JP2002126635A - 化粧突板およびその製造方法 - Google Patents
化粧突板およびその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】突板を用いた建具類の製造に際して使用される
化粧突板合板、あるいは、連続化粧突板シートとして、
揮発性有機化合物(VOC)の発生することのない新規
な化粧突板を提供することであり、また、化粧突板の新
規な製造方法を提供する。 【解決手段】化粧突板として、スライスした木材の薄片
に水性着色剤により着色を施し、下塗りから仕上げ塗装
を水性ウレタンエマルジョン塗料、水性アクリルエマル
ジョン塗料、水性ポリエステルエマルジョン塗料、水性
エポキシエマルジョン塗料等を単独もしくは2種以上混
合してなる水性エマルジョン塗料を塗装したことを特徴
とし、また、仕上げ塗装前の塗装段階において少なくと
も1回、塗膜形成が開始直後において突板を加圧、てん
圧せしめることによって、素材である突板の表面の毛羽
立ち、ささくれ等を押え込み、さらには、水性エマルジ
ョン塗料の発泡によって生じるクレーター、痘痕を解消
し、塗装面を平滑化せしめることを特徴とするものであ
る。
化粧突板合板、あるいは、連続化粧突板シートとして、
揮発性有機化合物(VOC)の発生することのない新規
な化粧突板を提供することであり、また、化粧突板の新
規な製造方法を提供する。 【解決手段】化粧突板として、スライスした木材の薄片
に水性着色剤により着色を施し、下塗りから仕上げ塗装
を水性ウレタンエマルジョン塗料、水性アクリルエマル
ジョン塗料、水性ポリエステルエマルジョン塗料、水性
エポキシエマルジョン塗料等を単独もしくは2種以上混
合してなる水性エマルジョン塗料を塗装したことを特徴
とし、また、仕上げ塗装前の塗装段階において少なくと
も1回、塗膜形成が開始直後において突板を加圧、てん
圧せしめることによって、素材である突板の表面の毛羽
立ち、ささくれ等を押え込み、さらには、水性エマルジ
ョン塗料の発泡によって生じるクレーター、痘痕を解消
し、塗装面を平滑化せしめることを特徴とするものであ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅内装建材、造
作部材、あるいは、建具部材に使用される化粧突板に関
するものである。
作部材、あるいは、建具部材に使用される化粧突板に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】住宅産業における内装建材の壁材、造作
部材、建具部材(以下、単に建具類と言うことがあ
る。)においては、中密度繊維板である木質板の表面
に、化粧塩ビシート、あるいは、非塩ビ木目印刷シート
を貼着してなる化粧合板、また、天然木を0.2〜0.
3mm程度に薄くスライスしてなる突板を直接に木質板
に貼着してなる化粧合板、さらには、裏面に不織布をラ
ミネートしてなる突板シートを木質板に貼着してなる化
粧合板が多用されており、前者の化粧塩ビシート、ある
いは、非塩ビ木目印刷シート化粧合板にあっては、製造
が簡便であることから安価であると同時に、その後にお
いて塗装の必要がないことから広く使用されているとこ
ろである。
部材、建具部材(以下、単に建具類と言うことがあ
る。)においては、中密度繊維板である木質板の表面
に、化粧塩ビシート、あるいは、非塩ビ木目印刷シート
を貼着してなる化粧合板、また、天然木を0.2〜0.
3mm程度に薄くスライスしてなる突板を直接に木質板
に貼着してなる化粧合板、さらには、裏面に不織布をラ
ミネートしてなる突板シートを木質板に貼着してなる化
粧合板が多用されており、前者の化粧塩ビシート、ある
いは、非塩ビ木目印刷シート化粧合板にあっては、製造
が簡便であることから安価であると同時に、その後にお
いて塗装の必要がないことから広く使用されているとこ
ろである。
【0003】一方、後者の突板を使用する化粧合板にあ
っては、天然木の持つ本質的な木の暖かさ、温もり、さ
らには、木理や導管の持つ固有の美しさが、住宅内装材
あるいは建材等の建具類としての装飾性を付与し、さら
に、製品的価値を付与するものであるが、反面、自然木
の持つ個性的な美しさを顕現するために複雑多岐に亘る
製造工程、即ち、木地の調整に始まり、目止め着色、下
塗り、中塗り、下地の平滑化のための研磨と、最終的な
塗装(上塗り)からなる多岐に亘る製造工程を経る必要
がある。
っては、天然木の持つ本質的な木の暖かさ、温もり、さ
らには、木理や導管の持つ固有の美しさが、住宅内装材
あるいは建材等の建具類としての装飾性を付与し、さら
に、製品的価値を付与するものであるが、反面、自然木
の持つ個性的な美しさを顕現するために複雑多岐に亘る
製造工程、即ち、木地の調整に始まり、目止め着色、下
塗り、中塗り、下地の平滑化のための研磨と、最終的な
塗装(上塗り)からなる多岐に亘る製造工程を経る必要
がある。
【0004】即ち、前述の建具類の製造において、特
に、複雑な異形断面を有するドア枠、窓枠、框等の棒状
の建具類にあっては、棒状のまま木地調整された後、木
地着色に始まり、下塗り、中塗り、研磨の各工程を経た
後、仕上げ塗装が施される。
に、複雑な異形断面を有するドア枠、窓枠、框等の棒状
の建具類にあっては、棒状のまま木地調整された後、木
地着色に始まり、下塗り、中塗り、研磨の各工程を経た
後、仕上げ塗装が施される。
【0005】しかしこれら建具類の製造の効率化、生産
性の向上を目的として、突板を貼付してなる平板(以
下、突板合板ということがある。)を、平板状で最終の
仕上げ塗装までを行ない、塗装された突板合板を前記ド
ア枠、窓枠、框等の棒状の建具類としての芯材の外周長
さに対応させた幅に裁断し、芯材の変節点に対応さてV
溝を削設し、該V溝部を折曲して芯材に貼り合わせるV
カット加工法による化粧突板合板の製造方法が実施され
ている。
性の向上を目的として、突板を貼付してなる平板(以
下、突板合板ということがある。)を、平板状で最終の
仕上げ塗装までを行ない、塗装された突板合板を前記ド
ア枠、窓枠、框等の棒状の建具類としての芯材の外周長
さに対応させた幅に裁断し、芯材の変節点に対応さてV
溝を削設し、該V溝部を折曲して芯材に貼り合わせるV
カット加工法による化粧突板合板の製造方法が実施され
ている。
【0006】あるいはまた、突板を不織布により裏打ち
するとともに連続したシート状に接続した後、前述する
と同様の工程に基づいて最終の仕上げ塗装までを行ない
連続化粧突板シートとなし、この化粧突板シートを建具
類としての芯材の外周を被包しつつ接着剤により貼着す
る所謂、ラッピング加工法が実施されている。
するとともに連続したシート状に接続した後、前述する
と同様の工程に基づいて最終の仕上げ塗装までを行ない
連続化粧突板シートとなし、この化粧突板シートを建具
類としての芯材の外周を被包しつつ接着剤により貼着す
る所謂、ラッピング加工法が実施されている。
【0007】ところで、前述する何れの製造方法を実施
するに際しても、その塗装工程において採用される塗料
は、その後の加工時にける突板合板の吸湿による寸法変
化を生じる危険を回避するために、有機溶剤系の2液硬
化型のウレタン塗料、有機溶剤とアクリルモノマーで希
釈された紫外線硬化型のUV塗料が使用されている。
するに際しても、その塗装工程において採用される塗料
は、その後の加工時にける突板合板の吸湿による寸法変
化を生じる危険を回避するために、有機溶剤系の2液硬
化型のウレタン塗料、有機溶剤とアクリルモノマーで希
釈された紫外線硬化型のUV塗料が使用されている。
【0008】かかる化粧突板合板、あるいは、化粧突板
シートにあっては、突板の導管に浸透した高沸点の有機
溶剤、あるいは、塗装塗膜内に残存する有機溶剤、さら
には、完全硬化をなし得なかったUV塗料のアクリルモ
ノマー等が揮発性有機化合物(VOC)として残存し、
この化粧突板合板を用いた建具類を使用する場合にあっ
ては、建具類から放出される揮発性有機化合物(VO
C)、所謂、環境ホルモンとして、アレルギーの発症等
の原因であるとして、健康面への影響が喧伝され、「シ
ックハウス」として問題視されている。
シートにあっては、突板の導管に浸透した高沸点の有機
溶剤、あるいは、塗装塗膜内に残存する有機溶剤、さら
には、完全硬化をなし得なかったUV塗料のアクリルモ
ノマー等が揮発性有機化合物(VOC)として残存し、
この化粧突板合板を用いた建具類を使用する場合にあっ
ては、建具類から放出される揮発性有機化合物(VO
C)、所謂、環境ホルモンとして、アレルギーの発症等
の原因であるとして、健康面への影響が喧伝され、「シ
ックハウス」として問題視されている。
【0009】一方では、これら化粧突板合板、あるい
は、化粧突板シートの製造にかかわる塗装現場にあって
は、前記有機溶剤から発生する揮発成分が作業者の健康
面に与える影響を考慮して排気設備を設置するものの、
完全な除去は不可能なものであり、作業環境の劣化を避
けることが出来ない。
は、化粧突板シートの製造にかかわる塗装現場にあって
は、前記有機溶剤から発生する揮発成分が作業者の健康
面に与える影響を考慮して排気設備を設置するものの、
完全な除去は不可能なものであり、作業環境の劣化を避
けることが出来ない。
【0010】また、特に、自然木の木地の持つ外観とし
ての平滑度、美麗さを要求されることから、突板の製造
上から不可避とされる木地のササクレ、毛羽立ち、凹凸
をなくすために、仕上げ塗装工程前に平滑化するための
研磨工程を省略することが出来ず、この研磨工程におい
ては、前段階における塗膜の1/3程度、甚だしい場合
においては、1/2に至るまで研磨除去されることも有
り、時間的ロス、資源的ロスに加えて、研磨時に発生す
る粉塵の飛散により極めて作業環境を悪化せしめるのみ
ならず、この粉塵に含まれる前述する揮発性有機化合物
(VOC)による健康面への影響が生じ、また、粉塵の
処理に際して揮発性有機化合物(VOC)を含むことか
ら産業廃棄物として特別な処理を必要とする等の問題を
有するものである。
ての平滑度、美麗さを要求されることから、突板の製造
上から不可避とされる木地のササクレ、毛羽立ち、凹凸
をなくすために、仕上げ塗装工程前に平滑化するための
研磨工程を省略することが出来ず、この研磨工程におい
ては、前段階における塗膜の1/3程度、甚だしい場合
においては、1/2に至るまで研磨除去されることも有
り、時間的ロス、資源的ロスに加えて、研磨時に発生す
る粉塵の飛散により極めて作業環境を悪化せしめるのみ
ならず、この粉塵に含まれる前述する揮発性有機化合物
(VOC)による健康面への影響が生じ、また、粉塵の
処理に際して揮発性有機化合物(VOC)を含むことか
ら産業廃棄物として特別な処理を必要とする等の問題を
有するものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述の諸点に鑑み、突
板を用いた建具類の製造に際して使用される化粧突板合
板、あるいは、連続化粧突板シート(以下、両者を総称
して化粧突板ということがある。)として、揮発性有機
化合物(VOC)の発生することのない新規な化粧突板
を提供することを目的とするものである。
板を用いた建具類の製造に際して使用される化粧突板合
板、あるいは、連続化粧突板シート(以下、両者を総称
して化粧突板ということがある。)として、揮発性有機
化合物(VOC)の発生することのない新規な化粧突板
を提供することを目的とするものである。
【0012】また、化粧突板を製造するに際し、従来必
須の工程とされる研磨工程を不用とし、該工程によって
不可避とされる時間的、資源的ロスを排除し、また、研
磨工程おける廃棄物の発生しない新規な化粧突板の製造
方法を提供することを目的とするものである。
須の工程とされる研磨工程を不用とし、該工程によって
不可避とされる時間的、資源的ロスを排除し、また、研
磨工程おける廃棄物の発生しない新規な化粧突板の製造
方法を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めの本発明に係る構成は、化粧突板として、スライスし
た木材の薄片に水性着色剤により着色を施し、下塗りか
ら仕上げ塗装を水性ウレタンエマルジョン塗料、水性ア
クリルエマルジョン塗料、水性ポリエステルエマルジョ
ン塗料、水性エポキシエマルジョン塗料等を単独もしく
は2種以上混合してなる水性エマルジョン塗料を塗装し
た点に存するものである。
めの本発明に係る構成は、化粧突板として、スライスし
た木材の薄片に水性着色剤により着色を施し、下塗りか
ら仕上げ塗装を水性ウレタンエマルジョン塗料、水性ア
クリルエマルジョン塗料、水性ポリエステルエマルジョ
ン塗料、水性エポキシエマルジョン塗料等を単独もしく
は2種以上混合してなる水性エマルジョン塗料を塗装し
た点に存するものである。
【0014】また、請求項2記載の化粧突板にあって
は、水性エマルジョン塗料の乾燥後における塗膜の破断
強度が150kg/cm2以上、かつ、破断伸度が15
0%以上とした点に存するものである。
は、水性エマルジョン塗料の乾燥後における塗膜の破断
強度が150kg/cm2以上、かつ、破断伸度が15
0%以上とした点に存するものである。
【0015】さらに、請求項3記載の化粧突板におい
て、水性エマルジョン塗料の塗膜の目付量を25〜25
0g/m2とした点に存するものである。さらにまた、
請求項4に記載の構成は、突板合板および連続突板シー
トを製造するに際し、木地着色工程、および、下地塗装
から仕上げ塗装の塗装工程の後に、塗料の塗膜が形成さ
れた後、少なくとも1回以上加圧・てん圧し、塗装面を
平滑調整する化粧突板の製造方法に存するものである。
て、水性エマルジョン塗料の塗膜の目付量を25〜25
0g/m2とした点に存するものである。さらにまた、
請求項4に記載の構成は、突板合板および連続突板シー
トを製造するに際し、木地着色工程、および、下地塗装
から仕上げ塗装の塗装工程の後に、塗料の塗膜が形成さ
れた後、少なくとも1回以上加圧・てん圧し、塗装面を
平滑調整する化粧突板の製造方法に存するものである。
【0016】さらにまた、請求項5記載の化粧突板の製
造方法において、突板合板に対する加圧・てん圧を常温
〜200℃の温度範囲に調整するとともに、合板厚みの
85〜98%の間隙に設定された一対のロールによりな
し、連続突板シートに対する加圧・てん圧を常温〜20
0℃の温度範囲に調整するとともに、加圧力を0.1〜
5kg/cmに調整しつつロールプレスにより加圧・て
ん圧する化粧突板の製造方法に存するものである。
造方法において、突板合板に対する加圧・てん圧を常温
〜200℃の温度範囲に調整するとともに、合板厚みの
85〜98%の間隙に設定された一対のロールによりな
し、連続突板シートに対する加圧・てん圧を常温〜20
0℃の温度範囲に調整するとともに、加圧力を0.1〜
5kg/cmに調整しつつロールプレスにより加圧・て
ん圧する化粧突板の製造方法に存するものである。
【0017】
【実施の形態】本発明者は、化粧突板の製造プロセスに
おいて最大の比重を占める塗装工程に関して、塗料の特
性に着目し、ならびに、加工法について、種々の検討と
試験を繰り返した結果、到達しものである。
おいて最大の比重を占める塗装工程に関して、塗料の特
性に着目し、ならびに、加工法について、種々の検討と
試験を繰り返した結果、到達しものである。
【0018】即ち、従来の化粧突板の製造プロセスにお
いて使用される塗料は、塗装対象が突板、あるいは、突
板を表面に貼着してなる合板という木質系であることか
ら、吸水し膨潤による次工程における寸法変化、さらに
は、乾燥に要する時間的ロスから塗装についてはOH基
(ヒドロシキ基)とNCO基(イソシアネート基)の反
応によって高分子量化して塗膜を形成する2液溶剤系の
ウレタン塗料、あるいは、紫外線の照射によりラジカル
架橋を生起して塗膜を形成、するUV塗料が専ら使用さ
れている。
いて使用される塗料は、塗装対象が突板、あるいは、突
板を表面に貼着してなる合板という木質系であることか
ら、吸水し膨潤による次工程における寸法変化、さらに
は、乾燥に要する時間的ロスから塗装についてはOH基
(ヒドロシキ基)とNCO基(イソシアネート基)の反
応によって高分子量化して塗膜を形成する2液溶剤系の
ウレタン塗料、あるいは、紫外線の照射によりラジカル
架橋を生起して塗膜を形成、するUV塗料が専ら使用さ
れている。
【0019】他方、前記有機溶剤系の塗料に対置する塗
料として水性エマルジョン塗料が存在するが、この水性
エマルジョン塗料は、その塗膜を形成する水性エマルジ
ョン樹脂が、製造工程において高分子量化され、樹脂と
して微粒子状態で水溶媒中に安定的、かつ、均一に分散
化され、従って、水性エマルジョン塗料の塗装、乾燥工
程においては、塗布面から塗膜形成が開始され、塗膜形
成までその性状において外的な圧力が作用しても、塗膜
の性状に変化はなく、かかる点において前述の有機溶剤
系の塗料とは、塗膜の造膜機構が基本的に相違するもの
であり、かかる点に着目し、本発明を完成するに至っ
た。
料として水性エマルジョン塗料が存在するが、この水性
エマルジョン塗料は、その塗膜を形成する水性エマルジ
ョン樹脂が、製造工程において高分子量化され、樹脂と
して微粒子状態で水溶媒中に安定的、かつ、均一に分散
化され、従って、水性エマルジョン塗料の塗装、乾燥工
程においては、塗布面から塗膜形成が開始され、塗膜形
成までその性状において外的な圧力が作用しても、塗膜
の性状に変化はなく、かかる点において前述の有機溶剤
系の塗料とは、塗膜の造膜機構が基本的に相違するもの
であり、かかる点に着目し、本発明を完成するに至っ
た。
【0020】加えて、水性エマルジョン塗料を実際の突
板へ塗装するに際して、塗料の溶媒としての水分は充分
に乾燥された突板にあっては、塗装時における吸水は極
めて微小なものであり、さらには、塗装後における水性
エマルジョン塗料の水分を排除、あるいは、気散せしめ
ることにより、突板に対する水分の影響を排除しうるも
のであるという知見に基づいて完成を見たものである。
板へ塗装するに際して、塗料の溶媒としての水分は充分
に乾燥された突板にあっては、塗装時における吸水は極
めて微小なものであり、さらには、塗装後における水性
エマルジョン塗料の水分を排除、あるいは、気散せしめ
ることにより、突板に対する水分の影響を排除しうるも
のであるという知見に基づいて完成を見たものである。
【0021】水性エマルジョン塗料の有利なことは、完
結されたベース樹脂としての水性エマルジョン樹脂のフ
ィルム破断強度および破断伸度を正確な数値として把握
し得ることであり、このことは、化粧突板として化粧合
板への加工、即ち、Vカット加工、あるいは、ラッピン
グ加工における過酷な加工プロセスに必要な塗膜として
の強度と、塗装後における化粧突板としての充分な加工
強度を付与しうるための水性エマルジョン塗料の選択を
容易にするということである。
結されたベース樹脂としての水性エマルジョン樹脂のフ
ィルム破断強度および破断伸度を正確な数値として把握
し得ることであり、このことは、化粧突板として化粧合
板への加工、即ち、Vカット加工、あるいは、ラッピン
グ加工における過酷な加工プロセスに必要な塗膜として
の強度と、塗装後における化粧突板としての充分な加工
強度を付与しうるための水性エマルジョン塗料の選択を
容易にするということである。
【0022】自然木をスライスした突板は、単体では極
めて脆弱なものであり、これをVカット加工、あるい
は、ラッピング加工に付すためには、然るべき破断強度
と、伸び(破断伸度)を必要とするが、突板に塗装を施
すことによってかかる要求を充足させ得るが、このため
には塗料としての水性エマルジョン塗料の選択が重要と
なる。
めて脆弱なものであり、これをVカット加工、あるい
は、ラッピング加工に付すためには、然るべき破断強度
と、伸び(破断伸度)を必要とするが、突板に塗装を施
すことによってかかる要求を充足させ得るが、このため
には塗料としての水性エマルジョン塗料の選択が重要と
なる。
【0023】本発明者は、突板に対する水性エマルジョ
ン塗料としては、化粧突板がVカット加工、あるいは、
ラッピング加工における過酷な曲げ加工に耐え得るため
には、塗装塗膜の物性としては、破断強度150kg/
cm2以上、また、破断伸度は150%以上の物性を有
するならば、化粧突板として充分な強度を発現し、前述
の加工に対して充分に耐え得ることを知見したものであ
る。
ン塗料としては、化粧突板がVカット加工、あるいは、
ラッピング加工における過酷な曲げ加工に耐え得るため
には、塗装塗膜の物性としては、破断強度150kg/
cm2以上、また、破断伸度は150%以上の物性を有
するならば、化粧突板として充分な強度を発現し、前述
の加工に対して充分に耐え得ることを知見したものであ
る。
【0024】水性エマルジョン塗料の物性として前述の
破断強度としたのは、150kg/cm2以下では、化
粧突板としての十分な強度を具備せず、Vカット加工、
あるいは、ラッピング加工における曲げ加工時において
割れ、裂け、さらには、破断するに至り、加工を不可能
にするからに他ならない。
破断強度としたのは、150kg/cm2以下では、化
粧突板としての十分な強度を具備せず、Vカット加工、
あるいは、ラッピング加工における曲げ加工時において
割れ、裂け、さらには、破断するに至り、加工を不可能
にするからに他ならない。
【0025】かかる水性エマルジョン塗料による塗膜の
物性は、塗膜厚み、換言すれば、下地塗装から仕上げ塗
装までの積層された樹脂固形分の合計厚みとしての目付
量とも関係し厚ければ厚いほど強度的には向上するが、
一方では、自然木の持つ個性的な感触、風合いを最大限
に発揮せしめるためには、塗膜厚みは薄ければ薄いほど
望ましく、両者の相反する条件の調和を図る必要が有
り、本発明は種々試行を重ねた結果、目付量としては、
25〜250g/m2の範囲が望ましく、これ以下であ
れば、充分な強度を発現することが出来ず、また、塗膜
が厚ければ充分な強度を有するものの、前述の感触、風
合いを減殺する事になり、従って、前述の目付量とし
た。
物性は、塗膜厚み、換言すれば、下地塗装から仕上げ塗
装までの積層された樹脂固形分の合計厚みとしての目付
量とも関係し厚ければ厚いほど強度的には向上するが、
一方では、自然木の持つ個性的な感触、風合いを最大限
に発揮せしめるためには、塗膜厚みは薄ければ薄いほど
望ましく、両者の相反する条件の調和を図る必要が有
り、本発明は種々試行を重ねた結果、目付量としては、
25〜250g/m2の範囲が望ましく、これ以下であ
れば、充分な強度を発現することが出来ず、また、塗膜
が厚ければ充分な強度を有するものの、前述の感触、風
合いを減殺する事になり、従って、前述の目付量とし
た。
【0026】さらに、本発明者は加工プロセスについて
も検討を行なうことにより、合理的な製造プロセスを確
立するに到った。即ち、従来の最大の問題は、仕上げ塗
装前の研磨工程にあり、これが資源的ロス、加工時間的
なロスを惹起するものであって、この研磨工程を排除す
ることを意図した。
も検討を行なうことにより、合理的な製造プロセスを確
立するに到った。即ち、従来の最大の問題は、仕上げ塗
装前の研磨工程にあり、これが資源的ロス、加工時間的
なロスを惹起するものであって、この研磨工程を排除す
ることを意図した。
【0027】水性エマルジョン塗料は、前述するように
塗膜形成が始まると塗膜に外的圧力が作用しても、水性
エマルジョン塗料の性状には変化を生じないという知見
に基き、仕上げ塗装前の塗装段階において少なくとも1
回、塗膜形成が開始直後において突板を加圧、てん圧せ
しめることによって、素材である突板の表面の毛羽立
ち、ささくれ等を押え込み、さらには、水性エマルジョ
ン塗料の発泡によって生じるクレーター、痘痕を解消
し、塗装面を平滑化せしめるものである。
塗膜形成が始まると塗膜に外的圧力が作用しても、水性
エマルジョン塗料の性状には変化を生じないという知見
に基き、仕上げ塗装前の塗装段階において少なくとも1
回、塗膜形成が開始直後において突板を加圧、てん圧せ
しめることによって、素材である突板の表面の毛羽立
ち、ささくれ等を押え込み、さらには、水性エマルジョ
ン塗料の発泡によって生じるクレーター、痘痕を解消
し、塗装面を平滑化せしめるものである。
【0028】この加圧、てん圧による更なる利点は、塗
装直後において実施する場合にあっては、突板の上に残
存する余剰の塗料の溶媒としての水分を効果的に排除で
きることであり、突板が水分の吸収による膨潤を防止す
ることができ、乾燥を短時間で行なえることである。
装直後において実施する場合にあっては、突板の上に残
存する余剰の塗料の溶媒としての水分を効果的に排除で
きることであり、突板が水分の吸収による膨潤を防止す
ることができ、乾燥を短時間で行なえることである。
【0029】化粧突板合板の製造に際して前述の目的を
達成するためには、合板の総厚みの85〜98%の間隙
を有する一対のロール間に通過せしめるが、前記ロール
構成によって間隙値は変更する。ロール装置にあって
は、一対の金属製ロール、もしくは、金属製ロールとゴ
ムロールとから構成しうるものであるが、前者の場合あ
っては、ロール間隙が総圧の90%以下になると噛み込
みまず、はなはだしい場合には合板自体が破壊すること
になり、また、後者のロール装置にあっては、ゴム材質
によっても異なるが、適度な加圧力を発生せしめるため
のゴムロールにあっては、85%のロール間隙で以下に
なれば同様に無理を生じ、合板の圧壊につながることに
なり、加圧力としては最低98%ロール間隙を通過せし
めることで充分なものである。
達成するためには、合板の総厚みの85〜98%の間隙
を有する一対のロール間に通過せしめるが、前記ロール
構成によって間隙値は変更する。ロール装置にあって
は、一対の金属製ロール、もしくは、金属製ロールとゴ
ムロールとから構成しうるものであるが、前者の場合あ
っては、ロール間隙が総圧の90%以下になると噛み込
みまず、はなはだしい場合には合板自体が破壊すること
になり、また、後者のロール装置にあっては、ゴム材質
によっても異なるが、適度な加圧力を発生せしめるため
のゴムロールにあっては、85%のロール間隙で以下に
なれば同様に無理を生じ、合板の圧壊につながることに
なり、加圧力としては最低98%ロール間隙を通過せし
めることで充分なものである。
【0030】また、塗装連続突板シートの製造に際して
は、一対の金属製ロール装置を用い、加圧力として0.
1〜5.0kg/cm、好ましくは、0.5〜2.0k
g/cmの線圧となるようにロール間隙を設定するが、
0.1kg/cm以下ではその効果に乏しく、また、
5.0kg/cm、以上では突板の木地が破壊されるこ
とになるため、前述の範囲を設定した。
は、一対の金属製ロール装置を用い、加圧力として0.
1〜5.0kg/cm、好ましくは、0.5〜2.0k
g/cmの線圧となるようにロール間隙を設定するが、
0.1kg/cm以下ではその効果に乏しく、また、
5.0kg/cm、以上では突板の木地が破壊されるこ
とになるため、前述の範囲を設定した。
【0031】また、加圧、てん圧に際しては、突板の塗
装面の温度に依存するが、塗装面における温度が60℃
以上となるように、常温〜200℃の温度範囲で、好ま
しくは、100〜120℃の範囲に加熱調節することが
有利に作用する。ロールを加温することによって、塗料
ベースのエマルジョン樹脂を軟化せしめ、加圧時に突板
表面と馴染ませ、かつ、再軟化させることにより、塗料
の流動性を向上させ、塗料乾燥時に生起する発泡による
痘痕、クレーターの凹凸を、塗料樹脂を流動により平坦
化を促進せしめ、平滑性を保持することになる。
装面の温度に依存するが、塗装面における温度が60℃
以上となるように、常温〜200℃の温度範囲で、好ま
しくは、100〜120℃の範囲に加熱調節することが
有利に作用する。ロールを加温することによって、塗料
ベースのエマルジョン樹脂を軟化せしめ、加圧時に突板
表面と馴染ませ、かつ、再軟化させることにより、塗料
の流動性を向上させ、塗料乾燥時に生起する発泡による
痘痕、クレーターの凹凸を、塗料樹脂を流動により平坦
化を促進せしめ、平滑性を保持することになる。
【0032】加えて、水性エマルジョン塗料の水溶媒を
撥水させることで突板の吸水による膨潤を防止できるも
のであり、さらに、加熱ロールによるアイロニング効果
によって塗料の塗布時に吸水し、例えば、乾燥工程後に
おいて実施する場合にあっては、乾燥工程で充分に乾燥
しきれていない突板層に対する乾燥作用をなし、塗膜面
の平滑化と乾燥が同時的に行なうことができるものであ
るが、しかしながら、何れの実施形態を採用するかは別
として、加熱温度が200℃以上になると、塗料は勿論
のこと、極めて薄い突板層が熱変質することになるた
め、前述の範囲に加熱調節することが必要である。
撥水させることで突板の吸水による膨潤を防止できるも
のであり、さらに、加熱ロールによるアイロニング効果
によって塗料の塗布時に吸水し、例えば、乾燥工程後に
おいて実施する場合にあっては、乾燥工程で充分に乾燥
しきれていない突板層に対する乾燥作用をなし、塗膜面
の平滑化と乾燥が同時的に行なうことができるものであ
るが、しかしながら、何れの実施形態を採用するかは別
として、加熱温度が200℃以上になると、塗料は勿論
のこと、極めて薄い突板層が熱変質することになるた
め、前述の範囲に加熱調節することが必要である。
【0033】
【実施例】以下、図示の実施例に基づいて本発明を詳述
するが、これは技術的範囲を制限するためのものではな
く、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更し
うるものである。
するが、これは技術的範囲を制限するためのものではな
く、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更し
うるものである。
【0034】図1は、化粧突板合板の連続製造プロセス
の一例を示すもので、中密度繊維板1aの表面に突板1
bの木地調整を行なった後、接着剤で貼着してなる突板
合板1を、下塗り塗装のためのロールコーター2へ送給
し、該ロールコーター2により水性顔料で調色、調合さ
れた下塗り用の水性エマルジョン塗料P1を突板1bの
木理に均一に塗布する。
の一例を示すもので、中密度繊維板1aの表面に突板1
bの木地調整を行なった後、接着剤で貼着してなる突板
合板1を、下塗り塗装のためのロールコーター2へ送給
し、該ロールコーター2により水性顔料で調色、調合さ
れた下塗り用の水性エマルジョン塗料P1を突板1bの
木理に均一に塗布する。
【0035】下塗り塗装を施された突板合板1は、続く
熱風乾燥機3に送給されて塗膜の乾燥が行なわれ、続い
て、中塗り塗装のためのロールコーター4において前述
すると同様に調色、調合された中塗り用の水性エマルジ
ョン塗料P2が塗布され、続く熱風乾燥機5に送給さ
れ、塗料の乾燥が行なわれ、この熱風乾燥機5をでた直
後において、ロールプレス機6によって加圧、てん圧さ
れる。
熱風乾燥機3に送給されて塗膜の乾燥が行なわれ、続い
て、中塗り塗装のためのロールコーター4において前述
すると同様に調色、調合された中塗り用の水性エマルジ
ョン塗料P2が塗布され、続く熱風乾燥機5に送給さ
れ、塗料の乾燥が行なわれ、この熱風乾燥機5をでた直
後において、ロールプレス機6によって加圧、てん圧さ
れる。
【0036】このロールプレス機6は金属製ロール6a
とゴム製ロール6bから構成され、また、図示を省略し
たがロール間隙の調整機構を具備してなり、さらには、
金属製ロール6aには加熱ヒータを内蔵せしめ、突板合
板1の塗膜に対して加熱ならびに加圧力の調整が可能と
されている。
とゴム製ロール6bから構成され、また、図示を省略し
たがロール間隙の調整機構を具備してなり、さらには、
金属製ロール6aには加熱ヒータを内蔵せしめ、突板合
板1の塗膜に対して加熱ならびに加圧力の調整が可能と
されている。
【0037】このロールプレス機6において、突板合板
1は加圧されることにより、突板の製作時に生起してい
る毛羽立ち、ササクレが押え込まれ、凹凸が消滅して平
滑面に転化することとなり、また同時に、塗膜に生じて
いる発泡による痘痕、クレーターが圧壊され、平滑面を
呈することになるが、この時、発泡による痘痕、クレー
ターの消滅を促進させるために、金属製ロール6aが具
備する加熱ヒータを作動させ、塗膜を加熱し、塗膜を軟
化せしめることにより平滑化を促進させることも可能で
ある。
1は加圧されることにより、突板の製作時に生起してい
る毛羽立ち、ササクレが押え込まれ、凹凸が消滅して平
滑面に転化することとなり、また同時に、塗膜に生じて
いる発泡による痘痕、クレーターが圧壊され、平滑面を
呈することになるが、この時、発泡による痘痕、クレー
ターの消滅を促進させるために、金属製ロール6aが具
備する加熱ヒータを作動させ、塗膜を加熱し、塗膜を軟
化せしめることにより平滑化を促進させることも可能で
ある。
【0037】ロールプレス機6において加熱ならびに加
圧されて表面性状を改善された突板合板1は、仕上げ塗
装のためにロールコーター7へ送られ、艶調整された仕
上げ用の水性エマルジョン塗料P3が塗布された後、熱
風乾燥機8へ送られて塗膜が乾燥され、ピンチロール9
で送られて製品台車10上に集積される。
圧されて表面性状を改善された突板合板1は、仕上げ塗
装のためにロールコーター7へ送られ、艶調整された仕
上げ用の水性エマルジョン塗料P3が塗布された後、熱
風乾燥機8へ送られて塗膜が乾燥され、ピンチロール9
で送られて製品台車10上に集積される。
【0038】前述のプロセスにおいては、仕上げ塗装の
前に突板合板1を加圧、てん圧するロールプレス機6を
配置したものであるが、各塗装工程の前にロールプレス
機を配置することも可能であり、さらには、最終の仕上
げ塗装終了後に艶出しと平滑化を兼ねてロールプレス機
6を配置することも可能なものである。
前に突板合板1を加圧、てん圧するロールプレス機6を
配置したものであるが、各塗装工程の前にロールプレス
機を配置することも可能であり、さらには、最終の仕上
げ塗装終了後に艶出しと平滑化を兼ねてロールプレス機
6を配置することも可能なものである。
【0039】また、図2は、連続突板シートの塗装プロ
セスを示すものであって、不織布に裏打ちされ、連続化
されロール状に巻かれた突板シート15は、ペイオフリ
ール(図示は省略した。)に装架され、連続的に繰り出
され、ピンチロール16を経由してロールコーター17
に到り、塗布ロール17aによって突板の表面に水性エ
マルジョン塗料Pnが塗布され、しかる後、デフレクタ
ーロール18を経て熱風乾燥機19に通され乾燥され、
デフレクターロール20を経由し、さらに、ロールプレ
ス機21をへて巻取り機22に巻き取られるようになっ
ている。
セスを示すものであって、不織布に裏打ちされ、連続化
されロール状に巻かれた突板シート15は、ペイオフリ
ール(図示は省略した。)に装架され、連続的に繰り出
され、ピンチロール16を経由してロールコーター17
に到り、塗布ロール17aによって突板の表面に水性エ
マルジョン塗料Pnが塗布され、しかる後、デフレクタ
ーロール18を経て熱風乾燥機19に通され乾燥され、
デフレクターロール20を経由し、さらに、ロールプレ
ス機21をへて巻取り機22に巻き取られるようになっ
ている。
【0040】前記連続突板シートの塗装プロセスにおい
て、連続突板シート15は循環して塗装されるものであ
り、即ち、下塗り塗装工程、中塗り塗装工程および仕上
げ塗装工程を順次切替えながら、その都度、水性エマル
ジョン塗料Pnを変更するとともに、突板シート15の
ロールを繰り返し供給して塗装を行なうものである。
て、連続突板シート15は循環して塗装されるものであ
り、即ち、下塗り塗装工程、中塗り塗装工程および仕上
げ塗装工程を順次切替えながら、その都度、水性エマル
ジョン塗料Pnを変更するとともに、突板シート15の
ロールを繰り返し供給して塗装を行なうものである。
【0041】そして、前記塗装プロセスにおいて、巻き
取り機21の前段に配置しているロールプレス機21
は、一対の金属製ロールから構成され、その図示を省略
したがロール間隙の調整機構を具備してなり、さらに
は、前記金属製ロールの何れか一方のロールには温度調
整可能な加熱ヒータを内蔵せしめてなり、突板シート1
5の塗膜に対して加熱ならびに加圧力の調整が可能とさ
れている。
取り機21の前段に配置しているロールプレス機21
は、一対の金属製ロールから構成され、その図示を省略
したがロール間隙の調整機構を具備してなり、さらに
は、前記金属製ロールの何れか一方のロールには温度調
整可能な加熱ヒータを内蔵せしめてなり、突板シート1
5の塗膜に対して加熱ならびに加圧力の調整が可能とさ
れている。
【0042】このピンチロール16において、突板シー
ト15は加圧されることにより、突板の製作時に生起し
ている毛羽立ち、ササクレが押え込まれ、凹凸が消滅し
て平滑面に転化することとなり、また、塗膜に生じてい
る発泡による痘痕、クレーターが圧壊され、平滑面を呈
することになるが、この時、発泡による痘痕、クレータ
ーの消滅を促進させるために、金属製ロール6aの加熱
ヒータを作動させ、塗膜を加熱し、塗膜を軟化せしめる
ことにより塗膜の流動性を高め、平滑化を促進させるこ
とも可能である。
ト15は加圧されることにより、突板の製作時に生起し
ている毛羽立ち、ササクレが押え込まれ、凹凸が消滅し
て平滑面に転化することとなり、また、塗膜に生じてい
る発泡による痘痕、クレーターが圧壊され、平滑面を呈
することになるが、この時、発泡による痘痕、クレータ
ーの消滅を促進させるために、金属製ロール6aの加熱
ヒータを作動させ、塗膜を加熱し、塗膜を軟化せしめる
ことにより塗膜の流動性を高め、平滑化を促進させるこ
とも可能である。
【0043】以下、さらに具体例に基づいて本発明を詳
述する。
述する。
【0044】実施例1 ホワイトオーク材を0.25mmの厚みにスライスした
柾目の突板を、突板における木理、導管等の木地を調整
しながら、幅(W)×長さ(L)=610×2430m
m、厚さ(t)=2.7mmの寸法に仕上げられた中密
度繊維板(MDF)の表面に接着剤により貼着した後、
調色、調合された水性顔料で突板の木理に均一に刷り込
み木地着色を施し、80℃、45sec間の熱風乾燥し
て突板合板を準備した。
柾目の突板を、突板における木理、導管等の木地を調整
しながら、幅(W)×長さ(L)=610×2430m
m、厚さ(t)=2.7mmの寸法に仕上げられた中密
度繊維板(MDF)の表面に接着剤により貼着した後、
調色、調合された水性顔料で突板の木理に均一に刷り込
み木地着色を施し、80℃、45sec間の熱風乾燥し
て突板合板を準備した。
【0045】次ぎに、この突板合板に下塗り塗料として
破断強度が190kg/cm2で、破断伸度が260
%、樹脂分29%の粘度が30cps/25℃に調整さ
れた水性ウレタンエマルジョン塗料を、目付量36g/
m2となるようにロールコーターにより塗布し、80℃
の熱風乾燥機を通過させて乾燥を行なった。
破断強度が190kg/cm2で、破断伸度が260
%、樹脂分29%の粘度が30cps/25℃に調整さ
れた水性ウレタンエマルジョン塗料を、目付量36g/
m2となるようにロールコーターにより塗布し、80℃
の熱風乾燥機を通過させて乾燥を行なった。
【0046】続いて、中塗り塗装用の水性ウレタンエマ
ルジョン塗料として、破断強度が220kg/cm
2で、破断伸度が240%、樹脂分31%の粘度が40
cps/25℃に調整された水性ウレタンエマルジョン
塗料を、目付量70g/m2となるようにロールコータ
ーにより塗布し、80℃の熱風乾燥機を通過させて乾燥
を行なった。
ルジョン塗料として、破断強度が220kg/cm
2で、破断伸度が240%、樹脂分31%の粘度が40
cps/25℃に調整された水性ウレタンエマルジョン
塗料を、目付量70g/m2となるようにロールコータ
ーにより塗布し、80℃の熱風乾燥機を通過させて乾燥
を行なった。
【0047】中塗り塗装終了後(熱風乾燥機を出た直
後)の突板合板(総厚は2.85mm)をロールプレス
機により加圧、てん圧した。ロールプレス機は金属ロー
ルとゴムロールとから構成され、ロール間隙は、突板合
板の総厚に対して95%となるようにロール隙間を2.
7mmに設定し、かつ、突板合板の塗装面と接する金属
ロールのロール温度を120℃に調整して加圧を行なっ
た。
後)の突板合板(総厚は2.85mm)をロールプレス
機により加圧、てん圧した。ロールプレス機は金属ロー
ルとゴムロールとから構成され、ロール間隙は、突板合
板の総厚に対して95%となるようにロール隙間を2.
7mmに設定し、かつ、突板合板の塗装面と接する金属
ロールのロール温度を120℃に調整して加圧を行なっ
た。
【0048】ロールプレス機において、突板合板の表面
における突板は加圧によってササクレ、毛羽立ち等が押
え込まれ、また、その塗装面にあっては加熱された金属
ロールからの熱により再軟化し、同時にてん圧されるこ
とから塗料の乾燥時に生起する発泡によって生じるクレ
ーター、痘痕が圧壊され、押し込まれてミクロ化して平
滑面を呈することになる。
における突板は加圧によってササクレ、毛羽立ち等が押
え込まれ、また、その塗装面にあっては加熱された金属
ロールからの熱により再軟化し、同時にてん圧されるこ
とから塗料の乾燥時に生起する発泡によって生じるクレ
ーター、痘痕が圧壊され、押し込まれてミクロ化して平
滑面を呈することになる。
【0049】その後に、仕上げ塗装を行なった。塗料と
して艶調整された水性ウレタンエマルジョン塗料で、そ
の物性として破断強度が250kg/cm2で、破断伸
度が210%、樹脂分28%の粘度が40cps/25
℃に調整された水性ウレタンエマルジョン塗料を、目付
量28g/m2となるようにロールコーターにより塗布
し、80℃の熱風乾燥機を通過させて乾燥を行なって塗
装を完了した。
して艶調整された水性ウレタンエマルジョン塗料で、そ
の物性として破断強度が250kg/cm2で、破断伸
度が210%、樹脂分28%の粘度が40cps/25
℃に調整された水性ウレタンエマルジョン塗料を、目付
量28g/m2となるようにロールコーターにより塗布
し、80℃の熱風乾燥機を通過させて乾燥を行なって塗
装を完了した。
【0050】前述の工程によって製造してなる化粧突板
合板を、加工後における表面特性を調べるために建具類
に加工し、検査した。先ず、化粧突板合板を幅(W)1
92mmの条材に裁断し、断面寸法123×23mmの
矩形の平行合板である芯材に対応させて、その変節点
(折り曲げ位置)に対応させてV溝を切削形成し、ホッ
トメルト接着剤を塗布して芯材に沿って畳み込み、ロー
ルプレスを通して芯材と貼合わせて窓枠部材に加工を行
なった。
合板を、加工後における表面特性を調べるために建具類
に加工し、検査した。先ず、化粧突板合板を幅(W)1
92mmの条材に裁断し、断面寸法123×23mmの
矩形の平行合板である芯材に対応させて、その変節点
(折り曲げ位置)に対応させてV溝を切削形成し、ホッ
トメルト接着剤を塗布して芯材に沿って畳み込み、ロー
ルプレスを通して芯材と貼合わせて窓枠部材に加工を行
なった。
【0051】加工後における窓枠部材の表面を目視によ
り検査すると、突板の毛羽立ち、ササクレは確認され
ず、また、塗料の痘痕、クレーターは痕跡程度にまで消
滅し、その表面は極めて平滑性に富み、天然木の美観を
呈すものであり、特に、化粧突板合板として過酷な曲げ
加工を受けた窓枠部材のコーナー部において、塗膜の亀
裂、欠損を生じることなく、また、突板部分においても
ササクレ、割れ等の欠陥を生じていないことが確認され
た。
り検査すると、突板の毛羽立ち、ササクレは確認され
ず、また、塗料の痘痕、クレーターは痕跡程度にまで消
滅し、その表面は極めて平滑性に富み、天然木の美観を
呈すものであり、特に、化粧突板合板として過酷な曲げ
加工を受けた窓枠部材のコーナー部において、塗膜の亀
裂、欠損を生じることなく、また、突板部分においても
ササクレ、割れ等の欠陥を生じていないことが確認され
た。
【0052】実施例2 次ぎに、連続突板シートを製造する場合について説明す
るに、ホワイトオーク材を柾目方向に0.25mmの厚
みでスライスした610×2430mmの突板シート5
0枚を耐熱テープで接着し、120mの連続シートと
し、その前後に20mのダミー材を接続し、連続突板シ
ートコイルを準備した。
るに、ホワイトオーク材を柾目方向に0.25mmの厚
みでスライスした610×2430mmの突板シート5
0枚を耐熱テープで接着し、120mの連続シートと
し、その前後に20mのダミー材を接続し、連続突板シ
ートコイルを準備した。
【0053】破断強度が250kg/cm2、破断伸度
が180%、樹脂分25%の粘度が100cps/25
℃に調整された水性ウレタンエマルジョン塗料と、調色
された水性顔料液とを50:50の比率で混合し、さら
に、これを水で希釈して粘度20cps/25℃に調整
した下塗り塗料を、目付量28g/m2となるようにロ
ールコーターにより塗布し、80℃の熱風乾燥機を通過
させて乾燥を行ない、さらに、表面温度を160℃に調
整されたロールプレス機により加圧、てん圧を行なって
下塗り塗装を完了し、巻取り機によりロール状に巻き取
った。
が180%、樹脂分25%の粘度が100cps/25
℃に調整された水性ウレタンエマルジョン塗料と、調色
された水性顔料液とを50:50の比率で混合し、さら
に、これを水で希釈して粘度20cps/25℃に調整
した下塗り塗料を、目付量28g/m2となるようにロ
ールコーターにより塗布し、80℃の熱風乾燥機を通過
させて乾燥を行ない、さらに、表面温度を160℃に調
整されたロールプレス機により加圧、てん圧を行なって
下塗り塗装を完了し、巻取り機によりロール状に巻き取
った。
【0054】次いで、破断強度が230kg/cm2、
破断伸度が190%、樹脂分27%の粘度が30cps
/25℃に調整された水性ウレタンエマルジョン塗料に
より、目付量65g/m2となるようにロールコーター
により塗布し、80℃の熱風乾燥機を通過させて乾燥を
行ない、表面温度を160℃に調整されたロールプレス
機により加圧、てん圧を行なって塗装を完了し、巻取り
機によりロール状に巻き取った。
破断伸度が190%、樹脂分27%の粘度が30cps
/25℃に調整された水性ウレタンエマルジョン塗料に
より、目付量65g/m2となるようにロールコーター
により塗布し、80℃の熱風乾燥機を通過させて乾燥を
行ない、表面温度を160℃に調整されたロールプレス
機により加圧、てん圧を行なって塗装を完了し、巻取り
機によりロール状に巻き取った。
【0055】仕上げ塗装として、艶調整された水性ウレ
タンエマルジョン塗料(破断強度=230kg/c
m2、破断伸度=190%、樹脂分27%、粘度=30
cps/25℃)を目付量65g/m2となるようにロ
ールコーターにより塗布し、80℃の熱風乾燥機を通過
させて乾燥を行ない、ロールプレス機による加圧、てん
圧を行なわずに直ちに巻取り機によりロール状に巻き取
った。
タンエマルジョン塗料(破断強度=230kg/c
m2、破断伸度=190%、樹脂分27%、粘度=30
cps/25℃)を目付量65g/m2となるようにロ
ールコーターにより塗布し、80℃の熱風乾燥機を通過
させて乾燥を行ない、ロールプレス機による加圧、てん
圧を行なわずに直ちに巻取り機によりロール状に巻き取
った。
【0056】前述する下塗り工程、および、中塗り工程
のそれぞれにおいて、ロールプレス機による加圧、てん
圧は、上下ロールの接触点に於ける圧力(線圧)を1.
2kg/cmに調整して行ない、かつ、金属ロールの表
面温度を160℃に設定して加圧、てん圧を行なったも
ので、この結果、連続突板シートは加圧によってササク
レ、毛羽立ち等が押え込まれ、また、その塗装面にあっ
ては加熱された金属ロールからの熱により再軟化し、同
時にてん圧されることから塗料の乾燥時に生起する発泡
によって生じるクレーター、痘痕が圧壊され、押し込ま
れてミクロ化して美麗な平滑面を呈していることが確認
された。
のそれぞれにおいて、ロールプレス機による加圧、てん
圧は、上下ロールの接触点に於ける圧力(線圧)を1.
2kg/cmに調整して行ない、かつ、金属ロールの表
面温度を160℃に設定して加圧、てん圧を行なったも
ので、この結果、連続突板シートは加圧によってササク
レ、毛羽立ち等が押え込まれ、また、その塗装面にあっ
ては加熱された金属ロールからの熱により再軟化し、同
時にてん圧されることから塗料の乾燥時に生起する発泡
によって生じるクレーター、痘痕が圧壊され、押し込ま
れてミクロ化して美麗な平滑面を呈していることが確認
された。
【0057】前述のプロセスによって得られた連続突板
シートを130mm幅にスリットし、巾木として準備さ
れた芯材に対してラッピング加工を施し、所要の製品に
加工し、製品表面を目視により検査したところ、ラッピ
ング時の加工において、90度の鋭角部分を含めて全て
のコーナー部において割れ、ササクレも生じることな
く、また、塗膜の亀裂、剥離をも生ぜず、美麗な塗装面
を呈していることが確認された。
シートを130mm幅にスリットし、巾木として準備さ
れた芯材に対してラッピング加工を施し、所要の製品に
加工し、製品表面を目視により検査したところ、ラッピ
ング時の加工において、90度の鋭角部分を含めて全て
のコーナー部において割れ、ササクレも生じることな
く、また、塗膜の亀裂、剥離をも生ぜず、美麗な塗装面
を呈していることが確認された。
【0058】実施例3 実施例1と同様の工程を経て突板合板を準備した。この
突板合板の下塗り塗料として水性アクリルエマルジョン
塗料(破断強度=170kg/cm2、破断伸度=26
0%、樹脂分38%、粘度=25cps/25℃)を目
付量25g/m2となるようにロールコーターにより塗
布し、80℃の熱風により乾燥をおこなった。
突板合板の下塗り塗料として水性アクリルエマルジョン
塗料(破断強度=170kg/cm2、破断伸度=26
0%、樹脂分38%、粘度=25cps/25℃)を目
付量25g/m2となるようにロールコーターにより塗
布し、80℃の熱風により乾燥をおこなった。
【0059】中塗り塗料として水性ウレタンエマルジョ
ン塗料(破断強度=260kg/cm2、破断伸度=2
40%、樹脂分28%、粘度=35cps/25℃)を
目付量65g/m2となるようにロールコーターにより
塗布し、80℃の熱風により乾燥をおこなった。
ン塗料(破断強度=260kg/cm2、破断伸度=2
40%、樹脂分28%、粘度=35cps/25℃)を
目付量65g/m2となるようにロールコーターにより
塗布し、80℃の熱風により乾燥をおこなった。
【0060】中塗り塗装終了後(熱風乾燥機を出た直
後)の突板合板(総厚は2.85mm)をロールプレス
機により加圧、てん圧した。金属ロールとゴムロールと
から構成されたロールプレス機のロール間隙を、突板合
板の総厚に対して95%となるように、ロール隙間を
2.7mmに設定し、かつ、金属ロールのロール表面温
度を120℃に調整して加圧、てん圧を行なった。
後)の突板合板(総厚は2.85mm)をロールプレス
機により加圧、てん圧した。金属ロールとゴムロールと
から構成されたロールプレス機のロール間隙を、突板合
板の総厚に対して95%となるように、ロール隙間を
2.7mmに設定し、かつ、金属ロールのロール表面温
度を120℃に調整して加圧、てん圧を行なった。
【0061】仕上げ塗装としては、艶調整された水性ウ
レタンエマルジョン塗料(破断強度=250kg/cm
2、破断伸度=210%、樹脂分29%、粘度=20c
ps/25℃)を目付量25g/m2となるようにロー
ルコーターにより塗布し、80℃の熱風乾燥機を通過さ
せて乾燥を行ない、化粧突板合板とした。
レタンエマルジョン塗料(破断強度=250kg/cm
2、破断伸度=210%、樹脂分29%、粘度=20c
ps/25℃)を目付量25g/m2となるようにロー
ルコーターにより塗布し、80℃の熱風乾燥機を通過さ
せて乾燥を行ない、化粧突板合板とした。
【0062】前述の化粧突板合板をVカット加工により
建具類に加工した。即ち、先ず、化粧突板合板を192
mm巾の条材に裁断して、この条材を断面寸法が123
×23mm矩形の平行合板の芯材に貼着するにあたり、
前記平行合板のコーナー部の位置に対応する変節点の位
置にV溝を切削形成し、該化粧突板合板の条材にホット
メルト接着剤を塗布するとともに、化粧突板合板で芯材
を畳み込むように貼り合わせ、窓枠としての建具類に加
工した。
建具類に加工した。即ち、先ず、化粧突板合板を192
mm巾の条材に裁断して、この条材を断面寸法が123
×23mm矩形の平行合板の芯材に貼着するにあたり、
前記平行合板のコーナー部の位置に対応する変節点の位
置にV溝を切削形成し、該化粧突板合板の条材にホット
メルト接着剤を塗布するとともに、化粧突板合板で芯材
を畳み込むように貼り合わせ、窓枠としての建具類に加
工した。
【0063】前述の窓枠の外観状態について目視検査を
行なったが、天然木の美観を備え、突板層は中塗り塗装
後におけるロールプレス機による加圧、てん圧されるこ
とから、突板のスリット加工時におけるササクレ、毛羽
立ちが押さえ込まれ、また、塗装面にあっては加熱され
再軟化した後に乾燥することから、痘痕、クレーターが
圧壊され、黙視するに困難な極めて微小な痕跡程度まで
微小化され、平滑で美麗な外観を有し、さらに特筆すべ
きことは、過酷な曲げ加工を受けたコーナー部において
も塗膜の亀裂や割れの存在も皆無であった。
行なったが、天然木の美観を備え、突板層は中塗り塗装
後におけるロールプレス機による加圧、てん圧されるこ
とから、突板のスリット加工時におけるササクレ、毛羽
立ちが押さえ込まれ、また、塗装面にあっては加熱され
再軟化した後に乾燥することから、痘痕、クレーターが
圧壊され、黙視するに困難な極めて微小な痕跡程度まで
微小化され、平滑で美麗な外観を有し、さらに特筆すべ
きことは、過酷な曲げ加工を受けたコーナー部において
も塗膜の亀裂や割れの存在も皆無であった。
【0064】実施例において得られた化粧突板につい
て、破断強度の試験結果を表1に示す。試験片は、ホワ
イトオーク材を木理が柾目となるようにスライスした厚
さ(t)=0.25mmの突板に不織布を裏打ちし、こ
れに実施例1〜3に記載の手順に従って水性エマルジョ
ン塗料を塗装したもので、この化粧突板の繊維方向と平
行方向に、かつ、複数位置から、巾(W)×長さ(L)
=10×50mmの寸法に切り出して試験片とした。ま
た、試験条件は、引張り試験機における試験片を把持す
るチャック間距離を35mmとし、引張速度を20mm
/minで牽引し、破断時の強度(kg/mm2)で示
した。
て、破断強度の試験結果を表1に示す。試験片は、ホワ
イトオーク材を木理が柾目となるようにスライスした厚
さ(t)=0.25mmの突板に不織布を裏打ちし、こ
れに実施例1〜3に記載の手順に従って水性エマルジョ
ン塗料を塗装したもので、この化粧突板の繊維方向と平
行方向に、かつ、複数位置から、巾(W)×長さ(L)
=10×50mmの寸法に切り出して試験片とした。ま
た、試験条件は、引張り試験機における試験片を把持す
るチャック間距離を35mmとし、引張速度を20mm
/minで牽引し、破断時の強度(kg/mm2)で示
した。
【0065】
【表1】 注1)表1における比較例は、ホワイトオーク材の柾目
の突板に不織布を裏打ちした無塗装のものである。
の突板に不織布を裏打ちした無塗装のものである。
【0066】この試験結果からも明らかなように、本発
明にかかる化粧突板によれば、突板としての木理の密
度、導管の大きさ等に起因して強度的なバラツキが認め
られるものの、比較例に比して破断強度の向上が認めら
れるところであり、前述の実施例において述べたよう
に、建具類へのVカット加工、あるいは、ラッピング加
工等の実際の加工においても、水性エマルジョン塗料に
よる塗膜の存在によって化粧突板としての伸び抗張力を
発現し、特に、過酷な加工条件となるコーナー部におけ
る割れ、剥離等を生じ無いことが確認された。
明にかかる化粧突板によれば、突板としての木理の密
度、導管の大きさ等に起因して強度的なバラツキが認め
られるものの、比較例に比して破断強度の向上が認めら
れるところであり、前述の実施例において述べたよう
に、建具類へのVカット加工、あるいは、ラッピング加
工等の実際の加工においても、水性エマルジョン塗料に
よる塗膜の存在によって化粧突板としての伸び抗張力を
発現し、特に、過酷な加工条件となるコーナー部におけ
る割れ、剥離等を生じ無いことが確認された。
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、化粧突
板として水性エマルジョン塗料によって塗装を行なうた
め、有機溶剤系塗料を使用する従来の化粧突板の如く揮
発性有機化合物質(VOC)による環境ホルモンの放出
に起因する健康への悪影響を排除し、健康住宅としての
建具類を提供することを可能とし、また、従来、化粧突
板の製造に際して必須とする研磨工程に代えて加圧、て
ん圧することにより、突板のササクレ、毛羽立ちを平滑
化ならしめ、化粧突板の製造時における作業環境の悪化
を防止するとともに、研磨工程の省略によって産業廃棄
物である研磨粉の発生をも抑制することを可能にするこ
とから、資源の有効利用、さらには、加工時間の短縮
等、産業上寄与するところ大なるものである。
板として水性エマルジョン塗料によって塗装を行なうた
め、有機溶剤系塗料を使用する従来の化粧突板の如く揮
発性有機化合物質(VOC)による環境ホルモンの放出
に起因する健康への悪影響を排除し、健康住宅としての
建具類を提供することを可能とし、また、従来、化粧突
板の製造に際して必須とする研磨工程に代えて加圧、て
ん圧することにより、突板のササクレ、毛羽立ちを平滑
化ならしめ、化粧突板の製造時における作業環境の悪化
を防止するとともに、研磨工程の省略によって産業廃棄
物である研磨粉の発生をも抑制することを可能にするこ
とから、資源の有効利用、さらには、加工時間の短縮
等、産業上寄与するところ大なるものである。
【図1】 本発明に係る化粧突板の製造プロセスの実施
例を示す説明図。
例を示す説明図。
【図2】 本発明に係る化粧突板製造プロセスの他の実
施形態を示す説明図。
施形態を示す説明図。
1 突板合板 2、4、7 ロールコーター 3、5、8 熱風乾燥機 6 ロールプレス機 9 ピンチロール 10 製品台車 15 突板シート 16 ピンチロール 17 ロールコーター 18、20 デフレクターロール 19 熱風乾燥機 21 ロールプレス機 22 巻取り機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B05D 7/24 302 B05D 7/24 302V B27D 5/00 B27D 5/00 B32B 21/08 B32B 21/08 33/00 33/00 Fターム(参考) 2B002 AA02 BB12 4D075 AE03 BB05X BB05Z BB21Y BB93Y BB93Z DA06 DB23 DC02 DC38 EA13 EB22 EB35 EB38 4F100 AK25B AK25C AK41B AK41C AK51B AK51C AK53B AK53C AP00A AP01 AP02 AP03 BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10C BA13 CA13A CB00 CC00B CC00C EH462 EJ172 EJ192 GB07 GB08 HB00 HB00A JB05B JB05C JB20 JK01B JK01C JK15 JK15C JL02 JL10A JM01B JM01C YY00B YY00C
Claims (5)
- 【請求項1】 木材を薄片にスライスした突板に水性着
色剤により着色を施し、下塗りから仕上げ塗装を水性ウ
レタンエマルジョン塗料、水性アクリルエマルジョン塗
料、水性ポリエステルエマルジョン塗料、水性エポキシ
エマルジョン塗料等を単独もしくは2種以上混合してな
る水性エマルジョン塗料を塗装したことを特徴とする化
粧突板。 - 【請求項2】 請求項1記載の化粧突板において、乾燥
後における塗膜の破断強度が150kg/cm2以上、
かつ、破断伸度が150kg/cm2以上有する水性エ
マルジョン塗料であることを特徴とする化粧突板。 - 【請求項3】 請求項1および2記載の化粧突板におい
て、水性エマルジョン塗料の塗膜の目付量が25〜25
0g/m2であることを特徴とする化粧突板。 - 【請求項4】 突板合板および連続突板シートを製造す
るに際し、木地着色工程、および、下地塗装から仕上げ
塗装の塗装工程の後に、塗料の塗膜が形成された後、少
なくとも1回以上加圧・てん圧し、塗装面を平滑調整す
ることを特徴とする化粧突板の製造方法。 - 【請求項5】 請求項4記載の化粧突板の製造方法にお
いて、突板合板に対する加圧・てん圧を常温〜200℃
の範囲に温度調整するとともに、合板厚みの85〜98
%の間隙に設定された一対のロールによりなし、連続突
板シートに対する加圧・てん圧を常温〜200℃の範囲
に温度調整するとともに、加圧力を0.1〜5kg/c
mに調整しつつロールプレスにより加圧・てん圧せしめ
ることを特徴とする化粧突板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000360339A JP2002126635A (ja) | 2000-10-20 | 2000-10-20 | 化粧突板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000360339A JP2002126635A (ja) | 2000-10-20 | 2000-10-20 | 化粧突板およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002126635A true JP2002126635A (ja) | 2002-05-08 |
Family
ID=18831958
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000360339A Pending JP2002126635A (ja) | 2000-10-20 | 2000-10-20 | 化粧突板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002126635A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009172547A (ja) * | 2008-01-28 | 2009-08-06 | Panasonic Electric Works Co Ltd | 木質系複合床材の表面塗装方法 |
CN103015655A (zh) * | 2012-12-19 | 2013-04-03 | 宋旭 | 一种高填充合成纸基新型环保壁纸的制作方法 |
WO2015147262A1 (ja) * | 2014-03-28 | 2015-10-01 | 株式会社ハママツ | 塗布装置、重ね給紙装置、積層体製造設備、塗布体の製造方法、及び積層体の製造方法 |
-
2000
- 2000-10-20 JP JP2000360339A patent/JP2002126635A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009172547A (ja) * | 2008-01-28 | 2009-08-06 | Panasonic Electric Works Co Ltd | 木質系複合床材の表面塗装方法 |
CN103015655A (zh) * | 2012-12-19 | 2013-04-03 | 宋旭 | 一种高填充合成纸基新型环保壁纸的制作方法 |
WO2015147262A1 (ja) * | 2014-03-28 | 2015-10-01 | 株式会社ハママツ | 塗布装置、重ね給紙装置、積層体製造設備、塗布体の製造方法、及び積層体の製造方法 |
JPWO2015147262A1 (ja) * | 2014-03-28 | 2017-04-13 | 株式会社ハママツ | 塗布装置、重ね給紙装置、積層体製造設備、塗布体の製造方法、及び積層体の製造方法 |
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