JP2002120355A - オフセット印刷機のインキ供給装置及びインキ膜厚を検出する方法並びにオフセット印刷機のインキ供給方法 - Google Patents

オフセット印刷機のインキ供給装置及びインキ膜厚を検出する方法並びにオフセット印刷機のインキ供給方法

Info

Publication number
JP2002120355A
JP2002120355A JP2000316481A JP2000316481A JP2002120355A JP 2002120355 A JP2002120355 A JP 2002120355A JP 2000316481 A JP2000316481 A JP 2000316481A JP 2000316481 A JP2000316481 A JP 2000316481A JP 2002120355 A JP2002120355 A JP 2002120355A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
roller
outer peripheral
peripheral surface
ink supply
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000316481A
Other languages
English (en)
Inventor
Noriaki Nagafune
憲章 長船
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sakurai Graphic Systems Corp
Original Assignee
Sakurai Graphic Systems Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sakurai Graphic Systems Corp filed Critical Sakurai Graphic Systems Corp
Priority to JP2000316481A priority Critical patent/JP2002120355A/ja
Publication of JP2002120355A publication Critical patent/JP2002120355A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inking, Control Or Cleaning Of Printing Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 専用の読み取り装置及び、計測データを必要
としないオフセット印刷機のインキ供給装置を提供す
る。 【解決手段】 インキ送出ローラ13の軸心方向に沿っ
て往復動可能な往復動部材24の両端にインキ噴射ノズ
ル26、受光器27をそれぞれ設け、同インキ噴射ノズ
ル26からインキ送出ローラ13にインキを供給する。
インキ送出ローラ13は、その外周面に載ったインキを
透光性のガラスからなるインキ検査ローラ20の外周面
に供給する。インキ検査ローラ20内に配置された光源
21の光をインキ検査ローラ20を介して受光器27に
て受光し、その受光量に基づいてCPU31はインキ送
出ローラ13の外周面のインキ膜厚を間接的に判断す
る。CPU31は基準データと測定したインキ膜厚との
差分に応じてインキ噴射ノズル26を制御し、インキ送
出ローラ13にインキを所定量だけ供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オフセット印刷機
に係り、詳しくは版胴に対して均一にインキを供給する
オフセット印刷機のインキ供給装置及びインキ膜厚を検
出する方法並びにオフセット印刷機のインキ供給方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、連続した状態の印刷用紙など
に対して印刷を行う印刷機の一つとしてオフセット印刷
機が知られている。このような、オフセット印刷装置の
一例として、特開昭59−71863号公報に提案され
ているものが知られている。
【0003】このオフセット印刷機はインキを供給する
インキツボを有し、そのインキツボには、複数のインキ
キーが印刷機の幅方向(印刷用紙が流れる方向に対して
直交する方向)へ向け順番に隙間無く並べられている。
そして、インキツボの各インキキーから複数のインキ伝
達ローラ、印刷版が取り付けられた版胴を介してブラン
ケット胴にインキが供給され、インキが供給されたブラ
ンケット胴にて印刷用紙に印刷を行うようになってい
る。
【0004】前記各インキキーはインキ伝達ローラに対
するインキ供給量を調整する機構であり、その調整は以
下に示すように行っている。作成された印刷版の印刷表
面を専用の読み取り装置を用いて計測し、印刷版の絵柄
部分の面積に応じて各インキキーのインキ供給量を調整
している。この結果、ブランケット胴には適量のインキ
が供給され、印刷物(なお、印刷物とは印刷用紙に印刷
を行ったもののことを言う。)に印刷ムラが生じないよ
うになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記オ
フセット印刷機では、作成され印刷版の印刷表面の絵柄
部分を読みとる作業を必要とし、その結果、専用の読み
取り装置を使用しなければならなかった。
【0006】また、前記オフセット印刷機は、専用の読
み取り装置の計測データに基づいて各インキキーを制御
していた。即ち、印刷する絵柄毎に計測データをオフセ
ット印刷機に入力しなければならず、その作業が煩雑で
あった。
【0007】さらに、印刷する絵柄に応じて各インキキ
ーを調整する方法としては、手動によるインキキーの調
整があるが、調整する人の熟練度及び勘が必要となり、
確実性が欠けていた。
【0008】従って、本発明は、前述した事情に鑑みて
なされたものであって、その目的は専用の読み取り装置
及び、計測データを必要としないオフセット印刷機のイ
ンキ供給装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、インキを供給するインキ
供給手段と、軸心の回りで回転自在に支持され、前記イ
ンキ供給手段からのインキの供給により、外周面にイン
キが載るとともに、光が内外を通過可能な回転透光体
と、前記回転透光体の内部に配置される光源と、前記光
源の光を回転透光体を介して受光する光量センサと、前
記光量センサからの検出信号に基づいて、前記インキ供
給手段のインキ供給量を調整する制御手段とを備え、前
記制御手段は、光量センサが受光する光量が一定になる
ようにインキ供給手段のインキ供給量を調整することを
要旨とする。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1におい
て、前記光量センサは、前記回転透光体の軸方向に向け
往復動することを要旨とする。請求項3に記載の発明
は、請求項1又は請求項2において、前記インキ供給手
段はインキ噴射供給手段であり、前記インキ噴射供給手
段は前記光量センサとともに前記回転透光体の軸方向に
向け往復動することを要旨とする。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請
求項3のうちいずれか1項において、前記インキ供給手
段は、回転透光体に接して転動するインキローラの外周
面にインキ供給を行うことを要旨とする。
【0012】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請
求項3のうちいずれか1項に記載のオフセット印刷機の
インキ供給装置において、インキ噴射供給手段から回転
可能な回転透光体の外周面にインキを供給することを要
旨とする。
【0013】請求項6に記載の発明は、外周面にインキ
が載った状態で、光が内外を通過可能な回転透光体を回
転し、同回転透光体内の光源から回転透光体外に通過し
た光量を検出することにより、インキ膜厚を検出するこ
とを要旨とする。
【0014】請求項7に記載の発明は、請求項6におい
て、インキローラを前記回転透光体に接して回転させ、
前記インキローラ上のインキ膜厚を間接的に検出するこ
とを要旨とする。
【0015】請求項8に記載の発明は、インキローラ上
に対してインキを直接噴射してインキを供給することを
要旨とする。請求項9に記載の発明は、請求項8におい
て、インキ供給は、インキローラ上の軸心方向に沿って
往復動するインキノズルを介して行うのもであることを
要旨とする。 (作用)従って、オフセット印刷機のインキ供給装置に
係る、請求項1に記載の発明においては、インキ供給手
段のインキ供給により、回転透光体の外周面にはインキ
が載る。光量センサは回転透光体の内部に配置される光
源からの光を回転透光体を介して受光する。光量センサ
は回転透光体の外周面に載ったインキの膜厚に応じて受
光する光量が変化する。制御手段は、光量センサが受光
する光量が所定量になるようにインキ供給手段のインキ
供給量を調整する。
【0016】この結果、回転透光体の外周面のインキが
減っても、常に所定の膜厚のインキが載るようにインキ
が供給される。このため、例えば、回転透光体の外周面
のインキを版胴、ブランケットなどへ供給しても、その
回転透光体の外周面の減ったインキは常に補給される。
【0017】請求項2に記載の発明においては、請求項
1の作用に加えて、光量センサが回転透光体の軸方向に
向け往復動される。請求項3に記載の発明においては、
請求項1又は請求項2に記載の作用に加えて、光量セン
サ及びインキ噴射供給手段はともに回転透光体の軸方向
に向け往復動される。そして、制御手段は、光量センサ
からの検出信号に基づきインキ噴射供給手段のインキ供
給量を制御する。
【0018】請求項4に記載の発明においては、請求項
1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の作用に加え
て、インキ供給手段はインキローラの外周面にインキの
供給を行う。そして、インキローラの外周面に載ったイ
ンキは回転透光体の外周面に載る。又、例えば、インキ
ローラの外周面のインキを版胴、ブランケットなどへ供
給しても、そのインキローラの外周面の減ったインキは
常に補給される。
【0019】請求項5に記載の発明においては請求項1
乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の作用に加え
て、インキ供給手段にてインキローラの外周面にインキ
が供給される。
【0020】インキ膜厚を検出する方法に係る、請求項
6に記載の発明においては、外周面にインキが載った状
態で、回転透光体を回転させ、同回転透光体内の光源か
ら回転透光体外に通過した光量を検出することにより、
インキ膜厚が検出される。
【0021】請求項7に記載の発明においては、請求項
6の作用に加えて、回転透光体の外周面にはインキロー
ラからのインキが載る。そして、回転透光体内の光源か
ら回転透光体外に通過した光量を検出することにより、
インキローラの外周面のインキ膜厚が間接的に検出され
る。
【0022】オフセット印刷機のインキ供給方法に係
る、請求項8に記載の発明においては、インキローラ上
に対してインキが直接噴射供給される。請求項9に記載
の発明においては、請求項8に記載の発明の作用におい
て、インキ供給はインキローラ上の軸心方向に沿って往
復動するノズルにて行われる。
【0023】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明を
具体化した一実施形態を図1〜図4に従って説明する。
【0024】図1,3に示すように、オフセット印刷機
11は左右両側に固設された一対の機台フレーム12を
備えている。なお、図1では奥側の機台フレーム12の
みを図示している。
【0025】前記両機台フレーム12間には、インキロ
ーラとしてのインキ送出ローラ13、インキ伝達ローラ
15A〜15L、版胴16、水供給ローラ17A〜17
Cが回転可能に軸支されている。前記インキ伝達ローラ
15A〜15Lにてインキ伝達ローラ群15が構成され
ている。
【0026】前記インキ送出ローラ13、各インキ伝達
ローラ15A〜15F及び版胴16は、順番にその外周
面が当接状態で配置されており、インキ伝達ローラ15
Gは、その外周面がインキ伝達ローラ15C,15Eの
両外周面に当接状態で配置されている。又、インキ伝達
ローラ15Hは、その外周面がインキ伝達ローラ15E
及び版胴16の外周面に当接状態で配置されている。イ
ンキ伝達ローラ15H〜15Lは順番にその外周面が当
接状態で配置され、インキ伝達ローラ15J,15Lの
外周面は版胴16の外周面にも当接されている。
【0027】そして、インキはインキ伝達ローラ15A
〜15Fの外周面を順に伝うことで、インキ伝達ローラ
15Aから版胴16まで最短ルートで供給されるように
なっている。前記インキ伝達ローラ15A〜15Fの外
周面の総有効インキ伝達面積は、前記インキ送出ローラ
13の外周面における有効インキ供給面積の5倍に形成
されている。
【0028】両機台フレーム12間には水が入った水皿
18が固定されている。水供給ローラ17Aの外周面の
一部は、同水皿18の水内に没するように配置されてい
る。前記水供給ローラ17A〜17Cは順番にその外周
面が当接状態で配置され、水供給ローラ17Bはその外
周面が版胴16の外周面に当接され、版胴16に水皿1
8の水が供給されるようになっている。
【0029】版胴16はその外周面に供給されたインキ
を二点鎖線で示すブランケット胴Bを介して印刷用紙に
印刷するようになっている。そして、図1,3に示すよ
うに、インキ送出ローラ13の近傍には回転透光体とし
てのインキ検査ローラ20が両機台フレーム12に対し
て回転可能に支持されている。前記インキ検査ローラ2
0は透光性のガラスにより筒状に形成されており、イン
キ送出ローラ13と当接する部分は光が通るようになっ
ている。インキ検査ローラ20の外径は前記インキ送出
ローラ13の外径と同サイズに形成されている。
【0030】前記インキ検査ローラ20の内部には、イ
ンキ検査ローラ20の軸心O2方向に沿って長尺な光源
21が配置され、同光源21は図示しない固定部材にて
固定されている。前記光源21はインキ検査ローラ20
の軸心O2方向全長に亘る外周面に対して常に一定の光
量を与えるようになっている。
【0031】前記両機台フレーム12間にはボールネジ
22が回転可能に支持されている。機台フレーム12の
一方の外側にはネジ回転装置23が固定されている。ネ
ジ回転装置23は、正逆回転可能なモータと、モータの
出力軸に連結された減速機構(ともに図示しない)を備
えており、同ネジ回転装置23の減速機構に対してボー
ルネジ22の一端部が固定されている。
【0032】図2に示すように、前記ボールネジ22に
はネジ孔24aを有するL字状の往復動部材24が螺合
されている。前記往復動部材24のネジ孔24aは、往
復動部材24の屈曲部に設けられており、往復動部材2
4の略水平に延びる側はアーム24b、略鉛直に延びる
側はアーム24cとなっている。
【0033】前記往復動部材24のアーム24cは両機
台フレーム12間に固定されたガイドプレート25に常
に当接されており、ネジ回転装置23がボールネジ22
を正回転又は逆回転させると、往復動部材24はインキ
検査ローラ20の軸心O2方向に沿って滑らかに往復動
される。
【0034】前記往復動部材24のアーム24bの先端
部には、インキ噴射ノズル26が固定され、同インキ噴
射ノズル26はインキ送出ローラ13の後述するインキ
噴射点Qにインキを供給するようになっている。インキ
噴射ノズル26はインキ供給手段、及びインキ噴射供給
手段、並びにインキノズルに相当する。一方、往復動部
材24のアーム24cの先端部には、光量センサとして
の受光器27が固定され、同受光器27は光源21から
インキ検査ローラ20の後述するインキ膜厚測定点Rを
通過する光の量(受光量)を検出するようになってい
る。
【0035】前記インキ噴射ノズル26にはポンプ28
を介してインキタンク29が接続されている。ポンプ駆
動用のモータ30はサーボモータから構成され、モータ
30の駆動によりポンプ28を介してインキタンク29
からインキがインキ噴射ノズル26に供給され、モータ
30がCPU31にて回転制御されることによりインキ
噴射ノズル26へのインキ供給量を調整するようになっ
ている。
【0036】ここで、前記インキ噴射点Q及び前記イン
キ膜厚測定点Rを図2を用いて説明する。インキ送出ロ
ーラ13の外周面とインキ検査ローラ20の外周面とが
接触する点を通る接線を仮想線K1とする。そして、仮
想線K1に平行で、且つインキ送出ローラ13の軸心O
1及びインキ検査ローラ20の軸心O2を通過する線を
それぞれ仮想線K2,K3とする。
【0037】そして、軸心O1を中心として仮想線K2
から時計回り方向へ角度α回転した線を仮想線K4と
し、インキ送出ローラ13外周面と仮想線K4とが交差
する点を前記インキ噴射点Qとしている。
【0038】一方、軸心O2を中心として仮想線K3か
ら反時計回り方向へ角度α回転した線を仮想線K5と
し、インキ検査ローラ20外周面と仮想線K5とが交差
する点を前記インキ膜厚測定点Rとしている。なお、イ
ンキ送出ローラ13は図2において、反時計回り方向に
回転する。
【0039】前記インキ噴射点Qとインキ膜厚測定点R
はインキ送出ローラ13の軸心O1に直交する同一の仮
想平面上に位置するようにされている。同インキ噴射点
Qとインキ膜厚測定点Rは往復動部材24の往復動にと
もなって、インキ送出ローラ13、インキ検査ローラ2
0の外周面において、軸心O1、軸心O2に沿って同期
して変位する。
【0040】次に、オフセット印刷機11の電気的構成
を説明する。図4に示すように、ネジ回転装置23、受
光器27、及びモータ30は制御手段としてのCPU
(中央処理演算装置)31に対して電気的に接続されて
いる。
【0041】前記インキ送出ローラ13、インキ検査ロ
ーラ20、光源21、ポンプ28、モータ30、インキ
噴射ノズル26、受光器27、及びCPU31にてオフ
セット印刷機のインキ供給装置が構成されている。
【0042】前記CPU31は、各種制御を行うための
プログラムや、インキ膜厚の基準データとなるインキ膜
厚データを格納したROM(図示しない)、及び各種演
算処理時にデータを一時的に格納するRAM(図示しな
い)を備えている。
【0043】次に、上記第1実施形態のように構成され
たオフセット印刷機11の作用について説明する。な
お、本実施形態の作用の説明では、光源21は常に一定
の光量で点灯しているものとする。又、インキ送出ロー
ラ13とインキ検査ローラ20は一定の速度で同期回転
しているものとする。
【0044】CPU31がネジ回転装置23を正逆回転
駆動制御させると、往復動部材24はネジ回転装置23
の正逆回転駆動に基づいて軸心O1方向に沿って滑らか
に往復動される。往復動部材24が軸心O1方向に沿っ
て往復動を行うと、CPU31は各インキ供給ポイント
において、インキ膜厚データに基づいてモータ30の回
転数を制御する。すると、モータ30はその回転数に応
じてインキタンク29からインキ噴射ノズル26へのイ
ンキ供給量を制御し、インキ噴射ノズル26はインキ送
出ローラ13の外周面におけるインキ噴射点Qにインキ
を噴射供給する。
【0045】すると、インキ送出ローラ13のインキ噴
射点Qを通過する周方向全周にはインキが供給される。
そして、このようなインキ供給はインキ噴射ノズル26
の軸心O1方向への移動とともに行われ、この結果、イ
ンキ送出ローラ13の外周面における有効インキ供給面
にはインキが供給される。
【0046】インキ送出ローラ13の外周面に供給され
たインキは、インキ伝達ローラ群15に供給される。そ
して、インキ伝達ローラ群15のインキ伝達ローラ15
F,15H,15J,15Lの外周面に供給されたイン
キは版胴16へ供給され、そのインキは版胴16からブ
ランケット胴Bを介して印刷用紙に印刷される。
【0047】本実施形態では、滑らかに往復動する往復
動部材24に固定されたインキ噴射ノズル26にてイン
キ送出ローラ13の外周面にインキを供給するようにさ
れている。そのため、インキ伝達ローラ15Aから版胴
16にかけて最短で到達するために必要とするインキ伝
達ローラ15A〜15Fの総有効インキ伝達面積がイン
キ送出ローラ13の有効インキ供給面積の約5倍であっ
ても、印刷用紙に印刷された絵柄にインキ膜厚の境界が
現れてしまうことがない。
【0048】一方、インキ送出ローラ13はインキ伝達
ローラ15Aの外周面にインキを供給することに加え
て、インキ検査ローラ20の外周面にインキを供給す
る。インキ検査ローラ20はインキ送出ローラ13の外
径と同じサイズに形成され、且つインキ送出ローラ13
と同期回転している。そのため、インキ検査ローラ20
の外周面にはインキ送出ローラ13の外周面のインキ膜
厚状態と同じインキ膜が形成される。
【0049】受光器27は光源21から発せられ、イン
キ検査ローラ20のインキ膜厚測定点Rを通過する光の
量(受光量)を検出する。このとき、受光量は、インキ
検査ローラ20の外周面におけるインキ膜厚測定点Rの
インキ膜の厚さが薄いほど増加し、厚いほど減少する。
【0050】そして、受光器27は受光量に応じた検出
信号をCPU31に出力し、CPU31はその検出信号
に基づいて、インキ検査ローラ20の外周面におけるイ
ンキ膜厚測定点Rのインキ膜厚を計算する。CPU31
は、このインキ膜厚測定点Rのインキ膜厚を計算するこ
とにより、インキ噴射点Qのインキ膜厚を間接的に判断
する。なお、インキ膜厚測定点Rとインキ噴射点Qの軸
心O1方向における位置は互いに対応した位置にある。
【0051】そして、CPU31はインキ膜厚計算結果
のインキ膜厚が、CPU31に予め入力されているイン
キ膜厚データのインキ膜厚より薄いと判定すると、基準
データであるインキ膜厚データとインキ膜厚計算結果
(測定インキ膜厚)との差分に比例してモータ30の回
転数を増加制御させる。モータ30はCPU31による
回転数の制御に基づいて、ポンプ28を駆動させ、イン
キタンク29からインキ噴射ノズル26へインキを供給
する。そして、インキ噴射ノズル26はインキ噴射点Q
にインキを噴射供給する。この際、インキ送出ローラ1
3は回転しているため、インキ噴射ノズル26からイン
キ噴射点Qに噴射供給されたインキは、インキ送出ロー
ラ13におけるインキ噴射点Qを通過する周方向全周に
供給される。
【0052】また、CPU31は、インキ膜厚計算結果
の測定インキ膜厚が前記インキ膜厚データのインキ膜厚
の厚さと同じ又はそれ以上と判定すると、モータ30の
回転を停止する。この結果、インキ噴射ノズル26から
のインキ噴射が停止し、インキ送出ローラ13における
前記インキ供給ポイントにはインキが供給されない。
【0053】上記に示すインキ供給の制御は、往復動部
材24の往復動に伴い行われる。従って、絵柄によって
インキ送出ローラ13の外周面における軸心O1方向の
各部位で、インキが減る量が異なっても、その各部位に
対して減った分だけインキが供給される。この結果、版
胴16、ブランケット胴B等に適切な量のインキが供給
される。
【0054】従って、上記第1実施形態のオフセット印
刷機11によれば、以下のような効果を得ることができ
る。 (1)本実施形態では、インキ送出ローラ13の軸心O
1方向に沿って往復動可能な往復動部材24の両端にイ
ンキ噴射ノズル26、受光器27をそれぞれ設け、同イ
ンキ噴射ノズル26からインキ送出ローラ13の外周面
にインキを供給した。そして、インキ送出ローラ13
は、その外周面に載ったインキを、インキ送出ローラ1
3に接して転動する透光性のガラスからなるインキ検査
ローラ20の外周面に供給した。
【0055】そして、インキ検査ローラ20内に配置さ
れた光源21の光をインキ検査ローラ20を介して受光
器27にて受光し、その受光量に基づいてCPU31は
インキ送出ローラ13の外周面のインキ膜厚を間接的に
判断した。そして、CPU31は基準のインキ膜厚以下
と判断すると、インキ噴射ノズル26からのインキ噴射
量を制御し、インキ送出ローラ13にインキを必要な量
だけ供給した。この結果、版胴16、ブランケット胴B
等に適切な量のインキを供給できる。
【0056】従って、従来技術のオフセット印刷機で使
用していた、印刷版の印刷表面の絵柄部分を読みとる専
用の読み取り装置を必要とせず、専用の読み取り装置に
より作成された計測データをオフセット印刷機に読み込
む必要がない。加えて、インキの調整における熟練した
人が必要ないため、高品質な印刷を自動化できる。
【0057】(2)本実施形態では、インキ送出ローラ
13にインキが載っていない状態からインキを供給する
際にも、軸心O1方向に沿って滑らかに往復動する往復
動部材24に固定されたインキ噴射ノズル26にてイン
キを供給できる。この際、CPU31はインキ膜厚デー
タに基づいてインキ噴射ノズル26のインキ供給を制御
する。
【0058】従って、往復動部材24がインキ送出ロー
ラ13の両端間を一回移動するだけで、インキ送出ロー
ラ13の外周面における有効インキ供給面には基準デー
タに応じたインキ膜を形成できる。
【0059】この結果、印刷開始の際にインキ送出ロー
ラ13からインキ伝達ローラ15A〜15F、版胴16
を介してブランケット胴Bの絵柄に良好なインキ供給が
でき、一枚目の印刷から良好な印刷を行うことができ
る。
【0060】(3)本実施形態では、軸心O1方向に沿
って滑らかに往復動する往復動部材24に固定されたイ
ンキ噴射ノズル26にてインキ送出ローラ13にインキ
を噴射供給した。そのため、後述する第2実施形態のイ
ンキツボ50を有するオフセット印刷機41と比べて、
インキ送出ローラ13の軸心O1方向におけるインキ膜
厚の境界ができにくなっている。
【0061】従って、インキ伝達ローラ15Aから版胴
16にかけて最短で到達するために必要とする総有効イ
ンキ伝達面積はインキ送出ローラ13の有効インキ供給
面積の約5倍でよい。ちなみに、後述するオフセット印
刷機41は、インキ伝達ローラ15Aから版胴16にか
けて最短で到達するために必要とする総有効インキ伝達
面積をインキ送出ローラ13の有効インキ供給面積の約
7倍にすることで、前記インキ膜厚の境界をなくすよう
にしている。
【0062】この結果、後述するオフセット印刷機41
と比べて総有効インキ伝達面積が減ることにより、イン
キ伝達ローラの数を減らすことが可能となり、且つ印刷
終了後の除去インキ量も削減できる。
【0063】(4)本実施形態では、インキ噴射ノズル
26にてインキを噴射供給した。そのため、印刷終了後
のインキ噴射ノズル26の清掃作業は、その噴射口を塞
ぐだけでよい。従って、インキ噴射ノズル26は、後述
するオフセット印刷機41のインキツボ50と異なり、
インキツボ50内に溜まったインキを捨てる作業もなく
なり、またインキツボ50の清掃作業よりも容易で且つ
短時間に行うことができる。加えて、インキツボ50の
場合には、その内部に溜まったインキを捨てていたが、
インキ噴射ノズル26の場合にはそのような作業を行わ
ないため、インキの使用量を節約することができる。
【0064】(5)本実施形態では、インキ検査ローラ
20の外径はインキ送出ローラ13の外径サイズと同サ
イズに形成した。従って、インキ検査ローラ20の外周
面にはインキ送出ローラ13の外周面のインキ膜厚状態
と同様のインキ膜を形成でき、インキ送出ローラ13の
外周面に載ったインキ膜厚をインキ検査ローラ20、光
源21、及び受光器27にてより一層正確に検出でき
る。
【0065】(第2実施形態)以下、本発明を具体化し
た第2実施形態を図5〜図9に従って説明する。なお、
第2実施形態のオフセット印刷機のインキ供給装置は、
前記第1実施形態を変更したものであり、前記第1実施
形態と同様の構成については、同一符号を付して、その
詳細な説明を省略し、異なるところを詳しく説明する。
【0066】図5,8に示すように、オフセット印刷機
41は左右両側に固設された一対の機台フレーム12を
備えている。なお、図5では奥側の機台フレーム12の
みを図示している。
【0067】前記両機台フレーム12間には、前記イン
キ送出ローラ13、インキ伝達ローラ42A〜42H,
43A〜43H、版胴16、水供給ローラ17A〜17
Cが回転可能に軸支されている。前記インキ伝達ローラ
42A〜42H,43A〜43Hにてインキ伝達ローラ
群44が構成されている。
【0068】前記インキ送出ローラ13、各インキ伝達
ローラ42A〜42H及び版胴16は、順番にその外周
面が当接状態で配置されており、インキ伝達ローラ43
Aは、その外周面がインキ伝達ローラ42E,42Gの
両外周面に当接状態で配置されている。
【0069】前記各インキ伝達ローラ43A〜43E
は、順番にその外周面が当接状態で配置され、インキ伝
達ローラ43Eはその外周面が版胴16の外周面に当接
状態で配置されている。インキ伝達ローラ43Fは、そ
の外周面が、インキ伝達ローラ43D及び版胴16の外
周面に当接状態で配置されている。前記各インキ伝達ロ
ーラ43F〜43Hは、順番にその外周面が当接状態で
配置され、インキ伝達ローラ43Hはその外周面がイン
キ伝達ローラ42G及び版胴16の外周面に当接状態で
配置されている。
【0070】そして、後記するインキInはインキ伝達
ローラ42A〜42Hの外周面を順に伝うことで、イン
キ伝達ローラ15Aから版胴16まで最短ルートで供給
されるようになっている。前記インキ伝達ローラ42A
〜42Hの外周面の総有効インキ伝達面積は、前記イン
キ送出ローラ13の外周面における有効インキ供給面積
の7倍に形成されている。
【0071】又、本実施形態では、前記第1実施形態の
水供給ローラ17A〜17C、水皿18、ブランケット
胴Bと同様のそれらが設けられている。図7,8に示す
ように、前記インキ送出ローラ13の近傍における両機
台フレーム12間には複数のインキ供給手段としてのイ
ンキキー50aを有するインキツボ50が固定され、イ
ンキツボ50にはインキInが貯溜されている。前記複
数のインキキー50aはインキツボ50の底部裏面にお
いて、インキ送出ローラ13の長手方向に向けて順番に
隙間無く並べられている。前記各インキキー50aの下
部には、両機台フレーム12間に固定されたガイドプレ
ート51が設けられ、同各インキキー50aは、ガイド
プレート51に当接状態で前後方向(図7においては、
右方向が前方向であり、左方向が後方向を指す。)へ向
けそれぞれ摺動可能とされている。
【0072】又、両機台フレーム12間には、各インキ
キー50aに対応した複数の駆動モータ52が図示しな
い固定部材にてそれぞれ固定され、各駆動モータ52の
駆動軸の先端部には歯車52aが固定されている。前記
複数の駆動モータ52にて駆動モータ群60(図8,9
参照)が構成されている。前記各歯車52aには各歯車
54が噛合され、同各歯車54はその軸心にボールネジ
53が挿通固定されている。前記各ボールネジ53の基
端部は図示しない各支持部材にてそれぞれ回動自在に支
持されている。
【0073】前記各ボールネジ53の先端部には、雌ネ
ジ孔55aを有するラック55が噛合されている。同各
ラック55は両機台フレーム12間に架設固定されたガ
イドプレート56に当接され、ボールネジ53の正逆回
転により前後方向に摺動可能となっている。前記各ラッ
ク55には、ラック部55bを有している。
【0074】インキツボ50の底部下面にはインキキー
50aと同数の固定部材57がそれぞれ固定されてい
る。前記各固定部材57には各板カム58が各偏心軸5
8aを介してそれぞれ回動可能に支持され、その各板カ
ム58の外周には先端部にギア部59aを有する各レバ
ー59がそれぞれ突設されている。
【0075】前記各レバー59のギア部59aは、前記
各ラック55のラック部55bとそれぞれ噛合されてお
り、各ラック55が前後方向に摺動すると、各レバー5
9は各板カム58を回動させるようになっている。各板
カム58には各インキキー50aの基端部がそれぞれ当
接され、各インキキー50aは図示しないバネ等からな
る付勢部材にて各板カム58側へそれぞれ付勢されてい
る。前記各板カム58が偏心軸58aを中心として回動
すると、各板カム58の偏心作用により各インキキー5
0aはそれぞれ前後方向に摺動するようになっている。
【0076】前記駆動モータ52を正回転駆動させる
と、インキキー50aは前進し、インキキー50aの先
端部とインキ送出ローラ13の外周面との間隔が狭くな
る。逆に、駆動モータ52を逆回転駆動させると、イン
キキー50aは後進し、前記間隔が広くなるようになっ
ている。
【0077】なお、本実施形態では、図6,7における
前記各インキキー50aの先端部とインキ送出ローラ1
3の外周面との間において、インキツボ50からインキ
が流出するポイントをインキ供給点Sとしている。
【0078】又、本実施形態では、インキ検査ローラ2
0、光源21、ボールネジ22、ネジ回転装置23、往
復動部材24及びガイドプレート25が第1実施形態と
同様に設けられている。なお、本実施形態の往復動部材
24は前記第1実施形態と比べると前後が反対に配置さ
れている。
【0079】そして、アーム24bの先端部には、受光
器27が固定され、同受光器27は光源21からインキ
検査ローラ20の後述するインキ膜厚測定点Tを通過す
る光量を検出するようになっている。
【0080】ここで、前記インキ膜厚測定点Tを図6を
用いて説明する。インキ送出ローラ13の外周面とイン
キ検査ローラ20の外周面とが接触する点を通る接線を
仮想線L1とする。そして、仮想線L1に平行で、且つ
インキ送出ローラ13の軸心O1及びインキ検査ローラ
20の軸心O2を通過する線をそれぞれ仮想線L2,L
3とする。
【0081】前記インキ送出ローラ13の軸心O1、前
記インキ供給点S間の線を仮想線L4とし、仮想線L2
と仮想線L4とのなす角で、仮想線L2から反時計回り
方向へ取った角度をβとする。そして、軸心O2を中心
として仮想線L3から時計回り方向へ角度β回転した線
を仮想線L5とし、インキ検査ローラ20外周面と仮想
線L5とが交差する点を前記インキ膜厚測定点Tとして
いる。前記インキ膜厚測定点Tは往復動部材24の往復
動にともなってインキ検査ローラ20の外周面におい
て、軸心O2に沿って変位する。
【0082】次に、オフセット印刷機41の電気的構成
を説明する。図9に示すように、ネジ回転装置23、受
光器27、及び駆動モータ群60は制御手段としてのC
PU(中央処理演算装置)61に対して電気的に接続さ
れている。
【0083】前記インキ送出ローラ13、インキ検査ロ
ーラ20、光源21、受光器27、インキキー50a、
駆動モータ群60、CPU61にてオフセット印刷機の
インキ供給装置が構成されている。
【0084】前記CPU61は、各種制御を行うための
プログラムや、インキ膜厚の基準データとなるインキ膜
厚データを格納したROM(図示しない)、及び各種演
算処理時にデータを一時的に格納するRAM(図示しな
い)を備えている。
【0085】次に、上記第2実施形態のように構成され
たオフセット印刷機41の作用について説明する。な
お、第2実施形態のオフセット印刷機の作用の説明にお
いて、前記第1実施形態の作用と同様の説明については
詳細な説明を省略し、異なるところを詳しく説明する。
【0086】なお、本実施形態の作用の説明では、光源
21は常に一定の光量で点灯しているものとする。又、
インキ送出ローラ13は図6において時計回り方向、イ
ンキ検査ローラ20は同図において、反時計回り方向へ
と互いに一定の速度で同期回転しているものとする。加
えて、各インキキー50aは初期設定位置(再後退位
置)に位置しているものとする。
【0087】CPU61はインキ膜厚データに基づい
て、各駆動モータ52をそれぞれ所定回数だけ正回転さ
せる。すると、各駆動モータ52の歯車52aは各歯車
54を介して各ボールネジ53をそれぞれ回転させ、各
ボールネジ53の回転により各ラック55を前方にそれ
ぞれ所定量摺動させる。すると、各ラック55のラック
部55bと噛合しているギア部59aを有する各レバー
59は、各板カム58を回転させ、板カム68の偏心量
に応じた分、各インキキー50aを前方にそれぞれ所定
量だけ摺動させる。
【0088】すると、インキ供給点S点を通過したイン
キ送出ローラ13の外周面にはインキ膜が形成される。
インキ送出ローラ13の外周面に供給されたインキIn
はインキ伝達ローラ群44に供給される。そして、イン
キ伝達ローラ群44のインキ伝達ローラ42H、43E
〜43Hの外周面に供給されたインキInは版胴16へ
供給され、そのインキInは版胴16からブランケット
胴Bを介して印刷用紙に印刷される。
【0089】又、インキ送出ローラ13はインキ検査ロ
ーラ20の外周面にインキInを供給する。そして、イ
ンキ検査ローラ20の外周面には、インキ送出ローラ1
3の外周面と同様のインキ膜が形成される。受光器27
は光源21から発せられ、インキ検査ローラ20のイン
キ膜厚測定点Tを通過する光の量(受光量)を検出す
る。同受光器27は、その受光量に応じた検出信号をC
PU61に出力し、CPU61はその検出信号に基づい
て、インキ検査ローラ20の外周面におけるインキ膜厚
測定点Tのインキ膜厚を計算する。CPU61は、この
インキ膜厚測定点Tのインキ膜厚を計算することによ
り、インキ供給点Sのインキ膜厚を間接的に判断する。
【0090】そして、CPU61はインキ膜厚計算結果
の測定インキ膜厚が、CPU31に予め入力されている
インキ膜厚データのインキ膜厚より薄いと判定すると、
基準データであるインキ膜厚データとインキ膜厚計算結
果(測定インキ膜厚)との差分に応じて、そのインキ供
給区間における駆動モータ52を所定回数だけ逆回転さ
せる。すると、インキキー50aの先端部とインキ送出
ローラ13の外周面との間隔が前記差分に応じた量だけ
広くなり、そのインキ供給区間におけるインキ膜厚が前
記差分を補う所定の膜厚にされる。
【0091】逆に、CPU61はインキ膜厚計算結果の
インキ膜厚が、前記インキ膜厚データのインキ膜厚より
厚いと判定すると、基準データであるインキ膜厚データ
とインキ膜厚計算結果(測定インキ膜厚)との差分に応
じて、そのインキ供給区間における駆動モータ52を所
定回数だけ正回転させる。すると、インキキー50aの
先端部とインキ送出ローラ13の外周面との間隔が前記
差分に応じた量だけ狭くなり、そのインキ供給区間にお
けるインキ膜厚が前記差分を減じた所定の膜厚にされ
る。
【0092】上記に示す各インキキー50aのインキ供
給の制御は、往復動部材24の往復動に伴い随時行われ
る。従って、絵柄によってインキ送出ローラ13の外周
面における軸心O1方向の各部位で、インキInが減る
量が異なっても、その各部位に対して減った分だけイン
キInが供給される。この結果、版胴16、ブランケッ
ト胴B等に適切な量のインキInが供給される。
【0093】従って、上記第2実施形態のオフセット印
刷機41のインキ供給装置によれば、前記第1実施形態
の(5)の効果と同様の効果を奏すると共に、以下の効
果を得ることができる。
【0094】(1)本実施形態では、インキキー50a
の前後方向制御を印刷中でも行っている。即ち、インキ
送出ローラ13はその外周面に載ったインキInを、イ
ンキ送出ローラ13に接して転動する透光性のガラスか
らなるインキ検査ローラ20の外周面に供給した。そし
て、インキ検査ローラ20内に配置された光源21の光
をインキ検査ローラ20を介して受光器27にて検出
し、その検出した受光量に基づいてCPU61はインキ
送出ローラ13の外周面のインキ膜厚を間接的に判断し
た。
【0095】そして、インキ送出ローラ13の外周面の
インキ膜厚が基準データであるインキ膜厚データより、
薄く又は厚くなっていると判断した際には、駆動モータ
52を所定量だけ正逆回転駆動させ、インキキー50a
を前後方向に所定量だけ移動させるようにし、インキ送
出ローラ13にインキInを必要な量だけ供給した。こ
の結果、版胴16、ブランケット胴B等に適切な量のイ
ンキInを供給できる。
【0096】従って、従来技術のオフセット印刷機で使
用していた、印刷版の印刷表面の絵柄部分を読みとる専
用の読み取り装置を必要とせず、専用の読み取り装置に
より作成された計測データをオフセット印刷機に読み込
む必要がない。加えて、インキの調整における熟練した
人が必要ないため、高品質な印刷を自動化できる。 (他の実施形態)なお、上記各実施形態は以下のような
他の実施形態に変更して具体化してもよい。
【0097】・前記第1実施形態において、インキ送出
ローラ13以外のローラ、即ち、インキ伝達ローラ群1
5のうち少なくとも1つのローラの外周面に対して、イ
ンキ検査ローラ20の外周面を接するように配置しても
よい。そして、そのローラの外周面からインキ検査ロー
ラ20の外周面に載ったインキを受光器27にて検出
し、その検出結果に基づいてインキ送出ローラ13の外
周面に載っているインキ膜厚をCPU31にて間接的に
判断してもよい。
【0098】・前記第2実施形態において、インキ送出
ローラ13以外のローラ、即ち、インキ伝達ローラ群4
4のうち少なくとも1つのローラの外周面に対して、イ
ンキ検査ローラ20の外周面を接するように配置しても
よい。そして、そのローラの外周面からインキ検査ロー
ラ20の外周面に載ったインキInを受光器27の協働
にて検出し、その検出結果に基づいてインキ送出ローラ
13の外周面に載っているインキ膜厚をCPU61にて
間接的に判断してもよい。
【0099】・前記各実施形態では、インキローラとし
てのインキ送出ローラ13のインキ膜厚をインキ検査ロ
ーラ20にて間接的に検出していたが、インキローラの
膜厚を直接的に検出してもよい。即ち、インキローラと
してのインキ送出ローラ13を省略し、インキ送出ロー
ラ13の位置にインキ検査ローラ20及び光源21を配
置する。この場合、インキ検査ローラ20は回転透光体
及びインキローラに相当する。そして、インキ検査ロー
ラ20の外周面のインキ膜厚を受光器27にて検出し、
その検出結果に基づいてCPU31,61は、インキ検
査ローラ20に直接インキを供給する制御を行うように
する。この場合、第1実施形態における他の実施形態で
は、インキ検査ローラ20、光源21、ポンプ28、モ
ータ30、インキ噴射ノズル26、受光器27、及びC
PU31にてオフセット印刷機のインキ供給装置を構成
する。一方、第2実施形態における他の実施形態では、
インキ検査ローラ20、光源21、受光器27、インキ
キー50a、駆動モータ群60、CPU61にてオフセ
ット印刷機のインキ供給装置を構成する。このようにす
ると、オフセット印刷機11,41の部品点数が削減さ
れ、構造がより一層簡素化できる。
【0100】・前記第1実施形態では、一つのインキ噴
射ノズル26を往復動部材24のアーム24bの先端部
に固定し、往復動部材24の軸心O1方向に沿った往復
動とともに、往復動するようにしていた。しかし、この
代わりに、両機台フレーム12間に固定した図示しない
固定部材にインキ噴射ノズル26を複数設け、各インキ
噴射ノズル26をCPU31にて制御することで、イン
キ送出ローラ13へのインキ噴射供給を行うようにして
もよい。
【0101】・前記各実施形態では、インキ検査ローラ
20を透光性のガラスから形成していたが、これに限ら
ず、透光性の合成樹脂にてインキ検査ローラ20を形成
してもよい。
【0102】・前記第2実施形態では、駆動モータ5
2、歯車52a、ボールネジ53、歯車54、ラック5
5、固定部材57、板カム58及びレバー59による機
械的構成にて、インキツボ50のインキキー50aを前
後方向に移動させるようにしていた。しかしこれに限ら
ず、インキツボ50はインキキー50aを有し、各イン
キキー50aの移動にてインキ送出ローラ13へのイン
キ供給量を軸心O1方向における各区間毎に変化させる
ものであれば、どのようなインキツボでもよい。
【0103】・前記各実施形態では、インキ送出ローラ
13とインキ検査ローラ20とを同径にしていたが、同
径にしなくともよい。このようにすると、インキ検査ロ
ーラ20の外周面には、インキ送出ローラ13の外周面
のインキ膜厚状態と同じインキ膜が形成されないため、
CPU31,61の制御は、前記各実施形態より若干劣
るが、前記各実施形態の効果と略同様の効果を奏する。
【0104】・前記第1実施形態では、仮想線K2と仮
想線K4とのなす角と、仮想線K3と仮想線K5とのな
す角とを同角度にしていたが、同角度にしなくてもよ
い。このようにすると、CPU31の制御は、前記第1
実施形態より若干劣るが、前記第1実施形態の効果と略
同様の効果を奏する。また、このような変更を第2実施
形態において具体化してもよい。
【0105】次に、上記各実施形態から把握できる請求
項に記載した発明以外の技術的思想について記載する。 (イ) 前記回転透光体の外径サイズは、前記インキロ
ーラの外径サイズと同サイズに形成されていることを特
徴とする請求項4に記載のオフセット印刷機のインキ供
給装置。このようにすると、回転透光体の外周面には、
インキローラの外周面と同様のインキ膜を形成すること
ができる。
【0106】
【発明の効果】請求項1〜5に記載の発明によれば、回
転透光体の外周面におけるインキが減った部位に、減っ
た分だけインキを供給することで、結果的に版胴、ブラ
ンケット等に適切な量のインキを供給できる。従って、
従来技術のオフセット印刷機で使用していた、印刷版の
印刷表面の絵柄部分を読みとる専用の読み取り装置を必
要とせず、かつ専用の読み取り装置により作成された計
測データをオフセット印刷機に読み込む必要がない。
【0107】請求項2に記載の発明によれば、光量セン
サの往復動範囲内における回転透光体の外周面に載るイ
ンキ膜厚を検出できる。請求項3に記載の発明によれ
ば、回転透光体の外周面には、軸方向に向け往復動させ
ているインキ噴射供給手段からのインキの供給によりイ
ンキが載るため、その外周面には滑らかにインキが供給
される。
【0108】請求項4に記載の発明によれば、インキロ
ーラの外周面に載るインキ膜厚を随時制御できる。ま
た、インキローラの外周面におけるインキが減った部位
に、減った分だけインキを供給することで、結果的に版
胴、ブランケット等に適切な量のインキを供給できる。
【0109】請求項5に記載の発明によれば、インキ噴
射供給手段にて回転透光体の外周面にインキを供給する
ことができる。又、インキ噴射供給手段の使用後のメン
テナンスはインキ噴射部を塞ぐだけでよいため、例え
ば、従来のインキツボと比べてメンテナンス作業の手間
が省ける。
【0110】請求項6に記載の発明によれば、回転透光
体の外周面のインキ膜厚は回転透光体内の光源から回転
透光体外に通過した光量を検出することによりインキ膜
厚を容易に検出することができる。
【0111】請求項7に記載の発明によれば、回転透光
体の外周面のインキ膜厚を検出することにより、インキ
ローラの外周面のインキ膜厚を間接的に検出できる。請
求項8に記載の発明によれば、インキローラに対して噴
射供給にてインキを供給できる。
【0112】請求項9に記載の発明によれば、一つのノ
ズルでもインキローラの軸方向における広範囲にわたり
インキを供給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態におけるオフセット印刷機の側
断面図。
【図2】 第1実施形態におけるオフセット印刷機の要
部概略説明図。
【図3】 第1実施形態におけるオフセット印刷機の要
部平面図。
【図4】 第1実施形態における電気的構成を示す説明
図。
【図5】 第2実施形態におけるオフセット印刷機の側
断面図。
【図6】 第2実施形態におけるオフセット印刷機の要
部概略説明図。
【図7】 図8におけるA−A線矢視断面図。
【図8】 第2実施形態におけるオフセット印刷機の要
部平面図。
【図9】 第2実施形態における電気的構成を示す説明
図。
【符号の説明】
13…インキローラとしてのインキ送出ローラ、20…
回転透光体としてのインキ検査ローラ、21…光源、2
6…インキ供給手段及びインキ噴射供給手段並びにイン
キノズルとしてのインキ噴射ノズル、27…光量センサ
としての受光器、31,61…制御手段としてのCP
U、50a…インキ供給手段としてのインキキー。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インキを供給するインキ供給手段と、 軸心の回りで回転自在に支持され、前記インキ供給手段
    からのインキの供給により、外周面にインキが載るとと
    もに、光が内外を通過可能な回転透光体と、 前記回転透光体の内部に配置される光源と、 前記光源の光を回転透光体を介して受光する光量センサ
    と、 前記光量センサからの検出信号に基づいて、前記インキ
    供給手段のインキ供給量を調整する制御手段とを備え、 前記制御手段は、光量センサが受光する光量が所定量に
    なるようにインキ供給手段のインキ供給量を調整するこ
    とを特徴とするオフセット印刷機のインキ供給装置。
  2. 【請求項2】 前記光量センサは、前記回転透光体の軸
    方向に向け往復動することを特徴とする請求項1に記載
    のオフセット印刷機のインキ供給装置。
  3. 【請求項3】 前記インキ供給手段はインキ噴射供給手
    段であり、前記インキ噴射供給手段は前記光量センサと
    ともに前記回転透光体の軸方向に向け往復動することを
    特徴とする請求項1又は請求項2に記載のオフセット印
    刷機のインキ供給装置。
  4. 【請求項4】 前記インキ供給手段は、回転透光体に接
    して転動するインキローラの外周面にインキ供給を行う
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか
    1項に記載のオフセット印刷機のインキ供給装置。
  5. 【請求項5】 オフセット印刷機のインキ供給装置にお
    いて、インキ噴射供給手段から回転可能な回転透光体の
    外周面にインキを供給する請求項1乃至請求項3のうち
    いずれか1項に記載のオフセット印刷機のインキ供給装
    置。
  6. 【請求項6】 外周面にインキが載った状態で、光が内
    外を通過可能な回転透光体を回転し、同回転透光体内の
    光源から回転透光体外に通過した光量を検出することに
    より、インキ膜厚を検出する方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、インキローラを前記
    回転透光体に接して回転させ、前記インキローラ上のイ
    ンキ膜厚を間接的に検出することを特徴とするインキ膜
    厚を検出する方法。
  8. 【請求項8】 インキローラ上に対してインキを直接噴
    射してインキを供給することを特徴とするオフセット印
    刷機のインキ供給方法。
  9. 【請求項9】 インキ供給は、インキローラ上の軸心方
    向に沿って往復動するインキノズルを介して行うのもで
    ある請求項8に記載のオフセット印刷機のインキ供給方
    法。
JP2000316481A 2000-10-17 2000-10-17 オフセット印刷機のインキ供給装置及びインキ膜厚を検出する方法並びにオフセット印刷機のインキ供給方法 Pending JP2002120355A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000316481A JP2002120355A (ja) 2000-10-17 2000-10-17 オフセット印刷機のインキ供給装置及びインキ膜厚を検出する方法並びにオフセット印刷機のインキ供給方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000316481A JP2002120355A (ja) 2000-10-17 2000-10-17 オフセット印刷機のインキ供給装置及びインキ膜厚を検出する方法並びにオフセット印刷機のインキ供給方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002120355A true JP2002120355A (ja) 2002-04-23

Family

ID=18795423

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000316481A Pending JP2002120355A (ja) 2000-10-17 2000-10-17 オフセット印刷機のインキ供給装置及びインキ膜厚を検出する方法並びにオフセット印刷機のインキ供給方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002120355A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009057565A1 (ja) * 2007-10-29 2009-05-07 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. 印刷機のインキ供給装置の0点設定装置及び0点設定方法並びにインキ供給装置の調整装置及び調整方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4929160A (ja) * 1972-07-07 1974-03-15
JPS49134411A (ja) * 1973-04-26 1974-12-24

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4929160A (ja) * 1972-07-07 1974-03-15
JPS49134411A (ja) * 1973-04-26 1974-12-24

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009057565A1 (ja) * 2007-10-29 2009-05-07 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. 印刷機のインキ供給装置の0点設定装置及び0点設定方法並びにインキ供給装置の調整装置及び調整方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101612841B (zh) 打印设备和物体输送控制方法
US5876500A (en) Coating apparatus
US4592278A (en) Printing apparatus
US4370926A (en) Printing press for printing sheets of corrugated paperboard
US5758577A (en) Cylinder cleaning apparatus for printing press
CN104290465B (zh) 打印装置及控制方法
US5727470A (en) Method and apparatus for controlling a washing operation in a printing press
WO2014203684A1 (ja) 凹版印刷機および凹版印刷方法
JP2002120355A (ja) オフセット印刷機のインキ供給装置及びインキ膜厚を検出する方法並びにオフセット印刷機のインキ供給方法
CN1660594A (zh) 纠正纵向对齐的成像设备及其纠正方法
US5317972A (en) Offset printing machine, printing plate and image position reading-out method for offset printing machine
JPH0858070A (ja) 印刷機の移しローラ式インキ装置においてインキを供給するための方法並びに移しローラ駆動装置
WO2006013178A1 (en) Dampening control for a printing press
JPH0270436A (ja) スクリーン印刷装置
US9108438B2 (en) Treatment liquid application apparatus
CN108189558B (zh) 一种鼓式连续旋转喷墨打印机
US5657694A (en) Method of and apparatus for loading a wiper roll against an anilox roll
JP4424512B2 (ja) 被記録材排出装置、記録装置および液体噴射装置
US20080024330A1 (en) Encoder
JPH07238992A (ja) 伝動ベルトとベルトマーク印刷方法及び印刷装置
JPH1177975A (ja) 印刷機におけるインキ移しローラの駆動装置
US2841081A (en) Inking mechanism for high-speed cylinder printing presses
JPS588995B2 (ja) 印刷機用のインキ調量装置
CN117734295A (zh) 一种柔性传感器的柔版印刷机构
JPH08108516A (ja) 印刷機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071003

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100323

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100914