JP2002122210A - 流体式トルク伝達装置のタービンシェル及びその製造方法 - Google Patents

流体式トルク伝達装置のタービンシェル及びその製造方法

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JP2002122210A
JP2002122210A JP2000310488A JP2000310488A JP2002122210A JP 2002122210 A JP2002122210 A JP 2002122210A JP 2000310488 A JP2000310488 A JP 2000310488A JP 2000310488 A JP2000310488 A JP 2000310488A JP 2002122210 A JP2002122210 A JP 2002122210A
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turbine
shell
outer peripheral
blank
transmission device
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JP2000310488A
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Inventor
Ikuo Murata
維久男 村田
Naotoshi Sugawara
尚寿 菅原
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Original Assignee
Exedy Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 流体式トルク伝達装置のタービンシエルに形
成されるロックアップクラッチダンパ用爪の形成工程数
低減を図る。 【解決手段】 ブランクB2は支持具83上に配置され
る。このときブランクB2の中心部45は支持具83の
中心面85に当接し、ブランクB2は保持機構81に対
して半径方向、回転方向及び軸方向に移動不能に係止さ
れる。次に、保持機構81は回転中心軸S1−S1回り
に回転し、ブランクB2をも回転させる。この状態にお
いてローラ82は回転工具91を回転軸S4−S4回り
に回転させながら半径方向外側に移動していく。回転工
具91はブランクB2の内周側の上側表面の肉を削ぎ、
外周側に移動させていく。この移動させられた肉が、回
転工具91の第1主面92によって保持具84の内周面
89に押し付けられ、筒状部分47となる。そして、筒
状部分47を横型プレスで打ち抜いて爪を形成し、高周
波焼き入れする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トルクコンバータ
等の流体式トルク伝達装置のタービンシェル及びその製
造方法、特に、ロックアップ装置が用いられるものに関
する。
【0002】
【従来の技術】トルクコンバータは、3種の羽根車(イ
ンペラー,タービン,ステータ)を内部に有し、内部の
作動油によりトルクを伝達する装置である。インペラー
は入力側回転体に連結されたフロントカバーに固定され
ており、インペラーからタービンに流れる作動油により
トルクが出力側に伝えられる。トルクコンバータに含ま
れるロックアップ装置は、タービンとフロントカバーと
の間に配置されており、フロントカバーとタービンとを
機械的に連結してフロントカバーから出力側部材にトル
クを直接伝達するためのものである。このロックアップ
装置は、フロントカバーに連結可能なピストンと、ピス
トンに固定されるリティーニングプレートと、リティー
ニングプレートに支持されるトーションスプリングと、
トーションスプリングにより回転方向にピストンと弾性
的に連結されるドリブンプレートとを有している。ドリ
ブンプレートは、出力側回転体に連結しているタービン
に固定されている。
【0003】ドリブンプレートは、タービンの外周面に
沿った形状の環状の固定部と、そこからエンジン側に延
びる複数の爪とから構成される。固定部はタービンのシ
ェルに溶接によって固定されている。爪はロックアップ
装置のトーションスプリングの回転方向両端に当接して
いる。すなわち、ロックアップ装置からのトルクはドリ
ブンプレートの爪を介してタービンに伝達される。ま
た、エンジンからのトルク変動が入力されると、トーシ
ョンスプリングはリティーニングプレートの爪とドリブ
ンプレートの爪との間で回転方向に圧縮される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ドリブンプレートは、
板材を円板状に切断し、内周部に穴を開け、プレス加工
及び曲げ加工を施して成形される。また、ドリブンプレ
ートは、ロックアップ装置のトーションスプリングを捩
じるために耐摩耗性が要求されるため、S35C程度の
炭素含有量の材料に高周波焼き入れ等による表面硬化処
理がされる。完成したドリブンプレートはタービンシェ
ルに対してスポット溶接等によって接合される。
【0005】従来のドリブンプレートは、プレス加工で
板材から打ち抜かれて形成されるため、材料の歩留まり
がよくない。また、従来はドリブンプレートはタービン
シェルにスポット溶接等によって固定されるため工程数
が多くなる。
【0006】本発明の課題は、従来のタービンシェルの
製造方法における問題を解決することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の流体式
トルク伝達装置のタービンシェルの製造方法は、以下の
工程を備えている。
【0008】◎円板状の素材を用意する準備工程 ◎素材の一部を変形させて複数のトルク伝達用爪を形成
する爪形成工程 この製造方法では、スポット溶接等が廃止され、工程数
が削減される。
【0009】請求項2に記載の流体式トルク伝達装置の
タービンシェルの製造方法では、請求項1において、爪
形成工程は以下の工程を含んでいる。 ◎素材の一部を筒状部に形成する筒状部形成工程 ◎筒状部の一部を切断して複数のトルク伝達用爪を形成
する切断工程 請求項3に記載の流体式トルク伝達装置のタービンシェ
ルの製造方法では、請求項2において、筒状部形成工程
は以下の工程を含んでいる。
【0010】◎素材を回転させながら一部を移動させる
回転成形工程 請求項4に記載の流体式トルク伝達装置のタービンシェ
ルの製造方法では、請求項3において、回転成形工程は
以下の工程を含んでいる。
【0011】◎円板状の素材の外周面を分割して両側に
分けていくスプリット加工工程 請求項5に記載の流体式トルク伝達装置のタービンシェ
ルの製造方法では、請求項3において、回転成形工程は
以下の工程を含んでいる。
【0012】◎円板状の素材の内周側の材料を外周側で
分割させる加工工程 請求項6に記載の流体式トルク伝達装置のタービンシェ
ルは、シェル本体と、シェル本体の外周側に一体に形成
された複数のトルク伝達用爪とを備えている。
【0013】請求項7に記載の流体式トルク伝達装置の
タービンは、請求項6に記載のタービンシェルと、シェ
ル本体に固定された複数のブレードとを備えている。請
求項8に記載の流体式トルク伝達装置は、内部に作動油
が充填された流体室を構成するフロントカバー及びイン
ペラーと、請求項7に記載のタービンと、ロックアップ
装置とを備えている。ロックアップ装置は、フロントカ
バーとタービンとの間でトルク伝達を行うためのクラッ
チと、タービンシェルのトルク伝達用爪に係合可能なト
ーションスプリングを有するダンパー部とを含んでい
る。
【0014】
【発明の実施の形態】1.第1実施形態(図1〜図7) (1)トルクコンバータの構造 図1は本発明の一実施形態が採用されたトルクコンバー
タ1の縦断面概略図である。トルクコンバータ1は、エ
ンジンのクランクシャフトからトランスミッションの入
力シャフトにトルクを伝達するための装置である。図1
の左側に図示しないエンジンが配置され、図1の右側に
図示しないトランスミッションが配置されている。図1
に示すO−Oがトルクコンバータ1の回転軸である。ま
た、図2の矢印R1がトルクコンバータ1及びロックア
ップ装置7の回転方向駆動側を表しており、矢印R2が
その反対側を表している。
【0015】トルクコンバータ1は、3種の羽根車(イ
ンペラー3、タービン4、ステータ5)からなるトーラ
ス形状の流体作動室6と、ロックアップ装置7とから構
成されている。
【0016】フロントカバー2は、円板状の部材であ
り、エンジン側に配置されている。フロントカバー2の
外周部には、軸方向トランスミッション側に延びる外周
側筒状部8が形成されている。この外周側筒状部8の先
端にインペラー3のインペラーシェル9の外周縁が溶接
によって固定されている。この結果、フロントカバー2
とインペラー3とによって、内部に作動油が充填された
流体室が形成されている。インペラー3は、主に、イン
ペラーシェル9と、その内側に固定された複数のインペ
ラーブレード10とから構成されている。
【0017】タービン4は流体室内でインペラー3に対
して軸方向に対向して配置されている。タービン4は、
主に、タービンシェル11と、そのインペラー側の面に
固定された複数のタービンブレード12と、タービンシ
ェル11の内周縁に固定されたタービンハブ13とから
構成されている。
【0018】タービンハブ13はボスとフランジとから
構成されている。タービンシェル11の内周端は複数の
リベット14によってタービンハブ13のフランジに固
定されている。タービンハブ13のボスの内周面には、
入力シャフトのスプライン歯に係合するスプライン孔2
0が形成されている。これによりタービンハブ13は入
力シャフトと一体回転するようになっている。
【0019】タービンシェル11の外周端付近には、軸
方向エンジン側に延びる複数のトルク伝達用爪34が形
成されている。爪34は、タービンシェル11と一体に
形成され、回転方向に並んで複数形成されている。爪3
4は、軸方向エンジン側に延びる板状に形成されてお
り、主面が半径方向両側を向き、側面が回転方向両側を
向いている。なお、これら爪34は後述のロックアップ
装置7の弾性連結機構40の一部を構成している。
【0020】ステータ5は、タービン4からインペラー
3に戻る作動油の流れを整流するための機構である。ス
テータ5は樹脂やアルミ合金等で鋳造により一体に製作
された部材である。ステータ5はインペラー3の内周部
とタービン4の内周部との間に配置されている。ステー
タ5は、主に、環状のステータシェル17と、シェル1
7の外周面に設けられた複数のステータブレード18と
から構成されている。ステータシェル17はワンウェイ
クラッチ19を介して図示しない筒状の固定シャフトに
支持されている。
【0021】以上に述べた各羽根車3,4,5の各シェ
ル9,11,17によって、流体室内にトーラス形状の
流体作動室6が形成されている。なお、流体室内におい
てフロントカバー2と流体作動室6の間には環状の空間
が確保されている。 (2)ロックアップ装置の構造 ロックアップ装置7は、タービン4とフロントカバー2
との間の空間に配置されており、必要に応じて両者を機
械的に連結するための機構である。ロックアップ装置7
はフロントカバー2とタービン4との軸方向間の空間に
配置されている。ロックアップ装置7は、全体が円板状
になっており、空間を概ね軸方向に分割している。ここ
では、フロントカバー2とロックアップ装置7との間の
空間を第1油圧室Aとし、ロックアップ装置7とタービ
ン4との間の空間を第2油圧室Bとする。第2油圧室B
は、流体作動室6に対して、外周側ではインペラー3出
口及びタービン4入口の隙間と連通している。また、第
2油圧室Bは、第1油圧室Aに対して、外周側では摩擦
フェーシング35がフロントカバー2の摩擦面に密着し
た状態でシールされ、内周側ではピストン22の内周面
とタービンハブ13の外周面との間に配置されたシール
リング44によってシールされている。
【0022】ロックアップ装置7は、主に、ピストン2
2と、ピストン22をタービン4に弾性的に連結するた
めの弾性連結機構40(ダンパー部)とから構成されて
いる。
【0023】ピストン22は、クラッチ連結・遮断を行
うための部材であり、さらには弾性連結機構40におけ
る入力部材として機能する。ピストン22は円形中心孔
が形成された円板形状部材である。ピストン22は、空
間を概ね軸方向に分割するように、空間内の半径全体に
わたって延びている。ピストン22の外周縁には軸方向
トランスミッション側に延びる外周側筒状部24が形成
されている。ピストン22の内周縁には軸方向トランス
ミッション側に延びる内周側筒状部23が形成されてお
り、内周側筒状部23がタービンハブ13の外周面によ
って回転方向及び軸方向に移動可能に支持されている。
なお、タービンハブ13の外周面にはシールリング44
が設けられている。
【0024】ピストン22の外周側には摩擦連結部22
aが形成されている。摩擦連結部22aは、半径方向に
所定の長さを有する環状部分であり、軸方向両面が軸方
向に対して垂直な面となっている平面形状である。摩擦
連結部22aの軸方向エンジン側には環状の摩擦フェー
シング35が張られている。このように、ピストン22
とフロントカバー2の平坦な摩擦面2aとによって、ロ
ックアップ装置7のクラッチが構成されている。
【0025】弾性連結機構40は、ピストン22とター
ビン4との間、さらに詳細にはピストン22の外周部と
タービンシェル11の外周部との間に配置されている。
弾性連結機構40は、ドライブ側部材としてのリティー
ニングプレート26と、それに保持された複数のトーシ
ョンスプリング32とから構成されている。
【0026】リティーニングプレート26は、ピストン
22の外周側筒状部24の内周側に配置された環状かつ
円板状の部材であり、内周端27が複数のリベット39
によってピストン22に固定されている。また、リティ
ーニングプレート26は外周縁に軸方向トランスミッシ
ョン側に延びる筒状の外周側支持部28を有している。
外周側支持部28はピストン22の外周側筒状部24の
内周面に当接している。また、リティーニングプレート
26には、スプリング係止用爪30,31が円周方向に
等間隔で形成されている。各スプリング係止用爪30,
31は、外周側筒状部24の一部を内周側に切り起こし
た部分からなる爪30と、円板状部分を軸方向トランス
ミッション側に切り起こした部分からなる爪31とから
なる。さらに、各スプリング係止用爪30,31の円周
方向間には、外周側筒状部24の半径方向内側において
内周側支持部29が形成されている。内周側支持部29
は円板状部分から軸方向トランスミッション側に切り起
こされた弧状壁である。
【0027】トーションスプリング32は、第1及び第
2トーションスプリング32a,32bからなる複数対
から構成されている。第1及び第2トーションスプリン
グ32a,32bからなる各対は、ピストン22とター
ビン4とを回転方向に弾性的に連結するものであり、各
スプリング係止用爪30,31の回転方向間に配置され
ており、径方向外側は外周側筒状部24に、径方向内側
は内周側支持部29に支持されている。第1トーション
スプリング32aと第2トーションスプリング32bは
中間シート37によって回転方向に直列に連結されてい
る。連結された両トーションスプリング32a,32b
の円周方向両端部には、図2に示すように、スプリング
シート38a,38bが装着されている。両トーション
スプリング32a,32bは、スプリングシート38
a,38bを介して、スプリング係止用爪30,31に
より円周方向の移動を規制されている。
【0028】タービン4の爪34は、軸方向エンジン側
に延び、各スプリング係止用爪30,31の半径方向間
に挿入されている。爪34の側面つまり円周方向両側面
は、スプリング32a,32bの端部、より具体的には
スプリングシート38a,38bに当接している。
【0029】付勢部材36は、図1に示すように、ピス
トン22の内周部と、タービンシェル11の内周端との
軸方向間に配置されている。付勢部材36は1個のウェ
ーブスプリングである。なお、付勢部材36は、ピスト
ン22の摩擦フェーシング35がフロントカバー2に当
接した状態でも軸方向に圧縮されているような寸法に設
定されている。 (3)動作 エンジンからのトルクが入力されると、フロントカバー
2とともにインペラー3が回転し、タービン4に向けて
作動油を流す。このためタービン4が回転し、入力シャ
フトにトルクを出力する。
【0030】ロックアップ連結時には、第1油圧室Aの
作動油は排出され、第2油圧室Bの油圧が第1油圧室A
の油圧より高くなる。この結果、ピストン22が軸方向
エンジン側に移動し、フロントカバー2に連結される。
【0031】ロックアップ連結中には、フロントカバー
2のトルクは、ピストン22からリティーニングプレー
ト26及びトーションスプリング32を介してタービン
4のトルク伝達用爪34に伝達される。さらにトルクは
爪34からタービンシェル11に伝達される。すなわ
ち、フロントカバー2が機械的にタービン4に連結さ
れ、フロントカバー2のトルクがタービン4を介して直
接入力シャフトに出力される。
【0032】以上に述べたロックアップ連結状態におい
て、ロックアップ装置7は、トルクを伝達するとともに
フロントカバー2から入力される捩り振動を吸収・減衰
する。具体的には、フロントカバー2からロックアップ
装置7に捩り振動が入力されると、トーションスプリン
グ32がリティーニングプレート26の爪30,31と
タービン4のトルク伝達用爪34との間で回転方向に圧
縮される。 (4)タービンシェルの製造方法 タービンシェル11の製造方法、特に、シェル本体に複
数のトルク伝達用爪34を一体に形成する方法について
説明する。
【0033】図4を用いて回転成形加工機50について
説明する。なお、以下の説明に用いる各図はシェル11
の製造を模式的に表現している。回転成形加工機50は
保持機構51と第1ローラ52から構成されている。保
持機構51は支持具53と保持具54とから構成されて
おり、鉛直方向に延びる中心軸S1−S1回りに回転可
能である。支持具53は、平坦な円形中心面55と、そ
の回りに形成された環状面56を上面に有している。環
状面56は、縦断面において上方に滑らかに凸となるよ
うに湾曲している。
【0034】保持具54は、支持具53に係合した状態
でブランクB1を軸方向に挟み付け保持する機能を有し
ている。保持具54は、支持具53の上方に配置された
部材であり、平坦な円形中心面57と、その回りの環状
面58を下面に有している。中心面57は支持具53の
中心面55に対応しており、環状面58は支持具53の
環状面56の内周部分に対応している。すなわち、保持
具54の下面は支持具53の上面に対して相補的な形状
を有している。また、保持具54には軸方向にストレー
トに延びる外周面59が形成されている。また、保持具
54は支持具53とともに中心軸S1−S1回りに一体
回転可能である。
【0035】第1ローラ52は、回転工具保持部60
と、その側部に設けられた回転工具61とから構成され
ている。回転工具保持部60は上下方向及び半径方向に
移動可能である。回転工具61は、ブランクB1の外周
縁を軸方向に分割するための部品である。回転工具61
は、回転工具保持部60に対して軸S2−S2を中心に
回転可能であり、鋭くとがった形状である。図4におい
て軸S2−S2は保持機構51の中心軸S1−S1に対
して平行になっている。
【0036】最初に金属板をプレス絞り加工をし、次に
円板を打ち抜くことで、図3に示すブランクB1を製造
する。ブランクB1は、平坦な円形中心部41と、その
回りの滑らかに軸方向に湾曲した中間部42と、その回
りの平坦な外周部43とから構成されている。
【0037】ブランクB1は支持部53上に配置され
る。このときにブランクB1の中心部41は支持部53
の中心面55に当接し、中間部42は支持部53の環状
面56の内周部に当接している。ただし、外周部43は
は支持部53の環状面56の外周部との間に軸方向に隙
間を空けている。次に、保持具54が下降し、支持具5
3との間にブランクB1を挟み付ける。この結果、ブラ
ンクB1は保持機構51に対して半径方向、回転方向及
び軸方向に移動不能に係止される。
【0038】次に、保持機構51は、回転中心軸S1−
S1回りに回転し、ブランクB1をも回転させる。この
状態において第1ローラ52は回転工具61を回転軸S
2−S2回りで回転させながら半径方向内側に移動して
いく。回転工具61がブランクB1の外周面に当接する
と、以後回転工具61はブランクB1の外周部43を軸
方向両側に分割していく(スプリット加工)。この結
果、図5に示すように、外周部43は根元まですなわち
保持具54の外周面59付近まで分割され、下側分割部
68と上側分割部69とになる。
【0039】次に、第2ローラ63が用いられる。第2
ローラ63は、シェル11の外周部分とトルク伝達用爪
34に相当する筒状部分とを同時に形成するための部材
である。第2ローラ63は、回転工具保持部64と、そ
の側部に設けられた回転工具65とから構成されてい
る。回転工具保持部64は上下方向及び半径方向に移動
可能である。回転工具65は、回転工具保持部64に対
して軸S3−S3を中心に回転可能である。図4におい
て軸S3−S3は、保持機構51の中心軸S1−S1に
対して平行になっている。回転工具65は軸方向に一定
の幅を有する部材である。回転工具65は、軸方向にス
トレートに延びる第1外周面66を円柱形状第1部分
と、その下部において下方にいくにしたがって径の小さ
くなる第2外周面67を有する第2部分とから構成され
ている。なお、第2外周面67は断面において滑らかな
凹になっており、支持具53の第2環状面56の外周側
の面に対して相補的形状になっている。
【0040】次に、保持機構51は、回転中心軸S1−
S1回りに回転し、ブランクB1を再び回転させる。第
2ローラ63は、図5の状態から、回転工具65を軸S
3−S3を中心に回転させながら半径方向内側に移動し
ていく。回転工具65の第1外周面66はブランクB1
の上側分割部69を押し上げて変形させていく。また、
回転工具65の第2外周面67はブランクB1の下側分
割部68を押し下げて変形させていく。やがて、回転工
具65の第1外周面66はブランクB1の上側分割部6
9を保持具54の外周面59との間に挟み付ける。する
と、上側分割部69は筒形状になる。また、回転工具6
5の第2外周面67はブランクB1の下側分割部68を
支持具53の環状部56の外周面との間に挟み付ける。
すると、下側分割部68は環状面56に沿って中間部4
2から連続した湾曲形状になる。このようにして、シェ
ルの外周部分とドリブン(筒状部分)とが同時に成形さ
れる。言い換えると、シェル11のシェル本体の湾曲形
状への成形と同工程において、複数の爪34を構成する
筒状部の成形も行われる。この結果、全体の工程数が削
減される。
【0041】次に、図7に示すように、横型プレス70
を用いて、筒状になった上側分割部69の複数箇所を半
径方向に打ち抜く。この結果、ブランクB1の外周部に
軸方向に延びる複数の爪34が形成される。さらに爪3
4には高周波焼き入れがされる。
【0042】以上のタービンシェル11の製造方法で
は、ブランクB1の一部を変形させて複数のトルク伝達
用爪34を形成しているため、以下の利点を有してい
る。 (1)スポット溶接等が廃止され、工程数が削減され
る。 (2)部品の一体化が実現されるため、歩留まりが向上
する。2.第2実施形態(図8〜図9) 本実施形態においても、前記第1実施形態と同様に、タ
ービンシェル11は、シェル本体に一体に形成されたト
ルク伝達用爪34を有している。
【0043】タービンシェル11の製造方法、特に、シ
ェル本体に複数のトルク伝達用爪34を一体に形成する
方法について説明する。図9を用いて回転成形加工機8
0について説明する。回転成形加工機80は保持機構8
1とローラ82から構成されている。保持機構81は支
持具83と保持具84から構成されており、鉛直方向に
延びる中心軸S1−S1回りに回転可能である。支持具
83は、平坦な円形中心面85と、その回りに形成され
た環状面86を上面に有している。環状面86は、半径
方向縦断面において上方に滑らかに凸となるように湾曲
している。
【0044】保持具84は、支持具83に係合した状態
でブランクB2を軸方向に挟み付け保持するための部材
である。保持具84は、支持具83の上方に配置された
部材である。保持具84は、筒形状になっており、上下
方向にストレートに延びる内周面89を有している。保
持具84は支持具83の環状面86の外周縁付近に対応
している。保持具84の下部でかつ半径方向内側の部分
は滑らかに凹んだ凹面88となっている。凹面88は環
状面86の外周部分に対して相補的な形状である。ま
た、保持具84は支持具83とともに中心軸S1−S1
回りに一体回転可能である。
【0045】ローラ82は、ブランクB2の内周部の肉
を外周側に移動させて筒状部を形成するための部品であ
る。ローラ82は、回転工具保持部90と、その下部に
設けられた回転工具91とから構成されている。回転工
具保持部90は上下方向及び半径方向に移動可能であ
る。回転工具91は回転工具保持部90に対して軸S4
−S4を中心に回転可能である。なお、図9において軸
S4−S4は、半径方向に延びているが、軸S1−S1
に直交する平面に対して傾いており、半径方向外側が内
側に比べて上方に位置している。回転工具91は、半径
方向外側を向く第1主面92と、半径方向内側を向く第
2主面93とを有している。第1主面92は第2主面9
3に比べて断面において曲率半径が大きくなる曲面を有
している。第1主面92と第2主面93との境界は比較
的鋭角な刃部となっている。
【0046】最初に、金属板から円板を打ち抜き、次に
プレス絞り加工をすることで、図9に示すブランクB2
を製造する。ブランクB2は、平坦な円形中心部45
と、その回りの滑らかに軸方向に湾曲した湾曲部46と
から構成されている。
【0047】ブランクB2は支持具83上に配置され
る。このときにブランクB2の中心部45は支持具83
の中心面85に当接し、湾曲部46は環状面86に当接
している。次に、保持具84が下降し、支持具83との
間にブランクB2を挟み付ける。この結果、ブランクB
2は保持機構81に対して半径方向、回転方向及び軸方
向に移動不能に係止される。
【0048】次に、保持機構81は回転中心軸S1−S
1回りに回転し、ブランクB2をも回転させる。この状
態においてローラ82は回転工具91を回転軸S4−S
4回りに回転させながら半径方向外側に移動していく。
回転工具91はブランクB2の内周側の上側表面の肉を
削ぎ、外周側に移動させていく。この移動させられた肉
が、回転工具91の第1主面92によって保持具84の
内周面89に押し付けられ、筒状部分47となる。
【0049】次に、前記実施形態と同様に、筒状部分4
7を横型プレスで打ち抜いて爪34を形成し、さらに爪
34に高周波焼き入れする。
【0050】
【発明の効果】本発明に係る流体式トルク伝達装置のタ
ービンシェルの製造方法では、素材の一部を変形させて
複数のトルク伝達用爪を形成しているため、スポット溶
接等が廃止され、工程数が削減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が採用されたトルクコンバ
ータの縦断面概略図。
【図2】ロックアップ装置の部分平面図。
【図3】ブランクの斜視図。
【図4】シェルの製造工程を示す模式図。
【図5】シェルの製造工程を示す模式図。
【図6】シェルの製造工程を示す模式図。
【図7】シェルの製造工程を示す模式図。
【図8】第2実施形態におけるシェルの製造工程を示す
模式図。
【図9】第2実施形態におけるシェルの製造工程を示す
模式図。
【符号の説明】
B1 ブランク 50 回転成形加工機 51 保持機構 52 ローラ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流体式トルク伝達装置のタービンシェルを
    製造する方法であって、 円板状の素材を用意する準備工程と、 前記素材の一部を変形させて複数のトルク伝達用爪を形
    成する爪形成工程と、を備えた流体式トルク伝達装置の
    タービンシェルの製造方法。
  2. 【請求項2】前記爪形成工程は、前記素材の一部を筒状
    部に形成する筒状部形成工程と、前記筒状部の一部を切
    断して複数のトルク伝達用爪を形成する切断工程とを含
    んでいる、請求項1に記載の流体式トルク伝達装置のタ
    ービンシェルの製造方法。
  3. 【請求項3】前記筒状部形成工程は、前記素材を回転さ
    せながら前記一部を移動させる回転成形工程を含んでい
    る、請求項2に記載の流体式トルク伝達装置のタービン
    シェルの製造方法。
  4. 【請求項4】前記回転成形工程は、前記素材の外周面を
    分割して両側に分けていくスプリット加工工程を含む、
    請求項3に記載の流体式トルク伝達装置のタービンシェ
    ルの製造方法。
  5. 【請求項5】前記回転成形工程は、前記素材の内周側の
    材料を外周側で分割させる加工工程を含む、請求項3に
    記載の流体式トルク伝達装置のタービンシェルの製造方
    法。
  6. 【請求項6】シェル本体と、 前記シェル本体の外周側に一体に形成された複数のトル
    ク伝達用爪と、を備えた流体式トルク伝達装置のタービ
    ンシェル。
  7. 【請求項7】請求項6に記載のタービンシェルと、 前記シェル本体に固定された複数のブレードと、を備え
    た流体式トルク伝達装置のタービン。
  8. 【請求項8】内部に作動油が充填された流体室を構成す
    るフロントカバー及びインペラーと、 請求項7に記載のタービンと、 前記フロントカバーと前記タービンとの間でトルク伝達
    を行うためのクラッチと、前記タービンシェルの前記ト
    ルク伝達用爪に係合可能なトーションスプリングを有す
    るダンパー部とを含むロックアップ装置と、を備えた流
    体式トルク伝達装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015514588A (ja) * 2012-04-20 2015-05-21 ライフェルト メタル スピニング アーゲーLeifeld Metalspinning Ag ワークピースを再成形するための方法およびデバイス

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015514588A (ja) * 2012-04-20 2015-05-21 ライフェルト メタル スピニング アーゲーLeifeld Metalspinning Ag ワークピースを再成形するための方法およびデバイス
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