JP2002126047A - ナイロン製インジェクションブロー成形ほ乳瓶、並びに、その製造方法 - Google Patents

ナイロン製インジェクションブロー成形ほ乳瓶、並びに、その製造方法

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JP2002126047A
JP2002126047A JP2000321812A JP2000321812A JP2002126047A JP 2002126047 A JP2002126047 A JP 2002126047A JP 2000321812 A JP2000321812 A JP 2000321812A JP 2000321812 A JP2000321812 A JP 2000321812A JP 2002126047 A JP2002126047 A JP 2002126047A
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nylon
bottle
parison
baby bottle
blow
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Keiji Hamamoto
啓二 浜本
Hiroichi Mihashi
博一 三橋
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Taisei Kako Co Ltd
Original Assignee
Taisei Kako Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ナイロン製ほ乳瓶の耐衝撃値を向上し、十分
な落下強度が得られるようにして、ほ乳瓶としての使用
性を良好なものとする。 【解決手段】 透明若しくは半透明のナイロンナイロン
を原材料として形成され、パリソン射出成形のゲート跡
6が瓶底5中央に形成された有底筒状のインジェクショ
ンブロー成形ほ乳瓶であって、瓶底5が上方に球面状に
湾曲する上げ底形状を呈しており、その底上げ高さh
を、上げ底部分5bの外周側の底面視ほぼ円形状の接地
部内径Rの7%以上20%以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はほ乳瓶並びにその製
造方法に関し、特に、透明若しくは半透明のナイロンを
主たる原料として用いてインジェクションブロー成形法
によって形成されたほ乳瓶に関するものである。
【0002】
【従来の技術】樹脂製ほ乳瓶は携帯使用することも多い
とともに、乳児に対する安全性を確保する観点から、そ
の成形材料としては、卓越した耐衝撃性を示すポリカー
ボネート(PC)が従来より広く用いられている。この
PCは、透明性に優れ、広い温度範囲で使用に耐える優
れた耐熱性をも示し、煮沸消毒が可能であることから、
ほ乳瓶に適した合成樹脂材料である。ポリカーボネート
は、主鎖中に炭酸エステル結合(−O−R−OCO−)
を持つ線状高分子化合物で、グリコール又は2価のフェ
ノールにホスゲン又は炭酸エステルを反応させて製造さ
れるものであるが、通常のポリカーボネートは、2価の
フェノールとしてビスフェノールAを用いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
通常のポリカーボネートに用いられているビスフェノー
ルAは、疑似エストロゲン作用を示す環境ホルモンの一
つとして指摘されており、実際、ポリカーボネート製の
食品用器具から環境ホルモンの一つであるビスフェノー
ルAが基準値を超えて溶出した事例も報告されている。
【0004】特に、乳児への授乳に用いられるほ乳瓶業
界においては、環境ホルモンへの対策に敏感であり、ポ
リカーボネートに代わる樹脂材料を用いて、ポリカーボ
ネートを用いた場合と同等の耐衝撃性、耐熱性を得るこ
とが急務になっている。
【0005】かかる状況に鑑み、本願発明者は、ポリカ
ーボネートに代わる樹脂材料として、非晶性ナイロンに
着目した。ここで言う非晶性ナイロンとは、通常のポリ
アミド樹脂(通称:ナイロン)のポリアミド骨格に結晶
化を阻害するモノマー成分を導入した樹脂で非結晶性ま
たは難結晶性ものを言う。モノマー成分の導入法として
は、通常のナイロン原料(脂肪族系ジカルボン酸と脂
肪族系ジアミン)の一方または双方を脂肪族系から芳香
族系又は脂環族系に変更する、芳香族系又は脂環族系
のジカルボン酸とジアミンと通常のナイロン原料(脂肪
族系ジカルボン酸と脂肪族系ジアミン)との多元共重
合、脂肪族系、芳香族系又は脂環族系のジカルボン酸
とジアミンに第三成分のモノマーを加えた三元共重合、
通常のナイロンと上記の又はとの混合、等の方法
がある。芳香族系のジカルボン酸としてはテレフタル
酸、イソフタル酸等であり、脂環族系ジカルボン酸とし
てはシクロヘキサン−1,4ジカルボン酸等がある。脂
環族系ジアミンとしてイソホロンジアミン、ビス−p−
(アミノシクロヘキシル)メタンなどがある。上記の
第三モノマーとしてはトリレンジイソシアネート、ジフ
ェニルメタンジイソシアネート等のイソシアネート類が
ある。
【0006】これらの非晶性ナイロンはガラス転移点が
通常のナイロン中で高いナイロン4−6(約80℃)に
比して、数十℃高く(130℃以上)、耐熱性に優れ、
かつ透明な樹脂であり、耐衝撃性も通常のナイロンより
優れたものがある。
【0007】しかしながら、これらのナイロン樹脂材
は、PC樹脂材の耐衝撃値には劣っており、これらのナ
イロンを用いて、従来のPC製ほ乳瓶と同一形状のほ乳
瓶をインジェクションブロー成形法によって製造する
と、十分な落下強度を得ることができず、製品使用性に
欠けるものしか得られなかった。
【0008】一般に、ボトル肉厚を厚くすれば強度向上
を図りうるが、例えば、満容量300mL弱の樹脂製ほ
乳瓶に関しては、生産性、製品トータル重量、トータル
コスト等を考慮すればボトル重量を40g以内にする必
要があり、その規格を満たすように肉厚設計すれば、最
小0.5mm、最大でも1.5mmの肉厚の範囲とな
る。本願発明者らの落下試験によれば、従来構造のナイ
ロン製ほ乳瓶では、肉厚1.5mmでも十分な衝撃強度
が得られていない。
【0009】そこで、本発明は、瓶底形状を変更するこ
とにより、十分な落下強度を得ることができるナイロン
製インジェクションブロー成形ほ乳瓶、並びに、その製
造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発明
は、透明若しくは半透明のナイロンを原材料として形成
され、パリソン射出成形のゲート跡が瓶底中央に形成さ
れた有底筒状のインジェクションブロー成形ほ乳瓶であ
って、瓶底が上方に球面状に湾曲する上げ底形状を呈し
ており、その底上げ高さが、上げ底部分の外周側の底面
視ほぼ円形状の接地部内径の7%以上20%以下である
ことを特徴とするものである。
【0011】なお、本発明において、「インジェクショ
ンブロー成形」とは、パリソンを射出成形法によって製
造した後、このパリソンを用いてブロー成形するもので
あればよく、いわゆる延伸ブロー成形を含む概念である
とともに、コールドパリソン法、ホットパリソン法のい
ずれをも含む。また、パリソン形状は、通常、有底円筒
状である。また、透明若しくは半透明のナイロンを原材
料とするものであれば、各種の添加材料が添加されてい
てもよい。また、本発明のほ乳瓶は、単層成形品であっ
てもよく、同種又は異種のナイロン層が積層形成されて
なる積層成形品であってもよい。さらに、ナイロン層
と、ナイロン以外の樹脂層が積層成形された積層成形品
であってもよい。
【0012】上記本発明によれば、瓶底を上げ底形状と
することにより、瓶底のコーナー部分(周縁部)におい
て縦横均等な延伸が行われるようになり、その部分の耐
衝撃値が向上されて、落下強度が改善され、良好な使用
性が得られる。さらに、瓶底中央が、瓶底面となる接地
部よりも接地部内径の7%以上も高くなされているか
ら、ミルクが入った状態でほ乳瓶を落とした場合にたと
え瓶底が荷重変形したとしても、瓶底中央部のゲート跡
が床面に衝当することがなく、射出成形によって応力集
中しているゲート跡近傍からの破損を防止することもで
きる。また、瓶底中央を底上げすると、その底上げ高さ
が大きすぎると内容液(母乳や人工乳など)を容器内に
注ぐ場合に泡立ちが発生する原因ともなり、商品外観性
からも極力低くすることが望まれているが、本発明で
は、透明若しくは半透明のナイロンを用いながらも十分
な落下強度を得つつ、瓶底中央の底上げ高さを20%以
内に抑えているので、泡立ちの発生を抑えかつ商品外観
性をも良好なものとなる。
【0013】かかる本発明のほ乳瓶は、種々のインジェ
クションブロー成形法によって成形することが可能であ
るが、好ましくは、延伸ブロー成形法(配向ブロー成形
法)を用いるのが良い。
【0014】延伸ブロー成形法を採用する場合は、次の
ように構成することができる。即ち、本発明は、透明若
しくは半透明のナイロンから主構成されたインジェクシ
ョンブロー成形ほ乳瓶の製造方法であって、透明若しく
は半透明のナイロンを原材料として用いて有底円筒状の
パリソンを射出成形し、該射出成形金型のゲートはパリ
ソンの底部中央に配置し、前記パリソンを延伸ブロー成
形することにより、瓶底が上方に球面状に湾曲する上げ
底形状を呈し、その底上げ高さが、上げ底部分の外周側
の底面視ほぼ円形状の接地部内径の7%以上20%以下
である形状のほ乳瓶を形成することを特徴とするもので
ある。なお、延伸ブロー成形は、ナイロン製のパリソン
を融点以下、ガラス転移点(軟化点)以上に均等加熱し
て、冷却されたブロー成形型内で延伸ブローさせる成形
法であり、これによれば分子が規則的に配向し、透明
性、機械的強度、ガスバリアー性が向上するものであ
る。
【0015】かかる本発明の製造方法によれば、瓶底が
上げ底形状とされているので、延伸ブロー成形時に瓶底
コーナー部が縦横均等に延伸され、残留応力が低減され
ることにより耐衝撃性が向上する。さらに、ゲート跡が
瓶底の上げ底部分に形成されるので、ほ乳瓶を落として
も該ゲート跡が床面に衝当せず、応力集中しているゲー
ト跡からの破損が防止される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係
るほ乳瓶1を示しており、該ほ乳瓶1は、ナイロン(ポ
リアミド)を主たる原料として上方開口有底筒状に形成
された透明のボトルである。ナイロンは透明または半透
明のものを用い、上述した非晶性ナイロンを採用するの
が好ましいが、その他に適宜なものが採用できる。採用
可能なナイロンを以下に例示する。
【0017】脂肪族系ナイロン…ナイロン6、ナイロ
ン11、ナイロン12、ナイロン4−6、ナイロン6−
6、ナイロン6−10、ナイロン6−12、側鎖脂肪族
系ナイロン
【0018】芳香族系ナイロン…原料に芳香族系ジカ
ルボン酸と上記の原料である脂肪族系ジアミンを用い
たナイロン。芳香族系ジカルボン酸としては、テレフタ
ル酸、イソフタル酸等がある。
【0019】脂環族系ナイロン…原料に脂環族系ジア
ミンとの原料である脂肪族系ジカルボン酸を用いたナ
イロン、および原料に脂環族系ジカルボン酸との原料
である脂肪族系ジアミンを用いたナイロン。脂環族系ジ
アミンとしてはイソホロンジアミン、ビス−p−(アミ
ノシクロヘキシル)メタンなどがある。脂環族系ジカル
ボン酸としてはシクロヘキサン−1,4ジカルボン酸等
がある
【0020】非脂肪族系ナイロン…原料に芳香族系ジ
カルボン酸と脂環族系ジアミンを用いたナイロン。
【0021】脂肪族系、芳香族系又は脂環族系のジカ
ルボン酸とジアミンに第三成分のモノマーを加えた三元
共重合ナイロン。第三成分のモノマーとしてはトリレン
ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート
等のイソシアネート類がある。
【0022】芳香族系又は脂環族系のジカルボン酸と
ジアミンと前記の原料である脂肪族系ジカルボン酸と
脂肪族系ジアミンとの多元共重合ナイロン。
【0023】上記の〜の2種以上の混合物ナイロ
ン。
【0024】上記の〜に改質のための添加物を加
えたナイロン。
【0025】ほ乳瓶1は、上部に口部2を有し、下部に
は口部2に連設された胴部3を有している。口部2はほ
ぼ円筒状を呈し、その外周には、乳首を備えるキャップ
(図示せず)取付用のねじ4が形成されている。また、
胴部3は、口部2よりも大径とされており、下側にした
がって徐々に大径となるように形成されている。ほ乳瓶
1の瓶底5(即ち、胴部3の底部)は、上方に球面状に
湾曲する上げ底形状を呈しており、この上げ底部分5a
の外周側には、ほ乳瓶1を床面に置いたときに接地する
接地面(接地部)5bが形成されている。上げ底部分5
aは、瓶底中央部分が最も高くなされており、応力集中
を避けるように球面状に湾曲形成されている。また、瓶
底5の中央には、ほ乳瓶成形時のパリソン射出成形工程
によって形成されたゲート跡6が形成されている。
【0026】瓶底5の上げ底部分5aの底上げ高さh、
即ち、接地面5bに対する上げ底部分5bの中央部の高
さhは、接地部5bの内径Rの7%以上20%以下とさ
れている。ここで、底上げ高さhが接地部内径Rの7%
未満であると、十分な耐衝撃性が得られず、また、20
%を超えても耐衝撃性が十分でなくなるとともに、瓶底
に環状の溝が形成されるようになって瓶内の洗浄を行い
にくく、乳かすが溜まる原因となる。したがって、上記
したように7%以上20%以下の範囲とすることが好ま
しく、さらに好ましくはその下限値は9%以上、10%
以上、又は12%以上とすることが出来、上限値は18
%以下、15%以下若しくは13%以下とすることが出
来る。本発明は、上記下限値と上限値の適宜の組み合わ
せの範囲とすることができるが、特に好ましくは、10
%以上13%以下とするのが良い。
【0027】ほ乳瓶1の具体的設計寸法を例示すれば、
例えば、接地部内径Rが42mmの場合、底上げ高さhは
2.94mm以上(7%の場合)、6.72mm以下(20
%の場合)とすることが好ましく、より好ましくは4.
2mm以上(10%の場合)、5.46mm以下(13%の
場合)とするのが良い。また、成形品肉厚は、胴部肉厚
が0.8〜1.2mm程度とし、最低肉厚を0.4mm
程度とするのが良い。
【0028】次に、上記ほ乳瓶1の製造方法の一実施例
として、インジェクションブロー成形工程について説明
する。
【0029】まず、ブロー工程に先立って、射出成形機
(図示せず)により、ペレット状のナイロン(並びに、
必要ならば所望の添加材料)を混練溶融して射出成形型
のゲートからキャビティ内に射出して冷却固化し、有底
筒状のパリソンを成形する。なお、上記ゲートは、パリ
ソンの底部中央に配置しており、一つのゲートからキャ
ビティ内にほぼ均一に行き渡るようにしている。また、
パリソンの口部はリップ型を用いて形成している。
【0030】次に、図2乃至図5に示すブロー成形工程
について説明するが、まず、図示実施例のブロー成型機
12の構成について説明する。このブロー成形機12
は、ブローキャビティ13を形成する金型14と、延伸
ロッド15と、パリソン11内にエアを吹き込む吹き込
み手段16とを備えている。ブロー型14は、図2に示
す型開き状態と、図3に示す型締め状態とに開閉動作さ
れる左右の割型17,18と、左右型17,18の中央
に設置された底型19とを備えている。この底型19は
図示例ではほぼ円柱状とされているとともに、成形品1
の上げ底形状を形成するように、上面が、中央にしたが
って徐々に上方に隆起する山形状とされている。
【0031】左右型17,18の上部には、リップ型1
0を受ける受型20が設けられており、下部には底型1
9の外周に左右側方から嵌合する受型21が設けられて
いる。
【0032】延伸ロッド15は、左右型17,18のほ
ぼ中央に設けられており、また、底型19とほぼ同一軸
心状に配置されている。該ロッド15は、ブロー型14
に対して、ブローキャビティ13の軸心方向に往復動可
能に設けられており、適宜の作動機構(図示せず)によ
って上下方向に往復動される。
【0033】吹き込み手段16は、リップ型10の内周
に離脱自在に嵌着されるほぼ円柱状のブローコア22を
備えている。ブローコア22の先端部(図面において下
端部)にはエアの吹き出し孔が設けられており、ブロー
コア22に接続されたエア圧送装置からの高圧エアをパ
リソン11内部に吹き込みうるように構成されている。
なお、延伸ロッド15は、ブローコア22の軸中央部を
貫通して、ブローコア22に対して軸方向に往復動する
よう構成されている。
【0034】なお、ブロー成形機12は、ブロー成形さ
れた成形品1を冷却するための適宜の冷却手段を備えて
いる。
【0035】上記したブロー成形機12によって、パリ
ソン11を次のようにして二軸延伸ブロー成形する。即
ち、図2に示すように型開きされたブロー型14を図3
に示すように型締めするとともに、パリソン11を保持
したリップ型10を受型20に嵌着させて、図3に示す
ようにパリソン11をブローキャビティ13内に配置さ
せる。このとき、パリソン11を、樹脂のガラス転移温
度以上溶融温度以下に温調しておく。
【0036】次に、延伸ロッド15を下方に押出動作さ
せることにより、図4に示すようにパリソン11をまず
縦軸延伸する。その後、ブローコア22の吹き出し孔か
ら高圧エアをパリソン11内に吹き込み、パリソン1を
横軸延伸させ、図5に示すようにブロー成形品であるほ
乳瓶1を得る。このとき、底型19の上面が山形状に形
成されているため、底部コーナー近傍においてパリソン
の縦方向により一層延伸され、横方向の延伸量と均一化
するため、かかるコーナー部における樹脂分子の配向度
が向上して、耐衝撃性が高められる。そして、成形品1
を冷却固化した後、ブロー型14から成形品1が取り出
される。
【0037】
【実施例】上記実施形態で説明した構造のナイロン製イ
ンジェクションブロー成形ほ乳瓶について、以下の熱収
縮試験及び落下強度試験を行った。使用樹脂は透明ナイ
ロンで、スイス国のEMS−CHEMIE製(エムス昭
和電工販売)の「グリルアミドTR55」並びに「グリ
ルアミドTR90」であり、その物性値を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】また、プリフォーム成形条件は、TR90
とTR55のそれぞれについて、下記の通りである。 シリンダー温度 金型温度 射出時間 成形サイクル −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− TR90 260℃-265℃-270℃ 60℃ 6秒 23秒 TR55 265℃-270℃-275℃ 80℃ 6秒 23秒
【0040】また、ブロー成形条件は、TR90、TR
55共に、ブロー圧:18kg/cm、ブロー時間:8秒、
ブロー金型温度:40℃とした。但し、ヒートセットの
場合は、TR90:130℃、TR55:140℃とし
た。
【0041】上記TR55により成形したほ乳瓶と、T
R90により成形したほ乳瓶のそれぞれについて行った
熱収縮試験並びに落下強度試験の詳細は、下記の通りで
ある。
【0042】(1)熱収縮試験 通常のほ乳瓶形状品を100℃にて100時間煮沸して
行った。結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】(2)落下強度試験 1.37m若しくは1.8mの高さから上記ほ乳瓶の試
験体10個をピータイル上に10回連続落下させ、割れ
の有無を確認した。TR90からなるほ乳瓶では、1.
37m及び1.8mのいずれの高さにおいても、10回
連続落下で1個の割れも発生しなかった。TR55から
なるほ乳瓶は、ヒートセット無しの成形品では、1.3
7mの高さでは10回連続落下でも割れが発生せず、
1.8mの高さでは5・6・8回目でそれぞれ1個ずつ
割れた。一方、TR55ほ乳瓶でヒートセット有りの場
合、1.37mの高さでは9回目に1個割れ、1.8m
の高さでは4・5・8回目に1個、7回目に2個、10
回目に3個割れた。そこで、底型形状を変更したとこ
ろ、1.37mの高さでは全く割れが発生せず、1.8
mの高さで1個が割れたのみであった。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、環境ホルモンへの影響
が少ない樹脂であるナイロンを用いながらも、ほ乳瓶と
しての良好な使用性を示す耐衝撃値を得ることができ
る。したがって、業界規格を満たすボトル肉厚であって
も、ナイロン製ほ乳瓶の落下強度を向上することがで
き、製品価値の高いほ乳瓶を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るほ乳瓶を示し、
(a)は正面図、(b)は底面図である
【図2】同ほ乳瓶の製造工程を示し、ブロー成形機にパ
リソンを装填する直前の状態を示す簡略縦断面図であ
る。
【図3】同ほ乳瓶の製造工程を示し、ブロー成形金型に
パリソンを挿入した状態を示す簡略縦断面図である。
【図4】同ほ乳瓶の製造工程を示し、延伸ロッドにより
縦軸延伸した状態を示す簡略縦断面図である。
【図5】同ほ乳瓶に製造工程を示し、ブロー成形が終了
した状態を示す簡略縦断面図である。
【符号の説明】
1 ほ乳瓶 2 口部 3 胴部 5 瓶底 5a 接地部(接地面) 5b 底上げ部(球面状上方湾曲部) 6 ゲート跡 11 パリソン R 接地部内径 h 底上げ高さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 5/00 CFG B29K 77:00 // B29K 77:00 B29L 22:00 B29L 22:00 31:00 31:00 C08L 77:06 C08L 77:06 B65D 1/00 C Fターム(参考) 3E033 AA04 BA21 CA02 DD02 FA03 GA02 4F071 AA55X AA76 AF30 AH05 BA01 BB05 BC04 4F208 AA29 AF16 AR12 LA02 LA04 LB01 LG28 LN26

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明若しくは半透明のナイロンからな
    り、パリソン射出成形のゲート跡(6)が瓶底(5)中
    央に形成された有底筒状のインジェクションブロー成形
    ほ乳瓶であって、瓶底(5)が上方に球面状に湾曲する
    上げ底形状を呈しており、その底上げ高さ(h)が、上
    げ底部分(5b)の外周側の底面視ほぼ円形状の接地部
    (5a)内径(R)の7%以上20%以下であることを
    特徴とするナイロン製インジェクションブロー成形ほ乳
    瓶。
  2. 【請求項2】 透明若しくは半透明のナイロンから主構
    成されたインジェクションブロー成形ほ乳瓶(1)の製
    造方法であって、透明若しくは半透明のナイロンを原材
    料として用いて有底円筒状のパリソン(11)を射出成
    形し、該射出成形金型のゲートはパリソン(11)の底
    部中央に配置し、前記パリソン(11)を延伸ブロー成
    形することにより、瓶底(5)が上方に球面状に湾曲す
    る上げ底形状を呈し、その底上げ高さ(h)が、上げ底
    部分(5b)の外周側の底面視ほぼ円形状の接地部(5
    a)内径(R)の7%以上20%以下である形状のほ乳
    瓶(1)を形成することを特徴とするナイロン製インジ
    ェクションブロー成形ほ乳瓶の製造方法。
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