JP2002120748A - 特殊車両用ステアリングアクスル - Google Patents

特殊車両用ステアリングアクスル

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JP2002120748A
JP2002120748A JP2000313625A JP2000313625A JP2002120748A JP 2002120748 A JP2002120748 A JP 2002120748A JP 2000313625 A JP2000313625 A JP 2000313625A JP 2000313625 A JP2000313625 A JP 2000313625A JP 2002120748 A JP2002120748 A JP 2002120748A
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Japan
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knuckle
steering
steering housing
special vehicle
steering axle
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JP2000313625A
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Tatsuro Sakahara
辰郎 坂原
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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  • Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)
  • Forklifts And Lifting Vehicles (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベアリングの耐久性の向上が図られる特殊車
両用ステアリングアクスルを提供することを目的とす
る。 【解決手段】 ステアリングハウジング1の下サポート
板20Dとナックル3の下部との間、ステアリングハウ
ジング1の上サポート板20Uとナックル3の上部との
間、ステアリングハウジング1の上サポート板20Uの
上面とキングピン2の上端との間のうち、少なくとも1
箇所には、シール部材41、42、43が設けられてい
る。この結果、シール部材41、42、43のシール作
用により、前記3箇所のうち少なくとも1箇所の間を塞
いで確実に密封することができる。これにより、ゴミや
土砂などが前記3箇所に侵入するのを確実に防ぐことが
でき、かつ、グリースが前記3箇所のうち少なくとも1
箇所から漏れるのを少なくすることができる。したがっ
て、上下ニードルローラベアリング16U、16Dおよ
びスラストボールベアリング17の寿命が延びる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、たとえば、フォ
ークリフト、農業用トラクタ、建設機械用のステアリン
グ部(グレーダフロント側等)などの特殊車両用のステ
アリングアクスルに係るものである。特に、この発明
は、高価なテーパーローラベアリング機構を使用せず
に、安価なベアリングを使用した特殊車両用ステアリン
グアクスルであって、ベアリングの耐久性の向上が図ら
れる特殊車両用ステアリングアクスルに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】以下、特殊車両用ステアリングアクスル
の一般例について、図6を参照して説明する。この例
は、フォークリフトのリア側のステアリングアクスルに
ついて説明する。
【0003】図6において、1はフォークリフト用ステ
アリングアクスルのステアリングハウジングである。こ
のステアリングハウジング1の両端(図6においては一
端側を図示)にはキングピン2が取り付けられている。
このキングピン2には、ナックル3が取り付けられてい
る。また、キングピン2の周囲には、ベアリング(図示
せず)が設けられている。一方、ナックル3には、軸部
30がキングピン2(垂直軸)に対してほぼ直交する軸
(水平軸)方向に一体に設けられている。その軸部30
には、ベアリングなど(図示せず)を介してタイヤ4が
回転可能に取り付けられている。前記ステアリングハウ
ジング1と前記ナックル3との間には、ナックルアーム
5(前記ナックル3と一体)およびリンク6を介してハ
イドロリックシリンダ7が装備されている。
【0004】つぎに、ステアリングアクスルの作動につ
いて説明する。まず、ハイドロリックシリンダ7を駆動
させる。すなわち、ハイドロリックシリンダ7のピスト
ンロッド8を一点鎖線矢印方向に短縮させたり、あるい
は、二点鎖線矢印方向に伸長させたりする。すると、リ
ンク6およびナックルアーム5を介してナックル3およ
びタイヤ4が、ステアリングハウジング1に対してキン
グピン2を中心に、一点鎖線矢印方向(時計方向)に、
あるいは、二点鎖線矢印方向(反時計方向)に、それぞ
れ回動する。
【0005】また、前記ハイドロリックシリンダ7のピ
ストンロッド8を元の状態に戻すと、タイヤ4などが一
点鎖線の状態から実線矢印方向(反時計方向)に、ある
いは、二点鎖線の状態から実線矢印方向(時計方向)
に、それぞれ回動して元の状態に戻る。
【0006】なお、図6においては、ステアリングアク
スルの一端しか図示していないが、他端も同様に、ステ
アリングハウジング1、キングピン2、ナックル3、ベ
アリング、タイヤ4、ナックルアーム5、リンク6、ハ
イドロリックシリンダ7のピストンロッド8を備える。
前記左右のタイヤ4は、それぞれ同期して左右に回動す
る。また、図6において、紙面上方は、車両の前方を示
す。
【0007】そして、前記ステアリングアクスルにおい
ては、キングピン2の周囲に設けられたベアリングの耐
久性が重要事項である。そこで、従来、前記ステアリン
グアクスルにおいては、図7に示すテーパーローラベア
リング機構が使用されている。
【0008】以下、テーパーローラベアリング機構を図
7を参照して説明する。なお、図7中において、図6と
同符号は、同一のものを示す。
【0009】キングピン2の上下両端部とナックル3の
上下両部との間には、テーパーローラベアリング9がそ
れぞれ設けられている。また、前記キングピン2の上下
両端部とナックル3の上下両部とステアリングハウジン
グ1の上下両部との間には、オイルシール10がそれぞ
れ設けられている。
【0010】さらに、キングピン2の上端とステアリン
グハウジング1の上部との間には、キャップ11が固定
されている。一方、キングピン2の下端とステアリング
ハウジング1の下部とは、固定板(サポート板)12お
よびボルト13およびシム14を介して固定されてい
る。
【0011】前記キングピン2と、前記ナックル3と、
前記ステアリングハウジング1との間には、潤滑油、た
とえば、グリース(図示せず)が充填密閉されている。
なお、図7において、符号15はOリングである。
【0012】前記テーパーローラベアリング機構におい
ては、確実なシール性が得られるので、耐久性が長いも
のである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが、確実なシー
ル性がある前記テーパーローラベアリング機構は、高価
である。そこで、安価なベアリングを使用したステアリ
ングアクスルが従来からある。以下、安価なベアリング
を使用したステアリングアクスルを図8を参照して説明
する。なお、図8中において、図6および図7と同符号
は、同一のものを示す。
【0014】すなわち、ステアリングハウジング1の上
部および下部とキングピン2の上端部および下端部との
間には、上下のニードルローラベアリング16U、16
Dがそれぞれ設けられている。また、キングピン2の上
端部の周囲であって、ステアリングハウジング1の上部
とナックル3の上部との間には、スラストボールベアリ
ング17が設けられている。さらに、キングピン2の下
端部の周囲であって、ステアリングハウジング1の下部
とナックル3の下部との間には、ワッシャ18(図8中
下側)および隙間調整用のシム19(図8中上側)が設
けられている。
【0015】図8に示すベアリングのコストは、図7に
示すテーパーローラベアリング機構のコストと比較し
て、安価である。たとえば、この例のフォークリフト用
ステアリングアクスルのコストを約10%前後低減する
ことができる。
【0016】しかしながら、図8に示すステアリングア
クスルにおいては、上下ニードルローラベアリング16
U、16D、スラストボールベアリング17の耐久性に
課題がある。
【0017】この発明は、高価なテーパーローラベアリ
ング機構を使用せずに、安価なベアリングを使用した特
殊車両用ステアリングアクスルであって、ベアリングの
耐久性の向上が図られる特殊車両用ステアリングアクス
ルを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1にかかる発明は、ステアリングハウジン
グの下部とナックルの下部との間、ステアリングハウジ
ングの上部とナックルの上部との間、ステアリングハウ
ジングの上面とキングピンの上端との間のうち、少なく
とも1箇所には、シール部材が設けられている、ことを
特徴とする。
【0019】この結果、請求項1にかかる発明は、シー
ル部材の作用により、ゴミや土砂などが前記3箇所のう
ちの少なくとも1箇所に侵入するのを確実に防ぐことが
でき、かつ、グリースが前記3箇所のうちの少なくとも
1箇所から漏れるのを少なくすることができる。これに
より、高価なテーパーローラベアリング機構を使用する
ことなく、安価なベアリングを使用することでベアリン
グの耐久性が向上される。
【0020】請求項2にかかる発明は、ステアリングハ
ウジングの下部とナックルの下部との間、およびまた
は、ステアリングハウジングの上部とナックルの上部と
の間に設けられるシール部材が、蛇腹形状および環状形
状のゴム製のブーツからなる、ことを特徴とする。
【0021】この結果、請求項2にかかる発明は、シー
ル部材がゴム製のブーツであるから、このブーツの弾性
力により、ブーツの両端がステアリングハウジングの下
部とナックルの下部との間、およびまたは、ステアリン
グハウジングの上部とナックルの上部との間に弾性当接
していて、保持されるものである。このために、ブーツ
の両端を固定する加工(たとえば、スナップリング溝の
加工)や器具(たとえば、バンドのような止め器具)な
どが不要となり、その分、コスト低減化が図られる。
【0022】請求項3にかかる発明は、ステアリングハ
ウジングの下部とナックルの下部との間、およびまた
は、ステアリングハウジングの上部とナックルの上部と
の間に設けられるシール部材が、本体部とリップ部とを
備えた環状形状のゴム製のダストシールからなる、こと
を特徴とする。
【0023】この結果、請求項3にかかる発明は、ダス
トシールの本体部とリップ部とがステアリングハウジン
グの下部とナックルの下部との間、およびまたは、ステ
アリングハウジングの上部とナックルの上部との間に弾
性当接していて、保持されるものである。この請求項3
にかかるダストシールは、請求項2にかかるブーツより
も、構造が簡単であるから、さらに安価となる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかる特殊車両
用ステアリングアクスルの実施の形態を2例の図1〜図
5を参照して説明する。なお、この実施形態によりこの
特殊車両用ステアリングアクスルが限定されるものでは
ない。
【0025】(実施の形態1)図1および図2は、この
発明にかかる特殊車両用ステアリングアクスルの実施の
形態1を示す。図中、図6〜図8と同符号は同一のもの
を示す。
【0026】ステアリングハウジング1の左右両端部の
上下には、上下のサポート板20U、20Dがそれぞれ
溶接など(図示せず)により固定されている。この上下
のサポート板20U、20Dと、キングピン2の上端部
および下端部との間には、上下のニードルローラベアリ
ング16U、16Dがそれぞれ設けられている。これに
より、前記キングピン2は、ステアリングハウジング1
の上下サポート板20U、20Dに回動可能に取り付け
られることとなる。
【0027】なお、前記上ニードルローラベアリング1
6Uの上側と、前記下ニードルローラベアリング16D
の上下両側とには、シール部材21がそれぞれ設けられ
ている。
【0028】前記キングピン2の上下両端面には、上下
の給脂ニップル22U、22Dがそれぞれ取り付けられ
ている。また、前記キングピン2の上下両端部には、前
記給脂ニップル22U、22Dと、前記ニードルローラ
ベアリング16U、16Dとの間を連通する給脂路23
U、23Dがそれぞれ設けられている。これにより、グ
リースが給脂ニップル22U、22Dから給脂路23
U、23Dを経てニードルローラベアリング16U、1
6Dに所定の圧力(たとえば、100kg)で給脂充填
される。
【0029】前記キングピン2は、ナックル3の貫通孔
24(ナックル3の軸部30とほぼ直交する)中に貫通
されている。このキングピン2とナックル3とは、ボル
トナット25により固定されている。これにより、キン
グピン2とナックル3とは、ステアリングハウジング1
(上下サポート板20U、20D)に対して、キングピ
ン2の軸回りに回動することとなる。
【0030】前記キングピン2の上端部の周囲であっ
て、ステアリングハウジング1の上サポート板20Uと
ナックル3の上部との間には、スラストボールベアリン
グ17が配置されている。
【0031】なお、前記ナックル3の軸部30には、シ
ール31、リテーナ32、ベアリング33、リム34、
ナット35、ワッシャ36、キャップ37を介してタイ
ヤ4が取り付けられている。このタイヤ4は、ソリッド
タイプであって、前記リム34(ハブ)と、鉄環39
と、ゴム40とから構成されている。タイヤとしては、
前記ソリッドタイプ以外に、空気入りタイプのタイヤで
あっても良い。
【0032】そして、ステアリングハウジング1の下サ
ポート板20Dとナックル3の下部との間、ステアリン
グハウジング1の上サポート板20Uとナックル3の上
部との間、ステアリングハウジング1の上サポート板2
0Uの上面とキングピン2の上端との間には、環状形状
のシール部材41、42がそれぞれ設けられている。
【0033】前記一方のシール部材41は、たとえば、
ゴム製のブーツ(蛇腹)である。このブーツ41は、ブ
ーツ41の弾性力により、ブーツ41の両端がステアリ
ングハウジング1の上下サポート板20U、20Dとナ
ックル3の上下両部とにそれぞれ弾性当接していて、保
持されるものである。このために、ブーツ41の両端を
固定する加工(たとえば、スナップリング溝の加工)や
器具(たとえば、バンドのような止め器具)などが不要
となり、その分、コスト低減化が図られる。なお、この
ブーツ41の両端のうち、上下サポート板20U、20
Dおよびナックル3の上下両部に弾性当接する部分に、
複数の環状小凹凸条を設けても良い。
【0034】前記他方のシール部材42は、ほぼキャッ
プ形状をなすゴム製のダストシールである。このダスト
シール42の上小径透孔の縁がキングピン2の上端のス
ナップリング溝に弾性嵌合する。また、このダストシー
ル42の下大径透孔の縁(複数の環状小凹凸条)が上サ
ポート板20Uに弾性当接する。なお、このダストシー
ル42の下大径透孔の縁のうち、上サポート板20Uに
弾性当接する部分に、複数の環状小凹凸条を設けても良
い。
【0035】この実施の形態1は、上記の如き構成から
なるので、ブーツ41およびダストシール42のシール
作用により、前記3箇所の間を塞いで確実に密封するこ
とができる。これにより、ゴミや土砂などが前記3箇所
に侵入するのを確実に防ぐことができ、かつ、グリース
が前記3箇所から漏れるのを少なくすることができる。
この結果、上下ニードルローラベアリング16U、16
Dおよびスラストボールベアリング17の寿命が延び
る。
【0036】特に、前記ダストシール42は、ゴミなど
が溜まり易い箇所、すなわち、上サポート板20Uの上
面とキングピン2の上端との間に設けたものである。こ
のために、ゴミなどが溜まり易い箇所であっても、前記
ダストシール42により、ゴミなどが前記箇所から侵入
するのを確実に防ぐことができる。この結果、上ニード
ルローラベアリング16Uの寿命が延びる。
【0037】(実施の形態1の第1変形例)図3は、実
施の形態1の第1変形例を示す一部縦断面図である。図
中、図1および図2、図6〜図8と同符号は同一のもの
を示す。
【0038】この第1変形例は、キングピン2の下端部
の周囲であって、ステアリングハウジング1の下サポー
ト板20Dとナックル3の下部との間に、ワッシャ18
およびシム19の代わりに、バネ部材26が配置されて
いる。この例のバネ部材26は、バネ鋼から構成された
サラバネからなる。このサラバネ26のバネ力は、ナッ
クル3およびタイヤ4などの組み付け体の重量よりも若
干大とすれば良い。
【0039】この第1変形例は、キングピン2の下端部
の周囲であって、ステアリングハウジング1の下サポー
ト板20Dとナックル3の下部との間に、バネ部材とし
てのサラバネ26が配置されているので、下記の作用効
果を達成することができる。
【0040】すなわち、この第1変形例は、ワッシャ1
8および隙間調整用のシム19の代わりに、バネ部材と
してのサラバネ26を使用するので、ステアリングアク
スル組み立て時およびオーバーホール時において、シム
調整が不要となる。このために、組み立て時間の短縮化
とオーバーホール費用の軽減化とが図られる。すなわ
ち、部品費の変動がないので、組み立て時間の短縮化が
そのまま100%のコスト軽減となる。
【0041】また、この第1変形例は、サラバネ26の
バネ作用により、ステアリングハウジング1の下サポー
ト板20Dおよびナックル3の下部とサラバネ26との
間の隙間を0に限りなく近づけることができる。このた
めに、ゴミや土砂などが前記隙間に侵入するのを防ぐこ
とができ、かつ、グリースが前記隙間から漏れるのを防
ぐことができる。これにより、下ニードルローラベアリ
ング16Dの耐久性が向上される。
【0042】さらに、この第1変形例は、サラバネ26
の緩衝作用により、低騒音効果が得られると共に、長時
間の悪路走行に対してもスラストボールベアリング17
の耐久性が向上される。すなわち、前記隙間があると、
タイヤ4が路面の凸部に乗り上げて自重で下がる際に、
スラストボールベアリング17と、ステアリングハウジ
ング1の上サポート板20Uおよびナックル3の上部と
の間において、一旦隙間が生じてその隙間が閉じるの
で、その際に衝撃および騒音が発生する。ところが、こ
の第1変形例においては、前記隙間を0に限りなく近づ
けることができるので、前記衝撃および騒音を防止でき
る。
【0043】さらにまた、グリースの漏れが少なくなる
ことは、グリースの給脂する頻度が少なくて済み、か
つ、上下ニードルローラベアリング16U、16Dおよ
びスラストボールベアリング17の寿命が延びる。
【0044】ここで、ワッシャ18およびシム19の高
さ(この第1変形例においては、サラバネ26の高さで
あって、下サポート板20Dとナックル3の下部との
間)は、約4mm前後である。そして、シム19による
隙間調整においては、約0.5mm以下の隙間を無くす
ことが不可能である。これに対して、この第1変形例に
おいては、ステアリングハウジング1の下サポート板2
0Dおよびナックル3の下部とサラバネ26との間の隙
間を0に限りなく近づけることができるものである。
【0045】(実施の形態1の第2変形例)図4は、実
施の形態1の第2変形例を示す一部縦断面図である。図
中、図1〜図3、図6〜図8と同符号は同一のものを示
す。
【0046】この第2変形例は、キングピン2の上端部
の周囲であって、ステアリングハウジング1の上サポー
ト板20Uとスラストボールベアリング17(ナックル
3の上部)との間に、バネ鋼から構成されたバネ部材と
してのサラバネ27が設けられている。一方、キングピ
ン2の下端部の周囲であって、ステアリングハウジング
1の下サポート板20Dとナックル3の下部との間に
は、介在部材としてのワッシャ18が設けられている。
【0047】前記サラバネ27には、ステアリングアク
スルにかかる車両重量が作用するので、この実施形態2
のサラバネ27のバネ力は、前記第1変形例のサラバネ
26のバネ力よりも大とする必要がある。
【0048】この第2変形例は、ワッシャ18および隙
間調整用のシム19の代わりに、バネ部材としてのサラ
バネ27を使用するので、ステアリングアクスル組み立
て時およびオーバーホール時において、シム調整が不要
となる。このために、組み立て時間の短縮化とオーバー
ホール費用の軽減化とが図られる。すなわち、部品費の
変動が少ないので、組み立て時間の短縮化がほぼ100
%のコスト軽減となる。
【0049】また、この第2変形例は、サラバネ27の
緩衝作用が常時作用することにより、低騒音効果が得ら
れ、また、乗り心地が向上され、さらに、長時間の悪路
走行に対してもスラストボールベアリング17の耐久性
が向上される。すなわち、前記隙間があると、タイヤ4
が路面の凸部に乗り上げて自重で下がる際に、スラスト
ボールベアリング17と、ステアリングハウジング1の
上サポート板20Uおよびナックル3の上部との間にお
いて、一旦隙間が生じてその隙間が閉じるので、その際
に衝撃および騒音が発生する。ところが、この第2変形
例においては、前記隙間を0に限りなく近づけることが
できるので、前記衝撃および騒音を防止できる。
【0050】さらに、グリースの漏れが少なくなること
は、グリースの給脂する頻度が少なくて済み、かつ、上
下ニードルローラベアリング16U、16Dおよびスラ
ストボールベアリング17の寿命が延びる。
【0051】ここで、ワッシャ18およびシム19の高
さは、約4mm前後である。そして、シム19による隙
間調整においては、約0.5mm以下の隙間を無くすこ
とが不可能である。これに対して、この第2変形例にお
いては、ステアリングハウジング1の下サポート板20
Dおよびナックル3の下部とワッシャ18の間の隙間、
あるいは、ステアリングハウジング1の下サポート板2
0Dとナックル3の下部との間の隙間を0に限りなく近
づけることができるものである。
【0052】前記第1、第2変形例においては、バネ部
材としては、サラバネ26、27を使用したが、このサ
ラバネ26、27以外のたとえば板バネなどのバネ部材
であっても良い。
【0053】(実施の形態2)図5(A)および(B)
は、この発明にかかる特殊車両用ステアリングアクスル
の実施の形態2を示す。図中、図1〜図4、図6〜図8
と同符号は同一のものを示す。
【0054】この実施の形態2のものは、前記実施の形
態1の下側のブーツ41をダストシール43としたもの
である。このダストシール43は、図5(B)に示すよ
うに、環状形状をなす本体部の一部(下部)から外側に
リップ部44が一体に設けられたものである。このダス
トシール43の本体部とリップ部44とを、ステアリン
グハウジング1の下サポート板20Dとナックル3の下
部とにそれぞれ弾性当接させる。
【0055】この実施の形態2のものは、前記実施の形
態1のものとほぼ同様の作用効果を達成することができ
る。特に、この実施の形態2のダストシール43は、実
施の形態1のブーツ41よりもさらに安価となる。
【0056】なお、この実施の形態2においては、下側
のブーツ41に代えてダストシール43を使用したもの
であるが、上側のブーツ41に代えてダストシール43
を使用しても良いし、また、上下両側のブーツ41に代
えてダストシール43を使用しても良い。
【0057】特に、この発明は、前記実施の形態1、2
のフォークリフト用ステアリングアクスルなどのよう
に、ステアリングの頻度が多く、また、荷重のかかる頻
度が多いステアリングアクスルに最適である。
【0058】なお、前記実施の形態1、2においては、
フォークリフトのリア側のステアリングアクスルについ
て説明したが、この発明は、その他のステアリングアク
スル、たとえば、農業用トラクタ、建設機械用のステア
リング部(グレーダフロント側等)などの特殊車両用の
ステアリングアクスルにも適用できる。
【0059】また、前記実施の形態1、2においては、
3箇所にシール部材41、42、43を設けたが、少な
くとも1箇所であっても良い。
【0060】
【発明の効果】以上から明らかなように、この発明にか
かる特殊車両用ステアリングアクスル(請求項1)によ
れば、シール部材の作用により、高価なテーパーローラ
ベアリング機構を使用することなく、安価なベアリング
を使用することで、ゴミや土砂などが前記3箇所のうち
の少なくとも1箇所に侵入するのを確実に防ぐことがで
き、かつ、グリースが前記3箇所のうちの少なくとも1
箇所から漏れるのを少なくすることができる。
【0061】この発明にかかる特殊車両用ステアリング
アクスル(請求項2)によれば、シール部材がゴム製の
ブーツであるから、このブーツの弾性力により、ブーツ
の両端がステアリングハウジングの下部とナックルの下
部との間、およびまたは、ステアリングハウジングの上
部とナックルの上部との間に弾性当接していて、保持さ
れるものである。このために、ブーツの両端を固定する
加工(たとえば、スナップリング溝の加工)や器具(た
とえば、バンドのような止め器具)などが不要となり、
その分、コスト低減化が図られる。
【0062】この発明にかかる特殊車両用ステアリング
アクスル(請求項3)によれば、ダストシールの本体部
とリップ部とがステアリングハウジングの下部とナック
ルの下部との間、およびまたは、ステアリングハウジン
グの上部とナックルの上部との間に弾性当接していて、
保持されるものである。この請求項3にかかるダストシ
ールは、請求項2にかかるブーツよりも、構造が簡単で
あるから、さらに安価となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の特殊車両用ステアリングアクスルの
実施の形態1を示す一部分解斜視図である。
【図2】同じく、組み立てた状態を示す一部縦断面図で
ある。
【図3】同じく、第1変形例を示す一部縦断面図であ
る。
【図4】同じく、第2変形例を示す一部縦断面図であ
る。
【図5】(A)はこの発明の特殊車両用ステアリングア
クスルの実施の形態2を示す一部縦断、(B)はダスト
シールの一部縦断面図である。
【図6】特殊車両用ステアリングアクスルの一般例を示
す一部平面図ある。
【図7】テーパーローラベアリング機構が使用されてい
る特殊車両用ステアリングアクスルを示す一部縦断面図
ある。
【図8】安価なベアリングが使用されている特殊車両用
ステアリングアクスルを示す一部縦断面図ある。
【符号の説明】
1 ステアリングハウジング 2 キングピン 3 ナックル 4 タイヤ 5 ナックルアーム 6 リンク 7 ハイドロリックシリンダ 8 ピストンロッド 9 テーパーローラベアリング 10 オイルシール 11 キャップ 12 固定板 13 ボルト 14 シム 15 Oリング 16U、16D ニードルローラベアリング 17 スラストボールベアリング 18 ワッシャ 19 シム 20U、20D サポート板 21 シール部材 22U、22D 給脂ニップル 23U、23D 給脂路 24 貫通孔 25 ボルトナット 26、27 サラバネ(バネ部材) 30 軸部 31 シール 32 リテーナ 33 ベアリング 34 リム 35 ナット 36 ワッシャ 37 キャップ 38 ハブ 39 鉄環 40 ゴム 41 ブーツ(シール部材) 42、43 ダストシール(シール部材) 44 リップ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D034 BA09 BB02 BB05 BC03 BC15 BC26 3F333 AA02 AB13 AE02 CA11 DA01 DA10 DB10 3J016 AA03 AA08 BB02 3J043 AA03 CA02 CB13 DA06 FA03 FB04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングハウジングに取り付けられ
    たキングピンと、 前記キングピンに取り付けられたナックルと、 前記キングピンの周囲に設けられたベアリングと、 前記ナックルに前記キングピンに対してほぼ直交する軸
    回りに回転可能に取り付けられたタイヤと、 前記ステアリングハウジングと前記ナックルとの間に装
    備されたハイドロリックシリンダとを備え、 前記ハイドロリックシリンダを駆動させることにより、
    前記ナックル及び前記タイヤが前記ステアリングハウジ
    ングに対して前記キングピンを中心に回動する特殊車両
    用ステアリングアクスルにおいて、 前記ステアリングハウジングの下部と前記ナックルの下
    部との間、前記ステアリングハウジングの上部と前記ナ
    ックルの上部との間、前記ステアリングハウジングの上
    面と前記キングピンの上端との間のうち、少なくとも1
    箇所には、シール部材が設けられている、ことを特徴と
    する特殊車両用ステアリングアクスル。
  2. 【請求項2】 前記ステアリングハウジングの下部と前
    記ナックルの下部との間、およびまたは、前記ステアリ
    ングハウジングの上部と前記ナックルの上部との間に設
    けられるシール部材は、蛇腹形状および環状形状のゴム
    製のブーツからなる、ことを特徴とする請求項1に記載
    の特殊車両用ステアリングアクスル。
  3. 【請求項3】 前記ステアリングハウジングの下部と前
    記ナックルの下部との間、およびまたは、前記ステアリ
    ングハウジングの上部と前記ナックルの上部との間に設
    けられるシール部材は、本体部とリップ部とを備えた環
    状形状のゴム製のダストシールからなる、ことを特徴と
    する請求項1に記載の特殊車両用ステアリングアクス
    ル。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6827359B2 (en) * 2002-06-03 2004-12-07 Arvinmeritor Technology, Llc. Non-drive front axle steering knuckle
CN107685770A (zh) * 2017-07-14 2018-02-13 浙江工业大学 一种可增力的大转角叉车转向机构
CN111619296A (zh) * 2020-04-29 2020-09-04 风神襄阳汽车有限公司 一种轮系运动装置用悬挂系统、汽车
CN112918556A (zh) * 2019-12-06 2021-06-08 上港集团物流有限公司兴宝仓储分公司 一种用于检测叉车转向故障的检测装置及检测方法

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