JP2002116114A - 軸受の振動測定装置 - Google Patents

軸受の振動測定装置

Info

Publication number
JP2002116114A
JP2002116114A JP2000310850A JP2000310850A JP2002116114A JP 2002116114 A JP2002116114 A JP 2002116114A JP 2000310850 A JP2000310850 A JP 2000310850A JP 2000310850 A JP2000310850 A JP 2000310850A JP 2002116114 A JP2002116114 A JP 2002116114A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration
bearing
measuring device
detector
detecting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000310850A
Other languages
English (en)
Inventor
Sunao Sawada
直 澤田
Hiromasa Fukuyama
寛正 福山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2000310850A priority Critical patent/JP2002116114A/ja
Publication of JP2002116114A publication Critical patent/JP2002116114A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸受の振動を高精度で測定すると共に、振動
測定の適用範囲が広い軸受の振動測定装置を提供する。 【解決手段】 ハウジング16に組み付けた軸受18に
回転軸10を嵌合し、この回転軸10をハウジング16
に対して相対回転させたときに軸受18から生じる振動
を測定する軸受の振動測定装置であって、振動検出対象
の軸受18に接続され、この軸受18の生じる振動によ
って加振される振動検出体20と、この振動検出体20
と離間配置され振動検出体20の振動成分を検出する検
出器22とを備え、検出器22の出力に基づいて軸受1
8の振動を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸受の振動測定装
置に関し、特に振動検出の適用範囲を拡大すると共に、
高精度で振動検出を行う技術に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、正常な軸受を長期間使用する
と、摺動面や転動面等の摩耗や疲労等により徐々に機械
的なガタが大きくなり、それに伴って振動も大きくな
る。そこで、この振動の変化を検出することにより、軸
受の性状、例えば軸受の寿命を判断することができる。
図9に、従来の軸受の振動測定装置の概略構成を示し
た。従来の軸受の振動測定装置は、振動検出対象である
軸受70が組み込まれたハウジング72に取り付ける加
速度センサ等の振動ピックアップ74と、この振動ピッ
クアップ74に信号ケーブル76により接続され、振動
ピックアップ74の出力信号に基づいて軸受70の振動
状態を測定し、この測定結果を出力する測定器78とを
備えて構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の軸受の振動測定装置においては、次のような問題
を生ずる。まず、上記の軸受の振動測定装置の構成で
は、ハウジング72の組立状態に起因するハウジング系
の振動も同時に測定してしまうので、軸受70の振動に
ノイズ成分が重畳されて正確な軸受70の振動を検出す
ることができなかった。また、振幅の小さい外輪の振動
に対し、その振動をハウジング72を介して測定するた
め、検出される信号のレベルが一層小さくなる。そのた
め、振動ピックアップ74の出力信号を増幅するため増
幅器が必要となる。また、増幅器を用いることにより、
ノイズ成分等の本来の測定対象の信号以外の信号も共に
増幅されるので、高精度の測定を行なうことが困難であ
った。
【0004】さらに、振動ピックアップ74の設置スペ
ースは被測定対象の近傍に設ける必要があるため、振動
測定装置の適用範囲が制限され、被測定対象周辺の温
度、湿度、粉塵等の環境が振動測定装置の検出性能や寿
命等に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0005】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたものであり、軸受の振動を高精度で測定すると
共に、振動測定の適用範囲が広い軸受の振動測定装置を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決する為の手段】上記目的達成のため、本発
明に係る軸受の振動測定装置は、ハウジングに組み付け
た軸受に回転軸を嵌合し、該回転軸をハウジングに対し
て相対回転させたときに前記軸受から生じる振動を測定
する軸受の振動測定装置であって、振動検出対象の軸受
に接続され、該軸受の生じる振動によって加振される振
動検出体と、この振動検出体と離間配置され前記振動検
出体の振動成分を検出する検出器とを備え、前記検出器
の出力に基づいて前記軸受の振動を測定することを特徴
とする。
【0007】この軸受の振動測定装置では、振動測定対
象の軸受に接続された振動検出体が軸受からの振動によ
って加振されて振動する。この振動は振動検出体に離間
配置された検出器によってその振動成分が検出され、こ
の検出該検出器の出力に基づいて軸受の振動が測定され
る。これにより、軸受に直接的に接続された振動検出体
の振動成分がノイズ成分と共に増幅されることなく高感
度で検出でき、高精度の振動測定が行えて、振動測定の
信頼性が向上する。また、検出器を軸受から離間した位
置に配置するため、設置スペースに制約を受けることな
く、振動測定装置の適用範囲を広げることができる。
【0008】前記振動成分は、軸受に接続され先端部分
が接触した状態で係合された少なくとも2つの振動片
が、その接触部分で摺動することで発生する超音波とし
て検出する構成であってもよい。この構成では、軸受に
生じる振動を超音波を介して測定することで、軸受以外
の他の振動要因からの振動成分を容易に且つ確実に除去
することができ、振動測定の精度及び信頼性を向上でき
る。
【0009】また、この場合、検出器を、該検出器の検
出面をハウジングに当接させて固定する構成としてもよ
い。この構成では、振動検出体から発生した超音波を、
ハウジングを伝播させて検出することで、検出器を軸受
から遠ざけることができ、検出器を軸受周辺の温度、湿
度、粉塵等の環境から隔離することができ、周辺環境に
よって検出器の指導検出性能、寿命等に悪影響が及ぼさ
れることを防止できる。
【0010】また、前記振動成分は、軸受に接続された
板バネ状の振動検出体が軸受の振動を受けて加振される
ことで生じる、振動検出体と検出器との距離の変化を検
出する構成であってもよい。この構成では、振動検出体
が加振されることで振動の振幅が増幅され、電気的作用
を用いることなく機械的に振動が増幅されるので、ノイ
ズ成分が共に増幅されることなく高精度な振動測定が可
能となる。
【0011】さらに、前記振動検出体を異なる振動検出
方向に対応して複数配設し、各振動検出体からの振動成
分を検出する構成としてもよい。この構成では、異なる
方向の振動成分を同時に測定することができ、より詳細
な振動測定が行える。
【0012】また、前記検出器からの出力信号が所定の
基準レベル以上となったときに、警報を発する警報器を
備えた構成としてもよく、異常信号を出力する構成とし
てもよい。この構成では、軸受に所定レベル以上の振動
が生じたときに、警報を発生させたり、異常信号を出力
することにより軸受に異常が生じたことを報知でき、軸
受の回転動作を停止させることもできる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る軸受の振動測
定装置の実施の形態について、図面を参照して詳細に説
明する。図1は、本発明に係る軸受の振動測定装置の第
1実施形態における構成を示す図である。図1に示すよ
うに、本実施形態の軸受の振動測定装置100は、駆動
軸10に内輪12が嵌合され外輪14がハウジング16
に取り付けられた軸受(ここでは一例として転がり軸
受)18の振動を測定する装置であって、転がり軸受1
8の外輪14端面の一部分に取り付けられた振動検出体
20と、この振動検出体20と離間して且つ対峙して配
置され、振動検出体20が発生する摩擦音(超音波)を
検出する超音波センサ22と、この超音波センサ22か
らの出力信号が入力され転がり軸受18の振動状態を測
定する測定器24とを備えて構成される。
【0014】振動検出体20は、二つの振動片20a,
20bからなり、互いに先端部分が接触した状態で係合
されるように外輪14と一体に接着等により取り付けら
れている。なお、振動検出体20は、薄肉形成が可能で
且つ重なり部分で摺動が生じたときに超音波が発生され
る摩擦係数を有するものであればよく、例えば金属板を
用いることができる。超音波センサ22は、超音波の検
出方向を振動検出体20に向けてハウジング16へセン
サ取り付け治具26によって固定されている。転がり軸
受18は、ここでは一例として玉軸受を用いているが、
ころ軸受等の他の転がり軸受であってもよく、また、す
べり軸受等の他の軸受であってもよい。
【0015】測定器24は、信号ケーブル28により超
音波センサ22に接続され、超音波センサ22の出力信
号を入力して振動検出体20の振動、即ち、転がり軸受
18の振動を測定する。この測定器24の内部構成を、
図2にブロック図で示した。図2に示すように、測定器
24は、超音波センサ22からの出力信号を増幅する増
幅器30と、増幅された出力信号から特定成分を抽出す
るバンドパスフィルタ32と、信号強度を基準レベルと
比較する比較器34と、信号強度が基準レベル以上とな
ったときに警報を発する警報器36とを備えて構成され
る。
【0016】上記構成の軸受の振動測定装置100にお
いては、駆動軸10を回転駆動して内輪12を回転させ
たとき、転がり軸受18に振動が生じると、この振動が
振動検出体20に伝達される。すると、振動検出体20
の振動片20a,20bが相互に転がり軸受18の半径
方向に摺動して超音波を発生する。この超音波が周囲の
空気を媒体として伝播され、振動検出体20に対峙して
設けられた超音波センサ22によって検出される。即
ち、転がり軸受18が生じる振動の軸受半径方向の振幅
によって振動検出体20超音波を発生し、この超音波を
超音波センサ22によって検出する。このとき超音波セ
ンサ22から出力される出力信号が信号ケーブル28を
通じて測定器24へ入力される。
【0017】測定器24に入力された超音波センサ22
からの出力信号は、増幅器30により増幅されてバンド
パスフィルタ32に入力される。なお、測定器24のク
ロックパルスによって出力信号をサンプリングして、こ
のサンプリング結果をバンドパスフィルタ32に入力し
てもよい。バンドパスフィルタ32では、増幅された超
音波センサ22からの出力信号に対し、特定の振動帯域
の成分の抽出を行ったり、ノイズ成分の除去が行われ
る。バンドパスフィルタ32からの出力信号は比較器3
4に入力され、予め設定された基準レベル(基準電圧V
ref)と比較される。比較の結果、出力信号の強度が基
準レベルを超える場合には出力がHレベルとなり、転が
り軸受18に基準レベル以上の振動が生じているとして
警報器36が警報を発し、また、異常信号も出力され
る。この異常信号が出力されることにより、測定器24
に接続された機器等へ、転がり軸受18に基準レベルを
超える振動が生じたことを通知できる。なお、異常信号
が出力された場合にこの転がり軸受18を使用する装置
を停止させるようにしてもよい。一方、出力信号が基準
レベル以下である場合は、出力はLレベルのままであ
り、警報や異常信号は出力されない。
【0018】このように、本実施形態の軸受の振動測定
装置100によれば、転がり軸受18に生じる振動を直
接的に測定するのではなく、振動によって生じる超音波
を介して測定することで、軸受以外の他の振動要因から
の振動成分から、軸受の振動だけを容易に且つ確実に抽
出することができ、振動測定の精度及び信頼性を向上で
きる。また、振動検出体20を軸受に直接的に接続して
いるため、軸受と一体構造にでき、振動の検出能力が高
められる。超音波センサ22は、転がり軸受18に直接
接触することがなく、振動検出体20から発生する超音
波を検出できる位置であれば転がり軸受18から離れた
位置でも設置できるので、設置スペースや設置方法の自
由度が向上し、振動測定装置の適用範囲を拡大すること
ができる。また、超音波センサ22を転がり軸受18周
辺の温度、湿度、粉塵等の環境から隔離することができ
るため、周辺環境によって超音波センサ22や測定器2
4の振動測定性能、寿命等に悪影響が及ぼされることを
防止できる。
【0019】なお、本実施形態においては、振動成分の
検出手段として超音波センサ22を用いたが、振動検出
体8が発生する摩擦音を検出できるものであれば、如何
なるセンサでも使用可能である。また、振動検出体20
は、転がり軸受18と別体にして構成し、転がり軸受1
8の外輪14端面の一部分に取り付けているが、外輪1
4に振動検出体20を形成した構成であってもよい。さ
らに、振動を測定する検出媒体として専用の振動検出体
20を設けたが、転がり軸受18を構成する部品の一部
や、軸受周辺の部品・機械等で代用することも可能であ
り、これにより振動検出媒体を設けるために特別な加工
を施すことなく、構成を複雑化することなく振動を測定
することができる。そして、本実施形態においては、転
がり軸受18の外輪14を固定側とし、内輪12を可動
側としてハウジング16に取り付けているが、これに限
らず、内輪12を固定側とし、外輪を可動側とした構成
でもよい。この場合は、内輪12に振動検出体20を設
けることになる。また、振動片20a,20bの摺動方
向を任意の方向に設定することで、任意の方向の振動成
分を検出することができる。
【0020】次に、本発明に係る軸受の振動測定装置の
第2実施形態を説明する。図3は、本実施形態の軸受の
振動測定装置の構成を示す図である。なお、以降の各実
施形態においては、前述した図1と共通する部材には同
一の符号を付与することで、その説明は省略するものと
する。
【0021】本実施形態の軸受の振動測定装置200
は、超音波センサ22をハウジング16の端面等に固定
して、振動検出体20で生じハウジング16内を伝達す
る超音波を検出するものである。なお、超音波センサ2
2は、超音波の検出側を振動検出体20に向けて設置す
ることが好ましい。ハウジング16の材質としては、そ
の強度上、主に金属材料が使用されるが、超音波を伝達
する媒体としては、金属の他に、樹脂やセラミック等の
材質であってもよい。これにより、空気を媒体とする場
合と比較して、超音波の減衰率が小さくなり、軸受から
離れた位置に超音波センサ22を設けた場合であって
も、遠距離から確実に軸受の振動を測定することができ
る。
【0022】上記構成の軸受の振動測定装置200の構
成では、超音波センサ22を転がり軸受18からより一
層離れた位置に配置できるため、転がり軸受18周辺の
温度、湿度、粉塵等の環境から確実に隔離でき、周辺環
境から影響を受けることを防止できる。また、超音波セ
ンサ22の設置スペース・設置方法の自由度が向上し、
振動測定装置の適用範囲を拡大することができる。
【0023】次に、本発明に係る軸受の振動測定装置の
第3実施形態を説明する。図4は、本実施形態の軸受の
振動測定装置300の構成を示す図である。本実施形態
の軸受の振動測定装置300は、転がり軸受18の回転
軸線40に対して垂直方向(y方向)の振動成分を検出
する前述と同様の振動検出体20に加えて、回転軸線4
0方向(x方向)の振動成分を検出する振動検出体21
とを備えると共に、ハウジング16の端面等に設けた超
音波センサ22の出力信号から、x方向成分とy方向成
分とを分離する分波器42を備えている。分波器42か
らの出力信号は、x方向成分とy方向成分とがそれぞれ
個別に測定器25に入力される。
【0024】振動検出体21は、振動検出体20と同様
に2つの振動片21a,21bからなり、互いに先端部
分が接触した状態で係合するように転がり軸受18の外
輪14端面に設けられている。このように、振動検出体
20の振動片20a,20b先端の接触面をy方向に平
行に形成し、振動検出体21の振動片21a,21bの
接触面をx方向に平行に形成することで、y方向、x方
向の振動成分を検出可能にしている。そして、振動検出
体20と振動検出体21の固有振動周波数fy,fxを
異なる周波数、例えば振動検出体20の固有振動周波数
fyを10kHz、振動検出体21の固有振動周波数f
xを15kHzに設定することにより、発生する超音波
をx方向、y方向それぞれに分離することが容易にでき
る。なお、図4には振動検出体20と振動検出体21と
がそれぞれ外輪14側面の反対面に設けられた一例を示
しているが、同じ側の側面にそれぞれ設けてもよい。
【0025】測定器25は、x方向及びy方向の振動を
測定する2系統の回路構成となっており、図5に測定器
25の内部構成をブロック図で示した。図5に示すよう
に、測定器25は、増幅器31a,31bと、バンドパ
スフィルタ33a,33bと、比較器35a,35b
と、OR論理素子44と、警報器36とを備えて構成さ
れる。
【0026】上記構成の軸受の振動測定装置300にお
いては、駆動軸10を回転駆動して内輪12を回転させ
たとき、転がり軸受18に振動が生じると、この振動が
振動検出体20,21に伝達される。これにより、振動
検出体20,21の各振動片20a,20b及び21
a,21bが相互に擦れ合って超音波を発生する。この
超音波はハウジング16を伝播して超音波センサ22に
よって検出される。このときの超音波センサ22からの
出力信号は信号ケーブル28を通じて分波器42へ入力
され、この分波器42でx方向及びy方向振動成分に分
離されて測定器25へ入力される。
【0027】測定器25においては、x方向及びy方向
振動成分がそれぞれ個別に入力され、別系統で処理され
る。x方向振動測定系の増幅器31aは、超音波センサ
22からの出力信号を分波器42によって分離したx方
向振動成分の信号が入力され、この信号を増幅してバン
ドパスフィルタ33aに出力する。バンドパスフィルタ
33aは、増幅された超音波センサ22からの出力信号
に対し、特定の振動帯域の成分の抽出を行ったり、ノイ
ズ成分の除去を行った後に比較器35aに出力する。そ
して、比較器35aは、入力された出力信号のx方向振
動成分を予め設定された基準レベル(Vref1)と比較し
て、x方向振動成分が基準レベルを超える場合は出力を
Hレベルとし、基準レベル以下の場合はLレベルとす
る。
【0028】一方、y方向振動測定系に付いても同様
に、分波器42によって分離されたy方向振動成分の信
号を増幅器31bによって増幅し、バンドパスフィルタ
33bを介して比較器35bに入力する。比較器35b
では、入力された超音波センサ22からの出力信号のy
方向振動成分を予め設定された基準レベル(Vref2)と
比較して、y方向振動成分が基準レベルを超える場合は
出力をHレベルとし、基準レベル以下の場合はLレベル
とする。
【0029】そして、比較器35a,35bに接続され
たOR論理素子44は、比較器35a,35bの少なく
とも一方からHレベルの信号が入力されると、Hレベル
の出力を発し、OR論理素子44に接続された警報器3
6から警報が発生し、また、異常信号も出力される。H
レベルの信号が入力されない場合は、Lレベルの出力を
発し、警報や異常信号は出力されない。また、どの比較
器35a,35bからHレベルの信号が出力されたかを
識別可能に回路設計することにより、どの方向に異常な
振動が生じたかを判定することができ、これにより、軸
受の異方性異常を検出することができる。
【0030】なお、振動検出体20と振動検出体21と
を、材質や形状を異ならせて互いに異なる固有振動周波
数に設定することで、ある特定の周波数の振動に着目し
た測定が可能になる。従って、固有振動周波数の異なる
振動検出体を複数設け、各振動検出体からの超音波を独
立して検出することにより、種々の方向の振動を同時に
測定することや、複数箇所の振動成分を同時に測定する
ことが可能となる。これにより、測定時間の短縮化や測
定の高精度化を図ることができる。さらに、同一方向の
振動成分を複数の振動検出体を用いて検出することによ
り、発生する超音波の振幅が増加して、ノイズ成分の分
離が容易に且つ確実となり、高精度な振動測定が行える
ようになる。
【0031】次に、本発明に係る軸受の振動測定装置の
第4実施形態を説明する。図6は、本実施形態の軸受の
振動測定装置400の構成を示す図である。本実施形態
の軸受の振動測定装置400は、略L字型に形成された
板バネの長尺側一端部が転がり軸受18の回転軸線40
に対して略垂直となるように短尺側他端部が転がり軸受
18の外輪14に取り付けられた振動検出体50と、こ
の振動検出体50の一端部先端部分に対峙して所定の距
離を離間させて設けられ、振動検出体50の振動による
変位を検出する渦電流式のギャップセンサ52と、ギャ
ップセンサ52を剛体構造にて支持してハウジング16
側にネジ等により固定されるセンサ取り付け治具54
と、ギャップセンサ52からの出力信号が入力され軸受
の振動状態を測定する測定器56とを備えている。
【0032】振動検出体50は、可撓性を有し、転がり
軸受18の外輪14内周面や端面に接着等により固定さ
れ、転がり軸受18に生じた振動が機械的に増幅され
る。なお、振動検出体50の形状はここでは略L字型と
しているが、単に板型のものでもよく、また、固定側の
断面積を相対的に小さくして振動の検出能力を向上させ
た形状としてもよい。センサ取り付け治具54は、転が
り軸受18の回転軸線40に対して略垂直にハウジング
16から立設されており、ギャップセンサ52を確実に
固定するために、比較的厚肉な形状で、発生する振動に
対して影響を受けにくい剛体として形成されている。ギ
ャップセンサ52は、振動検出体50の長尺側の先端部
分に対峙する位置で、振動検出体50とは非接触状態で
センサ取り付け治具54により支持されている。
【0033】上記構成の軸受の振動測定装置400にお
いては、駆動軸10を回転駆動して内輪12を回転させ
たとき、転がり軸受18に振動が生じると、この振動が
振動検出体50に伝達される。これにより、振動検出体
50が転がり軸受18の軸線方向に振幅が機械的に増幅
されて振動する。この振動の振幅により生ずる振動検出
体50との距離の変化がギャップセンサ52により検出
される。そして、このときのギャップセンサ82からの
出力信号は信号ケーブル28を通じて測定器56に入力
される。
【0034】測定器56は、図2に示す内部構成と同様
に構成され、増幅器30、バンドパスフィルタ32を介
して比較器34に信号が入力され、信号強度が所定の基
準レベルを超える場合に警報器36から警報を発生する
と共に、異常信号を出力する。一方、出力信号が基準レ
ベル以下の場合は、警報や異常信号は出力されない。
【0035】このように、本実施形態の軸受の振動測定
装置400によれば、転がり軸受18に生じる振動をそ
のまま測定するのではなく、発生した振動によって振動
検出体50を加振させることで、振動検出体50の振動
を機械的に増幅し、この増幅された状態で振動検出体5
0の位置の変化を検出し振動を測定している。このよう
に、電気的作用を用いることなく機械的に振動を増幅す
る方式であるため、ノイズ成分等が共に増幅されること
なく、軸受又は軸受の支持する負荷の運転状態の良否、
故障の発生等の判断を行うために必要な情報を十分な強
度レベルでそのまま取り出すことができ、振動測定の信
頼性及び精度の向上が図れる。また、測定器56は、転
がり軸受18から離れた位置に配置できるため、転がり
軸受18周辺の温度、湿度、塵埃等の環境から隔離で
き、振動測定装置の振動測定能力、寿命等に悪影響が及
ぼされることを防止でき、軸受の設置個所付近における
設置スペースの制約を与えることがない。
【0036】次に、本発明に係る軸受の振動測定装置の
第5実施形態を説明する。図7は、本実施形態の軸受の
振動測定装置500の構成を示す図である。本実施形態
の軸受の振動測定装置500は、転がり軸受18の外輪
14内周面等に取り付けられ、転がり軸受18の回転軸
線40に対して略垂直に形成された検出面51aを有す
る振動検出体51と、この振動検出体51の検出面51
aに対峙して所定の距離を離間されて設けられたギャッ
プセンサ52と、ギャップセンサ52を支持し転がり軸
受18の外輪14近傍に又は外輪14に接してハウジン
グ16から立設され可撓性を有するセンサ取り付け治具
55と、ギャップセンサ52からの出力信号が信号ケー
ブル28を通じて入力される測定器56とを備えてい
る。
【0037】上記構成の軸受の振動測定装置500にお
いては、駆動軸10を回転駆動して内輪12を回転させ
たとき、転がり軸受18に振動が生じると、この振動が
センサ取り付け治具55に伝達される。これにより、ギ
ャップセンサ52の取り付けられたセンサ取り付け治具
55が転がり軸受18の軸線方向に振動し、その振動の
振幅が機械的に増幅される。従って、ギャップセンサ5
2は、振動により変化する自身の位置の変化、即ち、振
動検出体51との距離の変化を検出し、これを測定器5
6に入力する。
【0038】測定器56は、図2に示す内部構成と同様
の構成であって、ギャップセンサ52からの出力信号レ
ベルが基準レベルを超える場合に、警報を発生すると共
に異常信号を出力する。なお、本実施形態においては、
振動検出体51は、構成の簡略化のために転がり軸受1
8の外輪14端面で代用してもよい。
【0039】このように、本実施形態の軸受の振動測定
装置500によれば、センサ取り付け治具55が可撓性
を有して形成されることで、転がり軸受18に生じた振
動が伝達されたとき、センサ取り付け治具55が加振さ
れ、振動の振幅が増幅される。このように、電気的作用
を用いることなく機械的に増幅できるため、ノイズ成分
等が共に増幅されることなく簡単な構成で振動を測定す
ることが可能になる。
【0040】次に、本発明に係る軸受の振動測定装置の
第6実施形態を説明する。図8は、本実施形態の軸受の
振動測定装置600の構成を示す図である。本実施形態
の軸受の振動測定装置600は、転がり軸受18の回転
軸線40に対して垂直方向(y方向)の振動成分を検出
する前述と同様の振動検出体50とセンサ取り付け治具
54の構成に加えて、回転軸線40方向(x方向)の振
動成分を検出する振動検出体58、センサ取り付け治具
60及びギャップセンサ53を備えている。また、各ギ
ャップセンサ52,53からの出力信号は信号ケーブル
28を通じて、それぞれ個別に測定器62に入力され
る。
【0041】上記構成の軸受の振動測定装置600にお
いては、駆動軸10を回転駆動して内輪12を回転させ
たとき、転がり軸受18に振動が生じると、この振動が
振動検出体50,58に伝達される。これにより、振動
検出体50は転がり軸受18の軸線方向(x方向)に、
振動検出体58は転がり軸受18の軸線に対して垂直方
向(y方向)にそれぞれ振幅が機械的に増幅されて振動
する。この振動の振幅により生ずる振動検出体50,5
8との距離の変化がギャップセンサ52,53により検
出される。そして、このとき検出された検出信号は信号
ケーブル28を通じて測定器62に入力される。
【0042】測定器62は、図5に示す内部構成と同様
に構成され、x方向及びy方向の振動を測定する2系統
の回路構成となっており、ギャップセンサ52,53か
らの出力信号レベルのうち、少なくとも一方が基準レベ
ルを超える場合に、警報を発生すると共に異常信号を出
力する。
【0043】以上詳細に説明した本発明に係る軸受の振
動測定装置は、例えば、転がり軸受の寿命試験機に適用
することで軸受の異常をセンシングし、異常が生じたと
きに寿命試験機を停止させることができる。また、この
ような異常センシングは連続的に行なえるため、寿命試
験機の無人連続運転も可能となる。
【0044】
【発明の効果】本発明に係る軸受の振動測定装置によれ
ば、振動検出対象の軸受に接続され、該軸受の生じる振
動によって加振される振動検出体と、この振動検出体と
離間配置され前記振動検出体の振動成分を検出する検出
器とを備えることにより、振動測定対象の軸受に直接接
続された振動検出体が軸受からの振動によって加振され
て振動し、この振動成分が振動検出体に離間配置された
検出器によって検出され、この検出該検出器の出力に基
づいて軸受の振動が測定される。これにより、振動検出
体の振動成分がノイズ成分と共に増幅されることなく高
感度で検出でき、高精度の振動測定が行えて、振動測定
の信頼性が向上する。また、検出器を軸受から離間した
位置に配置するため、設置スペースに制約を受けること
なく、振動測定装置の適用範囲を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る軸受の振動測定装置の構成
を示す図である。
【図2】図1の測定器の内部構成を示すブロック図であ
る。
【図3】第2実施形態に係る軸受の振動測定装置の構成
を示す図である。
【図4】第3実施形態に係る軸受の振動測定装置の構成
を示す図である。
【図5】図4の測定器の内部構成を示すブロック図であ
る。
【図6】第4実施形態に係る軸受の振動測定装置の構成
を示す図である。
【図7】第5実施形態に係る軸受の振動測定装置の構成
を示す図である。
【図8】第6実施形態に係る軸受の振動測定装置の構成
を示す図である。
【図9】従来の軸受の振動測定装置の概略構成を示す図
である。
【符号の説明】
10 駆動軸(回転軸) 16 ハウジング 18 転がり軸受 20,21,50,51,58 振動検出体 20a,20b,21a,21b 振動片 22 超音波センサ(検出器) 24,25,56,62 測定器 36 警報器 52,53 ギャップセンサ(検出器) 100,200,300,400,500,600 軸
受の振動測定装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G024 AC01 BA12 BA15 BA27 CA13 DA09 FA02 FA14 2G064 AA17 AB16 AB22 BA02 BA03 BA28 CC06 CC13 CC54 CC62

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングに組み付けた軸受に回転軸を
    嵌合し、該回転軸をハウジングに対して相対回転させた
    ときに前記軸受から生じる振動を測定する軸受の振動測
    定装置であって、 振動検出対象の軸受に接続され、該軸受の生じる振動に
    よって加振される振動検出体と、 この振動検出体と離間配置され前記振動検出体の振動成
    分を検出する検出器とを備え、 前記検出器の出力に基づいて前記軸受の振動を測定する
    ことを特徴とする軸受の振動測定装置。
JP2000310850A 2000-10-11 2000-10-11 軸受の振動測定装置 Pending JP2002116114A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000310850A JP2002116114A (ja) 2000-10-11 2000-10-11 軸受の振動測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000310850A JP2002116114A (ja) 2000-10-11 2000-10-11 軸受の振動測定装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002116114A true JP2002116114A (ja) 2002-04-19

Family

ID=18790721

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000310850A Pending JP2002116114A (ja) 2000-10-11 2000-10-11 軸受の振動測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002116114A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008241487A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Kanto Auto Works Ltd 軸受の振動測定装置
JP2010096541A (ja) * 2008-10-14 2010-04-30 Thk Co Ltd 損傷検査装置、方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008241487A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Kanto Auto Works Ltd 軸受の振動測定装置
JP2010096541A (ja) * 2008-10-14 2010-04-30 Thk Co Ltd 損傷検査装置、方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5677488A (en) Piezoelectric film transducer sytem for bearings
US8234925B2 (en) Device and method for monitoring the vibratory condition of a rotating machine
CN100399003C (zh) 滚动轴承振动位移的激光测量方法
JP4674363B2 (ja) 異常状態検出方法およびシート状圧電センサ
CN109900475B (zh) 轴承检查装置
JP2008249664A (ja) 転がり軸受ユニットの剛性評価装置及び評価方法
JP2013545093A (ja) 接触式プローブ及び関連する検査方法
JP4095445B2 (ja) 軸受荷重検知と軸受正常性監視とを併せて行うセンサシステム
US20170038469A1 (en) Doppler vibration velocity sensor system
JP2002116114A (ja) 軸受の振動測定装置
JP3912505B2 (ja) センサ付転動装置
JP2017037052A (ja) 振動検出装置、振動検出方法および振動検出プログラム
Fritsch et al. A low-frequency micromechanical resonant vibration sensor for wear monitoring
JP4309838B2 (ja) 部材の運動を捕捉する方法および装置
JP2013545092A (ja) 圧電センサ及び断熱部を備えた接触式プローブ
JP2003177080A (ja) 軸受の損傷検知装置
JP4075030B2 (ja) 転がり軸受装置
JPH0743207A (ja) 振動計
JP3821754B2 (ja) スクリーンの異常検出装置
JP3908379B2 (ja) 振動検出部と振動検査装置
JPH08210909A (ja) 電気機器の動作異音検出装置
JP2020134229A (ja) 音波センサおよび異常検知装置
Karbhari Detecting The Misalignment In Bearing Shaft
JPH11203637A (ja) 接触検査装置
JP2009036624A (ja) Ae検出方法およびその装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060324