JP2002120745A - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置の制御装置

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JP2002120745A
JP2002120745A JP2000319464A JP2000319464A JP2002120745A JP 2002120745 A JP2002120745 A JP 2002120745A JP 2000319464 A JP2000319464 A JP 2000319464A JP 2000319464 A JP2000319464 A JP 2000319464A JP 2002120745 A JP2002120745 A JP 2002120745A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】路面反力が変化しても、低速から高速まで安定
したハンドルの収斂性を得ることができる電動パワース
テアリング装置の制御装置を提供する。 【解決手段】電動パワーステアリング装置の制御装置2
0のCPU(中央処理装置)21は、操舵角θ及び車速
Vに基づいてステアリングホイール1を中立位置へ戻す
ための目標操舵角θ*を設定し、目標操舵角θ*と操舵
角θの偏差Δθ及び車速Vに応じて理想的な目標操舵角
速度Q*を設定し、目標操舵角速度Q*と操舵角速度Q
の偏差ΔQに基づいて目標収斂電流Ihd*を設定す
る。操舵角速度Qが目標操舵角速度Q*よりも小さい
と、目標収斂電流Ihd*が増加して操舵角速度が増速
するようにアシストする。反対に、操舵角速度Qが目標
操舵角速度Q*よりも大きいと、目標収斂電流Ihd*
の極性が反転して操舵角速度が減速する方向に働き、操
舵角速度Qが目標操舵角速度Q*に一致するように制御
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や車両の操
舵系にモータによるアシスト力を付与する電動パワース
テアリング装置の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図14は、従来の自動車等に使用される
電動パワーステアリング装置及びその制御装置158の
概略を示す。
【0003】ステアリングホイール141に連結したス
テアリングシャフト142には、トーションバー143
が設けられている。このトーションバー143には、ト
ルクセンサ144が装着されている。そして、ステアリ
ングシャフト142が回転してトーションバー143に
力が加わると、加わった力に応じてトーションバー14
3が捩れ、その捩れをトルクセンサ144が検出してい
る。
【0004】なお、以下の説明では、ステアリングホイ
ールのことをハンドルと言うことがある(従来の技術及
び実施形態についても同様)。又、ステアリングシャフ
ト142には減速機145が固着されている。この減速
機145には、モータ146の回転軸に取着したギア1
47が噛合されている。更に、減速機145にはピニオ
ンシャフト148が固着されている。ピニオンシャフト
148の先端には、ピニオン149が固着されるととも
に、このピニオン149はラック151と噛合してい
る。前記ラック151とピニオン149とによりラック
&ピニオン機構150が構成されている。
【0005】ラック151の両先端には、タイロッド1
52が固設されている。このタイロッド152の両端に
は、ナックル153が回動可能に連結されている。この
ナックル153には、前輪154が固着されている。
又、ナックル153は、クロスメンバ155に回動可能
に連結されている。
【0006】従って、モータ146が回転すると、その
回転数は減速機145によって減少されてピニオンシャ
フト148に伝達され、ラック&ピニオン機構150に
伝達される。そして、タイロッド152に連結されたナ
ックル153は、モータ146の回転方向に応じて右方
向又は左方向に移動する。尚、前輪154には車速セン
サ156が設けられている。
【0007】そして、モータ146の回転数及び回転方
向は、モータ駆動装置157から供給される正負のアシ
スト電流によって決定されている。このモータ駆動装置
157がモータ146に供給するアシスト電流は、モー
タ駆動装置157を制御する制御装置158によって演
算されている。制御装置158は、CPU159、RO
M160、RAM161等から構成され、トルクセンサ
144からの検出信号からその時々のステアリングホイ
ール141の操舵トルクThを演算するとともに、車速
センサ156からの検出信号からその時々の車速Vを演
算する。
【0008】そして、制御装置158は、この演算した
操舵トルクThと車速Vに基づいてアシスト電流(アシ
スト電流指令値)を算出する。この算出は、制御装置1
58内のROM160に予め記憶したアシストマップか
ら求められる。そして、制御装置158はアシストトル
クを発生させるモータ146の電流を前記アシスト電流
(アシスト電流指令値)となるように制御する。
【0009】ここで、CPU159の制御の概要を説明
する。図16は、従来の制御装置158のCPU159
の機能ブロック図であり、CPU159内部においてプ
ログラムで実行される機能を示し、実際のハード構成を
意味するものではない。
【0010】トルクセンサ144で検出した操舵トルク
は、系の安定性を高めるために、位相補償器170で位
相補償され、位相補償された操舵トルクThが電流指令
値演算部171に入力される。又、車速センサ156で
検出された車速Vも電流指令値演算部171に入力され
る。電流指令値演算部171は、予めROM160に記
憶されているアシストマップに基づいて、車速V、操舵
トルクThに対応したアシスト電流指令値Iを演算する
(図15参照)。
【0011】アシスト電流指令値Iは加算器172に
て、後記するハンドル戻し電流Ih*、ダンパ電流Id
*を加算して、電流制御部173に供給する。電流制御
部173では、加算器172の出力と、モータ駆動電流
センサ176にて検出した実際のモータ電流(モータ駆
動電流)Imとの差に相当する信号に基づいて、PI制
御値やPID制御値を演算し、この制御値をPWM演算
部174に出力する。PWM演算部174では、この制
御値に応じたPWM演算を行い、その運算結果をモータ
駆動装置157に供給する。
【0012】この結果、モータ駆動装置157を介して
モータ146を駆動制御することにより、モータ146
による適正なアシスト力が得られる。一方、モータ角速
度推定器175はモータ駆動電流センサ176にて検出
したモータ146のモータ電流Imと、モータ146の
端子間電圧検出回路177で検出したモータ端子間電圧
Vmに基づいて下記のモータ電圧方程式にてモータ角速
度ωを推定する。
【0013】ω={Vm−(R+LS)Im}/Ke なお、Rはモータ抵抗、Lはモータインダクタンス、K
eはモータ逆起電力定数、Sは微分演算子である。
【0014】操舵角速度推定器178では、モータ角速
度推定器175で推定されたモータ角速度ωに基づい
て、減速機145の減速比Gを除算することにより操舵
角速度Q(=ω/G)を推定する。操舵角速度推定器17
8で推定された操舵角速度はハンドル戻し制御器18
0、ダンパ制御器190に入力される。又、車速センサ
156で検出された車速Vは、ハンドル戻し制御器18
0、ダンパ制御器190に入力される。
【0015】ここでハンドル戻し制御器180の概要を
説明する。ハンドル戻し制御器180は、低速走行時の
ハンドル戻り特性を改善するために、ハンドル戻し状態
の時に、車速V及び操舵角速度Qに応じたハンドル戻し
電流Ih*を出力して、ハンドル(ステアリングホイー
ル141)が戻る方向にアシストを行う。
【0016】図17はハンドル戻し制御器180におけ
るハンドル戻し演算を行う機能ブロック図を示してい
る。同図に示すように、ハンドル戻し制御器180はハ
ンドル戻し電流演算部181、ハンドル戻し補償車速ゲ
イン演算部182、ハンドル戻し判定部183及び乗算
器184を備えている。ハンドル戻し電流演算部181
は、ハンドル戻し補償マップを備え、操舵角速度Qが入
力されると、ハンドル戻し補償マップを参照して、ハン
ドル戻し電流Ihを読み出し、乗算器184に入力す
る。このハンドル戻し電流Ihは、ハンドルの回転方向
にアシストするように、設定されている。
【0017】ハンドル戻し補償車速ゲイン演算部182
は、車速Vが入力されると、ハンドル戻し補償ゲインマ
ップを参照して車速ゲインKhを読み出し、乗算器18
4に供給する。このゲインKhは、中高速走行ではハン
ドル戻し電流を0にし、低速走行のみ、ハンドル戻し制
御が効くように設定されている。
【0018】又、ハンドル戻し判定部183は、ハンド
ル戻し判定マップを備えており、操舵トルクThが入力
されると、マップに基づいて操舵トルクThが0近傍の
ときには、ゲインBとして「1」を出力し、操舵トルク
|Th|>X(X(>0)は閾値)のように、ある値X
以上になると、ゲインBとして「0」を乗算器184に
出力する。すなわち、操舵トルクThが閾値以内のとき
は、ハンドル戻し状態と判定し、閾値を超える場合に
は、切り込み・保舵状態と判定する。乗算器184は、
ハンドル戻し電流演算部181、ハンドル戻し補償車速
ゲイン演算部182、及びハンドル戻し判定部183か
ら入力されたIh、Kh、Gを乗算して、ハンドル戻し
電流Ih*を加算器172に出力する。
【0019】従って、車速が低速走行の際に、ハンドル
戻し判定部183により、ハンドル戻しがされていると
判定が行われた場合には、ハンドル戻し電流Ih*がア
シスト電流に加算されて、低速走行時のハンドル戻り特
性が改善する。
【0020】次に、ダンパ制御器190について説明す
る。ダンパ制御器190は、中高速走行時の車両のヨー
の収斂性を改善するために、車速V及び操舵角速度Qに
応じたダンパ電流Id*を出力して、ハンドルが回転す
る方向と逆方向にダンパ電流Id*を加えてブレーキを
かけるためのものである。
【0021】図18はダンパ制御器190におけるダン
パ電流演算を行う機能ブロック図を示している。同図に
示すように、ダンパ制御器190はダンパ電流演算部1
91、ダンパ補償車速ゲイン演算部192、及び乗算器
193を備えている。ダンパ電流演算部191は、ダン
パ電流マップを備え、操舵角速度Qが入力されると、ダ
ンパ電流マップを参照して、ダンパ電流Idを読み出
し、乗算器193に入力する。なお、ダンパ電流Id
は、操舵角速度を減速する方向に設定されており、ハン
ドル戻し制御とは極性が逆になっている。
【0022】ダンパ補償車速ゲイン演算部192は、車
速Vが入力されると、ダンパゲインマップを参照してダ
ンパゲインKdを読み出し、乗算器193に供給する。
ダンパゲインKdは、低速走行ではダンパ電流が0にな
るようにし、中高速ではダンパ制御が効くように設定さ
れている。
【0023】乗算器193は、ダンパ電流演算部19
1、ダンパ補償車速ゲイン演算部192から入力された
Id、Kdを乗算して、ダンパ電流Id*を加算器17
2に出力する。
【0024】従って、車速が中高速の際、ダンパ制御器
190により、アシスト電流指令値Iにダンパ電流Id
*が加算されて、中高速時のダンパ特性が改善する。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
にハンドル戻し制御器180、及びダンパ制御器190
の各マップは、予めROM160に記憶されており、あ
る基準路面で適合された値となっている。それは、通常
乾燥アスファルト路面で最適になるように設定された値
とされている。
【0026】ところが、例えば低μ路等の路面反力が低
い路面状態で走行すると、低速走行時のハンドル戻し制
御器180でのハンドル戻し電流Ih*の出力が低く、
ハンドルが途中で止まり、残留角(中立位置(車両が直
進する際のハンドルの位置)を基準として、その位置か
ら外れた角度)が大きくなる問題があった。又、中高速
走行時に、低μ路等の路面反力が低い路面状態で走行す
ると、ダンパ制御器190でのダンパ電流Id*の出力
が過剰となり、ダンパが効きすぎてしまう問題があっ
た。
【0027】又、低速走行時のハンドル戻り特性を改善
する方法として、車速Vと操舵角に対してハンドル戻し
電流を演算するハンドル戻し制御器200もある。図1
9は、ハンドル戻し制御器200の機能ブロック図であ
る。
【0028】ハンドル戻し制御器200は、ハンドル戻
し電流演算部201、ハンドル戻し補償車速ゲイン演算
部182、及び乗算器184を備えている。ハンドル戻
し電流演算部201は、ハンドル戻し補償マップを備
え、ステアリングホイール141の操舵角θhを検出す
る図示しない操舵角センサから入力されると、ハンドル
戻し補償マップを参照して、ハンドル戻し電流Ihを読
み出し、乗算器184に入力する。乗算器184は、ハ
ンドル戻し電流演算部201、ハンドル戻し補償車速ゲ
イン演算部182から入力されたIh、Khを乗算し
て、ハンドル戻し電流(暫定ハンドル戻し電流)Ih*
を算出する。そして、CPU159は、操舵状態を判定
し、操舵角θhと、操舵角速度の極性が逆であるか否か
を判定し、逆であれば、ハンドル戻し状態であるとし
て、暫定ハンドル戻し電流Ih*をハンドル戻し電流I
h*として加算器172に出力し、そうでない場合に
は、ハンドル戻し電流Ih*を0として加算器172に
出力する。
【0029】しかし、このハンドル戻し制御器200に
おいても、路面が変わると、ハンドルが戻る速度が速す
ぎたり、遅すぎたりして操舵角速度が路面の影響を受け
る問題があった。
【0030】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、その目的は、路面反力が変化しても、
低速から高速まで安定したハンドルの収斂性を得ること
ができる電動パワーステアリング装置の制御装置を提供
することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、操舵角及び車速に基づ
いてハンドルを中立位置へ戻すための目標操舵角を設定
する目標操舵角設定手段と、前記目標操舵角と操舵角の
偏差及び車速に基づいて目標操舵角速度を設定する目標
操舵角速度設定手段と、前記目標操舵角速度と操舵角速
度の偏差に基づいて目標収斂電流を設定する目標収斂電
流設定手段と、を備え、前記目標収斂電流設定手段は、
前記目標操舵角速度と操舵角速度の偏差に基づいて目標
収斂電流を設定する際に、比例制御、積分制御、微分制
御のうち、少なくとも比例制御に基づいて目標収斂電流
を設定することを特徴とする電動パワーステアリング装
置の制御装置を要旨とするものである。
【0032】請求項2の発明は、請求項1において、目
標操舵角速度設定手段は、車速に応じて補正を行うこと
により、目標操舵角速度を設定する電動パワーステアリ
ング装置の制御装置を要旨とするものである。
【0033】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
において、前記目標収斂電流設定手段は、積分制御も行
うことにより目標収斂電流を設定する電動パワーステア
リング装置の制御装置を要旨とするものである。
【0034】請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3
のうちいずれか1項において、前記目標収斂電流設定手
段は、微分制御も行うことにより目標収斂電流を設定す
る電動パワーステアリング装置の制御装置を要旨とする
ものである。
【0035】請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4
のうちいずれか1項において、前記目標収斂電流設定手
段が行う、比例制御、積分制御、微分制御のうち、少な
くとも1つの制御は、車速に応じて補正を行うことによ
り、目標操舵角速度を設定する電動パワーステアリング
装置の制御装置を要旨とするものである。
【0036】請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5
のうちいずれか1項において、操舵トルクに基づいてハ
ンドルの手放し判定又は操舵・保舵の判定を行う手放し
判定手段を備え、前記手放し判定手段はその判定結果に
基づいて、目標収斂電流設定手段の目標収斂電流の出力
を、有効にし或いは抑制する電動パワーステアリング装
置の制御装置を要旨とするものである。
【0037】請求項7の発明は、請求項6において、前
記手放し判定手段が操舵・保舵の判定をし、目標収斂電
流設定手段の目標収斂電流の出力を抑制する場合に、同
手放し判定手段は、前記目標収斂電流設定手段の積分制
御により得られた積分項をリセットする電動パワーステ
アリング装置の制御装置を要旨とするものである。
【0038】請求項8の発明は、請求項1乃至請求項7
のうちいずれか1項において、操舵角の位相を補償する
位相補償手段を備え、前記目標操舵角設定手段は、位相
補償手段が位相補償した操舵角と車速に基づいてハンド
ルを中立位置へ戻すための目標操舵角を設定する電動パ
ワーステアリング装置の制御装置を要旨とするものであ
る。
【0039】(作用)請求項1の発明によれば、目標操
舵角設定手段は、操舵角及び車速に基づいてハンドルを
中立位置へ戻すための目標操舵角を設定する。目標操舵
角速度設定手段は、前記目標操舵角と操舵角の偏差及び
車速に基づいて目標操舵角速度を設定する。目標収斂電
流設定手段は、目標操舵角速度と操舵角速度の偏差に基
づいて目標収斂電流を設定する。
【0040】又、目標収斂電流設定手段は、前記目標操
舵角速度と操舵角速度の偏差に基づいて目標収斂電流を
設定する際に、比例制御、積分制御、微分制御のうち、
少なくとも比例制御に基づいて目標収斂電流を設定す
る。
【0041】請求項2の発明によれば、目標操舵角速度
設定手段は、車速に応じて補正を行うことにより、目標
操舵角速度を設定する。請求項3の発明によれば、前記
目標収斂電流設定手段は、積分制御も行うことにより目
標収斂電流を設定する。
【0042】請求項4の発明によれば、目標収斂電流設
定手段は、微分制御も行うことにより目標収斂電流を設
定する。請求項5の発明によれば、目標収斂電流設定手
段が行う、比例制御、積分制御、微分制御のうち、少な
くとも1つの制御は、車速に応じて補正を行うことによ
り、目標操舵角速度を設定する。
【0043】請求項6の発明によれば、手放し判定手段
は、操舵トルクに基づいてハンドルの手放し判定又は操
舵・保舵の判定を行う。又、手放し判定手段はその判定
結果に基づいて、目標収斂電流設定手段の目標収斂電流
の出力を、有効にし或いは抑制する。
【0044】請求項7の発明によれば、手放し判定手段
が操舵・保舵の判定をし、目標収斂電流設定手段の目標
収斂電流の出力を抑制する場合に、同手放し判定手段
は、前記目標収斂電流設定手段の積分制御により得られ
た積分項をリセットする。
【0045】請求項8の発明によれば、位相補償手段
は、操舵角の位相を補償する。又、目標操舵角設定手段
は、位相補償手段が位相補償した操舵角と車速に基づい
てハンドルを中立位置へ戻すための目標操舵角を設定す
る。
【0046】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明
を、自動車に搭載した電動パワーステアリング装置の制
御装置20に具体化した実施形態を図1〜図12に従っ
て説明する。
【0047】図1は、電動パワーステアリング装置及び
その制御装置20の概略を示す。ステアリングホイール
1に連結したステアリング軸としてのステアリングシャ
フト2には、トーションバー3が設けられている。この
トーションバー3には、トルクセンサ4が装着されてい
る。そして、ステアリングシャフト2が回転してトーシ
ョンバー3に力が加わると、加わった力に応じてトーシ
ョンバー3が捩れ、その捩れ、即ちステアリングホイー
ル1にかかる操舵トルクThをトルクセンサ4が検出し
ている。
【0048】又、ステアリングシャフト2には減速機5
が固着されている。この減速機5には電動モータ(以
下、モータという)6の回転軸に取着したギア7が噛合
されている。更に、減速機5にはピニオンシャフト8が
固着されている。ピニオンシャフト8の先端には、ピニ
オン9が固着されるとともに、このピニオン9はラック
10と噛合している。前記ラック10とピニオン9とに
よりラック&ピニオン機構11が構成されている。
【0049】ラック10の両端には、タイロッド12が
固設されており、そのタイロッド12の先端部にはナッ
クル13が回動可能に連結されている。このナックル1
3には、タイヤとしての前輪14が固着されている。
又、ナックル13の一端は、クロスメンバ15に回動可
能に連結されている。
【0050】従って、モータ6が回転すると、その回転
数は減速機5によって減少してピニオンシャフト8に伝
達され、ラック&ピニオン機構11を介してラック10
に伝達される。そして、ラック10は、タイロッド12
を介してナックル13に設けられた前輪14の向きを変
更して車両の進行方向を変えることができる。
【0051】前輪14には、車速センサ16が設けられ
ている。又、ステアリングシャフト2にはステアリング
シャフト2の操舵角θを検出する操舵角センサ17が装
着されている。
【0052】次に、この電動パワーステアリング装置の
制御装置20の電気的構成を示す。トルクセンサ4は、
ステアリングホイール1の操舵トルクThを示す検出信
号を制御装置20に出力している。前記車速センサ16
は、前輪14の回転数に相対し、その時の車速Vを示す
検出信号を制御装置20へ出力する。
【0053】操舵角センサ17はステアリングシャフト
2の操舵角θを示す検出信号を制御装置20に出力して
いる。又、制御装置20には、図2に示すようにモータ
6に流れる駆動電流(モータ電流Im、モータ電流値に
相当)を検出するモータ駆動電流センサ18が電気的に
接続されており、モータ駆動電流センサ18からのモー
タ電流Imを示す信号が供給されている。端子間電圧検
出回路19は、モータ6のモータ端子間電圧Vmを制御
装置20に出力している。
【0054】制御装置20は、制御手段としての中央処
理装置(CPU)21、読み出し専用メモリ(ROM)
22及びデータを一時記憶する読み出し及び書き込み専
用メモリ(RAM)23を備えている。このROM22
には、CPU21により実行されるアシスト制御、収斂
制御等の各種制御プログラムが格納されている。RAM
23は、CPU21が演算処理を行うときの演算処理結
果等を一時記憶する。
【0055】CPU21は、前記各種センサからの検出
信号を入力し、アシスト制御、収斂制御等の各種制御プ
ログラムの処理において、それらの検出信号に基づいた
モータ指令電流値を演算して、モータ駆動装置24に出
力し、同モータ駆動装置24を介してモータ6を駆動制
御する。
【0056】本実施形態では、前記CPU21は、目標
操舵角設定手段、目標操舵角速度設定手段、目標収斂電
流設定手段、及び手放し判定手段に相当する。 (第1実施形態の作用)以下のCPU21内部の機能の
説明では、「車速V」、「操舵トルクTh」、「操舵角
θ」等の各種パラメータは、説明の便宜上、それらの対
応する信号の意味として使用するものとする。
【0057】図2は、CPU21の機能ブロック図であ
る。この実施形態ではCPU21内部においてプログラ
ムで実行される機能を示している。例えば、位相補償器
30は独立したハードウエアではなく、CPU21内部
で実行される位相補償機能を示している。同じく図3〜
図5、図9及び図10は、CPU21内部の構成はCP
U21がプログラムによって実行される処理機能を機能
ブロック図で示しており、実際のハード構成を意味する
ものではない。
【0058】以下、CPU21の機能と動作を説明す
る。 (車速感応アシスト制御)トルクセンサ4から入力され
た操舵トルクThは、位相補償器30で操舵系の安定を
高めるために位相補償され、電流指令値演算部31に入
力される。又、車速センサ16で検出された車速Vも電
流指令値演算部31に入力される。電流指令値演算部3
1は、入力された操舵トルクTh、車速Vに基づいて、
モータ6に供給する電流の制御目標値である車速感応ア
シスト指令値(アシスト電流指令値に相当する)Iを決
定する。
【0059】図3に示すようにCPU21の電流指令値
演算部31は、操舵トルクTh、車速Vを入力し、これ
らのパラメータに基づいてアシスト電流指令値Iを算出
する。
【0060】具体的には、同図に示すように操舵トルク
Thは高速アシストマップ101に供給されて高速アシ
スト電流(高速アシスト量)Id1が読み出され、又は
低速アシストマップ102に供給されて低速アシスト電
流(低速アシスト量)Id2が読み出される。読み出さ
れた高速アシスト電流は乗算器104に供給され、低速
アシスト電流は乗算器105に供給される。
【0061】一方、車速Vはアシスト車速ゲインマップ
103に供給されて、車速Vに基づいてアシスト車速ゲ
インマップ103からアシスト車速ゲインk1が読み出
され、乗算器105、及び加算器107に供給される。
加算器107に供給されたアシスト車速ゲインk1はそ
の符号が反転された上で「1」が加算されて、(1−k
1)として乗算器104に供給される。
【0062】乗算器104は、供給された(1−k1)
を高速アシスト電流Id1に乗算した後、その出力値を
加算器106に供給する。又、乗算器105は供給され
たアシスト車速ゲインk1を低速アシスト電流Id2に
乗算した後、その出力値を加算器106に供給する。加
算器106は乗算器104,105で乗算して得た各値
を加算して得たアシスト電流指令値Iを図2に示す加算
器39に出力する。
【0063】加算器39はこのアシスト電流指令値Iと
他の部(後記する)からの出力値を加算し、PI制御部
40に出力する。PI制御部40は実際のモータ電流I
mとの差に相当する信号(アシスト電流制御値に相当す
る)に基づいて公知のPI制御による電流値を算出し、
この値をPWM演算部38に出力する。PWM演算部3
8では、PI制御により得られた値に基づいてPWM演
算を行い、この演算結果をモータ駆動装置24に供給す
る。
【0064】この結果、モータ駆動装置24を介してモ
ータ6を駆動制御することにより、検出された操舵トル
クTh及び車速Vに応じてモータ6による適正なアシス
ト力が得られる。
【0065】(操舵角速度Q)次に、収斂制御部81に
入力される操舵角速度Qの求め方について説明する。モ
ータ6の端子間に電圧を印加すると、モータ6は回転す
るが、モータ6が回転すると、その回転数に比例して逆
起電力が発生し、モータ端子間電圧Vmに加算される。
モータ端子間電圧Vmとモータ6の逆起電力との関係
は、以下の式で表すことができる。
【0066】 Vm=(Ls+R)・Im+Ke・ω …(1) ここで、Vm:モータ端子間電圧、L:モータ6のイン
ダクタンス、s:ラプラス演算子、R:モータ6の端子
間抵抗、Im:モータ電流、Ke:モータ6の逆起電力
定数、ω:モータ角速度である。
【0067】従って、上記(1)式をω(モータ角速
度)で解くと、下記(2)式となる。 ω={Vm−(Ls+R)・Im}/Ke そこで、図4に示す、第1演算部50では、モータ駆動
電流センサ18から入力されたモータ電流Imに(Ls
+R)を乗算し、減算器51に出力する。減算器51
は、端子間電圧検出回路19から入力したモータ端子間
電圧Vmに対して第1演算部50で演算した値を減算
し、その値を第2演算部52に出力する。
【0068】又、第2演算部52は、減算器51から入
力した値を逆起電力定数Keで除してモータ角速度ωを
算出し、操舵角速度推定部53に出力する。前記第1演
算部50、減算器51、第2演算部52とにより、モー
タ角速度推定器60が構成されている(図2参照)。
【0069】ついで、操舵角速度推定部53は、モータ
角速度ωを減速機5の減速比Gで除して、操舵角速度Q
を算出する。このようにして、算出(推定)された操舵
角速度Qは収斂制御部81に供給される。
【0070】(収斂制御)次に、CPU21は、図2に
示すように、さらに収斂制御部81、手放し判定部82
の機能を備えており、それらについて説明する。
【0071】まず、収斂制御部81について説明する。
図4に示すように、収斂制御部81は、目標操舵角設定
部86、目標操舵角速度設定部87、目標収斂電流設定
部88、及び減算器90,91とを備えている。
【0072】収斂制御部81には、車速センサ16から
検出された車速Vが入力されるとともに、操舵角センサ
17から検出された操舵角θ、及び前記操舵角速度Qが
入力される。
【0073】そして、収斂制御部81は、入力された車
速V、操舵角θ及び操舵角速度Qに基づいて、ステアリ
ングホイール1を略中立位置まで収束させるための目標
収斂電流Ihd*を決定する。
【0074】詳しく説明すると、図5に示すように、前
記目標操舵角設定部86は、符号判定部92、目標操舵
絶対角設定部93、乗算器94、及び目標操舵角演算部
95とを備えている。
【0075】目標操舵絶対角設定部93は、車速Vに基
づき、ROM22に予め格納された目標操舵絶対角設定
マップを使用して、車速Vに応じた目標操舵角θ*の絶
対値、即ち、目標操舵絶対角| θ*** |を求め、乗算
器94に出力する。なお、前記目標操舵角θ*は、ステ
アリングホイール1を中立位置へ戻すための値であり、
前記中立位置は、所定の残留角範囲を含んでいる。
【0076】具体的には、通常、中高速ではステアリン
グホイール1(ハンドル)を中立位置、すなわち、0度
まで戻すのが普通であるが、低速では0度まで戻すのは
従来の油圧パワーステアリング装置と比較して不自然で
あるため、完全に中立位置までは戻さずある程度の残留
角を持たせるように設定する。
【0077】このため、前記目標操舵絶対角設定部93
は、目標操舵絶対角設定マップにて、車両の低速時に、
ステアリングホイール1を操舵する場合に、中立位置か
ら所定の残留角範囲内に戻るように目標操舵絶対角| θ
*** |を設定する。演算される目標操舵絶対角| θ*
** |は、車速Vが低速になるほど大きくなり、所定の
車速V以上においては、目標操舵絶対角| θ*** |は
0になる。
【0078】符号判定部92は、操舵角θに基づいてそ
の符号を判定して、その符号信号を乗算器94に出力す
る。即ち、操舵角θが右操舵を示している場合は+1を
乗算器94に出力する一方で、左操舵を示している場合
は−1を乗算器94に出力する。
【0079】乗算器94では、前記符号判定部92から
の符号信号、及び目標操舵絶対角設定部93からの目標
操舵絶対角| θ*** |を乗算する。そして、目標操舵
絶対角| θ*** |に符号を持たせ、暫定目標操舵角θ
**として目標操舵角演算部95に出力する。
【0080】目標操舵角演算部95は、前記暫定目標操
舵角θ**、及び操舵角θに基づいて目標操舵角θ*を
図4に示す減算器90に出力する。ここで、具体的に、
目標操舵角演算部95における目標操舵角θ*の設定の
仕方を、CPU21が実行する目標操舵角演算ルーチン
のフローチャート(図6参照)に従って説明する。
【0081】まず、S21において、暫定目標操舵角θ
**を読込む。次にS22において、実際の操舵絶対角
(即ち、操舵角θの絶対値をとった値)| θ |が、暫定
目標操舵絶対角(即ち、暫定目標操舵角θ**の絶対値
をとった値)| θ** |より小さいか否かを判定する。
即ち、暫定目標操舵角θ**と現在の操舵角θとの大小
関係の判定をする。
【0082】現在の操舵角θが暫定目標操舵角θ**よ
りも中立位置側にある場合、換言すれば、操舵絶対角|
θ |が暫定目標操舵絶対角| θ** |より小さい場合は
(|θ |<| θ** |、即ち、S22の判定がYE
S)、S23に進む。そして、S23において、実際の
操舵角θを目標操舵角θ*として設定し(θ*=θ)、
出力する。
【0083】一方、暫定目標操舵角θ**の方が現在の
操舵角θよりも中立位置に近い場合、即ち、操舵絶対角
| θ |が、暫定目標操舵絶対角| θ** |以上の場合は
(|θ |≧| θ** |、即ち、S22の判定がNO)
は、S24に進む。そして、S24において、暫定目標
操舵角θ**を目標操舵角θ*として設定し(θ*=θ
**)、出力する。
【0084】次に、図4に示すように、減算器90で
は、前記目標操舵角θ*と操舵角θから、その偏差(以
下、「操舵角偏差」という。)Δθを算出し、目標操舵
角速度設定部87に出力する。目標操舵角速度設定部8
7は、前記操舵角偏差Δθと、車速Vを入力し、ROM
22に予め格納された目標操舵角速度設定マップに基づ
いて、目標操舵角速度Q*を求め、減算器91に出力す
る。前記目標操舵角速度設定マップは、操舵角偏差Δθ
と、車速Vと、目標操舵角速度Q*からなる三次元マッ
プであり、操舵角偏差Δθと、車速Vに応じて目標操舵
角速度Q*が決定される。なお、本明細書では、以下、
大文字Qは、角速度の意味で使用する。
【0085】そして、減算器91には、前記目標操舵角
速度Q*と、操舵角速度Qとが入力される。そして、減
算器91はその偏差(以下、「操舵角速度偏差」とい
う。)ΔQを算出し、目標収斂電流設定部88に出力す
る。
【0086】目標収斂電流設定部88は、第1〜第3収
斂電流設定部96〜98、積分器99、微分器100、
及び加算器108とを備えている。第1収斂電流設定部
96には、車速Vと、前記操舵角速度偏差ΔQが入力さ
れる。第1収斂電流設定部96は、ROM22に予め格
納された第1収斂電流設定マップを使用して、第1収斂
電流Ihd1*を算出し、加算器108に出力する。第
1収斂電流設定マップは、操舵角速度偏差ΔQと、車速
Vと、第1収斂電流Ihd1*からなる三次元マップで
ある。
【0087】そして、同マップにより、車速Vと操舵角
速度偏差ΔQに応じて、同操舵角速度偏差ΔQに比例し
た第1収斂電流Ihd1*が設定される。即ち、第1収
斂電流Ihd1*は、第1収斂電流設定部96により所
謂比例制御(以下、P制御という。)にて加算器108
に出力される。
【0088】第2収斂電流設定部97には、車速Vと、
積分器99で操舵角速度偏差ΔQを積分して得た操舵角
速度偏差積分値sum_ΔQとが入力される。第2収斂電流
設定部97は、ROM22に予め格納された第2収斂電
流設定マップを使用して、第2収斂電流Ihd2*を算
出し、加算器108に出力する。第2収斂電流設定マッ
プは、操舵角速度偏差積分値sum_ΔQと、車速Vと、第
2収斂電流Ihd2*とからなる三次元マップである。
そして、同マップにより、車速Vと操舵角速度偏差積分
値sum_ΔQに応じて、同操舵角速度偏差積分値sum_ΔQ
に比例した第2収斂電流Ihd2*が設定される。即
ち、第2収斂電流Ihd2*は、積分器99及び第2収
斂電流設定部97とにより、所謂積分制御(以下、I制
御という。)にて加算器108に出力される。
【0089】第3収斂電流設定部98には、車速Vと、
微分器100で操舵角速度偏差ΔQを微分して得た操舵
角速度偏差微分値d_ΔQとが入力される。第3収斂電流
設定部98は、ROM22に予め格納された第3収斂電
流設定マップを使用して、第3収斂電流Ihd3*を算
出し、加算器108に出力する。第3収斂電流設定マッ
プは、操舵角速度偏差微分値d_ΔQと、車速Vと、第3
収斂電流Ihd3*とからなる三次元マップである。そ
して、同マップにより、車速Vと操舵角速度偏差微分値
d_ΔQに応じて、同操舵角速度偏差微分値d_ΔQに比例
した第3収斂電流Ihd3*が設定される。即ち、第3
収斂電流Ihd3*は、微分器100及び第3収斂電流
設定部98とにより、所謂微分制御(以下、D制御とい
う。)にて加算器108に出力される。
【0090】そして、加算器108は、前記第1〜第3
収斂電流Ihd1*〜Ihd3*を加算して算出される
目標収斂電流Ihd*を、図2に示すように、乗算器8
3に出力する。
【0091】従って、本実施形態においては、操舵角θ
及び車速Vに応じて目標操舵角θ*を設定し、目標操舵
角θ*と操舵角θの偏差(操舵角偏差Δθ)及び車速V
により、目標操舵角速度Q*を設定し、目標操舵角速度
Q*と操舵角速度Qの偏差(操舵角速度偏差ΔQ)及び
車速Vにより、目標収斂電流Ihd*を制御(以下、こ
の制御を収斂制御という。)する。
【0092】(手放し判定)次に、手放し判定部82に
ついて説明する。手放し判定部82にはトルクセンサ4
から検出され、位相補償器30にて位相補償された操舵
トルクThが入力される。又、図9に示すように、手放
し判定部82は、手放し判定マップを備えている。そし
て、このマップを使用して、操舵トルクThが0近傍の
とき、即ち、ステアリングホイール1に手を軽く触れて
いる程度、又は手放ししている状態のときには、「1」
を乗算器83に出力する。一方、操舵トルクThが、|
Th|>X(Xは定数)のように、ある値X以上になる
と、「0」を乗算器83に出力する。
【0093】図2に示すように、乗算器83は、収斂制
御部81からの目標収斂電流Ihd*と手放し判定部8
2から出力される「1」又は「0」の出力信号を入力
し、乗算する。そして、前記手放し判定部82からの出
力信号が「1」であった場合は、前記目標収斂電流Ih
d*を加算器39に出力する。一方、手放し判定部82
からの出力信号が「0」であった場合は、「0」という
信号を加算器39に出力する。
【0094】(収斂制御のフローチャート)次に、CP
U21が前記収斂制御において実行する一連の処理のフ
ローチャートについて図7及び図8に従って簡潔に説明
する。なお、このフローチャートは、収斂制御部81及
び手放し判定部82にて設定された目標収斂電流Idh
*が、加算器39に出力されるまでの処理である。
【0095】S101において、車速センサ16から検
出した車速Vを演算し、S102において、操舵角セン
サ17の検出信号に基づいて操舵角θを演算する。次の
S103では車速V、操舵角θに基づき目標操舵角θ*
を求める(目標操舵角設定部86の処理)。
【0096】次に、S104において、S103で求め
た目標操舵角θ*とS102で求めた操舵角θとの操舵
角偏差Δθ(=θ*−θ)を演算する(減算器90の処
理)。そして、S105で車速V、操舵角偏差Δθに基
づいて目標操舵角速度Q*を演算する(目標操舵角速度
設定部87の処理)。
【0097】S106では、目標操舵角速度Q*と操舵
角速度Qとの操舵角速度偏差ΔQ(=Q*−Q)を求め
る(減算器91の処理)。そして、S107〜S112
にて目標収斂電流Ihd*を設定する。なお、このS1
07〜S112は目標収斂電流設定部88の処理に相当
する。
【0098】S107では、操舵角速度偏差ΔQと車速
Vに基づいて、P制御を行い、P制御による第1収斂電
流Ihd1*を演算する(第1収斂電流設定部96の処
理)。
【0099】S108では、前回制御サイクル時におけ
る操舵角速度偏差ΔQの積分値(即ち操舵角速度偏差積
分値)sum_ΔQに対してΔQ×tを加算して、今回制御
サイクル時の操舵角速度偏差積分値sum_ΔQとして更新
する。すなわち、積分処理を行う(積分器99の処
理)。なお、tは演算周期(すなわち、この制御フロー
の制御周期)である。
【0100】S109では前記S108で得た今回制御
サイクル時における操舵角速度偏差積分値sum_ΔQと車
速Vに基づいて、I制御を行い、I制御による第2収斂
電流Ihd2*を演算する(第2収斂電流設定部97の
処理)。
【0101】S110では、操舵角速度偏差ΔQの微分
値(即ち、操舵角速度偏差微分値)d_ΔQ=(ΔQ−pr
e_ΔQ)/tを演算する。なお、ΔQは、今回制御サイ
クル時の値、pre_ΔQは前回制御サイクル時の値であ
る。
【0102】そして、今回制御サイクル時のΔQを、前
回制御サイクル時のpre_ΔQとして更新する(微分器1
00の処理)。そして、S111で、操舵角速度偏差微
分値d_ΔQと車速Vに基づいてD制御を行い、D制御に
よる第3収斂電流Ihd3*を演算する(第3収斂電流
設定部98の処理)。
【0103】S112でPID制御を合成した目標収斂
電流Ihd*(=Ihd1* +Ihd2* +Ihd
3*)を求める(加算器108の処理)。S113では
操舵トルクThにより、手放し判定を行い、ゲイン(即
ち、「0」或いは「1」の値)ηを演算する(手放し判
定部82の処理)。このとき、手放ししていると判定し
た場合には、ゲインηは「1」、そうでない場合(すな
わち、保舵又は操舵している場合)は、ゲインηは
「0」とする。
【0104】S114では、操舵・保舵中と判定、すな
わち、収斂制御の動作を禁止する場合(ゲインη=0、
乗算器83の処理)、S115でI制御で使用する積分
項(すなわち、S108で更新した今回制御サイクル時
の操舵角速度偏差積分値sum_ΔQ)を0にクリアして再
度収斂制御が有効になった時の積分項による誤動作を防
止する。図4においては、操舵角速度偏差積分値sum_Δ
Q)を0にクリアすることは、積分器99に対して手放
し判定部82からリセット信号を入力することにより、
行われる。
【0105】S116では、手放し判定で得られたゲイ
ンη(=「1」)で、S112で求めた目標収斂電流I
hd*を補正して最終的な目標収斂電流Ihd*を求め
る。すなわち、操舵・保舵中は目標収斂電流Ihd*が
0に補正されて収斂制御が禁止される。手放しの場合に
は、収斂制御される。
【0106】図2に示すように、加算器39は、乗算器
83からの乗算の結果(即ち、目標収斂電流Ihd*又
は「0」の出力信号)と電流指令値演算部31からのア
シスト電流指令値Iを入力し、加算して、PI制御部4
0に出力する。
【0107】ここで、ステアリングホイール1が操舵又
は保舵されており、所定の操舵トルクThが検出されて
いる場合は、手放し判定部82からは「0」の出力信号
が出力される。このため、前記加算器39からは、アシ
スト電流指令値Iがモータ電流指令値としてPI制御部
40に出力される。
【0108】一方、ステアリングホイール1に手を軽く
触れている程度、又は手放ししている状態の場合には、
操舵トルクThが電流指令値演算部31に入力されな
い、又、入力されても微少な値となる。このため、アシ
スト電流指令値Iは、加算器39に入力されない。又、
入力されたとしても僅かな値である。従って、このと
き、PI制御部40には、アシスト電流指令値Iに目標
収斂電流Ihd*が加算されてモータ電流指令値として
出力される。
【0109】その後、PI制御部40及びPWM演算部
38を介して、モータ電流指令値に基づいてCPU21
は、モータ6を駆動制御する。従って、たとえ走行中に
ステアリングホイール1をある操舵角だけ操舵した状態
で手放ししても、収斂制御により高速から低速まで常に
安定的に設定された操舵角速度で、設定された操舵角ま
でステアリングホイール1を収斂させることができる。
【0110】上記実施形態の電動パワーステアリング装
置の制御装置20によれば、以下のような効果を得るこ
とができる。 (1) 本実施形態においては、CPU21は、目標操
舵角設定手段として、操舵角θ及び車速Vに基づいてス
テアリングホイール1(ハンドル)を中立位置へ戻すた
めの目標操舵角θ*を設定するようにした。又、CPU
21は、目標操舵角速度設定手段として、目標操舵角θ
*と操舵角θの偏差Δθ及び車速Vに応じて理想的な目
標操舵角速度Q*を設定するようにした。さらに、CP
U21は、目標収斂電流設定手段として、目標操舵角速
度Q*と操舵角速度Q(実操舵角速度)の偏差ΔQ(操
舵角速度偏差、以下同じ)に基づいて目標収斂電流Ih
d*を設定するようにした。
【0111】この結果、仮に、操舵角速度Q(実操舵角
速度)が目標操舵角速度Q*よりも小さい場合には、目
標収斂電流Ihd*が増加して操舵角速度が増速するよ
うにアシストする。反対に、操舵角速度Q(実操舵角速
度)が目標操舵角速度Q*よりも大きい場合には、目標
収斂電流Ihd*の極性が反転して操舵角速度が減速す
る方向に働き、操舵角速度Q(実操舵角速度)が目標操
舵角速度Q*に一致するように制御される。
【0112】すなわち、本制御によれば、戻すべき操舵
角の位置とその時の操舵角速度を同時に制御することが
でき、路面反力等が変わっても目標収斂電流設定部88
で収斂電流を調節する機能が働き、常に安定的に設定さ
れた操舵角速度で設定された操舵角までステアリングホ
イール1を収斂させることができる。
【0113】(2) 本実施形態においては、CPU2
1は、目標操舵角速度設定手段として、車速Vに応じて
目標操舵角速度Q*を設定するようにした。この結果、
車速に応じた目標操舵角速度Q*とすることができ、車
速に対応して上記(1)の作用効果を奏する。
【0114】(3) 本実施形態では、CPU21は、
目標収斂電流設定手段として、目標操舵角速度Q*と操
舵角速度Q(実操舵角速度)の偏差ΔQに基づいて、I
制御を行うことにより目標収斂電流Ihd*を設定する
ようにした。
【0115】この結果、仮にI制御を加えないで目標収
斂電流Ihd*を設定した場合には、目標操舵角速度Q
*と操舵角速度Q(実操舵角速度)に対してオフセット
が生じ、目標操舵角速度Q*にならない場合があるが、
本制御では、このようなことがなく、目標操舵角速度Q
*と操舵角速度Q(実操舵角速度)の偏差ΔQの積分に
対し求めた第2収斂電流Ihd2*を加えることによ
り、目標操舵角速度Q*とすることができる。
【0116】(4) 本実施形態では、CPU21は、
目標収斂電流設定手段として、目標操舵角速度Q*と操
舵角速度Q(実操舵角速度)の偏差ΔQに基づいて、D
制御も行うことにより目標収斂電流Ihd*を設定し、
操舵角速度Q(実操舵角速度)を目標操舵角速度Q*に
すばやく追従するようにした。
【0117】この結果、仮にD制御を加えないで、目標
収斂電流Ihd*を設定した場合には、目標操舵角速度
Q*と操舵角速度Q(実操舵角速度)との間に応答遅れ
が生ずることになる。本制御によればこのようなことが
なく、目標操舵角速度Q*と操舵角速度Q(実操舵角速
度)の偏差ΔQの微分に基づいて求めた第3収斂電流I
hd3*を加えることにより、目標操舵角速度への追従
性が向上する。
【0118】(5) 本実施形態では、CPU21は、
目標収斂電流設定手段として、P制御、I制御、D制御
のいずれにも、車速Vに応じて、第1収斂電流Ihd1
*、第2収斂電流Ihd2*、第3収斂電流Ihd3*
を求めた。
【0119】この結果、車速Vに応じた目標収斂電流I
hd*を得ることができる。 (6) 本実施形態では、目標収斂電流設定部88は、
目標操舵角速度Q*と操舵角速度Q(実操舵角速度)の
偏差ΔQに基づいて目標収斂電流Ihd*をPID制御
により求めるようにした。
【0120】この結果、上記(3)及び(4)の作用効
果を同時に得ることができる。 (7) 本実施形態では、CPU21は、手放し判定手
段として、操舵トルクThに基づいてステアリングホイ
ール1(ハンドル)の手放し判定又は操舵・保舵の判定
を行うようにし、その判定結果に基づいて、目標収斂電
流Ihd*の出力を、有効にし或いは抑制するようにし
た。
【0121】仮に手放し判定を行わない場合には、ステ
アリングホイール1を中立位置方向へ戻そうとする目標
収斂電流Ihd*がアシスト電流指令値Iに加算される
ため、切り込み操舵時もモータ6による補助トルクが低
下し重くなってしまう現象が生ずる。
【0122】しかし、本制御では、切り込み操舵時(手
放し判定で操舵トルクThが、|Th|>Xのようにあ
る値X以上になると)、「0」を乗算器83に出力する
ようにし、目標収斂電流Ihd*の加算を禁止している
ため、モータ6による補助トルクの低下を防止し、操舵
が重くなることはない。反対に、ステアリングホイール
1を軽く触れている程度若しくはステアリングホイール
1を手放ししている場合には、目標収斂電流Ihd*が
働き、ステアリングホイール1を中立位置方向へ所定の
操舵角速度で戻すことができる。
【0123】(8) 本実施形態では、CPU21は、
手放し判定手段として、操舵・保舵の判定をし、目標収
斂電流設定手段の目標収斂電流の出力を抑制する場合
に、I制御により得られた積分項をリセットするように
した。
【0124】仮に、この処理を行わない場合、ステアリ
ングホイール1を手放ししているか否かに関わらず、目
標操舵角速度設定部87で設定された目標操舵角速度Q
*と操舵角速度Q(実操舵角速度)の偏差ΔQに対し、
目標収斂電流設定部88の第2収斂電流設定部97の前
段の積分器99では偏差ΔQが積分されており、手放し
状態であると判定された瞬間に偏差ΔQの積分である第
2収斂電流Ihd2*が過剰に流れてしまい、操舵角速
度Q(実操舵角速度)が目標操舵角速度Q*に一致しな
い現象が生ずることがある。
【0125】本制御によれば、このようなことがなく、
手放し判定状態である判定されている場合のみ、PID
制御における積分項を有効にし、操舵・保舵している場
合には、積分器99に対して手放し判定部82からリセ
ット信号を入力することにより、PID制御における積
分項を0に保つ。
【0126】この結果、操舵・保舵の状態から手放し状
態に移行した場合に目標操舵角速度Q*と操舵角速度Q
(実操舵角速度)が一致するように目標収斂電流Ihd
*を設定することができる。
【0127】(第2実施形態)次に第2実施形態を図1
0及び図11を参照して説明する。なお、第1実施形態
と同一構成又は相当する構成については同一符号を付し
てその説明を省略する。又、本実施形態においても、電
動パワーステアリング装置は第1実施形態と同様のハー
ド構成を備えているものとする。
【0128】図10は、操舵角センサ17からの検出信
号を位相補償部84を介して減算器90に入力している
ところが、第1実施形態と異なっている。すなわち、操
舵角センサ17からの検出信号を位相補償部84におい
て、操舵角速度Qに応じて位相を進ませる位相補償した
後の値を操舵角θとしている。前記位相補償部84は位
相補償手段に相当する。
【0129】詳しく説明すると、位相補償部84は図1
1に示すように微分器70とゲイン乗算部71と、加算
器72とから構成されている。微分器70では、操舵角
センサ17からの操舵角信号を微分して操舵角速度Qを
求め、ゲイン乗算部71では、その操舵角速度Qに予め
設定したゲインTを乗算した値QTを加算器72に出力
する。加算器72は、操舵角信号に対してQTを加算し
て位相を進ませた値(本実施形態では、これを操舵角θ
という。)とし、減算器90に出力する。前記ゲインT
は、予め実験等により得られた値を採用し、予めROM
22に格納されている。
【0130】本実施形態では、CPU21は、第1実施
形態の各手段に相当する他、位相補償手段に相当する。
従って、第2実施形態の電動パワーステアリング装置の
制御装置20によれば、以下のような効果を得ることが
できる。
【0131】(1)本実施形態においては、CPU21
は、位相補償手段として、操舵角センサ17が検出した
検出信号の位相を進めるように位相補償した。そして、
CPU21は、目標操舵角設定手段として、位相補償し
た操舵角θと車速Vに基づいてステアリングホイール1
を中立位置へ戻すための目標操舵角θ*を設定するよう
にした。
【0132】仮に、位相補償を行わない場合、操舵角セ
ンサ17で検出した操舵角信号で制御を行うと、位相遅
れの影響で、所定の操舵角速度で目標操舵角θ*まで収
斂させることができない場合がある。
【0133】本制御によれば、そのようなことはなくな
り、操舵角を操舵角速度で位相補償を行っているため、
所定の操舵角速度で目標操舵角θ*まで収斂することが
できる。
【0134】尚、本発明の実施形態は以下のように変更
してもよい。 ○ 前記各実施形態では、減算器91に入力される実操
舵角速度(操舵角速度Q)は、モータ端子間電圧Vm
と、モータ電流Imからモータ電圧方程式より算出した
が、操舵角センサ17で検出した操舵角θを微分して求
めてもよい。
【0135】○ 前記第1実施形態では、PID制御の
各制御において、車速Vに応じて第1収斂電流Ihd1
*、第2収斂電流Ihd2*、第3収斂電流Ihd3*
を求めたが、各制御のうち、P制御、I制御、D制御の
いずれかの制御のみや、或いは、PI制御、又はPD制
御において、車速Vに応じて各収斂電流を求めるように
してもよい。
【0136】○ 前記第1実施形態では、CPU21は
PID制御を行ったが、図12に示すように、P制御の
みを行ってもよい。図12においては、CPU21(目
標電流設定部88)は、P制御のみを行う目標収斂電流
設定手段となる。なお、符号は、第1実施形態と相当す
る構成については同一符号を付している(以下、同
じ。)。
【0137】○ 又、図13に示すように、CPU21
は、PI制御を行ってもよい。同図において、CPU2
1(目標電流設定部88)は、PI制御を行う目標収斂
電流設定手段となる。
【0138】○ 前記第1実施形態では、CPU21の
手放し判定によって、切り込み操舵時(手放し判定で操
舵トルクThが、|Th|>Xのようにある値X以上に
なると)、「0」を乗算器83に出力するようにし、目
標収斂電流Ihd*の加算を禁止することにより、抑制
した。これに代えて、「0」ではなく、「1」以下のゲ
イン(>0)を目標収斂電流Ihd*に乗算するように
して、その値を小さくすることにより抑制するようにし
てもよい。
【0139】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、所定の操舵角
速度で中立位置方向へハンドルを収斂できるようにな
る。この結果、路面反力等が変わり、ハンドルを中立位
置方向へ戻すための復元力が弱くなって、ハンドルが戻
りにくくても、或いは逆に復元力が強くてハンドルが急
速に中立位置方向へ戻ろうとしても、目標収斂電流設定
手にて所定の操舵角速度で戻るように収斂電流で設定さ
れるため、常に安定的に所定の操舵角速度で所定の操舵
角の位置までハンドルを収斂することができる。
【0140】請求項2の発明によれば、目標操舵角速度
設定手段は、車速に応じた目標操舵角速度を設定するた
め、車速に応じて、常に安定的に所定の操舵角速度で所
定の操舵角の位置までハンドルを収斂することができ
る。
【0141】請求項3の発明によれば、I制御を行わな
いで目標収斂電流を設定した場合に比して、目標操舵角
速度と実操舵角速度に対してオフセットが生じることが
なく、実操舵角を目標操舵角速度にすることができる。
【0142】請求項4の発明によれば、D制御を行わな
いで目標収斂電流を設定した場合に比して、目標操舵角
速度に対する実操舵角速度の応答遅れが生ずることがな
く、目標操舵角速度への追従性が向上する。
【0143】請求項5の発明によれば、車速に応じた目
標収斂電流Ihd*を得ることができる。請求項6の発
明によれば、切り込み操舵時、目標収斂電流を抑制して
いるため、補助トルクの低下を防止し、操舵が重くなる
ことはなく、反対に、ハンドルを軽く触れている程度若
しくは手放ししている場合には、目標収斂電流が働き、
ハンドルを中立位置方向へ所定の操舵角速度で戻すこと
ができる。
【0144】請求項7の発明によれば、操舵・保舵の状
態から手放し状態に移行した場合に目標操舵角速度と実
操舵角速度が一致するように目標収斂電流を設定するこ
とができる。
【0145】請求項8の発明によれば、操舵角を操舵角
速度で位相補償を行っているため、所定の操舵角速度で
目標操舵角θ*まで収斂することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における電動パワーステアリング装置
及び制御装置の概略図。
【図2】 同じく制御装置の機能ブロック図。
【図3】 電流指令値演算部の機能ブロック図。
【図4】 収斂制御部の機能ブロック図。
【図5】 目標操舵角設定部の機能ブロック図。
【図6】 目標操舵角演算ルーチンのフローチャート。
【図7】 収斂制御において実行する処理のフローチャ
ート。
【図8】 同じく収斂制御において実行する処理のフロ
ーチャート。
【図9】 手放し判定部の機能ブロック図。
【図10】他の実施形態の収斂制御部の機能ブロック
図。
【図11】位相補償部の機能ブロック図。
【図12】他の実施形態の収斂制御部のブロック図。
【図13】他の実施形態の収斂制御部のブロック図。
【図14】従来の電動パワーステアリング装置及びその
制御装置の概略図。
【図15】アシスト電流指令値Iの算出の説明図。
【図16】従来の制御装置のCPUの機能ブロック図。
【図17】ハンドル戻し制御器におけるハンドル戻し演
算を行う機能ブロック図。
【図18】ダンパ制御器におけるダンパ電流演算を行う
機能ブロック図。
【図19】ハンドル戻し制御器の機能ブロック図。
【符号の説明】
1…ステアリングホイール、4…トルクセンサ、6…モ
ータ、21…CPU(目標操舵角設定手段、目標操舵角
速度設定手段、目標収斂電流設定手段、手放し判定手
段、位相補償手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 119:00 B62D 119:00 Fターム(参考) 3D032 CC12 DA03 DA15 DA23 DA64 DA65 DC02 DC03 DC17 DD01 DD06 DD10 DD17 EA01 EB04 EB08 EC23 GG01 3D033 CA04 CA13 CA16 CA17 CA24 5H571 AA03 BB06 BB07 CC04 EE02 GG04 HD02 JJ03 JJ04 JJ17 JJ24 JJ25 LL16 LL22 LL23 PP01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵角及び車速に基づいてハンドルを中
    立位置へ戻すための目標操舵角を設定する目標操舵角設
    定手段と、 前記目標操舵角と操舵角の偏差及び車速に基づいて目標
    操舵角速度を設定する目標操舵角速度設定手段と、 前記目標操舵角速度と操舵角速度の偏差に基づいて目標
    収斂電流を設定する目標収斂電流設定手段と、を備え、 前記目標収斂電流設定手段は、前記目標操舵角速度と操
    舵角速度の偏差に基づいて目標収斂電流を設定する際
    に、比例制御、積分制御、微分制御のうち、少なくとも
    比例制御に基づいて目標収斂電流を設定することを特徴
    とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
  2. 【請求項2】 目標操舵角速度設定手段は、車速に応じ
    て補正を行うことにより、目標操舵角速度を設定するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリン
    グ装置の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記目標収斂電流設定手段は、積分制御
    も行うことにより目標収斂電流を設定することを特徴と
    する請求項1又は請求項2に記載の電動パワーステアリ
    ング装置の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記目標収斂電流設定手段は、微分制御
    も行うことにより目標収斂電流を設定することを特徴と
    する請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の
    電動パワーステアリング装置の制御装置。
  5. 【請求項5】 前記目標収斂電流設定手段が行う、比例
    制御、積分制御、微分制御のうち、少なくとも1つの制
    御は、車速に応じて補正を行うことにより、目標操舵角
    速度を設定することを特徴とする請求項1乃至請求項4
    のうちいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装
    置の制御装置。
  6. 【請求項6】 操舵トルクに基づいてハンドルの手放し
    判定又は操舵・保舵の判定を行う手放し判定手段を備
    え、 前記手放し判定手段はその判定結果に基づいて、目標収
    斂電流設定手段の目標収斂電流の出力を、有効にし或い
    は抑制することを特徴とする請求項1乃至請求項5のう
    ちいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置の
    制御装置。
  7. 【請求項7】 前記手放し判定手段が操舵・保舵の判定
    をし、目標収斂電流設定手段の目標収斂電流の出力を抑
    制する場合に、同手放し判定手段は、前記目標収斂電流
    設定手段の積分制御により得られた積分項をリセットす
    ることを特徴とする請求項6に記載の電動パワーステア
    リング装置の制御装置。
  8. 【請求項8】 操舵角の位相を補償する位相補償手段を
    備え、 前記目標操舵角設定手段は、位相補償手段が位相補償し
    た操舵角と車速に基づいてハンドルを中立位置へ戻すた
    めの目標操舵角を設定することを特徴とする請求項1乃
    至請求項7のうちいずれか1項に記載の電動パワーステ
    アリング装置の制御装置。
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