JP2000309480A - スクリュー式エレベータ - Google Patents

スクリュー式エレベータ

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JP2000309480A
JP2000309480A JP11119298A JP11929899A JP2000309480A JP 2000309480 A JP2000309480 A JP 2000309480A JP 11119298 A JP11119298 A JP 11119298A JP 11929899 A JP11929899 A JP 11929899A JP 2000309480 A JP2000309480 A JP 2000309480A
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Japan
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nut
screw
cage
motor
rotation
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JP11119298A
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English (en)
Inventor
Hitomi Hibino
仁美 日比野
Hiroshi Kiriyama
寛史 桐山
Norihiko Shibuya
範彦 渋谷
Subansutoroomu Guenter
スバンストローム ギュンター
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KOORITSU KK
NTD PRODUKTER AB
Itochu Corp
East Japan Railway Co
Original Assignee
KOORITSU KK
NTD PRODUKTER AB
Itochu Corp
East Japan Railway Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ケージから作用する荷重による下降速度の増加
を確実に防止し、最下階の床面の下方に緩衝機構等を配
置するためのピットを形成する必要をなくし、設置工事
の短期化、及び、工事費用の低廉化を実現する。 【解決手段】昇降路7の側面にガイドレール3a,3b
及びスクリューネジ4を配置し、ケージ2の側面にガイ
ドレール3a,3bに係合するローラを設け、ケージ2
の上面にスクリューネジ4に螺合するナット5及びナッ
ト5に回転を供給するモータ6を備えた。モータ6から
供給される回転によってナット5がスクリューネジ4を
上下方向に移動し、これにともなってケージ2がガイド
レール3a,3bに沿って昇降する。ナット5はケージ
2から作用する荷重によって回転を生じることがなく、
ケージ2の下降速度が上昇することがない。このため、
ケージ2の下方に緩衝機構や昇降機構を設置する必要が
ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、スクリューネジ
とナットとの相対的な回転により、ナットを支持したケ
ージを昇降させるスクリュー式エレベータに関する。
【0002】
【従来の技術】人や貨物を搭載したケージを昇降させる
エレベータとして、従来より、主としてロープ式エレベ
ータ又は油圧式エレベータが用いられている。ロープ式
エレベータは、滑車に掛けられたロープの両端のそれぞ
れにケージ及び錘を吊り下げ、モータの駆動によって滑
車を正転又は逆転させることにより、滑車とロープとの
間の摩擦力によってケージを昇降させる。また、油圧式
エレベータは、ポンプから供給される圧油によって伸縮
するダンパの動作をリンク機構を介してケージに伝達す
ることにより、ケージを昇降させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ロープ
式エレベータでは、滑車とロープとの間に生じる摩擦力
によって滑車の回転をロープに伝達してケージを昇降さ
せるようにしているため、滑車とロープとに滑りを生じ
た際にケージの昇降速度が所定の速度を越え、ケージが
最下階の停止位置よりも下方まで下降する場合があり、
このような場合にはケージに過大な衝撃を作用させるこ
となくケージの下降を停止させなければならない。この
ため、ロープ式エレベータでは、最下階の床面よりも下
方に、緩衝機構を設置するためのピットと呼ばれるスペ
ースを設ける必要があり、ピットを形成するための穴堀
作業によってエレベータの設置工事が長期化するととも
に、工事費用が高騰する問題がある。一方、油圧式エレ
ベータでは、最下階の床面よりも下方に、油圧機構及び
リンク機構からなる昇降機構を緩衝機構とともに設置す
るためのスペースが必要で、ロープ式エレベータと同様
に設置工事の長期化、及び、工事費用の高騰を招く問題
がある。
【0004】この発明の目的は、ネジとナットとの相対
的な回転のみによるナットの上下移動によってケージを
昇降させるようにし、互いに螺合したネジとナットとの
ネジ部に生じる摩擦力がナットの回転に対する制動力と
して働くためにネジ又はナットに回転力が作用しない限
りナットに作用するネジの軸方向の荷重のみによっては
ナットが移動することがないというセルフロック機能に
より、ケージから作用する荷重による下降速度の増加を
確実に防止することができ、また、ケージを昇降させる
ための機構をケージの側面のみに配置することができ、
最下階の床面の下方に緩衝機構や昇降機構を配置するた
めのピットを形成する必要がなく、設置工事を短期化す
ることができるとともに、工事費用の低廉化を実現でき
るスクリュー式エレベータを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するための手段として、以下の構成を備えてい
る。
【0006】(1) ケージの昇降方向にスクリューネジ及
びガイドレールを設置するとともに、スクリューネジに
螺合するナット、ガイドレールに摺動する摺動体、ナッ
トに回転力を供給するモータ、及び、ナットの回転速度
が所定速度に一致するようにモータの駆動を制御する駆
動制御部をケージに設け、スクリューネジ及びナットの
ネジ部に生じる摩擦力をケージからナットに作用する荷
重のナットの回転方向への分力よりも大きくし、駆動制
御部によって駆動制御されるモータからナットに正逆両
方向の回転を選択的に供給してケージをガイドレールに
沿って昇降させることを特徴とする(請求項1)。
【0007】この構成においては、ナットを正転又は逆
転させた際に、ケージがガイドレールに沿って昇降す
る。したがって、ケージの下降速度はナットの回転速度
とスクリューネジ及びナットのネジ部のピッチによって
定まり、ケージから作用する荷重によって下降速度が増
加することがなく、また、ケージを昇降させるための機
構がケージの昇降方向に沿って形成されるため、最下階
の床面の下方に緩衝機構や昇降機構を配置するためのピ
ットを形成する必要がない。
【0008】また、ケージに搭載されたモータによって
ケージに支持されたナットが回転し、モータから供給さ
れる回転力の回転方向に応じてスクリューネジを上下動
するナットとともにケージがガイドレールに沿って昇降
する。したがって、ケージを昇降させるための回転部が
全てケージに搭載され、ケージの昇降範囲以外に回転部
を配置する必要がなく、エレベータの設置スペースが小
型化される。
【0009】さらに、ナットの回転速度が予め設定され
た所定速度に一致するようにモータの駆動が制御され
る。したがって、ナットは予め設定された所定速度とス
クリューネジ及びナットのネジ部のピッチとによって定
まる一定速度でスクリューネジを上下動し、このナット
の上下動にともなってケージが一定速度でガイドレール
を昇降する。
【0010】(2) 前記駆動制御部が、ナットの回転速度
が予め設定された基準速度を越えた際にモータの駆動を
停止する駆動停止手段を含むことを特徴とする(請求項
2)。
【0011】この構成においては、ナットが予め設定さ
れた基準速度より速い速度で回転した場合にはモータの
駆動が停止される。したがって、駆動系の異常等によっ
てモータが過回転を生じた場合には、ナットに対する回
転の供給が断たれ、ナット及びケージが基準速度とネジ
部のピッチとによって定まる速度より速い速度で昇降す
ることがない。
【0012】(3) 前記ケージが、スクリューネジをナッ
トの下方において検出する検出手段、及び、検出手段が
スクリューネジを検出しなくなった時にガイドレールに
摩擦係合する制動手段を備えたことを特徴とする(請求
項3)。
【0013】この構成においては、ナットの下方におい
てスクリューネジが存在しなくなった時に、制動手段が
ガイドレールに摩擦係合する。したがって、スクリュー
ネジが破損してナットの下方にナットが螺合すべきスク
リューネジが存在しなくなった場合には、制動手段とガ
イドレールとの摩擦力が制動力としてケージに作用し、
ケージの自由落下が防止される。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の実施形態に係
るスクリュー式エレベータの構成を示す図である。ま
た、図2は、同スクリュー式エレベータの平面図であ
る。この発明の実施形態に係るスクリュー式エレベータ
1は、垂直方向に昇降するケージ2の昇降路7内の一側
面にガイドレール3a,3b及びスクリューネジ4を配
置するとともに、ケージ2の上面にナット5及びモータ
6を搭載している。ナット5は、スクリューネジ4に螺
合し、ケージ2の上面において回転自在に支持されてい
る。モータ6は、ナット5に対して正逆両方向の回転を
選択的に供給する。ナット5は、モータ6から供給され
る回転により、その回転方向に応じてスクリューネジ4
を上下方向に移動し、これにともなってケージ2が昇降
路7内を昇降する。
【0015】ガイドレール3a,3b及びスクリューネ
ジ4は、長手方向を垂直方向にして設置されている。ガ
イドレール3a及び3bのそれぞれは、長手方向に一様
なコの字型断面を呈し、それぞれの開放面が互いに対向
している。ケージ2のガイドレール3a,3b及びスク
リューネジ4に対向する側面には、複数の支持体21が
突出している。各支持体21は、ローラ22を軸支して
いる。複数のローラ22のそれぞれは、ガイドレール3
a,3bの開放面から内部に嵌入しており、ガイドレー
ル3a,3bの内周面に当接しつつ回転する。このよう
にローラ22がガイドレール3a,3bに嵌入すること
により、昇降時におけるケージ2の水平方向の位置が規
定されており、ケージ2はガイドレール3a,3bの長
手方向に沿って昇降する。
【0016】図3は、上記スクリュー式エレベータのケ
ージ上面におけるナット及びモータの支持部を示す側面
図及び平面図である。ケージ2の上面には、フレーム1
1を介してナット5及び2基のモータ6a,6bが支持
されている。正逆両方向に回転可能な2基のモータ6
a,6bのそれぞれの回転軸には上下2段のプーリ61
a,61bが固定されている。一方、ナット5には同軸
状に上下4段のプーリ51が一体にされている。プーリ
61a,61bとプーリ51との間には、図示しないベ
ルトが張架される。したがって、モータ6a,6bの回
転軸の回転は、プーリ61a,61bからベルトを介し
てプーリ51に伝達され、ナット5がプーリ51と一体
的に回転する。
【0017】なお、モータ6a,6bは常に同方向に回
転する。2基のモータ6a,6bを備えているのは、ナ
ット5に十分な回転トルクを供給するためであり、単一
又は3基以上のモータを備えることもできる。
【0018】図4は、上記スクリュー式エレベータのケ
ージ上面におけるナットの支持状態の詳細を示す側面断
面図である。フレーム11の中央部に形成された円筒形
状のケース12内においてケージ2の上面に支持された
ナット5は、駆動ナット5aと安全ナット5bとによっ
て構成されている。駆動ナット5aは外周面において上
側が円柱形状、下側が截頭円錐形状を呈し、プーリ51
に下方から嵌入している。プーリ51の外周面とケース
12の内周面との間にはベアリング52〜54が配置さ
れており、プーリ51はベアリング52〜54を介して
ケース12に回転自在に支持されている。
【0019】駆動ナット5aには、截頭円錐形状を呈す
る下側の外周面においてプーリ51を介してフレーム1
1を含むケージ2の荷重が作用する。この荷重によって
截頭円錐形状の外周面において駆動ナット5aとプーリ
51との間に生じる摩擦力により、プーリ51の回転が
駆動ナット5aに伝達される。駆動ナット5aには、結
合ネジ5cを介して安全ナット5bが一体的に固定され
ている。したがって、前述のモータ6a,6bからベル
トを介してプーリ51に回転力が伝達されることによ
り、駆動ナット5aと安全ナット5bとが一体的に回転
する。
【0020】なお、結合ネジ5cは、駆動ナット5aに
形成された上下方向の長孔を貫通して安全ナット5bの
ネジ穴に締結される。また、駆動ナット5aと安全ナッ
ト5bとの間には上下方向に所定の間隙が設けられてい
る。したがって、プーリ51を介して駆動ナット5aに
作用するケージ2の荷重は安全ナット5bには作用する
ことがなく、スクリューネジ4との螺合によって安全ナ
ット5bのネジ部に生じる磨耗は駆動ナット5aのネジ
部に磨耗を生じる磨耗に比較して極めて少ない。このた
め、スクリュー式エレベータ1が長期間にわたって使用
された際に駆動ナット5aのネジ部における磨耗が進行
し、駆動ナット5aのネジ部のピッチに生じた誤差によ
って駆動ナット5aが下方に移動した場合にも、駆動ナ
ット5aと安全ナット5bとが上下方向に当接すること
により、駆動ナット5aがケージ2とともに過剰に下方
に移動することを防止できる。
【0021】駆動ナット5a、安全ナット5b及びスク
リューネジ4のネジ部の傾斜角は、プーリ51を介して
ケージ2から駆動ナット5aに作用する荷重の回転方向
の分力が、駆動ナット5aのネジ部とスクリューネジ4
のネジ部との間に生じる摩擦力よりも小さくなるように
決定されている。したがって、駆動ナット5aは、荷重
の作用のみによって回転を生じることがなく、荷重の作
用によってケージ2の下降速度が上昇することもない。
【0022】また、安全ナット5bの外周部には、ベア
リング55を介してナットカバー56が取り付けられて
いる。ナットカバー56は、駆動ナット5a及び安全ナ
ット5bのネジ部に対する塵埃の付着を防止する。
【0023】さらに、駆動ナット5aの上面には、図外
の取付ネジを介してスリット円板57が同軸状に取り付
けられている。したがって、スリット円板57は駆動ナ
ット5aと一体的に回転する。また、カバー12の上面
に固定されたナットカバー13には、スリット円板57
の上面に対向するフォトセンサ58a,58bが固定さ
れている。スリット円板57には複数のスリットが円周
方向において等間隔に形成されており、フォトセンサ5
8a,58bはスリット円板57に形成されたスリット
を介して駆動ナット5aの回転を光学的に検出する。
【0024】図5は、上記スクリュー式エレベータにお
けるモータの駆動部の構成を示すブロック図である。こ
の発明の実施形態に係るスクリュー式エレベータ1は、
モータ6a,6bの駆動回路9を備えている。駆動回路
9は、インバータ9a、ガバナ回路9b、異常検出回路
9c及び停止スイッチ9dを含む。インバータ9aは、
フォトセンサ58aの検出信号におけるスリットの検出
パルスの周波数が予め設定された所定周波数faとなる
ようにモータ6a,6bに供給する交流電源の周波数を
調整する。これによって、モータ6a,6bは、駆動ナ
ット5aが所定速度で回転するように駆動され、駆動ナ
ット5aは所定速度とネジ部のピッチとによって定まる
所定速度でスクリューネジ4を上下方向に移動する。
【0025】ガバナ回路9bは、フォトセンサ58aの
検出信号におけるスリットの検出パルスの周期が予め設
定された基準周波数ftを越えた際に、インバータ9a
又はモータ6a,6bに異常を生じたと判断し、インバ
ータ9aとモータ6a,6bとの間に配置された停止ス
イッチ9dによりモータ6a,6bに対する電源ライン
を切断する。なお、基準周波数ftの値としては、イン
バータ9aによる周波数制御のオーバシュートを考慮し
て所定周波数faより高い値が設定される。
【0026】異常検出回路9cは、インバータ9aから
モータ6a,6bに電源が供給されている状態で、フォ
トセンサ58bの検出信号にスリットの検出パルスが出
現しない場合に、ベルト切れ又はモータ6a,6bにお
ける異常を発生したと判断し、停止スイッチ9dにより
モータ6a,6bに対する電源ラインを切断する。
【0027】また、ガバナ回路9b又は異常検出回路9
cは、異常の発生を検出した際に、昇降路7の外部に配
置されている制御盤の表示部10a、及び、ケージ2の
内部に配置されている操作パネルの表示部10bにその
旨を表示する。
【0028】以上の構成により、上記の実施形態に係る
スクリュー式エレベータ1では、駆動回路9における周
波数制御によってモータ6a,6bが駆動され、モータ
6a,6bの回転がプーリ51を介して伝達されること
により、ケージ2の上面に支持された駆動ナット5aが
所定の回転速度で回転し、この回転速度とネジ部のピッ
チとによって定まる所定の移動速度で昇降路7の側面に
配置されたスクリューネジ4を上下方向に移動し、これ
にともなって、ケージ2がガイドレール3a,3bに沿
って所定速度で昇降する。したがって、ケージ2の昇降
動作に必要な部材の全てがケージ2の上面、及び、昇降
路7の側面に配置され、ケージ2の下方に昇降機構を配
置する必要がない。
【0029】また、駆動ナット5aは、ネジ部の傾斜角
を適当に選択することにより、ケージ2から作用する荷
重のみによって回転を生じることがないため、駆動回路
9又はモータ6a,6bに異常を生じない限りケージ2
の下降速度が増加することはない。また、駆動ナット5
aのネジ部の磨耗が進行した場合にも駆動ナット5a及
びケージ2の落下が安全ナット5bによって防止され
る。さらに、駆動回路9又はモータ6a,6bの異常に
よって駆動ナット5aの回転速度が上昇した場合には、
ガバナ回路9bによってモータ6a,6bに対する電源
ラインが切断され、モータ6a,6bの回転が停止す
る。このため、ケージ2の下降速度が過剰に上昇するこ
とはなく、ケージ2の最下階における停止位置の下方に
緩衝機構を配置する必要がない。
【0030】これらのことから、上記の実施形態に係る
スクリュー式エレベータ1では、最下階の床面の下方に
昇降機構や緩衝機構を設置するために十分な深さのピッ
トを形成するための穴堀作業を行う必要がなく、設置工
事を簡略化して工事期間を短縮することができるととも
に、工事費用の低廉化を図ることができる。
【0031】図6は、この発明の別の実施形態に係るス
クリュー式エレベータが備える検出手段及び制動手段の
構成を示す平面図及び側面図である。スクリュー式エレ
ベータ1のケージ2においてスクリューネジ4に対向す
る側面から延出した2本のアーム21のそれぞれには、
シャフト22の両端部が支持されている。2本のアーム
21のそれぞれは2本のガイドレール3a,3bの間に
おいてガイドレール3a,3bに近接する位置に延出し
ている。シャフト22の両端部においてアーム21の外
側に突出した部分には、偏心カム23が固定されてい
る。この偏心カム23においてガイドレール3a,3b
の背面に所定の間隙を設けて対向する周面は、ローレッ
ト加工等によって粗面化されている。さらに、2本のア
ーム21のそれぞれには、コの字型断面形状を呈するガ
イドレール3a,3b内に遊嵌するシュー24が固定さ
れている。
【0032】シャフト22の周面において2本のアーム
21の間に位置する部分には、レバー25が固定されて
いる。したがって、シャフト22、偏心カム23及びレ
バー25は、2本のアーム21に支持されて一体的に回
転する。シャフト22の両端近傍に固定された係止部材
22aには、下端をアーム21の一部に係止したコイル
スプリング26の上端が係止されている。係止部材22
aの一部には図外のストッパが当接しており、コイルス
プリング26はストッパによって伸長した状態に保持さ
れている。レバー25にはソレノイド28のアクチュエ
ータ28aが係合している。図外のソレノイド駆動回路
から出力される駆動信号によってソレノイド28を駆動
すると、アクチュエータ28aが矢印A方向に移動し、
レバー25をシャフト22の回転軸を中心として矢印B
方向に回転させるとともに、係止部材22aに対するス
トッパの当接状態を解除する。これによって、コイルス
プリング26の収縮方向の弾性力がレバー25の矢印B
方向の付勢力として作用する。
【0033】2本のアーム21のそれぞれには、光電セ
ンサ29を構成する投光素子29a及び受光素子29b
が取り付けられている。光電センサ29の投光素子29
a及び受光素子29bは、ナット5の下方においてスク
リューネジ4に対向する。したがって、スクリューネジ
4が適正な位置に存在する場合には、投光素子29aか
ら照射された光はスクリューネジ4に遮られて受光素子
29bに受光されない。これに対して、スクリューネジ
4が適正な位置に存在しない場合には、投光素子29a
から照射された光はスクリューネジ4に遮られることな
く受光素子29bに受光される。したがって、受光素子
29bの出力信号に基づいて、スクリューネジ4が適正
な位置に存在するか否かを検出できる。
【0034】ソレノイド28のソレノイド駆動回路は、
光電センサ29の受光素子29bが投光素子29aから
照射された光の受光信号を出力した際に、ソレノイド2
8に対して駆動信号を出力する。即ち、ナット5の下方
にスクリューネジ4が適正に存在しなくなった時にソレ
ノイド駆動回路からソレノイド28に駆動信号が出力さ
れ、ソレノイド28のアクチュエータ28aが矢印A方
向に移動し、アクチュエータ28aの動作、及び、コイ
ルスプリング26の収縮方向の弾性力によってレバー2
5がシャフト22及び偏心カム23と一体的に矢印B方
向に回転する。偏心カム23は、ソレノイド28が駆動
されていない状態では径が最も小さい部分の周面でガイ
ドレール3a,3bの背面に対向しており、ソレノイド
28の駆動によって矢印B方向に回転することにより周
面においてガイドレール3a,3bの背面に対向する部
分の径が徐々に大きくなる。
【0035】偏心カム23が矢印B方向に所定の回転角
度まで回転した際に偏心カム23の周面においてガイド
レール3a,3bの背面に対向する部分の半径とソレノ
イド28が駆動されていない状態でガイドレール3a,
3bの背面に対向していた部分の半径との差が、小径部
の周面がガイドレール3a,3bの背面に対向している
状態(ソレノイド28の非駆動時)における偏心カム2
3の周面とガイドレール3a,3bの背面との間隙、及
び、シュー24の背面とガイドレール3a,3bの内面
との間隙の和よりも大きくなる。したがって、ソレノイ
ド28が駆動されて偏心カム23が矢印B方向に回転し
ていくと、偏心カム23の周面がガイドレール3a,3
bの背面に当接した後、偏心カム23の周面とシュー2
4の背面との間にガイドレール3a,3bが挟持され、
偏心カム23の周面及びシュー24の背面とガイドレー
ル3a,3bとの間に生じる摩擦抵抗が制動力としてケ
ージ2に作用する。
【0036】以上の構成において、シャフト22、偏心
カム23、シュー24、レバー25、コイルスプリング
26、ソレノイド28及び図外のソレノイド駆動回路が
この発明の制動手段に相当し、光電センサ29が同じく
検出手段に相当する。この構成により、スクリューネジ
4が破損等を生じ、ナット5が螺合すべきスクリューネ
ジ4がナット5の下方の適正な位置に存在しなくなった
場合には、検出手段が状態を検出して制動手段が動作
し、ケージ2に制動力が作用するため、ケージ2の自由
落下を防止して重大な事故の発生を未然に防止すること
ができる。
【0037】なお、この発明の制動手段は、検出手段が
ナット5の下方の適正な位置にスクリューネジ4が存在
しない状態を検出した時にガイドレール3a,3bとの
摩擦係合によってケージ2に制動力を作用させるもので
あることを条件として種々の構成をとることができ、図
6に示した構成に限るものではない。
【0038】
【発明の効果】請求項1に記載した発明によれば、スク
リューネジ又はナットを正転又は逆転させた際に、ケー
ジをガイドレールに沿って昇降させることより、ケージ
の下降速度をスクリューネジ又はナットの回転速度とス
クリューネジ及びナットのネジ部のピッチとによって定
め、ケージから作用する荷重によって下降速度が増加す
ることがないようにするとともに、ケージを昇降させる
ための機構をケージの昇降方向に沿って形成することに
より、最下階の床面の下方に緩衝機構や昇降機構を配置
するためのピットを形成する必要をなくし、工事期間の
短縮及び工事費用の低廉化を実現できる。
【0039】また、ケージに搭載されたモータによって
ケージに支持されたナットを回転し、モータから供給さ
れる回転力の回転方向に応じてスクリューネジを上下動
するナットとともにケージをガイドレールに沿って昇降
させることにより、ケージを昇降させるための回転部を
全てケージに搭載することができ、ケージの昇降範囲以
外に回転部を配置する必要がなく、エレベータの設置ス
ペースを小型化することができる。
【0040】さらに、ナットの回転速度が予め設定され
た所定速度に一致するようにモータの駆動を制御するこ
とにより、ナットを予め設定された所定速度とスクリュ
ーネジ及びナットのネジ部のピッチとによって定まる一
定速度で上下動させ、ケージを一定速度で昇降させるこ
とができる。
【0041】請求項2に記載した発明によれば、ナット
が予め設定された基準速度より速い速度で回転した場合
にモータの駆動を停止することにより、駆動系の異常等
によってモータが過回転を生じた場合に、ナットに対す
る回転の供給を停止し、ナット及びケージが基準速度と
ネジ部のピッチとによって定まる速度より速い速度で昇
降することを確実に防止することができる。
【0042】請求項3に記載した発明によれば、ナット
の下方においてスクリューネジが存在しなくなった時に
制動手段がガイドレールに摩擦係合することにより、ス
クリューネジが破損してナットの下方にナットが螺合す
べきスクリューネジが存在しなくなった場合に制動手段
とガイドレールとの摩擦力を制動力としてケージに作用
させることができ、ケージの自由落下を防止して重大な
事故の発生を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係るスクリュー式エレベ
ータの構成を示す図である。
【図2】同スクリュー式エレベータの平面図である。
【図3】上記スクリュー式エレベータのケージ上面にお
けるナット及びモータの支持部を示す側面図及び平面図
である。
【図4】上記スクリュー式エレベータのケージ上面にお
けるナットの支持状態の詳細を示す側面断面図である。
【図5】上記スクリュー式エレベータにおけるモータの
駆動部の構成を示すブロック図である。
【図6】この発明の別の実施形態に係るスクリュー式エ
レベータの制動手段及び検出手段の構成を示す平面図及
び側面図である。
【符号の説明】
1−スクリュー式エレベータ 2−ケージ 3a,3b−ガイドレール 4−スクリューネジ 5−ナット 5a−駆動ナット 5b−安全ナット 6a,6b−モータ 7−昇降路 9−駆動回路 22−シャフト(制動手段) 23−偏心カム(制動手段) 24−シュー(制動手段) 25−レバー(制動手段) 26−コイルスプリング(制動手段) 28−ソレノイド(制動手段) 29−光電センサ(検出手段) 58a,58b−フォトセンサ(回転検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 599058888 エヌティディ プロダクター エービー スウェーデン カールスコーガ市697−27 ボックス440 (72)発明者 日比野 仁美 東京都渋谷区代々木2丁目2番2号 東日 本旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 桐山 寛史 大阪府大阪市中央区久太郎町4−1−3 伊藤忠商事株式会社内 (72)発明者 渋谷 範彦 大阪府大阪市天王寺区味原町4番8号 株 式会社コーリツ内 (72)発明者 ギュンター スバンストローム スウェーデン カールスコーガ市697−27 ボックス440 エヌティディ プロダク ター エービー内 Fターム(参考) 3F301 AA09 BA07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケージの昇降方向にスクリューネジ及びガ
    イドレールを設置するとともに、スクリューネジに螺合
    するナット、ガイドレールに摺動する摺動体、ナットに
    回転力を供給するモータ、及び、ナットの回転速度が所
    定速度に一致するようにモータの駆動を制御する駆動制
    御部をケージに設け、スクリューネジ及びナットのネジ
    部に生じる摩擦力をケージからナットに作用する荷重の
    ナットの回転方向への分力よりも大きくし、駆動制御部
    によって駆動制御されるモータからナットに正逆両方向
    の回転を選択的に供給してケージをガイドレールに沿っ
    て昇降させることを特徴とするスクリュー式エレベー
    タ。
  2. 【請求項2】前記駆動制御部が、ナットの回転速度が予
    め設定された基準速度を越えた際にモータの駆動を停止
    する駆動停止手段を含む請求項1に記載のスクリュー式
    エレベータ。
  3. 【請求項3】前記ケージが、スクリューネジをナットの
    下方において検出する検出手段、及び、検出手段がスク
    リューネジを検出しなくなった時にガイドレールに摩擦
    係合する制動手段を備えた請求項1又は2に記載のスク
    リュー式エレベータ。
JP11119298A 1999-04-27 1999-04-27 スクリュー式エレベータ Pending JP2000309480A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101161023B1 (ko) 2011-05-30 2012-06-28 이영희 너트 구동형 승강기
CN110980489A (zh) * 2019-12-20 2020-04-10 福建快科城建增设电梯股份有限公司 自带井道家用电梯模组化安装方法

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KR101161023B1 (ko) 2011-05-30 2012-06-28 이영희 너트 구동형 승강기
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