JP2002126524A - 水素化反応用触媒及びそれを用いたアルコール類の製造方法 - Google Patents
水素化反応用触媒及びそれを用いたアルコール類の製造方法Info
- Publication number
- JP2002126524A JP2002126524A JP2000324891A JP2000324891A JP2002126524A JP 2002126524 A JP2002126524 A JP 2002126524A JP 2000324891 A JP2000324891 A JP 2000324891A JP 2000324891 A JP2000324891 A JP 2000324891A JP 2002126524 A JP2002126524 A JP 2002126524A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- catalyst
- hydrogenation reaction
- carrier
- intensity
- intensity ratio
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Catalysts (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】高い水素化反応活性、特には、目的物の高い選
択性と低い金属の溶出率を示す触媒を提供する。 【解決手段】 成型された活性炭担体に、少くともRu
及びSnを担持した水素化反応用触媒であって、担体の
長軸方向に対して垂直に切断した断面の最長径の線を、
計測間隔が5μm、電子ビーム直径が5μmの条件でX
線マイクロアナライザー(以下EPMAとする)の線分
析を行い、各測定点のSnの強度を同一測定点のRu強
度で割った値(以下Sn/Ru強度比とする)を、全測
定点のSn/Ru強度比の平均値で割った値の度数分布
をとった場合に、0.6を超え、且つ1.4以下の度数
の和の占める割合が全体の75%以上であることを特徴
とする。
択性と低い金属の溶出率を示す触媒を提供する。 【解決手段】 成型された活性炭担体に、少くともRu
及びSnを担持した水素化反応用触媒であって、担体の
長軸方向に対して垂直に切断した断面の最長径の線を、
計測間隔が5μm、電子ビーム直径が5μmの条件でX
線マイクロアナライザー(以下EPMAとする)の線分
析を行い、各測定点のSnの強度を同一測定点のRu強
度で割った値(以下Sn/Ru強度比とする)を、全測
定点のSn/Ru強度比の平均値で割った値の度数分布
をとった場合に、0.6を超え、且つ1.4以下の度数
の和の占める割合が全体の75%以上であることを特徴
とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々水素化反応、
特にエステル類、カルボン酸類の水素化反応用の触媒、
及びそれを用いた水素化反応によりアルコール類を製造
する方法に関するものである。
特にエステル類、カルボン酸類の水素化反応用の触媒、
及びそれを用いた水素化反応によりアルコール類を製造
する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水素化反応用の触媒として、炭素質担体
に金属を担持した触媒を用いることは公知である。しか
しながら、炭素質担体はその吸着特性から、通常用いら
れる担持方法を採用すると、担持する金属原料によりそ
の担体内での担持位置が変化する。特に複数の金属元素
を担持する場合、それぞれの金属の担持位置が異なるこ
とにより、それらの金属の間の相互作用が不十分とな
り、例えば、活性向上、選択率向上、メタル溶出抑制等
の機能が十分に発現しないことがある。
に金属を担持した触媒を用いることは公知である。しか
しながら、炭素質担体はその吸着特性から、通常用いら
れる担持方法を採用すると、担持する金属原料によりそ
の担体内での担持位置が変化する。特に複数の金属元素
を担持する場合、それぞれの金属の担持位置が異なるこ
とにより、それらの金属の間の相互作用が不十分とな
り、例えば、活性向上、選択率向上、メタル溶出抑制等
の機能が十分に発現しないことがある。
【0003】例えば、米国特許第5、149、680号
明細書、及び米国特許4、659、686号明細書に
は、活性炭に担持したパラジウム−レニウム触媒を用い
て、マレイン酸水溶液からテトラヒドロフラン又はγ−
ブチロラクトンを製造する方法が記載されているが、こ
れら明細書には活性炭における各金属の担持位置に関す
る記載はなく、触媒の反応効率も低い。また米国特許第
4,659,686号明細書に記載の方法では、反応を
行う際に150気圧以上の水素圧力が必要であるという
欠点がある。
明細書、及び米国特許4、659、686号明細書に
は、活性炭に担持したパラジウム−レニウム触媒を用い
て、マレイン酸水溶液からテトラヒドロフラン又はγ−
ブチロラクトンを製造する方法が記載されているが、こ
れら明細書には活性炭における各金属の担持位置に関す
る記載はなく、触媒の反応効率も低い。また米国特許第
4,659,686号明細書に記載の方法では、反応を
行う際に150気圧以上の水素圧力が必要であるという
欠点がある。
【0004】また、特開平10−71332では、1,4-
ブタンジオール及び/又はテトラヒドロフラン等を製造
するための水素化反応用触媒に関し、活性炭中のそれぞ
れの金属の担持状態が均一であると良いとの記載がある
ものの、担持メタル間の関係に関しては記載は無い。
ブタンジオール及び/又はテトラヒドロフラン等を製造
するための水素化反応用触媒に関し、活性炭中のそれぞ
れの金属の担持状態が均一であると良いとの記載がある
ものの、担持メタル間の関係に関しては記載は無い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の水素化
反応用触媒の担体としては、活性炭の形状として破砕炭
が具体的に使用されている。このように粒子径の小さい
破砕炭の場合には、特開平10−71332に開示され
ているように、担体中に金属を均一に担持させることが
比較的容易である。一方、工業的には強度をもたせるた
めに活性炭を成型した成型炭がしばしば使用されるが、
この成型炭はある程度の粒子径を有するため、破砕炭に
比べて、担体内部に均一に担持しにくいことが知られて
いる。
反応用触媒の担体としては、活性炭の形状として破砕炭
が具体的に使用されている。このように粒子径の小さい
破砕炭の場合には、特開平10−71332に開示され
ているように、担体中に金属を均一に担持させることが
比較的容易である。一方、工業的には強度をもたせるた
めに活性炭を成型した成型炭がしばしば使用されるが、
この成型炭はある程度の粒子径を有するため、破砕炭に
比べて、担体内部に均一に担持しにくいことが知られて
いる。
【0006】本発明の目的は、成型炭担体を使用した場
合に、担持成分である金属間の担持状態を最適化し、よ
り高い反応活性、特には、高い選択性と低い金属の溶出
率を示す触媒を提供する事にある。
合に、担持成分である金属間の担持状態を最適化し、よ
り高い反応活性、特には、高い選択性と低い金属の溶出
率を示す触媒を提供する事にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる事
情に鑑み鋭意検討した結果、水素化反応用触媒として成
型炭担体を使用した場合に、金属元素が担体内に均一に
担持されていない場合、例えば、外表面の担持量が多
く、中心にいくにつれて担持量が少なくなるような場合
であっても、水素化反応に使用する触媒中の任意の位置
においてが、Sn/Ru又はPt/Ru原子比が一定範
囲内であれば水添用触媒として良好な性能を示すことを
見出した。
情に鑑み鋭意検討した結果、水素化反応用触媒として成
型炭担体を使用した場合に、金属元素が担体内に均一に
担持されていない場合、例えば、外表面の担持量が多
く、中心にいくにつれて担持量が少なくなるような場合
であっても、水素化反応に使用する触媒中の任意の位置
においてが、Sn/Ru又はPt/Ru原子比が一定範
囲内であれば水添用触媒として良好な性能を示すことを
見出した。
【0008】即ち、本発明の第1の要旨は、成型された
活性炭担体に、少くともRu及びSnを担持した水素化
反応用触媒であって、担体の長軸方向に対して垂直に切
断した断面の最長径の線を、計測間隔が5μm、電子ビ
ーム直径が5μmの条件でX線マイクロアナライザー
(以下EPMAとする)の線分析を行い、各測定点のS
nの強度を同一測定点のRu強度で割った値(以下Sn
/Ru強度比とする)を、全測定点のSn/Ru強度比
の平均値で割った値の度数分布をとった場合に、0.6
を超え、且つ1.4以下の度数の和の占める割合が全体
の75%以上であることを特徴とする水素化反応用触
媒、に存する。
活性炭担体に、少くともRu及びSnを担持した水素化
反応用触媒であって、担体の長軸方向に対して垂直に切
断した断面の最長径の線を、計測間隔が5μm、電子ビ
ーム直径が5μmの条件でX線マイクロアナライザー
(以下EPMAとする)の線分析を行い、各測定点のS
nの強度を同一測定点のRu強度で割った値(以下Sn
/Ru強度比とする)を、全測定点のSn/Ru強度比
の平均値で割った値の度数分布をとった場合に、0.6
を超え、且つ1.4以下の度数の和の占める割合が全体
の75%以上であることを特徴とする水素化反応用触
媒、に存する。
【0009】また、本発明の第2の要旨は、上記第1の
要旨に記載の水素化反応用触媒を用いて、カルボン酸及
び/又はカルボン酸エステルの水素化反応を行い、アル
コール類を製造する方法、に存する。
要旨に記載の水素化反応用触媒を用いて、カルボン酸及
び/又はカルボン酸エステルの水素化反応を行い、アル
コール類を製造する方法、に存する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明の水素化反応触媒に用いる成型炭は、通常
円柱状又は球状の形状である。円柱状の成型炭の場合に
は、その大きさは、通常0.5から4mmの直径であり
かつ0.5mmから6mmの長さであり、好ましくは、
0.5mmから3.5mm直径であり、0.5から5.
5mmの長さであり、更に好ましくは、0.5mmから
3mmの直径であり、0.5mmから3mmの長さの担
体である。また、球状の成型炭の場合には、その直径は
通常0.5mmから6mmであり、好ましくは、0.5
から5.5mmであり、更に好ましくは、0.5mmか
ら3mmである。
する。本発明の水素化反応触媒に用いる成型炭は、通常
円柱状又は球状の形状である。円柱状の成型炭の場合に
は、その大きさは、通常0.5から4mmの直径であり
かつ0.5mmから6mmの長さであり、好ましくは、
0.5mmから3.5mm直径であり、0.5から5.
5mmの長さであり、更に好ましくは、0.5mmから
3mmの直径であり、0.5mmから3mmの長さの担
体である。また、球状の成型炭の場合には、その直径は
通常0.5mmから6mmであり、好ましくは、0.5
から5.5mmであり、更に好ましくは、0.5mmか
ら3mmである。
【0011】本発明の水素化反応用触媒は、成型炭素質
担体に少くともRuとSnを担持させ、更にはこれらに
必要に応じて周期律表の第8〜10族金属から選ばれそ
の他の元素を組み合わせて担持した触媒である。そして
本発明の触媒は、担持した金属成分間の比が担体内部に
おいてある範囲の値となるような状態となっている。こ
の特徴は、X線マイクロアナライザー(EPMA)の線
分析を行うことにより特徴づけられる。EPMAの測定
は、触媒粒子の長軸方向に対して垂直に切断した断面の
最長径の線で線分析を行い、以下のような測定条件で行
う。
担体に少くともRuとSnを担持させ、更にはこれらに
必要に応じて周期律表の第8〜10族金属から選ばれそ
の他の元素を組み合わせて担持した触媒である。そして
本発明の触媒は、担持した金属成分間の比が担体内部に
おいてある範囲の値となるような状態となっている。こ
の特徴は、X線マイクロアナライザー(EPMA)の線
分析を行うことにより特徴づけられる。EPMAの測定
は、触媒粒子の長軸方向に対して垂直に切断した断面の
最長径の線で線分析を行い、以下のような測定条件で行
う。
【0012】
【表1】 EPMA機種 :日本電子社製モデルJXA−8600 電子ビームエネルギー :15kV 電子ビーム照射電流 :2×10-8A 電子ビーム照射径 :5μm 計測ステップ :5μm 計測時間 :0.5sec/point 計測した特性X線 :Ru−Lα、Pt−Lα、Sn−Lα 資料前処理 :樹脂に包埋した上で断面研磨し、Au蒸着 成型炭の形状が球状の場合のように、長軸方向と短軸方
向の区別がない場合には、その直径を含む断面で切断
し、その断面の最大径の線で線分析を行うこととする。
向の区別がない場合には、その直径を含む断面で切断
し、その断面の最大径の線で線分析を行うこととする。
【0013】上記のEPMA測定により、その断面の最
大径の線に関し、金属種毎に特性X線チャートを得る。
得られたチャートのピーク高さ(特性X線強度)はその
測定点におけるその金属の担持量を表すものである。上
記条件で測定した線分析結果は、担持状態を数値化する
ために更に統計的な数値処理を行う。即ち、各測定点の
Sn及び/又はPtの強度を、同一測定点のRu強度で
割った強度比の値(Sn/Ru強度比又はPt/Ru強
度比)を求め、その強度比を、全測定点の該強度比の平
均値(平均強度比)で割った値を求め、その数値を、
0.05間隔で度数分布を作成する。これにより、平均
強度比に対して何%の強度比を持つ測定点が、全測定点
の何%存在するかが判る。
大径の線に関し、金属種毎に特性X線チャートを得る。
得られたチャートのピーク高さ(特性X線強度)はその
測定点におけるその金属の担持量を表すものである。上
記条件で測定した線分析結果は、担持状態を数値化する
ために更に統計的な数値処理を行う。即ち、各測定点の
Sn及び/又はPtの強度を、同一測定点のRu強度で
割った強度比の値(Sn/Ru強度比又はPt/Ru強
度比)を求め、その強度比を、全測定点の該強度比の平
均値(平均強度比)で割った値を求め、その数値を、
0.05間隔で度数分布を作成する。これにより、平均
強度比に対して何%の強度比を持つ測定点が、全測定点
の何%存在するかが判る。
【0014】測定の際選択する触媒としては、成形炭の
長さが0.5mm〜3mmの範囲の物を少なくとも4点
以上選択し、その平均を取るものとする。本発明の触媒
は、上述したように、各測定点のSn/Ru強度比を、
全測定点のSn/Ru強度比の平均値で割った値の度数
分布をとった場合に、0.6を超え及び1.4以下の度
数の和の占める割合が全体の75%以上、好ましくは8
0%以上、更に好ましくは85%以上、特には95%以
上であることを特徴とする。
長さが0.5mm〜3mmの範囲の物を少なくとも4点
以上選択し、その平均を取るものとする。本発明の触媒
は、上述したように、各測定点のSn/Ru強度比を、
全測定点のSn/Ru強度比の平均値で割った値の度数
分布をとった場合に、0.6を超え及び1.4以下の度
数の和の占める割合が全体の75%以上、好ましくは8
0%以上、更に好ましくは85%以上、特には95%以
上であることを特徴とする。
【0015】また、更には、各測定点のPt/Ru強度
比を、全測定点のPt/Ru強度比の平均値で割った値
の度数分布をとった場合に、0.6を超え及び1.4以
下の度数の和の占める割合が全体の35%以上、好まし
くは40%以上、更に好ましくは50%以上、特に好ま
しくは60%以上、最も好ましくは70%以上であるこ
とを特徴とする。
比を、全測定点のPt/Ru強度比の平均値で割った値
の度数分布をとった場合に、0.6を超え及び1.4以
下の度数の和の占める割合が全体の35%以上、好まし
くは40%以上、更に好ましくは50%以上、特に好ま
しくは60%以上、最も好ましくは70%以上であるこ
とを特徴とする。
【0016】このような特定の金属比を有する触媒粒子
は、水素化反応に用いる触媒粒子の中で少なくとも一部
存在すれば、その効果が得られる限りにおいて有効であ
るが、通常10wt%以上、中でも30wt%以上が所
望のメタル強度比の触媒粒子であることが望ましい。本
発明の触媒は、例えば以下の方法で製造される。
は、水素化反応に用いる触媒粒子の中で少なくとも一部
存在すれば、その効果が得られる限りにおいて有効であ
るが、通常10wt%以上、中でも30wt%以上が所
望のメタル強度比の触媒粒子であることが望ましい。本
発明の触媒は、例えば以下の方法で製造される。
【0017】担体として使用される成型炭素質担体は、
活性炭、グラファイト等が使用できるが、本発明の成型
炭素質担体は、金属元素を担持する前にあらかじめ硝酸
処理を行うことが好ましい。硝酸処理は通常硝酸水溶液
中で行う。その際の硝酸水溶液の濃度は1wt%以上7
5wt%以下、好ましくは、5wt%以上、更に好まし
くは10wt%以上60wt%以下で行う、硝酸処理温
度は、室温以上任意の温度で実施可能であるが、処理温
度が高いほど処理時間を短縮できるので、通常は30〜
100℃の範囲で実施される。硝酸処理水溶液で処理す
る時間は、その温度にもよるが、90℃前後の温度をか
けた場合は、1分間から10時間、好ましくは10分か
ら5時間、更に好ましくは10分から3時間の範囲で行
うことができる。
活性炭、グラファイト等が使用できるが、本発明の成型
炭素質担体は、金属元素を担持する前にあらかじめ硝酸
処理を行うことが好ましい。硝酸処理は通常硝酸水溶液
中で行う。その際の硝酸水溶液の濃度は1wt%以上7
5wt%以下、好ましくは、5wt%以上、更に好まし
くは10wt%以上60wt%以下で行う、硝酸処理温
度は、室温以上任意の温度で実施可能であるが、処理温
度が高いほど処理時間を短縮できるので、通常は30〜
100℃の範囲で実施される。硝酸処理水溶液で処理す
る時間は、その温度にもよるが、90℃前後の温度をか
けた場合は、1分間から10時間、好ましくは10分か
ら5時間、更に好ましくは10分から3時間の範囲で行
うことができる。
【0018】次に、この硝酸処理した炭素質担体にRu
とSn、又はこれに更に必要に応じて周期律表の第8〜
10族金属から選ばれる他の元素を担持する。担持させ
る場合には、これらの各金属は、金属化合物の形態で使
用するのは良い。該金属化合物の例としてはRuとS
n、及び必要に応じて周期律表の第8〜10族金属の、
硝酸、硫酸、塩酸等の鉱酸塩が一般的に使用されるが、
酢酸等の有機酸塩、水酸化物、酸化物、又は錯塩さらに
はカルボニル錯体やアセチルアセトナート塩に代表され
るような有機金属化合物も使用することができる。中で
も塩化物を用いるのが特に好ましい。
とSn、又はこれに更に必要に応じて周期律表の第8〜
10族金属から選ばれる他の元素を担持する。担持させ
る場合には、これらの各金属は、金属化合物の形態で使
用するのは良い。該金属化合物の例としてはRuとS
n、及び必要に応じて周期律表の第8〜10族金属の、
硝酸、硫酸、塩酸等の鉱酸塩が一般的に使用されるが、
酢酸等の有機酸塩、水酸化物、酸化物、又は錯塩さらに
はカルボニル錯体やアセチルアセトナート塩に代表され
るような有機金属化合物も使用することができる。中で
も塩化物を用いるのが特に好ましい。
【0019】また、その担持方法にも特に制限はなく、
浸漬法、含浸法などの周知の方法が用いられる。浸漬法
や含浸法によるときは、原料となる金属化合物を溶媒に
溶解し、溶液として使用する。この時使用される溶媒は
基本的には金属化合物に対して十分な溶解性があればよ
く、特に制限は無い。また溶媒として水を用いた場合に
は、金属化合物の溶解性を高めるために、塩酸や硝酸等
の酸溶液とすることも可能である。具体的には、価格的
な視点からも水もしくはメタノールやエタノール等のア
ルコール類が好適であり、必要に応じてこれらを混合し
た混合溶媒でも良い。
浸漬法、含浸法などの周知の方法が用いられる。浸漬法
や含浸法によるときは、原料となる金属化合物を溶媒に
溶解し、溶液として使用する。この時使用される溶媒は
基本的には金属化合物に対して十分な溶解性があればよ
く、特に制限は無い。また溶媒として水を用いた場合に
は、金属化合物の溶解性を高めるために、塩酸や硝酸等
の酸溶液とすることも可能である。具体的には、価格的
な視点からも水もしくはメタノールやエタノール等のア
ルコール類が好適であり、必要に応じてこれらを混合し
た混合溶媒でも良い。
【0020】担体に各金属成分を担持する順番について
は特に制限はなく、全ての金属成分を一度に同時に担持
しても、各成分を金属種毎に個別に担持しても、又は、
複数成分のいくつかの金属種を組み合わせて複数回にわ
たって担持しても良い。Ru及びSnの担持量はそれぞ
れ、金属として担体に対して通常0.5〜50重量%、
好ましくは1〜30重量%、更に好ましくは1〜10重
量%である。また、必要に応じて添加される周期律表の
第8〜10族金属の他の元素としては、特に水素化活性
の向上の点からPt又はRhが好適に用いられ、合計
で、Ru重量に対して0.01〜10重量倍、好ましく
は0.05〜5重量倍、更に好ましくは0.05〜2重
量倍共存させるのが活性向上の点から好ましい。
は特に制限はなく、全ての金属成分を一度に同時に担持
しても、各成分を金属種毎に個別に担持しても、又は、
複数成分のいくつかの金属種を組み合わせて複数回にわ
たって担持しても良い。Ru及びSnの担持量はそれぞ
れ、金属として担体に対して通常0.5〜50重量%、
好ましくは1〜30重量%、更に好ましくは1〜10重
量%である。また、必要に応じて添加される周期律表の
第8〜10族金属の他の元素としては、特に水素化活性
の向上の点からPt又はRhが好適に用いられ、合計
で、Ru重量に対して0.01〜10重量倍、好ましく
は0.05〜5重量倍、更に好ましくは0.05〜2重
量倍共存させるのが活性向上の点から好ましい。
【0021】また、上記のように金属成分の溶液を浸漬
担持した後には乾燥を行う。なお、複数の担持成分を複
数回にわたって浸漬担持する場合にはその都度乾燥を行
うことが好ましい。乾燥した触媒は、必要に応じて、ア
ルカリ溶液を用いて脱Cl処理を行う。用いるアルカリ
溶液としては、pH7.5〜13.0、特に8.0〜1
2.5の溶液を用いるのが好ましい。例えばアルカリ金
属の炭酸塩や重炭酸塩などが用いられるが、好ましくは
アンモニア、又は炭酸アンモニウ、重炭酸アンモニウム
などのような弱酸のアンモニウム塩を用いる。
担持した後には乾燥を行う。なお、複数の担持成分を複
数回にわたって浸漬担持する場合にはその都度乾燥を行
うことが好ましい。乾燥した触媒は、必要に応じて、ア
ルカリ溶液を用いて脱Cl処理を行う。用いるアルカリ
溶液としては、pH7.5〜13.0、特に8.0〜1
2.5の溶液を用いるのが好ましい。例えばアルカリ金
属の炭酸塩や重炭酸塩などが用いられるが、好ましくは
アンモニア、又は炭酸アンモニウ、重炭酸アンモニウム
などのような弱酸のアンモニウム塩を用いる。
【0022】アルカリの使用量は触媒に含有されている
ハロゲンイオンに対して、通常は1〜50等量用いれば
よい。好ましくは1〜20等量、更に好ましくは1〜1
0等量用いる。アルカリは通常水溶液として用いるが所
望ならばメタノール、エタノール、アセトンさらにはエ
チレングリコールジメチルエーテル等を含む水溶液とし
て用いても良い。アルカリ溶液は、触媒成分を担持して
いる担体の細孔を完全に充満するに足りる量、すなわち
担体の細孔容量と等量以上用いるのが好ましい。その上
限は任意であるが最大でも担体の細孔容量の50倍用い
れば十分であり、通常は30倍、特に5倍も用いれば十
分である。廃水処理を考慮するとアルカリ水溶液の最も
好ましい使用量は担体の細孔容量の1〜2倍である。
ハロゲンイオンに対して、通常は1〜50等量用いれば
よい。好ましくは1〜20等量、更に好ましくは1〜1
0等量用いる。アルカリは通常水溶液として用いるが所
望ならばメタノール、エタノール、アセトンさらにはエ
チレングリコールジメチルエーテル等を含む水溶液とし
て用いても良い。アルカリ溶液は、触媒成分を担持して
いる担体の細孔を完全に充満するに足りる量、すなわち
担体の細孔容量と等量以上用いるのが好ましい。その上
限は任意であるが最大でも担体の細孔容量の50倍用い
れば十分であり、通常は30倍、特に5倍も用いれば十
分である。廃水処理を考慮するとアルカリ水溶液の最も
好ましい使用量は担体の細孔容量の1〜2倍である。
【0023】アルカリ溶液による処理を経た担体は次い
で水洗して過剰のアルカリや生成したアルカリハロゲン
化物を除去する操作を行う。洗浄は操作上の便宜から、
通常は10〜100℃で行うが、温水を用いるのが洗浄
効率が良いので50〜100℃、特に70〜90℃で行
うのが好ましい。洗浄後は所望により乾燥した後還元処
理することにより、目的とする触媒が得られる。還元処
理は液相、気相のいずれでも行うことができる。通常は
水素やメタノールなどを還元ガスとして用い、通常10
0〜600℃、好ましくは200〜550℃、更に好ま
しくは250〜500℃で気相還元を実施する。還元処
理を行った触媒の構造に関しては、貴金属成分は実質的
に全て金族に還元されると推定され、Snも金属に還元
はされているものの、一部分が2価又は4価で残存する
と推定される。
で水洗して過剰のアルカリや生成したアルカリハロゲン
化物を除去する操作を行う。洗浄は操作上の便宜から、
通常は10〜100℃で行うが、温水を用いるのが洗浄
効率が良いので50〜100℃、特に70〜90℃で行
うのが好ましい。洗浄後は所望により乾燥した後還元処
理することにより、目的とする触媒が得られる。還元処
理は液相、気相のいずれでも行うことができる。通常は
水素やメタノールなどを還元ガスとして用い、通常10
0〜600℃、好ましくは200〜550℃、更に好ま
しくは250〜500℃で気相還元を実施する。還元処
理を行った触媒の構造に関しては、貴金属成分は実質的
に全て金族に還元されると推定され、Snも金属に還元
はされているものの、一部分が2価又は4価で残存する
と推定される。
【0024】本発明で水素化反応の原料となるカルボン
酸又はカルボン酸エステルとしては、工業的に容易に入
手しうる任意のものを用いることができる。例えばカル
ボン酸としては下記一般式(1)又は(2)
酸又はカルボン酸エステルとしては、工業的に容易に入
手しうる任意のものを用いることができる。例えばカル
ボン酸としては下記一般式(1)又は(2)
【0025】
【化1】R1−COOH (1) HOOC−R2−COOH (2) (式中R1,R2は置換基を有していても良く、置換基以
外の炭素数が1〜30である飽和又は不飽和の脂肪族、
脂環族或いは芳香族の炭化水素基を表す)で表されるも
のが用いられる。また、これらのカルボン酸のエステル
を用いる場合には、そのアルコール成分としてメタノー
ル、エタノール、i−プロパノール、n−ブタノール等
の炭素数1〜6の低級アルコールが挙げられるが、本発
明による水素化反応で生成するアルコール類を用いるこ
ともできる。中でも、式(2)のジカルボン酸を使用す
るのが好ましい。
外の炭素数が1〜30である飽和又は不飽和の脂肪族、
脂環族或いは芳香族の炭化水素基を表す)で表されるも
のが用いられる。また、これらのカルボン酸のエステル
を用いる場合には、そのアルコール成分としてメタノー
ル、エタノール、i−プロパノール、n−ブタノール等
の炭素数1〜6の低級アルコールが挙げられるが、本発
明による水素化反応で生成するアルコール類を用いるこ
ともできる。中でも、式(2)のジカルボン酸を使用す
るのが好ましい。
【0026】本発明で、直接又はエステルの形態で原料
として反応に供するカルボン酸のいくつかを例示する
と、シクロヘキサンカルボン酸、ナフテン酸、シクロペ
ンタンカルボン酸等の脂環式カルボン酸類;ギ酸、酢
酸、ラウリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン
酸、ステアリン酸、パルチミン酸等の直鎖もしくは分岐
鎖状の飽和又は不飽和の脂肪族カルボン酸類;グルタル
酸、アジピン酸、ピメリン酸、セバシン酸、シクロヘキ
サンジカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸
等の飽和脂肪族、もしくは脂環式のポリカルボン酸類;
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族カル
ボン酸類が挙げられる。中でも、脂肪族又は脂環式カル
ボン酸が好ましく、更には炭素数1〜8の脂肪族又炭素
数3〜8の脂環式カルボン酸を使用するのが好ましい。
このような原料を使用することで、カルボキシル基又は
エステル基に相当する部分が水素化され、アルコール類
が生成する。
として反応に供するカルボン酸のいくつかを例示する
と、シクロヘキサンカルボン酸、ナフテン酸、シクロペ
ンタンカルボン酸等の脂環式カルボン酸類;ギ酸、酢
酸、ラウリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン
酸、ステアリン酸、パルチミン酸等の直鎖もしくは分岐
鎖状の飽和又は不飽和の脂肪族カルボン酸類;グルタル
酸、アジピン酸、ピメリン酸、セバシン酸、シクロヘキ
サンジカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸
等の飽和脂肪族、もしくは脂環式のポリカルボン酸類;
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族カル
ボン酸類が挙げられる。中でも、脂肪族又は脂環式カル
ボン酸が好ましく、更には炭素数1〜8の脂肪族又炭素
数3〜8の脂環式カルボン酸を使用するのが好ましい。
このような原料を使用することで、カルボキシル基又は
エステル基に相当する部分が水素化され、アルコール類
が生成する。
【0027】反応は無溶媒で行うこともできるが、通常
は溶媒の存在下で行われる。溶媒としては、通常、水、
メタノール、エタノール、オクタノール、ドデカノール
などのアルコール類、反応生成物のアルコール類、テト
ラヒドロフラン、ジオキサンや、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチル
エーテルなどのエーテル類、ヘキサン、シクロヘキサ
ン、デカリンなどの炭化水素類など、常用の溶媒を単独
あるいは必要であれば混合溶媒として用いることができ
る。特にカルボン酸を水素化する際には溶解性等の理由
から水を含む水性溶媒を用いるのが好ましい。溶媒の使
用量は、通常原料に対して0.1〜20重量倍、好まし
くは0.5〜15重量倍、更に好ましくは1〜10重量
倍程度用いるのが好ましい。
は溶媒の存在下で行われる。溶媒としては、通常、水、
メタノール、エタノール、オクタノール、ドデカノール
などのアルコール類、反応生成物のアルコール類、テト
ラヒドロフラン、ジオキサンや、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチル
エーテルなどのエーテル類、ヘキサン、シクロヘキサ
ン、デカリンなどの炭化水素類など、常用の溶媒を単独
あるいは必要であれば混合溶媒として用いることができ
る。特にカルボン酸を水素化する際には溶解性等の理由
から水を含む水性溶媒を用いるのが好ましい。溶媒の使
用量は、通常原料に対して0.1〜20重量倍、好まし
くは0.5〜15重量倍、更に好ましくは1〜10重量
倍程度用いるのが好ましい。
【0028】水素化反応は通常、水素ガス加圧下で行わ
れる。反応は通常50〜350℃で行われるが100〜
300℃で行うのが好ましい。一般的には好ましい温度
は100〜250℃であるが、高い反応速度を望む場合
には、150〜280℃で行うのが好ましい。反応圧力
は通常0.1〜30MPaであるが、1〜25MPa、
特に5〜20MPaが好ましい。反応は通常液相で行う
が、気相で行うこともできる。また、反応形式としては
液相縣濁反応、固定床流通反応のいずれをも採用するこ
とができる。
れる。反応は通常50〜350℃で行われるが100〜
300℃で行うのが好ましい。一般的には好ましい温度
は100〜250℃であるが、高い反応速度を望む場合
には、150〜280℃で行うのが好ましい。反応圧力
は通常0.1〜30MPaであるが、1〜25MPa、
特に5〜20MPaが好ましい。反応は通常液相で行う
が、気相で行うこともできる。また、反応形式としては
液相縣濁反応、固定床流通反応のいずれをも採用するこ
とができる。
【0029】反応生成液からは必要に応じて、触媒成分
を固液分離した後、蒸留などの手段により、アルコール
類を回収する。反応液中の未反応原料や反応中間体、例
えば生成アルコール類と原料カルボン酸とのエステルな
どは、回収して反応原料として再使用することができ
る。
を固液分離した後、蒸留などの手段により、アルコール
類を回収する。反応液中の未反応原料や反応中間体、例
えば生成アルコール類と原料カルボン酸とのエステルな
どは、回収して反応原料として再使用することができ
る。
【0030】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を詳
細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以
下の実施例の記載に限定されるものではない。 実施例1 <成形炭の硝酸処理>成型活性炭(日本ノリット(株)
商品名:RX1.5EXTRA、直径1.5mmの柱状
活性担)を30%硝酸水溶液中で、オイルバス95℃、
3時間加熱処理した後濾過した。蒸留水で洗浄後、2m
mHg、85℃で5時間減圧乾燥した。 <触媒の調製>水12.1gに、塩化ルテニウム水和
物、1.86g、塩化白金酸(IV)6水和物0.955
g、塩化スズ(II)2水和物1.59gを溶解した。こ
の金属化合物を含む溶液に、上記のように硝酸処理した
成型活性炭10.1gを加え良く振とうした。その後、
回転減圧乾燥器で60℃、25mmHgで溶媒の水を除
去した後、アルゴン流通下150℃で2時間焼成し触媒
Aを得た。
細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以
下の実施例の記載に限定されるものではない。 実施例1 <成形炭の硝酸処理>成型活性炭(日本ノリット(株)
商品名:RX1.5EXTRA、直径1.5mmの柱状
活性担)を30%硝酸水溶液中で、オイルバス95℃、
3時間加熱処理した後濾過した。蒸留水で洗浄後、2m
mHg、85℃で5時間減圧乾燥した。 <触媒の調製>水12.1gに、塩化ルテニウム水和
物、1.86g、塩化白金酸(IV)6水和物0.955
g、塩化スズ(II)2水和物1.59gを溶解した。こ
の金属化合物を含む溶液に、上記のように硝酸処理した
成型活性炭10.1gを加え良く振とうした。その後、
回転減圧乾燥器で60℃、25mmHgで溶媒の水を除
去した後、アルゴン流通下150℃で2時間焼成し触媒
Aを得た。
【0031】28wt%アンモニア水6.3mlに水
7.9mlを加えた溶液の中に、触媒Aを加え室温で3
0分浸漬し、メタル成分を不溶、固定化した。触媒をろ
別し、室温のイオン交換水2Lで充分洗浄した。これを
再度回転減圧乾燥器で60℃、25mmHgの減圧下で
溶媒を除去した後、アルゴン流通下で150℃2時間焼
成した。次いで水素気流下450℃で2時間還元し、6
wt%Ru−3wt%Pt−7wt%Sn/成型炭であ
る触媒Bを得た。
7.9mlを加えた溶液の中に、触媒Aを加え室温で3
0分浸漬し、メタル成分を不溶、固定化した。触媒をろ
別し、室温のイオン交換水2Lで充分洗浄した。これを
再度回転減圧乾燥器で60℃、25mmHgの減圧下で
溶媒を除去した後、アルゴン流通下で150℃2時間焼
成した。次いで水素気流下450℃で2時間還元し、6
wt%Ru−3wt%Pt−7wt%Sn/成型炭であ
る触媒Bを得た。
【0032】触媒Bの中からEPMAを測定する触媒と
して、成形炭の長さが3mm以下の粒子を4粒選択し、
粒子の長軸方向に対して垂直に切断した断面の最長径の
線で線分析を以下のようなEPMAの測定条件で行っ
た。
して、成形炭の長さが3mm以下の粒子を4粒選択し、
粒子の長軸方向に対して垂直に切断した断面の最長径の
線で線分析を以下のようなEPMAの測定条件で行っ
た。
【0033】
【表2】 EPMA機種 :日本電子社製モデルJXA−8600 電子ビームエネルギー :15kV 電子ビーム照射電流 :2×10-8A 電子ビーム照射径 :5μm 計測ステップ :5μm 計測時間 :0.5sec/point 計測した特性X線 :Ru−Lα、Pt−Lα、Sn−Lα 資料前処理 :樹脂に包埋した上で断面研磨し、Au蒸着 この結果を元に、触媒4粒子それぞれに各測定点のSn
/Ru強度比の全測定点の平均値を算出し、その平均値
で各測定点のSn/Ruの強度比を割った値の度数分布
を算出し、同様にPt/Ru強度比からも同様の度数分
布を算出した。その結果から得られる (Sn/Ru強
度比)/(Sn/Ru強度比平均値)の0.6を超え、
且つ1.4以下の度数の和の全体に占める割合を4粒で
平均した値は97.4%であった。同様に(Pt/Ru
強度比)/(Pt/Ru強度比の平均値) の 0.6
を超えかつ1.4以下の度数の和の全体に占める割合を
4粒子で平均した値は、71.3%であった。
/Ru強度比の全測定点の平均値を算出し、その平均値
で各測定点のSn/Ruの強度比を割った値の度数分布
を算出し、同様にPt/Ru強度比からも同様の度数分
布を算出した。その結果から得られる (Sn/Ru強
度比)/(Sn/Ru強度比平均値)の0.6を超え、
且つ1.4以下の度数の和の全体に占める割合を4粒で
平均した値は97.4%であった。同様に(Pt/Ru
強度比)/(Pt/Ru強度比の平均値) の 0.6
を超えかつ1.4以下の度数の和の全体に占める割合を
4粒子で平均した値は、71.3%であった。
【0034】4粒子の中のある触媒粒子の(Sn/Ru
強度比)/(Sn/Ru強度比平均値)の度数分布を図
1、(Pt/Ru強度比)/(Pt/Ru強度比の平均
値)の度数分布を図2に示す。 <水素化反応>ハステロイC製誘導撹拌式オートクレー
ブに、アジピン酸20g、水30g、及び上記触媒B
4gをアルゴン雰囲気下仕込んだ。水素1MPa下で2
30℃まで昇温し230℃に達した時点で8.5MPa
になるように水素を圧入して反応を開始した。定圧で3
時間反応させた後、アルカリ滴定による酸分析、ガスク
ロマトグラフィーにより反応液の分析を行った。この結
果から、生成物の収率及び、反応時間0〜1時間の一次
速度定数を求めて結果を表1に示した。 実施例2 成形炭として0.8mm直径の柱状炭(日本ノリット
(株)、商品名R0.8EXTRA)に変えた以外は全
て実施例1の方法で触媒を調製した。また、実施例1と
同様な方法でEPMA強度から強度比を計算し、表1に
示した。また実施例1と同様の反応を実施して表1に示
した。 比較例1 実施例1において、担体を硝酸で処理せず、触媒をアン
モニア溶液で処理しなかった以外は実施例1と同様な方
法で触媒Bを調製した。また、実施例1と同様な方法で
EPMA強度から強度比を計算し、同様の反応を実施し
て結果を表1に示した。参考としてある触媒粒子一個の
(Sn/Ru強度比)/(Sn/Ru強度比平均値)の
度数分布を図3、(Pt/Ru強度比)/(Pt/Ru
強度比の平均値)の度数分布を図4に示す。
強度比)/(Sn/Ru強度比平均値)の度数分布を図
1、(Pt/Ru強度比)/(Pt/Ru強度比の平均
値)の度数分布を図2に示す。 <水素化反応>ハステロイC製誘導撹拌式オートクレー
ブに、アジピン酸20g、水30g、及び上記触媒B
4gをアルゴン雰囲気下仕込んだ。水素1MPa下で2
30℃まで昇温し230℃に達した時点で8.5MPa
になるように水素を圧入して反応を開始した。定圧で3
時間反応させた後、アルカリ滴定による酸分析、ガスク
ロマトグラフィーにより反応液の分析を行った。この結
果から、生成物の収率及び、反応時間0〜1時間の一次
速度定数を求めて結果を表1に示した。 実施例2 成形炭として0.8mm直径の柱状炭(日本ノリット
(株)、商品名R0.8EXTRA)に変えた以外は全
て実施例1の方法で触媒を調製した。また、実施例1と
同様な方法でEPMA強度から強度比を計算し、表1に
示した。また実施例1と同様の反応を実施して表1に示
した。 比較例1 実施例1において、担体を硝酸で処理せず、触媒をアン
モニア溶液で処理しなかった以外は実施例1と同様な方
法で触媒Bを調製した。また、実施例1と同様な方法で
EPMA強度から強度比を計算し、同様の反応を実施し
て結果を表1に示した。参考としてある触媒粒子一個の
(Sn/Ru強度比)/(Sn/Ru強度比平均値)の
度数分布を図3、(Pt/Ru強度比)/(Pt/Ru
強度比の平均値)の度数分布を図4に示す。
【0035】なお、図3及び図4において、左端の度数
は0.2以下の度数の合計を表し、右端の度数は0.2
を越えた度数の合計を表すものである。
は0.2以下の度数の合計を表し、右端の度数は0.2
を越えた度数の合計を表すものである。
【0036】
【表3】
【0037】*1:触媒4粒子それぞれに各測定点のS
n/Ru強度比の全測定点の平均値を算出し、その平均
値で各測定点のSn/Ruの強度比を割った値の度数分
布を算出し、その結果から得られる(Sn/Ru強度
比)/(Sn/Ru強度比平均値)の0.6を超えかつ
1.4以下の度数の和の全体に占める割合を4粒子で平
均した値 *2:Pt/Ru強度比に関して、*1と同様の度数分
布を計算した値 *3:1,6−ヘキサンジオール
n/Ru強度比の全測定点の平均値を算出し、その平均
値で各測定点のSn/Ruの強度比を割った値の度数分
布を算出し、その結果から得られる(Sn/Ru強度
比)/(Sn/Ru強度比平均値)の0.6を超えかつ
1.4以下の度数の和の全体に占める割合を4粒子で平
均した値 *2:Pt/Ru強度比に関して、*1と同様の度数分
布を計算した値 *3:1,6−ヘキサンジオール
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、水素化反応用の触媒の
担体として成型炭を用いた場合にも、高活性で水素化反
応を実施できる触媒を提供できるため、工業的なメリッ
トが大きい。
担体として成型炭を用いた場合にも、高活性で水素化反
応を実施できる触媒を提供できるため、工業的なメリッ
トが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で調製した触媒Bの中からEPMAを
測定するための触媒として選択した4粒子のうちの1粒
子の(Su/Ru強度比)/((Sn/Ru強度比平均
値)の度数分布を表す図である。
測定するための触媒として選択した4粒子のうちの1粒
子の(Su/Ru強度比)/((Sn/Ru強度比平均
値)の度数分布を表す図である。
【図2】実施例1で調製した触媒Bの中からEPMAを
測定するための触媒として選択した4粒子のうちの1粒
子の(Pt/Ru強度比)/((Pt/Ru強度比平均
値)の度数分布を表す図である。
測定するための触媒として選択した4粒子のうちの1粒
子の(Pt/Ru強度比)/((Pt/Ru強度比平均
値)の度数分布を表す図である。
【図3】比較例1で調製した触媒Bの中からEPMAを
測定するための触媒として選択した4粒子のうちの1粒
子の(Su/Ru強度比)/((Sn/Ru強度比平均
値)の度数分布を表す図である。
測定するための触媒として選択した4粒子のうちの1粒
子の(Su/Ru強度比)/((Sn/Ru強度比平均
値)の度数分布を表す図である。
【図4】比較例1で調製した触媒Bの中からEPMAを
測定するための触媒として選択した4粒子のうちの1粒
子の(Pt/Ru強度比)/((Pt/Ru強度比平均
値)の度数分布を表す図である。
測定するための触媒として選択した4粒子のうちの1粒
子の(Pt/Ru強度比)/((Pt/Ru強度比平均
値)の度数分布を表す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 裕子 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 BA08A BA08B BB12C BC22A BC22B BC65A BC69A BC70A BC70B BC75A BC75B CB02 CB70 DA05 FA02 FB14 FB17 FB44 FC04 4H006 AA02 AC41 BA11 BA23 BA26 BA32 BB11 BB14 BB15 BB25 BB31 BC10 BC11 BE20 4H039 CA60 CB20
Claims (8)
- 【請求項1】 成型された活性炭担体に、少くともRu
及びSnを担持した水素化反応用触媒であって、担体の
長軸方向に対して垂直に切断した断面の最長径の線を、
計測間隔が5μm、電子ビーム直径が5μmの条件でX
線マイクロアナライザー(以下EPMAとする)の線分
析を行い、各測定点のSnの強度を同一測定点のRu強
度で割った値(以下Sn/Ru強度比とする)を、全測
定点のSn/Ru強度比の平均値で割った値の度数分布
をとった場合に、0.6を超え、且つ1.4以下の度数
の和の占める割合が全体の75%以上であることを特徴
とする水素化反応用触媒。 - 【請求項2】 Ru及びSnに加えて、更に周期律表の
第8〜10族から選ばれる金属元素を組み合わせて担持
する請求項1に記載の水素化反応用触媒。 - 【請求項3】 成型された活性炭担体に担持する元素が
Ru、Sn、及びPtである請求項2に記載の水素化反
応用触媒。 - 【請求項4】 担体の長軸方向に対して垂直に切断した
断面の最長径の線を、計測間隔が5μm、電子ビーム直
径が5μmの条件でEPMAの線分析を行い、各測定点
のPtの強度を同一測定点のRu強度で割った値(以下
Pt/Ru強度比とする)を、全測定点のPt/Ru強
度比の平均値で割った値の度数分布をとった場合に、
0.6を超え、且つ1.4以下の度数の和の占める割合
が全体の35%以上である請求項3に記載の水素化反応
用触媒。 - 【請求項5】 成型された活性炭担体として、あらかじ
め硝酸と接触させた担体を用いる請求項1〜4のいずれ
かに記載の水素化反応用触媒。 - 【請求項6】 水素化反応用触媒が、担体に担持させる
元素の金属塩溶液を担体と接触させた後に、アルカリで
処理することにより製造させるものである請求項1〜5
のいずれかに記載の水素化反応用触媒。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の水素化
反応用触媒を用いて、カルボン酸及び/又はカルボン酸
エステルの水素化反応を行い、アルコール類を製造する
方法。 - 【請求項8】 カルボン酸が脂肪族又は脂環式の炭素数
4〜15のジカルボン酸である請求項7に記載のアルコ
ール類の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000324891A JP2002126524A (ja) | 2000-10-25 | 2000-10-25 | 水素化反応用触媒及びそれを用いたアルコール類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000324891A JP2002126524A (ja) | 2000-10-25 | 2000-10-25 | 水素化反応用触媒及びそれを用いたアルコール類の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002126524A true JP2002126524A (ja) | 2002-05-08 |
JP2002126524A5 JP2002126524A5 (ja) | 2004-11-04 |
Family
ID=18802348
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000324891A Pending JP2002126524A (ja) | 2000-10-25 | 2000-10-25 | 水素化反応用触媒及びそれを用いたアルコール類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002126524A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009215289A (ja) * | 2008-03-06 | 2009-09-24 | Korea Research Inst Of Chemical Technology | モノカルボキシル酸またはその誘導体から一価アルコールを製造する方法 |
CN111715221A (zh) * | 2014-05-23 | 2020-09-29 | 三菱化学株式会社 | 负载金属催化剂、负载金属催化剂的保存方法以及醇的制造方法 |
-
2000
- 2000-10-25 JP JP2000324891A patent/JP2002126524A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009215289A (ja) * | 2008-03-06 | 2009-09-24 | Korea Research Inst Of Chemical Technology | モノカルボキシル酸またはその誘導体から一価アルコールを製造する方法 |
CN111715221A (zh) * | 2014-05-23 | 2020-09-29 | 三菱化学株式会社 | 负载金属催化剂、负载金属催化剂的保存方法以及醇的制造方法 |
CN111715221B (zh) * | 2014-05-23 | 2023-10-31 | 三菱化学株式会社 | 负载金属催化剂、负载金属催化剂的保存方法以及醇的制造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4472109B2 (ja) | カルボン酸水添用触媒 | |
CA2322744C (en) | Method for hydrogenating carbonyl compounds | |
EP3322526B1 (en) | Improved copper-containing multimetallic catalysts, and method for using the same to make biobased 1,2-propanediol | |
EP0879641B1 (en) | Hydrogenation catalyst comprising palladium deposited on activated carbon | |
US8592636B2 (en) | Hydrogenation process | |
US20100087312A1 (en) | Chromium-free catalysts of metallic cu and at least one second metal | |
JP2738945B2 (ja) | カルボニル含有化合物の低圧接触水素添加及び該水素添加用触媒 | |
US4524225A (en) | Acid resistant catalyst supports; reduction of fatty acids to fatty alcohols | |
JP2002126524A (ja) | 水素化反応用触媒及びそれを用いたアルコール類の製造方法 | |
JP3911955B2 (ja) | ルテニウム−スズ系担持触媒の製造方法。 | |
JP3887845B2 (ja) | 水素化反応用触媒、その製造法、及び該触媒を用いた水素化反応方法 | |
JP3921877B2 (ja) | 1,4−シクロヘキサンジメタノールの製造方法 | |
JP2006167709A (ja) | パラジウム含有担持触媒の製造方法 | |
JP4472108B2 (ja) | カルボン酸水添触媒 | |
JP4214830B2 (ja) | グリコール酸エステルの製造方法 | |
JP3744023B2 (ja) | 1,4−ブタンジオール及び/又はテトラヒドロフランの製造方法 | |
JP3845904B2 (ja) | 水素化反応用触媒、その製造法、及び該触媒を用いたカルボン酸類の水素化反応方法 | |
JP4676887B2 (ja) | α,β−不飽和カルボン酸の製造方法、その触媒及びその製造方法 | |
JPH07285892A (ja) | シクロオレフィンの製造方法 | |
JPH09118638A (ja) | シクロオレフィンの製造方法 | |
JPH11222447A (ja) | 芳香族化合物の部分水素添加によるシクロオレフィン類の製造方法 | |
JP2003144921A (ja) | 脱ハロゲン化触媒及び高純度モノクロロ酢酸の製造法 | |
JP2002052343A (ja) | 酸化反応用触媒及びそれを用いたアセタール類の製造方法 | |
JPH10139692A (ja) | シクロオレフィンの製造方法 | |
JP2797464B2 (ja) | カルボニル化合物の水素化方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060316 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060725 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20061121 |