JP2002117898A - 再充電可能な電気化学電池の低温度での放電のための非水性有機電解液 - Google Patents

再充電可能な電気化学電池の低温度での放電のための非水性有機電解液

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JP2002117898A
JP2002117898A JP2001237703A JP2001237703A JP2002117898A JP 2002117898 A JP2002117898 A JP 2002117898A JP 2001237703 A JP2001237703 A JP 2001237703A JP 2001237703 A JP2001237703 A JP 2001237703A JP 2002117898 A JP2002117898 A JP 2002117898A
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カン ホン
Esther S Takeuchi
エス、タケウチ エスター
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Greatbatch Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リチウムイオン電池の低温での充電/放電性
能を改良することを目的とする。 【解決手段】 上記の課題は、リチウムイオン電池を、
溶媒系がジアルキルカーボネート及び環状カーボネート
の混合物、好ましくは、ジメチルカーボネート、ジエチ
ルカーボネート及びエチルメチルカーボネートが平衡し
た比率であるジメチルカーボネート、ジエチルカーボネ
ート、エチルメチルカーボネート及びエチレンカーボネ
ートからなる4要素混合物から構成される、平衡した4
要素溶媒系で活性化することによって解決される。 【効果】 この電解液で活性化されるリチウムイオン電
池は良好な室温サイクル特性及び優秀な低温放電挙動を
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学エネルギーか
ら電気エネルギーへの変換に関するものである。さらに
詳しくは、本発明は、再充電可能なアルカリ金属電気化
学電池、特に、長いサイクル寿命と低温度での充電/放
電実施のために設計されたリチウムイオン電池を活性化
するための非水性電解液に関するものである。これらの
特性は、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、エチルメチルカーボネート、及びこれら先の3つの
カーボネートを平衡した比率で備えたエチレンカーボネ
ートの4要素の混合物である電解液で活性化することに
よって得られるものである。
【0002】
【従来の技術】特開平8−162153(東芝電池
(株))は、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジ
エチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート
(DMC)及びエチレンカーボネート(EC)の混合溶
媒電解液で活性化されるリチウムイオン二次電池に関す
るものである。本刊行物における電池は、約−20℃に
まで温度が低下してもサイクルする能力があると述べら
れている。しかしながら、この特開平8−162153
においては、DMC:EMC:DECの構成要素を、平
衡した混合物の状態で与えるということについては何の
記載もなされていない。これに関する問題は、電池が放
電及び充電状態の間をサイクルする際、DMCとDEC
が物質EMCを生成するためのエステル交換反応を受け
ることである。もしも、このDMC:EMC:DECの
3要素からなる溶媒が、平衡した混合物の状態で電池内
に満たされていなければ、電池の性能は、DMCとDE
Cが反応してEMCを形成したり、又はEMCが不均衡
化してDMC及びDECになった場合に変化する。その
場合には、当初は−20℃において放電できるとされて
いた電池は、DMC、DEC及びEMCの比率が変化す
ることによって数サイクル後にはそのような性能が発揮
できなくなる。このような予想し得ない事象は、リチウ
ムイオン電池をかかる低温で動作させる際にあってはな
らないものである。
【0003】本発明によれば、低温度での放電及び容量
減退の問題は、アルカリ金属再充電電池、特にリチウム
イオン電池を、電解液中の有機カーボネート溶媒の平衡
した4要素混合物で活性化することによって回避され
る。4要素混合物からなるカーボネート溶媒及び溶媒混
合物比は、−20℃を下回る温度においても放電でき、
しかも良好なサイクル特性を示すリチウムイオン電池を
得るために注意深く選択される。同時に、室温における
本発明の電池のサイクル性能は、従来の2要素カーボネ
ート溶媒電解液で活性化された、同種の電極化学系の再
充電可能な電池と同等に良好に維持される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、リチ
ウムイオン電池を、非水性有機カーボネート溶媒の平衡
した4要素混合物からなる電解液で活性化することによ
って、リチウムイオン電池の低温での充電/放電性能を
改良することである。本発明の更なる課題は、そのよう
な電解液をリチウムイオン電池に提供し、従来の2要素
カーボネート、及び混合したカーボネート/エステル電
解液で活性化された同種の電極化学系の電池と比較して
サイクル寿命を改善することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的のため、本発
明は、リチウムイオン電池を活性化する電解液のための
平衡した4要素混合溶媒系を指向している。この溶媒系
は、有機カーボネートのみを含んでいる。特に好適な溶
媒混合物は、EC:DMC:EMC:DECである。こ
こで、ECは約20〜50体積%の範囲であり、DMC
は約12〜75体積%の範囲であり、EMCは約5〜4
5体積%の範囲であり、DECは約3〜45体積%の範
囲である。この溶媒系は、良好な低温度放電特性及びサ
イクル特性を有する電池を提供する。
【0006】本発明の上記の課題は、次の説明と添付図
面を参照することによって当業者にさらに明らかとな
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に従って作成された二次電
気化学電池は、アルカリ金属リチウム、ナトリウム、カ
リウム等の元素周期律表のIA、IIA又はIIIB族
から選択されるアノード活物質を含んでいる。好適なア
ノード活物質はリチウムからなる。
【0008】二次電気化学系において、アノード電極
は、アルカリ金属、好ましくはリチウムをインターカレ
ート及び脱インターカレートできる材料からなる。リチ
ウム種を可逆的に保持できる種々の形態の炭素(例え
ば、コークス、グラファイト、アセチレンブラック、カ
ーボンブラック、ガラス状カーボン等)からなる炭素質
アノードが好ましい。グラファイトは、その比較的高い
リチウム保持容量のため、特に好ましい。炭素の形態に
関係なく、炭素質材料の繊維は、特に有益である。なぜ
なら、繊維は優れた機械的特性を有しており、繰り返さ
れる充電/放電サイクル中の退化に耐え得る剛直な電極
を作製できる。さらに、炭素繊維の高表面積により急速
な充電/放電速度が可能となる。二次電気化学電池のア
ノードのための好適な炭素質材料は、Takeuchi
等の米国特許第5,443,928号に記載されてい
る。なお、この特許は、本発明の譲受人に譲り受けられ
ており、ここに参照として組み込まれる。
【0009】一般的な二次電池アノードは、約3〜10
重量%のバインダー材料と約90〜97重量%のグラフ
ァイトを混合することによって作製される。バインダー
材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリ
エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリア
ミド及びポリイミド、並びに上記物質の混合物等のフッ
素樹脂粉末が挙げられる。この電極活混合物は、ニッケ
ル、ステンレス鋼又は銅の箔又はスクリーン等からなる
集電体への、活混合物のキャスト、プレス、圧延又は他
の接触によって設けられる。
【0010】さらに、アノード部は、アノード集電体と
同一材料、すなわち好ましくは、ニッケルからなる延長
タブ又はリードを有しており、これはケースが負極の電
池の導電性金属からなる電池ケースに溶接等によってそ
こに接触させて一体形成されている。また、アノード
は、ボビン型、シリンダー、ペレット等の他の形状に形
成されていて、低表面積の電池設計を達成していてもよ
い。
【0011】二次電池のカソードは、好ましくは、空気
中で安定であり、しかも、容易に扱えるリチウム化材料
から構成されている。このような空気中で安定なリチウ
ム化カソード材料の例としては、バナジウム、チタン、
クロム、銅、モリブデン、ニオブ、鉄、ニッケル、コバ
ルト及びマンガン等の金属の酸化物、硫化物、セレン化
合物及びテルル化合物が挙げられる。好適な酸化物とし
ては、LiNiO2 、LiMn24 、LiCoO2
LiCo0.92Sn0.082 及びLiCo1-x Nix2
が挙げられる。
【0012】電気化学電池に組み込むための電極を作製
する前に、このリチウム化された活物質は、好ましく
は、導電性添加剤と混合される。好適な導電性添加剤と
しては、アセチレンブラック、カーボンブラック及び/
又はグラファイトが挙げられる。粉末状のニッケル、ア
ルミニウム、チタン及びステンレス鋼等の金属も上記活
物質と混合させた際の導電性希釈剤として有用である。
さらに電極は、好ましくは、粉末形態にあるフッ素樹脂
バインダー、例えば、PTFE、PVDF、ETFE、
ポリアミド及びポリイミド、並びに上記物質の混合物か
らなる。
【0013】このような二次電池を放電するために、カ
ソードを構成するリチウムイオンは、外的発生の電気的
ポテンシャルを印加することによって炭素質アノードに
インターカレートされて電池を再充電する。この印加さ
れた再充電をしている電気的ポテンシャルは、アルカリ
金属イオンをカソード材料から電解液を通って炭素質ア
ノードに引き出して、アノードを構成する炭素を飽和さ
せる役割を果たす。得られるLix6 電極は、0.1
〜1.0の範囲のxを有している。電池は次に、電気的
ポテンシャルを備え、通常方法に従って放電される。
【0014】他の二次電池の構成は、アノードが電池に
組み込まれる前に、活性なアルカリ材料で炭素質材料を
インターカレートしてなる。この場合、カソード体は固
体であり、二酸化マンガン、酸化バナジウム銀、酸化バ
ナジウム銀銅、二硫化チタン、酸化銅、硫化銅、硫化
鉄、二硫化鉄及びフッ化炭素等の材料からなる。しかし
ながら、このアプローチは、電池の外部でリチウム化炭
素を取り扱わなければならないという問題によって不利
になる。リチウム化炭素は、空気と接触した場合に反応
して爆発生成物になる。
【0015】本発明の二次電池は、アノード活性電極と
カソード活性電極との間の物理的分離を行うためのセパ
レーターを有している。このセパレーターは電気的絶縁
材料からなり、電極間の内部電気短絡を回避する。ま
た、このセパレーターはアノード及びカソードの活物質
と化学的に反応せず、また、電解液と反応せず、しか
も、電解液に不溶である。さらに、セパレーター材料
は、電池の電気化学反応の際に、そこを通って電解液の
流通を可能にするのに十分な多孔度を有している。一般
的に、セパレーターの形状はシート状であり、これはア
ノード及びカソードの電極間に配置される。アノードは
蛇状の構造体に折り畳まれていて、この間に多数のカソ
ードプレートが配置されて電池ケースに受け入れられて
いるか、又は電極の組み合わせが巻回されて、円筒型の
「ゼリーロール」の構造体になっている
【0016】例示されるセパレーター材料としては、ポ
リエチレンテトラフルオロエチレン及びポリエチレンク
ロロトリフルオロエチレンのフッ素ポリマー繊維からな
る織物を、単独使用するか、又はフッ素ポリマー微孔性
フィルムに積層して使用されるものが挙げられる。他の
好適なセパレーター材料としては、不織ガラス、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、ガラス繊維材料、セラミック
ス、商品名ZITEX(Chemplast In
c.)のもと市販されているポリテトラフルオロエチレ
ン膜、商品名CELGAD(Celanese Pla
stic Company, Inc.)のもと市販さ
れているポリプロピレン膜、及び商品名DEXIGLA
S(C.H. Dexter, Div., Dext
er Corp.)のもと市販されている膜が挙げられ
る。
【0017】アルカリ金属電気化学電池、特に十分に充
電されたリチウムイオン電池を活性化するための電解液
溶媒系の選択は、カソード材料の高いポテンシャル(L
1- xCoO2 の場合、Li/Li+ に対して4.3V
まで)及びアノード材料の低いポテンシャル(グラファ
イトの場合、Li/Li+ に対して0.01V)に起因
して非常に制限される。有機カーボネートは、一般にそ
のような電池の化学構成のための電解液溶媒系に使用さ
れる。これはそれらがカソード材料に対する高い酸化安
定性とアノード材料に対する良好な動的安定性を示すか
らである。表1にこれらのカーボネート溶媒の物性を掲
載する。
【0018】
【表1】
【0019】表1から環状カーボネートのエチレンカー
ボネート(EC)及びビニレンカーボネート(VC)
は、Baekerらの米国特許第5,712,059号
に記載されるように、0℃よりも高い融点を有している
ことがわかる。それ故、これらの溶媒で調製された電解
液は、室温で良好に機能するが、低温では電解液の凍結
に起因して良好に機能しない。また、高誘電率の溶媒で
あるプロピレンカーボネート(PC)及びブチレンカー
ボネート(BC)は、その低い融点に起因して低温実施
に好適である。しかしながら、これらの溶媒は、リチウ
ム化中にグラファイト電極を不導態化できないので、ア
ノード活物質がグラファイトからなるリチウムイオン電
池には好適ではない。したがって、グラファイト電極の
場合、EC及びVCは、高誘電率溶媒成分として使用す
るための最良の選択である。
【0020】DMC以外の全ての線形カーボネート溶媒
は、−40℃より低い融点を有している。しかしなが
ら、それらはDMCの粘度よりも高い粘度を有してい
る。例えば、DECは−43℃という比較的低い融点を
有しているが、DECから調製された電解液が低温で高
い導電率になるということを必ずしも意味しない。19
96年3月4日から7日、フロリダ州 ボカラトンで開
かれた一次電池及び二次電池の技術と実施に関する第1
3回国際セミナーにおける、PolyStor社のS.
T.Mayer、H.C.Yoon、C.Bragg及
びJ.H.Leeらによる発表では、1.39MのLi
PF6 /EC:DEC=50:50〜25:75からな
る電解液は、−15℃よりも高い凝固点を有していると
いう事が報告されている。
【0021】それ故、低温実施のために設計されたリチ
ウムイオン電池を活性化する電解液のための4要素混合
溶媒系を調製するに際して、この電解液が調製後に平衡
状態になり、電池サイクル中に顕著な化学組成の変化を
受けない場合には、いくつかの要因が考えられる。これ
には、構成成分のカーボネート溶媒の酸化安定性、平衡
状態の溶媒混合物の化学安定性、グラファイト電極に対
する電解液の不導態化効果、電解液の凝固点及び電解液
の低温度導電性の増加が挙げられる。一般的に使用され
る高誘電率(環状カーボネート)溶媒の場合、エチレン
カーボネートがビニレンカーボネートよりも優れてい
る。低粘度(線形カーボネート)溶媒では、分子の寸法
が小さくなればなるほど、化合物の同一分類内において
溶媒の粘度は低くなる。すなわち、DMCはEMCより
も優れており、EMCはDECよりも優れている。
【0022】リチウムイオン電池のサイクル性能に影響
を与える他の因子は、アノード及びカソードに対する電
解液の安定性である。電池を活性化するために最初にケ
ース内に充填される電解液の化学組成は、充電/放電サ
イクル中に化学反応を受ける、ということが知られてお
り(E.S. Takeuchi 、H. Gan、M. Palazzo、R.L. Leisi
ng及びS.M. Davis、J.Electrochem. Soc.144、1944-194
8 、1997に報告)、その開示事項はここに参照として組
み込まれる。この反応は次の式で表される。
【0023】
【化1】
【0024】この現象は、すでに平衡状態にあるカーボ
ネート溶媒混合物で開始することによってほぼ避けられ
る。この種の電解液の調整方法は、Gan他による米国
特許No.5,962,720及び6,057,062
において詳細に説明されている。なお、これらの特許は
本発明の譲受人に譲り受けられており、その開示事項は
ここに参照として組み込まれる。
【0025】本発明によると、好適な非水性電解液は、
非水性溶媒の溶解された無機塩から構成され、さらに好
ましくは、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチル
カーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート(D
PC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチル
プロピルカーボネート(MPC)及びエチルプロピルカ
ーボネート(EPC)、並びに上記物質の混合物から選
択されるジアルキル(非環状)カーボネートと、プロピ
レンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(E
C)、ブチレンカーボネート(BC)及びビニレンカー
ボネート(VC)、並びに上記物質の混合物から選択さ
れる環状カーボネートとからなる有機カーボネート溶媒
の4要素混合物中に溶解されたアルカリ金属塩である。
もっとも、有機カーボネート溶媒の4要素混合物は、一
般的には、1種類の環状カーボネート、並びに、R
が異なり、及び1〜13個の炭素原子を有する飽和
又は不飽和有機原子団となる、1つ目がROCOOR
で、2つ目がRCOORで及び3つ目がRCO
ORなる式で示されるところの3種類の線形カーボネ
ートから成り立っている。
【0026】本発明の好ましい形態は、電池を活性化す
る電解液が、DMC:EMC:DECの比率に関して平
衡状態にあるときである。これは、安定した、しかも信
頼できるサイクル特性を維持する上で重要である。この
理由としては、充電された電池内に存在する低ポテンシ
ャルアノード材料に起因していることが知られており、
平衡していないDMC:DECの混合物がリチウム化さ
れたグラファイト(LiC〜0.01V vs Li
/Li)に直面していれば、結果として大量のEMC
が生成されることになるからである。この現象について
は先に参照した刊行物(E.S. Takeuchi他、J.Electroch
em. Soc. 144、 1944-1948、1997年)中に詳細に説明さ
れており、その開示事項はここに参照として組み込まれ
る。
【0027】特に、上で参照したTakeuchi他に
よる刊行物においては、LiCoO カソード材料及び
石油コークスアノードを有している試作電池の構成が開
示されている。1.0M LiPF/PC:DMC:
DEC=2:1:1の電解液で電池をサイクルさせたと
き、EMCが生成されるに至った。生成物は、わずか1
充電サイクルを経た後ですら観測された。
【0028】その後、Takeuchi他は、DMC及
びDECからEMCが生成されるエステル交換反応上に
おける電池の各構成要素の影響を測定する研究に着手し
た。これには、1:1モル比のDMC及びDECの溶液
が用いられた。以下の表2において要約されているよう
に、数日間、室温下で攪拌した状態において、エステル
交換反応の接触作用を受けた電池活物質(LiCo
、石油コークス及びLiPF)は一つも無かっ
た。また、大量のHFが反応混合物に加えられた状態に
あっても、何らの新規な生成物も観測されなかった。こ
の結果は即ち、エステル交換反応は、各々の電池の構成
要素又は電解液の酸性不純物(HF)によっては開始さ
れるものではなく、又は接触作用を受けるものではない
ということを示している。同様に、追加のテストにおい
ても全ての電池活物質の組み合わせは、どれも反応を開
始しなかったということが示されている。例えば、電解
液が加えられた状態で保存されていた新品の(未充電
の)リチウムイオン電池においては、このような交換反
応は起こっていない。したがって、Takeuchi他
は、DEC及びDMCがEMCを生成する交換反応は、
各々の電池の構成要素とは独立であり、しかも、これは
充電状態のカソード(Li1−xCoO)及びアノー
ド(Li)と相互に関連した電池の反応に依存す
るものであると結論付けた。
【0029】その後、Takeuchi他は、充電され
た試験電池内に高いポテンシャル(カソード)と低いポ
テンシャル(アノード)の双方の材料があるという理由
から、リチウムイオン電池での全ての生成物をただ調査
することのみでは、電極がエステル交換反応を開始する
原因であるということを識別することが不可能であると
結論付けた。酸化及び還元過程の間であるということを
識別する為に、充電された電極材質が1:1モル比のD
MC及びDECの溶液にそれぞれ加えられた。数日間、
室温下で攪拌した状態のものを保管後、化学的に生成さ
れたカソード材質(Li0.5CoO,4.28V
vs. Li/Li)を含む反応混合物にはEMCが
生成された痕跡は全く見られなかった。しかしながら、
リチウム化されたグラファイト(LiCから0.01
V vs. Li/Li)を含む反応混合物には多量
に生成されたEMCが見られた(表2)。反応が不均一
に炭素表面で起こっていることから、触媒の活性表面エ
リアの不確実性のため、反応運動の定量分析は確立され
ていない。定性的には攪拌をしながらの保存期間が長け
れば長い程、より多くのEMCが見られた。この結果
は、リチウムイオン電池におけるエステル交換反応がア
ノード(充電状態)で開始されるということを証明して
いる。エステル交換反応が低いポテンシャルで接触作用
を受けるということを確認するため、リチウム化された
グラファイトの代わりに金属リチウムが用いられた。こ
のとき、反応混合物中においてEMCが検出されるとい
う同様の結果が得られた(表2)。
【0030】
【表2】
【0031】この結果より、もしもDMC、DEC及び
EMCが一般的な場合放電状態の下で製造される新品の
リチウムイオン二次電池において生成されていなけれ
ば、これらのカーボネート成分は、電池が充電され、し
かも、リチウム化された炭素質材料が負極で生成される
まではすぐに平衡しない、というように結論付けること
ができる。上の表2において示したように、リチウム化
された炭素は、DMC及びDECからEMCを生成する
間のエステル変換反応のための触媒となる。また、電池
が充電/放電サイクルを経れば経るほど、炭素を含む負
極が不動態化するに至るまでより多くのEMCが生成さ
れる。
【0032】図1は、DMC:EMCの初期比率に基づ
く、DMC:EMC:DECの数種の平衡した混合物を
示すグラフである。図においては5種の異なる平衡した
混合物が示されている。例えば、図1の横座標又はx軸
上を左から右に見たときに、DMC%(体積)に対する
データ点10における当初のDMC:EMCの混合比率
は約26%である。これはすなわち、典型的なDMC:
DECの初期比率はおよそ26% DMC:74% D
ECより開始するものであることを示している。この初
期混合物は、およそ9.5% DMC、38.5% E
MC(データ点12)及び52% DEC(データ点1
4)の混合比率(縦座標又はy軸上を読んだとき)で平
衡に至り、混合物1となる。図1に示すこの平衡混合物
及び混合物2から5の平衡混合物については以下の表3
に示される。
【0033】
【表3】
【0034】したがって、本発明に係るリチウムイオン
電池を活性化する電解液のための4要素混合溶媒系につ
いて詳細に説明している本発明においては、電池がサイ
クルしている最中に電解液が顕著な化学的変質を受けな
いためには、DMC、EMC及びDECが当初より平衡
状態にあることが重要である。
【0035】興味深いことに、従来の技術の項で参照し
た特開平8−162153は、エチルメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート及び
エチレンカーボネートの混合溶媒電解液で活性化される
リチウムイオン二次電池に関するものである。特開平8
−162153の段落0017は、重量比45:35:
10:10の割合で混合されたエチルメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート及び
エチレンカーボネートを含む組立済電池用の電解液溶液
を示唆している。ここで、エチレンカーボネートの密度
は20℃で1.41g./ml.、ジメチルカーボネー
トの密度は20℃で1.07g./ml.、エチルメチ
ルカーボネートの密度は20℃で1.00g./ml.
及びジエチルカーボネートの密度は20℃で0.97
g./ml.であることが知られている。種々のカーボ
ネート物質の密度に基づけば、EMC:DEC:DM
C:EC=45:35:10:10の重量比を有する電
解液は、EMC:DEC:DMC:EC=45.0:3
6.1:9.3:7.1の体積比を有していると計算さ
れ、EMC:DEC:DMCの体積比はEMC:DE
C:DMC=49.8:39.9:10.3であると計
算される。これは、先に参照した図1によって証明され
たEMC:DEC:DMCの平衡混合物ではない。
【0036】特開平8−162153の段落0023
は、重量比55:25:10:10のEMC:DEC:
DMC:ECを有する、リチウムイオン二次電池を活性
化するための混合溶液を示唆している。上記のように、
EMC:DEC:DMC:EC=55:25:10:1
0の重量比を有する電解液は、EMC:DEC:DM
C:EC=55.0:25.8:9.3:7.1の体積
比を有していると計算され、EMC:DEC:DMCの
体積比はEMC:DEC:DMC=61.0:28.
6:10.3であると計算される。これは、先に参照し
た図1によって証明されたEMC:DEC:DMCの平
衡混合物ではない。
【0037】DEC、DMC及びEMCの平衡混合物は
とても重要である。その理由はすなわち、特開平8−1
62153に記載されている電池は、およそ−20℃ま
で温度が下がってもサイクル可能であると述べられてい
る点にある。先に述べたように、電池が放電及び充電状
態の間でサイクルしているとき、DMC及びDECは物
質EMCを生成するためのエステル交換反応を受ける。
また、電池のサイクル中、EMCはDMC及びDECと
不均衡になっている。もしも、このDMC:EMC:D
ECの3要素からなる溶媒が、平衡した混合物の状態で
電池内に満たされていなければ、電池の性能は、DMC
及びDECがEMCの形に反応したもの、又はEMCが
DMC及びDECと不均衡になったもののように変化す
る。その場合には、例えば、当初は−20℃において放
電できるとされていた電池は、DMC、DEC及びEM
Cの比率がエステル交換反応又は不均衡な反応で変化す
ることによって数サイクル後にはそのような性能が発揮
できなくなる。このような予想し得ない事象は、リチウ
ムイオン電池をかかる低温で動作させる際にあってはな
らないものである。
【0038】EMC、DMC及びDECの各構成要素が
平衡した比率で電解液に与えられた後、電池を所望の実
施例に適応させるためにエチレンカーボネートが加えら
れる。
【0039】種々のカーボネート溶媒に対する好適な体
積パーセントの範囲は、約10〜50%の範囲のEC、
約5〜75%の範囲のDMC、約5〜50%の範囲のE
MC、及び約3〜45%の範囲のDECである。この4
要素カーボネート混合物を含む電解液は、−50℃より
も低い凝固点を示す。このような混合物で活性化された
リチウムイオン電池は、室温で非常に良好なサイクル挙
動を示すとともに、−20℃よりも低い温度で良好な放
電及び充電/放電サイクル挙動を示す。
【0040】また、アノードからカソードにアルカリ金
属イオンを輸送するための媒体として有用な公知のリチ
ウム塩は、LiPF6 、LiBF4 、LiAsF6 、L
iSbF6 、LiClO4 、LiAlCl4 、LiGa
Cl4 、LiC(SO2 CF 33 、LiNO3 、Li
N(SO2 CF32 、LiSCN、LiO3 SCF2
CF3 、LiC65 SO3 、LiO2 CCF3 、Li
SO3 F、LiB(C654 及びLiCF3 SO
3 、並びに上記物質の混合物が挙げられる。好適な塩濃
度は、約0.8〜1.5Mの範囲である。
【0041】ここに記載される電池の集合体は、好まし
くは、巻回要素の電池の形態にある。すなわち、作製さ
れたカソード、アノード及びセパレーターは、共に巻回
されてゼリーロールタイプの配置、すなわち「巻回要素
電池スタック」となっており、アノードは巻回物の外側
にあり、電池のケースと電気的に接触していてケースが
負極の配置になっている。好適な上部及び底部の絶縁体
を使用して、この巻回電池スタックは、好適な寸法の金
属製ケースに挿入される。金属製ケースは、ステンレス
鋼、軟鋼、ニッケルメッキした軟鋼、チタン又はアルミ
ニウム等の材料からなるが、電池の部品とともに使用し
て化学反応を起こさない限り、金属材料がこれに限定さ
れない。
【0042】電池のヘッダーは、ガラス金属シール/端
子ピンフィードスルーを収容するための第1の孔と、電
解液充填のための第2の孔とを有する金属製のディスク
状の形態を有している。使用されるガラスは、耐腐食性
のものであり、50重量%までのシリコン、例えば、C
ABAL12、TA23、FUSITE425又はFU
SITE435等を含んでいる。正極端子ピンフィード
スルーは、好ましくは、モリブデンからなるが、チタ
ン、アルミニウム、ニッケル合金又はステンレス鋼も使
用できる。電池のヘッダーは、電気化学電池の他の部分
と化学反応を起こさない要素からなり、しかも、耐腐食
性のものである。カソードリードはガラス金属シール中
の正極の端子ピンに溶接され、ヘッダーは電極スタック
を含むケースに溶接される。その後、電池は上記の電解
液で充填され、充填孔にステンレス鋼ボールを精密溶接
等して密閉シールされるが、シールの方法はこれに限定
されない。上記の集合体は、本発明の実施例としての二
次電池のための好適な構成であるケースが負極の電池に
関して記載している。しかしながら、当業者に周知のよ
うに、本発明の電気化学系は、ケースが正極の配置に構
成してもよい。
【0043】次の実施例は、本発明の電気化学電池に関
して記載されており、それらは発明者が本発明を実施す
るに当たって最良の実施形態と考えるものを示すが、本
発明は、これに限定されるわけではない。
【0044】
【実施例】 実施例I カーボネート溶媒混合物の調製 1.混合物1の合成 2:1モル比(体積比58:42)のDMC(116m
l)及びDEC(84ml)を500mlフラスコ中で
混合した。0.1gのLiOCH3 からなる触媒を混合
物に添加して12時間還流した。ガスクロマトグラフィ
ー(GC)分析は、反応混合物がDMC:EMC:DE
Cの体積比が40:45:15の平衡に達したことを示
している。次に、この反応混合物を、47mmのガラス
繊維フィルター、タイプA/E(ゲルマンサイエンス
製)に通して濾過した。透明な溶液(混合物1)が得ら
れた。
【0045】2.混合物2の合成 1:1モル比(体積比41:59)のDMC(82m
l)及びDEC(118ml)を500mlフラスコ中
で混合した。0.1gのLiOCH3 からなる触媒を混
合物に添加して12時間還流した。ガスクロマトグラフ
ィー(GC)分析は、反応混合物がDMC:EMC:D
ECの体積比が20:50:30の平衡に達したことを
示している。次に、この反応混合物を、47mmのガラ
ス繊維フィルター、タイプA/E(ゲルマンサイエンス
製)に通して濾過した。透明な溶液(混合物2)が得ら
れた。
【0046】上記実施例は、合成方法を例示する。平衡
状態の溶液混合物の最終的な体積比は、最初の溶媒組成
の比を変えることによって調製され得る。例えば、最終
的な反応混合物中のEMCの比は、DMC:DECがそ
れぞれ4:2〜2:4の初期比の場合、約41%〜48
%の範囲になる。当業者に明らかなように、溶媒混合物
は、適切な量の純粋なDMC、EMC及びDECを混合
することによって調製され得る。
【0047】実施例II 電解液の調製及びその特性 8個の新しい電解液を、ECと混合物1又は混合物2と
を2:8、3:7、4:6、5:5の体積比で混合する
ことによって調製した。従来の電解液は、表4に示すよ
うに、比較のために調製した。
【0048】
【表4】
【0049】これらの電解液の導電性は、YSIモデル
32導電率メーターを使用して−20℃〜50℃の範囲
の温度で記録した。結果を表5に示す。
【0050】
【表5】
【0051】上記の結果より、従来の電解液9は、−2
0℃以外のすべての温度で新しく調製された電解液の導
電性よりも高い導電性を示すことがわかる。−20℃に
おいて電解液9は凍結し、使用不可となる。また、電解
液8は−20℃で凍結するが、電解液8のように50体
積%のECを含む電解液4は、同じ温度でも凍結しなか
った。これら2種類の電解液を比較すると、電解液4は
電解液8よりも、より多くのDMC(MP=3℃)とよ
り少ないDEC(MP=−43℃)を含んでいる。この
ことは、4要素カーボネートの電解液の凝固温度が最も
低い融点の溶媒成分の比率に正比例しないことを示して
いる。導電率の結果は、低温で電解液の導電率がECの
比率に逆比例することを示している。換言すると、EC
の比率が低くなればなるほど、電解液の導電率は高くな
る。さらに、ECの比率の同様な電解液を比較すると、
電解液の導電率はDMCの濃度に比例する(電解液1対
5;2対6;3対7;4対8)。これは線形カーボネー
トの分子サイズが小さくなればなるほど、溶媒濃度が低
くなり、電解液の導電率が高くなるという考察と矛盾し
ない。
【0052】また、上記電解液1〜9の凝固点を調べ
た。これを表6に示す。
【0053】
【表6】
【0054】上記のテスト結果は、電解液8及び9は低
温度(<−15℃)での実施のためのリチウムイオン電
池に使用できないことを示している。その他の電解液は
−20℃以下のリチウムイオン電池において使用でき
る。
【0055】実施例III リチウムイオン電池の調製及び電気化学テスト 1.電池の調製 アルミニウム箔上にLiCoO2 カソード混合物をキャ
ストすることによってカソードを調製した。このカソー
ド混合物は91%のLiCoO2 、6%のグラファイト
添加材、3%のPVDFバインダーを含む。また、銅箔
上に91.7%のグラファイト及び8.3%のPVDF
バインダーを含むアノード混合物をキャストすることに
よって同様にアノードを調製した。カソードとアノード
との間に一層のポリエチレンセパレーターを配置するこ
とによって電極集合体を得て、この集合体をゼリーロー
ル配置に螺旋巻回し、AAサイズの円筒型ステンレス鋼
製ケース内に収納した。表7に示すように、6種類の異
なる電解液で電極集合体を活性化することによって、種
々のグループのAA電池を得た。
【0056】
【表7】
【0057】2.室温サイクルテスト 上記のようにして作製された電池を、室温で0.14C
放電速度(1C速度=520mA)で4.1V〜2.7
5Vの間で充電/放電のサイクルを行った。電池は、
0.14Cの速度で4.1Vに充電され、その後、初期
電流の10%に充電電流が落ち込むまで4.1Vの定電
圧に電池は保持された。各グループの電池のサイクル結
果を表8にまとめる。
【0058】
【表8】
【0059】先の表8に示すように、6グループの電池
全てが同様のサイクル特性を示した。特に、本発明の非
水性有機カーボネート溶媒の4要素混合物からなる電解
液で活性化されたグループ3〜6の電池は、従来型の2
要素溶媒の電解液で活性化されたグループ1及び2の電
池と同様のサイクル特性を示した。
【0060】3.種々の温度における放電速度能力 サイクルテストの後、AA電池を室温で充電して、それ
らを室温、0℃、−20℃及び−40℃で種々のC速度
で放電させた。各テストにおいては、3つの電池を使用
したが、室温でのテストだけは5つの電池を使用した。
室温放電速度容量0.14Cを100%基準とみなし
て、全ての他の放電状態の比較放電効率を計算した。結
果を図2〜5に示すとともに、表9〜12にまとめる。
【0061】
【表9】
【0062】
【表10】
【0063】
【表11】
【0064】
【表12】
【0065】図2において、各曲線20、22、24、
26、28及び30は、室温におけるグループ1〜6の
電池の平均放電速度効率から作成した。図2は2要素溶
媒電解液で活性化されたグループ1及び2の従来型電池
が、0.5Cよりも大きな放電速度における室温での本
発明のグループ3〜6の電池よりも良好な放電速度能力
を与えることを示している。0.5Cよりも低い放電速
度では、すべてのグループの電池は同様の放電効率を示
した。
【0066】図3において、各曲線32、34、36、
38、40及び42は、0℃におけるグループ1〜6の
電池の平均放電速度効率から作成した。図3は、2要素
溶媒電解液で活性化されたグループ1及び2の従来型電
池が、0.5Cよりも大きな放電速度下における0℃に
おける本発明のグループ3〜6の電池よりも良好な放電
速度能力を与えることを示している。0.5Cよりも低
い放電速度では、すべての電池は同様の放電効率を示し
た。
【0067】図4において、各曲線44、46、48、
50、52及び54は、−20℃におけるグループ1〜
6の電池の平均放電速度効率から作成した。図4は−2
0℃において、2要素溶媒電解液で活性化された従来の
グループ1及び2の電池が、現実的な放電能力を与えな
いことを示している。これは電解液9が−11℃で凍結
するという観測と矛盾しない。一方、本発明の非水性有
機カーボネート溶媒からなる4要素混合物で活性化した
グループ3〜6の電池は、すべての速度テストにおいて
良好な放電効率を示した。また、この結果は、本発明の
電解液1及び2で活性化したグループ5及び6の電池
が、本発明の電解液5及び6で活性化したグループ3及
び4の電池よりも高い放電速度能力を有することを示し
ている。
【0068】図5において、各曲線56、58、60、
62、64及び66は、−40℃におけるグループ1〜
6の電池の平均放電速度効率から作成した。この温度で
は、グループ1〜6のいずれの電池も、0.1C放電速
度よりも上では、確認できる容量を放電できない。より
低い放電速度では、グループ1及び2の従来型電池は、
確認できる容量を放電できない。一方、グループ3、5
及び6の電池は、かなり高い放電効率を示した。
【0069】この実施例のテスト結果は、効果的な電解
液系が低温度におけるリチウムイオン電池の放電効率を
有することを明らかに示している。本発明の非水性有機
カーボネート溶媒の4要素混合物からなる電解液で活性
化した電池は、従来の電解液で活性化した同様の電極化
学系からなる電池に関して、室温及び0℃において比較
可能な放電容量を与える。さらに、それらは−20℃以
下において従来型の2要素溶媒の電解液で活性化した電
池を越える能力の優れた放電速度を与える。−20℃以
下では、グループ1及び2の従来型電池は放電できな
い。
【0070】実施例IV 低温での充電/放電サイクル 低温放電速度容量テストの後、実施例IIIで作製した
電池を0.14Cの放電速度で0℃及び−20℃におい
てサイクルテストした。グループ1及び2の従来型電池
は、−20℃で放電できないことがわかっているので、
室温及び0℃でのみテストした。全ての他の電池は、室
温、0℃及び−20℃においてテストした。
【0071】まず、グループ1及び2の従来型電池を、
室温において3回サイクルさせた。次に、24時間0℃
において平衡状態に保った後、さらに、3回サイクルさ
せた。最後に、室温において、さらに3回サイクルさせ
た。本発明のグループ3〜6の電池の場合、0℃テスト
前のものを除いて同様の方法を使用し、その電池を−2
0℃においてテストした。
【0072】室温での1回目の放電サイクル能力を10
0%基準とみなして、すべての他の電池の効率を計算し
た。この結果を、図6にまとめる。各曲線68、70、
72、74、76及び78は、グループ1〜6の電池の
平均放電効率から作成された。すべてのグループの電池
の場合、約95%の室温放電能力が0℃サイクルで実現
された。グループ3及び4の電池の場合、約70%の室
温放電能力が−20℃のサイクルで実現された。グルー
プ5及び6の電池の場合、約75%の室温放電能力が−
20℃で実現された。本発明の非水性有機カーボネート
溶媒の4要素混合物からなる電解液で活性化したリチウ
ムイオン電池は、良好な容量効率で低温で充電/放電の
サイクルを行なうことができることを示している。
【0073】実施例V 自己放電及び容量回復の速度 セクション3の実施例IIIで説明した室温放電速度容
量テストの後、グループ1、2、3及び6からの各2個
の電池とグループ4及び5からの各1個の電池を自己放
電テストに供した。この電池を0.14C放電速度下で
4.1V及び2.75Vの間でサイクルさせ(これを第
1サイクルとする)、次に、十分な充電状態になるまで
それらを充電した(これを第2サイクル充電とする)。
次に、電池を30日間、室温において開放状態で保管
し、その後、放電させた(これを貯蔵放電後の第2サイ
クルとする)。これらの電池を、もう一度サイクルさせ
た(これを第3サイクルとする)。この自己放電速度
は、第1サイクル放電と第1サイクルの放電の容量を越
える貯蔵放電後の第2サイクルとの間の容量差の比から
計算した。容量回復の速度は、第1サイクルの放電の容
量によって分けられた第3サイクルの放電の容量の比か
ら算出した。結果を、表13にまとめる。
【0074】
【表13】
【0075】表13のデータは、グループ1の従来型電
池と同様の自己放電速度を示すグループ5の電池を除
き、すべてのグループ電池がグループ1の電池よりも低
い自己放電速度を示すことを表している。同様の傾向
は、容量回復速度の場合にも観測される。この実施例
は、本発明の非水性有機カーボネート溶媒の4要素混合
物からなる電解液で活性化されたリチウムイオン電池
が、従来の2要素溶媒電解液で活性化された電池と比較
して、同様又はそれよりも低い自己放電速度を示すこと
を表している。自己放電テスト後の容量回復速度は、す
べてのグループの電池と比較できる。
【0076】実施例VI 実施例IIIにおいて開示され、調製されたカソード及
びアノードを有する2つのリチウムイオン電池が作製さ
れた。各々の電池の電極集合体はゼリーロール配置に螺
旋巻回され、プリズムの様な三角柱形状のステンレス鋼
製のケース内に格納された。1.5Ahの初期容量を有
するプリズム形状のリチウムイオン電池は、体積比1.
4M LiPF/EC:DMC:EMC:DEC=2
0:40:30.4:9.6の電解液で電極集合体を活
性化することにより得られた。
【0077】テスト1 一のリチウムイオン電池が室温で充電/放電サイクルさ
れた。全サイクルにおいて、電池は、充電電流が60m
Aに低下するまで、300mAの定電流で4.1Vに充
電される。開放状態で1時間放置した後、電池は300
mA(サイクル1〜65)又は1.5A(サイクル66
〜600)の放電電流で2.75Vに放電される。放電
後、電池は次のサイクルまでの間、開放状態で1時間放
置される。サイクル結果は図7の曲線80に示す通りで
ある。この結果は、本発明の4要素溶媒電解液で活性化
されたリチウムイオン電池は、室温においては良好にサ
イクルしているということを示している。1Cの放電速
度下、600サイクルを経た後においても、初期容量
(極めて初期のサイクル)のおよそ70%の容量が維持
された。
【0078】テスト2 今回作製されたその他のリチウムイオン電池は、様々な
状況の下でサイクルされた。充電条件はテスト1と同様
であるが、放電条件は以下のように異なる。
【0079】a)サイクルの形態:サイクル1〜5にか
けては、300mAの電流で2.75Vに放電される。
放電と充電の間には1時間の放置期間が設けられる。
【0080】b)放電速度能力テスト:サイクル6〜9
にかけては、電池の放電速度能力は300mA(速度
0.2C)、0.75A(速度0.5C)、1.5A
(速度1.0C)及び3A(速度2.0C)の電流で電
池を放電することにより検証された。このテストの結果
を表14及び図8に示す。図8において、曲線82がサ
イクル1〜9にかけての結果である。放電能力は速度
0.2Cを効率100%とみなした場合に基いて計算さ
れた。表14のデータは、4要素溶媒電解液を用いた電
池は、2Cのような高い速度であっても、96%以上の
高効率で放電させることができることを示している。
【0081】
【表14】
【0082】c)自己放電/容量保持テスト:サイクル
10〜12にかけては、自己放電/容量保持テストがリ
チウムイオン電池において続けられた。サイクル10
(図8におけるデータ点84)は通常のC/5充電及び
C/5放電サイクルである。サイクル11(図8におけ
るデータ点86)では、電池は十分に充電され、33日
間、開放状態で放置された。その後、この電池は300
mAの電流で2.75Vに放電された。サイクル12
(図8におけるデータ点88)は、サイクル10と同様
に行なった。自己放電速度は、サイクル10が済んだ、
サイクル11の放電容量比率に基づいて計算された。結
果を表15に示す。この結果は、十分に充電された状態
の電池において、容量の約5.5%だけが、開放状態に
おける33日間の室温での放置後において永久的に失わ
れたということを示している。
【0083】
【表15】
【0084】d)低温放電能力テスト:サイクル13〜
25(図8における曲線88)にかけては、充電後、2
4時間、リチウムイオン電池は室温(RT)〜−50℃
の温度範囲において熱的に平衡な状態にされた。その
後、電池は所望の温度の下、種々の放電電流で2.0V
の放電終止電圧(室温テストの場合は2.75V)に至
るまで放電された。4時間以上室温において温められた
後、電池はさらに2.75Vの放電終止電圧まで放電さ
れた。種々の条件下における放電効率は、指示温度にお
ける放電容量比率及び個々のサイクルの容量全体につい
ての放電速度に基づいて計算された。この結果を表16
及び図8に示す。データは本発明の平衡状態の4要素溶
媒電解液で活性化されるリチウムイオン電池は相当高い
放電速度の下においても−50℃の低温で放電可能であ
るということを示している。また、高い放電効率が得ら
れた。
【0085】
【表16】
【0086】低温サイクルテスト:サイクル26〜65
にかけては、リチウムイオン電池は種々の温度でサイク
ルされた。しかしながら、このテストでは、電池は所望
の温度で放電されただけでなく、それと同じ温度で充電
された。全てのサイクルにおいて、充電電流が50mA
に下がって来るまで、電池は150mA(速度0.1
C)の電流で4.1Vに充電された。端子開放で1時間
放置された後、電池は300mA(速度0.2C)の放
電電流で、端子電圧が2.0Vに達するまで放電され
た。これは、−20℃、−30℃又は−37℃の各温度
下で行なわれた。また、室温下で行なわれたときの放電
終止電圧は2.75Vである。次のサイクルは、1時間
放置された後に行なわれた。−20℃、−30℃、−3
7℃及び室温のそれぞれについて、10サイクルが得ら
れた。結果は図8に示され、−20℃でサイクルさせた
ときの結果が曲線92で、−30℃でサイクルさせたと
きの結果が曲線94で、−37℃でサイクルさせたとき
の結果が曲線96で、及び室温でサイクルさせたときの
結果が曲線98である。本結果は、本発明の4要素溶媒
電解液で活性化されるリチウムイオン電池が、−50℃
のような低温においても効率良く放電する能力があるだ
けでなく、(テストを行なった−37℃のような)低温
においても充電及び放電のサイクルをする能力があるこ
とを示している。
【0087】上記実施例より本発明のEC、DMC、D
EC及びEMCの4要素混合物からなる電解液で活性化
されたリチウムイオン電池は、従来の溶媒系電解液で活
性化される電極化学系の電池と比較して、同様のサイク
ル挙動及び低温度での優れた充電/放電能力を示すとい
うことが明らかにわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】DMC:EMCの初期混合比率に基づいた、D
MC:EMC:DECの平衡混合物を示すグラフであ
る。
【図2】室温で放電された本発明及び従来技術による数
種の再充電可能な電池の平均放電速度効率から作成され
たグラフである。
【図3】0℃で放電された本発明及び従来技術による数
種の再充電可能な電池の平均放電速度効率から作成され
たグラフである。
【図4】−20℃で放電された本発明及び従来技術によ
る数種の再充電可能な電池の平均放電速度効率から作成
されたグラフである。
【図5】−40℃で放電された本発明及び従来技術によ
る数種の再充電可能な電池の平均放電速度効率から作成
されたグラフである。
【図6】種々の温度でサイクルされた、図2〜図5に示
す放電された電池の平均放電効率から作成されたグラフ
である。
【図7】室温でサイクルされた本発明によるリチウムイ
オン電池から作成されたグラフである。
【図8】種々の温度及び放電速度の下で放電された、本
発明によるリチウムイオン電池のサイクル結果から作成
されたグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エスター エス、タケウチ アメリカ合衆国、ニューヨーク州 14051、 イースト アムハースト、サン ラファエ ル コート 38 Fターム(参考) 5H029 AJ02 AJ05 AK03 AL06 AL07 AL08 AM03 AM07 CJ08 DJ09 EJ11 HJ02 5H050 AA06 AA07 BA17 CA07 CA08 CA09 CB07 CB08 DA02 DA03 DA13 HA02

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)アルカリ金属とインターカレート及
    び脱インターカレートする、負電極活物質からなる負電
    極、 b)アルカリ金属とインターカレート及び脱インターカ
    レートする、アルカリ金属とインターカレートされた電
    極活物質からなる正電極、並びに、 c)前記負電極及び前記正電極を活性化する電解液溶液
    からなり、 前記電解液は、1種類の環状カーボネート及び3種類の
    線形カーボネートからなる4要素非水性カーボネート溶
    媒混合物に溶解されたアルカリ金属塩を含み、前記3種
    類の線形カーボネートのうち、第1の線形カーボネート
    がR1 OCOOR1 の式、第2の線形カーボネートがR
    2 OCOOR2 の式及び第3の線形カーボネートがR1
    OCOOR2 の式で表され、かつ、R1 とR2 は異なっ
    ており、しかも、1〜13個の炭素原子を含む、飽和若
    しくは不飽和の有機又は非有機原子団となっており、前
    記負電極が前記アルカリ金属と脱インターカレート、前
    記正電極が前記アルカリ金属とインターカレートしてか
    ら前記電解液で活性化され、前記の第1、第2及び第3
    の線形カーボネートは平衡した比率になっていることを
    特徴とする電気化学電池。
  2. 【請求項2】 前記3種類の線形カーボネートは、ジメ
    チルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピル
    カーボネート、エチルメチルカーボネート、メチルプロ
    ピルカーボネート及びエチルプロピルカーボネート、並
    びに上記物質の混合物からなる群から選択されることを
    特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
  3. 【請求項3】 前記1種類の環状カーボネートは、エチ
    レンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレン
    カーボネート及びビニレンカーボネート、並びに上記物
    質の混合物からなる群から選択されることを特徴とする
    請求項1に記載の電気化学電池。
  4. 【請求項4】 前記電解液は、エチレンカーボネート、
    ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート及び
    ジエチルカーボネートからなることを特徴とする請求項
    1に記載の電気化学電池。
  5. 【請求項5】 前記エチレンカーボネートは約20〜5
    0体積%の範囲であり、前記ジメチルカーボネートは約
    12〜75体積%の範囲であり、前記エチルメチルカー
    ボネートは約5〜45体積%の範囲であり、前記ジエチ
    ルカーボネートは約3〜45体積%の範囲であることを
    特徴とする請求項4に記載の電気化学電池。
  6. 【請求項6】 前記負電極活物質は、コークス、カーボ
    ンブラック、グラファイト、アセチレンブラック、炭素
    繊維及びガラス状炭素、並びに上記物質の混合物から選
    択されることを特徴とする請求項1に記載の電気化学電
    池。
  7. 【請求項7】 前記アルカリ金属とインターカレートさ
    れた電極活物質は、バナジウム、チタン、クロム、銅、
    モリブデン、ニオブ、鉄、ニッケル、コバルト及びマン
    ガン、並びに上記物質の混合物の酸化リチウム、硫化リ
    チウム、セレン化リチウム、テルル化リチウムからなる
    群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の電
    気化学電池。
  8. 【請求項8】 a)リチウムとインターカレート及び脱
    インターカレートする、負電極活物質からなる負電極、 b)リチウムとインターカレート及び脱インターカレー
    トする、リチウム化された電極活物質からなる正電極、
    並びに、 c)前記負電極及び前記正電極を活性化する電解液溶液
    からなり、 前記電解液は、エチレンカーボネート、ジメチルカーボ
    ネート、エチルメチルカーボネート及びジエチルカーボ
    ネートの4要素非水性カーボネート溶媒混合物に溶解さ
    れたアルカリ金属塩を含んでおり、前記負電極がリチウ
    ムと脱インターカレート、前記正電極がリチウムとイン
    ターカレートしてから前記電解液で活性化され、前記ジ
    メチルカーボネート、前記エチルメチルカーボネート及
    び前記ジエチルカーボネートは平衡した比率になってい
    ることを特徴とする電気化学電池。
  9. 【請求項9】 前記エチレンカーボネートは約20〜5
    0体積%の範囲であり、前記ジメチルカーボネートは約
    12〜75体積%の範囲であり、前記エチルメチルカー
    ボネートは約5〜45体積%の範囲であり、前記ジエチ
    ルカーボネートは約3〜45体積%の範囲であることを
    特徴とする請求項8に記載の電気化学電池。
  10. 【請求項10】 前記電解液は、LiPF6 、LiBF
    4 、LiAsF6 、LiSbF6 、LiClO4 、Li
    AlCl4 、LiGaCl4 、LiNO3 、LiC(S
    2 CF33 、LiN(SO2 CF32 、LiSC
    N、LiO3 SCF2 CF3 、LiC65 SO3 、L
    iO2 CCF3 、LiSO3 F、LiB(C654
    及びLiCF3 SO3 、並びに上記物質の混合物からな
    る群から選択されるアルカリ金属塩を含むことを特徴と
    する請求項8に記載の電気化学電池。
  11. 【請求項11】 前記負電極活物質は、コークス、カー
    ボンブラック、グラファイト、アセチレンブラック、炭
    素繊維及びガラス状炭素、並びに上記物質の混合物から
    選択されることを特徴とする請求項8に記載の電気化学
    電池。
  12. 【請求項12】 前記負電極活物質は、フッ素樹脂バイ
    ンダーと混合されていることを特徴とする請求項8に記
    載の電気化学電池。
  13. 【請求項13】 前記リチウム化された電極活物質は、
    バナジウム、チタン、クロム、銅、モリブデン、ニオ
    ブ、鉄、ニッケル、コバルト及びマンガン、並びに上記
    物質の混合物の酸化リチウム、硫化リチウム、セレン化
    リチウム、テルル化リチウムからなる群から選択される
    ことを特徴とする請求項8に記載の電気化学電池。
  14. 【請求項14】 前記リチウム化された電極活物質は、
    フッ素樹脂バインダーと混合されていることを特徴とす
    る請求項13に記載の電気化学電池。
  15. 【請求項15】 前記リチウム化された電極活物質は、
    アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイ
    ト、ニッケル粉末、アルミニウム粉末、チタン粉末及び
    ステレンス鋼粉末、並びに上記物質の混合物からなる群
    から選択される導電性添加材と混合されていることを特
    徴とする請求項13に記載の電気化学電池。
  16. 【請求項16】 a)リチウムとインターカレート及び
    脱インターカレートする炭素質材料からなる負電極、 b)リチウムとインターカレート及び脱インターカレー
    トする、酸化コバルトリチウムからなる正電極、並び
    に、 c)前記負電極及び前記正電極を活性化する電解液溶液
    からなり、 前記電解液は、エチレンカーボネート、ジメチルカーボ
    ネート、エチルメチルカーボネート及びジエチルカーボ
    ネートの4要素非水性カーボネート溶媒混合物に溶解さ
    れたリチウム塩を含み、前記負電極がリチウムと脱イン
    ターカレート、前記正電極がリチウムとインターカレー
    トしてから前記電解液で活性化され、前記ジメチルカー
    ボネート、前記エチルメチルカーボネート及び前記ジエ
    チルカーボネートは平衡した比率になっていることを特
    徴とする電気化学電池。
  17. 【請求項17】 a)アルカリ金属とインターカレート
    及び脱インターカレートする、負電極活物質からなる負
    電極を用意する工程、 b)アルカリ金属とインターカレート及び脱インターカ
    レートする、アルカリ金属でインターカレートされた電
    極活物質からなる正電極を用意する工程、 c)1種類の環状カーボネート及び3種類の線形カーボ
    ネートからなる4要素非水性カーボネート溶媒混合物に
    溶解されたアルカリ金属塩を含む電解液を用意する工程
    であって、 前記3種類の線形カーボネートのうち、第1の線形カー
    ボネートがR1 OCOOR1 の式、第2の線形カーボネ
    ートがR2 OCOOR2 の式及び第3の線形カーボネー
    トがR1 OCOOR2 の式で表され、かつ、R1 とR2
    が異なっており、しかも、1〜13個の炭素原子を含
    む、飽和又は不飽和の有機又は非有機原子団となってお
    り、並びに、 d)前記アルカリ金属と脱インターカレートした負電極
    と前記アルカリ金属とインターカレートした正電極を組
    み立て、前記負電極と前記正電極を前記3種類の線形カ
    ーボネートを平衡した比率で有している前記電解液で活
    性化する工程からなる電気化学電池の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記3種類の線形カーボネートを、ジ
    メチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピ
    ルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチルプ
    ロピルカーボネート及びエチルプロピルカーボネート、
    並びに上記物質の混合物からなる群より選択することを
    含む請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記1種類の環状カーボネートを、エ
    チレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレ
    ンカーボネート及びビニレンカーボネート、並びに上記
    物質の混合物からなる群より選択することを含む請求項
    17に記載の方法。
  20. 【請求項20】 エチレンカーボネート、ジメチルカー
    ボネート、エチルメチルカーボネート及びジエチルカー
    ボネートからなる前記非水性カーボネート溶媒混合物を
    用意することを含む請求項17に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記エチレンカーボネートは、約20
    〜50体積%の範囲であり、前記ジメチルカーボネート
    は、約12〜75体積%の範囲であり、前記エチルメチ
    ルカーボネートは、約5〜45体積%の範囲であり、前
    記ジエチルカーボネートは、約3〜45体積%の範囲で
    あることを特徴とする請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記負電極活物質を、コークス、カー
    ボンブラック、グラファイト、アセチレンブラック、炭
    素繊維及びガラス状炭素、並びに上記物質の混合物から
    なる群より選択することを含む請求項17に記載の方
    法。
  23. 【請求項23】 前記リチウム化された電極活物質を、
    バナジウム、チタン、クロム、銅、モリブデン、ニオ
    ブ、鉄、ニッケル、コバルト及びマンガン、並びに上記
    物質の混合物の酸化リチウム、硫化リチウム、セレン化
    リチウム、テルル化リチウムからなる群より選択するこ
    とを含む請求項17に記載の方法。
  24. 【請求項24】 a)リチウムとインターカレート及び
    脱インターカレートする負電極活物質からなる負電極を
    用意する工程、 b)リチウムとインターカレート及び脱インターカレー
    トするリチウム化された電極活物質からなる正電極を用
    意する工程、 c)エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エ
    チルメチルカーボネート及びジエチルカーボネートから
    なる4要素非水性カーボネート溶媒混合物に溶解された
    アルカリ金属塩を含む電解液を用意する工程、並びに、 d)前記リチウムと脱インターカレートした負電極と前
    記リチウムとインターカレートした正電極を組み立て、
    前記負電極と前記正電極を前記ジメチルカーボネート、
    前記エチルメチルカーボネート及び前記ジエチルカーボ
    ネートを平衡した比率で有している前記電解液で活性化
    する工程からなる電気化学電池の製造方法。
  25. 【請求項25】 前記エチレンカーボネートは、約20
    〜50体積%の範囲であり、前記ジメチルカーボネート
    は、約12〜75体積%の範囲であり、前記エチルメチ
    ルカーボネートは、約5〜45体積%の範囲であり、前
    記ジエチルカーボネートは、約3〜45体積%の範囲で
    あることを特徴とする請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記アルカリ金属塩は、LiPF6
    LiBF4 、LiAsF6 、LiSbF6 、LiClO
    4 、LiAlCl4 、LiGaCl4 、LiNO3 、L
    iC(SO2 CF33 、LiN(SO2 CF32
    LiSCN、LiO3 SCF2 CF3 、LiC65
    3 、LiO2 CCF3 、LiSO3 F、LiB(C6
    54 及びLiCF3 SO3 、並びに上記物質の混合
    物からなる群から選択されることを特徴とする請求項2
    4に記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記負電極活物質を、コークス、カー
    ボンブラック、グラファイト、アセチレンブラック、炭
    素繊維及びガラス状炭素、並びに上記物質の混合物から
    なる群より選択することを含む請求項24に記載の方
    法。
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