法面、トンネルの
入り口、砂防ダム等の箇所に設置されて緑化用として使
用される緑化用植栽基盤と、その緑化用植栽基盤の製造
方法、並びにその緑化用植栽基盤を用いた緑化工法に関
する。
に応じて建築物の屋上、屋根、壁面等に植栽基盤を設置
して緑化を行うことが試みられている。
の植栽基盤は、容器状の基盤本体に土壌を収納して形成
されていたため、土壌が崩落するおそれがあり、垂直面
や斜面等に設置される建築物の緑化用として必ずしも好
適なものではなかった。
このような土壌の崩落等を防止していたが、基盤本体の
他に袋を準備しなければならず、部品点数が増大すると
ともに、施工も煩雑になるという問題点があった。この
ため、施工期間も長くなっていた。
好ではなかった。
たものであるため、基盤の全体の重量も大きくなり、取
り扱いが不便となっていた。従って、このことが施工を
一層煩雑なものとしていた。
たもので、透水性が良好であり、軽量で取り扱いが簡易
であり、また部品点数を大幅に削減することができ、し
かも垂直面や斜面等に設置される建築物の緑化用として
使用しても、土壌の崩落等の従来の問題を生じさせるこ
とのない全く新規な緑化用植栽基盤を提供することを課
題とする。
題を解決するために、緑化用植栽基盤とその製造方法、
並びにその緑化用植栽基盤を用いた緑化工法としてなさ
れたもので、緑化用植栽基盤としての特徴は、草炭地の
草炭が乾燥されて立体的繊維状物に形成されてなること
である。
が長期に堆積して地中に埋まり、繊維状を保持しつつ化
石化したものである。
植物遺体からなる横方向繊維層と、これに横方向繊維を
貫いて存在する植物遺体からなる縦方向繊維が三次元的
に絡んでいる構造を有する立体的繊維状物が本発明に適
している。三次元的に繊維が絡んでいる構造を有する立
体的繊維状物からなる草炭は、水分24重量%以下、好ま
しくは10重量%以下まで乾燥することが望ましい。
て得られた本発明の緑化用植栽基盤は、立体的繊維状物
であるために、それ自体の透水性が良好であることはも
ちろん、水分を上下方向のみならず横方向にも流通させ
るという特性も有する。
根が通過し易いという特性を有する。
基盤を、複数並列して配置すると、1つの緑化用植栽基
盤で生育する植物の根は、隣接する緑化用植栽基盤に侵
入することとなり、それによって相互に隣接する緑化用
植栽基盤は、それぞれの緑化用植栽基盤で生育する植物
の根によって結束される結果となる。
る結果、適度な弾力性を有することとなり、踏みつけて
も圧潰されることがないという特性を有する。
て行うことができるが、好ましくは天日乾燥によってな
される。天日乾燥で乾燥されることによって上記のよう
な特性がより良好となる。
好ましい。
は、草炭、泥炭、または植物繊維が結合剤で固結されて
固形状に形成されてなることである。
糊、ゼラチン、海藻糊、及び人工合成物のアクリル酸エ
ステル、ポリビニルアルコールとそのエステル、酢酸エ
ステル、ポリメチルセルロース等、水溶性高分子を含む
水溶液が結合剤として使用できる。
下が適当で、5%以上になると草炭の空隙まで詰まり、
本発明に適さない。
溶液又は中和液を含浸させることも可能である。植物の
育成には、種類にもよるが、ほぼ中性の植栽基盤が適し
ている。
たは中和液を用いることによって、仮に緑化用植栽基盤
のpHが低くても、中性に近いpHとすることができ
る。
剤を含浸させることも可能である。これによって、緑化
用植栽基盤の保水性が良好となる。保水剤としてはポリ
グルタミン酸ソーダ高分子、ポリグリコール系高分子、
ポリビニルアルコール系高分子が用いられる。
好ましい。これ以上になると、保水性が過大となる。
面活性剤を含浸させることが可能である。これによっ
て、緑化用植栽基盤の水濡れ性が良好になる。
オン型のいずれでもよい。付着量は0.3 %以下が望まし
い。
物の種子を予め含有させて、後の発芽により植栽基盤が
完成され、又は幼植物体若しくは一定期間生育した植物
体を予め植え付けて施工直後に完成された緑化をするこ
とも可能である。
栽用として準備された植物を予め植え付けた土、人工土
壌等からなるプラグ体のようなものを打ち込むことも可
能である。
法の特徴は、草炭地の草炭を掘り起こしたものを乾燥し
て立体的繊維状物に形成して製造することである。
のような緑化用植栽基盤を多数並列的に屋上や屋根に載
置して施工することである。
な緑化用植栽基盤又は該緑化用植栽基盤を布帛状物で被
覆した物を、多数壁面の前面側に積み上げ、積み上げら
れた緑化用植栽基盤の前面側に、網状体、布、構造体等
の崩落防止手段を設けて施工することである。
うな緑化用植栽基盤又は該緑化用植栽基盤を布帛状物で
被覆した物を籠状ケースに収納し、その緑化用植栽基盤
が収納された籠状ケースを、壁面又は急勾配法面の前面
側に多数積み上げて施工することである。
うな緑化用植栽基盤を、植栽ユニットに収納し、該植栽
ユニットを、壁面又は急勾配法面の前面側に設置して施
工することである。
説明する。
草炭が乾燥されて立体的繊維状物に形成されてなるもの
である。
帯であるシルータにおける草炭地(ピートボグ)で得ら
れた草炭を用いた。
ついて説明すると、上記草炭地の草炭を、掘削機(シャ
ッタリング機)で堀り起こして、ブロック状の立体的な
草炭を得た。
約2年間天日乾燥した。
天日乾燥した後、反転させて他面側を1年間天日乾燥し
た。
た緑化用植栽基盤が得られた。その緑化用植栽基盤の繊
維の組織を示す拡大写真を、参考写真1に示す。
示すように、2面が正方形からなる直方体状のものであ
り、たとえば150mm ×150mm ×450mm の大きさに形成さ
れている。
用する場合には、たとえば、図2に示すように多数の緑
化用植栽基盤1,…を縦横に並列状態で設置して使用さ
れる。
その孔の中に、植物の苗ポットの根鉢を収納し、或いは
相互に隣接する緑化用植栽基盤1,1間で植物の苗ポッ
トの根鉢を挟持させることによって、緑化のための施工
がされることとなる。
草炭を天日乾燥することによって立体的繊維状物に形成
されているため、植物の根が通過し易く、従って、緑化
用植栽基盤1で生育する植物の根は、該緑化用植栽基盤
1の上面から上向きに伸長することはもちろんである
が、側面から外側に向かって横方向にも伸長する。
から横方向に伸長する植物の根は、隣接する緑化用植栽
基盤1に侵入し、それによって相互に隣接する緑化用植
栽基盤1,1は、それぞれの緑化用植栽基盤1,1の側
面から横方向に伸長する植物の根によって結束されるこ
ととなる。
基盤1,…は、その側面から横方向に伸長する植物の根
によって隣接する緑化用植栽基盤1と相互に結束される
ので、多数並設された緑化用植栽基盤1,…は、全体が
一体化されることとなる。
えば建築物の屋上に設置して使用される。
ように、多数の緑化用植栽基盤1,…を、縦横に並列さ
せて屋上に設置すればよい。
を、縦横に並列するように、そのまま屋上に載置するだ
けで施工できるので、屋上緑化のための施工を非常に簡
易に行うことができる。
置して使用することも可能である。
に、屋根2の斜面上に多数の緑化用植栽基盤1,…を並
列して設置すればよい。
…を、並列して屋根2に載置するだけで施工できるの
で、屋根緑化のための施工を非常に簡易に行うことがで
きる。
化のために使用することも可能である。
示すように、壁面3の前面側に多数の緑化用植栽基盤
1,…を縦に積み上げ、その積み上げられた多数の緑化
用植栽基盤1,…の前面側に、同図のように網状体4を
取り付ける。この場合、緑化用植栽基盤1は、布帛状物
で被覆した状態で積み上げてもよい。
(図示せず)のようなもので壁面に取り付けられる。
によって、積み上げられる緑化用植栽基盤1が前面側に
崩落するのが好適に防止されることとなる。
縦に積み上げるので、網状体4の取り付けが必要となる
が、緑化用植栽基盤1が立体的繊維状物であるため、軽
量であり、従って土壌を具備する従来の緑化用植栽基盤
に比べると、取り扱いが容易となる。
直接取り付ける必要がなく、軽量の緑化用植栽基盤1を
積み上げて網状体4で固定するだけで施工できるので、
壁面緑化の施工が従来に比べると著しく容易となる。
なものを用いることも可能である。
に代わる手段として、籠状のケースに緑化用植栽基盤1
を収納したものを積み上げることによっても、複数の緑
化用植栽基盤1を壁面に設置することが可能である。こ
の場合、緑化用植栽基盤1は、耐候性のある合成繊維製
又は天然繊維製からなる織物又は不織布等の布帛状物で
包み込んだブロックとし、このブロックを籠状のケース
に収納してもよい。
代わりに、緑化用植栽基盤1を植栽ユニットに収納し、
その植栽ユニットを壁面に設置することも可能である。
この場合も、緑化用植栽基盤1を布帛状物で被覆するこ
とが可能である。
たとえば急勾配の法面のような箇所にも同様にして施工
することが可能である。
は、トンネルの入口部の緑化に使用することも可能であ
る。
に、トンネルの壁面5の両側に、ガイドレール6を取り
付け、そのガイドレール6に沿うように緑化用植栽基盤
1を縦に積み上げることで、トンネルの壁面5への設置
が可能となる。
積載することも可能ではあるが、崩落を確実に防止する
ためには、カセットケース(図示せず)のようなものに
収納して積み上げることが望ましい。この場合も、緑化
用植栽基盤1を布帛状物で被覆することできる。
ることで、ガイドレール6に沿わせて設置する作業も容
易に行うことができる。
をガイドレール6に沿わせて積み上げるだけで施工でき
るので、従来のトンネル壁面の緑化作業に比べると施工
の作業が著しく容易となり、施工期間を大幅に短縮する
ことができる。
行を中断させることができない事情等から、一般に短期
の施工が要請されるが、上記のような緑化用植栽基盤1
を用いたトンネル入口部における緑化工事は、この要請
に合致するものである。
は若しくは布帛状物で被覆した緑化用植栽基盤1は、法
面や河川敷のフリーフレーム工法に使用することもでき
る。
ト製の枠体を法面や河川敷に配設して施工する工法で、
一般には、そのコンクリート製の枠体のマス目の空間部
内に人工土壌を収容し、厚層基材を吹いて緑化を行う方
法、上記空間部内に土を入れた土嚢袋を収容して緑化を
行う方法、さらに上記空間部内にプランターを収容して
緑化を行う方法等が採用されている。
クリート製の枠体7のマス目の空間部内に、上記緑化用
植栽基盤1を収納する。
プランター等とは異なり、土壌を使用していないので非
常に軽量であり、取り扱いが非常に容易となり、施工も
簡単に行える。
のような建築物の屋上、屋根、壁面、トンネルの入り口
部、法面等のフリーフレーム工法のコンクリート製枠体
の他、ダムや河川の堤防、高架の柱、道路の中央分離
帯、農業用水の貯水池等、種々の箇所に施工することが
できる。
国の湿地帯であるシルータにおける草炭地で得られた草
炭を原料としたが、これ以外の産地、たとえばフィンラ
ンド、カナダ、日本等で採取された草炭を原料とするこ
とも可能である。
トモス)は、参考写真2に示すような繊維の組織を有す
るものである。
あるシルータにおける草炭地で得られた草炭は、いわゆ
る毛足の長いものであり、従って長い繊維からなる立体
的繊維状物として得られるため、これを乾燥した緑化用
植栽基盤は上記のような種々の特性の優れたものであっ
た。
ッタリング機)で堀り起こして、ブロック状の立体的な
草炭を得る場合について説明したが、これ以外の手段で
立体的な草炭を得ることも可能である。
年間天日乾燥したが、天日乾燥する期間も該実施形態に
限定されない。
立体的繊維状物からなる緑化用植栽基盤を得るには、天
日乾燥の期間は、1年半〜2年半であることが好まし
く、とりわけ約2年であることが好ましい。
明の緑化用植栽基盤の優れた特性が得られるものではあ
るが、天日乾燥以外の手段、たとえば機械による乾燥手
段を採用することも可能である。
盤1が、2面が正方形からなる直方体状に形成されてい
たが、緑化用植栽基盤1の形状はこれに限定されるもの
ではなく、6面の全面が長方形から成る直方体状に形成
されていてもよく、また三角柱状や円柱状に形成された
ものであってもよい。
問うものではない。
盤を単独で使用したが、アルカリ性溶液又は中和液を含
有させることも可能である。
ニア産の草炭を原料とする緑化用植栽基盤は、pHが約
4.0 と低いため、緩衝剤を含有させることによって、中
性に近づけることが可能となる。
あり、この場合には、緑化用植栽基盤の保水効果が良好
となる利点がある。
盤の間に、たとえば培養土、ピートモス、水ごけ、土壌
改良材、土、人工土壌等を介装させることも可能であ
る。
予め含有させて養生させておくことも可能であり、又は
幼植物体若しくは一定期間生育した植物体を予め植え付
けて養生しておくことも可能である。
盤に埋め込み、或いは挟持させる等の作業を行わなくと
も、そのまま所望の施工箇所に設置するだけで、植物を
生育させることができるという効果がある。
れたプラグ体を緑化用植栽基盤に打ち込んで使用するこ
とも可能である。この場合にも、苗ポット等を緑化用植
栽基盤に埋め込み、或いは挟持させる等の作業が不要と
なる。
準備された植物とを一体化させるための媒体となるもの
であり、たとえば土、人工土壌等が用いられる。
を乾燥して立体的繊維状物に形成することで緑化用植栽
基盤を構成したが、これに限らず、たとえば草炭を結合
剤で固結して固形状に形成して緑化用植栽基盤を構成す
ることも可能である。
産の草炭(ピートモス)のように毛足の短い草炭が用い
られ、それをそのまま若しくは粉粒状にし、結合剤で固
結されて固形状に形成される。
製の結合剤や、澱粉系の天然樹脂製の結合剤等が用いら
れる。
上記のような草炭に代えて、泥炭や植物繊維を用いるこ
とも可能である。
種植物の植物生育試験を行った。
用植栽基盤のほぼ中央にドリルで孔を穿設し、その孔
に、ポット植えの各種の植物を収納した。
育状態を観察した。
緑化用植栽基盤の上面側で植物の生育による良好な発根
状態が認められた他、緑化用植栽基盤の側面側において
も、植物の根の先端が飛び出して伸長している状態が認
められた。
ン、フヨウ、ハギイカダ、シュンラン、セキショウ、オ
キナヤブラン、ギボウシ、パンパスグラス、オモト、ヒ
メシャガ、オカメザサ、ヒメウツギ、スイカズラ、シマ
カンスゲ、ムべ、ゴシキドクダミ、フッキソウ、ハイビ
ャクシン、クサボケ、カキツバタ、ヒメカンゾウ、フイ
リヤブラン、クリスマスローズ、ビナンカズラ、キチジ
ョウソウ、ユリオプスデージ、ナツヅタ、メキシコマン
ネングサ、ドイツスズラン、チゴザサ、ヘメロカリス、
コグマザサ、テイカカヅラ、コトネアスター、ミヤギノ
ハギ、ビンカマジョール、シロハギ、アカンサス、オロ
シマチク、ラインゴールド、ヒマラヤユキノシタ、リュ
ウノヒゲ、ヤブラン、ツルバラ、セイヨウイワナンテ
ン、シロバナサギゴケ、ホトトギス、シャガ、キキョ
ウ、ビグノニア、ウンナンオウバイ、ヤブカンゾウ、ノ
ウゼンカヅラ、マツバギク、ハギ、ポテンチラ
用植栽基盤の上面側で植物の生育による良好な発根状態
が認められたが、緑化用植栽基盤の側面側においては、
植物の根の先端の伸長が認められなかった。
ンカ、アメリカツルマサキ、フィリフィアオーレア、ヒ
ペリカムカリシナム、ツワブキ、イチハツ、タツタナデ
シコ、キショウブ、オオバジャノヒゲ、アヤメ、ヒペリ
カムヒデコート、ブッドレア、シュッコンバーベナ、ミ
ソハギ、シュッコンフロックス、アスチルベ、シラン、
ハイビャクシン、ニシキテイカ、ミセバヤ、ノシラン、
オノマンネン、タマリュウ、オウバイ、エビネ、ラベン
ダー、トケイソウ、アガパンサス、ツキヌキニンドウ、
アジュガ、ヤブソテツ、モッコウバナ、カロライナジャ
スミン、シャスターデージー、キヅタ、ローズマリー、
オオイタビ、シュウカイドウ、イカリソウ、カンアオ
イ、オオキンケイギク、サクラモドキ、クレマチス、オ
タフクナンテン、シバザクラ、フイリアマドコロ、アケ
ビ
化用植栽基盤の側面側において植物の根の先端の伸長が
認められなかったことはもちろん、緑化用植栽基盤の上
面側においても、植物の発根状態が認められなかった。
スカリ、ヒガンバナ
ったため、これらC群の植物種は、生育時期が夏期に合
致しなかったことも良好な生育状態が認められなかった
要因と考えられる。
は、草炭地の草炭が乾燥されて立体的繊維状物に形成さ
れたものであるため、水分を上下方向のみならず横方向
にも流通させるという特性を有する。従って基盤全体と
しての透水性が、従来の土壌を容器や袋等に収容した緑
化用植栽基盤に比べると、著しく良好になるという効果
がある。
ために植物の根が通過し易く、緑化用植栽基盤の上面側
へ植物が生育することはもちろん、緑化用植栽基盤の側
面側へも植物の根が伸長することになる。
複数並列して配置すると、1つの緑化用植栽基盤の側面
の外側に伸長する植物の根は、隣接する緑化用植栽基盤
に侵入することとなり、それによって相互に隣接する緑
化用植栽基盤は、それぞれの緑化用植栽基盤で生育する
植物の根によって結束されることになり、複数の植栽基
盤が全体として一体化され、一部の植栽基盤のみが脱落
するようなことも好適に防止されることとなる。
ため、従来の土壌を含む植栽基盤に比べると非常に軽量
であり、従って取り扱いが容易で施工も簡易に行えると
いう効果がある。
物の屋上緑化、屋根緑化等を行う場合に、屋上や屋根へ
の緑化用植栽基盤の運搬等を容易に行うことができ、施
工も簡単になるという効果がある。
植栽基盤を、屋上や屋根等に載置するだけで施工できる
ので、従来のように、土壌を容器に収容する作業や袋詰
めする作業が不要となり、これが全体の施工作業を一層
容易にするとともに、施工期間も従来に比べて短縮する
ことができるという効果がある。
れる結果、適度な弾力性を有することとなり、踏みつけ
ても圧潰されることがないという効果がある。
を得た場合には、上記のように特定の優れた立体的繊維
状物が確実に形成され、とりわけ天日乾燥の乾燥期間を
1年半〜2年半とした場合には、水分を横方向に流通さ
せる機能、植物の根を好適に通過させて植栽基盤の側面
の外側に良好に伸長させる機能、弾力性、軽量化等の各
種特性や機能が一層良好になるという効果がある。
て立体的繊維状物に形成して製造する場合には、緑化用
植栽基盤の製造も簡易に行えるという効果がある。
緑化用植栽基盤を壁面の前面側に積み上げるとともに、
その積み上げられた複数の緑化用植栽基盤の崩落を防止
する網状体等の崩落防止手段を設けた場合には、個々の
緑化用植栽基盤を壁面に直接取り付けなくとも、積載さ
れた複数の緑化用植栽基盤の崩落防止手段を設けるだけ
で、その複数の緑化用植栽基盤を壁面の前面側に取り付
けた状態と同じ状態になるため、壁面緑化の作業も、従
来の土壌を具備した緑化用植栽基盤を用いる場合に比べ
て著しく容易となり、施工も簡単に行えるという効果が
ある。
基盤が収納された籠状ケースを、壁面又は急勾配法面の
前面側に多数積み上げて施工する場合には、その積み上
げ等の作業を容易に行うことができるという効果があ
る。
に形成された緑化用植栽基盤を使用する場合には、緑化
用植栽基盤が型崩れすることがないので、たとえば壁面
等に多数積み上げて施工する際に、崩落するようなこと
もないという効果がある。
は中和液を含浸させた場合には、仮に緑化用植栽基盤の
pHが低くても、中性に近いpHとすることができ、多
種の植物の生育に適した一般的な生育条件を付与するこ
とができるという効果がある。
用植栽基盤の保水性が良好となる効果がある。
し、又は幼植物体若しくは一定期間生育した植物体を予
め植え付けて養生したものを使用する場合、或いは植栽
用として準備された植物を植え付けたプラグ体を打ち込
んだものを使用する場合には、そのまま所望の施工箇所
に設置するだけで、植物を生育させることができ、苗ポ
ット等を緑化用植栽基盤に埋め込み、或いは挟持させる
等の作業が不要となる効果がある。
Claims (16)
- 【請求項1】 草炭地の草炭が乾燥されて立体的繊維状
物に形成されてなることを特徴とする緑化用植栽基盤。 - 【請求項2】 三次元的に繊維が絡んでいる構造を有す
る立体的繊維状物からなる草炭地の草炭が、水分24重量
%以下、好ましくは10重量%以下まで乾燥し、且つ立体
的繊維状態が保持されるように形成されてなることを特
徴とする緑化用植栽基盤。 - 【請求項3】 草炭、泥炭、又は植物繊維が結合剤で固
結されて固形状に形成されてなることを特徴とする緑化
用植栽基盤。 - 【請求項4】 草炭が、植栽植物生育に適したpH基盤
にするため、アルカリ性溶液または中和液が含浸され、
乾燥されてなる請求項1乃至3のいずれかに記載の緑化
用植栽基盤。 - 【請求項5】 草炭に対して5重量%以下の保水剤が含
浸されてなる請求項1乃至4のいずれかに記載の緑化用
植栽基盤。 - 【請求項6】 界面活性剤が含浸され、且つ含浸後に乾
燥した後の界面活性剤の付着量が草炭に対して0.3 重量
%以下である請求項1乃至5のいずれかに記載の緑化用
植栽基盤。 - 【請求項7】 植物の種子が予め含有されて施工後に種
子が発芽し、又は幼植物体若しくは一定期間生育した植
物体が予め植え付けられて施工完成後に完成した植採基
盤をなす請求項1乃至6のいずれかに記載の緑化用植栽
基盤。 - 【請求項8】 植栽用として準備された植物を植え付け
たプラグ体が打ち込まれてなる請求項1乃至7のいずれ
かに記載の緑化用植栽基盤。 - 【請求項9】 草炭地の草炭を立体的に掘り起こしたも
のを乾燥して立体的繊維状物に形成して製造することを
特徴とする緑化用植栽基盤の製造方法。 - 【請求項10】 草炭が天日乾燥によって乾燥される請
求項9記載の緑化用植栽基盤の製造方法。 - 【請求項11】 乾燥期間が、1年半〜2年半である請
求項9又は10記載の緑化用植栽基盤の製造方法。 - 【請求項12】 草炭、泥炭、又は植物繊維を結合剤で
固結して固形状に形成して製造することを特徴とする緑
化用植栽基盤の製造方法。 - 【請求項13】 請求項1乃至8記載の緑化用植栽基盤
を多数並列的に屋上又は屋根に載置して施工することを
特徴とする緑化用植栽基盤を用いた緑化工法。 - 【請求項14】 請求項1乃至8記載の緑化用植栽基盤
又は該緑化用植栽基盤を布帛状物で被覆した物を、壁面
又は急勾配法面の前面側に多数積み上げ、積み上げられ
た緑化用植栽基盤の前面側に、網状体、布、構造物等の
崩落防止手段を設けて施工することを特徴とする緑化用
植栽基盤を用いた緑化工法。 - 【請求項15】 請求項1乃至8記載の緑化用植栽基盤
又は該緑化用植栽基盤を布帛状物で被覆した物を、籠状
ケースに収納し、緑化用植栽基盤が収納された籠状ケー
スを、壁面又は急勾配法面の前面側に多数積み上げて施
工することを特徴とする緑化用植栽基盤を用いた緑化工
法。 - 【請求項16】 請求項1乃至8記載の緑化用植栽基盤
を、植栽ユニットに収納し、該植栽ユニットを、壁面又
は急勾配法面の前面側に設置して施工することを特徴と
する緑化用植栽基盤を用いた緑化工法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006254902A (ja) * | 2005-02-18 | 2006-09-28 | Iris Ohyama Inc | 粒状培養土 |
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