JP2002128426A - スクリュー式エレベータ用錘 - Google Patents

スクリュー式エレベータ用錘

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JP2002128426A
JP2002128426A JP2000329429A JP2000329429A JP2002128426A JP 2002128426 A JP2002128426 A JP 2002128426A JP 2000329429 A JP2000329429 A JP 2000329429A JP 2000329429 A JP2000329429 A JP 2000329429A JP 2002128426 A JP2002128426 A JP 2002128426A
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達雄 坂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】クリューネジ及びナットのネジ部にケージか
ら作用する負荷を軽減してスクリューネジ及びナットの
ネジ部の発熱量を低くし、駆動機構におけるベルトの寿
命の短縮化及び速度検出センサの誤作動を未然に防止す
るとともに、ケージを昇降させるために必要な駆動力を
軽減してモータ容量の小型化を実現する。 【解決手段】昇降路7の側面にスクリューネジ4を配置
し、ケージ2の上面にスクリューネジ4に螺合するナッ
ト5及びナット5に回転を供給するモータ6を備えた。
モータ6から供給される回転によってナット5がスクリ
ューネジ4を上下方向に移動し、ケージ2がガイドレー
ル3a,3bに沿って昇降する。ナット5はケージ2か
ら作用する荷重によって回転を生じることがなく、ケー
ジ2の下降速度が上昇することがない。ケージ2には滑
車14a,14bに掛けられたロープ15a,15bを
介して錘16の重量が上向きに作用し、スクリューネジ
4及びナット5のネジ部にケージから作用する負荷が軽
減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、スクリューネジ
とナットとの相対的な回転により、ナットを支持したケ
ージを昇降させるスクリュー式エレベータに関する。
【0002】
【従来の技術】人や貨物を搭載したケージを昇降させる
エレベータとして、従来より、主としてロープ式エレベ
ータ又は油圧式エレベータが用いられている。ロープ式
エレベータは、滑車に掛けられたロープの両端のそれぞ
れにケージ及び錘を吊り下げ、モータの駆動によって滑
車を正転又は逆転させることにより、滑車とロープとの
間の摩擦力によってケージを昇降させる。また、油圧式
エレベータは、ポンプから供給される圧油によって伸縮
するダンパの動作をリンク機構を介してケージに伝達す
ることにより、ケージを昇降させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ロープ
式エレベータでは、滑車とロープとの間に生じる摩擦力
によって滑車の回転をロープに伝達してケージを昇降さ
せるようにしているため、滑車とロープとの間に滑りを
生じた際にケージの昇降速度が所定の速度を越え、ケー
ジが最下階の停止位置よりも下方まで下降する場合があ
り、このような場合にはケージに過大な衝撃を作用させ
ることなくケージの下降を停止させなければならない。
このため、ロープ式エレベータでは、最下階の床面より
も下方に、緩衝機構を設置するためのピットと呼ばれる
スペースを設ける必要があり、ピットを形成するための
穴堀作業によってエレベータの設置工事が長期化すると
ともに、工事費用が高騰する問題がある。一方、油圧式
エレベータでは、最下階の床面よりも下方に、油圧機構
及びリンク機構からなる昇降機構を緩衝機構とともに設
置するためのスペースが必要で、ロープ式エレベータと
同様に設置工事の長期化、及び、工事費用の高騰を招く
問題がある。
【0004】そこで、台形ネジによりネジ部を構成した
スクリューネジとナットとの相対的な螺合回転のみによ
るナットの上下移動によってケージを昇降させることが
考えられる。この構成によれば、互いに螺合したスクリ
ューネジとナットとのネジ部に生じる摩擦力がナットの
回転に対する制動力として働くためにスクリューネジ又
はナットに回転力が作用しない限りナットに作用するネ
ジの軸方向の荷重のみによってはナットが移動すること
がないというセルフロック機能により、ケージから作用
する荷重による下降速度の増加を確実に防止することが
でる。また、ケージを昇降させるための機構をケージの
側面のみに配置することができ、最下階の床面の下方に
緩衝機構や昇降機構を配置するためのピットを形成する
必要がなく、設置工事を短期化できるとともに、工事費
用の低廉化を実現できる。
【0005】一方、台形ネジによって構成されたネジ部
において互いに螺合するスクリューネジとナットとの相
対的な回転のみによるナットの上下移動によってケージ
を昇降させる構成では、ナットに作用するケージの荷重
をスクリューネジのネジ部とナットとのネジ部との接触
面における摩擦力によって支えることになるため、ケー
ジに対する負荷が大きくなるにしたがってスクリューネ
ジとナットとを相対的に螺合回転させるために必要な駆
動力も大きくなり、ケージを昇降させるための駆動源と
して十分に大きな容量のモータが必要とされ、コストの
上昇を招く問題がある。
【0006】また、比較的大きな負荷が作用している状
態でケージの昇降が繰り返されるとネジ部の接触面に摩
擦熱による過大な発熱を生じ、モータからナットに回転
を伝達する駆動機構の周辺温度が上昇し、駆動機構を構
成するベルトの寿命が短縮するとともに、駆動機構に設
けられる速度検出センサ等の電子部品が誤作動を生じる
問題がある。
【0007】この発明の目的は、セルフロック機構によ
ってケージから作用する荷重による下降速度の増加を確
実に防止し、ケージを昇降させるための機構をケージの
側面のみに配置することによって最下階の床面の下方に
緩衝機構や昇降機構を配置するためのピットを形成する
必要をなくして設置工事の短期間化、及び、工事費用の
低廉化を実現すべく、スクリューネジ及びナットを介し
てケージを昇降させる場合に、スクリューネジ及びナッ
トのネジ部にケージから作用する荷重を軽減することに
より、ケージの昇降時におけるスクリューネジ及びナッ
トのネジ部の発熱量が過大になることを防止し、駆動機
構におけるベルトの寿命の短縮化、及び速度検出センサ
等の電子部品の誤作動を未然に防止することができると
ともに、ケージを昇降させるために必要な駆動力を軽減
してモータ容量の小型化を実現することができるスクリ
ュー式エレベータを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するための手段として、以下の構成を備えてい
る。
【0009】(1) 台形ネジでネジ部を構成したスクリュ
ーネジ及びガイドレールをケージの昇降方向に設置する
とともに、スクリューネジに螺合するナット、ガイドレ
ールに摺動する摺動体、ナットに回転力を供給するモー
タ、及び、ナットの回転速度が所定速度に一致するよう
にモータの駆動を制御する駆動制御部をケージに設ける
とともに、ガイドレールの上端に軸支した滑車に掛けら
れたロープの一端にケージを吊り下げ、他端にケージの
重量よりも軽い重量の錘を吊り下げ、スクリューネジ及
びナットのネジ部に生じる摩擦力をケージからナットに
作用する荷重のナットの回転方向への分力よりも大きく
し、駆動制御部によって駆動制御されるモータからナッ
トに正逆両方向の回転を選択的に供給してケージをガイ
ドレールに沿って昇降させることを特徴とする。
【0010】この構成においては、ナットを正転又は逆
転させた際に、ケージがガイドレールに沿って昇降す
る。したがって、ケージの下降速度はナットの回転速度
とスクリューネジ及びナットのネジ部のピッチによって
定まり、ケージから作用する荷重によって下降速度が増
加することがなく、また、ケージを昇降させるための機
構がケージの昇降方向に沿って形成されるため、最下階
の床面の下方に緩衝機構や昇降機構を配置するためのピ
ットを形成する必要がない。
【0011】また、ケージに搭載されたモータによって
ケージに支持されたナットが回転し、モータから供給さ
れる回転力の回転方向に応じてスクリューネジを上下動
するナットとともにケージがガイドレールに沿って昇降
する。したがって、ケージを昇降させるための回転部が
全てケージに搭載され、ケージの昇降範囲以外に回転部
を配置する必要がなく、エレベータの設置スペースが小
型化される。
【0012】さらに、ナットの回転速度が予め設定され
た所定速度に一致するようにモータの駆動が制御され
る。したがって、ナットは予め設定された所定速度とス
クリューネジ及びナットのネジ部のピッチとによって定
まる一定速度でスクリューネジを上下動し、このナット
の上下動にともなってケージが一定速度でガイドレール
を昇降する。
【0013】加えて、ケージには滑車に掛けられたロー
プを介してケージよりも軽い錘の重量が上向きに作用す
る。したがって、ケージの重量から錘の重量を差し引い
た荷重をスクリューネジのネジ部とナットとのネジ部の
接触面における摩擦力によって支えることになり、錘の
重量分だけ摩擦力が低下して摩擦熱による発熱が低く抑
えられる。また、ケージを昇降させる際のモータの負荷
も錘の重量分だけ減少し、ケージの昇降に必要とされる
モータの容量が小さくなる。
【0014】(2) 前記錘は、無負荷状態のケージの略5
0〜80%の重量であることを特徴とする。
【0015】この構成においては、ケージには滑車に掛
けられたロープを介して無荷重状態のケージの略50〜
80%の重量が上向きに作用する。したがって、ケージ
の重量のうち略50〜20%の重量にケージの積載負荷
を加えた荷重をスクリューネジのネジ部とナットとのネ
ジ部との接触面における摩擦力によって支えることにな
り、ケージを繰り返し昇降させた場合の摩擦熱による発
熱を十分に低く抑える程度に摩擦力が低下する。また、
ケージを昇降させる際のモータの負荷も無負荷状態のケ
ージの略50〜80%減少し、ケージの昇降に必要とさ
れるモータの容量が十分に小さくなる。
【0016】(3) 前記駆動制御部が、ナットの回転速度
が予め設定された基準速度を越えた際にモータの駆動を
停止する駆動停止手段を含むことを特徴とする。
【0017】この構成においては、ナットが予め設定さ
れた基準速度より速い速度で回転した場合にはモータの
駆動が停止される。したがって、駆動系の異常等によっ
てモータが過回転を生じた場合には、ナットに対する回
転の供給が断たれ、ナット及びケージが基準速度とネジ
部のピッチとによって定まる速度より速い速度で昇降す
ることがない。
【0018】(4) 前記ケージが、スクリューネジをナッ
トの下方において検出する検出手段、及び、検出手段が
スクリューネジを検出しなくなった時にガイドレールに
摩擦係合する制動手段を備えたことを特徴とする。
【0019】この構成においては、ナットの下方におい
てスクリューネジが存在しなくなった時に、制動手段が
ガイドレールに摩擦係合する。したがって、スクリュー
ネジが破損してナットの下方にナットが螺合すべきスク
リューネジが存在しなくなった場合には、制動手段とガ
イドレールとの摩擦力が制動力としてケージに作用し、
ケージの自由落下が防止される。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の実施形態に係
るスクリュー式エレベータの構成を示す図である。ま
た、図2は、同スクリュー式エレベータの平面図であ
る。この発明の実施形態に係るスクリュー式エレベータ
1は、垂直方向に昇降するケージ2の昇降路7内の一側
面にガイドレール3a,3b、ガイドレール17a,1
7b及びスクリューネジ4を配置するとともに、ケージ
2の上面にナット5及びモータ6を搭載している。ナッ
ト5は、スクリューネジ4に螺合し、ケージ2の上面に
おいて回転自在に支持されている。モータ6は、ナット
5に対して正逆両方向の回転を選択的に供給する。ナッ
ト5は、モータ6から供給される回転により、その回転
方向に応じてスクリューネジ4を上下方向に移動し、こ
れにともなってケージ2が昇降路7内を昇降する。
【0021】ガイドレール3a,3b、ガイドレール1
7a,17b及びスクリューネジ4は、長手方向を垂直
方向にして設置されている。ガイドレール3a及び3b
のそれぞれは、長手方向に一様なコの字型断面を呈し、
それぞれの開放面が互いに対向している。ケージ2のガ
イドレール3a,3b及びスクリューネジ4に対向する
側面には、複数の支持体21が突出している。各支持体
21は、ローラ22を軸支している。複数のローラ22
のそれぞれは、ガイドレール3a,3bの開放面から内
部に嵌入しており、ガイドレール3a,3bの内周面に
当接しつつ回転する。このようにローラ22がガイドレ
ール3a,3bに嵌入することにより、昇降時における
ケージ2の水平方向の位置が規定されており、ケージ2
はガイドレール3a,3bの長手方向に沿って昇降す
る。
【0022】ガイドレール3a,3bの上端には滑車1
4a,14bが回転自在に支持されており、この滑車1
4a,14bのそれぞれにロープ15a,15bが掛け
られている。ロープ15a,15bの一端は、ケージ2
の上面に固定されている。ロープ15a,15bの他端
は、錘16の上面に固定されている。この錘16は、両
端をガイドレール17a,17bによって案内されて上
下方向に移動自在にされている。錘16の重量は、ケー
ジ2よりも軽量にされており、一例として無負荷状態の
ケージ2の重量の略60%にされている。したがって、
ケージ2には、滑車14a,14bに掛けられたロープ
15a,15bを介して錘16の重量が常に上向きに作
用する。これによって、ケージ2からモータ6に作用す
る負荷、及び、スクリューネジ4のネジ部とナット5の
ネジ部とに生じる摩擦力は、錘16の重量分だけ低減さ
れる。
【0023】図3は、上記スクリュー式エレベータのケ
ージ上面におけるナット及びモータの支持部を示す側面
図及び平面図である。ケージ2の上面には、フレーム1
1を介してナット5及び2基のモータ6a,6bが支持
されている。正逆両方向に回転可能な2基のモータ6
a,6bのそれぞれの回転軸には上下2段のプーリ61
a,61bが固定されている。一方、ナット5には同軸
状に上下4段のプーリ51が一体にされている。プーリ
61a,61bとプーリ51との間には、図2に示した
ベルト8a,8bが張架される。したがって、モータ6
a,6bの回転軸の回転は、プーリ61a,61bから
ベルト8a,8bを介してプーリ51に伝達され、ナッ
ト5がプーリ51と一体的に回転する。
【0024】なお、モータ6a,6bは常に同方向に回
転する。2基のモータ6a,6bを備えているのは、ナ
ット5に十分な回転トルクを供給するためであり、単一
又は3基以上のモータを備えることもできる。
【0025】図4は、上記スクリュー式エレベータのケ
ージ上面におけるナットの支持状態の詳細を示す側面断
面図である。フレーム11の中央部に形成された円筒形
状のケース12内においてケージ2の上面に支持された
ナット5は、駆動ナット5aと安全ナット5bとによっ
て構成されている。駆動ナット5aは外周面において上
側が円柱形状、下側が截頭円錐形状を呈し、プーリ51
に下方から嵌入している。プーリ51の外周面とケース
12の内周面との間にはベアリング52〜54が配置さ
れており、プーリ51はベアリング52〜54を介して
ケース12に回転自在に支持されている。
【0026】駆動ナット5aには、截頭円錐形状を呈す
る下側の外周面においてプーリ51を介してフレーム1
1を含むケージ2の荷重が作用する。この荷重によって
截頭円錐形状の外周面において駆動ナット5aとプーリ
51との間に生じる摩擦力により、プーリ51の回転が
駆動ナット5aに伝達される。駆動ナット5aには、結
合ネジ5cを介して安全ナット5bが一体的に固定され
ている。したがって、前述のモータ6a,6bからベル
トを介してプーリ51に回転力が伝達されることによ
り、駆動ナット5aと安全ナット5bとが一体的に回転
する。
【0027】なお、結合ネジ5cは、駆動ナット5aに
形成された上下方向の長孔を貫通して安全ナット5bの
ネジ穴に締結される。また、駆動ナット5aと安全ナッ
ト5bとの間には上下方向に所定の間隙が設けられてい
る。したがって、プーリ51を介して駆動ナット5aに
作用するケージ2の荷重は安全ナット5bには作用する
ことがなく、スクリューネジ4との螺合によって安全ナ
ット5bのネジ部に生じる磨耗は駆動ナット5aのネジ
部に磨耗を生じる磨耗に比較して極めて少ない。このた
め、スクリュー式エレベータ1が長期間にわたって使用
された際に駆動ナット5aのネジ部における磨耗が進行
し、駆動ナット5aのネジ部のピッチに生じた誤差によ
って駆動ナット5aが下方に移動した場合にも、駆動ナ
ット5aと安全ナット5bとが上下方向に当接すること
により、駆動ナット5aがケージ2とともに過剰に下方
に移動することを防止できる。
【0028】駆動ナット5a、安全ナット5b及びスク
リューネジ4のネジ部は台形ネジによって構成されてお
り、その傾斜角は、プーリ51を介してケージ2から駆
動ナット5aに作用する荷重の回転方向の分力が、駆動
ナット5aのネジ部とスクリューネジ4のネジ部との間
に生じる摩擦力よりも小さくなるように決定されてい
る。したがって、駆動ナット5aは、荷重の作用のみに
よって回転を生じることがなく、荷重の作用によってケ
ージ2の下降速度が上昇することもない。
【0029】このように、駆動ナット5aのネジ部とス
クリューネジ4のネジ部との間に生じる摩擦力によって
ケージ2の荷重を支えているため、ケージ2の昇降時に
おける駆動ナット5aの回転により、駆動ナット5aの
ネジ部及びスクリューネジ4のネジ部に互いの摩擦によ
る発熱を生じる。この発熱量は、駆動ナット5aのネジ
部とスクリューネジ4のネジ部との間に生じるケージ2
の荷重に応じた摩擦力に応じて増加する。したがって、
ケージ2自体の重量が重い場合やケージ2の積載負荷が
増え、ケージ2から駆動ナット5a及びスクリューネジ
4のネジ部に作用する荷重が増加すると、このネジ部に
おける発熱量が過大になり、プーリ51,61a,61
bとともに回転力の伝達機構を構成するベルト8a,8
bの寿命が短くなるとともに、これらの近傍に配置され
るセンタ等の部品に誤作動を生じる。
【0030】そこで、この発明では、ケージ2の上面に
滑車14a,14bに掛けられたロープ15a,15b
を介して錘16の重量を上向きに作用させ、ケージ2か
ら駆動ナット5a及びスクリューネジ4のネジ部に作用
する荷重を軽減し、このネジ部に生じる発熱量を低く抑
えている。これによって、駆動ナット5a及びスクリュ
ーネジ4のネジ部における発熱量が過大になることがな
く、ベルト8a,8bの寿命の短縮化、及び、センタ等
の部品に誤作動を未然に防止することができる。これと
ともに、ケージ2の昇降時におけるモータ5a,5bの
負荷も軽減され、モータ5a,5bに要求される駆動力
も低下する。これによって、モータ5a,5bを容量の
より小さなモータによって構成することができ、コスト
ダウンを実現できる。
【0031】なお、上述のように、錘16の重量として
は、積載負荷のない無負荷状態のケージ2の重量の略6
0%程度が適当である。この値は、実験により決定した
ものである。この実験結果を図5に示す。図5は、60
0kgの負荷を積載した自重710kgのケージ2を錘
16の重量を変化させて繰り返し昇降させた場合におけ
るケース12の温度(ナットケース温度)を測定した結
果を示している。錘16の重量をケージ2の自重の約3
0%である220kgとした場合には、図5(A)に示
すように、40回を越えてケージ2を昇降させるとナッ
トケース温度が90°Cを越える。ナットケース温度が
90°Cを越えると、伝達機構におけるベルト8a,8
bやセンサの周辺温度が85°Cを越え、ベルト8a,
8bの寿命が極端に短くなるとともに、センサが誤作動
を生じ易くなる。これに対して、錘16の重量をケージ
2の自重の約60%である440kgとした場合には、
図5(B)に示すように、ケージ2の繰り返し昇降回数
が40回を越えてもナットケース温度が90°Cを越え
ることがなく、ベルト8a,8bの寿命が著しく短縮し
たり、センサに誤作動を生じることがない。
【0032】ここで、スクリューネジ4及び駆動ナット
5aを用いたスクリュー式エレベータでは、スクリュー
ネジ4と駆動ナット5aとに常に摩擦を生じていること
が必要であり、このためには錘16の重量はケージ2の
自重よりも軽量であることが条件となる。一方、ケージ
2からスクリューネジ4及び駆動ナット5aのネジ部に
作用する荷重を軽減し、このネジ部に生じる発熱量を低
く抑えるためには、錘16の重量が重いほど効果的であ
る。したがって、錘16の重量をケージ2の自重に略等
しくすることも考えられる。
【0033】ところが、錘16の重量とケージ2の自重
との差が小さくなるにしたがって、ケージ2の昇降動作
の変動時に駆動ナット5aとプーリ51との接触面に滑
りを生じ易くなり、ケージ2を確実に昇降させることが
できなくなる可能性が高くなる。このため、錘16の重
量は、ケージ2の自重に極端に近づけるべきではない。
【0034】その一方、駆動ナット5aとプーリ51と
の接触面における滑りの発生は、エレベータの駆動部を
除く部分における機械的な抵抗を低減させてケージ2の
昇降動作を円滑化することにより抑制することができ
る。実験によれば、機械的な抵抗が理想的な状態では、
錘16の重量をケージ2の自重の80%程度まで増加さ
せても駆動ナット5aとプーリ51との接触面に滑りを
発生しなかった。
【0035】また、図5の実験結果は、現実の使用状況
を越える過大な繰り返し昇降回数において、駆動部の周
辺温度が90°Cに近づくことを示しており、現実の使
用状況下では、錘16の重量をケージ2の自重の50%
程度まで軽減しても、駆動負荷の軽減化、及び、発熱量
の低減化に効果があると考えられる。
【0036】これらのことから、錘16の重量として
は、ケージ2の自重の略50%〜80%程度の範囲に設
定すべきであると考えられるが、各部の経時変化による
機械的な抵抗の増加や外部温度等の環境条件の変動を考
慮して、上記範囲の中間値であるケージ2の自重の60
%程度がより好ましい。錘16の重量をこの値に設定し
ておくことで、各部の経時変化による機械的な抵抗の増
加や外部温度等の環境条件の変動だけでなくケージ2の
形状の多少の変化等にも対応でき、ケージ2の形状が多
少変化しても錘16の重量を変更する必要がなく、形状
の異なる複数種類のケージ2について単一の錘16を用
いることができる。
【0037】また、安全ナット5bの外周部には、ベア
リング55を介してナットカバー56が取り付けられて
いる。ナットカバー56は、駆動ナット5a及び安全ナ
ット5bのネジ部に対する塵埃の付着を防止する。
【0038】さらに、駆動ナット5aの上面には、図外
の取付ネジを介してスリット円板57が同軸状に取り付
けられている。したがって、スリット円板57は駆動ナ
ット5aと一体的に回転する。また、カバー12の上面
に固定されたナットカバー13には、スリット円板57
の上面に対向するフォトセンサ58a,58bが固定さ
れている。スリット円板57には複数のスリットが円周
方向において等間隔に形成されており、フォトセンサ5
8a,58bはスリット円板57に形成されたスリット
を介して駆動ナット5aの回転を光学的に検出する。
【0039】図6は、上記スクリュー式エレベータにお
けるモータの駆動部の構成を示すブロック図である。こ
の発明の実施形態に係るスクリュー式エレベータ1は、
モータ6a,6bの駆動回路9を備えている。駆動回路
9は、インバータ9a、ガバナ回路9b、異常検出回路
9c及び停止スイッチ9dを含む。インバータ9aは、
フォトセンサ58aの検出信号におけるスリットの検出
パルスの周波数が予め設定された所定周波数faとなる
ようにモータ6a,6bに供給する交流電源の周波数を
調整する。これによって、モータ6a,6bは、駆動ナ
ット5aが所定速度で回転するように駆動され、駆動ナ
ット5aは所定速度とネジ部のピッチとによって定まる
所定速度でスクリューネジ4を上下方向に移動する。
【0040】ガバナ回路9bは、フォトセンサ58aの
検出信号におけるスリットの検出パルスの周期が予め設
定された基準周波数ftを越えた際に、インバータ9a
又はモータ6a,6bに異常を生じたと判断し、インバ
ータ9aとモータ6a,6bとの間に配置された停止ス
イッチ9dによりモータ6a,6bに対する電源ライン
を切断する。なお、基準周波数ftの値としては、イン
バータ9aによる周波数制御のオーバシュートを考慮し
て所定周波数faより高い値が設定される。
【0041】異常検出回路9cは、インバータ9aから
モータ6a,6bに電源が供給されている状態で、フォ
トセンサ58bの検出信号にスリットの検出パルスが出
現しない場合に、ベルト切れ又はモータ6a,6bにお
ける異常を発生したと判断し、停止スイッチ9dにより
モータ6a,6bに対する電源ラインを切断する。
【0042】また、ガバナ回路9b又は異常検出回路9
cは、異常の発生を検出した際に、昇降路7の外部に配
置されている制御盤の表示部10a、及び、ケージ2の
内部に配置されている操作パネルの表示部10bにその
旨を表示する。
【0043】以上の構成により、上記の実施形態に係る
スクリュー式エレベータ1では、駆動回路9における周
波数制御によってモータ6a,6bが駆動され、モータ
6a,6bの回転がプーリ51を介して伝達されること
により、ケージ2の上面に支持された駆動ナット5aが
所定の回転速度で回転し、この回転速度とネジ部のピッ
チとによって定まる所定の移動速度で昇降路7の側面に
配置されたスクリューネジ4を上下方向に移動し、これ
にともなって、ケージ2がガイドレール3a,3bに沿
って所定速度で昇降する。したがって、ケージ2の昇降
動作に必要な部材の全てがケージ2の上面、及び、昇降
路7の側面に配置され、ケージ2の下方に昇降機構を配
置する必要がない。
【0044】また、駆動ナット5aは、ネジ部の傾斜角
を適当に選択することにより、ケージ2から作用する荷
重のみによって回転を生じることがないため、駆動回路
9又はモータ6a,6bに異常を生じない限りケージ2
の下降速度が増加することはない。また、駆動ナット5
aのネジ部の磨耗が進行した場合にも駆動ナット5a及
びケージ2の落下が安全ナット5bによって防止され
る。さらに、駆動回路9又はモータ6a,6bの異常に
よって駆動ナット5aの回転速度が上昇した場合には、
ガバナ回路9bによってモータ6a,6bに対する電源
ラインが切断され、モータ6a,6bの回転が停止す
る。このため、ケージ2の下降速度が過剰に上昇するこ
とはなく、ケージ2の最下階における停止位置の下方に
緩衝機構を配置する必要がない。
【0045】これらのことから、上記の実施形態に係る
スクリュー式エレベータ1では、最下階の床面の下方に
昇降機構や緩衝機構を設置するために十分な深さのピッ
トを形成するための穴堀作業を行う必要がなく、設置工
事を簡略化して工事期間を短縮することができるととも
に、工事費用の低廉化を図ることができる。
【0046】図7は、この発明の別の実施形態に係るス
クリュー式エレベータが備える検出手段及び制動手段の
構成を示す平面図及び側面図である。スクリュー式エレ
ベータ1のケージ2においてスクリューネジ4に対向す
る側面から延出した2本のアーム21のそれぞれには、
シャフト22の両端部が支持されている。2本のアーム
21のそれぞれは2本のガイドレール3a,3bの間に
おいてガイドレール3a,3bに近接する位置に延出し
ている。シャフト22の両端部においてアーム21の外
側に突出した部分には、偏心カム23が固定されてい
る。この偏心カム23においてガイドレール3a,3b
の背面に所定の間隙を設けて対向する周面は、ローレッ
ト加工等によって粗面化されている。さらに、2本のア
ーム21のそれぞれには、コの字型断面形状を呈するガ
イドレール3a,3b内に遊嵌するシュー24が固定さ
れている。
【0047】シャフト22の周面において2本のアーム
21の間に位置する部分には、レバー25が固定されて
いる。したがって、シャフト22、偏心カム23及びレ
バー25は、2本のアーム21に支持されて一体的に回
転する。シャフト22の両端近傍に固定された係止部材
22aには、下端をアーム21の一部に係止したコイル
スプリング26の上端が係止されている。係止部材22
aの一部には図外のストッパが当接しており、コイルス
プリング26はストッパによって伸長した状態に保持さ
れている。レバー25にはソレノイド28のアクチュエ
ータ28aが係合している。図外のソレノイド駆動回路
から出力される駆動信号によってソレノイド28を駆動
すると、アクチュエータ28aが矢印A方向に移動し、
レバー25をシャフト22の回転軸を中心として矢印B
方向に回転させるとともに、係止部材22aに対するス
トッパの当接状態を解除する。これによって、コイルス
プリング26の収縮方向の弾性力がレバー25の矢印B
方向の付勢力として作用する。
【0048】2本のアーム21のそれぞれには、光電セ
ンサ29を構成する投光素子29a及び受光素子29b
が取り付けられている。光電センサ29の投光素子29
a及び受光素子29bは、ナット5の下方においてスク
リューネジ4に対向する。したがって、スクリューネジ
4が適正な位置に存在する場合には、投光素子29aか
ら照射された光はスクリューネジ4に遮られて受光素子
29bに受光されない。これに対して、スクリューネジ
4が適正な位置に存在しない場合には、投光素子29a
から照射された光はスクリューネジ4に遮られることな
く受光素子29bに受光される。したがって、受光素子
29bの出力信号に基づいて、スクリューネジ4が適正
な位置に存在するか否かを検出できる。
【0049】ソレノイド28のソレノイド駆動回路は、
光電センサ29の受光素子29bが投光素子29aから
照射された光の受光信号を出力した際に、ソレノイド2
8に対して駆動信号を出力する。即ち、ナット5の下方
にスクリューネジ4が適正に存在しなくなった時にソレ
ノイド駆動回路からソレノイド28に駆動信号が出力さ
れ、ソレノイド28のアクチュエータ28aが矢印A方
向に移動し、アクチュエータ28aの動作、及び、コイ
ルスプリング26の収縮方向の弾性力によってレバー2
5がシャフト22及び偏心カム23と一体的に矢印B方
向に回転する。偏心カム23は、ソレノイド28が駆動
されていない状態では径が最も小さい部分の周面でガイ
ドレール3a,3bの背面に対向しており、ソレノイド
28の駆動によって矢印B方向に回転することにより周
面においてガイドレール3a,3bの背面に対向する部
分の径が徐々に大きくなる。
【0050】偏心カム23が矢印B方向に所定の回転角
度まで回転した際に偏心カム23の周面においてガイド
レール3a,3bの背面に対向する部分の半径とソレノ
イド28が駆動されていない状態でガイドレール3a,
3bの背面に対向していた部分の半径との差が、小径部
の周面がガイドレール3a,3bの背面に対向している
状態(ソレノイド28の非駆動時)における偏心カム2
3の周面とガイドレール3a,3bの背面との間隙、及
び、シュー24の背面とガイドレール3a,3bの内面
との間隙の和よりも大きくなる。したがって、ソレノイ
ド28が駆動されて偏心カム23が矢印B方向に回転し
ていくと、偏心カム23の周面がガイドレール3a,3
bの背面に当接した後、偏心カム23の周面とシュー2
4の背面との間にガイドレール3a,3bが挟持され、
偏心カム23の周面及びシュー24の背面とガイドレー
ル3a,3bとの間に生じる摩擦抵抗が制動力としてケ
ージ2に作用する。
【0051】以上の構成において、シャフト22、偏心
カム23、シュー24、レバー25、コイルスプリング
26、ソレノイド28及び図外のソレノイド駆動回路が
この発明の制動手段に相当し、光電センサ29が同じく
検出手段に相当する。この構成により、スクリューネジ
4が破損等を生じ、ナット5が螺合すべきスクリューネ
ジ4がナット5の下方の適正な位置に存在しなくなった
場合には、検出手段が状態を検出して制動手段が動作
し、ケージ2に制動力が作用するため、ケージ2の自由
落下を防止して重大な事故の発生を未然に防止すること
ができる。
【0052】なお、この発明の制動手段は、検出手段が
ナット5の下方の適正な位置にスクリューネジ4が存在
しない状態を検出した時にガイドレール3a,3bとの
摩擦係合によってケージ2に制動力を作用させるもので
あることを条件として種々の構成をとることができ、図
7に示した構成に限るものではない。
【0053】
【発明の効果】この発明によれば、以下の効果を奏する
ことができる。
【0054】(1) スクリューネジ又はナットを正転又は
逆転させた際に、ケージをガイドレールに沿って昇降さ
せることより、ケージの下降速度をスクリューネジ又は
ナットの回転速度とスクリューネジ及びナットのネジ部
のピッチとによって定め、ケージから作用する荷重によ
って下降速度が増加することがないようにするととも
に、ケージを昇降させるための機構をケージの昇降方向
に沿って形成することにより、最下階の床面の下方に緩
衝機構や昇降機構を配置するためのピットを形成する必
要をなくし、工事期間の短縮及び工事費用の低廉化を実
現できる。
【0055】また、ケージに搭載されたモータによって
ケージに支持されたナットを回転し、モータから供給さ
れる回転力の回転方向に応じてスクリューネジを上下動
するナットとともにケージをガイドレールに沿って昇降
させることにより、ケージを昇降させるための回転部を
全てケージに搭載することができ、ケージの昇降範囲以
外に回転部を配置する必要がなく、エレベータの設置ス
ペースを小型化することができる。
【0056】さらに、ナットの回転速度が予め設定され
た所定速度に一致するようにモータの駆動を制御するこ
とにより、ナットを予め設定された所定速度とスクリュ
ーネジ及びナットのネジ部のピッチとによって定まる一
定速度で上下動させ、ケージを一定速度で昇降させるこ
とができる。
【0057】加えて、ケージには滑車に掛けられたロー
プを介してケージよりも軽い錘の重量を上向きに作用さ
せることにより、ケージの重量から錘の重量を差し引い
た荷重をスクリューネジのネジ部とナットとのネジ部と
の接触面における摩擦力によって支えるようにし、錘の
重量分だけ摩擦力が低下して摩擦熱による発熱を低く抑
えることができる。また、ケージを昇降させる際のモー
タの負荷も錘の重量分だけ減少し、ケージの昇降に必要
とされるモータの容量が小さくなる。これによって、ケ
ージの昇降時におけるスクリューネジ及びナットのネジ
部の発熱量が過大になることを防止し、モータの回転を
ナットに伝達する伝達機構を構成するベルトの寿命の短
縮化、及び、伝達機構に設けられたセンサの誤作動の発
生を確実に防止できるとともに、ケージを昇降させるた
めに必要な駆動力を軽減してモータ容量の小型化を実現
することができる。
【0058】(2) ケージには滑車に掛けられたロープを
介して無荷重状態のケージの略50%〜80%の重量を
上向きに作用させることにより、ケージの重量のうち略
50%〜20%の重量にケージの積載負荷を加えた荷重
をスクリューネジとナットとのネジ部の接触面における
摩擦力によって支えるようにし、摩擦熱による発熱を十
分に低く抑える程度に摩擦力を低下させることができ
る。また、ケージを昇降させる際のモータの負荷を無負
荷状態のケージの略50%〜80%減少させることがで
き、ケージの昇降に必要とされるモータの容量を十分に
小さくできる。
【0059】(3) ナットが予め設定された基準速度より
速い速度で回転した場合にモータの駆動を停止すること
により、駆動系の異常等によってモータが過回転を生じ
た場合に、ナットに対する回転の供給を停止し、ナット
及びケージが基準速度とネジ部のピッチとによって定ま
る速度より速い速度で昇降することを確実に防止するこ
とができる。
【0060】(4) ナットの下方においてスクリューネジ
が存在しなくなった時に制動手段がガイドレールに摩擦
係合することにより、スクリューネジが破損してナット
の下方にナットが螺合すべきスクリューネジが存在しな
くなった場合に制動手段とガイドレールとの摩擦力を制
動力としてケージに作用させることができ、ケージの自
由落下を防止して重大な事故の発生を未然に防止するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係るスクリュー式エレベ
ータの構成を示す図である。
【図2】同スクリュー式エレベータの平面図である。
【図3】同スクリュー式エレベータのケージ上面におけ
るナット及びモータの支持部を示す側面図及び平面図で
ある。
【図4】同スクリュー式エレベータのケージ上面におけ
るナットの支持状態の詳細を示す側面断面図である。
【図5】同スクリュー式エレベータにおける錘の重量を
決定するための実験結果を示す図である。
【図6】同スクリュー式エレベータにおけるモータの駆
動部の構成を示すブロック図である。
【図7】この発明の別の実施形態に係るスクリュー式エ
レベータの制動手段及び検出手段の構成を示す平面図及
び側面図である。
【符号の説明】
1−スクリュー式エレベータ 2−ケージ 3a,3b−ガイドレール 4−スクリューネジ 5−ナット 5a−駆動ナット 5b−安全ナット 6a,6b−モータ 7−昇降路 8a,8b−ベルト 9−駆動回路 14a,14b−滑車 15a,15b−ロープ 16−錘 22−シャフト(制動手段) 23−偏心カム(制動手段) 24−シュー(制動手段) 25−レバー(制動手段) 26−コイルスプリング(制動手段) 28−ソレノイド(制動手段) 29−光電センサ(検出手段) 58a,58b−フォトセンサ(回転検出手段)
【手続補正書】
【提出日】平成13年2月13日(2001.2.1
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】明細書
【発明の名称】スクリュー式エレベータ用錘
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、スクリューネジ
とナットとの相対的な回転により、ナットを支持したケ
ージを昇降させるスクリュー式エレベータに用いられる
スクリュー式エレベータ用錘に関する。
【0002】
【従来の技術】人や貨物を搭載したケージを昇降させる
エレベータとして、従来より、主としてロープ式エレベ
ータ又は油圧式エレベータが用いられている。ロープ式
エレベータは、滑車に掛けられたロープの両端のそれぞ
れにケージ及び錘を吊り下げ、モータの駆動によって滑
車を正転又は逆転させることにより、滑車とロープとの
間の摩擦力によってケージを昇降させる。また、油圧式
エレベータは、ポンプから供給される圧油によって伸縮
するダンパの動作をリンク機構を介してケージに伝達す
ることにより、ケージを昇降させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ロープ
式エレベータでは、滑車とロープとの間に生じる摩擦力
によって滑車の回転をロープに伝達してケージを昇降さ
せるようにしているため、滑車とロープとの間に滑りを
生じた際にケージの昇降速度が所定の速度を越え、ケー
ジが最下階の停止位置よりも下方まで下降する場合があ
り、このような場合にはケージに過大な衝撃を作用させ
ることなくケージの下降を停止させなければならない。
このため、ロープ式エレベータでは、最下階の床面より
も下方に、緩衝機構を設置するためのピットと呼ばれる
スペースを設ける必要があり、ピットを形成するための
穴堀作業によってエレベータの設置工事が長期化すると
ともに、工事費用が高騰する問題がある。一方、油圧式
エレベータでは、最下階の床面よりも下方に、油圧機構
及びリンク機構からなる昇降機構を緩衝機構とともに設
置するためのスペースが必要で、ロープ式エレベータと
同様に設置工事の長期化、及び、工事費用の高騰を招く
問題がある。
【0004】そこで、台形ネジによりネジ部を構成した
スクリューネジとナットとの相対的な螺合回転のみによ
るナットの上下移動によってケージを昇降させることが
考えられる。この構成によれば、互いに螺合したスクリ
ューネジとナットとのネジ部に生じる摩擦力がナットの
回転に対する制動力として働くためにスクリューネジ又
はナットに回転力が作用しない限りナットに作用するネ
ジの軸方向の荷重のみによってはナットが移動すること
がないというセルフロック機能により、ケージから作用
する荷重による下降速度の増加を確実に防止することが
でる。また、ケージを昇降させるための機構をケージの
側面のみに配置することができ、最下階の床面の下方に
緩衝機構や昇降機構を配置するためのピットを形成する
必要がなく、設置工事を短期化できるとともに、工事費
用の低廉化を実現できる。
【0005】一方、台形ネジによって構成されたネジ部
において互いに螺合するスクリューネジとナットとの相
対的な回転のみによるナットの上下移動によってケージ
を昇降させる構成では、ナットに作用するケージの荷重
をスクリューネジのネジ部とナットのネジ部との接触面
における摩擦力によって支えることになるため、ケージ
に対する負荷が大きくなるにしたがってスクリューネジ
とナットとを相対的に螺合回転させるために必要な駆動
力も大きくなり、ケージを昇降させるための駆動源とし
て十分に大きな容量のモータが必要とされ、コストの上
昇を招く問題がある。
【0006】また、比較的大きな負荷が作用している状
態でケージの昇降が繰り返されるとネジ部の接触面に摩
擦熱による過大な発熱を生じ、モータからナットに回転
を伝達する駆動機構の周辺温度が上昇し、駆動機構を構
成するベルトの寿命が短縮するとともに、駆動機構に設
けられる速度検出センサ等の電子部品が誤作動を生じる
問題がある。
【0007】この発明の目的は、スクリューネジ及びナ
ットを介してケージを昇降させる場合に、スクリューネ
ジ及びナットのネジ部にケージから作用する荷重を軽減
することにより、ケージの昇降時におけるスクリューネ
ジ及びナットのネジ部の発熱量が過大になることを防止
し、駆動機構におけるベルトの寿命の短縮化、及び速度
検出センサ等の電子部品の誤作動を未然に防止すること
ができるとともに、ケージを昇降させるために必要な駆
動力を軽減してモータ容量の小型化を実現することがで
きるスクリュー式エレベータ用錘を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するための手段として、以下の構成を備えてい
る。
【0009】(1) 台形ネジでネジ部を構成したスクリュ
ーネジ及びガイドレールをケージの昇降方向に設置する
とともに、スクリューネジに螺合するナット、ガイドレ
ールに摺動する摺動体、ナットに回転力を供給するモー
タ、及び、ナットの回転速度が所定速度に一致するよう
にモータの駆動を制御する駆動制御部をケージに設け
駆動制御部によって駆動制御されるモータからナットに
正逆両方向の回転を選択的に供給してケージをガイドレ
ールに沿って昇降させるスクリュー式エレベータにおい
て、ガイドレールの上端に軸支した滑車に掛けられると
ともに一端にケージを吊り下げたロープの他端に吊り下
げられる錘であって、ケージの昇降時におけるスクリュ
ーネジ及びナットの発熱状態に基づいて重量を決定した
ことを特徴とする。
【0010】この構成においては、ケージには滑車に掛
けられたロープを介してケージよりも軽い錘の重量が上
向きに作用する。したがって、ケージの重量から錘の重
量を差し引いた荷重をスクリューネジのネジ部とナッ
ネジ部の接触面における摩擦力によって支えること
になり、錘の重量分だけ摩擦力が低下して摩擦熱による
発熱が低く抑えられる。また、ケージを昇降させる際の
モータの負荷も錘の重量分だけ減少し、ケージの昇降に
必要とされるモータの容量が小さくなる。
【0011】(2) 前記重量は、無負荷状態のケージの略
50〜80%の重量であることを特徴とする。
【0012】この構成においては、ケージには滑車に掛
けられたロープを介して無荷重状態のケージの略50〜
80%の重量が上向きに作用する。したがって、ケージ
の重量のうち略50〜20%の重量にケージの積載負荷
を加えた荷重をスクリューネジのネジ部とナットのネジ
部との接触面における摩擦力によって支えることにな
り、ケージを繰り返し昇降させた場合の摩擦熱による発
熱を十分に低く抑える程度に摩擦力が低下する。また、
ケージを昇降させる際のモータの負荷も無負荷状態のケ
ージの略50〜80%減少し、ケージの昇降に必要とさ
れるモータの容量が十分に小さくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の実施形態に係
錘が適用されるスクリュー式エレベータの構成を示す
図である。また、図2は、同スクリュー式エレベータの
平面図である。この発明の実施形態に係るスクリュー式
エレベータ1は、垂直方向に昇降するケージ2の昇降路
7内の一側面にガイドレール3a,3b、ガイドレール
17a,17b及びスクリューネジ4を配置するととも
に、ケージ2の上面にナット5及びモータ6を搭載して
いる。ナット5は、スクリューネジ4に螺合し、ケージ
2の上面において回転自在に支持されている。モータ6
は、ナット5に対して正逆両方向の回転を選択的に供給
する。ナット5は、モータ6から供給される回転によ
り、その回転方向に応じてスクリューネジ4を上下方向
に移動し、これにともなってケージ2が昇降路7内を昇
降する。
【0014】ガイドレール3a,3b、ガイドレール1
7a,17b及びスクリューネジ4は、長手方向を垂直
方向にして設置されている。ガイドレール3a及び3b
のそれぞれは、長手方向に一様なコの字型断面を呈し、
それぞれの開放面が互いに対向している。ケージ2のガ
イドレール3a,3b及びスクリューネジ4に対向する
側面には、複数の支持体21が突出している。各支持体
21は、ローラ22を軸支している。複数のローラ22
のそれぞれは、ガイドレール3a,3bの開放面から内
部に嵌入しており、ガイドレール3a,3bの内周面に
当接しつつ回転する。このようにローラ22がガイドレ
ール3a,3bに嵌入することにより、昇降時における
ケージ2の水平方向の位置が規定されており、ケージ2
はガイドレール3a,3bの長手方向に沿って昇降す
る。
【0015】ガイドレール3a,3bの上端には滑車1
4a,14bが回転自在に支持されており、この滑車1
4a,14bのそれぞれにロープ15a,15bが掛け
られている。ロープ15a,15bの一端は、ケージ2
の上面に固定されている。ロープ15a,15bの他端
は、錘16の上面に固定されている。この錘16は、両
端をガイドレール17a,17bによって案内されて上
下方向に移動自在にされている。錘16の重量は、ケー
ジ2よりも軽量にされており、一例として無負荷状態の
ケージ2の重量の略60%にされている。したがって、
ケージ2には、滑車14a,14bに掛けられたロープ
15a,15bを介して錘16の重量が常に上向きに作
用する。これによって、ケージ2からモータ6に作用す
る負荷、及び、スクリューネジ4のネジ部とナット5の
ネジ部とに生じる摩擦力は、錘16の重量分だけ低減さ
れる。
【0016】図3は、上記スクリュー式エレベータのケ
ージ上面におけるナット及びモータの支持部を示す側面
図及び平面図である。ケージ2の上面には、フレーム1
1を介してナット5及び2基のモータ6a,6bが支持
されている。正逆両方向に回転可能な2基のモータ6
a,6bのそれぞれの回転軸には上下2段のプーリ61
a,61bが固定されている。一方、ナット5には同軸
状に上下4段のプーリ51が一体にされている。プーリ
61a,61bとプーリ51との間には、図2に示した
ベルト8a,8bが張架される。したがって、モータ6
a,6bの回転軸の回転は、プーリ61a,61bから
ベルト8a,8bを介してプーリ51に伝達され、ナッ
ト5がプーリ51と一体的に回転する。
【0017】なお、モータ6a,6bは常に同方向に回
転する。2基のモータ6a,6bを備えているのは、ナ
ット5に十分な回転トルクを供給するためであり、単一
又は3基以上のモータを備えることもできる。
【0018】図4は、上記スクリュー式エレベータのケ
ージ上面におけるナットの支持状態の詳細を示す側面断
面図である。フレーム11の中央部に形成された円筒形
状のケース12内においてケージ2の上面に支持された
ナット5は、駆動ナット5aと安全ナット5bとによっ
て構成されている。駆動ナット5aは外周面において上
側が円柱形状、下側が截頭円錐形状を呈し、プーリ51
に下方から嵌入している。プーリ51の外周面とケース
12の内周面との間にはベアリング52〜54が配置さ
れており、プーリ51はベアリング52〜54を介して
ケース12に回転自在に支持されている。
【0019】駆動ナット5aには、截頭円錐形状を呈す
る下側の外周面においてプーリ51を介してフレーム1
1を含むケージ2の荷重が作用する。この荷重によって
截頭円錐形状の外周面において駆動ナット5aとプーリ
51との間に生じる摩擦力により、プーリ51の回転が
駆動ナット5aに伝達される。駆動ナット5aには、結
合ネジ5cを介して安全ナット5bが一体的に固定され
ている。したがって、前述のモータ6a,6bからベル
トを介してプーリ51に回転力が伝達されることによ
り、駆動ナット5aと安全ナット5bとが一体的に回転
する。
【0020】なお、結合ネジ5cは、駆動ナット5aに
形成された上下方向の長孔を貫通して安全ナット5bの
ネジ穴に締結される。また、駆動ナット5aと安全ナッ
ト5bとの間には上下方向に所定の間隙が設けられてい
る。したがって、プーリ51を介して駆動ナット5aに
作用するケージ2の荷重は安全ナット5bには作用する
ことがなく、スクリューネジ4との螺合によって安全ナ
ット5bのネジ部に生じる磨耗は駆動ナット5aのネジ
部に磨耗を生じる磨耗に比較して極めて少ない。このた
め、スクリュー式エレベータ1が長期間にわたって使用
された際に駆動ナット5aのネジ部における磨耗が進行
し、駆動ナット5aのネジ部のピッチに生じた誤差によ
って駆動ナット5aが下方に移動した場合にも、駆動ナ
ット5aと安全ナット5bとが上下方向に当接すること
により、駆動ナット5aがケージ2とともに過剰に下方
に移動することを防止できる。
【0021】駆動ナット5a、安全ナット5b及びスク
リューネジ4のネジ部は台形ネジによって構成されてお
り、その傾斜角は、プーリ51を介してケージ2から駆
動ナット5aに作用する荷重の回転方向の分力が、駆動
ナット5aのネジ部とスクリューネジ4のネジ部との間
に生じる摩擦力よりも小さくなるように決定されてい
る。したがって、駆動ナット5aは、荷重の作用のみに
よって回転を生じることがなく、荷重の作用によってケ
ージ2の下降速度が上昇することもない。
【0022】このように、駆動ナット5aのネジ部とス
クリューネジ4のネジ部との間に生じる摩擦力によって
ケージ2の荷重を支えているため、ケージ2の昇降時に
おける駆動ナット5aの回転により、駆動ナット5aの
ネジ部及びスクリューネジ4のネジ部に互いの摩擦によ
る発熱を生じる。この発熱量は、駆動ナット5aのネジ
部とスクリューネジ4のネジ部との間に生じるケージ2
の荷重に応じた摩擦力に応じて増加する。したがって、
ケージ2自体の重量が重い場合やケージ2の積載負荷が
増え、ケージ2から駆動ナット5a及びスクリューネジ
4のネジ部に作用する荷重が増加すると、このネジ部に
おける発熱量が過大になり、プーリ51,61a,61
bとともに回転力の伝達機構を構成するベルト8a,8
bの寿命が短くなるとともに、これらの近傍に配置され
るセンタ等の部品に誤作動を生じる。
【0023】そこで、この発明では、ケージ2の上面に
滑車14a,14bに掛けられたロープ15a,15b
を介して錘16の重量を上向きに作用させ、ケージ2か
ら駆動ナット5a及びスクリューネジ4のネジ部に作用
する荷重を軽減し、このネジ部に生じる発熱量を低く抑
えている。これによって、駆動ナット5a及びスクリュ
ーネジ4のネジ部における発熱量が過大になることがな
く、ベルト8a,8bの寿命の短縮化、及び、センタ等
の部品に誤作動を未然に防止することができる。これと
ともに、ケージ2の昇降時におけるモータ5a,5bの
負荷も軽減され、モータ5a,5bに要求される駆動力
も低下する。これによって、モータ5a,5bを容量の
より小さなモータによって構成することができ、コスト
ダウンを実現できる。
【0024】なお、上述のように、錘16の重量として
は、積載負荷のない無負荷状態のケージ2の重量の略6
0%程度が適当である。この値は、実験により決定した
ものである。この実験結果を図5に示す。図5は、60
0kgの負荷を積載した自重710kgのケージ2を錘
16の重量を変化させて繰り返し昇降させた場合におけ
るケース12の温度(ナットケース温度)を測定した結
果を示している。錘16の重量をケージ2の自重の約3
0%である220kgとした場合には、図5(A)に示
すように、40回を越えてケージ2を昇降させるとナッ
トケース温度が90°Cを越える。ナットケース温度が
90°Cを越えると、伝達機構におけるベルト8a,8
bやセンサの周辺温度が85°Cを越え、ベルト8a,
8bの寿命が極端に短くなるとともに、センサが誤作動
を生じ易くなる。これに対して、錘16の重量をケージ
2の自重の約60%である440kgとした場合には、
図5(B)に示すように、ケージ2の繰り返し昇降回数
が40回を越えてもナットケース温度が90°Cを越え
ることがなく、ベルト8a,8bの寿命が著しく短縮し
たり、センサに誤作動を生じることがない。
【0025】ここで、スクリューネジ4及び駆動ナット
5aを用いたスクリュー式エレベータでは、スクリュー
ネジ4と駆動ナット5aとに常に摩擦を生じていること
が必要であり、このためには錘16の重量はケージ2の
自重よりも軽量であることが条件となる。一方、ケージ
2からスクリューネジ4及び駆動ナット5aのネジ部に
作用する荷重を軽減し、このネジ部に生じる発熱量を低
く抑えるためには、錘16の重量が重いほど効果的であ
る。したがって、錘16の重量をケージ2の自重に略等
しくすることも考えられる。
【0026】ところが、錘16の重量とケージ2の自重
との差が小さくなるにしたがって、ケージ2の昇降動作
の変動時に駆動ナット5aとプーリ51との接触面に滑
りを生じ易くなり、ケージ2を確実に昇降させることが
できなくなる可能性が高くなる。このため、錘16の重
量は、ケージ2の自重に極端に近づけるべきではない。
【0027】その一方、駆動ナット5aとプーリ51と
の接触面における滑りの発生は、エレベータの駆動部を
除く部分における機械的な抵抗を低減させてケージ2の
昇降動作を円滑化することにより抑制することができ
る。実験によれば、機械的な抵抗が理想的な状態では、
錘16の重量をケージ2の自重の80%程度まで増加さ
せても駆動ナット5aとプーリ51との接触面に滑りを
発生しなかった。
【0028】また、図5の実験結果は、現実の使用状況
を越える過大な繰り返し昇降回数において、駆動部の周
辺温度が90°Cに近づくことを示しており、現実の使
用状況下では、錘16の重量をケージ2の自重の50%
程度まで軽減しても、駆動負荷の軽減化、及び、発熱量
の低減化に効果があると考えられる。
【0029】これらのことから、錘16の重量として
は、ケージ2の自重の略50%〜80%程度の範囲に設
定すべきであると考えられるが、各部の経時変化による
機械的な抵抗の増加や外部温度等の環境条件の変動を考
慮して、上記範囲の中間値であるケージ2の自重の60
%程度がより好ましい。錘16の重量をこの値に設定し
ておくことで、各部の経時変化による機械的な抵抗の増
加や外部温度等の環境条件の変動だけでなくケージ2の
形状の多少の変化等にも対応でき、ケージ2の形状が多
少変化しても錘16の重量を変更する必要がなく、形状
の異なる複数種類のケージ2について単一の錘16を用
いることができる。
【0030】また、安全ナット5bの外周部には、ベア
リング55を介してナットカバー56が取り付けられて
いる。ナットカバー56は、駆動ナット5a及び安全ナ
ット5bのネジ部に対する塵埃の付着を防止する。
【0031】さらに、駆動ナット5aの上面には、図外
の取付ネジを介してスリット円板57が同軸状に取り付
けられている。したがって、スリット円板57は駆動ナ
ット5aと一体的に回転する。また、カバー12の上面
に固定されたナットカバー13には、スリット円板57
の上面に対向するフォトセンサ58a,58bが固定さ
れている。スリット円板57には複数のスリットが円周
方向において等間隔に形成されており、フォトセンサ5
8a,58bはスリット円板57に形成されたスリット
を介して駆動ナット5aの回転を光学的に検出する。
【0032】図6は、上記スクリュー式エレベータにお
けるモータの駆動部の構成を示すブロック図である。こ
の発明の実施形態に係るスクリュー式エレベータ1は、
モータ6a,6bの駆動回路9を備えている。駆動回路
9は、インバータ9a、ガバナ回路9b、異常検出回路
9c及び停止スイッチ9dを含む。インバータ9aは、
フォトセンサ58aの検出信号におけるスリットの検出
パルスの周波数が予め設定された所定周波数faとなる
ようにモータ6a,6bに供給する交流電源の周波数を
調整する。これによって、モータ6a,6bは、駆動ナ
ット5aが所定速度で回転するように駆動され、駆動ナ
ット5aは所定速度とネジ部のピッチとによって定まる
所定速度でスクリューネジ4を上下方向に移動する。
【0033】ガバナ回路9bは、フォトセンサ58aの
検出信号におけるスリットの検出パルスの周期が予め設
定された基準周波数ftを越えた際に、インバータ9a
又はモータ6a,6bに異常を生じたと判断し、インバ
ータ9aとモータ6a,6bとの間に配置された停止ス
イッチ9dによりモータ6a,6bに対する電源ライン
を切断する。なお、基準周波数ftの値としては、イン
バータ9aによる周波数制御のオーバシュートを考慮し
て所定周波数faより高い値が設定される。
【0034】異常検出回路9cは、インバータ9aから
モータ6a,6bに電源が供給されている状態で、フォ
トセンサ58bの検出信号にスリットの検出パルスが出
現しない場合に、ベルト切れ又はモータ6a,6bにお
ける異常を発生したと判断し、停止スイッチ9dにより
モータ6a,6bに対する電源ラインを切断する。
【0035】また、ガバナ回路9b又は異常検出回路9
cは、異常の発生を検出した際に、昇降路7の外部に配
置されている制御盤の表示部10a、及び、ケージ2の
内部に配置されている操作パネルの表示部10bにその
旨を表示する。
【0036】以上の構成により、上記の実施形態に係る
スクリュー式エレベータ1では、駆動回路9における周
波数制御によってモータ6a,6bが駆動され、モータ
6a,6bの回転がプーリ51を介して伝達されること
により、ケージ2の上面に支持された駆動ナット5aが
所定の回転速度で回転し、この回転速度とネジ部のピッ
チとによって定まる所定の移動速度で昇降路7の側面に
配置されたスクリューネジ4を上下方向に移動し、これ
にともなって、ケージ2がガイドレール3a,3bに沿
って所定速度で昇降する。したがって、ケージ2の昇降
動作に必要な部材の全てがケージ2の上面、及び、昇降
路7の側面に配置され、ケージ2の下方に昇降機構を配
置する必要がない。
【0037】また、駆動ナット5aは、ネジ部の傾斜角
を適当に選択することにより、ケージ2から作用する荷
重のみによって回転を生じることがないため、駆動回路
9又はモータ6a,6bに異常を生じない限りケージ2
の下降速度が増加することはない。また、駆動ナット5
aのネジ部の磨耗が進行した場合にも駆動ナット5a及
びケージ2の落下が安全ナット5bによって防止され
る。さらに、駆動回路9又はモータ6a,6bの異常に
よって駆動ナット5aの回転速度が上昇した場合には、
ガバナ回路9bによってモータ6a,6bに対する電源
ラインが切断され、モータ6a,6bの回転が停止す
る。このため、ケージ2の下降速度が過剰に上昇するこ
とはなく、ケージ2の最下階における停止位置の下方に
緩衝機構を配置する必要がない。
【0038】これらのことから、上記の実施形態に係る
スクリュー式エレベータ1では、最下階の床面の下方に
昇降機構や緩衝機構を設置するために十分な深さのピッ
トを形成するための穴堀作業を行う必要がなく、設置工
事を簡略化して工事期間を短縮することができるととも
に、工事費用の低廉化を図ることができる。
【0039】図7は、上記スクリュー式エレベータ
えることができる検出手段及び制動手段の構成を示す平
面図及び側面図である。スクリュー式エレベータ1のケ
ージ2においてスクリューネジ4に対向する側面から延
出した2本のアーム21のそれぞれには、シャフト22
の両端部が支持されている。2本のアーム21のそれぞ
れは2本のガイドレール3a,3bの間においてガイド
レール3a,3bに近接する位置に延出している。シャ
フト22の両端部においてアーム21の外側に突出した
部分には、偏心カム23が固定されている。この偏心カ
ム23においてガイドレール3a,3bの背面に所定の
間隙を設けて対向する周面は、ローレット加工等によっ
て粗面化されている。さらに、2本のアーム21のそれ
ぞれには、コの字型断面形状を呈するガイドレール3
a,3b内に遊嵌するシュー24が固定されている。
【0040】シャフト22の周面において2本のアーム
21の間に位置する部分には、レバー25が固定されて
いる。したがって、シャフト22、偏心カム23及びレ
バー25は、2本のアーム21に支持されて一体的に回
転する。シャフト22の両端近傍に固定された係止部材
22aには、下端をアーム21の一部に係止したコイル
スプリング26の上端が係止されている。係止部材22
aの一部には図外のストッパが当接しており、コイルス
プリング26はストッパによって伸長した状態に保持さ
れている。レバー25にはソレノイド28のアクチュエ
ータ28aが係合している。図外のソレノイド駆動回路
から出力される駆動信号によってソレノイド28を駆動
すると、アクチュエータ28aが矢印A方向に移動し、
レバー25をシャフト22の回転軸を中心として矢印B
方向に回転させるとともに、係止部材22aに対するス
トッパの当接状態を解除する。これによって、コイルス
プリング26の収縮方向の弾性力がレバー25の矢印B
方向の付勢力として作用する。
【0041】2本のアーム21のそれぞれには、光電セ
ンサ29を構成する投光素子29a及び受光素子29b
が取り付けられている。光電センサ29の投光素子29
a及び受光素子29bは、ナット5の下方においてスク
リューネジ4に対向する。したがって、スクリューネジ
4が適正な位置に存在する場合には、投光素子29aか
ら照射された光はスクリューネジ4に遮られて受光素子
29bに受光されない。これに対して、スクリューネジ
4が適正な位置に存在しない場合には、投光素子29a
から照射された光はスクリューネジ4に遮られることな
く受光素子29bに受光される。したがって、受光素子
29bの出力信号に基づいて、スクリューネジ4が適正
な位置に存在するか否かを検出できる。
【0042】ソレノイド28のソレノイド駆動回路は、
光電センサ29の受光素子29bが投光素子29aから
照射された光の受光信号を出力した際に、ソレノイド2
8に対して駆動信号を出力する。即ち、ナット5の下方
にスクリューネジ4が適正に存在しなくなった時にソレ
ノイド駆動回路からソレノイド28に駆動信号が出力さ
れ、ソレノイド28のアクチュエータ28aが矢印A方
向に移動し、アクチュエータ28aの動作、及び、コイ
ルスプリング26の収縮方向の弾性力によってレバー2
5がシャフト22及び偏心カム23と一体的に矢印B方
向に回転する。偏心カム23は、ソレノイド28が駆動
されていない状態では径が最も小さい部分の周面でガイ
ドレール3a,3bの背面に対向しており、ソレノイド
28の駆動によって矢印B方向に回転することにより周
面においてガイドレール3a,3bの背面に対向する部
分の径が徐々に大きくなる。
【0043】偏心カム23が矢印B方向に所定の回転角
度まで回転した際に偏心カム23の周面においてガイド
レール3a,3bの背面に対向する部分の半径とソレノ
イド28が駆動されていない状態でガイドレール3a,
3bの背面に対向していた部分の半径との差が、小径部
の周面がガイドレール3a,3bの背面に対向している
状態(ソレノイド28の非駆動時)における偏心カム2
3の周面とガイドレール3a,3bの背面との間隙、及
び、シュー24の背面とガイドレール3a,3bの内面
との間隙の和よりも大きくなる。したがって、ソレノイ
ド28が駆動されて偏心カム23が矢印B方向に回転し
ていくと、偏心カム23の周面がガイドレール3a,3
bの背面に当接した後、偏心カム23の周面とシュー2
4の背面との間にガイドレール3a,3bが挟持され、
偏心カム23の周面及びシュー24の背面とガイドレー
ル3a,3bとの間に生じる摩擦抵抗が制動力としてケ
ージ2に作用する。
【0044】以上の構成において、シャフト22、偏心
カム23、シュー24、レバー25、コイルスプリング
26、ソレノイド28及び図外のソレノイド駆動回路が
この発明の制動手段に相当し、光電センサ29が同じく
検出手段に相当する。この構成により、スクリューネジ
4が破損等を生じ、ナット5が螺合すべきスクリューネ
ジ4がナット5の下方の適正な位置に存在しなくなった
場合には、検出手段が状態を検出して制動手段が動作
し、ケージ2に制動力が作用するため、ケージ2の自由
落下を防止して重大な事故の発生を未然に防止すること
ができる。
【0045】なお、この発明の制動手段は、検出手段が
ナット5の下方の適正な位置にスクリューネジ4が存在
しない状態を検出した時にガイドレール3a,3bとの
摩擦係合によってケージ2に制動力を作用させるもので
あることを条件として種々の構成をとることができ、図
7に示した構成に限るものではない。
【0046】
【発明の効果】この発明によれば、以下の効果を奏する
ことができる。
【0047】(1) ケージには滑車に掛けられたロープを
介してケージよりも軽い錘の重量を上向きに作用させる
ことにより、ケージの重量から錘の重量を差し引いた荷
重をスクリューネジのネジ部とナットとのネジ部との接
触面における摩擦力によって支えるようにし、錘の重量
分だけ摩擦力が低下して摩擦熱による発熱を低く抑える
ことができる。また、ケージを昇降させる際のモータの
負荷も錘の重量分だけ減少し、ケージの昇降に必要とさ
れるモータの容量が小さくなる。これによって、ケージ
の昇降時におけるスクリューネジ及びナットのネジ部の
発熱量が過大になることを防止し、モータの回転をナッ
トに伝達する伝達機構を構成するベルトの寿命の短縮
化、及び、伝達機構に設けられたセンサの誤作動の発生
を確実に防止できるとともに、ケージを昇降させるため
に必要な駆動力を軽減してモータ容量の小型化を実現す
ることができる。
【0048】(2) ケージには滑車に掛けられたロープを
介して無荷重状態のケージの略50%〜80%の重量を
上向きに作用させることにより、ケージの重量のうち略
50%〜20%の重量にケージの積載負荷を加えた荷重
をスクリューネジとナットのネジ部の接触面における
摩擦力によって支えるようにし、摩擦熱による発熱を十
分に低く抑える程度に摩擦力を低下させることができ
る。また、ケージを昇降させる際のモータの負荷を無負
荷状態のケージの略50%〜80%減少させることがで
き、ケージの昇降に必要とされるモータの容量を十分に
小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る錘を適用したスクリ
ュー式エレベータの構成を示す図である。
【図2】同スクリュー式エレベータの平面図である。
【図3】同スクリュー式エレベータのケージ上面におけ
るナット及びモータの支持部を示す側面図及び平面図で
ある。
【図4】同スクリュー式エレベータのケージ上面におけ
るナットの支持状態の詳細を示す側面断面図である。
【図5】同スクリュー式エレベータにおける錘の重量を
決定するための実験結果を示す図である。
【図6】同スクリュー式エレベータにおけるモータの駆
動部の構成を示すブロック図である。
【図7】スクリュー式エレベータに備えることができ
制動手段及び検出手段の構成を示す平面図及び側面図
である。
【符号の説明】 1−スクリュー式エレベータ 2−ケージ 3a,3b−ガイドレール 4−スクリューネジ 5−ナット 5a−駆動ナット 5b−安全ナット 6a,6b−モータ 7−昇降路 8a,8b−ベルト 9−駆動回路 14a,14b−滑車 15a,15b−ロープ 16−錘 22−シャフト(制動手段) 23−偏心カム(制動手段) 24−シュー(制動手段) 25−レバー(制動手段) 26−コイルスプリング(制動手段) 28−ソレノイド(制動手段) 29−光電センサ(検出手段) 58a,58b−フォトセンサ(回転検出手段)
フロントページの続き (72)発明者 坂 達雄 東京都千代田区東神田1丁目9番9号 日 本エレベーター製造株式会社内 (72)発明者 中村 雅人 大阪市中央区久太郎町4丁目1番3号 伊 藤忠商事株式会社内 Fターム(参考) 3F301 BA07 CA06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】台形ネジでネジ部を構成したスクリューネ
    ジ及びガイドレールをケージの昇降方向に設置するとと
    もに、スクリューネジに螺合するナット、ガイドレール
    に摺動する摺動体、ナットに回転力を供給するモータ、
    及び、ナットの回転速度が所定速度に一致するようにモ
    ータの駆動を制御する駆動制御部をケージに設けるとと
    もに、ガイドレールの上端に軸支した滑車に掛けられた
    ロープの一端にケージを吊り下げ、他端にケージの昇降
    時におけるスクリューネジ及びナットの発熱状態に基づ
    いて重量が決定された錘を吊り下げ、スクリューネジ及
    びナットのネジ部に生じる摩擦力をケージからナットに
    作用する荷重のナットの回転方向への分力よりも大きく
    し、駆動制御部によって駆動制御されるモータからナッ
    トに正逆両方向の回転を選択的に供給してケージをガイ
    ドレールに沿って昇降させることを特徴とするスクリュ
    ー式エレベータ。
  2. 【請求項2】前記錘は、無負荷状態のケージの略50〜
    80%の重量である請求項1に記載のスクリュー式エレ
    ベータ。
  3. 【請求項3】前記駆動制御部が、ナットの回転速度が予
    め設定された基準速度を越えた際にモータの駆動を停止
    する駆動停止手段を含む請求項1又は2に記載のスクリ
    ュー式エレベータ。
  4. 【請求項4】前記ケージが、スクリューネジをナットの
    下方において検出する検出手段、及び、検出手段がスク
    リューネジを検出しなくなった時にガイドレールに摩擦
    係合する制動手段を備えた請求項1乃至3のいずれかに
    記載のスクリュー式エレベータ。
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