JP2002129488A - エンドレスワイヤロープ - Google Patents

エンドレスワイヤロープ

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    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
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    • D07B7/16Auxiliary apparatus
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    • D07B7/169Auxiliary apparatus for interconnecting two cable or rope ends, e.g. by splicing or sewing

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Abstract

(57)【要約】 【課題】シーブに対して確実に面接触して動力伝達効率
を向上させることができ、また運転中の騒音の発生を軽
減することができ、循環式索道用として好適なエンドレ
スロープを提供する。 【解決手段】中心に繊維芯1を有しその周りに3×2+
3構造の断面略三角形状の芯ストランド2aとその周り
を囲む7本以上の側素線からなる6本の側ストランド2
bを有するフラット形ロープであり、ロープ主体の端末
部の前記ストランド2の3×2+3構造の芯ストランド
2aを所要長さ除去し、側ストランド2bの空洞に芯ス
トランド2aよりも径の小さい細ロープ3を特設芯とし
て挿入して接続用ストランドを構成し、該接続用ストラ
ンドを前記ロープ中心の繊維芯1を所定長さ除去した空
隙に入れ込んでロングスプライスした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスキーリフトなどの
循環式索道用に好適なエンドレスワイヤロープに関す
る。
【0002】
【従来の技術】スキーリフト用ロープで代表される索道
はワイヤロープがエンドレスにつながれ、シーブによっ
て循環移動するようになっている。このような動索用の
ロープエンドレスロープとしては、従来一般に、長手方
向と直角の断面が円形の丸ストランド型ロープが用いら
れていた。しかしこの構造では、ロープの外周輪郭が円
形をなすためシーブに対する接触面積を大きくすること
が困難となり、動力伝達効率の向上を期待できないとい
う問題やロープ表面の凹凸が大きいことによる騒音が大
きいという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記のような
問題点を解消するためになされたもので、その目的とす
るところは、シーブに対して確実に面接触して動力伝達
効率を向上させることができ、また運転中の騒音の発生
を軽減することができ、循環式索道用として好適なエン
ドレスロープを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、中心に繊維芯を有しその周りに6本のストラ
ンドを撚り合わせそれら各ストランドが3×2+3構造
の断面略三角形状の芯ストランドとその周りを囲む7本
以上の側素線からなる側ストランドを有するフラット形
ロープを使用し端末をロングスプライスしてなるロープ
であって、ロープ主体の端末部において、前記ストラン
ドの3×2+3構造の芯ストランドを所要長さ除去し側
ストランドの空洞に芯ストランドよりも径の小さい細ロ
ープを特設芯として挿入して接続用ストランドを構成
し、該接続用ストランドを前記ロープ中心の繊維芯を所
定長さ除去した空隙に入れ込んだことを特徴としてい
る。
【0005】前記細ロープは一般に7×7等の撚りロー
プが好適である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施例を添付図面を
参照して説明する。図1ないし図6は本発明によるエン
ドレスワイヤロープの一実施例を示している。図1はエ
ンドレスワイヤロープをスキーリフト用の索道に適用し
た例を示しており、Rは本発明ロープで端末接続部分
(ロングスプライス部分)によってエンドレス状になっ
ている。6は所定間隔で取り付けられた搬器6、7は本
発明ロープの一端を経由させた駆動シーブ、8は他端を
経由させた緊張シーブ、9は重錘である。
【0007】図2は本発明ロープの端末接続部分以外の
部分の長手方向と直角の断面を示しており、中心の繊維
心1の周りに断面が略三角形状をなす6本のストランド
2を配して撚り合わせたラング撚りのフラット形ワイヤ
ロープからなっている。
【0008】すなわち、各ストランド2は、相対的に径
の太い6本のワイヤ20とそれよりも相対的に細い3本
のワイヤ21の計9本のワイヤを、6本のワイヤ20が
Y状を呈し各分岐部位に細い3本のワイヤ21が位置す
るように構造式(3×2+3)に撚り合わせた三角状を
なす芯ストランド2aを有し、この芯ストランド2aの
周りに9本以上(この例では12本)の相対的に太径の
側ワイヤ22を配して撚り合わせ側ストランド2bから
なっている。したがって、図2の本発明ロープは、6×
F〔(3×2+3)+12〕の構造からなっており、各
ストランド2の外径は繊維心1の外径よりも大きい。
【0009】図3は本発明ロープの端末接続部分Sの一
部を示しており、中心の繊維心1を除去して得た空洞1
00に、2本のストランド2’,2’が交差するように
ロープ内に差し込まれたロングスプライスからなってい
る。
【0010】図4は前記端末接続部分Sの1本のストラ
ンド(接続用ストランド)2’を代表的に示しており、
前記ストランド2の側ストランド2bで囲まれた(3×
2+3)構造の芯ストランド2aを所要長さ除去し、側
ストランド2bの空隙に、旧芯ストランド2aの外径D
2よりも小さい外径D4を持った細ロープ3を特設スト
ランドとして挿入し、これにより、端末接続部分S以外
のストランド2の外径D1よりも小さく、繊維心1の外
径と同等以下の外径D3を持ったストランドとしてい
る。
【0011】細ロープ3は、端末接続部分Sの外径を繊
維芯1の外径と同等以下にするため、径が0.3〜0.
7mmの5本以上の細ワイヤ30を図5(b)のように
撚り合わせたストランド3aを多数本一括してたとえば
7×7構造などに撚合したものが好適である。そして、
本発明は、前記のように細ロープ3を特設ストランドと
して挿入したストランド2’を使用してロングスプライ
ス加工し、端末接続部分Sとしたものである。
【0012】ロングスプライス加工法は平行つなぎ、交
差つなぎ、2回交差つなぎなど任意であるが、好適に
は、各ストランドを一端解き、規定長さに切断して両端
末のストランドを1本ずつ組み合わせる方法が採用され
る。図6はこのロングスプライス加工工程の例を示して
おり、(a)のようにローフ端末の端からたとえば50
0dr(drはロープ径)の箇所をバンドし、(b)の
ようにロープ端の6本のストランド2を解き、繊維芯1
をバンド部分の位置で切断除去する。6本のストランド
2は、ここでは分かりやすくするため、A,B,C,
D,E,F、A’,B’,C’,D’,E’,F’とす
る。
【0013】ついで、前記6ストランドのうち、1スト
ランドおきに3ストランドA,C,E、,B’,D’,
F’、を図2(b)で示すa長さ:20drで切断し、
他の3ストランドB,D,F、A’,C’,E’を、
(b)で示すb長さ:160dr、c長さ:330dr
およびd長さ:500drに切断する。
【0014】そして、(c)のように、ストランドB,
D,F、A’,C’,E’におけるb長さ、c長さおよ
びd長さの各先端から、50dr長さ分の芯ストランド
2aを取り除き、空洞となった側ストランド2bに前記
細ロープ3をそれぞれ挿入して芯代えを行なう。このよ
うに細ロープ3を挿入後、側ストランド2bの各ワイヤ
を組み合わせてストランド形状に整形し、外周に適宜樹
脂テープを積巻きする。
【0015】以上で準備が整ったので、図5(d)のよ
うにストランドが交互にはまるように両端末を強く突合
せ、A’ストランドを手前とし、となりにAストランド
を置き、両端末部分の対応するストランドの一方を解
き、他方をその跡へ入れはめこんでゆく。各ストランド
の嵌め込みが終わると図5(d)のような状態となる。
【0016】あとは通常のスプライス作業と同じよう
に、各ストランドを直線状に伸ばし、交差部にスパイキ
を入れて繊維芯1を取り出し、その跡にストランドを挿
入し、挿入されるストランド長さに応じて繊維芯1を切
除する。同様に反対側に繊維芯を取出しながらストラン
ドを挿入する。こうした工程を繰り返し、ストランドの
入れ込みが完了する。あとはロープの外形状を整形し、
枕芯を挿入する。これで端末接続部分Sを有するフラッ
ト形ロープからなるエンドレス索道が完成する。
【0017】なお、本発明は実施例に限定されるもので
はなく、フラット形ワイヤロープは他の構造たとえば、
6×F〔(3×2+3)+7〕構造のもの、6×F
〔(3×2+3)+9〕構造のもの、6×F〔(3×2
+3)+12+12〕構造のもの、6×F〔(3×2+
3)+12+15〕構造のものなどであってもよい。
【0018】
【実施例の作用】フラット形ロープはロープ中心の繊維
芯1が細く、それに対して相対的にストランド2の径が
大きい。このため一般の断面形状が丸形のストランドロ
ープで行われているロングスプライス加工を採用しよう
とすると、この加工時に繊維芯1を抜いて解撚したスト
ランド2をロープ中心に入れ込むことができず、無理に
入れ込むと、ロープ本体側のストランドがこぶ状にふく
れ、各ストランドが密接せせずにすき間が生ずる。その
結果、ストランドが周方向に転位し、撚りが移動し、ロ
ープが型崩れを起し、断線等も多発して安全性が重視さ
れるスキーリフトなどの循環式索道として使用できなく
なる。
【0019】しかるに、本発明においては、ストランド
2の側ストランド2bで囲まれた(3×2+3)構造の
芯ストランド2aを所要長さ除去し、側ストランド2b
の空隙に、旧芯ストランド2aの外径D2よりも小さい
外径D4の細ロープ3を特設ストランドとして挿入して
いる。このため、ロープ中心に入れ込むストランドの径
を、繊維心1の外径と同等程度に細くすることができ
る。このため、スプライス加工部分のストランド間がふ
くらまず、ストランド間にすき間が発生しなくなる。し
たがって型崩れが生じず、フラット形ロープからなるエ
ンドレスロープを得ることができる。
【0020】次に本発明の具体例を示す。ロープ本体と
して直径が28mmの6×F〔(3×2+3)+12〕
を使用した。繊維芯の径は10.5mm、各ストランド
は外径が約11.0mm、丸線三角断面の芯ストランド
径が約5.5mmであった。
【0021】上記ロープ本体の両端を図6の工程にした
がって加工し、スプライス用のストランドB,D,F、
A’,C’,E’におけるb長さ、c長さおよびd長さ
の各先端から、50dr長さ分の芯ストランド2aを取
り除き、空洞となった側ストランド2bに、7×7構造
で径が4.9mmの細ロープを挿入し、ストランドB,
D,F、A’,C’,E’の径を10.4mmに調整し
た。
【0022】このストランドB,D,F、A’,C’,
E’を繊維芯を局部的に除去しつつロープ中心に挿入し
てロングスプライスを得た。このロングスプライス部分
の径は30.1mmであり、ストランド間のすき間はな
く、隣接するストランドはよく密接していた。
【0023】得られたロングスプライスの性能を見るた
め、シーブ径:1800mm(ロープ径の約64倍)、
ロープ張力:11.6t(規格破断加重の1/5)、曲
げ方式:U曲げの条件にて繰り返し曲げを与えた。比較
のため、芯取替えを行なわず線三角断面の芯ストランド
をそのままにしたストランドをロープ中心に差し込んで
得た比較ロングスプライスについて、同じ条件で繰り返
し曲げを行なった。その結果、比較ロングスプライスは
40000サイクルでストランドが転位して型崩れが生
じたが、本発明のロングスプライスは65000サイク
ルでも全く型崩れが発生しなかった。
【0024】
【発明の効果】以上説明した本発明の請求項1によると
きには、中心に繊維芯1を有しその周りに6本のストラ
ンド2を撚り合わせそれら各ストランド2が3×2+3
構造の断面略三角形状の芯ストランド2aとその周りを
囲む7本以上の側素線からなる側ストランド2bを有す
るフラット形ロープを使用し端末をロングスプライスし
てなるロープであって、ロープ主体の端末部において、
前記ストランド2の3×2+3構造の芯ストランド2a
を所要長さ除去し側ストランド2bの空洞に芯ストラン
ド2aよりも径の小さい細ロープ3を特設芯として挿入
して接続用ストランドを構成し、該接続用ストランドを
前記ロープ中心の繊維芯1を所定長さ除去した空隙に入
れ込んだので、細い径の繊維芯であってもスプライス部
分のストランド間にすき間が生じず、ストランドの転位
とそれによる型崩れの発生を回避することができる。こ
れにより外面が平坦状でシーブに対する接触面積を大き
く取ることができるフラット形ロープの利点を生かしつ
つ、難点であった型崩れによる寿命低下を回避すること
ができ、伝動効率がよく、安全で耐久性のあるスキーリ
フト用などの索道を提供できるというすぐれた効果が得
られる。
【0025】請求項2によれば、細ロープが7×7構造
などの撚りロープからなっているので、請求項1の効果
に加え、強度が高く、また適度の可撓性によって側スト
ランドの空洞への挿入が容易であるとともに表面積が大
きいため側ストランドとの一体化もよく、良好な接続用
ストランドをうることができるというすぐれた効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるエンドレスロープの使用例を示す
説明図である。
【図2】図1のX−X線に沿う拡大断面図である。
【図3】(a)は図1における接続部分(ロングスプラ
イス部分)の拡大側面図、(b)は(a)のY−Y線に
沿う断面図である。
【図4】本発明における接続用ストランドの側面図であ
る。
【図5】(a)は図4のW−W線に断面図、(b)は図
4のZ−Z線に沿う断面図である。
【図6】(a)ないし(d)はロングスプライス加工工
程を段階的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 繊維芯 2 ストランド 2a 芯ストランド 2b 側ストランド 3 細ロープ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中心に繊維芯1を有しその周りに6本のス
    トランド2を撚り合わせそれら各ストランド2が3×2
    +3構造の断面略三角形状の芯ストランド2aとその周
    りを囲む7本以上の側素線からなる側ストランド2bを
    有するフラット形ロープを使用し端末をロングスプライ
    スしてなるロープであって、ロープ主体の端末部におい
    て、前記ストランド2の3×2+3構造の芯ストランド
    2aを所要長さ除去し側ストランド2bの空洞に芯スト
    ランド2aよりも径の小さい細ロープ3を特設芯として
    挿入して接続用ストランドを構成し、該接続用ストラン
    ドを前記ロープ中心の繊維芯1を所定長さ除去した空隙
    に入れ込んだことを特徴とするエンドレスワイヤロー
    プ。
  2. 【請求項2】細ロープが7×7等の撚りロープからなっ
    ている請求項1に記載のエンドレスワイヤロープ。
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