JP2002116158A - X線測定方法及びx線装置 - Google Patents

X線測定方法及びx線装置

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JP2002116158A
JP2002116158A JP2000305845A JP2000305845A JP2002116158A JP 2002116158 A JP2002116158 A JP 2002116158A JP 2000305845 A JP2000305845 A JP 2000305845A JP 2000305845 A JP2000305845 A JP 2000305845A JP 2002116158 A JP2002116158 A JP 2002116158A
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ray
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Katsuhiko Ogiso
克彦 小木曽
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Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
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Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料及びX線検出器の両方を冷却する方式の
X線装置に関して、省電力を達成でき、ランニングコス
トを低減でき、さらに保守を容易にする。 【解決手段】 冷却ガス供給装置17によって試料Sに
冷気を供給すると共にCCDX線検出器26を冷却しな
がら、試料SにX線を照射し、試料Sから出るX線をC
CDX線検出器26によって検出するX線測定方法であ
る。試料Sに供給した冷気を利用して熱交換器28によ
ってペルチエ素子27を冷却し、ペルチエ素子27によ
ってCCDX線検出器26を冷却して、CCDX線検出
器26におけるサーマルノイズの発生を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料及びX線検出
器を冷却しながらX線測定を行うX線測定方法及びX線
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】試料にX線を照射してその試料で反射、
回折、散乱等するX線を検出するX線装置は従来から知
られている。また、試料にX線を照射してその試料に発
生する蛍光X線を検出するX線装置も従来から知られて
いる。また、上記のようなX線測定を試料を冷却しなが
ら、さらにはX線検出器を冷却しながら行うようにした
X線装置も従来から知られている。
【0003】例えば、単結晶試料の原子構造を解析する
X線装置である単結晶X線構造解析装置では、X線検出
器としてCCD(Charge Coupled Device)検出器を用
い、試料に冷却用ガスを吹き付けながら、さらに上記C
CD検出器を冷却しながらX線測定が行われるのが一般
的である。
【0004】CCD検出器は常温ではサーマルノイズが
高いので、ダイナミックレンジを増大させるために冷却
する必要があり、例えば従来は、CCD検出器にペルチ
エ素子等といった熱電素子を接着し、この熱電素子に電
圧を印加してCCD検出器を冷却していた。そして、ペ
ルチエ素子等といった熱電素子はCCD検出器に接触す
る面が低温になる一方でその反対面は高温になるので、
その熱電素子は冷却水等といった冷材によって冷却され
ていた。
【0005】他方、単結晶試料の構造解析を精密に行う
ためには原子の熱振動を少なくする必要がある。この要
求を達成するため、従来から、窒素ガス等といった冷却
ガスを試料へ吹き付けて該試料を冷却しながらX線測定
を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のX
線装置では、試料を冷却するための冷却系と、CCD検
出器等を冷却するための冷却系の2つの冷却系が必要と
なるので、ランニングコストが高くなって不経済である
という問題があった。また、2つの冷却系を用いること
により故障の確率が高くなるという問題もあった。ま
た、冷却系が2つあるので管理が面倒であるという問題
もあった。
【0007】本発明は、上記の問題点に鑑みて成された
ものであって、試料及びX線検出器の両方を冷却する方
式のX線装置に関して、省電力を達成でき、ランニング
コストを低減でき、さらに保守を容易にすることを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係るX線測定方法は、試料に冷気を供給す
ると共にX線検出手段を冷却しながら、前記試料にX線
を照射し、該試料から出るX線を前記X線検出手段によ
って検出するX線測定方法において、前記試料に供給し
た冷気を利用して前記X線検出手段を冷却することを特
徴とする。
【0009】この構成のX線測定方法によれば、X線検
出手段を冷却するための専用の冷却源が不要となるの
で、省電力を達成でき、しかもランニングコストを低減
できる。また、1つの冷却源を管理すれば足りるので、
保守が非常に容易である。
【0010】上記構成において、X線検出手段として
は、CCD検出器、SC(Scintillation Counter:シ
ンチレーションカウンタ)等が考えられる。CCD検出
器とはCCDイメージセンサによって構成される検出器
のことであり、具体的には、フォトダイオード等から成
る画素配列と、各画素に発生する信号を読み出すCCD
アレイとによって構成される。CCDは、例えば半導体
基板上に複数の電極を絶縁膜を挟んで直線状に並べるこ
とによって形成された電極アレイを有し、この電極アレ
イをX線取込み口に形成した画素配列に対応して配置し
たものがCCD検出器である。
【0011】このCCD検出器において、各画素にX線
が当ると、当該画素に対応する電極の下に電荷が蓄積さ
れ、さらに電極と基板との間に電圧を次々に与えること
により、蓄積された電荷を転送して外部へ出力すること
ができる。このCCD検出器によれば、電極アレイが延
びる直線範囲内にX線が入射したとき、そのX線入射位
置及びX線強度の両方を同時に検出できる。
【0012】次に、本発明に係る第1のX線装置は、試
料に照射するX線を発生するX線源と、前記試料から出
るX線を検出するX線検出手段とを有するX線装置にお
いて、前記試料へ向けて冷却ガスを排出するガス排出口
と、前記X線検出手段を冷却する熱電素子と、冷材を用
いて前記熱電素子の発熱面を冷却する熱交換手段と、該
熱交換手段へ供給される冷材を処理する冷材処理手段と
を有し、該冷材処理手段は、前記ガス排出口から出た冷
却ガスを前記冷材として用いることを特徴とする。
【0013】また、本発明に係る第2のX線装置は、試
料に照射するX線を発生するX線源と、前記試料から出
るX線を検出するX線検出手段とを有するX線装置にお
いて、前記試料へ向けて冷却ガスを排出するガス排出口
と、前記X線検出手段を冷却する熱電素子と、冷材を用
いて前記熱電素子の発熱面を冷却する熱交換手段と、該
熱交換手段へ供給される冷材を処理する冷材処理手段と
を有し、該冷材処理手段は、前記ガス排出口から出た冷
却ガスによって前記冷材を冷却することを特徴とする。
【0014】上記第1及び第2のX線装置によれば、X
線検出手段を冷却するための専用の冷却源が不要となる
ので、省電力を達成でき、しかもランニングコストを低
減できる。また、1つの冷却源を管理すれば足りるの
で、保守が非常に容易である。
【0015】上記構成において、X線検出手段として
は、例えば、CCD検出器、SC(Scintillation Coun
ter:シンチレーションカウンタ)等が考えられる。ま
た、熱電素子としては、例えば、ペルチエ素子等が考え
られる。また、熱交換手段としては、冷材として冷却水
を用いるもの、冷材として冷却ガスを用いるもの等とい
った各種の冷却機器を用いることができる。
【0016】上記第1及び第2にX線装置において、前
記ガス排出口は排出するガスを整流する整流手段を有す
ることができ、前記冷材処理手段は前記試料を挟んで前
記ガス排出口に対向して配置されるガス受口を有するこ
とができる。ガス整流手段は、ガス管の開口近傍に複数
の壁を互いに平行に並べてガス排出口を複数のスリット
状に分割したスリット構造や、ガス排出口を蜂の巣状に
分割した、いわゆるハニカム構造等によって構成でき
る。
【0017】ガス整流手段はガス排出口から排出される
ガスが発散することを防止して、排出されたガスのほぼ
中心が、ごく小さな結晶試料に当るようにする。試料に
当ってそれを冷却したガスは、その後、ガス受口に回収
されて冷材処理手段へ導かれる。そして、冷材処理手段
へ導入されたガスは熱電素子を冷却するための熱交換手
段へ直接に送られて冷材として用いられたり、あるい
は、熱電素子を冷却するための冷材を冷却するために用
いられたりする。ガス排出口に対向してガス受口を配置
すれば、ガスを効率良く回収できる。
【0018】上記第1及び第2のX線装置において、前
記ガス受口の開口径は前記ガス排出口の開口径と同じか
又はそれよりも小さいことが望ましい。ガス受口の開口
径がガス排出口の開口径よりも大きいと、ガス排出口か
ら排出されたガス以外の不要なガスを回収してしまうお
それがあるが、ガス受口の開口径をガス排出口の開口径
と同じか又はそれよりも小さく設定すれば、そのような
不要なガスの回収を極力抑えることができる。
【0019】また、上記第1及び第2のX線装置におい
て、前記ガス受口はそれに続くガス管の径と同じか又は
それよりも小さいことが望ましい。つまり、ガス受口は
その先端が図5(a)に示すようなラッパ状又はロート
状に広がる開口形状であるよりも、図5(b)に示すよ
うな先端がストレート状である開口形状や、図5(c)
に示すような先端が徐々にすぼまるノズル形状の開口形
状であることが望ましい。図5(a)に示すようなラッ
パ状等であると、冷却用ガスと共に不要なガスを回収し
てしまうおそれがあるが、図5(b)に示すストレート
状や、図5(c)に示すノズル形状にすれば、不要なガ
スを回収することがほとんどなくなる。
【0020】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1は、本発明
を単結晶X線構造解析装置に適用した場合の実施形態を
示している。ここに示す単結晶X線構造解析装置は、X
線を発生するX線発生装置1と、X線を単色化するモノ
クロメータ2と、試料Sを支持すると共にその試料Sの
測角を行うゴニオメータ3と、試料Sから出るX線を検
出するX線検出ユニット4とを有する。モノクロメータ
2は、例えばグラファイト等といった単結晶材料によっ
て形成される。また、モノクロメータ2と試料Sとの間
にはX線を微小断面の平行X線ビームに形成するコリメ
ータ5が配置される。
【0021】このコリメータ5は、一対のスリットを用
いるダブルスリット型コリメータでも良く、あるいは、
1個のスリットを用いるシングルスリット型コリメータ
であっても良い。また、その他任意の構造のコリメータ
要素とすることもできる。
【0022】X線発生装置1は、通電によって発熱して
熱電子を放出するフィラメント6と、そのフィラメント
6に対向して配置されたターゲット7と、それらを気密
に格納するケーシング8とを有する。フィラメント6か
ら放出された熱電子は高速度でターゲット7に衝突し、
その衝突領域であるX線焦点FからX線が発生して発散
する。実際のX線発生装置においては、上記要素以外
に、ターゲット7を冷却する冷却構造や、フィラメント
6及びターゲット7へ電力を供給する電力供給構造等が
設けられるが、図では省略してある。
【0023】ゴニオメータ3は、少なくとも3軸回転系
を含んで構成される。具体的には、ゴニオメータ3は、
ω駆動装置9の上に配置されたω回転台11と、そのω
回転台11の上に配置されたχ(カイ)駆動装置12
と、このχ駆動装置12によって駆動されてχ軸線を中
心として回転するχサークル13とを有する。χ軸線は
試料SのX線入射面を通りω軸線に直交する軸線であ
る。
【0024】χサークル13の一部にはφ駆動装置14
が設けられ、このφ駆動装置14にゴニオヘッド16が
支持される。測定対象である試料、特に単結晶試料Sは
ゴニオヘッド16の先端に取り付けられる。この試料S
はφ駆動装置14によって駆動されてφ軸線を中心とし
て回転、いわゆる面内回転する。φ軸線はω軸線とχ軸
線との交点を通る軸線である。
【0025】以上の3軸回転系により、試料Sはφ駆動
装置14によって駆動されて入射X線光軸X0に対して
面内回転する。また、面内回転の中心軸線であるφ軸線
はχ駆動装置12によって駆動されてχ軸線を中心とし
てχ回転する。さらに、φ軸線及びχ軸線の両軸線はω
駆動装置9によって駆動されてω軸線を中心として回転
する。この3軸回転系を用いれば、ω回転系、χ回転系
及びφ回転系のいずれか又は全部を選択的に作動させる
ことにより、単結晶試料Sの任意の回折面をX線照射位
置へ運んで、該回折面にX線を照射することができる。
【0026】ゴニオメータ3のまわりには冷却ガス供給
装置17が配設される。この冷却ガス供給装置17は、
ガス処理装置18及びガス処理装置18から延びるガス
排出管19を有する。ガス排出管19に関しては、試料
Sの近傍に位置するその先端側の一部を立体的に示し、
ガス処理装置18側の残りの部分を線によって模式的に
示してある。ガス処理装置18は空気を取り込んでその
空気の中からN2 (窒素)ガスを取り出す空気ろ過器2
1と、取り出したN2 ガスを圧縮するコンプレッサ22
とを有する。コンプレッサ22によって圧縮されたN2
ガスはガス排出管19の先端に開口するガス排出口19
aを通して外部へ排出されたときに断熱膨張して冷却ガ
スとなって試料Sへ吹き付けられ、これにより試料Sが
冷却される。
【0027】本実施形態の場合、図2に示すように、ガ
ス排出管19の先端には複数の隔壁が互いに平行に並べ
て配置され、これにより、ガス排出口19aにガス流を
整流するための整流手段としての複数のスリット37が
形成されている。これらのスリット37を設けたことよ
り、ガス排出口19aから出るガス流は乱れて発散する
ことなく、層流となって効率良く試料Sへ吹き付けられ
る。なお、ガス流の乱れを防止する手段としては、上記
のようなスリット37に限られず、ハニカム状すなわち
蜂の巣状に区分けされた領域を形成すること等も考えら
れる。
【0028】X線検出ユニット4は、図2に示すよう
に、X線が当った所が発光するシンチレータ23と、該
シンチレータ23に形成される光像を縮小する光ファイ
バユニット24と、X線検出手段としてのCCD(Char
ge Coupled Device)イメージセンサ26と、CCDイ
メージセンサ26を冷却する熱電素子としてのペルチエ
素子27と、ペルチエ素子27を冷却する熱交換器28
とを有する。図2では上記の各要素を分解状態で示して
あるが、実際には、接着その他適宜の接合処理により各
要素は互いに接着されている。
【0029】光ファイバユニット24は、受光端A側の
径が大きく光出射端B側の径が小さいテーパ状の光ファ
イバを多数本束ねることによって形成されている。例え
ば、受光端A側の径をφ30μm、光出射端B側の径を
φ10μmに設定すれば、縮尺率1/3の縮尺像を光出
射端Bに形成することができる。
【0030】CCDイメージセンサ26は、例えば、フ
ォトダイオード等から成る画素配列と、各画素に発生す
る信号を読み出すCCDアレイとによって構成される。
CCDは例えば半導体基板上に複数の電極を絶縁膜を挟
んで直線状に並べることによって形成された電極アレイ
を有し、この電極アレイがX線取込み口に形成した画素
配列に対応して配置されることにより、光ファイバユニ
ット24の出力光像、すなわちシンチレータ23を露光
したX線像を検出する。CCDイメージセンサ26は、
通常、樹脂モールドによってパッケージングされるが図
2ではその樹脂モールドは省略する。
【0031】CCDイメージセンサ26の出力信号は結
晶構造演算回路29へ送られる。結晶構造演算回路29
は、所定の演算処理を実行することにより結晶構造、す
なわち単結晶試料Sを構成する各種の原子の座標値を決
定する。
【0032】ペルチエ素子27は、周知の通り、半導体
と金属との接合部に電流を流すことによりその接合部に
発熱又は吸熱が現れることを利用した熱電変換素子であ
り、本実施形態では、素子駆動回路31によって所定の
電圧を印加することにより、ペルチエ素子27のうちC
CDイメージセンサ26が接着等される面が冷却面とさ
れる。これにより、CCDイメージセンサ26がペルチ
エ素子27によって冷却される。
【0033】ペルチエ素子27のCCDイメージセンサ
26側の面が冷却面となるとき、その反対面は高温に昇
温する。熱交換器28はそのように昇温するペルチエ素
子27を冷却するためのものであり、本実施形態では、
その内部に冷材として冷却ガスを流すことによって対象
物を冷却する方式の、いわゆるエアージャケットによっ
てその熱交換器28が構成されている。
【0034】エアージャケット28に対する冷却ガスの
供給及び回収は冷材処理装置32によって行われる。本
実施形態で冷材処理装置32は、ガス受管33、ガス回
収管34及びガス回収管34の途中に設けられたガス搬
送手段としてのファン36を有する。ガス排出管19の
ガス排出口19aから出た冷却用N2 ガスが試料Sへ吹
き付けられることは既述した通りであるが、ガス受管3
3のガス受口33aは試料Sを挟んでガス排出口19a
に対向するように配置される。
【0035】なお、図2において、ガス受管33はその
受口33a近傍部分を立体的に示し、それ以外の部分は
線によって模式的に示してある。また、ガス回収管34
はその全体を線によって模式的に示してある。
【0036】ガス排出管19によってN2 ガスが排出さ
れて試料Sが冷却されるとき、試料Sを通過したN2
スはガス受口33aによって受け取られる。そして、冷
材処理装置32においてファン36が作動していると、
ガス受口33aに受け取られたN2 ガスはガス受管33
を通して熱交換器28の内部へ導入される。そして熱交
換器28を流れるN2 ガスによってペルチエ素子27の
熱が吸収されて該ペルチエ素子27が冷却される。冷却
後のN2 ガスはファン36によって吸引されてガス回収
管34を通って外部へ排出される。
【0037】以下、上記構成より成るX線装置に関して
その動作を説明する。まず、試料Sに関して面指数が
(hkl)の面の回折条件を満たすω、χ、φの各角度
を計算によって求める。なお、ωは試料Sのω軸線まわ
りの回転角度であり、χは試料Sのχ軸線まわりの回転
角度であり、そしてφは試料Sのφ軸線まわりの回転角
度である。次に、ゴニオメータ3のω回転系、φ回転系
及びχ回転系の各回転系における試料Sの角度位置を上
記の算出された各角度に設定する。
【0038】次に、図1において、X線源としてのX線
焦点FからX線を発生し、このX線をモノクロメータ2
によって単色化してコリメータ5へ送り込んでコリメー
ト、すなわち小さな断面径の平行ビームへと形成し、そ
のX線ビームを単結晶試料Sへ照射する。単結晶試料S
の結晶格子面と入射X線との間で回折条件が満足される
と、X線の回折が生じ、その回折X線がシンチレータ2
3の対応する回折角度位置を照射して、該位置が発光す
る。
【0039】この発光は光ファイバユニット24によっ
て伝送されてCCDイメージセンサ26の対応座標位置
の画素によって受光され、これにより、CCDイメージ
センサ26の出力端子に回折X線のカウント信号及び座
標信号が出力される。この出力信号は結晶構造演算回路
29へ送られる。結晶構造を決定するための、演算回路
29による演算処理及びそれに付随するゴニオメータ3
の動作は、それ自体は周知であるので、詳しい説明は省
略するが、基本的には次のような演算処理が実行され
る。
【0040】すなわち、CCDイメージセンサ26の出
力信号に基づいて回折X線の積分強度I(h)を算出
し、その積分強度I(h)から結晶構造因子F0(h)
を算出し、さらにそのF0(h)をフーリエ変換して電
子密度ρ(r)を算出する。この電子密度ρ(r)によ
り、原子の座標値が明らかになり、その結果、試料Sの
結晶構造が明らかになる。必要に応じて、実測された結
晶構造因子F0(h)と計算による結晶構造因子F0
(h)とを比較し、それらが最も一致するように、求め
られた電子密度ρ(r)に修正を加える。
【0041】以上のようなX線構造解析測定が行われる
間、図1において、冷却ガス供給装置17のガス排出管
19のガス排出口19aから排出された、すなわち噴射
されたN2 ガスによって試料Sが冷却され、これによ
り、単結晶試料Sを構成する原子の熱振動を抑えて精密
な測定が行われるようにする。例えば、試料温度は−1
50℃〜−170℃(100°K〜120°K)まで冷
却される。なお、現実には、−243℃(30°K)程
度まで冷却できることが確認されている。
【0042】また、図2において、素子駆動回路31に
よってペルチエ素子27へ所定電圧を印加してCCDイ
メージセンサ26を冷却する。CCDイメージセンサ2
6は常温ではCCD自身が発生するサーマルノイズが高
いために高精度な測定結果を得ることが難しいが、これ
を例えば−50℃〜−100℃程度に冷却すればノイズ
の発生を極力抑えて高精度の測定を実現できる。CCD
イメージセンサ26をこの温度範囲まで冷却するには、
ペルチエ素子27の冷却面の表面温度を−45℃〜−9
0℃程度まで下げることが必要であり、このためには、
ペルチエ素子27の裏面近傍から150W程度の熱量を
取り去ることが必要である。
【0043】本実施形態では、ペルチエ素子27の裏面
を冷却するための冷却系の冷材として、試料Sを冷却す
るために使用したN2 ガスを直接に利用した。上記のよ
うにN2 ガスによって試料温度を−150℃〜−170
℃程度まで冷却し、そのN2ガスを利用してペルチエ素
子27の裏面を冷却すれば、ペルチエ素子27の裏面を
十分に低い温度まで下げることができる。
【0044】以上のように、本実施形態では試料を冷却
するためのN2 ガスを利用してCCDイメージセンサ2
6を冷却するようにしたので、CCDイメージセンサ2
6を冷却するための専用の冷却源が不要となり、省電力
を達成でき、しかもランニングコストを低減できる。ま
た、1つの冷却源すなわち図1の冷却ガス供給装置17
を管理すれば足りるので、保守が非常に容易である。
【0045】なお、本実施形態では、図2において、ガ
ス受管33のガス受口33aの開口径D1はガス排出管
19のガス排出口19aの開口径D2と同じか又はそれ
よりも小さく形成し、さらに、ガス受口33aの中心と
ガス排出口19aの中心とを一致させる。
【0046】ガス排出口19aからのガスを余すことな
く取り込もうとする場合、通常であれば、ガス受口33
aの開口径D1をガス排出口19aの開口径D2よりも
広くした方が良いと考えるかもしれない。しかしなが
ら、開口径の関係をそのように設定すると、ガス排出口
19aから出たガスを余すことなくガス受口33aで受
け取ることができるかもしれないが、それと同時に不要
なガスをもガス受口33aに取り込んでしまうので、冷
却用ガスを有効に利用することができなくなるおそれが
ある。
【0047】これに対し、本実施形態のように、ガス受
口33aの開口径D1をガス排出口19aの開口径D2
と同じか又はそれよりも小さく形成すれば、不要なガス
の取り込みを極力抑えてガス排出口19aから排出すな
わち噴射すなわち試料Sへ吹き付けられたN2 ガスをC
CDイメージセンサ26の冷却のために効率良く利用す
ることができる。
【0048】また、本実施形態では、ガス受口33aを
それに続くガス受管33の径と同じに形成、すなわち図
5(b)に示すようなストレート状に形成した。ガス受
口33aの形状としては、図5(a)のようなラッパ形
状すなわちロート形状に形成することが考えられるが、
このラッパ形状ではガス排出管19から出たガスを取り
込む以外に不要なガスをも取り込んでしまうおそれが高
い。これに対し、本実施形態のようなストレート状の開
口形状を採用すれば、そのような不要なガスの取込みを
防止できる。
【0049】また、ガス受口33aの開口形状は、図5
(c)に示すように、それに続くガス受管33の径より
も小さく形成することも望ましい。この形状によって
も、ガス受口33aによる不要なガスの取込みを防止で
きる。
【0050】(第2実施形態)図3は、本発明に係るX
線装置の他の実施形態の要部を示している。ここに示す
構造は図1に示したX線装置に適用できる。また、図3
の実施形態において図2に示した実施形態と同じ符号を
用いて示す部材は同じ部材であり、それについての説明
は省略する。
【0051】図3に示す実施形態が図2に示した先の実
施形態と異なる点は、主として冷材処理装置32に改変
を加えたことであり、それに関連して熱交換器48とし
てエアージャケットに代えて液体を冷材として用いるウ
オータージャケットを用いたことである。より具体的に
は、本実施形態で用いる冷材処理装置42は、試料Sを
冷却するN2 ガスを受け取って搬送するガス受管33が
浸漬すると共に、熱交換器48から延びる冷材搬送管4
9が浸漬する冷却液、例えば冷却水41を貯留する冷却
液タンク47を有する。
【0052】また、ガス受管33の適所にはガス搬送手
段としてのファン43が設けられる。また、冷材搬送管
49の途中には液体搬送用のポンプ44が設けられる。
熱交換器48及び冷材搬送管49の中には冷材、例えば
冷却水が充填されており、ポンプ44が作動するとその
冷却水が冷材搬送管49及び熱交換器48の中で循環す
る。
【0053】本実施形態によれば、試料Sを冷却した後
にガス受管33によって受け取られたガスはファン43
の働きによってガス受管33内を搬送されて冷却水41
を通過する。この通過時に、N2 ガスによって冷却水4
1が冷却される。一方、このようにしてN2 ガスによっ
て冷却される冷却水41は、冷材搬送管49の内部の冷
材冷却水を冷却し、この冷却された冷材冷却水がポンプ
44の働きにより熱交換器48へ供給され、さらにそこ
から回収される。これにより、熱交換器48によってペ
ルチエ素子27が冷却され、さらにこのペルチエ素子2
7によってCCDイメージセンサ26が冷却される。こ
の冷却により、CCDイメージセンサ26においてサー
マルノイズが発生することを防止してX線の検出精度を
高く維持する。
【0054】(第3実施形態)図4は、本発明に係るX
線装置のさらに他の実施形態の要部を示している。ここ
に示す構造も図1に示したX線装置に適用できる。ま
た、図4の実施形態において図2に示した実施形態と同
じ符号を用いて示す部材は同じ部材であり、それについ
ての説明は省略する。
【0055】図4に示す実施形態が図3に示した先の実
施形態と異なる点は、主として冷材処理装置42に改変
を加えたことである。この実施形態でも、熱交換器48
としては液体を冷材とするウオータージャケットを用い
る。本実施形態で用いる冷材処理装置52は、試料Sを
冷却するN2 ガスを受け取って搬送するガス受管33が
浸漬すると共に、熱交換器48から延びる冷材搬送管4
9が浸漬する冷却液、例えば冷却水41を貯留する冷却
液タンク47を有する。本実施形態では、この冷却水4
1がペルチエ素子27を冷却するための冷材として用い
られる。
【0056】ガス受管33の適所にはガス搬送手段とし
てのファン43が設けられる。また、冷材搬送管49の
うちの冷材供給管49aの途中には液体搬送用のポンプ
44が設けられる。ポンプ44が作動すると、冷却液タ
ンク47内の冷却水41が冷材供給管49a内へ導入さ
れ、さらに熱交換器48内へ流入し、その後、冷材回収
管49bを通って冷却液タンク47内へ再び回収され
る。
【0057】本実施形態によれば、試料Sを冷却した後
にガス受管33によって受け取られたガスはファン43
の働きによってガス受管33内を搬送されて冷却水41
を通過する。この通過時に、N2 ガスによって冷却水4
1が冷却される。一方、このようにしてN2 ガスによっ
て冷却される冷却水41は、ポンプ44の働きによって
熱交換器48へ供給され、さらにそこから回収される。
これにより、熱交換器48によってペルチエ素子27が
冷却され、さらにこのペルチエ素子27によってCCD
イメージセンサ26が冷却される。この冷却により、C
CDイメージセンサ26においてサーマルノイズが発生
することを防止してX線の検出精度を高く維持する。
【0058】(その他の実施形態)以上、好ましい実施
形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形
態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明
の範囲内で種々に改変できる。
【0059】例えば、図1に示す実施形態では本発明を
単結晶X線構造解析装置に適用したが、本発明はこれ以
外の任意のX線装置であって、試料及びX線検出器の両
方を冷却する必要のある、あらゆる種類のX線装置に適
用できる。
【0060】また、図1の実施形態では、CCDイメー
ジセンサを用いたCCDX線検出器をX線検出器として
用いる場合を例示した。このCCDX線検出器は冷却が
必要なX線検出器として最も良く知られているものであ
るので、本発明を適用するにあたって好適なX線検出器
であるが、本発明はこのようなCCDX線検出器に適用
する場合にだけ限定されるものではなく、冷却が必要と
される任意の構造のX線検出器が使用されるX線装置に
関して適用できる。
【0061】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、試料を冷却するために用いた冷却ガスを利用してC
CDX線検出器等といったX線検出手段を冷却するよう
にしたので、X線検出手段を冷却するための専用の冷却
源が不要となり、その結果、省電力を達成でき、しかも
ランニングコストを低減できる。また、1つの冷却源を
管理すれば足りるので、保守が非常に容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線装置の一実施形態を示す斜視
図である。
【図2】図1の要部であるX線検出ユニットを分解して
示す斜視図である。
【図3】本発明に係るX線装置の他の実施形態を構成す
るX線検出ユニットを分解して示す斜視図である。
【図4】本発明に係るX線装置のさらに他の実施形態を
構成するX線検出ユニットを分解して示す斜視図であ
る。
【図5】本発明に係るX線装置の要部であるガス受口の
形状の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
1 X線発生装置 2 モノクロメータ 3 ゴニオメータ 4 X線検出ユニット 5 コリメータ 17 冷却ガス供給装置 18 ガス処理装置 19 ガス排出管 19a ガス排出口 23 シンチレータ 24 光ファイバユニット 26 CCDイメージセンサ(X線検出手
段) 27 ペルチエ素子(熱電素子) 28,48 熱交換器 32,42,52 冷材処理装置 33 ガス受管 33a ガス受口 34 ガス回収管 37 スリット(整流手段) 41 冷却水 47 冷却液タンク A 光ファイバの受光端側 B 光ファイバの光出射端側 D1,D2 開口径 F X線焦点(X線源) S 試料 X0 入射X線光軸

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料に冷気を供給すると共にX線検出手
    段を冷却しながら、前記試料にX線を照射し、該試料か
    ら出るX線を前記X線検出手段によって検出するX線測
    定方法において、 前記試料に供給した冷気を利用して前記X線検出手段を
    冷却することを特徴とするX線測定方法。
  2. 【請求項2】 試料に照射するX線を発生するX線源
    と、前記試料から出るX線を検出するX線検出手段とを
    有するX線装置において、 前記試料へ向けて冷却ガスを排出するガス排出口と、 前記X線検出手段を冷却する熱電素子と、 冷材を用いて前記熱電素子の発熱面を冷却する熱交換手
    段と、 該熱交換手段へ供給される冷材を処理する冷材処理手段
    とを有し、 該冷材処理手段は、前記ガス排出口から出た冷却ガスを
    前記冷材として用いることを特徴とするX線装置。
  3. 【請求項3】 試料に照射するX線を発生するX線源
    と、前記試料から出るX線を検出するX線検出手段とを
    有するX線装置において、 前記試料へ向けて冷却ガスを排出するガス排出口と、 前記X線検出手段を冷却する熱電素子と、 冷材を用いて前記熱電素子の発熱面を冷却する熱交換手
    段と、 該熱交換手段へ供給される冷材を処理する冷材処理手段
    とを有し、 該冷材処理手段は、前記ガス排出口から出た冷却ガスに
    よって前記冷材を冷却することを特徴とするX線装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3において、前記X
    線検出手段はCCD(Charge Coupled Device)イメー
    ジセンサを有することを特徴とするX線装置。
  5. 【請求項5】 請求項2から請求項4の少なくともいず
    れか1つにおいて、 前記ガス排出口は排出するガスを整流する整流手段を有
    し、 前記冷材処理手段は前記試料を挟んで前記ガス排出口に
    対向して配置されるガス受口を有し、 前記ガス受口の開口径は前記ガス排出口の開口径と同じ
    か又はそれよりも小さいことを特徴とするX線装置。
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