JP2002120006A - アルミニウム板の熱間圧延方法および、アルミニウム板の凹凸制御装置 - Google Patents

アルミニウム板の熱間圧延方法および、アルミニウム板の凹凸制御装置

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JP2002120006A
JP2002120006A JP2000311370A JP2000311370A JP2002120006A JP 2002120006 A JP2002120006 A JP 2002120006A JP 2000311370 A JP2000311370 A JP 2000311370A JP 2000311370 A JP2000311370 A JP 2000311370A JP 2002120006 A JP2002120006 A JP 2002120006A
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Masanori Ikeda
昌則 池田
Hiroshi Kunii
弘 國井
Yasunobu Nishioka
靖展 西岡
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルミニウム板の熱間圧延において、アルミニ
ウム板に凹凸異常が生じないように、適切に板プロフィ
ルを制御することができるアルミニウム板の熱間圧延方
法および、アルミニウム板の凹凸制御装置を提供するこ
とである。 【解決手段】アルミニウム板の熱間圧延において、熱間
圧延したアルミニウム板表面の板プロフィルの状態を測
定し、その測定値にもとづいて、板プロフィルの一つで
ある凹凸部分の状態を認識し、この凹凸部分について凹
凸比率クラウン高さh(%)を下記式(1) h=C/H ……(1) (式中、H:板厚(mm)、C:凹凸部分の板厚偏差
(mm) である)から求める。このhの値を既定値と
比較し、既定値を超えている場合には、圧延パラメータ
を調節して、hの値が既定値を超えないようにすること
で、アルミニウム板表面の凹凸の状態を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム板の
熱間圧延において、アルミニウム板表面の板プロフィル
の一つである凹凸部分の状態を適切に制御することので
きるアルミニウム板の熱間圧延方法および、アルミニウ
ム板の凹凸制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アルミニウム(アルミニウムおよ
び、アルミニウム合金)板の熱間圧延は、使用材料ごと
にアルミニウム板の強度が大きく異なるために、その都
度、圧延パラメータを調節して行われている。このよう
な中で、強度の小さい材料から、熱間圧延によりアルミ
ニウム板を製造する場合、ロール自体の持つ歪みや磨耗
痕などの影響を受けやすく、そこに、冷却ノズルの目詰
まりなどに起因する冷却不具合や、ロールの研磨不足に
よるロール不具合などが複合的に作用することで、アル
ミニウム板の全体形状において、板表面に対して垂直方
向に板全体のプロフィルから見て部分的に突出、あるい
は凹んでいる部分すなわち高次の凹凸を持つ部分(以
降、凹凸異常と表す)を生ずることがあった。
【0003】この凹凸異常が、冷間圧延工程まで残存し
ていると、最終製品である板材にもこの凹凸異常がその
まま残ることが多く、製品の歩留まりが悪くなってしま
う。そこで、製品の歩留まりを良くするには、熱間圧延
時に凹凸異常を生じさせないことが必要となる。
【0004】ところで、アルミニウム板の熱間圧延にお
いて、アルミニウム板の表面の凹凸状態を制御する方法
として、次の3つの手法がよく使われている。一つ目
は、ゾーンクーラント、スポットクーラントあるいは、
ベンディング力を、フィードバック、フィードフォワー
ドで制御する方法。二つ目は、テーパピストンロール、
VCピストンロールのように、上下のワークロールの隙
間や、位置関係を修正して制御する方法。三つ目は、C
VCロール、HCミル、UCミルのように、ロールの変
形特性を変更して制御する方法である。
【0005】このなかで、前記凹凸異常が発生した場合
に対処できる方法としては、ゾーンクーラント法が知ら
れていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このゾーンク
ーラント法でも次のような問題点が存在した。 (1)アルミニウム板の凹凸異常であるか否かの基準が
明確ではなく、どの程度の凹凸に対して適切な処理が必
要になるかの判断が、作業者により異なっていた。
【0007】(2)アルミニウム板の凹凸異常を確認で
きるのは、圧延の後半段階である。そのため、異常を確
認した時点で、凹凸異常を無くすように圧延条件のフィ
ードバック制御を行っても、凹凸異常が改善されるの
は、そのフィードバック制御以降に圧延されたアルミニ
ウム板である。つまり、凹凸異常が改善されるまでに大
量の不良部分が生じることになる。すなわち、制御を行
ってから結果が出るまでに時間がかかり制御応答性が悪
いという問題があった。
【0008】(3)クーラントノズルの目詰まりは、徐
々に進行する場合が多く、かつ、目詰まりの起こる場所
は予想できない。そのため、冷却不良により凹凸異常が
生じた場合、制御応答性が悪いために迅速に対応するこ
とができない。さらに、目詰まりが異なる場所に点在し
て生じた場合には制御が間に合わない。すなわち、クー
ラントノズル自体の異常が原因である場合には対応でき
ないという問題である。
【0009】そこで、本発明の目的は、上記従来技術の
問題点を解決し、アルミニウム板の熱間圧延において、
アルミニウム板の板プロフィルの一つである凹凸に対し
て、基準を明確にすると共に、この基準にもとづいてア
ルミニウム板に凹凸異常が生じないように、適切に制御
することができるアルミニウム板の熱間圧延方法およ
び、アルミニウム板の凹凸制御装置を提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記目的を
達成するために鋭意努力を重ねた結果、アルミニウム板
表面の凹凸形状を連続的に測定し、この測定した結果が
所定範囲内に入るか否かを常に監視し、所定範囲から逸
脱した際に所定の制御を行うことによって上記目的を達
成することができることを見出し、次のように構成し
た。
【0011】一基以上の熱間圧延機列により熱間圧延さ
れるアルミニウム板の熱間圧延方法において、前記いず
れかの熱間圧延機で熱間圧延したアルミニウム板表面の
板プロフィルの一つである凹凸部分の状態を、そのアル
ミニウム板の幅方向に連続的に測定する測定工程と、前
記測定工程の測定値にもとづいて求めた前記凹凸部分の
値が、あらかじめ決められた既定値を超えるか否かを判
断する判断工程と、前記既定値を超えたときに、圧延パ
ラメータを調節し、前記凹凸部分の状態を制御する制御
工程とを備え、前記判断工程は、前記測定工程で測定さ
れ信号化された情報にもとづいて、アルミニウム板表面
の凹凸部分を板プロフィルの一つとして認識し、この凹
凸部分の凹凸比率クラウン高さh(%)を下記式(1) h=C/H ……(1) (式中、H:板厚(mm)、C:凹凸部分の板厚偏差
(mm) である)から求め、このhの値と既定値とを
比較し、このhの値が既定値を超えているか否かを判断
する構成とした(請求項1)。
【0012】このように構成しているため、本発明にお
ける熱間圧延方法では、熱間圧延工程を構成する熱間圧
延機列のいずれかの段階で、アルミニウム板の凹凸部分
の状態を常時連続的に測定し、その測定データから、ア
ルミニウム板表面の凹凸部分を認識し、この凹凸部分に
ついて求めた一定範囲の凹凸比率クラウン高さh(%)
を既定値と比較し、既定値を満たすか否かを判断するこ
とで、凹凸異常を早期に発見できる。これにより速やか
なフィードバック制御が可能となり、制御応答性を改善
できる。
【0013】また、前記アルミニウム板の熱間圧延方法
において、前記既定値が、式(2) 既定値≦0.8×((W−300)/1000)/3 ……(2) (式中、 W:凹凸部分の幅(mm) である)で表さ
れる関係を満たすものとした(請求項2)。
【0014】式(2)の既定値は、実際のアルミニウム
板の製造データをもとに求めた、アルミニウム板が凹凸
異常により不良品とならない閾値であり、凹凸比率クラ
ウン高さh(%)がこの閾値を超えないように圧延条件
を調節することによって凹凸異常が発生しない。
【0015】さらに、前記アルミニウム板の熱間圧延方
法において、前記圧延パラメータの調節は、圧延荷重、
クーラントパターンのうち、少なくともひとつを変更す
ることでなされる構成とした(請求項3)。
【0016】アルミニウム板の凹凸部分が凹凸異常であ
ると判断された場合に、上記2つの圧延パラメータのう
ち少なくとも一つ、好ましくは両方を調節し、アルミニ
ウム板の熱間圧延条件のフィードバック制御を行うと凹
凸異常を容易にかつ確実に制御することができる。
【0017】また、前記目的を達成する本発明における
アルミニウム板の凹凸制御装置は、前記アルミニウム板
の熱間圧延に際し、一基以上の熱間圧延機列から構成さ
れているアルミニウム板の熱間圧延装置において、前記
いずれかの熱間圧延機で熱間圧延したアルミニウム板表
面の凹凸部分の状態を、そのアルミニウム板の幅方向に
連続的に測定する測定手段と、前記測定手段において測
定され信号化された情報にもとづいて、前記アルミニウ
ム板表面の凹凸部分の状態を連続的に監視する監視手段
と、前記測定手段において得られた測定値にもとづいて
求めた前記凹凸部分の値が、あらかじめ決められた既定
値を超えるか否かを判断する判断手段と、前記既定値を
超えたときに圧延パラメータを調節し、前記凹凸部分の
状態を制御する制御手段とを備える構成とした(請求項
4)。
【0018】すなわち、このように構成したアルミニウ
ム板の凹凸制御装置では、常に板表面の凹凸部分の状態
を監視することで迅速な制御応答が可能であり、また、
板表面の凹凸部分を認識し、その凹凸部分が凹凸異常で
あるか否かを、既定値との比較から判断し、必要に応じ
てフィードバック制御することで、熱間圧延での通板時
の形状乱れがなく、安定した圧延が可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明における一実施の形態を詳
細に説明する。図1(a)はアルミニウム板における凹
凸部分の状態の測定法を表す原理図、図1(b)は凹凸
形状をデフォルメして表す模式図、図2はアルミニウム
板の凹凸部分の状態を示す模式図、図3は既定値の範囲
を決めるグラフ図、図4は本発明のフィードバック制御
の有無と凹凸異常との関係を表すグラフ図である。図5
は本発明におけるアルミニウム板の凹凸制御装置の構成
を示す原理図である。
【0020】アルミニウム板の熱間圧延作業は、図5に
示すように、ワークロール11および、バックアップロ
ール12を多段に配置した圧延機列を有する熱間圧延装
置10を用いて行われており、圧延荷重、クーラントの
調整などを行いアルミニウム板30を一定の送り速度で
所定の温度を保ちながら圧延している。
【0021】本発明におけるアルミニウム板の熱間圧延
方法において使用できるアルミニウム板は、従来この種
の装置で圧延されるアルミニウム板であればその素材を
特に限定されるものではなく、一般的にはアルミニウム
やアルミニウム合金である。さらに、本発明の方法にお
ける圧延機として従来公知の圧延機を使用することがで
き、圧延ロールの数などは特に限定されるものではな
い。
【0022】本発明におけるアルミニウム板の熱間圧延
方法において、まずアルミニウム板の凹凸部分の状態を
測定し、特に、アルミニウム板の板プロフィルの一つで
ある高次の凹凸部分の状態を測定する。この様な凹凸部
分の状態は、板プロフィルセンサを用いて測定する際に
一般にX線を利用した測定手段を用いるが、アルミニウ
ム板の凹凸部分の状態を測定できる手段であれば、これ
に限定されるものではない。また、アルミニウム板の凹
凸部分の状態を測定する位置は、前記熱間圧延機列に含
まれる、いずれか一基の圧延機の後段において行うが、
この凹凸部分の状態の測定は必要に応じて圧延機の数カ
所で行ってもよい。
【0023】アルミニウム板表面の凹凸部分の状態の測
定は、たとえば、図1(a)に示すように、アルミニウ
ム板の幅方向に、aからb、bからc、cから…という
順序で連続的に行われる。また、そのときの測定スピー
ドは、圧延条件に応じて適宜決定される。
【0024】このようにして板プロフィルセンサにより
測定されたアルミニウム板の凹凸部分の状態の測定値
は、信号化された情報として判断工程に送られる。たと
えば、図1(a)において、板プロフィルセンサがアル
ミニウム板の凹凸部分の状態をaからbまで測定した場
合、前記判断工程では測定データにもとづき、aからb
までの凹凸状態の集まりを、図1(b)のAに示すよう
な板全体の断面形状として表示する。なお、図1(b)
では、板全体の断面形状をデフォルメした状態で表示し
ているが、板厚状態をサブミクロンオーダーで、そのア
ルミニウム板の断面状態として波形を連続させた図形
(図5参照)として表示しても構わない。そして、圧延
の進行と共にたとえば凹凸異常部分が生じてくると、F
〜H、M〜Oというように徐々に凹凸状態が変化してゆ
く。
【0025】この板全体を表す凹凸状態のなかに、図2
に示すような、板幅方向に対し垂直方向に突出した凹凸
部分が存在すると、このアルミニウム板の表面の凹凸部
分について、板厚をH(mm)、凹凸部分の板厚偏差を
C(mm)として、その凹凸部分の凹凸比率クラウン高
さh(%)を次式により求める。
【0026】h=C/H ……(1)
【0027】ここで、板厚とは凹凸形状を測定している
部分の、アルミニウム板の板厚をいい、凹凸形状の測定
データをもとに算出する。
【0028】判断工程では、求めた凹凸比率クラウン高
さh(%)の値が、あらかじめ決められた既定値を超え
るか否かを判断し、その結果を制御工程に、信号化した
情報として送る。
【0029】なお、本発明において使用される用語「既
定値」とは、熱間圧延されたアルミニウム板の凹凸部分
の状態に異常が発生しない範囲を設定するための閾値を
いう。以下、本発明における既定値の考え方について、
図3にもとづいて詳細に説明するが、本発明はこれに限
定されるものではない。図3は、横軸に板の凹凸の幅W
(mm)を、縦軸に凹凸比率クラウン高さh(%)を取
り、過去の製造データにもとづき作成した図である。図
中○印は冷間圧延後のアルミニウムが出荷検査に合格し
たものを、×印は不合格であったものを、△印は合格−
不合格の判定が困難であったものを表す。
【0030】このグラフにおいて、出荷検査に確実に合
格する範囲と、それ以外の範囲との区分けを行うと、図
中太線で表す境界線が得られる。この太線より下の範囲
は、最終製品が出荷検査において確実に合格する範囲で
あり、太線で表した判別境界線を式で表すと、下式
(3)のようになり、このYが既定値となる。
【0031】 Y=0.8×((X−300)1000)/3 ……(3)
【0032】したがって、アルミニウム板の凹凸形状の
測定値にもとづいて求めた、凹凸比率クラウン高さh
(%)の値が、式(3)で表すY値以下になれば凹凸異
常による不合格品は発生しないと考えられ、冷間圧延後
のアルミニウムが出荷検査に合格する条件式(4)が導
き出される。
【0033】 h≦0.8×((W−300)1000)/3 ……(4) (式中、W:凹凸部分の幅(mm)、h:凹凸比率クラウ
ン高さ(%)である)
【0034】本発明において定められる規定値は、前記
式(4)を満足する範囲内において適宜選択される。す
なわち、一般的には規定値は、0.8×(W−300)
1000/3であるが、最終製品として出荷される圧延
アルミニウム板に非常に高い凹凸精度が要求される場合
は、この値を0に近づけることができる。また、hの値
を上記設定し、hの上昇勾配から例えばn(秒)後(n
は制御信号を出してから実際に制御が行われる時間
(秒)である)に前記式(4)の値を超える動的な値で
あってもよい。
【0035】判断工程から制御信号が送出された場合、
前記アルミニウム板表面に認識した凹凸部分を、凹凸異
常とみなす。そして、圧延パラメータ(圧延荷重、クー
ラントパターン)のうち少なくともひとつの設定値を調
節し、圧延条件のフィードバック制御を行う。
【0036】圧延パラメータの調節としては、圧延荷重
の調節、クーラントパターンの調節および、各種アクチ
ュエータなどの調節があげられる。たとえば、圧延荷重
の調節の場合には、圧延速度の増加や低減、アルミニウ
ム板の張力の増加や低減などを行う。また、クーラント
パターンの調節の場合には、クーラント流量の増加や低
減、クーラントを当てる場所の変更などを行う。ベンダ
ー、テーパピストンロール、VCロールなどの各種アク
チュエータの調節としては、圧延ロールのベンディング
力や、ロールのクリアランスの調節などがあげられる。
しかし、本発明における圧延パラメータの調節は、この
具体例に限定されるものではなく、当該技術分野に公知
の種々の制御方法から適宜有効な方法を利用すればよ
い。
【0037】一方、既定値を超えていない場合、制御信
号が送出されないので、圧延パラメータを変えずに熱間
圧延を継続する。このようにアルミニウム板の熱間圧延
方法では、アルミニウム板の表面に高次の凹凸部分が発
生した場合に、既定値と対比して良否を判断し、適切に
対応することができるために、凹凸異常が改善される。
【0038】つぎに、本発明におけるアルミニウム板の
熱間圧延装置における凹凸制御装置1の構成を、図5を
用いて説明する。本発明において、アルミニウム板30
の熱間圧延装置10は、ワークロール11および、バッ
クアップロール12を多段に配置した圧延機列とワーク
ロール11とバックアップロール12を冷却するための
ゾーンクーラント13を主要部として有している。そし
て、板プロフィル制御装置1は熱間圧延装置10の出口
側に設置した測定手段としての板プロフィルセンサ2
と、この板プロフィルセンサ2からの情報にもとづい
て、アルミニウム板30の凹凸部分の状態を連続的に監
視する監視手段としての監視モニタ3と、板プロフィル
センサ2からの情報をあらかじめ決められた既定値とを
比較して、超えているか否かを判断する判断手段4と、
この判断手段からの情報により、圧延パラメータを調節
して凹凸部分の状態を制御する制御手段5を備えてい
る。
【0039】板プロフィルセンサ2は、X線センサなど
が用いられ、アルミニウム板30の凹凸部分の状態を板
幅方向に連続的に測定し、測定値を判断手段4に送って
いる。
【0040】判断手段4では得られた測定値にもとづい
て求めた凹凸部分の値が、既定値を超えるか否かを判断
し、凹凸部分の値が既定値を超えた場合に、制御信号を
制御手段5に送っている。ここで、監視手段3は、前記
判断手段4の一部を構成しており、前記測定手段である
板プロフィルセンサ2での測定値にもとづいて、アルミ
ニウム板の凹凸状態を表す波形を連続してアルミニウム
板30の幅方向の形状として表している。この監視手段
3では、常時アルミニウム板30の凹凸部分の状態が連
続した波形として表示されており、凹凸異常が発生した
場合には、速やかに確認することができる。
【0041】制御手段5では、前記判断手段4から送出
された制御信号を受け取った場合、アルミニウム板30
の圧延パラメータの一つである、たとえばゾーンクーラ
ント13の設定を調節し、圧延条件のフィードバック制
御を行う。一方、凹凸部分の値が既定値を超えていない
場合、凹凸異常とはみなさず、圧延条件を変えずに熱間
圧延を継続する。
【0042】また、凹凸異常であるとみなした時点で、
たとえば、光や音で警告を発し注意を喚起する警告手段
6を設けてもよい。これにより作業者が、機械制御室に
常駐していなくても異常を知ることが可能となる。ま
た、必要に応じて警報を発するか否か、圧延パラメータ
の設定を自動で行うか、マニュアルで行うかなどを設定
するようにして、柔軟に凹凸異常に対応できるようにし
てもよい。
【0043】本発明によるアルミニウム板30の熱間圧
延装置10における凹凸制御装置1では、アルミニウム
板30の熱間圧延に際し、アルミニウム板30の凹凸部
分の状態を常時、連続的に監視しているので、凹凸異常
を速やかに発見でき、前記フィードバック制御を行え
る。さらに、その結果を迅速に確認できるので、前記フ
ィードバック制御の結果が芳しくなくても、再び新たな
測定データにもとづいてフィードバック制御…というよ
うに、アルミニウム凹凸形状の測定値から求めた値が既
定値を満たすまで繰り返すことで、凹凸異常を解消でき
る。なお、既定値は前記した図1ないし、図3の説明の
際に規定した値を用いている。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例にもとづいてより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。 <実施例1>入側板厚:50mm、板幅:1300mmのア
ルミ(1050材)を、4段圧延機(ワークロール径:
φ725mm、ワークロールバレル長:3900mm、バッ
クアップロール径:φ1590mm、バックアップバレル
長:3900mm)を、4スタンドを持つ熱間仕上げ圧延
機列で、クーラント温度60℃、入側板厚:20〜50
mm、圧下率:30〜60%、入側材料温度:400〜5
30℃の条件でアルミニウム板の熱間圧延を開始した。
【0045】X線板厚プロフィルセンサを用いて、アル
ミニウム板の板幅方向の凹凸形状を測定し、板プロフィ
ルのひとつである凹凸部分を認識し、この凹凸部分にお
ける凹凸比率クラウン高さh(%)を測定した。
【0046】前記凹凸比率クラウンh(%)の値が、式
(2)の既定値を超えた場合には、圧延パラメータ(圧
延荷重、クーラントパターン)のうち少なくともひとつ
を調節し、フィードバック制御を行う。以降、「アルミ
ニウム板の凹凸形状の測定−凹凸部分認識−認識した凹
凸部分について凹凸異常か否かを判断−凹凸異常の場合
は、圧延パラメータの調節(フィードバック制御)」を
繰り返し、式(2)の既定値を超えなくなるまで行っ
た。
【0047】つぎに、入側板厚:4.0mm、板幅:1
430mmのアルミコイル(1050材)をシングルス
タンドの6段圧延機(ワークロール径:φ580mm、
ワークロールバレル長:2240mm、中間ロール径:
φ1300mm、中間ロールバレル長:2240mm、バ
ックアップロール径:φ1300mm、バックアップロー
ルバレル長:2240mm)で圧延速度:900mp
m、圧下率:45%、の条件で4回圧延を行い、圧延終
了後のサンプルについて形状(平坦度)評価を実施し
た。
【0048】その結果を図4に示す。図4において、○
印は、マニュアル制御(フィードバック制御なし)で熱
間圧延を行い、冷間圧延後のアルミニウム板の凹凸部分
の状態が合格になったもの。×印は、マニュアル制御で
熱間圧延をおこない、冷間圧延後のアルミニウム板の凹
凸部分の状態が不合格になったもの。●印は、フィード
バック制御で熱間圧延を行い、冷間圧延後のアルミニウ
ム板の凹凸部分の状態が合格になったもの。*印は(該
当結果がないため図4には記載していない)、フィード
バック制御で熱間圧延を行い、冷間圧延後のアルミニウ
ム板の凹凸部分の状態が不合格になったものをそれぞれ
表している。
【0049】図4に示すように、アルミニウム板の熱間
圧延時に、本発明に記載の方法を用いると、アルミニウ
ム板の凹凸異常を生ずることなく、アルミニウム板を製
造することができる。
【0050】
【発明の効果】本発明に係るアルミニウム板の熱間圧延
方法は、アルミニウム板の板プロフィルのひとつである
凹凸部分を認識し、この凹凸部分について、あらかじめ
決められた既定値を超えるか否かを判断し、圧延パラメ
ータをフィードバック制御する方法であるため、熱間圧
延におけるアルミニウム板の安定した凹凸制御を可能に
する。
【0051】さらに、凹凸異常であるか否かを数値範囲
で定義したことで、異常の有無の判断を明確かつ迅速に
できる。また、凹凸制御装置は、常時監視と、数値範囲
による異常の有無の判断を組合せることで、フィードバ
ック制御の効果を迅速に知ることができる。よって、凹
凸異常が即座に改善でき、安定した凹凸制御が可能とな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明のアルミニウム板の凹凸部分の
状態の測定法を表す原理図。(b)は本発明のアルミニ
ウム板の凹凸部分の状態をデフォルメして表す模式図で
ある。
【図2】本発明の板プロフィルの凹凸状態を表す模式図
である
【図3】本発明の既定値の範囲を決めるグラフ図であ
る。
【図4】本発明の実施例1の結果をあらわすグラフ図で
ある。
【図5】本発明のアルミニウム板の熱間圧延装置におけ
る板プロフィル制御装置の構成を表す原理図である。
【符号の説明】
1……凹凸制御装置 2……板プロフィルセンサ 3……監視モニタ 4……判断手段 5……制御手段 6……警告手段 10…熱間圧延装置 11…ワークロール 12…バックアップロール 13…ゾーンクーラント 30…アルミニウム板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B21C 51/00 B21B 37/00 116P (72)発明者 西岡 靖展 栃木県真岡市鬼怒ヶ丘15番地 株式会社神 戸製鋼所真岡製造所内 Fターム(参考) 4E002 AA08 AD04 AD05 BC05 BC07 BC08 CA02 CA04 4E024 AA02 AA03 BB01 BB07 BB09 BB10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一基以上の熱間圧延機列により熱間圧延
    されるアルミニウム板の熱間圧延方法において、 前記いずれかの熱間圧延機で熱間圧延したアルミニウム
    板表面の板プロフィルの一つである凹凸部分の状態を、
    そのアルミニウム板の幅方向に連続的に測定する測定工
    程と、 前記測定工程の測定値にもとづいて求めた前記凹凸部分
    の値が、あらかじめ決められた既定値を超えるか否かを
    判断する判断工程と、 前記既定値を超えたときに、圧延パラメータを調節し、
    前記凹凸部分の状態を制御する制御工程とを備え、 前記判断工程は、前記測定工程で測定され信号化された
    情報にもとづいて、アルミニウム板表面の凹凸部分を板
    プロフィルの一つとして認識し、この凹凸部分の凹凸比
    率クラウン高さh(%)を下記式(1) h=C/H ……(1) (式中、H:板厚(mm)、C:凹凸部分の板厚偏差
    (mm) である)から求め、このhの値と既定値とを
    比較し、このhの値が既定値を超えているか否かを判断
    するものであることを特徴とするアルミニウム板の熱間
    圧延方法。
  2. 【請求項2】 前記既定値は、下記式(2) 既定値≦0.8×((W−300)/1000)/3 ……(2) (式中、W:凹凸部分の幅(mm) である)であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のアルミニウム板の熱間圧
    延方法。
  3. 【請求項3】 前記圧延パラメータの調節は、圧延荷
    重、クーラントパターンの少なくともひとつを変更する
    ことでなされることを特徴とする、請求項1または請求
    項2に記載のアルミニウム板の熱間圧延方法。
  4. 【請求項4】 一基以上の熱間圧延機列から構成されて
    いるアルミニウム板の熱間圧延装置に用いられ、 前記熱間圧延装置の出口側で熱間圧延したアルミニウム
    板表面の凹凸部分の状態を、そのアルミニウム板の幅方
    向に連続的に測定する測定手段と、 前記測定手段において測定され信号化された情報にもと
    づいて、前記アルミニウム板表面の凹凸部分の状態を連
    続的に監視する監視手段と、 前記測定手段において得られた測定値にもとづいて求め
    た前記凹凸部分の値が、あらかじめ決められた既定値を
    超えるか否かを判断する判断手段と、 前記既定値を超えたときに圧延パラメータを調節し、前
    記凹凸部分の状態を制御する制御手段とを備えることを
    特徴とするアルミニウム板の凹凸制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11712724B2 (en) 2020-04-14 2023-08-01 Abb Schweiz Ag Detection of faulty cooling units configured to provide coolant to rolling mills

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