JP2002116325A - 導光板、照明装置、液晶装置及び電子機器 - Google Patents

導光板、照明装置、液晶装置及び電子機器

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JP2002116325A
JP2002116325A JP2000309259A JP2000309259A JP2002116325A JP 2002116325 A JP2002116325 A JP 2002116325A JP 2000309259 A JP2000309259 A JP 2000309259A JP 2000309259 A JP2000309259 A JP 2000309259A JP 2002116325 A JP2002116325 A JP 2002116325A
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Japan
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light
guide plate
liquid crystal
light guide
dichroic phosphor
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JP2000309259A
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Tsuyoshi Maeda
強 前田
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Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 400nm以下の短波長の光も利用すること
ができる導光板及び照明装置を提供する。 【解決手段】 導光板33は、2色性蛍光体を含有する
透光性材料からなり、2色性蛍光体は、400nm以下
の所定の波長の光により励起され、励起光よりも長波長
の光を発光することが可能なもので、かつ、400nm
より長波長の可視領域の光に対しては透光性を有するも
のである。また、2色性蛍光体の分子53を光源31の
延在方向に対して略平行方向に配列させることが望まし
く、さらに、液晶パネル20の背面側に設けられた偏光
板24の偏光軸と、2色性蛍光体の分子53の配列方向
とを略同一方向とすることが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は導光板、照明装置、
液晶装置及び電子機器に係り、特に、透過型又は半透過
反射型の液晶装置などに備えられる導光板、照明装置の
構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】暗所でも表示可能な液晶表示装置とし
て、光源を内蔵し、内蔵された光源から発せられる光を
利用して表示を行うことが可能な透過型あるいは半透過
反射型の液晶装置が知られている。
【0003】図6に基づいて、パッシブマトリクス型の
透過型液晶表示装置を取り上げて、従来の透過型液晶装
置の一例について簡単に説明する。図6は従来の透過型
液晶表示装置100の分解斜視図である。
【0004】図6に示すように、液晶表示装置100
は、液晶パネル200と液晶パネル200の背面側(図
示下方)に設けられた照明装置(バックライト)300
とから構成されている。
【0005】液晶パネル200においては、下側基板1
01と上側基板102とが対向配置され、これら基板間
に液晶層(図示略)が挟持されており、下側基板101
と照明装置300との間、及び上側基板102の外側
(観察者側)にはそれぞれ偏光板105、106が取り
付けられている。
【0006】下側基板101の液晶層側表面上には多数
の信号電極103がストライプ状に設けられ、それと対
向する上側基板102の液晶層側表面上には信号電極1
03と交差する方向に延在する多数の走査電極104が
ストライプ状に設けられている。
【0007】照明装置300は、冷陰極管などからなる
光源301、及び光源301からの光を効率よく、液晶
層側に照射するために、光源301から出射された光を
図示上方(液晶層側)に導く構造を有する導光板302
とからなっている。
【0008】液晶表示装置100において、液晶層が紫
外光、近紫外光により損傷されることを防止するため
に、偏光板105は、紫外光、近紫外光を吸収する構造
になっている。図7に、偏光板105における光の波長
と透過率との関係を示す。図7に示すように、偏光板1
05は、照明装置300から出射される光のうち、紫外
光、近紫外光、具体的には400nm以下の短波長の光
を吸収する構造になっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記構造の従来の透過
型液晶装置においては、照明装置から出射される光のう
ち、400nm以下の短波長の光を、液晶パネルの背面
側に設けられた偏光板で吸収させて、液晶層側に透過さ
せない構造としているため、照明装置から出射される光
のうち、400nm以下の短波長の光を利用することが
できない構造になっている。そのため、透過型液晶装置
の明度や輝度の低下の原因の1つになっている。
【0010】なお、この問題は、透過型液晶装置に限っ
た問題ではなく、光源を内蔵し、内蔵された光源から発
せられる光を利用して表示を行うことが可能な透過型あ
るいは半透過反射型の液晶装置において生じる問題であ
る。
【0011】また、上記の問題は、パッシブマトリクス
型の液晶表示装置に限った問題ではなく、TFD(Thin
-Film Diode)素子に代表される2端子型素子やTFT
(Thin-Film Transistor)素子に代表される3端子型素
子を用いるアクティブマトリクス型の液晶装置などにお
いても生じる問題であり、透過型、あるいは半透過反射
型の液晶装置であれば、いかなる液晶装置においても生
じる問題である。
【0012】そこで、本発明は、このような事情に鑑み
てなされたものであり、照明装置から出射される光のう
ち、従来利用されていなかった400nm以下の短波長
の光も利用することができる導光板及び照明装置を提供
することを目的とする。また、この導光板又は照明装置
を備えることにより、明度や輝度が向上され、表示品質
の優れた液晶装置及び電子機器を提供することを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するべく検討を行った結果、以下に記載の導光板、
照明装置、液晶装置、及び電子機器を発明するに到っ
た。
【0014】本発明の第1の導光板は、側面から入射す
る光を一方の板面から放出するように形成された導光板
であって、前記導光板が、2色性蛍光体を含有する透光
性材料からなることを特徴とする。
【0015】また、本発明の第2の導光板は、側面から
入射する光を一方の板面から放出するように形成された
導光板であって、前記導光板には、前記一方の板面上
に、2色性蛍光体を含有する透光性材料からなる2色性
蛍光体膜が備えられていることを特徴とする。
【0016】また、本発明の第1、第2の導光板におい
て、前記2色性蛍光体が400nm以下の所定の波長の
光により励起可能なものであるとともに、400nmよ
り長波長の可視領域の光に対しては透光性を有するもの
であることを特徴とする。一般に、蛍光体は励起光より
長波長の光を発光することを特徴としている。したがっ
て、より詳細には、本発明の第1、第2の導光板におい
て、導光板内部に含有された2色性蛍光体、あるいは導
光板上に設けられた2色性蛍光体膜に含有された2色性
蛍光体は、偏光板により吸収される400nm以下の所
定の波長の光により励起され、励起光よりも長波長の
光、すなわち偏光板により吸収されない光を発光するこ
とが可能であるとともに、400nmより長波長の光、
すなわち偏光板を透過する光に対しては透光性を有する
ことを特徴としている。
【0017】本発明の第1、第2の導光板によれば、2
色性蛍光体を含有する透光性材料により導光板を構成す
る、あるいは導光板の光を放出する側の板面上に、2色
性蛍光体を含有する透光性材料からなる2色性蛍光体膜
を設ける構成とすることにより、偏光板により吸収され
る400nm以下の光を、2色性蛍光体によって、偏光
板により吸収されない(偏光板を透過する)、励起光よ
りも長波長の光に変換することができるので、従来利用
されていなかった400nm以下の短波長の光も利用す
ることができる。
【0018】また、2色性蛍光体を400nmより長波
長の光、すなわち偏光板を透過する光に対しては透光性
を有する材料で構成することにより、従来利用していた
偏光板を透過する光が2色性蛍光体に吸収され、導光板
から偏光板側へ出射する光が減少することを防止するこ
とができる。
【0019】すなわち、本発明の第1、第2の導光板に
よれば、従来利用していた400nmより長波長の光に
ついてはそのまま透過させ、従来利用されていなかった
400nm以下の短波長の光については2色性蛍光体に
よって、偏光板を透過する400nmより長波長の光に
変換することができるので、光源から出射される光を有
効利用することができる。
【0020】なお、一般の蛍光体を用いた場合には、蛍
光体から発光される光は指向性がなく、ランダムな方向
(360度方向)に出射されるが、2色性蛍光体を用い
た場合には、2色性蛍光体から発光される光は、2色性
蛍光体の分子の長軸方向の振動が強い、偏光性を有する
ものとなる。
【0021】したがって、本発明の第1、第2の導光板
において、前記2色性蛍光体の分子が略一方向に配列さ
れていることが望ましい。このように、2色性蛍光体の
分子を略一方向に配列させることにより、すべての2色
性蛍光体の分子から発光される光の偏光方向を均一化す
ることができる。
【0022】以上の本発明の導光板と、該導光板の側面
側に配設された光源とを備えることにより、従来利用さ
れていなかった400nm以下の短波長の光も利用する
ことができる本発明の照明装置を提供することができ
る。
【0023】また、本発明の照明装置において、前記光
源が、前記導光板の側面に沿って配設されたものである
とともに、前記2色性蛍光体の分子が、前記光源の延在
方向もしくは配列方向に対して略平行方向に配列された
ものであることが望ましい。
【0024】光源が、導光板の側面に沿って配設された
冷陰極管や、導光板の側面に沿って配設された発光ダイ
オード等の複数の点光源などからなる場合には、光源か
ら出射され、導光板内に入射した光は、導光板内におい
て全反射を繰り返した後、導光板の一方の板面から出射
されるが、全反射した後の光においては、光源の延在方
向もしくは配列方向に対して略平行方向の振動が強い、
偏光性を有する光の割合が高くなっている。
【0025】したがって、光源が、導光板の側面に沿っ
て配設された冷陰極管や、導光板の側面に沿って配設さ
れた発光ダイオード等の複数の点光源などからなる場合
には、光源から発せられ導光板内を伝播する光において
は、光源の延在方向もしくは配列方向に対して略平行方
向の振動が強い、偏光性を有する光の占める割合が高く
なるため、2色性蛍光体の分子を光源の延在方向もしく
は配列方向に対して略平行方向に配列させることによ
り、導光板内を伝搬する光の偏光方向と2色性蛍光体の
分子の配列方向とを略同一方向とすることができるの
で、導光板内を伝搬する光が2色性蛍光体に吸収されや
すくなり、2色性蛍光体の分子における発光効率を向上
させることができる。
【0026】また、本発明の照明装置は、更に、外部の
光を取り入れることが可能な採光部を具備するものであ
ることが望ましい。冷陰極管などの光源から発せられる
光においては400nm以下の短波長の光の割合は数%
程度と低いが、冷陰極管などの光源に比較して400n
m以下の短波長の光の割合が相対的に高い太陽光などの
外部の光を取り入れることが可能な採光部を設ける構成
とすることにより、2色性蛍光体による発光量を増加さ
せることができるので、照明装置から放出される光量を
増加させることができる。なお、照明装置に採光部を設
ける場合、採光部から取り入れられる外部の光のうち、
400nmより長波長の光については、そのまま導光板
を透過させて、偏光板側に放出する。
【0027】以上の本発明の照明装置を、液晶パネルの
背面側に備えることにより、明度や輝度が向上され、表
示品質の優れた透過型又は半透過反射型の液晶装置を提
供することができる。
【0028】また、この本発明の液晶装置において、液
晶パネルが照明装置側に偏光板を具備するものであると
ともに、該偏光板の偏光軸が、2色性蛍光体の分子の配
列方向と略同一方向であることが望ましい。このよう
に、2色性蛍光体の分子の配列方向と液晶パネルの背面
側に設けられた偏光板の偏光軸とを略同一方向とするこ
とにより、2色性蛍光体から発光された光が偏光板に吸
収され、偏光板を透過する光の光量が減少することを防
止することができる。
【0029】また、以上の本発明の液晶装置を備えるこ
とにより、明度や輝度が向上され、表示品質の優れた電
子機器を提供することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】図1〜図4に基づいて、本発明に
係る実施形態について詳細に説明する。
【0031】本実施形態は、本発明の液晶装置をパッシ
ブマトリクス型の液晶表示装置に適用した例であって、
光源を内蔵するとともに、外部の光を取り入れる採光部
を具備する採光機構付きの透過型カラー液晶表示装置の
例である。また、本実施形態の液晶表示装置は、本発明
の導光板及び本発明の照明装置を備えたものとなってお
り、導光板及び照明装置の構造が特徴的なものとなって
いる。
【0032】図1は本実施形態の液晶表示装置10を観
察者側から見た分解斜視図、図2は液晶表示装置10の
全体構造を示す概略断面図、図3は液晶表示装置10を
構成する導光板(照明装置)のその他の例を示す概略断
面図、図4は液晶表示装置10の内部構造を示す概略断
面図である。図2〜図4は液晶表示装置10を図1のA
−A’線に沿って切断したときの断面図である。また、
図1、図4においては、後述する液晶表示装置10のケ
ースの図示を省略している。
【0033】[液晶表示装置の全体構造]はじめに図
1、図2に基づいて液晶表示装置10の全体構造につい
て説明する。
【0034】図1に示すように、液晶表示装置10は、
液晶パネル20と液晶パネル20の背面側(観察者側と
反対側)に設けられた照明装置(バックライト)30と
から構成されている。
【0035】液晶パネル20においては、下側基板11
と上側基板12とが対向配置され、これら基板間に液晶
層(図1では図示略)が挟持されており、下側基板11
と照明装置30との間、及び上側基板12の外側(観察
者側)にはそれぞれ偏光板24、25が設けられてい
る。また、下側基板11の照明装置30側、上側基板1
2の観察者側にはそれぞれ位相差板が取り付けられてい
るが、図示は省略している。下側基板11、上側基板1
2は、ガラスあるいはポリカーボネート、ポリエーテル
スルホン、アクリル系樹脂等の透明基板により構成され
ている。
【0036】下側基板11の液晶層側表面上には多数の
信号電極17がストライプ状に設けられ、それと対向す
る上側基板12の液晶層側表面上には信号電極17と交
差する方向に延在する多数の走査電極18がストライプ
状に設けられている。信号電極17、走査電極18は、
インジウム錫酸化物等の透明導電性材料からなってい
る。また、信号電極17と走査電極18とが交差する部
分が個々の画素になっており、多数の画素がマトリクス
状に配列した領域が表示領域になっている。なお、本実
施形態においては、下側基板11側の電極を信号電極、
上側基板12側の電極を走査電極とするが、これは逆で
あっても構わない。
【0037】照明装置30は、冷陰極管などからなる光
源31と、外部の光を取り入れることが可能な採光部3
2と、導光板33とからなっている。本実施形態におい
て、光源31は導光板33の図示右側面に沿って形成さ
れ、採光部32は導光板33の図示左側面に沿って形成
されている。
【0038】また、図2に示すように、液晶表示装置1
0はケース40内に装着されており、ケース40におい
て液晶表示装置10の図示上方及び採光部32が取り付
けられた部分は開放されて、それぞれ表示用窓41、採
光用窓42になっている。すなわち、観察者は表示用窓
41から液晶表示装置10の表示を観察することが可能
な構造になっており、また、採光用窓42から太陽光な
どの外部の光が採光部32を介して導光板33内に入射
することが可能な構造になっている。
【0039】採光部32はレンズなどからなり、導光板
33と一体形成されていてもよいし、導光板33とは独
立して設けられていても良い。また、導光板33におい
て、光源31、採光部32が設けられた側の側面を除く
側面及び底面には反射板などが取り付けられ、光を全反
射する構造になっている。また、導光板33及び採光部
32の図示上側には光を拡散する拡散板34が設けられ
ている。図2に示すように、光源31から出射された光
及び採光部32に入射した外部の光は、導光板33の側
面から導光板33内に入射し、導光板33内において、
全反射を繰り返した後、導光板33の図示上側の板面か
ら液晶パネル20側に放出される構造になっている。
【0040】また、液晶表示装置10において、液晶層
が紫外光、近紫外光により損傷されることを防止するた
めに、液晶パネル20の背面側に設けられた偏光板24
は、照明装置30から照射される光のうち、400nm
以下の短波長の光を吸収する構造になっている。
【0041】本実施形態において、導光板33は、2色
性蛍光体を含有する、アクリル樹脂やポリカーボネート
樹脂などの透光性材料からなっている。図1において、
符号53が2色性蛍光体の分子を模式的に示したもので
ある。本実施形態において、用いる2色性蛍光体は、4
00nm以下の所定の波長の光により励起され、励起光
よりも長波長の光を発光することが可能なもので、か
つ、400nmより長波長の可視領域の光に対しては透
光性を有するものである。このような2色性蛍光体とし
ては、例えば、320〜400nmの近紫外光により励
起され可視光である赤色光を発光することが可能なナイ
ルレッド(C201822)、320〜400nmの近
紫外光により励起され可視光である黄緑色光を発光する
ことが可能なクマリン6(C201822S)、320
〜400nmの近紫外光により励起され可視光である青
色光を発光することが可能なBBOT([(CH33
73NO]242S)等を例示することができる。ま
た、本実施形態において、導光板33に含有される2色
性蛍光体の分子53は、光源31の延在方向に対して略
平行方向に配列されており、かつ、偏光板24の偏光軸
は2色性蛍光体の分子53の配列方向と略同一方向にな
っている。
【0042】このような構造を有する導光板33は、例
えば以下のようにして作製することができる。
【0043】2色性蛍光体とアクリル樹脂やポリカーボ
ネート樹脂などの透光性材料とを所定の溶媒に溶解させ
た溶液を調整し、この溶液を導光板33の型に一定方向
から流し込んだ後、溶媒を乾燥除去し、型から取り出す
ことにより、2色性蛍光体の分子及び透光性材料の分子
が、溶液を流し込んだ方向に対して略平行な方向に配列
した導光板33を作製することができる。
【0044】また、導光板33を作製する際に、2色性
蛍光体と透光性材料とを所定の溶媒に溶解させた溶液に
更に液晶を溶解させ、底面に、液晶を配向させる配向膜
を形成した型に流し込むことによって、液晶分子を所定
の方向に配向させることにより、2色性蛍光体の分子を
液晶分子と同じ方向に配列させて、導光板33を作製し
てもよい。なお、この場合には、2色性蛍光体と液晶と
を含有し、底面に配向膜が形成された導光板33が作製
される。
【0045】また、本実施形態においては、導光板33
が2色性蛍光体を含有する透光性材料からなっている場
合、すなわち導光板33の内部に2色性蛍光体を含有さ
せる場合についてのみ説明したが、本発明はこれに限定
されるものではない。
【0046】図3に示すように、導光板33の内部に2
色性蛍光体を含有させる代わりに、導光板33の光を放
出する側の板面上(上面上)に、2色性蛍光体を含有す
る透光性材料からなる2色性蛍光体膜51を設ける構成
としてもよい。2色性蛍光体膜51は、例えば、2色性
蛍光体を含有する、アクリル樹脂やポリカーボネート樹
脂などの透光性材料からなる透光性フィルムから構成す
ることができる。
【0047】導光板33の光を放出する側の板面上に、
2色性蛍光体を含有する透光性フィルムからなる2色性
蛍光体膜51を設ける構成とする場合には、2色性蛍光
体とアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などの透光性
材料とを所定の溶媒に溶解させた溶液を調整し、この溶
液を一定方向から流した後、溶媒を乾燥除去することに
より、溶液を流し込んだ方向に配向した2色性蛍光体を
具備する透光性フィルムを作製した後、導光板33の光
を放出する側の板面上に、この透光性フィルムを貼着す
ることにより、透光性フィルムからなる2色性蛍光体膜
51を具備する導光板33を作製することができる。ま
た、透光性フィルムを作製した後、溶液を流し込んだ方
向に対して延伸させてから、導光板33上に貼着するこ
とにより、より2色性蛍光体の分子を配向させることが
できる。
【0048】本実施形態の液晶表示装置10において
は、光源31から出射された光及び採光部32から入射
した光のうち、400nmより長波長の光についてはそ
のまま偏光板24側に透過させ、400nm以下の所定
の波長の光については、導光板33内に設けられた2色
性蛍光体あるいは導光板33上に設けられた2色性蛍光
体膜51に含有された2色性蛍光体によって、偏光板2
4を透過することが可能な400nmより長波長の光に
変換することにより、光源31から出射される光及び採
光部32から入射する光を有効に利用することができる
構造になっている。
【0049】[液晶装置の内部構造]次に、図4に基づ
いて液晶表示装置10の内部構造について説明する。な
お、図4においては、偏光板24、25、照明装置30
の図示を省略している。
【0050】図4に示すように、下側基板11と上側基
板12とがそれぞれの基板の周縁部においてシール材1
4を介して所定間隔で貼着され、下側基板11、上側基
板12間に液晶層13が挟持されている。
【0051】下側基板11の液晶層13側表面上には、
カラーフィルター15、平坦化膜16、信号電極17、
配向膜21が順次積層形成されており、上側基板12の
液晶層13側表面上には、走査電極18と配向膜22と
が順次積層形成されている。
【0052】カラーフィルター15は、所定のパターン
で配列された赤(R)、緑(G)、青(B)の着色層1
5Aと、隣接する着色層15A間に形成された遮光層
(ブラックマトリックス)15Bとからなっており、平
坦化膜16は有機膜などからなり、カラーフィルター1
5を形成した下側基板11の表面を平坦化するために設
けられている。配向膜21、22は、ポリイミドなどの
配向性高分子からなり、その液晶層13側表面は所定の
方向にラビングされている。
【0053】また、液晶表示装置10において、配向膜
21、22間には、液晶セルのセルギャップ(液晶層1
3の厚み)を均一化するために、二酸化珪素、ポリスチ
レン等からなる多数の球状のスペーサー23が配置され
ている。
【0054】本実施形態によれば、2色性蛍光体を含有
する透光性材料により導光板33を構成する、あるいは
導光板33の光を放出する側の板面上に、2色性蛍光体
を含有する透光性材料からなる2色性蛍光体膜51を設
ける構成としたので、偏光板24により吸収される40
0nm以下の光を、2色性蛍光体によって、偏光板24
により吸収されない(偏光板を透過する)光に変換する
ことができるので、従来利用されていなかった400n
m以下の短波長の光も利用することができる導光板及び
照明装置を提供することができる。
【0055】また、本実施形態によれば、2色性蛍光体
を含有する導光板33あるいは上面上に2色性蛍光体膜
51を具備する導光板33を備える構成としたので、従
来利用されていなかった400nm以下の短波長の光も
利用することができ、明度及び輝度が向上され、表示品
質の優れた液晶装置を提供することができる。
【0056】また、2色性蛍光体を400nmより長波
長の光、すなわち偏光板を透過する光に対しては透光性
を有する材料で構成することにより、従来利用していた
偏光板24を透過する光が2色性蛍光体に吸収され、導
光板33から偏光板24側へ出射する光が減少すること
を防止することができる。
【0057】すなわち、本実施形態によれば、従来利用
していた400nmより長波長の光についてはそのまま
透過させ、従来利用されていなかった400nm以下の
短波長の光については、2色性蛍光体によって、偏光板
24を透過する400nmより長波長の光に変換するこ
とができるので、光源31から出射される光及び採光部
32から入射する光を有効利用することができる。
【0058】また、本実施形態においては、光源31を
導光板33に沿って配設し、2色性蛍光体の分子53の
配列方向を光源31の延在方向に対して略平行方向とし
た。光源31をこのような構成とした場合、光源31か
ら発せられ導光板33内を伝播する光においては、光源
31の延在方向に対して略平行方向の振動が強い、偏光
性を有する光の割合が高くなるため、2色性蛍光体の分
子53を光源31の延在方向に対して略平行方向に配列
させることにより、導光板33内を伝搬する光の偏光方
向と2色性蛍光体の分子53の配列方向とを略同一方向
とすることができるので、導光板33内を伝搬する光が
2色性蛍光体に吸収されやすくなり、2色性蛍光体の分
子53における発光効率を向上させることができる。
【0059】また、本実施形態においては、外部の光を
取り入れることが可能な採光部32を具備する照明装置
30を備える構成とした。冷陰極管などの光源31から
発せられる光においては400nm以下の短波長の光の
割合は数%程度と低いが、冷陰極管などの光源に比較し
て400nm以下の短波長の光の割合が相対的に高い太
陽光などの外部の光を取り入れることが可能な採光部3
2を設ける構成とすることにより、2色性蛍光体による
発光量を増加させることができるので、液晶装置の明度
及び輝度をより向上させることができる。
【0060】また、2色性蛍光体の分子53の配列方向
と液晶パネル20の背面側に設けられた偏光板24の偏
光軸を略同一方向とすることにより、2色性蛍光体から
発光された光が偏光板24に吸収され、偏光板24を透
過する光の光量が減少することを防止することができ
る。
【0061】なお、本実施形態においては、採光部32
を具備し、光源31から出射される光のみならず、外部
の光も利用することができる照明装置30を備えた液晶
表示装置についてのみ説明したが、本発明はこれに限定
されるものではなく、採光部を具備せず、光源から出射
される光のみを利用することが可能な照明装置を備えた
液晶装置にも適用することができる。
【0062】また、本実施形態では、光源31が導光板
33の側面に沿って配設された冷陰極管などからなる場
合についてのみ説明したが、本発明はこれに限定される
ものではなく、光源を点光源により構成してもよい。光
源を導光板33の側面に沿って配設した複数の点光源に
より構成した場合には、光源の配列方向と2色性蛍光体
の分子53の配列方向とを略平行とすることにより、本
実施形態と同様の効果を得ることができる。また、光源
を1個の点光源により構成しても良い。ただし、光源を
1個の点光源により構成する場合には、導光板33内を
伝播する光の偏光方向と2色性蛍光体の分子53の配列
方向とを略同一方向とすることができないため、2色性
蛍光体の分子53における発光効率は悪くなる。
【0063】また、本実施形態においては透過型カラー
液晶表示装置についてのみ説明したが、本発明はこれに
限定されるものではなく、白黒表示の液晶表示装置や半
透過反射型の液晶装置にも適用することができる。ま
た、本実施形態においてはパッシブマトリクス型の液晶
表示装置についてのみ説明したが、本発明はこれに限定
されるものではなく、TFD(Thin-Film Diode)素子
に代表される2端子型素子やTFT(Thin-Film Transi
stor)素子に代表される3端子型素子を用いるアクティ
ブマトリクス型の液晶装置にも適用することができ、透
過型あるいは半透過反射型の液晶装置であればいかなる
液晶装置にも適用することができる。
【0064】[電子機器]次に、上記実施形態の液晶表
示装置10を備えた電子機器の具体例について説明す
る。
【0065】図5(a)は携帯電話の一例を示した斜視
図である。図5(a)において、300は携帯電話本体
を示し、301は上記の液晶表示装置10を備えた液晶
表示部を示している。
【0066】図5(b)はワープロ、パソコンなどの携
帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図5
(b)において、400は情報処理装置、401はキー
ボードなどの入力部、403は情報処理本体、402は
上記の液晶表示装置10を備えた液晶表示部を示してい
る。
【0067】図5(c)は腕時計型電子機器の一例を示
した斜視図である。図5(c)において、500は時計
本体を示し、501は上記の液晶表示装置10を備えた
液晶表示部を示している。
【0068】図5(a)〜(c)に示すそれぞれの電子
機器は、上記の液晶表示装置10を備えたものであるの
で、明度や輝度が向上され、表示品質の優れたものとな
る。
【0069】
【実施例】以下に、本発明に係る実施例及び従来例につ
いて説明する。
【0070】冷陰極管からなる光源と導光板のみからな
り、採光部を具備しない照明装置を備えたパッシブマト
リクス型の透過型液晶装置を作製した。実施例、従来例
においては、導光板の構造のみを変えて、それ以外の条
件は同一条件で液晶装置を作製した。
【0071】(実施例)実施例では、2色性蛍光体とし
て、BBOTを用い、この2色性蛍光体と、アクリル樹
脂(透光性材料)を高温で導光板の型に流し込み、冷却
後、取り出し、導光板を作製した。2色性蛍光体の分子
を光源の延在方向に対して略平行方向に配列させた。ま
た、液晶パネルの照明装置側に設けた偏光板の偏光軸を
2色性蛍光体の分子の配列方向と略同一方向とした。な
お、導光板中に含有させた2色性蛍光体の濃度は5%と
した。
【0072】(従来例)従来例では、導光板内に2色性
蛍光体を含有させず、アクリル樹脂からなる導光板を作
製した。
【0073】(結果)実施例及び比較例において各々得
られた液晶装置の輝度を測定したところ、従来例におい
て得られた液晶装置の輝度は100.0cd/m2であ
ったのに対し、実施例において得られた液晶装置の輝度
は104.9cd/m2となり、従来例に比較して輝度
が約5%向上し、導光板内部に2色性蛍光体を含有させ
ることにより、液晶装置の輝度を向上させることができ
ることが判明した。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように本発明の導光板によ
れば、2色性蛍光体を含有する透光性材料により導光板
を構成する、あるいは導光板の光を放出する側の板面上
に、2色性蛍光体を含有する透光性材料からなる2色性
蛍光体膜を設ける構成とすることにより、偏光板により
吸収される400nm以下の光を、2色性蛍光体によっ
て、偏光板により吸収されない(偏光板を透過する)光
に変換することができるので、従来利用されていなかっ
た400nm以下の短波長の光も利用することができ
る。
【0075】また、本発明の導光板を備えることによ
り、従来利用されていなかった400nm以下の短波長
の光も利用することができる本発明の照明装置を提供す
ることができる。また、本発明の照明装置において、光
源が、導光板の側面に沿って配設された冷陰極管や、導
光板の側面に沿って配設された発光ダイオード等の複数
の点光源などからなる場合には、2色性蛍光体の分子を
光源の延在方向もしくは配列方向に対して略平行方向に
配列させることにより、2色性蛍光体の分子における発
光効率を向上させることができる。
【0076】また、本発明の照明装置を備えることによ
り、明度や輝度が向上され、表示品質の優れた透過型又
は半透過反射型の液晶装置を提供することができる。ま
た、本発明の液晶装置において、2色性蛍光体の分子の
配列方向と液晶パネルの背面側に設けられた偏光板の偏
光軸とを略同一方向とすることにより、2色性蛍光体か
ら発光された光が偏光板に吸収され、偏光板を透過する
光の光量が減少することを防止することができる。
【0077】また、本発明の液晶装置を備えることによ
り、明度や輝度が向上され、表示品質の優れた電子機器
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明に係る実施形態の液晶装置の全
体構造を示す分解斜視図である。
【図2】 図2は本発明に係る実施形態の液晶装置の全
体構造を示す概略断面図である。
【図3】 図3は本発明に係る実施形態の液晶装置にお
いて、導光板のその他の構造を示す概略断面図である。
【図4】 図4は本発明に係る実施形態の液晶装置の内
部構造を示す概略断面図である。
【図5】 図5は(a)は上記実施形態の液晶装置を備
えた携帯電話の一例を示す図、図5(b)は上記実施形
態の液晶装置を備えた携帯型情報処理装置の一例を示す
図、図5(c)は上記実施形態の液晶装置を備えた腕時
計型電子機器の一例を示す図である。
【図6】 図6は従来の液晶装置の構造を示す分解斜視
図である。
【図7】 図7は偏光板における光の波長と透過率との
関係を示す図である。
【符号の説明】
10 透過型カラー液晶表示装置(液晶装置) 11 下側基板 12 上側基板 13 液晶層 14 シール材 15 カラーフィルター 15A 着色層 15B 遮光層(ブラックマトリックス) 16 平坦化膜 17 信号電極 18 走査電極 21、22 配向膜 23 スペーサー 20 液晶パネル 24、25 偏光板 30 照明装置(バックライト) 31 光源 32 採光部 33 導光板 53 2色性蛍光体の分子 51 2色性蛍光体膜

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側面から入射する光を一方の板面から放
    出するように形成された導光板であって、 前記導光板が、2色性蛍光体を含有する透光性材料から
    なることを特徴とする導光板。
  2. 【請求項2】 側面から入射する光を一方の板面から放
    出するように形成された導光板であって、 前記導光板には、前記一方の板面上に、2色性蛍光体を
    含有する透光性材料からなる2色性蛍光体膜が備えられ
    ていることを特徴とする導光板。
  3. 【請求項3】 前記2色性蛍光体が400nm以下の所
    定の波長の光により励起可能とされ、 かつ、400nmより長波長の可視領域の光に対しては
    透光性を有することを特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載の導光板。
  4. 【請求項4】 前記2色性蛍光体の分子が略一方向に配
    列されたことを特徴とする請求項1から請求項3までの
    いずれか1項に記載の導光板。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4までのいずれか1
    項に記載の導光板と、該導光板の側面側に配設された光
    源とを備えたことを特徴とする照明装置。
  6. 【請求項6】 前記光源が、前記導光板の側面に沿って
    配設されたものであるとともに、 前記2色性蛍光体の分子が、前記光源の延在方向もしく
    は配列方向に対して略平行方向に配列されたことを特徴
    とする請求項5に記載の照明装置。
  7. 【請求項7】 更に、外部の光を取り入れることが可能
    な採光部を具備することを特徴とする請求項5又は請求
    項6に記載の照明装置。
  8. 【請求項8】 請求項5から請求項7までのいずれか1
    項に記載の照明装置を、液晶パネルの背面側に備えたこ
    とを特徴とする液晶装置。
  9. 【請求項9】 前記液晶パネルが、前記照明装置側に偏
    光板を具備するとともに、 該偏光板の偏光軸が、前記2色性蛍光体の分子の配列方
    向と略同一方向とされていることを特徴とする請求項8
    に記載の液晶装置。
  10. 【請求項10】 請求項8又は請求項9に記載の液晶装
    置を備えたことを特徴とする電子機器。
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