JP2009036624A

JP2009036624A - Ａｅ検出方法およびその装置

Info

Publication number: JP2009036624A
Application number: JP2007200985A
Authority: JP
Inventors: Hiroaki Oba; 宏明大場; Muhammad Ziaur Rahman; ジアウルラーマンムハマド; Takeo Yoshioka; 武雄吉岡
Original assignee: Toyo Electric Manufacturing Ltd
Current assignee: Toyo Electric Manufacturing Ltd
Priority date: 2007-08-01
Filing date: 2007-08-01
Publication date: 2009-02-19

Abstract

【課題】簡潔で適確なＡＥ検出方法で、回転する試験片からはく離等の欠陥が発生する前に異常を検知することができ、試験片に発生する初期の疲れ損傷を高感度で検出可能な二円筒試験およびその装置を提供することにある。
【解決手段】二円筒試験において、二つの回転軸に取り付けた試験片の下端部に油槽を設けて油浴潤滑を行ない、回転する試験片から発生するＡＥを油槽外部に取り付けたＡＥセンサを用いて、油槽を経由して伝播するＡＥ信号を検出することを特徴とする。
二つの回転軸に取り付けられた試験片の転がり接触時の潤滑のための油浴装置を設けて、その装置にＡＥセンサを備えたことを特徴とする。試験片から発生するＡＥを検出して、試験片に発生した微小な損傷を検出でき、損傷の初期段階を感度良く検出することができる。
【選択図】図１

Description

この発明は、平行する二つの回転軸に円筒試験片を取り付けて二円筒を接触させ荷重を加えて行なう二円筒試験中や回転機械装置の運転中のアコースティック・エミッション（ＡＥ）の検出方法およびその装置に関するものである。

この種の二円筒試験は、図２に示すように、荷重を付与して試験片１と試験片２を接触させて実施する試験であり、この転がり接触によって，二円筒のいずれかの試験体に損傷が発生して振動が増大すると、試験装置に取り付けた振動ピックアップにより振動増加を検出し、試験を停止させる方法がある。

また、二円筒試験装置や実機における回転機械装置の運転中の回転部品の状態をリアルタイムで把握することは、早期に異常を検知できるようになり、異常診断や残余寿命の評価をする上で重要な技術となっている。このリアルタイムに異常な状態を検出する方法として、ＡＥセンサを検査対象となる部品の近傍に配置して、そこからＡＥ信号を検出することで運転状態の異常を判定することができる。
トライボロジスト第34巻第１号（1989）36〜42

解決しようとする問題点は、上記の二円筒試験に振動ピックアップを用いる振動法では、二円筒のいずれかが大きく損傷して異常振動が発生しても振動抵抗が発生しない限り、試験片に起った異常を検知できないことである。

また、試験片が回転体であるために転がり接触点から発生するＡＥを直接に検出することは困難なため、試験装置本体にＡＥセンサを取り付ける方法では、伝播経路でのＡＥ信号の減衰や軸受部で発生するノイズの影響を受けて満足いくＳＮ比（信号ノイズ振幅比）が得られなかった。

そこで、この発明の目的は、簡潔で適確なＡＥ検出方法で、回転する試験片からはく離等の欠陥が発生する前に異常を検知することができ、試験片に発生する初期の疲れ損傷を高感度で検出できる二円筒試験およびその装置を提供することにある。

上記目的を達成するため、請求項１の発明によれば、二円筒試験において、二つの回転軸に取り付けた試験片の下端部に油槽を設けて油浴潤滑を行ない、回転する該試験片から発生するＡＥ（アコースティック・エミッション）を該油槽外部に取り付け該ＡＥを検出する弾性波検出手段を用いて、前記油槽を経由して伝播する前記ＡＥを検出することを特徴とする。すなわち、二つの回転軸に取り付けられた試験片の転がり接触時の潤滑のために図１のような油浴装置すなわち油槽を設けて、その装置にＡＥセンサを備えたことを特徴としている。

上記目的を達成するため、請求項２の発明によれば、二円筒試験において、二つの回転軸に取り付けられ、該二つの回転軸とともに回転する試験片を設け、前記二つの回転軸に取り付けた試験片の下端部が油浴潤滑されるように油槽を設け、該回転する試験片から発生するＡＥを検出する弾性波検出手段を設け、該弾性波検出手段は該油槽の外部に配置され、前記回転する試験片から発生し、前記油槽を経由して伝播する該ＡＥを検出することを特徴とする。

以上より明らかなように、油浴装置下部に取り付けたＡＥセンサは、信号の伝播経路を最短にしているのでＡＥ信号の減衰が小さく、試験片からのＡＥ信号を高感度で検出できる。したがって、この発明によれば、試験片から発生するＡＥを検出して、試験片に発生した微小な損傷を検出でき、損傷の初期段階を感度良く検出することができる。

ＡＥを検出するという目的を、潤滑油を経由することで回転する部材について実現した。また、本発明の検出方法は油浴潤滑を行なう回転機械装置の異常状態の検出にも同様に適用できる。

図１に、本発明の二筒円試験におけるＡＥセンサ取付部の実施例を示す。

この実施例は、二つの平行する回転軸４に取り付けた二つの試験片の下側の試験片２の下端部に油浴槽９を設けて、この油浴槽９の下面部にＡＥセンサ６を配置している。二円筒試験は二つの試験片を接触させ、荷重を付与して行なう試験であり、油浴漕９は二つの試験片の接触部の潤滑を油浴潤滑で行なうためのものである。上記油浴漕９の内部には、下側の試験片２の配置する部分に凸部を設けて、油中のＡＥ信号の伝播経路を短くしている。なお、二円筒の試験片１，２の接触点であり、ＡＥ信号の発生点である。

上記ＡＥセンサ６には、図３に示すように、プリアンプ１１、バンドパスフィルタ１２、ＡＥ信号収録装置１３、ＡＥ位置標定装置１４、図示はしていない包絡線検波回路、位置検出センサ８が順に接続されている。

上記構成のＡＥ検出装置は、二つの試験片１，２の接触点から発生したＡＥ信号を、試験片２と油膜と油浴槽９本体を経由して、上記ＡＥセンサ６で検出する。そして、上記ＡＥセンサ６からＡＥ信号は、上記プリアンプ１１で増幅されて、バンドパスフィルタ１２で所定の帯域の周波数成分が通過させられ、設定したしきい値を超える振幅のＡＥ信号のすべてがＡＥ信号収録装置１３に取り込まれる。一方、回転する試験片１からは、回転体に取り付けた位置マーカ部を通過する際に渦電流センサにより位置信号パルスが発生する。その後、収録されたＡＥ検出信号は、図示はしていない包絡線検波回路で包絡線検波される。この包絡線検波されたＡＥ信号はＡＥパルス信号に変換され、試験片１の位置パルス信号と同期してＡＥ位置標定装置１４に入力される。このＡＥ位置標定装置１４においては、ＡＥパルス信号のカウントが所定のしきい値を超えた時に、ＡＥ位置標定装置１４から警報信号が出力され、二円筒試験装置が停止する。上記しきい値を超えるＡＥ信号は、試験片の損傷に起因するものである。

この実施例のＡＥセンサ６は、試験片１，２の接触部から発生するＡＥ信号を、試験片２と油浴槽９内に設けられた上記凸部と間の薄い油膜と油浴漕９本体を経由するだけなので、回転軸４、軸受を経由してＡＥ信号を受ける場合に比較して、ＡＥ信号の減衰は小さく、接触点からのＡＥ信号を高感度で検出可能である。この薄い油膜厚は小さいほどＡＥ信号の減衰が小さい。

本発明の検出方法は油浴潤滑を行なう回転機械の異常状態の検出に適用できる。

ＡＥセンサの取り付け状態を示した説明図である。（実施例１）従来装置の説明図である。ＡＥ計測のブロック図である。

符号の説明

１試験片１
２試験片２
３振動加速度計
４回転軸
５ハウジング
６ＡＥセンサ
７位置マーカ
８位置検出センサ
９油浴漕
１０潤滑油
１１プリアンプ
１２バンドパスフィルタ
１３ＡＥ信号収録装置
１４ＡＥ位置標定装置

Claims

二円筒試験において、二つの回転軸に取り付けた試験片の下端部に油槽を設けて油浴潤滑を行ない、回転する該試験片から発生するＡＥ（アコースティック・エミッション）を該油槽外部に取り付け該ＡＥを検出する弾性波検出手段を用いて、前記油槽を経由して伝播する前記ＡＥを検出することを特徴とするＡＥ検出方法。
二円筒試験において、二つの回転軸に取り付けられ、該二つの回転軸とともに回転する試験片を設け、前記二つの回転軸に取り付けた試験片の下端部が油浴潤滑されるように油槽を設け、該回転する試験片から発生するＡＥを検出する弾性波検出手段を設け、該弾性波検出手段は該油槽の外部に配置され、前記回転する試験片から発生し、前記油槽を経由して伝播する該ＡＥを検出することを特徴とするＡＥ検出装置。