JP2002120644A - 車両用ランプ制御装置 - Google Patents

車両用ランプ制御装置

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JP2002120644A JP2000317616A JP2000317616A JP2002120644A JP 2002120644 A JP2002120644 A JP 2002120644A JP 2000317616 A JP2000317616 A JP 2000317616A JP 2000317616 A JP2000317616 A JP 2000317616A JP 2002120644 A JP2002120644 A JP 2002120644A
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Koji Kajino
浩司 梶野
Katsuyoshi Mizumoto
克芳 水元
Tatsuo Teratani
達夫 寺谷
Yukihiko Umeda
幸彦 梅田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高電圧バッテリにより給電される車両用ラン
プ制御装置において、ランプへの給電異常に対する対応
を向上することができる車両用ランプ制御装置を提供す
る。 【解決手段】 ロービームランプ21,22は、高電圧
バッテリ11からの給電時間がデューティ制御されるこ
とでその給電量が制御される。ロービームランプ21,
22への給電時間のデューティ制御は、CPU(Centra
l Processing Unit )と、フェイルセーフ回路43との
2重系によって行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高電圧化されたバ
ッテリ(以下、「高電圧バッテリ」という)によりラン
プに給電する車両用ランプ制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ユーザによる車両へのオプション
的な電装品の設置、あるいは車両の高性能化に伴い、電
力消耗が大きくなってきていることから、従来のバッテ
リ(乗用車では通常12V電圧を供給)では電力を供給
する能力が不足ぎみとなってきている。また、このよう
な電装品の増加により、電装品とバッテリとを接続する
ハーネスに電流がより多く流れるようになるため、その
発熱への対応を余儀なくされている。
【0003】そこで、こうした問題への対応として、車
両のバッテリを高電圧化(例えば、36V電源など)し
た新しい規格への移行が検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、こうした高
電圧バッテリが採用された場合、現行の12V仕様のラ
ンプを従来の手法で点灯させることはできない。そこ
で、各ランプへの給電時間をデューティ制御することで
当該ランプに供給する電力量を制御する車両用ランプ制
御装置が提案されている。
【0005】こうした装置においては、そのときの制御
態様に応じた好適なランプの点灯制御が望まれている。
特に、現行の12V仕様のランプを高電圧バッテリによ
り給電するため、その給電異常(過大な給電、あるいは
給電不能等)に対する対応の向上が望まれている。
【0006】本発明の第1の目的は、高電圧バッテリに
より給電される車両用ランプ制御装置において、ランプ
への給電異常に対する対応を向上することができる車両
用ランプ制御装置を提供することにある。
【0007】本発明の第2の目的は、高電圧バッテリに
より給電される車両用ランプ制御装置において、運転者
が著しい暗さを感じる状態でのランプへの給電量を好適
に制御することができる車両用ランプ制御装置を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、高電圧バッテリからラ
ンプへの給電時間をデューティ制御することで該ランプ
への給電量を制御する車両用ランプ制御装置において、
前記ランプへの給電時間は、CPU(CentralProcessin
g Unit )とCPU以外の2重系によってデューティ制
御されることを要旨とする。
【0009】請求項2に記載の発明は、高電圧バッテリ
からランプへの給電時間をデューティ制御することで該
ランプへの給電量を制御する車両用ランプ制御装置にお
いて、CPU(Central Processing Unit )からの駆動
信号に応じて前記ランプへの給電時間をデューティ制御
する第1デューティ制御手段と、パルス発振器からのパ
ルス信号に応じて前記ランプへの給電時間をデューティ
制御する第2デューティ制御手段とを備えたことを要旨
とする。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の車両用ランプ制御装置において、前記第1デューティ
制御手段による前記ランプへの給電異常が検出されたと
きに、前記第2デューティ制御手段による該ランプへの
給電に切り替えるデューティ制御切替手段を備えたこと
を要旨とする。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項2又は3
に記載の車両用ランプ制御装置において、始動時には、
前記第1デューティ制御手段による前記ランプへの給電
を停止した状態で前記第2デューティ制御手段による該
ランプへの給電を行い、該第2デューティ制御手段によ
る該ランプへの給電が正常であることを確認した後に該
第1デューティ制御手段による該ランプへの給電に切り
替える始動時デューティ制御切替手段を備えたことを要
旨とする。
【0012】請求項5に記載の発明は、高電圧バッテリ
からランプへの給電時間をデューティ制御することで該
ランプへの給電量を制御する車両用ランプ制御装置にお
いて、前記ランプへの給電時間のデューティ比を制限し
て該ランプへの過大な給電を制限する給電量制限手段を
備えたことを要旨とする。
【0013】請求項6に記載の発明は、高電圧バッテリ
からランプへの給電時間をデューティ制御することで該
ランプへの給電量を制御する車両用ランプ制御装置にお
いて、ワイパースイッチ及び光量増スイッチの少なくと
も一方がオンされているときに、前記ランプへの給電量
を基準量よりも増大補正する給電量補正手段を備えたこ
とを要旨とする。
【0014】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の車両用ランプ制御装置において、前記給電量補正手段
は、前記増大補正された給電量を所定時間経過後におい
て基準量に戻すことを要旨とする。
【0015】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の車両用ランプ制御装置において、前記給電量補正手段
は、前記増大補正された給電量を漸減して基準量に戻す
ことを要旨とする。
【0016】(作用)請求項1に記載の発明によれば、
高電圧バッテリからランプへの給電時間は、CPUとC
PU以外の2重系によってデューティ制御される。従っ
て、例えばCPUの不具合発生時においても上記ランプ
への給電時間のデューティ制御を補完的に行うことがで
き、不具合発生に対する装置の強靱性が向上される。
【0017】請求項2に記載の発明によれば、高電圧バ
ッテリからランプへの給電時間は、CPUによる第1デ
ューティ制御手段と、パルス発振器による第2デューテ
ィ制御手段との2重系によってデューティ制御される。
従って、例えば第1デューティ制御手段(CPU)の不
具合発生時においても上記ランプへの給電時間のデュー
ティ制御を補完的に行うことができ、不具合発生に対す
る装置の強靱性が向上される。
【0018】請求項3に記載の発明によれば、上記第1
デューティ制御手段によるランプへの給電異常が検出さ
れたときに、上記第2デューティ制御手段によるランプ
への給電に切り替えるデューティ制御切替手段を備えて
いる。従って、上記第1デューティ制御手段(CPU)
の不具合発生時には、上記第2デューティ制御手段によ
るランプへの給電時間のデューティ制御に切り替えるこ
とで、不具合発生に対する装置の強靱性が向上される。
【0019】請求項4に記載の発明によれば、始動時に
は、上記第1デューティ制御手段によるランプへの給電
を停止した状態で上記第2デューティ制御手段によるラ
ンプへの給電を行い、同第2デューティ制御手段による
ランプへの給電が正常であることが確認された後に第1
デューティ制御手段によるランプへの給電に切り替えら
れる。このように、始動時において第2デューティ制御
手段によるランプへの給電が正常であることを予め確認
しておくことで、例えば同第2デューティ制御手段によ
るランプへの給電が異常であるときの迅速な対応を促
し、第1及び第2デューティ制御手段に同時に不具合が
発生する状態が回避される。
【0020】請求項5に記載の発明によれば、上記ラン
プへの給電時間のデューティ比を制限して同ランプへの
過大な給電を制限する給電量制限手段を備えている。従
って、意図しないランプへの過大な給電が制限されるこ
とで、同ランプの損傷等は回避される。
【0021】請求項6に記載の発明によれば、ワイパー
スイッチ及び光量増スイッチの少なくとも一方がオンさ
れているときには、ランプへの給電量は基準量よりも増
大補正される。従って、例えば夜間の降雨時等、運転者
が著しい暗さを感じる状態において、ランプの明るさが
好適に確保される。
【0022】請求項7に記載の発明によれば、上記増大
補正された給電量は所定時間経過後において基準量に戻
されるため、同増大補正された給電量がランプに長時間
にわたって供給されてランプの寿命が短くなったりする
ことは回避される。
【0023】請求項8に記載の発明によれば、上記増大
補正された給電量は漸減されて基準量に戻されるため、
同ランプは違和感なく基準の明るさに戻される。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を図1〜図8に従って説明する。図1〜図3は、本
実施形態の電気的構成を示す回路図であり、特に図1及
び図2は主としてその入力側及び出力側をそれぞれ示し
ている。同図に示されるように、この車両用ランプ制御
装置は、例えば36Vの高電圧バッテリ11及び12V
のバッテリ12に接続されており、ライトコントロール
スイッチ13、ディマースイッチ14、DRL(Daytim
e Runnning Light)スイッチ15、フォグスイッチ1
6、光量増スイッチ17、イグニッションスイッチ1
8、ワイパースイッチ19、照度センサ20、これらス
イッチ等に基づき点灯制御される右左各側のロービーム
ランプ21,22、同ハイビームランプ23,24、同
フォグランプ25,26、同ヘッドランプインジケータ
27,28及び制御態様等に応じてこれらランプの制御
を行うコントローラ30を備えている。
【0025】上記ライトコントロールスイッチ13は、
運転者等の操作によりヘッドライト(ロービームランプ
21,22及びハイビームランプ23,24)を点灯又
は消灯するためのスイッチである。また、上記ディマー
スイッチ14は、特にハイビームランプ23,24を点
灯又は消灯するためのスイッチである。
【0026】上記DRLスイッチ15は、運転者等の操
作によりカナダの法規制に対応して昼間に前照灯(ロー
ビームランプ21,22)を基準の80%程度の明るさ
で点灯させるためのスイッチである。
【0027】上記光量増スイッチ17は、運転者等の操
作により特に暗さの著しい状態において選択されている
ランプ21〜26を、例えば基準の120%程度の明る
さで点灯させるためのスイッチである。
【0028】上記照度センサ20は、例えば車両のイン
ストルメントパネル(図示略)の上部に設置されてお
り、周囲の明るさを検出する。上記ランプ21〜26
は、高電圧バッテリ11に接続されて給電されるが、現
行の12V仕様のランプが採用されている。上記ヘッド
ランプインジケータ27,28は、例えばコンビネーシ
ョンメータに組み込まれており、それぞれ後述するロー
ビームランプ21,22への給電異常が検出されること
で点灯制御される。
【0029】上記コントローラ30は、CPU(Centra
l Processing Unit )31、入力インターフェース3
2、イグニッションスイッチ18のオン・オフ状態を検
出するイグニッションスイッチ入力回路部33、基準電
源34、ウォッチドッグタイマ35、リセット回路3
6、電圧検出回路部37、給電量制限手段を構成する出
力部40a〜40f、スイッチングトランジスタT1〜
T6、電流検出回路部41,42及びパルス発振器を構
成するフェイルセーフ回路43等により構成されてい
る。
【0030】上記イグニッションスイッチ入力回路部3
3はCPU31に接続されており、同CPU31にはイ
グニッションスイッチ18のオン状態に対応してH(ハ
イ)レベルとなるイグニッションスイッチ信号IGが入
力されている。このイグニッションスイッチ信号IG
は、上記フェイルセーフ回路43にも入力されている。
【0031】上記基準電源34は、例えば5Vの基準電
圧Vccを生成してCPU31等に給電する。上記ウォ
ッチドッグタイマ35は、CPU31に接続されて同C
PU31からのランパルス信号を監視する。このランパ
ルス信号は、CPU31が正常に動作しているときに出
力される信号であって、ウォッチドッグタイマ35は、
このランパルス信号を監視することでCPU31の診断
を行っている。そして、ウォッチドッグタイマ35は、
この診断結果を上記リセット回路36に出力している。
リセット回路36は、この診断において異常が検出され
たときに、CPU31をリセットする。
【0032】上記電圧検出回路部37は、一方端が上記
高電圧バッテリ11に接続された第1抵抗Rf1と、同
第1抵抗Rf1に直列接続され、一方端の接地された第
2抵抗Rf2を有し、これら第1及び第2抵抗Rf1,
Rf2の接続端はCPU31に接続されている。CPU
31は、この電圧検出回路部37の上記第1及び第2抵
抗Rf1,Rf2に基づく高電圧バッテリ11の分圧が
入力されることで同高電圧バッテリ11の実際の電圧値
を演算する。
【0033】上記ライトコントロールスイッチ13、デ
ィマースイッチ14、DRLスイッチ15、フォグスイ
ッチ16、光量増スイッチ17及びワイパースイッチ1
9は、上記入力インターフェース32を介してCPU3
1に接続されており、同CPU31にはこれらスイッチ
の操作状態等が入力されている。特に、ライトコントロ
ールスイッチ13からは、そのオン状態に対応してHレ
ベルとなるヘッドスイッチ信号HEADがCPU31に
入力されている。このヘッドスイッチ信号HEADは、
上記フェイルセーフ回路43にも入力されている。
【0034】図2に示されるように、上記各出力部40
a〜40fはそれぞれNOR回路46及びMMV(単安
定マルチバイブレータ)47を有している。そして、各
NOR回路46の一方の入力端子はCPU31に直接接
続されており、同他方の入力端子はMMV47を介して
CPU31に接続されている。また、各NOR回路46
の出力端子は対応するスイッチングトランジスタT1〜
T6のゲートに接続されている。
【0035】本実施形態では、高電圧バッテリ11から
ランプ21〜26に互いに異なるタイミングで順次、周
期的に給電するようになっており、通常は同ランプ21
〜26への給電時間をPWM制御(デューティ制御)す
ることでその給電量、すなわちランプ21〜26の明る
さを制御する。そして、CPU31は、ランプ21〜2
6への所要の給電時間に対応するL(ロー)レベルの時
間幅を有する信号を所要のタイミングで各出力部40a
〜40fに選択的に出力するようになっている。
【0036】従って、ランプ21〜26への給電時、各
NOR回路46の一方の入力端子には所要の給電時間の
Lレベルの幅を有する信号が入力される。一方、上記M
MV47は、CPU31からの上記信号のHレベルから
Lレベルへの立ち下がりに同期して所定時間(例えば、
3[ms])のLレベルの時間幅を有するパルス信号を
生成する。従って、ランプ21〜26への給電時、各N
OR回路46の他方の入力端子には上記所定時間のLレ
ベルの幅を有する信号が入力される。この時間(3[m
s])は、CPU31によって制御(PWM制御)され
るランプ21〜26への給電時間に比べて長く、且つ、
同ランプ21〜26に対して過大に給電されることのな
い好適な値に設定されている。
【0037】各NOR回路46の出力端子からは、その
一方及び他方の入力端子にともにLレベルの信号が入力
された状態のときに当該スイッチングトランジスタT1
〜T6のゲートにHレベルの信号が出力される。換言す
ると、各NOR回路46の出力端子からは、その一方及
び他方の入力端子に入力される各信号のうち、そのLレ
ベルの時間幅の小さい方の信号、通常はCPU31によ
ってPWM制御される信号が反転した状態で当該スイッ
チングトランジスタT1〜T6のゲートに出力される。
【0038】上記各スイッチングトランジスタT1〜T
6のドレインは、それぞれランプ21〜26に接続され
ており、同ランプ21〜26は高電圧バッテリ11のプ
ラス極に接続されている。また、右側のランプ21,2
3,25に対応する各スイッチングトランジスタT1,
T3,T5のソースは、一括されて一方の電流検出回路
部41に接続されており、同電流検出回路部41を介し
て接地されている。左側のランプ22,24,26に対
応する各スイッチングトランジスタT2,T4,T6の
ソースは、一括されて他方の電流検出回路部42に接続
されており、同電流検出回路部42を介して接地されて
いる。従って、出力部40a〜40fを介してCPU3
1から所要のスイッチングトランジスタT1〜T6のゲ
ートにHレベルの信号が出力されると、当該トランジス
タT1〜T6はオン状態となって対応するランプ21〜
26に電流が流れ、同ランプ21〜26に給電される。
【0039】なお、スイッチングトランジスタT1〜T
6のゲートに出力されるHレベルの信号は、既述のよう
にNOR回路46の一方及び他方の入力端子に入力され
る各信号のうち、そのLレベルの時間幅の小さい方の信
号が反転されて生成される。このため、図3に併せ示さ
れるように、CPU31の不具合などで出力部40a〜
40fに過大なLレベルの時間幅を有する信号が入力さ
れても、スイッチングトランジスタT1〜T6のゲート
に出力される信号のHレベルの時間幅は出力部(NOR
回路46及びMMV47)によって規制されるため、当
該トランジスタT1〜T6のオン時間(デューティ比)
は制限されて上記ランプ21〜26への過大な給電は防
止されている。
【0040】上記電流検出回路部41,42は、それぞ
れコンパレータ51、MMV52及び抵抗Rを備えてい
る。そして、右側のランプ21,23,25に対応する
各スイッチングトランジスタT1,T3,T5のソース
は電流検出回路部41の抵抗Rを介して接地されてお
り、左側のランプ22,24,26に対応する各スイッ
チングトランジスタT2,T4,T6のソースは電流検
出回路部42の抵抗Rを介して接地されている。
【0041】また、これら抵抗Rの上記ソース側は、そ
れぞれ対応するコンパレータ51の+入力端子に接続さ
れている。そして、各コンパレータ51の−入力端子は
CPU31に接続されて所定の判定基準電圧が入力され
ている。従って、各コンパレータ51の出力端子から
は、抵抗Rの上記ソース側の電圧が判定基準電圧よりも
大きいか否かを示す2値信号が出力される。
【0042】ここで、右側のランプ21,23,25若
しくは左側のランプ22,24,26を一括して流れる
各電流が対応する電流検出回路部41,42の抵抗Rを
流れると、そのソース側に電圧を発生する。これら電圧
がそれぞれコンパレータ51及びMMV52を介してC
PU31に入力されることで、同電圧、すなわち右側の
ランプ21,23,25若しくは左側のランプ22,2
4,26を一括して流れる各電流(ランプ電流)が2値
化された電圧値としてそれぞれ検出される。
【0043】なお、各MMV52は、コンパレータ51
の出力端子からの信号のHレベルからLレベルへの立ち
下がりに同期して所定時間(例えば、3[ms])のL
レベルの時間幅を有するパルス信号を生成する。従っ
て、各コンパレータ51の出力端子からの上記2値信号
は、このMMV52を介することで、一定のLレベルの
時間幅を有するパルス信号としてCPU31に入力され
る。以上により、例えば各コンパレータ51の出力端子
からの上記2値信号が短周期的に変動しても、MMV5
2によって一定のLレベルの時間幅を有するパルス信号
に変換されるため、CPU31に影響を及ぼすことはな
い。
【0044】次に、上記フェイルセーフ回路43につい
て、図3を併せ参照して説明する。このフェイルセーフ
回路43は、大きくはパルス信号生成部61、出力部6
2a,62b及びスイッチングトランジスタ63a,6
3bを備えている。
【0045】上記パルス信号生成部61は、ロービーム
ランプ21,22に対して個別に設けられたレベルシフ
ト回路64、MMV65、パルス生成回路66及びAN
D回路67,68,69を備えている(図3において
は、便宜的にロービームランプ21に対してのみ図
示)。レベルシフト回路64は、各ロービームランプ2
1,22と対応するスイッチングトランジスタT1,T
2のドレインとの間にそれぞれ接続されている。このレ
ベルシフト回路64は、各ロービームランプ21,22
の非通電時において、例えば36Vの電圧を5Vの基準
電圧に変換し、Hレベルの信号としてMMV65に出力
する。また、レベルシフト回路64は、各ロービームラ
ンプ21,22の通電時において電圧降下した電圧をL
レベルの信号としてMMV65に出力する。
【0046】上記MMV65は、レベルシフト回路64
からの信号のHレベルからLレベルへの立ち下がりに同
期して所定時間(例えば、40〜100[ms])のL
レベルの時間幅を有するパルス信号を生成する。この時
間(40〜100[ms])は、ロービームランプ2
1,22に対する通常の給電周期に対して十分に長く設
定されている。従って、ロービームランプ21,22に
対して正常な通電が行われると、MMV65はその給電
周期を通してLレベルの信号を生成する。
【0047】上記AND回路67の一方の入力端子はM
MV65に接続されており、同他方の入力端子は上記パ
ルス生成回路66に接続されている。このパルス生成回
路66は、各ロービームランプ21,22への給電周期
と同等の周期にて所定時間(例えば、3[ms])のL
レベルの時間幅を有するパルス信号を生成する。従っ
て、ロービームランプ21,22の非通電時には、MM
V65からHレベルの信号がAND回路67の一方の入
力端子に入力されるため、パルス生成回路66において
生成された信号がそのままその出力端子から出力され
る。また、ロービームランプ21,22の通電時には、
その給電周期を通してMMV65からLレベルの信号が
AND回路67の一方の端子に入力されるため、常にL
レベルの信号がその出力端子から出力される。
【0048】一方、AND回路68の一方及び他方の入
力端子には、それぞれCPU31へと入力される前記ラ
イトコントロールスイッチ13及びイグニッションスイ
ッチ18からの各信号(イグニッションスイッチ信号I
G及びヘッドスイッチ信号HEAD)が分岐・入力され
ている(図1及び図2参照)。従って、このAND回路
68の出力端子からは、上記ライトコントロールスイッ
チ13及びイグニッションスイッチ18がともにオンさ
れているときにのみHレベルの信号が出力される。
【0049】上記AND回路69の一方及び他方の入力
端子には、それぞれ上記AND回路67,68の各出力
端子が接続されており、その出力端子は前記出力部62
a,62bに接続されている。従って、このAND回路
69の出力端子からは、上記ライトコントロールスイッ
チ13及びイグニッションスイッチ18がともにオンさ
れており、且つ、当該ロービームランプ21,22への
非通電時においてのみ、パルス生成回路66において生
成された信号がそのまま対応する出力部62a,62b
に出力される。
【0050】図3に示されるように、上記出力部62
a,62bは、それぞれNOR回路71及びMMV72
を有している。そして、NOR回路71の一方の入力端
子は上記AND回路69の出力端子に直接接続されてお
り、同他方の入力端子はMMV72を介して同AND回
路69の出力端子に接続されている。MMV72は、上
記AND回路69の出力端子からの信号のHレベルから
Lレベルへの立ち下がりに同期して所定時間(例えば、
3[ms])のLレベルの時間幅を有するパルス信号を
生成する。
【0051】上記NOR回路71の出力端子は対応する
スイッチングトランジスタ63a,63bのゲートに接
続されている。そして、各スイッチングトランジスタ6
3a,63bのドレインは、各ロービームランプ21,
22と対応するスイッチングトランジスタT1,T2の
ドレインとの間に接続されており、そのソースは接地さ
れている。
【0052】従って、上記ライトコントロールスイッチ
13及びイグニッションスイッチ18がともにオンされ
ており、且つ、当該ロービームランプ21,22への非
通電時においては、上記NOR回路71の一方及び他方
の入力端子に入力される各信号のうちそのLレベルの時
間の幅が小さい方の信号が反転した状態で当該スイッチ
ングトランジスタ63a,63bのゲートに出力され
る。従って、例えば通常の給電経路に異常(例えば、C
PU31の異常、スイッチングトランジスタT1,T2
の損傷など)が発生した場合には、通常はパルス生成回
路66において生成された信号が反転した状態で当該ス
イッチングトランジスタ63a,63bのゲートに出力
される。これにより、このスイッチングトランジスタ6
3a,63bのゲートに出力される信号がHレベルにな
るときに同スイッチングトランジスタ63a,63bは
オンされ、対応するロービームランプ21,22が給電
されて点灯する。このように、各ロービームランプ2
1,22に対して補完的な給電経路を設けたのは、その
通常の給電経路に異常(例えば、CPU31の異常、ス
イッチングトランジスタT1,T2の損傷など)が発生
した場合においても、同ロービームランプ21,22の
意図しない消灯を回避するためである。
【0053】なお、スイッチングトランジスタ63a,
63bのゲートに出力されるHレベルの信号は、NOR
回路71の一方及び他方の入力端子に入力される各信号
のうち、そのLレベルの時間幅の小さい方の信号が反転
されて生成されるようになっている。このため、図3に
示されるように、パルス信号生成部61の不具合などに
よりAND回路69から過剰なLレベルの時間幅を有す
る信号が出力されても、スイッチングトランジスタ63
a,63bへの出力信号のHレベルの時間幅は出力部
(NOR回路71及びMMV72)によって規制される
ため、当該トランジスタ63a,63bのオン時間(デ
ューティ比)は制限され、上記ロービームランプ21,
22への過大な給電は防止される。
【0054】ちなみに、上記NOR回路71の出力端子
は、CPU31にも接続されており、その出力信号がC
PU31により監視されている。これは、少なくともC
PU31が正常である場合においてフェイルセーフ回路
43のみによるロービームランプ21,22への給電が
正常であることを確認するためである。
【0055】上記ヘッドランプインジケータ27,28
の一方端はそれぞれスイッチ73,74を介して高電圧
バッテリ11に接続されており、同他方端は接地されて
いる。これらヘッドランプインジケータ27,28は、
後述するロービームランプ21,22への給電異常が検
出されると、CPU31からの駆動信号によって当該ス
イッチ73,74がオンされて点灯する。
【0056】次に、コントローラ30が実行する処理の
内容とともに、本実施形態に係る車両用ランプ制御装置
の動作について、図4〜図8を参照して説明する。図4
のフローチャートで示すルーチンにおいてCPU31
は、まずステップ101において必要な初期設定を行っ
た後、所定時間ごとの定時割り込みによりステップ10
2以降の処理を繰り返す。
【0057】ステップ102においてCPU31は、イ
ニシャルフラグがオンか否かを判断する。このイニシャ
ルフラグは、後述のイニシャルチェックのサブルーチン
が完了することでオンされるものである。ここで、イニ
シャルフラグがオフと判断されるとCPU31は、ステ
ップ200に移行し、図6に示されるイニシャルチェッ
クのサブルーチンを実行する。また、イニシャルフラグ
がオンと判断されると、CPU31はステップ103に
移行する。
【0058】図6に示されるように、ステップ200の
サブルーチンにおいてCPU31は、まず、ステップ2
01においてイグニッションスイッチ18がオンか否か
を判断する。そして、イグニッションスイッチ18がオ
フであると判断されるとCPU31は、イニシャルチェ
ックのサブルーチンを終了してステップ103に移行す
る。一方、イグニッションスイッチ18がオンであると
判断されるとCPU31は、ステップ202に移行す
る。
【0059】ステップ202においてCPU31は、ラ
イトコントロールスイッチ13がオンか否かを判断す
る。そして、ライトコントロールスイッチ13がオフで
あると判断されるとCPU31は、イニシャルチェック
のサブルーチンを終了してステップ103に移行する。
一方、ライトコントロールスイッチ13がオンであると
判断されるとCPU31は、ステップ203に移行す
る。
【0060】ステップ203においてCPU31は、ロ
ービームランプ21,22(出力部40a,40b)に
対する駆動信号の出力を停止する。このとき、前記フェ
イルセーフ回路43のパルス信号生成部61(AND回
路67の一方の入力端子)に常にHレベルの信号が入力
されるため、各出力部62a,62b(NOR回路7
1)から前記パルス生成回路66において生成されたパ
ルス信号が反転した状態で当該スイッチングトランジス
タ63a,63bにそれぞれ出力されるのは既述のとお
りである。
【0061】次いで、CPU31はステップ204に移
行して、上記フェイルセーフ回路43のパルスチェック
を行う。既述のように、各出力部62a,62b(NO
R回路71)からの信号はCPU31にも出力されてお
り、これら信号をチェックすることで各ロービームラン
プ21,22に対するフェイルセーフ回路43の給電状
態をチェックする。
【0062】次いで、CPU31は、ステップ205に
移行して、上記チェックされたパルスが正常か否かを判
断する。具体的には、各出力部62a,62bから出力
された信号(パルス信号)のHレベルの時間幅、或いは
周期等をそれぞれ規定値と比較して正常か否かを判断す
る。
【0063】ここで、上記チェックされたパルスが正常
であると判断されるとCPU31は、ステップ206に
移行してCPU出力に切り替える。具体的には、図6に
併せ示されるように、CPU31は、切替開始時におい
て同期をとるための短パルス(例えば、通常の20分の
1程度のHレベルの時間幅を有する信号がスイッチング
トランジスタT1,T2に出力されるパルス信号)を出
力する。この短パルスは、ロービームランプ21,22
への給電において同ランプ21,22に損傷を与えるこ
とのないものである。そして、この短パルスのタイミン
グを起点として、CPU31によるランプ21〜26へ
の所要のタイミング及び給電時間でのPWM制御に移行
する。
【0064】一方、ステップ205において、チェック
されたパルスが異常であると判断されるとCPU31
は、ステップ207に移行してこの診断結果をダイアグ
に記憶するとともに、当該ヘッドランプインジケータ2
7,28を点灯する。具体的には、CPU31は、異常
が検出されたロービームランプ21,22に対応する前
記スイッチ73,74に駆動信号を出力して当該ヘッド
ランプインジケータ27,28を点灯する。
【0065】ステップ206若しくは207の処理を行
ったCPU31は、ステップ208に移行してイニシャ
ルフラグをオンし、イニシャルチェックのサブルーチン
を終了してステップ103に移行する。
【0066】ステップ103においてCPU31は、イ
グニッションスイッチ18がオンか否かを判断する。こ
こで、イグニッションスイッチ18がオンであると判断
されると、CPU31はステップ104に移行し、ライ
トコントロールスイッチ13がオンか否かを判断する。
そして、ライトコントロールスイッチ13がオフである
と判断されると、CPU31はステップ105に移行す
る。
【0067】ステップ105においてCPU31は、D
RLスイッチ15がオンか否かを判断する。ここで、D
RLスイッチ15がオフであると判断されるとCPU3
1は、そのままステップ102に戻る。また、DRLス
イッチ15がオンであると判断されるとCPU31は、
ステップ106に移行してヘッドフラグをオンするとと
もに、PWM補正係数を値「0.8」に設定し、更に後
述するステップ300のランプ点灯処理のサブルーチン
を実行した後、ステップ102の処理に戻る。なお、ヘ
ッドフラグはロービームランプ21,22を点灯させる
ときにオンに設定されるものである。また、PWM補正
係数は、ランプへの給電時間の基準値に乗ずることで実
際の給電時間、すなわちランプへの給電量を増減補正す
るものである。
【0068】一方、ステップ104においてライトコン
トロールスイッチ13がオンであると判断されると、C
PU31は図5のステップ121に移行する。そして、
前記電圧検出回路部37において検出された高電圧バッ
テリ11の電圧を読み込み、ステップ122に移行す
る。そして、ステップ122においてCPU31は、上
記高電圧バッテリ11の電圧に基づきPWM補正係数の
算出に供せられる電圧補正係数を演算する。図7に示さ
れるように、この電圧補正係数は高電圧バッテリ11の
電圧が小さくなるほど大きくなるように設定されてい
る。これは、高電圧バッテリ11の電圧低下に伴うラン
プへの給電量の低下を補うため、その分、同ランプへの
給電時間を長く(PWM補正係数を大きく)設定するた
めである。
【0069】その後、ステップ123に移行してCPU
31は、ヘッドフラグをオンして更にステップ124に
移行する。ステップ124においてCPU31は、前記
光量増スイッチ17がオンか否かを判断する。ここで、
光量増スイッチ17がオフであると判断されるとCPU
31は、更にステップ125に移行してワイパースイッ
チ19がオンか否かを判断する。そして、ワイパースイ
ッチ19がオフであると判断されるとCPU31は、更
にステップ127に移行する。一方、ステップ124に
おいて光量増スイッチ17がオンであると判断され、若
しくはステップ125においてワイパースイッチ19が
オンであると判断されるとCPU31は、ステップ12
6において光量増フラグをオンした後に、ステップ12
7に移行する。
【0070】ステップ127においてCPU31は、デ
ィマースイッチ14がオンか否かを判断する。ここで、
ディマースイッチ14がオンであると判断されると、C
PU31はステップ128に移行し、ハイフラグをオン
にしてステップ129に移行する。一方、ディマースイ
ッチ14がオフであると判断されると、CPU31はそ
のままステップ129に移行する。なお、ハイフラグは
ハイビームランプ23,24を点灯させるときにオンに
設定されるものである。
【0071】ステップ129においてCPU31は、フ
ォグスイッチ16がオンか否かを判断する。ここで、フ
ォグスイッチ16がオンであると判断されると、CPU
31はステップ130に移行し、フォグフラグをオンに
してステップ131に移行する。一方、フォグスイッチ
16がオフであると判断されると、CPU31はそのま
まステップ131に移行する。なお、フォグフラグはフ
ォグランプ25,26を点灯させるときにオンに設定さ
れるものである。
【0072】ステップ131においてCPU31は、光
量増フラグがオンか否かを判断する。ここで、光量増フ
ラグがオフであると判断されると、CPU31はステッ
プ133に移行し、PWM補正係数を値「1.0」に設
定する。
【0073】一方、光量増フラグがオンであると判断さ
れると、CPU31はステップ132に移行し、光量増
フラグがオンに移行してから所定の設定時間を経過して
いるか否かを判断する。そして、光量増フラグがオンに
移行してから所定の設定時間を経過していないと判断さ
れると、CPU31はステップ134に移行し、PWM
補正係数を値「1.2」に設定する。このような補正
は、光量増スイッチ17若しくはワイパースイッチ19
がオンされている間、例えば夜間の降雨時等、運転者が
著しい暗さを感じる状態において、所定の設定時間を経
過していないことを条件にPWM補正係数を所定値(値
「0.2」)だけ増大し、ランプの明るさをその分確保
するためである。
【0074】ステップ132において光量増フラグがオ
ンに移行してから所定の設定時間を経過していると判断
されると、CPU31はステップ135に移行し、PW
M補正係数の漸減を行う。具体的には、演算の都度に
(時間の経過とともに)このPWM補正係数を値「1.
0」を下限として漸減する。このようなPWM補正係数
の補正は、増大補正されたPWM補正係数に基づきラン
プへの過剰な給電が長時間にわたることで同ランプの寿
命が短くなったりすることを回避するためである。ま
た、PWM補正係数を漸減するのは、上記設定時間の経
過後において同PWM補正係数に基づくランプへの給電
量を徐々に減らし、違和感なくランプを基準の明るさに
戻すためである。
【0075】ステップ133〜135のいずれかの処理
によりPWM補正係数の設定等を行うと、CPU31は
ステップ136に移行し、上記設定等されたPWM補正
係数にステップ122において演算された電圧補正係数
を乗じてこのときのPWM補正係数の値を更新し、更に
ステップ300のランプ点灯処理のサブルーチンを実行
した後、ステップ102の処理に戻る。
【0076】一方、ステップ103においてイグニッシ
ョンスイッチ18がオフであると判断されると、CPU
31はステップ107に移行し、ライトコントロールス
イッチ13がオンか否かを判断する。そして、ライトコ
ントロールスイッチ13がオンであると判断されると、
CPU31はステップ108に移行し、更にディマース
イッチ14がオンか否かを判断する。そして、ディマー
スイッチ14がオフであると判断されると、ステップ1
09に移行してヘッドフラグをオンするとともに、PW
M補正係数を値「1.0」に設定し、更にステップ30
0のランプ点灯処理のサブルーチンを実行した後、ステ
ップ102の処理に戻る。また、ステップ108におい
てディマースイッチ14がオンであると判断されるとC
PU31は、ステップ110に移行してヘッドフラグ及
びハイフラグをオンするとともに、PWM補正係数を値
「1.0」に設定し、更にステップ300のランプ点灯
処理のサブルーチンを実行した後、ステップ102の処
理に戻る。
【0077】また、ステップ107においてライトコン
トロールスイッチ13がオフであると判断されると、C
PU31はそのままステップ102の処理に戻る。次
に、ステップ300のランプ点灯処理のサブルーチンに
ついて、図8を参照して説明する。ステップ300のラ
ンプ点灯処理のサブルーチンに移行したCPU31は、
まずステップ301において基準PWM値にPWM補正
係数を乗じて出力PWMを演算する。この基準PWM値
は、高電圧バッテリ11から選択されたランプ21〜2
6に互いに異なるタイミングで順次、周期的に給電する
ときの同ランプ21〜26への給電時間の基準値であ
る。この基準値に上述のように演算されたPWM補正係
数を乗ずることで、ランプ21〜26への給電時間であ
る出力PWMが算出される。
【0078】出力PWMを算出したCPU31は、ステ
ップ302に移行し、各種オンフラグに基づき所要のラ
ンプにPWMを出力する。すなわち、CPU31は、上
記演算された給電時間(出力PWM)だけ当該ランプの
スイッチングトランジスタT1〜T6がオンされるよう
に駆動信号を出力する。これにより、所要のランプに所
要の給電が行われる。そして、PWMを出力したCPU
31は、ランプ点灯処理のサブルーチンを終了してその
後、ステップ102の処理に戻る。
【0079】以上詳述したように、本実施形態によれ
ば、以下に示す効果が得られるようになる。 (1)本実施形態では、高電圧バッテリ11からロービ
ームランプ21,22への給電量を、CPU31と、フ
ェイルセーフ回路43(パルス生成回路66)との2重
系によってPWM制御(デューティ制御)した。そし
て、CPU31によるロービームランプ21,22への
給電異常が検出されたときに、フェイルセーフ回路43
による同ランプ21,22への給電制御に切り替えるよ
うにした。従って、例えばCPU31の不具合発生時に
おいても上記ランプ21,22への給電を補完的に行う
ことができ、不具合発生に対する装置の強靱性を向上す
ることができる。
【0080】(2)本実施形態では、CPU31による
右左各側のロービームランプ21,22への給電異常を
個別に検出するようにした。そして、いずれかのロービ
ームランプ21,22への給電異常が検出されたとき、
当該ランプ21,22のみへの給電をフェイルセーフ回
路43による給電に切り替えるようにした。従って、C
PU31によるロービームランプ21,22への給電異
常が検出されたときの対応をより厳密に行うことができ
る。
【0081】(3)本実施形態では、イニシャルチェッ
クにおいて、CPU31によるロービームランプ21,
22への給電を停止した状態でフェイルセーフ回路43
(パルス生成回路66)による同ランプ21,22への
給電を行い、同フェイルセーフ回路43によるランプ2
1,22への給電が正常であることが確認された後にC
PU31によるランプ21,22への給電に切り替える
ようにした。このように、イニシャルチェックにおいて
フェイルセーフ回路43によるロービームランプ21,
22への給電が正常であることを予め確認しておくこと
で、例えば同フェイルセーフ回路43によるランプ2
1,22への給電が異常であるときの迅速な対応を促
し、CPU31及びフェイルセーフ回路43に同時に不
具合が発生する状態を回避することができる。
【0082】(4)本実施形態では、イニシャルチェッ
クにおいて、フェイルセーフ回路43(パルス生成回路
66)によるロービームランプ21,22への給電が異
常であることが確認されたとき、当該ランプ21,22
に対応するスイッチ73,74を駆動してヘッドランプ
インジケータ27,28を点灯するようにした。従っ
て、フェイルセーフ回路43によるロービームランプ2
1,22への給電異常が好適に運転者に報知され、整備
所等への退避などの迅速な対応を行うことができる。
【0083】(5)本実施形態では、イニシャルチェッ
クにおいて、フェイルセーフ回路43によるランプ2
1,22への給電が正常であることが確認された後にC
PU31によるランプ21,22への給電に切り替える
際、同期をとるための短パルスを出力するようにした。
そして、この短パルスのタイミングを起点として、CP
U31による選択されたランプ21〜26への所要のタ
イミング及び給電時間でのPWM制御に移行するように
した。従って、この給電系の移行時において、ロービー
ムランプ21,22への過大な給電が行われて同ランプ
21,22が損傷することを回避することができる。
【0084】(6)本実施形態では、ランプ21〜26
に給電するための各出力部40a〜40f(NOR回路
46及びMMV47)、62a,62b(NOR回路7
1及びMMV72)によってその給電時間(デューティ
比)を制限し、同ランプへの過大な給電を制限するよう
にした。従って、意図しないランプ21〜26への過大
な給電を制限して同ランプ21〜26の損傷等を回避す
ることができる。
【0085】(7)本実施形態では、電流検出回路部4
1,42のコンパレータ51の出力端子からの2値信号
を、MMV52を介することで一定のLレベルの時間幅
を有するパルス信号としてCPU31に入力した。従っ
て、例えば各コンパレータ51の出力端子からの2値信
号が短周期的に変動しても、MMV52によって一定の
Lレベルの時間幅を有するパルス信号に変換されるた
め、CPU31に影響を及ぼすことはない。
【0086】(8)本実施形態では、光量増スイッチ1
7及びワイパースイッチ19の少なくとも一方がオンさ
れているときには、ランプ21〜26への給電量を基準
量よりも所定量だけ増大補正した。従って、例えば夜間
の降雨時等、運転者が著しい暗さを感じる状態におい
て、ランプ21〜26の明るさを好適に確保することが
できる。
【0087】(9)本実施形態では、増大補正されたラ
ンプ21〜26への給電量は所定時間経過後において基
準量に戻されるため、同増大補正された給電量がランプ
21〜26に長時間にわたって供給されて同ランプの寿
命が短くなったりすることを回避することができる。
【0088】(10)本実施形態では、増大補正された
ランプ21〜26への給電量は所定時間経過後において
漸減されて基準量に戻されるため、同ランプを違和感な
く基準の明るさに戻すことができる。
【0089】なお、本発明の実施の形態は上記実施形態
に限定されるものではなく、次のように変更してもよ
い。 ・前記実施形態においては、フェイルセーフ回路43の
レベルシフト回路64と、各ロービームランプ21,2
2と対応するスイッチングトランジスタT1,T2のド
レインとの間とを接続してそのレベル(H又はL)を監
視することで、CPU31による同ランプ21,22へ
の給電異常を検出した。これに対して、図9に示される
ように、フェイルセーフ回路43のMMV65と、各ス
イッチングトランジスタT1,T2のドレインと対応す
る出力部40a,40bとの間とをNOT回路81を介
して接続し、同出力部40a,40bからの信号(駆動
信号)を監視することで、CPU31による同ランプ2
1,22への給電異常を検出してもよい。
【0090】また、前記ウォッチドッグタイマ35にお
いて監視されるランパルス信号によって、CPU31に
よる同ランプ21,22への給電異常を検出してもよ
い。 ・前記実施形態においては、CPU31による右左各側
のロービームランプ21,22への給電異常をそれぞれ
個別に検出したが、両ロービームランプ21,22への
給電異常を一括して検出してもよい。この場合、CPU
31によるロービームランプ21,22への給電から、
フェイルセーフ回路43による同ランプ21,22への
給電の切り替えを、左右のロービームランプ21,22
に対して同時に行う。
【0091】・前記実施形態においては、フェイルセー
フ回路43を各ロービームランプ21,22に個別に設
けたが、例えばパルス生成回路66が両ロービームラン
プ21,22に共用となるような回路構成を採用しても
よい。
【0092】・前記実施形態においては、高電圧バッテ
リ11からランプ21〜26に互いに異なるタイミング
で順次、周期的に給電し、基本的には同ランプ21〜2
6への給電時間(オン時間)をPWM制御(デューティ
制御)することでその給電量、すなわちランプ21〜2
6の明るさを制御した。これに対して、高電圧バッテリ
11からランプ21〜26に互いに異なるタイミングで
順次、一定のオン時間(パルス時間幅)で給電してその
給電周期、すなわちオフ時間を制御するデューティ制御
によりその給電量、すなわちランプ21〜26の明るさ
を制御してもよい。
【0093】図10は、例えば57Hzの周期にて高電
圧バッテリ11からランプ21〜26に互いに異なるタ
イミングで順次、給電する場合の同高電圧バッテリ11
の電圧値とデューティ比及び給電時間(Ton時間)と
の関係を示すグラフである。各ランプ21〜26に互い
に異なるタイミングで順次、給電するためには、そのデ
ューティ比の上限は16.6(100/6)%(オン時
間では、約3(=1/57/6×1000)ms)にな
る。そして、このデューティ比を上限として高電圧バッ
テリ11の電圧値に対する給電時間の補正を行う場合、
34Vまでの電圧値の範囲で補正可能であることが出願
人らによって確認されている。
【0094】一方、図11は、例えば1.56msの一
定のオン時間(パルス時間幅)で給電してその給電周
期、すなわちオフ時間を制御するデューティ制御の場合
の同高電圧バッテリ11の電圧値と周波数、デューティ
比及びオン及びオフの合計時間Tallとの関係を示す
グラフである。この場合においても、そのデューティ比
の上限は同様に16.6(100/6)%である。この
デューティ比を上限として高電圧バッテリ11の電圧値
に対する上記合計時間Tall(オフ時間)の補正を行
う場合、その最小値は約9.3(=1.56×6)ms
となる。そして、この最小値を下限として高電圧バッテ
リ11の電圧値に対する給電周期の補正を行う場合に
も、この電圧値に対する補正可能範囲は同等の34Vと
なっている。このようにオン時間(パルス時間幅)を固
定してその給電周期、すなわちオフ時間を制御するデュ
ーティ制御の場合、例えばスイッチングトランジスタT
1〜T6への駆動信号をMMVを介して出力することで
常に確実なオン時間にすることができる。さらに、CP
U31によるスイッチングトランジスタT1〜T6の駆
動時間が一定であるために、同CPU31の診断をより
確実に行うことができる。
【0095】なお、この場合のランプ21〜26への過
大な給電を制限するための給電時間のデューティ比の制
限は、オフ時間が短くなりすぎないよな回路構成にて行
う。
【0096】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜5のい
ずれかに記載の発明によれば、高電圧バッテリにより給
電される車両用ランプ制御装置において、ランプへの給
電異常に対する対応を向上することができる請求項6〜
8のいずれかに記載の発明によれば、高電圧バッテリに
より給電される車両用ランプ制御装置において、運転者
が著しい暗さを感じる状態でのランプへの給電量を好適
に制御することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施形態の電気的構成を
示す回路図。
【図2】同実施形態の電気的構成を示す回路図。
【図3】同実施形態の電気的構成を示す回路図。
【図4】同実施形態の動作態様を示すフローチャート。
【図5】同実施形態の動作態様を示すフローチャート。
【図6】同実施形態の動作態様を示すフローチャート。
【図7】バッテリ電圧と電圧補正係数との関係を示すマ
ップ。
【図8】同実施形態の動作態様を示すフローチャート。
【図9】同実施形態の別例の電気的構成を示す回路図。
【図10】バッテリ電圧とデューティ比等との関係を示
すグラフ。
【図11】バッテリ電圧とデューティ比等との関係を示
すグラフ。
【符号の説明】
11 高電圧バッテリ 17 光量増スイッチ 19 ワイパースイッチ 21〜26 ランプ 30 コントローラ 31 CPU 35 電圧検出回路部 36 電流検出回路部 40a〜40f 給電量制限手段を構成する出力部 43 パルス発振器を構成するフェイルセーフ回路 47 MMV 66 パルス生成回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梶野 浩司 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機 株式会社内 (72)発明者 水元 克芳 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機 株式会社内 (72)発明者 寺谷 達夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 (72)発明者 梅田 幸彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 Fターム(参考) 3K039 AA03 3K073 AA28 AA43 AA53 AA92 CG10 CH01 CL01 CM08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高電圧バッテリからランプへの給電時
    間をデューティ制御することで該ランプへの給電量を制
    御する車両用ランプ制御装置において、 前記ランプへの給電時間は、CPU(Central Processi
    ng Unit )とCPU以外の2重系によってデューティ制
    御されることを特徴とする車両用ランプ制御装置。
  2. 【請求項2】 高電圧バッテリからランプへの給電時
    間をデューティ制御することで該ランプへの給電量を制
    御する車両用ランプ制御装置において、 CPU(Central Processing Unit )からの駆動信号に
    応じて前記ランプへの給電時間をデューティ制御する第
    1デューティ制御手段と、 パルス発振器からのパルス信号に応じて前記ランプへの
    給電時間をデューティ制御する第2デューティ制御手段
    とを備えたことを特徴とする車両用ランプ制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の車両用ランプ制御装
    置において、 前記第1デューティ制御手段による前記ランプへの給電
    異常が検出されたときに、前記第2デューティ制御手段
    による該ランプへの給電に切り替えるデューティ制御切
    替手段を備えたことを特徴とする車両用ランプ制御装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3に記載の車両用ランプ
    制御装置において、 始動時には、前記第1デューティ制御手段による前記ラ
    ンプへの給電を停止した状態で前記第2デューティ制御
    手段による該ランプへの給電を行い、該第2デューティ
    制御手段による該ランプへの給電が正常であることを確
    認した後に該第1デューティ制御手段による該ランプへ
    の給電に切り替える始動時デューティ制御切替手段を備
    えたことを特徴とする車両用ランプ制御装置。
  5. 【請求項5】 高電圧バッテリからランプへの給電時
    間をデューティ制御することで該ランプへの給電量を制
    御する車両用ランプ制御装置において、 前記ランプへの給電時間のデューティ比を制限して該ラ
    ンプへの過大な給電を制限する給電量制限手段を備えた
    ことを特徴とする車両用ランプ制御装置。
  6. 【請求項6】 高電圧バッテリからランプへの給電時
    間をデューティ制御することで該ランプへの給電量を制
    御する車両用ランプ制御装置において、 ワイパースイッチ及び光量増スイッチの少なくとも一方
    がオンされているときに、前記ランプへの給電量を基準
    量よりも増大補正する給電量補正手段を備えたことを特
    徴とする車両用ランプ制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の車両用ランプ制御装
    置において、 前記給電量補正手段は、前記増大補正された給電量を所
    定時間経過後において基準量に戻すことを特徴とする車
    両用ランプ制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の車両用ランプ制御装
    置において、 前記給電量補正手段は、前記増大補正された給電量を漸
    減して基準量に戻すことを特徴とする車両用ランプ制御
    装置。
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