JP2000348768A - 再充電可能な電気化学電池における非水性電解液のための硝酸エステル添加剤 - Google Patents

再充電可能な電気化学電池における非水性電解液のための硝酸エステル添加剤

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JP2000348768A JP2000153066A JP2000153066A JP2000348768A JP 2000348768 A JP2000348768 A JP 2000348768A JP 2000153066 A JP2000153066 A JP 2000153066A JP 2000153066 A JP2000153066 A JP 2000153066A JP 2000348768 A JP2000348768 A JP 2000348768A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い充電/放電容量、長いサイクル寿命を有
し、第1サイクル不可逆容量を最小化する添加剤を含む
電解液で活性化されたリチウムイオン電気化学電池を提
供する。 【解決手段】 上記課題は、a)アルカリ金属とインタ
ーカレートする負電極、b)アルカリ金属とインターカ
レートする電極活物質からなる正電極、c)負電極およ
び正電極を活性化する非水性電解液、およびd)電解液
中に設けられた有機硝酸エステル添加剤からなる電気化
学電池とすることによって解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ金属電気
化学電池に関し、さらに詳しくは、再充電可能な電気化
学電池に関する。さらに詳しくは、本発明は、高い充電
/放電容量、長いサイクル寿命を達成し、第1サイクル
不可逆容量を最小化する添加剤を含む電解液で活性化さ
れたリチウムイオン電気化学電池に関する。本発明によ
ると、活性化電解液への好適な添加剤は、硝酸エステル
(硝酸塩)化合物である。
【0002】
【従来の技術】アルカリ金属再充電可能電池は、一般的
に、炭素質アノード電極、リチウム化されたカソード電
極からなる。十分に充電されたリチウムイオン電池にお
いては、カソード材料の高いポテンシャル(Li1-x
oO2 の場合、Li/Li+ に対して4.3Vまで)
と、炭素質アノード材料の低いポテンシャル(グラファ
イトについて、Li/Li+ に対して0.01V)のた
め、電解液溶媒系の選択は制限される。カーボネート溶
媒は、一般的に使用されるリチウム化カソード材料に対
する高い酸化安定性と、炭素質アノード材料に対する良
好な速度論的安定性とを有しているので、それらはリチ
ウムイオン電池の電解液中において一般的に使用されて
いる。好適な電池特性(高い速度容量と長サイクル寿
命)を達成するために、環状カーボネート(高誘電率溶
媒)と線形カーボネート(低粘度溶媒)の混合物を含む
溶媒が、市販の二次電池において一般的に使用されてい
る。カーボネートを基本とする電解液を含む電池は、室
温で1000回以上の充電/放電サイクルが可能である
ことが知られている。
【0003】米国特許出願第09/133,799号
は、有機カーボネート溶媒の四種混合物を開示してお
り、これは良好なサイクル特性を示しながら、−20℃
よりも低い温度、さらに、−40℃程度の温度で放電で
きるリチウムイオン電池のための活性化電解液において
使用される。なお、この特許は、本発明の譲受人に譲り
受けられており、ここに参照として組み込まれる。この
四種溶媒系は、エチレンカーボネート(EC)、ジメチ
ルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート
(EMC)およびジエチルカーボネート(DEC)から
なる。
【0004】リチウムイオン電池の設計は、一般的に、
目的とする電池の利用に応じて、1分野における必要な
改良のために他のものを犠牲にしている。一般的に使用
されている二種溶媒電解液(例えば、1.0M、LiP
6 /EC:DMC=30:70(v/v)、これは−
11℃で凝固する)の代わりに、上記の四種溶媒電解液
を使用によって低温度サイクル性を可能にするリチウム
イオン電池の達成は、初期充電中の第1サイクル不可逆
容量の増加という犠牲を払って達成される(1.0M、
LiPF6 /EC:DMC:EMC:DEC=45:2
2:24.8:8.2の場合、約65mAh/gグラフ
ァイトであり、一方、1.0M、LiPF 6 /EC:D
MC=30:70の場合、約35mAh/gグラファイ
トである)。この第1サイクル不可逆容量の存在のた
め、リチウムイオン電池は、一般的に、カソードが限定
される。リチウムイオンのすべては、充電および放電中
にアノードとカソードとの間を往復し、これは本来的に
は、リチウム化されたカソードに由来しているが、第1
サイクル不可逆容量が大きくなればなるほど、その後の
サイクルの電池容量は低くなり、電池効率が低くなる。
すなわち、リチウムイオン電池の第1サイクル不可逆容
量を最小化または削除するとともに、そのような電池の
低温度サイクル特性を維持することが望まれている。
【0005】本発明によると、上記の課題は、四種溶媒
電解液中に有機硝酸エステルを設けることによって達成
できる。このような電解液で活性化されたリチウムイオ
ン電池は、硝酸エステル添加剤のない同じ四種溶媒電解
液で活性化された電池と比較して、第1サイクル不可逆
容量が低くなっている。結果として、硝酸エステル添加
剤を含む電池は、コントロール電池よりもその後のサイ
クル容量が高くなっている。室温並びに低温度、特に、
約−40℃程度における本発明の電池のサイクル性は、
硝酸エステル添加剤のない四種電解液で活性化された電
池と同様に良好である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】電気的ポテンシャル
が、放電状態にある炭素アノードで作製されたリチウム
イオン電池に最初に適用されて電池を充電したとき、あ
る永久的な容量損失が、アノード表面の不動態膜形成に
起因して生じることが、一般的に知られている。この永
久的な容量損失は、第1サイクル不可逆容量と呼ばれて
いる。しかしながら、この膜形成プロセスは、電池の充
電ポテンシャルにおける電解液成分の反応性に大きく依
存している。また、不動態膜の電気化学的特性は、表面
膜の化学組成にも依存している。
【0007】表面膜の形成は、アルカリ金属系、特に、
リチウム金属アノードおよびリチウムがインターカレー
トされたカーボンアノードの場合、有機電解液に対する
リチウムの比較的低いポテンシャルと高い反応性とに起
因して回避することができない。固体‐電解液の界面
(SEI)として知られている理想的な表面膜は、電気
的に絶縁性であり、イオン的に伝導性である。アルカリ
金属、特に、リチウム電気化学電池は、第1の要求は満
たすけれども、第2の要求は達成することは困難であ
る。この膜の抵抗は、無視することができず、その結
果、インピーダンスが、この表面層の形成に起因して、
電池の内部に発生して、これがリチウムイオン電池の充
電および放電中の受け入れがたい分極を誘発する。一
方、SEI膜が電気的に導電性である場合、アノード表
面における電解液分解反応が、リチウム化されたカーボ
ン電極の低ポテンシャルのために停止しない。
【0008】一方、電解液の分解は、アルカリ金属電池
の放電効率、特に、二次電池の永久容量損失に重大に影
響する。例えば、1.0M、LiPF6 /EC:DMC
=30:70が二次電池を活性化するために使用される
場合、第1サイクル不可逆容量は約35mAh/gグラ
ファイトである。しかしながら、同じサイクル条件下に
おいて、1.0M、LiPF6 /EC:DMC:EM
C:DEC=45:22:24.8:8.2が、電解液
として使用される場合、第1サイクル不可逆容量は約6
5mAh/gグラファイトになる。さらに、エチレンカ
ーボネートとジメチルカーボネートとの二種溶媒電解液
で活性化されたリチウムイオン電池は、約−11℃以下
の温度でサイクルできない。先に記載した特許出願の四
種溶媒電解液は、ずっと低い温度でリチウムイオン電池
をサイクルさせることができるが、受け入れ可能なサイ
クル効率をもったより幅広い温度での使用という観点で
は、妥協している。第1サイクル不可逆容量を最小化し
つつ、−40℃程度の低い温度で操作できるというリチ
ウムイオン電池の利点を保持することが望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によると、上記の
課題は、上記四種溶媒電解液における硝酸エステル添加
剤を添加することによって達成される。さらに本発明
は、二種溶媒および三種溶媒などの他の非水性有機電解
液、並びに線形または環状カーボネートの混合物以外の
溶媒を含む電解液にも、一般化することができる。例え
ば、線形もしくは環状のエーテルもしくはエステルも、
電解液成分として含ませることもできる。観察される改
良に対する正確な理由は明らかではないが、硝酸エステ
ル添加剤は、存在する電解質成分と競合して初期リチウ
ム化中にカーボンアノード表面において反応して、有利
なSEI膜を形成するものと考えられる。このようにし
て形成されたSEI膜は、硝酸エステル添加剤なしに形
成された膜よりも電気的により絶縁性であり、結果とし
て、リチウム化カーボン電極は、他の電解液成分との反
応から良好に保護される。それ故、より低い第1サイク
ル不可逆容量が達成される。
【0010】本発明は、次の説明と添付する図面を参照
することによって、当業者により明確となる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に従って作製された二次電
気化学電池は、アルカリ金属のリチウム、ナトリウム、
カリウムなどの元素周期表のIA、IIAまたはIII
B族から選択されるアノード活物質を含んでいる。好ま
しいアノード活物質はリチウムである。
【0012】二次電気化学系において、アノード電極
は、アルカリ金属、特に、リチウムをインターカレート
および脱インターカレートできる材料からなる。種々の
形態のカーボン(例えば、コークス、グラファイト、ア
セチレンブラック、カーボンブラック、ガラス状炭素な
ど)のいずれかからなる炭素質アノードは、リチウム種
を可逆的に保持できるため好適である。グラファイト
は、比較的高いリチウム保持容量を有しているため、特
に好ましい。炭素の形態に係わらず、炭素質材料からな
る繊維は、この繊維が、充電/放電サイクルの繰り返し
の際の劣化に耐え得る剛直な電極に作製することができ
る優れた機械的特性を有しているので、特に好ましい。
さらに、炭素繊維の高い表面積は、急速な充電/放電速
度を可能にする。二次電気化学電池のアノードの好適な
炭素質材料は、タケウチ等の米国特許第5,443,9
28号に記載されている。
【0013】一般的な二次電池アノードは、約90〜9
7重量パーセントのグラファイトを、約3〜10重量パ
ーセントのバインダー材料と混合することによって作製
され、このバインダー材料は、好ましくは、フッ素樹脂
バインダー、ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリ
エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリア
ミドおよびポリイミド、並びに上記物質の混合物からな
る。この電極活混合物は、ニッケル、ステンレス鋼また
は銅の箔またはスクリーンからなる集電体の上に、キャ
スト、プレス、ロールまたは活混合物の他の接触法によ
って形成される。
【0014】さらに、アノード部品は、アノード集電体
と同一材料、好ましくは、ニッケルからなる延長タブま
たはリードを有しており、これ溶接などによってそこに
一体成形されていて、ケースが負極の電気的配置にある
導電性金属からなる電池ケースに溶接によって接触され
ている。また、炭素質アノードは、他の幾何学的形状、
例えば、ボビン型、円筒型、ペレット型に成形されてい
て、低表面積電池設計を達成していてもよい。
【0015】二次電池のカソードは、好ましくは、空気
中で安定で、容易に扱えるリチウム化材料からなる。こ
のような空気中で安定なリチウム化カソード材料の例と
しては、バナジウム、チタン、クロム、銅、モリブデ
ン、ニオブ、鉄、ニッケル、コバルトおよびマンガンな
どの金属からなる酸化物、硫化物、セレン化物およびテ
ルル化物が挙げられる。より好適な酸化物は、LiNi
2 、LiMn24 、LiCoO2 、LiCo0.92
0.082 およびLiCo1-x Nix2 である。
【0016】電気化学電池に組み込まれる電極に形成す
る前に、リチウム化活物質は、好ましくは導電性添加材
と混合させる。好適な導電性添加材としては、アセチレ
ンブラック、カーボンブラックおよび/またはグラファ
イトが挙げられる。粉末状のニッケル、アルミニウム、
チタンおよびステンレス鋼などの金属も、上記活物質と
混合された場合に導電性希釈材として有用となる。さら
に、電極は、PTFE、PVDF、ETFE、ポリアミ
ドおよびポリイミド、並びに上記物質の混合物などの、
好ましくは粉末状のフッ素樹脂バインダーからなる。
【0017】このような二次電池を放電するために、カ
ソードを構成するリチウムイオンは、外的発生の電気化
学ポテンシャルを適用することによって、炭素質アノー
ドにインターカレートされて、電池を再充電する。適用
される再充電のための電気的ポテンシャルは、カソード
材料からアルカリ金属イオンを引き出して、電解液を通
って炭素質アノードに導かれて、アノードを構成するカ
ーボンを飽和する役割を果たす。得られるLix6
極は、0.1〜1.0の範囲内のxを有している。この
電池は、これによって電気的ポテンシャルを備えて、通
常の方法で放電される。
【0018】別の二次電池の構成は、アルカリ活物質で
炭素質材料をインターカレートし、次に、アノードを電
池に組み込む工程を含んでいる。この場合、カソード体
は固体であり、限定されるわけではないが、二酸化マン
ガン、酸化バナジウム銀、酸化バナジウム銀銅、二硫化
チタン、酸化銅、硫化銅、硫化鉄、二硫化鉄およびフッ
化炭素などの材料からなる。しかしながら、このアプロ
ーチは、電池の外部でリチウム化された炭素を取り扱わ
なければならないという問題を伴う。リチウム化された
炭素は空気と接触すると、反応する傾向がある。
【0019】本発明の二次電池には、アノードとカソー
ドの活性な電極間を物理的に分離するためのセパレータ
を含んでいる。このセパレータは、電気的絶縁材料から
なり、電極間の内部電気短絡を防止する。そして、この
セパレータ材料は、アノードおよびカソードの活物質と
化学的に反応しないものであり、しかも、電解液と化学
的に反応せず、電解液に不溶である。さらに、セパレー
タ材料は、電池の電気化学反応の際に、電解液の流通が
可能な十分な多孔度を有している。一般的にセパレータ
の形態は、シートであり、アノードとカソードの電極間
に配設される。このような場合、アノードは蛇状構造体
に折り畳まれ、多数のカソードプレートが、このアノー
ドの折り畳みの間に配置され、電池ケース内に受け入れ
られるか、または電極コンビネーションがロールされ
て、円筒型のゼリーロール構造体に形成される。
【0020】例示できるセパレータ材料は、ポリエチレ
ンテトラフルオロエチレンおよびポリエチレンクロロト
リフルオロエチレンからなるフッ素ポリマー繊維からな
る織物を、単独で使用したものか、またはフッ素ポリマ
ー微孔性フィルムとラミネートしたものが挙げられる。
他の好適なセパレータ材料としては、不織ガラス、ポリ
プロピレン、ポリエチレン、ガラス繊維材料、セラミッ
クス、商品名ZITEX(Chemplast In
c.)で市販されているポリテトラフルオロエチレン
膜、商品名CELGARD(Celanese Pla
stic Company,Inc.)で市販されてい
るポリプロピレン膜および商品名DEXIGLAS
(C.H.Dexter,Div.,Dexter C
orp)で市販されている膜が挙げられる。
【0021】アルカリ金属電気化学電池、特に、十分に
充電したリチウムイオン電池を活性化するための電解液
溶媒の選択は、カソード材料の高いポテンシャル(Li
1-x CoO2 の場合、Li/Li+ に対して4.3Vま
で)とアノード材料の低いポテンシャル(グラファイト
の場合、Li/Li+ に対して0.01V)のため、非
常に制限されている。本発明によると、好適な非水性電
解液は、非水性溶媒中に溶解された無機塩、特に好まし
くは、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカー
ボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート(DP
C)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルプ
ロピルカーボネート(MPC)およびエチルプロピルカ
ーボネート(EPC)、並びに上記物質の混合物から選
択されるジアルキル(非環状)カーボネートと、プロピ
レンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(E
C)、ブチレンカーボネート(BC)およびビニレンカ
ーボネート(VC)、並びに上記物質の混合物から選択
される少なくとも1種類の環状カーボネートとからなる
有機カーボネート溶媒の四種混合物中に溶解されたアル
カリ金属塩からなる。有機カーボネートは、それらがカ
ソード材料に対する高い酸化安定性とアノード材料に対
する良好な速度論的安定性を示すため、このような電池
化学のための電解液溶媒系において一般的に使用されて
いる。
【0022】本発明による好適な電解液は、EC:DM
C:EMC:DECの溶媒混合物からなる。種々のカー
ボネート溶媒に対するさらに好適な体積パーセントの範
囲は、約10〜50%の範囲のEC、約5〜75%の範
囲のDMC、約5〜50%の範囲のEMCおよび約3〜
45%の範囲のDECである。この四種カーボネート混
合物を含む電解液は、−50℃よりも低い凝固点を示
し、そのような混合物で活性化されたリチウムイオン電
池は、室温における良好なサイクル挙動を示すととも
に、−20℃よりも低い温度における良好な放電および
充電/放電サイクル挙動を示す。
【0023】アノードからカソードへのアルカリ金属イ
オンの輸送のための媒体として有用な公知のリチウム塩
としては、LiPF6 、LiBF4 、LiAsF6 、L
iSbF6 、LiClO4 、LiAlCl4 、LiGa
Cl4 、LiC(SO2 CF33 、LiNO3 、Li
N(SO2 CF32 、LiSCN、LiO3 SCF2
CF3 、LiC65 SO3 、LiO2 CCF3 、Li
SO3 F、LiB(C654 およびLiCF3 SO3
、並びに上記物質の混合物が挙げられる。好適な塩濃
度は、一般的には、約0.8〜1.5モルの範囲であ
る。
【0024】本発明によると、少なくとも1種類の有機
硝酸エステル添加剤が、上記アルカリ金属イオンもしく
は再充電可能電気化学電池の電解液の共同溶媒として含
まれている。硝酸塩添加剤は、好ましくは、一般式(R
O)N(=O)2 を有する有機アルキル硝酸塩化合物
である。ここで、Rは1〜10個の炭素原子を有する飽
和もしくは不飽和の炭化水素もしくはヘテロ原子置換さ
れた飽和もしくは不飽和の有機原子団のいずれかからな
る有機原子団である。硝酸プロピル、硝酸イソプロピ
ル、硝酸ブチル、硝酸イソブチル、硝酸t‐ブチル、硝
酸ベンジルおよび硝酸フェニル、並びに上記物質の混合
物が電解液添加剤として使用された場合に、最大の効果
が見出される。
【0025】上記の化合物は、本発明に有用な実施例に
使用されるが、これに限定されるわけではない。当業者
は、上記一般式の範囲から、電解液の添加剤として有用
で、高い充電/放電容量と長サイクル寿命を達成し、第
1サイクル不可逆容量を最小にするための他の硝酸エス
テル化合物を本発明に従って認識することが容易であ
る。
【0026】特定の機構に束縛されることを意図しない
が、硝酸塩官能基〔−O−N(=O) 2 〕における2個
のN=O結合の存在に起因して、酸素とR基との間の結
合は、切れて硝酸エステル中間体が、他の電解液溶媒ま
たは溶質と効率的に競合して、リチウムと反応して硝酸
エステル塩、すなわち硝酸リチウムまたは硝酸エステル
還元生成物であるリチウム塩を炭素質アノードの表面に
形成する。得られたSEI層は、電気的に導電性が低
く、硝酸エステル添加剤の存在しないアノード上で形成
したSEI層よりも、還元反応はアノード上で生じな
い。結果として、炭素質アノード表面保護層の化学的組
成と恐らく形態は、電池のサイクル特性に対する付随の
利点と交換されているものと考えられる。
【0027】ここに記載される電池の集合体は、好まし
くは、巻回要素電池の形態にある。すなわち、作製され
たカソード、アノードおよびセパレータは、共に巻回さ
れてゼリーロール型の構造体または巻回要素電池スタッ
クになっていて、アノードは、巻回体の外側に位置して
いて、ケースが負極の構造の電池ケースと電気的に接触
している。好適な上部および下部の絶縁体を使用してこ
の巻回電池スタックは、好適な寸法の金属製ケースに挿
入される。この金属製ケースは、ステンレス鋼、軟鋼、
ニッケルメッキ軟鋼、チタンまたはアルミニウムなどの
ような材料からなるが、金属材料が電池の成分と化学反
応を起こさない限り、これに限定されるわけではない。
【0028】電池ヘッダは、金属製ディスク状体からな
り、これは、ガラス金属シール/ターミナルピンフィー
ドスルーを収容するための第1の孔と、電解液を充填す
るための第2の孔とを有している。使用されるガラスは
耐腐食性のものであり、CABAL12、TA23また
はFUSITE425またはFUSITE435などの
約50重量%までのケイ素を含むものからなる。正極端
子ピンフィードスルーは、好ましくはチタンからなる
が、モリブデン、アルミニウム、ニッケル合金またはス
テンレス鋼からなるものであってもよい。電池ヘッダ
は、電気化学電池の他の要素と化学的に反応を起こさな
い元素からなり、耐腐食性である。カソードリードは、
ガラス‐金属シール中の正極端子ピンと溶接され、ヘッ
ダは、電極スタックを含むケースに溶接される。電池は
その後、上記の硝酸エステル添加剤の少なくとも1種類
を含む電解液で充填されて、充填孔にステンレス鋼製ボ
ールを精密溶接するなどして密閉シールされるが、これ
に限定されるわけではない。
【0029】上記の集合体は、ケースが負極の電池に関
するものであり、これは本発明の実施例としての電池の
好適な構成である。当業者に周知のように、本発明の実
施例としての電気化学電池は、ケースが正極の電気的に
配置に作成してもよい。
【0030】次の実施例は、本発明に従う電気化学電池
の作成方法を記載したものであり、発明者が、本発明を
実施するに際して最良実施形態であるものを示すもので
あるが、これに限定されるわけではない。
【0031】
【実施例】実施例I 4個のリチウムイオン電池を、テスト媒体として作製し
た。この電池は、2個づつからなる2グループに分け
た。1つのグループは、硝酸エステル添加剤を含まない
四種カーボネート溶媒系電解液で活性化し、残りの電池
は、硝酸エステル添加剤を含む点を除き、同一の電解液
で活性化した。電解液を除いて、電池は同じである。特
に、カソードは、アルミニウム箔の上にLiCoO2
ソード混合物をキャストすることによって調製した。カ
ソード混合物は、91重量%のLiCoO2 、6重量%
のグラファイト添加剤および3重量%のPVDFバイン
ダーを含んでいる。アノードは、91.7重量%のグラ
ファイトおよび8.3重量%のPVDFバインダーを含
むアノード混合物を、銅箔上にキャストすることによっ
て調製した。電極集合体は、カソードとアノードとの間
に1層のポリエチレンセパレータを配置するとともに、
この電極を螺旋状に巻回して、プリズマティック型ステ
ンレス鋼の缶に挿入することによって作製した。電池
は、1.0M、LiPF6 を溶解含有するEC:DM
C:EMC:DEC=45:22:24.8:8.2の
電解液で活性化した(グループ1)。本発明に従って作
製されたグループ2の電池は、0.05Mの硝酸イソプ
ロピル(IPN)を溶解含有していた。最後に電池は、
密閉シールした。
【0032】4つの電池すべては、次に、4.1Vと
2.75Vの間でサイクルさせた。充電サイクルは、電
池が4.1Vに達するまで、300mAの定電流で実施
した。次に、充電サイクルは、電流が60mAに落ちる
まで、4.1Vで継続させた。5分間休止させた後、電
池は2.75Vまで、300mAの定電流で放電させ
た。電池は、その後のサイクルまで、さらに5分間休止
させた。
【0033】両グループの電池の初期の平均の充電およ
び放電容量を、表1にまとめる。第1サイクル不可逆容
量は、最初の充電容量と最初の放電容量の差として計算
される。
【0034】 表1 第1サイクル容量および不可逆容量 ・ 第1の充電 第1の放電 不可逆 グループ (mAh) (mAh) (mAh) 1 1843.4 1517.5 325.9 2 1808.0 1557.2 250.8
【0035】表1のデータは、両グループの電池が、同
様の第1サイクル充電容量を示すことを明らか示してい
る。しかしながら、第1サイクル放電容量は明らかに異
なる。硝酸イソプロピル添加剤を含む電解液で活性化し
たグループ2の電池は、グループ1の電池よりも著しく
高い第1サイクル放電容量を有していた(約2.6%高
い)。結果として、グループ2の電池は、グループ1の
電池よりも約23%低い第1サイクル不可逆容量を有し
ていた。
【0036】実施例II 初期サイクルの後、4個の電池のサイクルを、実施例I
に記載のものと同一のサイクル条件下で合計10回継続
させた。それぞれのサイクルの放電容量および容量保持
を、表2にまとめる。この容量保持は、第1サイクル放
電容量に関連する各放電サイクルの容量のパーセントと
して定義される。
【0037】 表2 サイクルの放電容量および容量保持 ・ グループ1 グループ2 ・ 容量 保持 容量 保持 サイクル# (mAh) (%) (mAh) (%) 1 1517.5 100.0 1557.2 100.0 2 1555.4 102.5 1608.5 103.3 3 1557.9 102.7 1621.8 104.1 4 1558.4 102.7 1624.3 104.3 5 1553.5 102.4 1624.9 104.3 6 1551.2 102.2 1622.8 104.2 7 1549.2 102.1 1621.1 104.1 8 1543.8 101.7 1617.1 103.8 9 1540.8 101.5 1614.9 103.7 10 1535.1 101.2 1612.1 103.5
【0038】表2のデータは、硝酸イソプロピル添加剤
を含むグループ2の電池が、すべてのサイクルにおいて
一貫してより高い放電容量を有したことを示しているこ
とを表している。さらに、このより高い容量は、より低
いサイクル寿命を犠牲にして実現されていない。グルー
プ1および2の電池は、種々のサイクルを通して本質的
に同一のサイクル容量保持率を示していた。
【0039】特定の理念に拘束されないが、容量および
パーセント保持の増加が、示数が減少し始める前のグル
ープ1の電池の第4サイクルとグループ2の電池の第5
サイクルに存在しており、サイクルの結果としての電気
的導電性のまたは反応性の減少したSEI層が形成し続
けていることによると考えられる。SEIは、電池を複
数回サイクルさせた後まで完全に形成されず、不可逆容
量はSEI層が、完全に形成されるまで停止しないと考
えられる。
【0040】実施例III 実施例IIに記載の上記のサイクルテストの後、電池
は、実施例Iに記載の方法に従って充電された。そし
て、この電池は、2.75Vまで3000mAの定電流
で放電され、次に、1分間の開回路休止させ、続いて、
2.75Vまで1500mAの定電流放電をさせて、1
分間の開回路休止をもたせ、そして、2.75Vまで7
50mAの定電流放電をさせて、1分間の開回路休止を
もたせ、最後に、2.75Vまで300mAの定電流放
電をさせて、5分間の開回路休止をもたせた。各放電速
度における平均総容量は、表3にまとめられ、種々の定
電流における平均放電効率(300mAの定電流放電の
%容量として定義される)の比較を、表4にまとめる。
表3において、放電容量は、ある放電電流から次のもの
に累積される。
【0041】 表3 種々の電流における放電容量(mAh) グループ 3000mA 1500mA 750mA 300mA 1 1380.8 1497.6 1522.1 1532.9 2 1429.7 1556.3 1587.1 1601.5
【0042】 表4 種々の電流における放電効率(%) グループ 3000mA 1500mA 750mA 300mA 1 90.1 97.7 99.3 100.0 2 89.3 97.2 99.1 100.0
【0043】表3のデータは、硝酸イソプロピル添加剤
を含むグループ2の電池が、テストされるすべての放電
速度において、グループ1のコントロール電池に比較し
て増加した放電容量を放電できることを示している。同
一の傾向は、表4にも示される。すべての放電電流にお
いて、グループ2の電池は、グループ1の電池と同様の
放電効率を示していた。
【0044】実施例IV 上記の放電速度容量テストの後、すべての電池は。実施
例Iに記載の方法に従って十分に充電された。4個のテ
スト電池は、2週間の間37℃で開回路電圧(OCV)
で貯蔵された。最後に電池は、8回にわたって放電され
てサイクルされた。自己放電および容量保持の%は、計
算されて表5に示される。
【0045】 表5 自己放電速度および貯蔵容量保持後の速度 グループ 自己放電(%) 容量保持(%) 1 12.5 96.1 2 11.7 96.7
【0046】表5のデータは、両グループの電池が、同
様の自己放電速度と同様の貯蔵後の容量保持速度を示し
ていることを表している。しかしながら、グループ2の
電池は、グループ1の電池よりも高い放電容量を有して
いるので、それらは同様の自己放電および容量保持速度
を示しているけれども、グループ2の電池の容量は、グ
ループ1の電池よりも依然として高い。20サイクルさ
せて、その結果は、図1にまとめられる。特に曲線10
は、硝酸エステル添加剤を含まないグループ1の電池の
平均サイクルデータから作成され、曲線12は、この電
解液添加剤を含むグループ2の電池の平均から作成され
た。20回のサイクルを通して、放電容量の増加が明ら
かに確認された。
【0047】本発明による硝酸エステル添加剤の還元生
成物を含むSEI層が、イオン伝導電性は大きいが、導
電性は低く、反応性も低くなるように、硝酸エステル添
加剤の還元生成物は、アノード表面において他の電解液
成分の反応と効率的に競合しなければならない。この点
に関して、一般式(RO)N(=O)2 を有する硝酸エ
ステル添加剤のR−O結合は、弱いか、反応性があるも
のでなければならない。このことは、米国特許出願第0
9/112,597号に示されている。なお、この特許
は、本発明の譲受人に譲り受けられており、ここに参照
として組み込まれる。この出願において、硝酸エステル
添加剤、例えば、硝酸イソプロピル(IPN)が、比較
的弱いC−O結合)を有する場合、有益な効果は、電圧
遅延の減少およびRdc成長の減少の観点から一次リチ
ウム/酸化バナジウム銀電池の場合に観測されることが
記載されている。
【0048】同様の理由から、硝酸エステル添加剤の同
一のタイプのものは、一次のリチウムイオン電池の放電
特性に有益であり、また、カーボンアノード表面上に良
好なSEI膜を形成することに起因して、リチウムイオ
ン電池の第1サイクル不可逆容量およびサイクル効率に
有益であると考えられる。それ故、リチウムイオン電池
の場合、一般式(RO)N(=O)2 を有する硝酸エス
テル添加剤のR基は、1〜10子の炭素原子を有する飽
和もしくは不飽和の炭化水素もしくはヘテロ原子団のい
ずれかからなる有機原子団からなるグループから選択さ
れる。
【0049】特定の理論に束縛されるわけではないが、
リチウム化アノード表面に析出したLi−O−N(=
O)2 の形成は、リチウムイオン電池の改良された特性
のためであると考えられる。硝酸エステル添加剤のR基
が、活性である場合(例えば、IPN)、O−R結合は
比較的弱い。還元中にO−R結合は壊れて、N−O−L
i塩基を含む生成物を形成する。これは、実施例におけ
るIPN添加剤を含むものによって示されるように、リ
チウムイオン電池の観測される改良点のための理由であ
ると考えられる。
【0050】硝酸エステル添加剤の濃度限界は、好まし
くは約0.001〜0.40Mである。上述の特許出願
第09/112,597号には、IPN添加剤の濃度限
界は、好ましくは約0.005〜0.01Mと記載され
ている。一般的に、硝酸エステル添加剤の有益な効果
は、添加剤濃度が約0.001Mより低い場合には明ら
かでない。一方、添加剤濃度が約0.40Mよりも大き
い場合には、この添加剤の有益な効果は、より厚いアノ
ード表面フィルムの形成とより低い電解液導電性に起因
して、内部電池抵抗がより高くなるという不利な効果に
よって打ち消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】2つのグループのリチウムイオン電池に対する
20回サイクルでの平均放電容量を示すグラフであり、
このうちの1つのグループは、硝酸エステル添加剤なし
の四種カーボネート溶媒混合物で活性化されたものであ
り、これは硝酸エステル添加剤を含む同様に作製された
電池グループと比較される。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年5月26日(2000.5.2
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 再充電可能な電池における非水
性電解液のための硝酸エステル添加剤
【手続補正書】
【提出日】平成12年5月29日(2000.5.2
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 再充電可能な電気化学電池にお
ける非水性電解液のための硝酸エステル添加剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エスター エス、タケウチ アメリカ合衆国、ニューヨーク州 14051、 イースト アムハースト、サン ラファエ ル コート 38

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)アルカリ金属とインターカレートす
    る負電極、 b)前記アルカリ金属とインターカレートする電極活物
    質からなる正電極、 c)前記負電極および前記正電極を活性化する非水性電
    解液、および d)前記電解液中に設けられた有機硝酸エステル添加剤
    からなる電気化学電池。
  2. 【請求項2】 前記硝酸エステル添加剤が、一般式:
    (RO)N(=O)2 (ここで、Rは1〜10個の炭素
    原子を含む飽和もしくは不飽和の炭化水素またはヘテロ
    原子団のいずれかからなる有機原子団からなる群から選
    択される)を有することを特徴とする請求項1に記載の
    電気化学電池。
  3. 【請求項3】 前記硝酸エステル添加剤は、硝酸プロピ
    ル、硝酸イソプロピル、硝酸ブチル、硝酸イソブチル、
    硝酸t‐ブチル、硝酸ベンジルおよび硝酸フェニル、並
    びに上記物質の混合物からなる群から選択されることを
    特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
  4. 【請求項4】 前記硝酸エステル添加剤は、約0.00
    1M〜約0.40Mの範囲内で前記電解液中に存在する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
  5. 【請求項5】 前記硝酸エステル添加剤は、約0.05
    Mまでの濃度で前記電解液中に存在する硝酸イソプロピ
    ルであることを特徴とする請求項1に記載の電気化学電
    池。
  6. 【請求項6】 前記電解液は、四種の非水性カーボネー
    ト溶媒の混合物を含むことを特徴とする請求項1に記載
    の電気化学電池。
  7. 【請求項7】 前記電解液は、ジメチルカーボネート、
    ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、エチ
    ルメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネートお
    よびエチルプロピルカーボネート、並びに上記物質の混
    合物からなる群から選択される少なくとも1種類の線状
    カーボネートからなることを特徴とする請求項1に記載
    の電気化学電池。
  8. 【請求項8】 前記電解液は、少なくとも3種類の前記
    線状カーボネートからなることを特徴とする請求項7に
    記載の電気化学電池。
  9. 【請求項9】 前記電解液は、エチレンカーボネート、
    プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートおよび
    ビニレンカーボネート、並びに上記物質の混合物からな
    る群から選択される少なくとも1種類の環状カーボネー
    トを含むことを特徴とする請求項1に記載の電気化学電
    池。
  10. 【請求項10】 前記電解液は、エチレンカーボネー
    ト、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート
    およびジエチルカーボネートからなることを特徴とする
    請求項1に記載の電気化学電池。
  11. 【請求項11】 前記エチレンカーボネートは約10〜
    50体積%の範囲内であり、前記ジメチルカーボネート
    は約5〜75体積%の範囲内であり、前記エチルメチル
    カーボネートは約5〜50体積%の範囲内であり、前記
    ジエチルカーボネートは約3〜45体積%の範囲内であ
    ることを特徴とする請求項10に記載の電気化学電池。
  12. 【請求項12】 前記電解液は、LiPF6 、LiBF
    4 、LiAsF6 、LiSbF6 、LiClO4 、Li
    AlCl4 、LiGaCl4 、LiNO3 、LiC(S
    2 CF33 、LiN(SO2 CF32 、LiSC
    N、LiO3 SCF2 CF3 、LiC65 SO3 、L
    iO2 CCF3 、LiSO3 F、LiB(C654
    およびLiCF3 SO3 、並びに上記物質の混合物から
    なる群から選択されたアルカリ金属塩を含むことを特徴
    とする請求項1に記載の電気化学電池。
  13. 【請求項13】 前記アルカリ金属はリチウムであるこ
    とを特徴とする請求項12に記載の電気化学電池。
  14. 【請求項14】 前記負電極は、コークス、カーボンブ
    ラック、グラファイト、アセチレンブラック、炭素繊維
    およびガラス状炭素、並びに上記物質の混合物からなる
    群から選択される負電極活物質を含むことを特徴とする
    請求項1に記載の電気化学電池。
  15. 【請求項15】 前記負電極活物質はフッ素樹脂バイン
    ダーと混合されることを特徴とする請求項1に記載の電
    気化学電池。
  16. 【請求項16】 前記正電極は、バナジウム、チタン、
    クロム、銅、モリブデン、ニオブ、鉄、ニッケル、コバ
    ルトおよびマンガン、並びに上記物質の混合物から選択
    されるもののリチウム化酸化物、リチウム化硫化物、リ
    チウム化セレン化物およびリチウム化テルル化物からな
    る群から選択される正電極活物質を含むことを特徴とす
    る請求項1に記載の電気化学電池。
  17. 【請求項17】 前記正電極活物質はフッ素樹脂バイン
    ダーと混合されることを特徴とする請求項16に記載の
    電気化学電池。
  18. 【請求項18】 前記正電極活物質は、アセチレンブラ
    ック、カーボンブラック、グラファイト、ニッケル粉
    末、アルミニウム粉末、チタン粉末およびステンレス鋼
    粉末、並びに上記物質の混合物からなる群から選択され
    る導電性添加材と混合されることを特徴とする請求項1
    6に記載の電気化学電池。
  19. 【請求項19】 a)リチウムとインターカレートする
    負電極、 b)電極活物からなり、リチウムとインターカレートす
    る正電極、 c)前記アノードおよび前記カソードを活性化する電解
    液、および d)前記電解液中に設けられた有機硝酸エステル添加剤
    からなり、前記電解液は、エチレンカーボネート、ジメ
    チルカーボネート、エチルメチルカーボネートおよびジ
    エチルカーボネートの四種の非水性カーボネート溶媒の
    混合物中に溶解されたアルカリ金属塩を含むことを特徴
    とする電気化学電池。
  20. 【請求項20】 前記硝酸エステル添加剤は、一般式:
    (RO)N(=O)2 (ここで、Rは1〜10個の炭素
    原子を含む飽和もしくは不飽和の炭化水素またはヘテロ
    原子団のいずれかからなる有機原子団からなる群から選
    択される)を有することを特徴とする請求項19に記載
    の電気化学電池。
  21. 【請求項21】 前記硝酸エステル添加剤は、硝酸プロ
    ピル、硝酸イソプロピル、硝酸ブチル、硝酸イソブチ
    ル、硝酸t‐ブチル、硝酸ベンジルおよび硝酸フェニ
    ル、並びに上記物質の混合物からなる群から選択される
    ことを特徴とする請求項19に記載の電気化学電池。
  22. 【請求項22】 前記エチレンカーボネートは約10〜
    50体積%の範囲内であり、前記ジメチルカーボネート
    は約5〜75体積%の範囲内であり、前記エチルメチル
    カーボネートは約5〜50体積%の範囲内であり、前記
    ジエチルカーボネートは約3〜45体積%の範囲内であ
    ることを特徴とする請求項19に記載の電気化学電池。
  23. 【請求項23】 前記電解液は、LiPF6 、LiBF
    4 、LiAsF6 、LiSbF6 、LiClO4 、Li
    AlCl4 、LiGaCl4 、LiNO3 、LiC(S
    2 CF33 、LiN(SO2 CF32 、LiSC
    N、LiO3 SCF2 CF3 、LiC65 SO3 、L
    iO2 CCF3 、LiSO3 F、LiB(C654
    およびLiCF3 SO3 、並びに上記物質の混合物から
    なる群から選択されたアルカリ金属塩を含むことを特徴
    とする請求項19に記載の電気化学電池。
  24. 【請求項24】 a)アルカリ金属をインターカレート
    できる活物質からなるアノード、 b)導電性材料からなる固体カソード、および c)前記アノードおよび前記カソードを活性化する非水
    性電解液からなり、前記非水性電解液は、一般式(R
    O)N(=O)2 (ここで、Rは1〜10個の炭素原子
    を含む飽和もしくは不飽和の炭化水素もしくはヘテロ原
    子団のいずれかからなる有機原子団からなる群から選択
    される)を有する有機硝酸エステルからなることを特徴
    とする電気化学電池。
  25. 【請求項25】 a)リチウムをインターカレートでき
    る炭素質材料からなるアノード、 b)酸化コバルトリチウムからなるカソード、および c)前記アノードおよび前記カソードを活性化する非水
    性電解液からなり、前記非水性電解液は、有機硝酸エス
    テル添加剤を含み、これは前記電解液と接触している前
    記リチウムがインターカレートされたアノードの表面に
    硝酸リチウムまたは硝酸エステル還元生成物のリチウム
    塩を形成することを特徴とする電気化学電池。
  26. 【請求項26】 a)アルカリ金属とインターカレート
    する負電極を設ける工程、 b)アルカリ金属とインターカレートする電極活物質か
    らなる正電極を設ける工程、 c)非水性電解液で前記負電極および前記正電極を活性
    化する工程、および d)前記電解液中に有機硝酸エステル添加剤を設ける工
    程からなる電気化学電池の製造方法。
  27. 【請求項27】 前記硝酸エステル添加剤が、一般式:
    (RO)N(=O)2 (ここで、Rは1〜10個の炭素
    原子を含む飽和もしくは不飽和の炭化水素またはヘテロ
    原子団のいずれかからなる有機原子団からなる群から選
    択される)を有することを特徴とする請求項26に記載
    の電気化学電池。
  28. 【請求項28】 前記硝酸エステル添加剤は、硝酸プロ
    ピル、硝酸イソプロピル、硝酸ブチル、硝酸イソブチ
    ル、硝酸t‐ブチル、硝酸ベンジルおよび硝酸フェニ
    ル、並びに上記物質の混合物からなる群から選択される
    ことを特徴とする請求項26に記載の電気化学電池。
  29. 【請求項29】 前記硝酸エステル添加剤は、約0.0
    01M〜約0.40Mの範囲内で前記電解液中に存在す
    ることを特徴とする請求項26に記載の電気化学電池。
  30. 【請求項30】 前記硝酸エステル添加剤は、約0.0
    5Mまでの濃度で前記電解液中に存在する硝酸イソプロ
    ピルであることを特徴とする請求項26に記載の電気化
    学電池。
  31. 【請求項31】 前記電解液は、四種の非水性カーボネ
    ート溶媒の混合物を含むことを特徴とする請求項26に
    記載の電気化学電池。
  32. 【請求項32】 前記電解液は、ジメチルカーボネー
    ト、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、
    エチルメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネー
    トおよびエチルプロピルカーボネート、並びに上記物質
    の混合物からなる群から選択される少なくとも1種類の
    線状カーボネートからなることを特徴とする請求項26
    に記載の電気化学電池。
  33. 【請求項33】 前記電解液は、少なくとも3種類の前
    記線状カーボネートからなることを特徴とする請求項3
    2に記載の電気化学電池。
  34. 【請求項34】 前記電解液は、エチレンカーボネー
    ト、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートお
    よびビニレンカーボネート、並びに上記物質の混合物か
    らなる群から選択される少なくとも1種類の環状カーボ
    ネートを含むことを特徴とする請求項26に記載の電気
    化学電池。
  35. 【請求項35】 前記電解液は、エチレンカーボネー
    ト、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート
    およびジエチルカーボネートからなることを特徴とする
    請求項26に記載の電気化学電池。
  36. 【請求項36】 前記エチレンカーボネートは約10〜
    50体積%の範囲内であり、前記ジメチルカーボネート
    は約5〜75体積%の範囲内であり、前記エチルメチル
    カーボネートは約5〜50体積%の範囲内であり、前記
    ジエチルカーボネートは約3〜45体積%の範囲内であ
    ることを特徴とする請求項35に記載の電気化学電池。
  37. 【請求項37】 前記電解液は、LiPF6 、LiBF
    4 、LiAsF6 、LiSbF6 、LiClO4 、Li
    AlCl4 、LiGaCl4 、LiNO3 、LiC(S
    2 CF33 、LiN(SO2 CF32 、LiSC
    N、LiO3 SCF2 CF3 、LiC65 SO3 、L
    iO2 CCF3 、LiSO3 F、LiB(C654
    およびLiCF3 SO3 、並びに上記物質の混合物から
    なる群から選択されたアルカリ金属塩を含むことを特徴
    とする請求項26に記載の電気化学電池。
  38. 【請求項38】 前記アルカリ金属はリチウムであるこ
    とを特徴とする請求項26に記載の電気化学電池。
  39. 【請求項39】 前記正電極は、バナジウム、チタン、
    クロム、銅、モリブデン、ニオブ、鉄、ニッケル、コバ
    ルトおよびマンガン、並びに上記物質の混合物から選択
    されるもののリチウム化酸化物、リチウム化硫化物、リ
    チウム化セレン化物およびリチウム化テルル化物からな
    る群から選択される正電極活物質を含むことを特徴とす
    る請求項26に記載の電気化学電池。
  40. 【請求項40】 前記負電極は、コークス、カーボンブ
    ラック、グラファイト、アセチレンブラック、炭素繊維
    およびガラス状炭素、並びに上記物質の混合物からなる
    群から選択される負電極活物質を含むことを特徴とする
    請求項26に記載の電気化学電池。
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