JP2002126947A - 同期駆動による歯車仕上げ加工方法 - Google Patents

同期駆動による歯車仕上げ加工方法

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JP2002126947A JP2000321165A JP2000321165A JP2002126947A JP 2002126947 A JP2002126947 A JP 2002126947A JP 2000321165 A JP2000321165 A JP 2000321165A JP 2000321165 A JP2000321165 A JP 2000321165A JP 2002126947 A JP2002126947 A JP 2002126947A
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節 若林
Koji Kawamoto
洸司 川本
Junichi Nagai
淳一 永射
Yasuhiro Kurokawa
泰浩 黒川
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 同期回転による歯車の仕上げ加工を成形工具
の停止を必要とすることなく高精度で行なうことができ
る歯車仕上げ加工方法を提供する。 【解決手段】 ワーク支持軸及び成形工具の駆動を、サ
ーボモータによるサーボ制御又はACスピンドルモータ
によるCs制御により行なうものとし、その制御による
位相決めをする(一次位相決め)。さらにワーク位置決
め装置による位相修正を行ない、制御モータをフリーラ
ン状態とすることにより位相ずれを読み取って基準位置
を調整する(二次位相決め)。そしてさらに、ワーク支
持軸の駆動トルクを低下させた状態で、バックラッシュ
零の状態として、ワーク支持軸と成形工具との各制御モ
ータの駆動位相を固定する(三次位相決め)。この状態
で、切り込み量を漸増させて切削を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被研削歯車と仕上
げ用成形工具とを駆動により同期回転させながら研削を
行なう歯車仕上げ加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】歯車に対しシェービング、ホーニング
(ドレッシングを含む)等の仕上げ加工をする際には、
内歯又は外歯の歯車状をした回転砥石又はカッター等の
仕上げ用成形工具を使用し、被研削歯車と噛合させ、歯
面同士のすべり接触を利用して研削を行なう。
【0003】通常の場合、成形工具が駆動され被研削歯
車は成形工具との噛合の下に、成形工具に伴われて回転
する、いわゆる連れ回り状態で加工される。但し、連れ
回り状態での研削では被研削歯車の偏心や累積ピッチ誤
差を強制的に修正する機構を持たず、その結果、高い精
密度の加工が困難である。
【0004】これに対し、成形工具と被研削歯車との双
方を駆動させつつ加工することにより、高い精度を得る
ことが可能となる。但し、これには、バックラッシュが
零の状態で歯同士を噛合させる必要上、成形工具と被研
削歯車とを高精度で同期回転させることが不可欠であ
る。
【0005】高精度の同期回転を実現するため、種々の
提案がなされてきたが、成形工具及び被研削歯車を停止
さた状態で噛合させ、正逆回転を僅かずつ繰り返すなど
して、切り込み方向への移動を行ないバックラッシュ零
の状態を得てから、双方を駆動して同期回転させる形態
が一般的である。例えば、特許第3000668号に係
る加工方法においては、被研削歯車を微少量ずつ正回転
及び逆回転させ、各回転方向において成形工具が連れ回
りを始める回転変位量を検出し、バックラッシュを零に
するのに必要な成形工具の位置補正量を求め、その位置
補正量に基づいて送りモータにより成形工具に送りを与
えて同期化が図られる。
【0006】しかしながら、これらの方法では、センサ
による成形工具との相対位置の検出を行なうために被研
削歯車の微小回転を繰り返さねばならず、手間と時間を
必要とするという欠点があった。また、上記従来の方法
では、被研削歯車の研削が終わる毎に必ず成形工具を停
止させ、新たな被研削歯車の装着後、再び成形工具の駆
動を開始する必要がある。したがって、重量の大きい成
形工具の駆動と停止が繰り返されることになり、加工の
時間効率が悪く、手間も掛かるという難点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、同期回転に
よる歯車の仕上げ加工を行なう際に、被研削歯車の研削
毎に成形工具を停止させる必要がなく、停止をさせた場
合にも手間の掛かる成形工具の微小回転の繰り返しを必
要とすることなく被研削歯車及び成形工具の連続回転を
開始することができる歯車仕上げ加工方法を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するため、ワークである歯車を成形仕上げ加工するに
あたり、機台に支持されたワーク支持軸及び仕上げ用成
形工具の双方を同期回転するように駆動する歯車仕上げ
加工方法であって、前記ワーク支持軸及び成形工具の制
御モータによる駆動を、サーボモータによるサーボ制御
又はACスピンドルモータによるCs制御により行なう
ものとし、該歯車仕上げ加工方法は、前記制御モータの
回転方向原点への移動及び前記ワーク支持軸に対するワ
ークの取付けを行なうステップと、ワーク位置決め装置
をワークと噛合させてワークの回転方向位置決めを行な
うステップと、ワークを前記ワーク位置決め装置と噛合
させた状態で前記ワーク支持軸と芯押し台とによりクラ
ンプするステップと、前記ワーク支持軸に結合された前
記制御モータをフリーラン状態とするステップと、フリ
ーラン状態に伴って生じる前記ワーク支持軸における制
御モータ側のワーク支持側に対する位相ずれを読み取る
ステップと、前記ワーク位置決め装置をワークから外す
ステップと、前記ワーク支持軸を前記制御モータにより
回転させ、前記位相ずれを解消するように調整して前記
ワーク支持軸及び前記成形工具を各制御モータの制御に
より同期させ且つ位相を合わせて回転させるステップ
と、前記ワーク支持軸の駆動トルクを前記成形工具によ
る切削を受けない程度に低下させた状態で、バックラッ
シュ零として予め設定された位置又は検知される位置ま
で前記ワーク支持軸と前記成形工具とを接近させるステ
ップと、前記バックラッシュ零の位置における前記ワー
ク支持軸と前記成形工具との各制御モータの駆動位相を
固定するステップと、各制御モータの駆動により前記ワ
ーク支持軸及び前記成形工具を同期回転させつつ切り込
み量を漸増させて仕上げ切削を行なうステップとを備え
ていることを特徴とする歯車仕上げ加工方法を提供する
ものである。
【0009】
【作用】本発明においては、ワークである歯車を研削仕
上げ加工するにあたり、ワーク支持軸及び成形工具の駆
動は、サーボモータによるサーボ制御又はACスピンド
ルモータをCs制御(c軸制御すなわちz軸回りの回転
角制御)により行なうものとし、先ず、制御モータの回
転方向原点への移動及びワーク支持軸に対するワークの
取付けを行なう(一次位相決め)。
【0010】そして、ワーク位置決め装置をワーク支持
軸上のワークと噛合させて回転方向の位置決めを行ない
且つワーク支持軸と芯押し台とによりワークをクランプ
する。ワーク位置決め装置は、主軸(制御モータ回転
軸)の回転方向原点に対応するワークの位相を位置出し
するようにワークと噛合する。制御モータが原点に設定
されていても、実際にはワークの位相は、取付け誤差等
によるずれを生じている。したがって、この状態におい
てワーク支持軸は、ワーク位置決め装置により拘束され
たワーク側と、制御モータにより拘束された制御モータ
側との間において僅かなねじれを生じている。この状態
で制御モータをフリーラン状態とすると、ワーク支持軸
における制御モータ側が、そのねじれ分だけ僅かに回転
する。この回転による位相ずれを読み取り、その位相ず
れを解消するように基準位置を調整すれば、ワーク支持
軸及び成形工具を各制御モータの制御により同期させ且
つ位相を合わせて回転させることができる(二次位相決
め)。
【0011】したがって、この状態で、研削に必要な駆
動力でワークを回転させながら成形工具に噛合させるこ
ともできるが、より正確な位相合わせを得るためにさら
に、以下の操作を行なう。すなわち、ワーク支持軸の駆
動トルクを成形工具による切削を受けない程度に低下さ
せた状態で、バックラッシュ零として予め設定された位
置又は検知される位置までワーク支持軸と成形工具とを
接近させ、その状態におけるワーク支持軸と成形工具と
の各制御モータの駆動位相を固定する。これにより、位
置決め装置と成形工具との間に不可避的に生じる位相誤
差をも解消し、ワークと成形工具との位相が正確に一致
させることができる(三次位相決め)。
【0012】この状態で、切り込み量を漸増させて切削
を行なえば、同期駆動による極めて高い精度の仕上げ切
削を行なうことができるのである。
【0013】なお、成形工具の位相は、成形工具の歯又
は溝の位置を読み取るエンコーダにより検知される。し
たがって、成形工具をヘッドに新たに取り付けたとき
は、成形工具を停止させ、手動モードでワーク支持軸上
のワークと噛合させ、ワーク全周での噛合が均一化され
た状態で、成形工具の位相の原点を設定する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例につき、添
付図面を参照しつつ説明する。図1,図2,図3は、各
々本発明の一実施形態に掛かる歯車仕上装置の正面図、
側面図、平面図である。
【0015】図示の歯車仕上装置は、機台Bに支持され
たテーブル10上で、保持装置により被研削歯車(ワー
ク)Wを保持するようになっている。保持装置は、テー
ブル上で相互に接近離反するように摺動可能であり各々
ワーク支持軸を有する2台のヘッドストック30,心押
し台40を備えている。機台Bにはさらに、砥石保持装
置50が装着されている。
【0016】図4は、この歯車仕上装置の動作部分を中
心に示す正面図である。図示のように、一方(図におい
て左)のヘッドストック30は、テーブル10に支持さ
れた心押し台本体31と、該心押し台本体により回転可
能に支持されたワーク支持軸32と、心押し台本体31
に結合され該ワーク支持軸32を回転させる駆動モータ
33とを備えている。他方(図において右)の心押し台
40は、テーブル10に支持された心押し台本体41
と、該心押し台本体により回転可能に支持されたワーク
支持軸42とを備えている。
【0017】図5に示すように、ワーク支持軸42は、
心押し台本体41に装着された図外の駆動装置により軸
方向に摺動進退動するクランプ軸43を軸内部に備えて
いる。したがって、クランプ軸43を後退させた状態で
ワーク支持軸32及び42によりワークWを支持し、そ
の後クランプ軸43を前進させることにより、ワーク支
持軸上でワークWを回転方向にクランプすることができ
る。ワーク駆動モータ33は、以下に述べる制御を可能
にするように、この例ではサーボモータとされている。
【0018】砥石保持装置50は、図に示すように、ヘ
ッドストック30と心押し台40との間に位置し回転砥
石51を支持するリング状のヘッド52と、該ヘッド5
2をワーク支持軸32,42に垂直な水平軸線回りに回
動可能に支持する保持部53とを備えている。図2及び
図3に示すように、保持部53は、ヘッド52をワーク
支持軸の回りに回転させるためのヘッド駆動モータ53
1、及びヘッド52をワーク支持軸32,42に垂直な
水平軸線回りに回動するためのヘッド傾動モータ532
を備えている。ヘッド駆動モータ531の出力軸に固定
された歯車533には、中間歯車534,535が噛合
し、これらの中間歯車は、ヘッド52の外周に設けられ
た歯に噛合してヘッド52を駆動する。このように、駆
動歯車に噛合する2個の中間歯車を介してヘッド52外
周ギアを駆動することにより、簡単な構造でローバック
ラッシュを実現し、高精度、高速での同期噛合を確実に
する。ヘッド駆動モータ531は、以下に述べる制御を
可能にするように、この例ではACスピンドルモータと
されている。砥石保持装置50には、機台上の切り込み
駆動部60が結合されている。切り込み駆動部60は、
水平駆動モータ61の駆動によりワーク支持軸32,4
2に垂直な水平軸線に沿って移動可能であり、その移動
によりヘッド52及び回転砥石51をワーク支持軸上の
ワークに接近離反させ、研削の際には切り込みを行なわ
せる。
【0019】なお、上記ヘッドストック30,心押し台
40、ワーク駆動モータ33、ヘッド駆動モータ531
等の移動や回転の制御は、操作盤71を備えた制御装置
70により行なわれる。
【0020】ヘッドストック30には、ワーク位置決め
装置80が取り付けられている。ワーク位置決め装置
は、成形工具との正確な噛合を得るためにワークの回転
方向の正確な位置決めを行なうものであり、例えば以下
のような構成とすることができる。ワーク位置決め装置
80は、図6に示すように、ヘッドストック30におけ
るワーク取付側端部にボルトにより締結された固定部8
1を備え、該固定部上のスライドガイド82に摺動可能
にアーム取付台83が装着されている。アーム84は、
基端部をアーム取付台83に固定され、先端部には、ワ
ークWの歯の間に進入し得る大きさの円錐状突起85が
取り付けられている。さらに、固定部81には、駆動シ
リンダ86が取り付けられ、これと協働するピストンロ
ッド87がアーム基端部に結合されている。したがっ
て、アーム84は、駆動シリンダ86により駆動され、
スライドガイド82により案内されて、ワーク支持軸3
2の径方向に摺動する。固定部81にはドックプレート
88が固定され、該ドックプレートにアームの前進後退
端検出用の近接スイッチ89が取り付けられている。こ
れにより、アーム84は、ワークWに噛合する前進位置
とその噛合を解く後退位置との間を進退動する。前進時
にアーム先端の突起85は、図6のa部詳細図に示すよ
うに、ワークWの歯と噛合し、ワークの回転方向の位置
決めを行なう。
【0021】ワーク駆動モータ33及びヘッド駆動モー
タ521としては、前述のように回転方向の同期及び位
相の正確な制御ができる制御モータが使用され、具体的
にはサーボモータ又はACスピンドルモータとされる。
【0022】次に、この歯車仕上装置のより詳細な構成
を、装置の操作手順と共に説明する。
【0023】回転砥石51の位相は、回転砥石の歯又は
溝の位置を読み取るエンコーダにより検知される。回転
砥石51をヘッド52に新たに取り付けたときは、回転
砥石を停止させ、手動モードでワーク支持軸上のワーク
と噛合させ、ワーク全周での噛合が均一化された状態
で、回転砥石の位相の原点を設定する。
【0024】この準備ができた後、ヘッドストック30
のワーク駆動モータ33をエンコーダにおける原点に復
帰した状態にすることにより、ワーク駆動モータ33を
サーボロック状態になる。この操作の前又は後に、ワー
クWをワーク支持軸に装着する。(ステップ1) この後、ヘッド駆動モータ532を作動させてヘッド5
2を駆動する。ヘッド52に回転速度は、ワークWの切
削速度に適合したものとされる。ヘッドは、以後におい
て停止指令が出るまで回転を続ける。その状態で、心押
し台40をヘッドストック30に接近させ、ワ−ク支持
軸32,42によりワークWを保持する。ここでは、ワ
ーク支持軸42のクランプ軸43は後退位置とされてい
る。(ステップ2) 次にワーク位置決め装置80のアーム82を移動し、突
起83をワークWの歯の間に進入させることにより、ワ
ークWの回転方向の位置決めをする。ワーク支持軸32
上のワークWは、ワークWの機械加工精度のバラツキ、
熱処理による歪み、治具への取付誤差等から、ワークW
自身の位相と駆動モータの位相とが必ずしも一致しな
い。そこで、ワーク位置決め装置80により、ワークW
自身の位相を正確に決めるのである。(図7A)(ステ
ップ3) この突起83との噛合状態を保ったまま、ワーク支持軸
42のクランプ軸43を前進させ、ワーク支持軸32,
42上でワークWを回転方向に固定する。(ステップ
4) ワークWとワーク位置決め装置80との噛合状態を保っ
たまま、駆動モータ33をサーボオフとする。これによ
り、ワーク支持軸32は、回転方向に拘束のないフリー
ラン状態となる。前述のように、ワーク駆動モータ33
が原点復帰状態とされていても、ワーク支持軸32上の
ワークWの回転方向の位相は、種々の要因から駆動モー
タの位相とが必ずしも一致しない。したがって、ワーク
位置決め装置80との噛合により、ワークWの位相が正
確に決められる。したがって、通常は、ワーク位置決め
装置80により位置決めされたワークWと原点復帰状態
とされたワーク駆動モータ33との間に僅かな回転方向
のずれが生じる。このずれは、ワーク支持軸32におけ
るワーク駆動モータ33による支持箇所とワークWの支
持箇所との間において弾性ねじれ変形を生じる。したが
って、ワークWとワーク位置決め装置80との噛合状態
を保ったまま、ワーク駆動モータ33をフリーラン状態
とすることにより、ワーク支持軸32はワーク駆動モー
タ33による支持箇所において、ねじれ変形を戻すよう
に僅かに回転する。(ステップ5) ワーク駆動モータ33をフリーラン状態とすることによ
り生じたワーク支持軸32の僅かな修正回転量をエンコ
ーダから読み取る。この場合、修正回転量が過大である
と、異常信号を発する等して、初期の設定への戻りを促
すよう設定しておくのが望ましい。読み取った修正回転
量は、プログラマブルコントローラ又はマクロプログラ
ムにより新たに原点位置として記憶される。(図7B)
(ステップ6) この状態から、ワーク位置決め装置80をワークWから
遠ざけるように後退させる。(図7C)(ステップ7) ワーク位置決め装置80が後退した後、ワーク駆動モー
タ33を作動させて、ワーク支持軸32,42を回転さ
せる。これと平行して、テーブル10を移動させ、ワー
クWを回転砥石51の中心に近づける。(図7D)(ス
テップ8) ワークWが回転砥石51の中心に接近する間に、ワーク
支持軸32の同期及び位相合わせを行なう。すなわち、
ワーク支持軸32が回転砥石51に対して同期速度とな
ったことをワーク支持軸32及びヘッド52に結合され
たエンコーダによって感知し、その後、前述のステップ
5で修正された原点に基づいて位相合わせを行なう。こ
れと平行して、切り込み駆動部60を作動させ回転砥石
51をワークW側(z軸方向)へ前進させる。(図7
E)(ステップ9) 同期位相合わせ完了の後、回転砥石51とワークWの両
歯先端が僅かに噛み合う位置まで回転砥石51を更に前
進させる。このとき、衝突による歯の破損防止のため、
早送りではなく切削送りとするのが望ましい。(図7
F)(ステップ10) 回転砥石51とワークWの両歯先端が互いに十分に噛み
合う位置に到達した後、ワーク駆動モータ33の出力ト
ルクを切削不能な程度まで下げる。(ステップ11) さらに、切り込み駆動部60により回転砥石51及びワ
ークW間のバックラッシュが零になるまで、回転砥石5
1の前進を続ける。バックラッシュ零の検出は、トルク
コントロール機能に基づいて行なうことができる。バッ
クラッシュの状態は、回転砥石51及びワークWの加工
精度、熱処理による歪み、治具への取付誤差等により各
歯の並び方向に均一ではない。これに対し、例えば以下
の手段を適用することができる。水平駆動モータ61に
よるz軸方向の送りトルクを一定にし、プログラマブル
コントローラにより1スキャン(プログラマブルコント
ローラにおける送り制御プログラムの先頭からエンドま
での1巡の処理)毎に、前回と今回のz軸座標値を比較
する。その差が零又は実質上零とみなせる小さい値にな
ったときに、バックラッシュ零とする。或いは、予め手
動モードでワークと回転砥石とを噛合させてバックラッ
シュ零となるz軸方向の回転砥石の位置を検出し、その
検出データにより設定された位置まで回転砥石51を前
進させるようにしてもよい。(図7G)(ステップ1
2) バックラシュ零の位置となれば、回転砥石51の前進を
直ぐに停止する。この時、ワーク支持軸32はトルク制
限しているので、ワークWは回転砥石51に対し連れ廻
りしている状態となっている。したがって、ステップ6
で設定された電気的同期及び位相一致位置に対しずれが
生じている。回転砥石51及びワークW間のバックラッ
シュが零となった位置を正式にマスタ(回転砥石)とス
レーブ(ワーク軸)の同期及び位相合致位置としてプロ
グラマブルコントローラ等に認識させる。(ステップ1
3) 以下、研削加工を開始することになるが、この方法に
は、以下に記述するように複数の選択可能な形態があ
る。
【0025】回転砥石51をプランジ送りで前進させる
(テーブルを固定したままヘッドを前進させる)と同時
にワーク駆動モータ33の出力トルクの制限を除々に解
除していく。このとき 電気的位相ズレが発生しないよ
うワーク駆動モータ33のトルク及び回転砥石51の送
り速度を制御する。(ステップ14) 上記ステップ15に代えて、ワーク駆動モータ33の出
力トルク制限を解除して設定した最大値まで戻し定トル
ク切削を行なうこともできる。(ステップ14A) その後、テーブル10をワーク支持軸方向(図4の左右
方向)に往復動させて研削を行なう。これには、テーブ
ルが移動方向を切り換える毎に切り込み(Z軸)を行な
う。ワークWが、ヘリカルギアの場合は、ヘリカル補正
を行ないながら、研削を行なう。(ステップ15) 上記ステップ15Aを採用する場合は、上記ステップ1
6に代えて、一定のトルクで研削出来るよう、ワーク駆
動モータ33の電流等を検出して、水平駆動モータ61
による回転砥石51の送り速度を自動調整しながらパラ
レル送りを行う。(ステップ15A) パラレル送り中にクラウニング軸(B軸)を駆動してク
ラウニングを行なう。パラレル送りは、テーブル(X
軸)は中心からの移動距離を除々に広げながら行なう。
またテーブル(X軸)が方向を切り換わる毎に水平駆動
モータ61による前進動作を行なう(Z軸)。そして、
ワークの最終形状に対応する切り込み軸(z軸)の設定
位置に至るまで加工する。(ステップ16) 設定位置に至った時、ワークWの歯の反対側のフランク
を研削するため、今までの方向と逆方向に同期位相をシ
フトする。位相シフトの量はプログラムで決定する。
(ステップ17) 両側のフランクの加工が終了したら、最終仕上げ加工を
行うのが望ましい。これは、再びワーク駆動モータ33
をトルク制限し、ワーク支持軸を連れ廻り状態にして、
切り込みを掛けず、テーブル送りとクラウニング加工を
することにより行なうことができる。(ステップ18) 次に、回転砥石51を後退させてワークWから遠ざけ、
その後、同期を解除することによりワーク駆動モータ3
3を停止させる。さらに、テーブル10、回転砥石5
1、クラウニング軸の各軸(X軸,Z軸,B軸)及びワ
ーク駆動モータ33を原点復帰させる。これにより、1
個のワークWの加工が終了し、次のワークの加工準備が
整った状態となる。(ステップ19)
【0026】
【発明の効果】本発明においては、ワーク支持軸及び成
形工具の駆動を、サーボモータによるサーボ制御又はA
CスピンドルモータによるCs制御により行なうものと
し、その制御による位相決めをする(一次位相決め)。
さらにワーク位置決め装置による位相修正を行ない、制
御モータをフリーラン状態とすることにより位相ずれを
読み取って基準位置を調整する(二次位相決め)。そし
てさらに、ワーク支持軸の駆動トルクを低下させた状態
で、バックラッシュ零の状態として、ワーク支持軸と成
形工具との各制御モータの駆動位相を固定する(三次位
相決め)。このようにして、ワークと成形工具との位相
を正確に一致させることができる。この状態で、切り込
み量を漸増させて切削を行なえば、同期駆動による極め
て高い精度の仕上げ切削を行なうことができる。また、
以上の操作は、一旦成形工具の位相合わせを行なった後
は、成形工具の回転を止めることなく行なうことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一次実施形態に係る歯車仕上装置の
正面図である。
【図2】 図1に示す歯車仕上装置の側面図である。
【図3】 図1に示す歯車仕上装置の平面図である。
【図4】 図1に示す歯車仕上装置の動作部分を中心に
示す正面図である。
【図5】 図1に示す歯車仕上装置のワーク支持状態を
中心に示す正面図であ
【図6】 図1に示す歯車仕上装置におけるワーク位置
決め装置の使用状態を示す斜視図である。
【図7】 図1に示す歯車仕上装置による加工状体を示
す説明図である。
【図8A】 図1に示す歯車仕上装置のワーク支持状態
の操作手順を示すフローチャートである。
【図8B】 図8Aに続くフローチャートである。
【符号の説明】
10 テーブル10、 20 保持装置、30,4
0 心押し台、 31 心押し台本体、32 ワーク
支持軸、 33 ワーク駆動モータ、41 心押し
台本体、 42 ワーク支持軸、50 砥石保持装
置、 51 回転砥石、53 保持部、
531 ヘッド駆動モータ、60 切り込み駆動部、
80 ワーク位置決め装置、W ワーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川本 洸司 兵庫県尼崎市猪名寺2丁目18番1号 株式 会社神崎高級工機製作所内 (72)発明者 永射 淳一 兵庫県尼崎市猪名寺2丁目18番1号 株式 会社神崎高級工機製作所内 (72)発明者 黒川 泰浩 兵庫県尼崎市猪名寺2丁目18番1号 株式 会社神崎高級工機製作所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークである歯車を成形仕上げ加工する
    にあたり、機台に支持されたワーク支持軸及び仕上げ用
    成形工具の双方を同期回転するように駆動する歯車仕上
    げ加工方法であって、 前記ワーク支持軸及び成形工具の制御モータによる駆動
    を、サーボモータによるサーボ制御又はACスピンドル
    モータによるCs制御により行なうものとし、 該歯車仕上げ加工方法は、 前記制御モータの回転方向原点への移動及び前記ワーク
    支持軸に対するワークの取付けを行なうステップと、 ワーク位置決め装置をワークと噛合させてワークの回転
    方向位置決めを行なうステップと、 ワークを前記ワーク位置決め装置と噛合させた状態で前
    記ワーク支持軸と芯押し台とによりクランプするステッ
    プと、 前記ワーク支持軸に結合された前記制御モータをフリー
    ラン状態とするステップと、 フリーラン状態に伴って生じる前記ワーク支持軸におけ
    る制御モータ側のワーク支持側に対する位相ずれを読み
    取るステップと、 前記ワーク位置決め装置をワークから外すステップと、 前記ワーク支持軸を前記制御モータにより回転させ、前
    記位相ずれを解消するように調整して前記ワーク支持軸
    及び前記成形工具を各制御モータの制御により同期させ
    且つ位相を合わせて回転させるステップと、 前記ワーク支持軸の駆動トルクを前記成形工具による切
    削を受けない程度に低下させた状態で、バックラッシュ
    零として予め設定された位置又は検知される位置まで前
    記ワーク支持軸と前記成形工具とを接近させるステップ
    と、 前記バックラッシュ零の位置における前記ワーク支持軸
    と前記成形工具との各制御モータの駆動位相を固定する
    ステップと、 各制御モータの駆動により前記ワーク支持軸及び前記成
    形工具を同期回転させつつ切り込み量を漸増させて仕上
    げ切削を行なうステップとを備えていることを特徴とす
    る歯車仕上げ加工方法。
  2. 【請求項2】 前記仕上げ切削を行なうステップを、前
    記ワーク支持軸の駆動トルクを正常値まで漸増させつつ
    行なうことを特徴とする請求項1に記載の歯車仕上げ加
    工方法。
  3. 【請求項3】 前記仕上げ切削を行なうステップを、前
    記成形工具又はワーク支持軸のサーボモータ又はACス
    ピンドルモータの駆動負荷電流値を検出し切り込み速度
    を調整しつつ行なうことを特徴とする請求項1に記載の
    歯車仕上げ加工方法。
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