JP2002120764A - 自動車の前部車体構造 - Google Patents

自動車の前部車体構造

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JP2002120764A
JP2002120764A JP2000314740A JP2000314740A JP2002120764A JP 2002120764 A JP2002120764 A JP 2002120764A JP 2000314740 A JP2000314740 A JP 2000314740A JP 2000314740 A JP2000314740 A JP 2000314740A JP 2002120764 A JP2002120764 A JP 2002120764A
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energy absorbing
power train
engine
vehicle
collision
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JP2000314740A
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Takayuki Sunakawa
孝之 砂川
Hiroko Fujii
裕子 藤井
Akiko Nakamoto
晶子 中本
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】左右一対のフロントサイドフレーム間に支持さ
れたエンジンまたはパワートレーンの前方部において車
両前後方向に配設されたエネルギ吸収部材を設けること
で、車両の正面衝突時にエネルギ吸収部材に入力された
荷重入力をエンジンまたはパワートレーンに伝達するこ
とができ、これにより正突時に衝突初期のエネルギ吸収
荷重を高め、乗員に付勢される荷重値を低減することが
でき、また衝突エネルギをエンジンまたはパワートレー
ンで受けるので、フロントサイドフレームの曲がりを少
なくすることができる自動車の前部車体構造の提供を目
的とする。 【解決手段】左右一対のフロントサイドフレーム11,
11を備えた自動車の前部車体構造であって、上記各フ
ロントサイドフレーム11,11の間の位置において支
持されるエンジン26またはパワートレーン25と、上
記エンジン26またはパワートレーン25の前方部にお
いて車体前後方向に配設されたエネルギ吸収部材40,
40とを備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、左右一対のフロ
ントサイドフレームを備えた自動車の前部車体構造に関
し、特に正面衝突時に乗員に作用する減速度を低減する
ことができる自動車の前部車体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上述例の自動車の前部車体構造と
しては、例えば特開2000−53022号公報に記載
のものがある。すなわち、図10、図11に示すように
車体前部において前後方向に延びる左右一対のフロント
サイドフレーム91,91を設け、これら両フロントサ
イドフレーム91,91の外部には斜め前方外部に延び
る副ビーム92,92(斜め方向ビーム)を取付け、ノー
マル時(非衝突時)においてはバンパレインフォースメン
ト93と副ビーム92,92前端との間に間隔94,9
4を形成したものである。
【0003】そして、この従来構造によれば、車両の正
面衝突時に衝突荷重をバンパレインフォースメント93
を介してフロントサイドフレーム91,91に伝達し、
衝突初期においてはフロントサイドフレーム91,91
の前部(バンパレインフォースメント93に対する結合
部近傍)が圧壊する比較的変形荷重の大きい変形が開始
され、車体減速度が急峻に立上がる。
【0004】このフロントサイドフレーム91,91の
圧縮変形により上記間隔94,94がなくなり、バンパ
レインフォースメント93からの入力荷重は斜め方向に
延びる副ビーム92,92に伝達されるので、フロント
サイドフレーム91,91は該副ビーム92,92から
の側方荷重を受けて図11に示すように車幅方向内方へ
折り曲がり変形し、車体減速度が減少する。
【0005】そこで、上述車体減速度が急速に低下する
領域でシートベルトの伸びがピークに達するように設定
することで、乗員減速度を大幅に低減すべく構成したも
のである。
【0006】しかし、この従来構造において左右一対の
フロントサイドフレーム91,91の間にエンジンまた
はパワートレーンを横置き支持させた場合、図11に実
線で示すようなフロントサイドフレーム91,91の屈
曲がエンジンまたはパワートレーンで阻害される問題点
があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、左右一対
のフロントサイドフレーム間に支持されたエンジンまた
はパワートレーンの前方部において車両前後方向に配設
されたエネルギ吸収部材を設けることで、車両の正面衝
突時にエネルギ吸収部材に入力された荷重入力をエンジ
ンまたはパワートレーンに伝達することができ、これに
より正突時に衝突初期のエネルギ吸収荷重を高め、乗員
に付勢される荷重値を低減することができ、また衝突エ
ネルギをエンジンまたはパワートレーンで受けるので、
フロントサイドフレームの曲がりを少なくすることがで
きる自動車の前部車体構造の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明による自動車の
前部車体構造は、左右一対のフロントサイドフレームを
備えた自動車の前部車体構造であって、上記各フロント
サイドフレームの間の位置において支持されるエンジン
またはパワートレーンと、上記エンジンまたはパワート
レーンの前方部において車両前後方向に配設されたエネ
ルギ吸収部材とを備えたものである。上記構成のエネル
ギ吸収部材はフレーム部材に設定することができる。
【0009】上記構成によれば、車両の正面衝突時に上
述のエネルギ吸収部材に入力された荷重入力をエンジン
またはパワートレーンに伝達することができる。このた
め正突時に衝突初期のエネルギ吸収荷重(つぶれ初期の
減速度)を高めて、乗員に付勢される荷重値を低減する
ことができる。また衝突エネルギをエンジンまたはパワ
ートレーンで受けるので、フロントサイドフレームの曲
がりを少なくすることができる。
【0010】この発明の一実施態様においては、上記エ
ネルギ吸収部材の前端はバンパレインフォースメントの
前端と略対応する位置に設定されたものである。上記構
成によれば、エネルギ吸収部材の前端をバンパレインフ
ォースメント前端と略同位置まで延設したので、衝突時
のエネルギ吸収荷重を衝突初期から立ち上げることがで
き、つぶれ初期の減速度をより一層良好に高めることが
できる。
【0011】この発明の一実施態様においては、上記エ
ネルギ吸収部材の後端とエンジンまたはパワートレーン
との間には、該エンジンまたはパワートレーンの振動を
許容する間隙が設けられたものである。
【0012】上記構成によれば、上述の間隙によりエン
ジンまたはパワートレーンの振動が許容されるので、エ
ネルギ吸収部材はエンジンまたはパワートレーンの振動
を受けない。しかも、車両衝突時にはエネルギ吸収部材
の後退により上記間隙がなくなって、入力荷重をエンジ
ンまたはパワートレーンに確実に伝達することができ
る。
【0013】この発明の一実施態様においては、上記エ
ネルギ吸収部材はその前端をバンパレインフォースメン
トに取付けると共に、エネルギ吸収部材の中間部をペリ
メータフレームに前後方向に移動可能に支持させたもの
である。
【0014】上記構成によれば、エネルギ吸収部材の前
端はバンパレインフォースメントに、または中間部はペ
リメータフレームにそれぞれ支持されるので、このエネ
ルギ吸収部材の支持が確実となり、衝突時には該エネル
ギ吸収部材の前後方向への移動(つまり後退動)によりエ
ンジンまたはパワートレーンに衝突荷重を確実に伝達す
ることができる。
【0015】この発明の一実施態様においては、上記エ
ネルギ吸収部材を設け、これら複数のエネルギ吸収部材
はエンジンまたはパワートレーンの少なくとも前方左部
と前方右部との両部から互に平行に前方へ延出されたも
のである。
【0016】上記構成によれば、正面衝突時の荷重入力
を平行かつ複数のエネルギ吸収部材によりエンジンまた
はパワートレーンに伝達して、初期荷重をさらに確実に
立ち上げることができる。
【0017】
【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図面は自動車の前部車体構造を示し、図1〜図
4において車両の前後方向に延びる左右一対の鋼板製の
フロントサイドフレーム11,11を設け、これら各フ
ロントサイドフレーム11,11の後部にはフロアフレ
ーム部12,12を一体的に形成している。
【0018】上述のフロントサイドフレーム11,11
の前端部には接合フランジ部13,13を設ける一方、
後端部に接合フランジ部14,14が形成された連結部
材15,15を設けて、フロントサイドフレーム11前
端の接合フランジ部13と連結部材15後端の接合フラ
ンジ部14とを連結固定することで、フロントサイドフ
レーム11,11の前端に上述の連結部材15,15を
取付けている。
【0019】また左右一対の連結部材15,15相互間
には車幅方向に延びるバンパレインフォースメント16
を張架している。
【0020】ここで、上述のバンパレインフォースメン
ト16およびフロントサイドフレーム11は何れも閉断
面構造を有する強度部材であり、また上述の連結部材1
5はクラッシュカン等の衝撃吸収部材で構成することが
できる。
【0021】上述のフロントサイドフレーム11の後部
上方には図3に示すように、車幅方向に延びるダッシュ
ロアパネル17が設けられ、このダッシュロアパネル1
7よりも前部がエンジンルーム18に設定され、ダッシ
ュロアパネル17よりも後部が車室19に設定されてい
る。
【0022】一方、図1においてダッシュロアパネル1
7の下部位置と対応するようにフロントサイドフレーム
11,11間には車幅方向に延びるダッシュロアレイン
フォースメント20が設けられている。
【0023】またフロアフレーム部12,12の車外側
には該フロアフレーム部12,12と略平行になるよう
にサイドシル21,21が設けられ、これらサイドシル
21の前端部とダッシュロアレインフォースメント20
の両端と対応するフロントサイドフレーム11外面との
間には、車体のねじれを防止する部材としてのトルクボ
ックス22が張架されている。
【0024】ところで、上述のエンジンルーム18内に
おいて左右一対のフロントサイドフレーム11,11に
は複数のマウント部23,24を介してパワートレーン
25が支持されている。
【0025】このパワートレーン25はエンジン26と
ミッション部27とを備えて、上述のフロントサイドフ
レーム11,11の間の位置において横置きに支持され
ている。ここで上記複数のマウント部23,24のうち
のエンジン26側のマウント部23は、エンジン26側
のブラケット23aと、右側のフロントサイドフレーム
11に設けられたブラケット23b,23bと、マウン
トラバー部材23cとを備えている。
【0026】またミッション部27側のマウント部24
は、ミッション部27側のブラケット24aと、左側の
フロントサイドフレーム11に設けられたブラケット2
4b,24bと、マウントラバー24c,24cとを備
えている。
【0027】一方、上述のフロントサイドフレーム11
の下部にはエンジン26を含むパワートレーン25およ
びフロントサスペンションを支持する鋼板製のペリメー
タフレーム30(perimeter frame、枠型フレーム)が設
けられている。
【0028】このペリメータフレーム30は図5に示す
ように、フロントサイドフレーム11,11の前部間に
おいて車幅方向に延びる前側部材31と、ダッシュロア
パネル17の近傍位置においてフロントサイドフレーム
11,11間に車幅方向に延びる後側部材32と、右側
のフロントサイドフレーム11の下方において車両の略
前後方向に延びる右側部材33と、左側のフロントサイ
ドフレーム11の下方において車両の略前後方向に延び
る左側部材34とを、略井桁状に一体形成した枠型フレ
ームである。
【0029】ここで、上述のペリメータフレーム30に
おける右側部材33および左側部材34の前部には上方
へ隆起するブラケット35,35を介してマウント部3
6,36が設けられ、上記両部材33,34の後部には
マウント部37,37が設けられ、前側のマウント部3
6,36はその上下方向に対向するフロントサイドフレ
ーム11,11の下部に取付けられ、後側のマウント部
37,37は車体側のダッシュロアレインフォースメン
ト20に取付けられている。
【0030】なお、上述の後側のマウント部37,37
を車体側のトルクボックス22,22に取付けるべく、
ペリメータフレーム30の平面視形状を変更してもよい
ことは勿論である。
【0031】上述のパワートレーン25においてエンジ
ン26の前方部と、ミッション部27の前方部とにし荷
重受け部26a,27aを一体的に設け、これら両荷重
受け部25a,27aから車両前後方向の前方へ延びる
エネルギ吸収部材40,40を設けている。
【0032】上述の各エネルギ吸収部材40,40は、
つぶれ初期荷重の向上を図るべくフレーム部材によって
構成され、これらの両エネルギ吸収部材40,40はパ
ワートレーン25の前方左部と前方右部との両部から互
に平行に前方へ延設されている。
【0033】また上述のエネルギ吸収部材40の前端は
バンパレインフォースメント16の前端と上下方向で略
対応する位置まで前方へ延設されていて、これら両エネ
ルギ吸収部材40の前端はブラケット41を用いてバン
パレインフォースメント16の前端に取付けられてい
る。
【0034】さらに上述の各エネルギ吸収部材40,4
0の長手方向中間部の下面はペリメーフレーム30にお
ける前側部材31の上面に前後方向に移動可能(後退動
可能)に支持されている。つまり上記複数のエネルギ吸
収部材40,40の中間部下面はペリメータフレーム3
0を構成する前側部材31の上面に後退動可能に上戴さ
れている。
【0035】しかも、図6に要部を拡大して示すよう
に、上述の各エネルギ吸収部材40,40の後端とパワ
ートレーン25におけるエンジン26前方部の荷重受け
部26aとの間、並びにミッション部27前方部の荷重
受け部27aとの間には、パワートレーン25の振動を
許容するための間隙42,42が設けられており、通常
時(非衝突時)においては、これら各荷重受け部26a、
27aの前面とエネルギ吸収部材40,40の後端とが
離反し、車両衝突時にあってはエネルギ吸収部材40,
40の後端が荷重受け部26a,27a前面の凸部26
b,27bに嵌まり込んで該エネルギ吸収部材40,4
0の後端が左右方向に位置ずれしないように構成してい
る。
【0036】このように構成した自動車の前部車体構造
の作用を以下に説明する。通常時(車両の非衝突時)にお
いてはパワートレーン25とエネルギ吸収部材40,4
0との間には上述の間隙42,42(図6参照)が存在す
るので、エンジン駆動によりパワートレーン25が振動
しても両者40,26a間および両者40,27a間の
接触が防止され、異音発生およびノイズの発生を阻止す
ることができると共に、エンジン26の慣性モーメント
が大きくなることをも防止することができる。
【0037】一方、車両が正面衝突すると、衝突時の荷
重は図1に矢印aで示すようにバンパレインフォースメ
ント16および連結部材15を介してフロントサイドフ
レーム11に伝達されると共に、バンパレインフォース
メント16およびブラケット41を介してエネルギ吸収
部材40,40にも伝達される(図1の矢印b参照)。
【0038】このエネルギ吸収部材40,40に衝突荷
重が入力されると、これらエネルギ吸収部材40,40
はペリメータフレーム30の前側部材31で前後方向に
移動可能に支持されているので、これらのエネルギ吸収
部材40,40が後退動して間隙42,42がなくなっ
た後に、衝突荷重をパワートレーン25に伝達する。な
お、パワートレーン25が受けた衝突荷重は図1に矢印
cで示すようにマウント部23,24からフロントサイ
ズフレーム11,11に伝達される。
【0039】また、上述の間隙42,42がなくなる時
点においては、エネルギ吸収部材40,40の後端側は
荷重受け部26a,27a前面の凸部26b,27bに
嵌まり込むので、左右のエネルギ吸収部材40,40の
後端側が車幅方向に位置ずれを起こすことなく、衝突荷
重をパワートレーン25に確実に伝達することができ
る。
【0040】このように、車両の正面衝突時に複数のエ
ネルギ吸収部材40,40に入力された衝突荷重をパワ
ートレーン25に伝達するので、正突時において衝突初
期のエネルギ吸収荷重(つぶれ初期の減速度)を高めるこ
とができる。
【0041】図7はエネルギ吸収部材40,40を有す
るこの実施例の特性dと、エネルギ吸収部材40,40
を有さない比較例の特性eとを対比して示す特性図で、
横軸に車体つぶれ量をとり、縦軸に車体の減速度いわゆ
る車体Gをとっている。
【0042】図7の特性図からも明かなように、この実
施例の特性dは衝突荷重を左右一対のフロントサイドフ
レーム11,11に加えて、エネルギ吸収部材40,4
0を介してパワートレーン25で受け、衝突初期の耐力
が大幅に向上するので、衝突初期のエネルギ吸収荷重
(つぶれ初期の減速度)を大幅に増大させることができ、
この結果、乗員に付勢される荷重値を大幅に低減するこ
とができる。
【0043】このように図1〜図7で示した実施例の自
動車の前部車体構造は、左右一対のフロントサイドフレ
ーム11,11を備えた自動車の前部車体構造であっ
て、上記各フロントサイドフレーム11,11の間の位
置において支持されるパワートレーン25と、上記パワ
ートレーン25の前方部において車体前後方向に配設さ
れたエネルギ吸収部材40,40とを備えたものであ
る。上記構成によれば、車両の正面衝突時に上述のエネ
ルギ吸収部材40,40に入力された荷重入力をパワー
トレーン25に伝達することができる。
【0044】このため正突時に衝突初期のエネルギ吸収
荷重(つぶれ初期の減速度)を図7に実線の特性dで示す
ように高めて、乗員に付勢される荷重値を低減すること
ができる。また衝突エネルギをパワートレーン25で受
けるので、フロントサイドフレーム11,11の曲がり
を少なくすることができる。
【0045】しかも、上記エネルギ吸収部材40,40
の前端はバンパレインフォースメント16(車幅方向に
延びる強度部材)の前端と略対応する位置に設定された
ものである。この構成によれば、エネルギ吸収部材4
0,40の前端をバンパレインフォースメント16前端
と略同位置まで延設したので、衝突時のエネルギ吸収荷
重を衝突初期から立ち上げることができ、つぶれ初期の
減速度をより一層良好に高めることができる。
【0046】さらに、上記エネルギ吸収部材40,40
の後端とパワートレーン25との間には、パワートレー
ン25の振動を許容する間隙42(図6参照)が設けられ
たものである。
【0047】この構成によれば、上述の間隙42により
パワートレーン25の振動が許容されるので、エネルギ
吸収部材40,40はパワートレーン25の振動を受け
ない。しかも、車両衝突時にはエネルギ吸収部材40,
40の後退により上記間隙42がなくなって、入力荷重
をパワートレーン25に確実に伝達することができる。
さらには通常時においてエネルギ吸収部材40にはエン
ジン振動が伝達されていないので、該エネルギ吸収部材
40が振動することはなく、エンジンルーム18にエネ
ルギ吸収部材40を設ける際に、エネルギ吸収部材40
の振動を考慮する必要がなく、エンジンルーム18のス
ペースを阻害しない。
【0048】また、上記エネルギ吸収部材40,40は
その前端をバンパレインフォースメント16に取付ける
と共に、エネルギ吸収部材40,40の中間部をペリメ
ータフレーム30(特に前側部材31参照)に前後方向に
移動可能に支持させたものである。
【0049】この構成によれば、エネルギ吸収部材4
0,40の前端はバンパレインフォースメント16に、
または中間部はペリメータフレーム30にそれぞれ支持
されるので、このエネルギ吸収部材40,40の支持が
確実となり、衝突時には該エネルギ吸収部材40,40
の前後方向への移動(つまり後退動)によりパワートレー
ン25に衝突荷重を確実に伝達することができる。
【0050】加えて、上記エネルギ吸収部材40,40
を設け、これら複数のエネルギ吸収部材40,40はパ
ワートレーン25の少なくとも前方左部と前方右部との
両部から互に平行に前方へ延出されたものである。
【0051】この構成によれば、正面衝突時の荷重入力
を平行かつ複数のエネルギ吸収部材40,40によりパ
ワートレーン25に伝達して、初期荷重をさらに確実に
立ち上げることができる。
【0052】図8、図9は自動車の前部車体構造の他の
実施例を示し、先の実施例においてはエネルギ吸収部材
40として角筒形状のフレーム部材を用いたが、この図
8、図9に示す実施例では、エネルギ吸収部材40とし
て円筒形状のフレーム部材を用いて、衝突初期の耐力を
向上すべく構成したものである。
【0053】このように構成しても、先の実施例とほぼ
同様の作用、効果を奏するので、図8、図9において前
図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明
を省略する。なお、上記各実施例においては、エネルギ
吸収部材40,40を車幅方向に離間させて合計2個設
けたが、2以上の複数のエネルギ吸収部材を設けてもよ
い。
【0054】
【発明の効果】この発明によれば、左右一対のフロント
サイドフレーム間に支持されたエンジンまたはパワート
レーンの前方部において車両前後方向に配設されたエネ
ルギ吸収部材を設けたので、車両の正面衝突時にエネル
ギ吸収部材に入力された荷重入力をエンジンまたはパワ
ートレーンに伝達することができ、これにより正突時に
衝突初期の耐力および衝突初期のエネルギ吸収荷重を高
め、乗員に付勢される荷重値を低減することができ、ま
た衝突エネルギをエンジンまたはパワートレーンで受け
るので、フロントサイドフレームの曲がりを少なくする
ことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の自動車の前部車体構造を示す平面
図。
【図2】 図1の要部の斜視図。
【図3】 同側面図。
【図4】 自動車の前部車体構造を斜め下方から見た状
態で示す斜視図。
【図5】 ペリメータフレームの斜視図。
【図6】 図1の要部拡大図。
【図7】 車体つぶれ量に対する車体減速度の変化を示
す特性図。
【図8】 本発明の自動車の前部車体構造の他の実施例
を示す斜視図。
【図9】 図8の前部車体構造を斜め下方から見た状態
を示す斜視図。
【図10】 従来の自動車の前部車体構造を示す平面
図。
【図11】 従来構造の衝撃時の状態を示す平面図。
【符号の説明】 11…フロントサイドフレーム 16…バンパレインフォースメント 25…パワートレーン 26…エンジン 30…ペリメータフレーム 40…エネルギ吸収部材 42…間隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中本 晶子 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 3D003 AA05 BB01 CA09 DA03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】左右一対のフロントサイドフレームを備え
    た自動車の前部車体構造であって、上記各フロントサイ
    ドフレームの間の位置において支持されるエンジンまた
    はパワートレーンと、上記エンジンまたはパワートレー
    ンの前方部において車体前後方向に配設されたエネルギ
    吸収部材とを備えた自動車の前部車体構造。
  2. 【請求項2】上記エネルギ吸収部材の前端はバンパレイ
    ンフォースメントの前端と略対応する位置に設定された
    請求項1記載の自動車の前部車体構造。
  3. 【請求項3】上記エネルギ吸収部材の後端とエンジンま
    たはパワートレーンとの間には、該エンジンまたはパワ
    ートレーンの振動を許容する間隙が設けられた請求項1
    または2記載の自動車の前部車体構造。
  4. 【請求項4】上記エネルギ吸収部材はその前端をバンパ
    レインフォースメントに取付けると共に、エネルギ吸収
    部材の中間部をペリメータフレームに前後方向に移動可
    能に支持させた請求項3記載の自動車の前部車体構造。
  5. 【請求項5】上記エネルギ吸収部材を設け、これら複数
    のエネルギ吸収部材はエンジンまたはパワートレーンの
    少なくとも前方左部と前方右部との両部から互に平行に
    前方へ延出された請求項1,2,3または4記載の自動
    車の前部車体構造。
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