JP2002115027A - 薄物溶融亜鉛めっき軟鋼板およびその製造方法 - Google Patents

薄物溶融亜鉛めっき軟鋼板およびその製造方法

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JP2002115027A JP2000307801A JP2000307801A JP2002115027A JP 2002115027 A JP2002115027 A JP 2002115027A JP 2000307801 A JP2000307801 A JP 2000307801A JP 2000307801 A JP2000307801 A JP 2000307801A JP 2002115027 A JP2002115027 A JP 2002115027A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 引張強さ340MPa以下で、成形性に優れた、板
厚:2.6mm 以下の薄物溶融亜鉛めっき軟鋼板およびその
製造方法を提案する。 【解決手段】 C:0.0040%以下、Mn:0.6 〜1.50%、
Al:0.150%以下、Si、P、S、Nを調整して含み、さ
らに、Ti:{(48/14 )N(%)+ 0.002}〜{6×
(48/12 )C(%)+( 48/14)N(%)}%を含有す
る鋼スラブを、SRT:1000℃以上に加熱しFDT : 800〜
950℃とする熱間圧延を施し、CT:450 〜800 ℃で巻き
取り酸洗したのち、加熱処理と溶融亜鉛めっき処理を施
す。溶融亜鉛めっき処理に続いて合金化処理を施しても
良い。加熱処理の前に連続焼鈍処理を施してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融亜鉛めっき鋼
板または合金化溶融亜鉛めっき鋼板に係り、とくに冷延
鋼板を原板とする溶融亜鉛めっき鋼板の代替えとして使
用できる、熱延鋼板を原板とする板厚2.6mm 以下の薄物
溶融亜鉛めっき軟鋼板または薄物合金化溶融亜鉛めっき
軟鋼板およびその製造方法に関する。本発明でいう薄物
溶融亜鉛めっき軟鋼板または薄物合金化溶融亜鉛めっき
軟鋼板は、板厚2.6mm 以下で、引張強さ(TS)が340MPa
以下で、比較的厳しい絞り成形用として好適なめっき鋼
板である。
【0002】
【従来の技術】薄物のめっき鋼板は、例えば、自動車用
部品、電気関係部品、家具、建材など、種々の用途で多
用され、需要も多い。これら薄物めっき鋼板には、材質
的に特に厳しい要求はなく、また構造部材的な意味合い
が小さい用途に使用されることが多い。このような用途
に用いられる薄物めっき鋼板には、とくに高い強度は必
要でなく、生産性、成形性の観点から、引張強さ340MPa
以下と、できるだけ低強度で加工性に優れためっき鋼板
であることが望まれている。低強度で加工性に優れため
っき鋼板とするためには、まず、めっき鋼板の原板とし
て、低強度で加工性に優れた薄物鋼板を必要とする。
【0003】従来は、熱間圧延の圧延精度が低く、板厚
が厚くしかも冷延鋼板に比べて幅狭の熱延鋼板しか高精
度に製造できなかった。このため、上記したような薄物
めっき鋼板では、原板としては主として冷延鋼板が用い
られてきた。しかし、冷延鋼板は、製造プロセスとし
て、酸洗・冷間圧延・焼鈍というプロセスが付加される
ため、熱延鋼板にくらべ、製品価格が高くなることは避
けられない。
【0004】加工性に優れた低強度の熱延鋼板の例とし
て、例えば、特開平2-175838 号公報には、C:0.0040
%以下と極低C量とし、Mn:0.05〜3.50%、TiをC、
N、Sの関係式で限定する範囲内で含み、さらにB:0.
0002〜0.0015%を含み、Al、N、P、Sを制限して含有
する、耐2次加工脆性および引張特性に優れた超深絞り
用熱延鋼板が提案されている。特開平2-175838 号公報
に記載された熱延鋼板は、引張強さが30kg/mm2(294MP
a)以下と340MPa以下の低強度を有し、しかも深絞り性
に優れた熱延鋼板であるとされるが、高い仕上げ圧延温
度、低い巻き取り温度など、板厚が3mmを超える厚い熱
延鋼板を対象としており、変形抵抗が高く、薄物の圧延
が困難であり、さらに低温巻き取りのため形状が乱れる
危険性が高い。
【0005】このように、特開平2-175838 号公報に記
載された技術では、熱間圧延性の観点から薄物・幅広の
鋼板の製造には問題を残していた。薄物・幅広の熱延鋼
板を製造するにあたっては、まず鋼板厚みの減少に伴う
ロール偏平のため圧延荷重が顕著に増大し、大きな圧延
負荷となり圧延が困難になるという問題がある。また、
鋼板厚みの減少に伴い、加熱・粗圧延ついで仕上圧延と
いう熱延工程中で鋼板温度の低下が大きくなるため、安
定して十分高い圧延温度を確保することが困難になると
いう問題がある。
【0006】このような問題に対しては、スラブ加熱段
階での加熱時間の増加、熱延時間の短縮、圧延速度の増
大等によって対処することが考えられるが、薄物におい
ては、熱延所要時間の短縮ができにくく、圧延中の温度
低下が大きいため十分高い圧延温度を確保することがで
きていなかったのが実情であった。このような問題に対
し、例えば、特開平5-345954 号公報には、C:0.0080
%以下と極低C化し、Si:1.0 %以下、Mn:0.2 〜2.0
%、P:0.15%以下、S:0.015 %以下、Al:0.01〜0.
10%を含み、合金元素をCeq(%)≧65を満足するよう
に含有した鋼としたうえで、該鋼を、熱間圧延仕上げ温
度:750 〜880 ℃、圧延後冷却速度:10〜100 ℃/s、巻
取り温度:300 〜730 ℃とする熱間圧延により、ポリゴ
ナルフェライト組織を有する板厚1.4mm 以下の薄鋼板と
する、薄物熱延鋼板の製造方法が開示されている。特開
平5-345954 号公報に記載された技術では、熱間圧延仕
上げ温度が880 ℃以下となっても、優れた伸び特性を付
与できるとしている。
【0007】しかしながら、特開平5-345954 号公報に
記載された技術により製造された薄物熱延鋼板は、引張
強さ(TS):35kgf/mm2 (340MPa)以上、降伏点(Y
S):23kgf/mm2 (225MPa)以上と高強度の材料しか製
造できず、このような高いTS、YSのため加工性が十分で
なく、プレス成形時に発生する不具合を回避できないと
いう問題があった。また、特開平5-345954 号公報に記
載された技術により製造された薄物熱延鋼板をめっき原
板として使用する場合には、溶融亜鉛めっきを施すにあ
たり、再加熱温度を650 ℃以下とし、かつ短時間処理と
する必要があり、強度、耐パウダリング性が十分に安定
したものとならず溶融亜鉛めっき鋼板としては問題を残
していた。
【0008】一般に、仕上板厚が2.6mm 以下の薄物熱延
鋼板では、全圧下歪が増加し、さらに熱間圧延後の冷却
速度が増加するため、鋼板組織が微細化し、さらに組織
が低強度の組織(フェライトとパーライトからなる組
織)から高強度の組織(例えば、フェライトとべイナイ
ト、マルテンサイトからなる組織)に変化しやすい。こ
のため、鋼板強度が増加し、加工性が劣化する傾向とな
り、強度と加工性を適正に制御することが難しく、安定
してTS:340MPa以下の加工性に優れた薄物熱延鋼板とす
ることが難しく、加工性に優れた溶融亜鉛めっき軟鋼板
の原板としては問題を残していた。また、TSのみならず
YSが大きく増加することも問題である。
【0009】また、特開昭63-195222 号公報には、C:
0.013 %以下、Mn:0.05〜0.35%、Al:0.005 〜0.080
%含有し、Tiを0.02%以上で、かつTi* /Cが0.8 〜3
となる量含有する鋼を、1100〜1250℃に加熱し、仕上げ
温度をAr3点-50 ℃〜Ar3点-100℃とする熱間圧延を行
い、450 〜750 ℃で巻き取り、酸洗し、500 〜800 ℃で
均熱保持したのち、冷却し溶融亜鉛めっき浴に浸漬す
る、耐たてわれ性に優れた深絞り用溶融亜鉛めっき鋼板
の製造方法が開示されている。しかし、特開昭63-19522
2 号公報に記載された鋼では、Ar3点が高温となるた
め、板厚2.6mm 以下の薄物では、圧延中の温度低下が大
きく上記した範囲の仕上げ温度で熱間圧延することが困
難となる。したがって、特開昭63-195222 号公報に記載
された技術は、板厚2.6mm 以下の薄物溶融亜鉛めっき軟
鋼板の製造には適用しがたい技術であるといわざるをえ
ない。
【0010】また、特開平6-108157 号公報には、C:
0.01%以下とし、Mn:0.05〜1.0 %、solAl :0.01〜0.
08%、N:0.005 %を含み、Ti:{(48/32) S+(48/1
4) N}〜0.08%およびNb:0.01〜0.08%含み、1≦(T
i−((48/32) S+(48/14) N)/48+(Nb/93)/(C/12)
を満足するようにTi、Nbを単独または複合して含有する
鋼を熱間圧延し、酸洗したのち、浸炭ガス雰囲気中で再
結晶温度以上の温度で連続焼鈍し、固溶C量を制御し、
冷却過程で溶融亜鉛めっきを行う、深絞り用溶融亜鉛め
っき熱延鋼板の製造方法が開示されている。しかしなが
ら、特開平6-108157 号公報に記載された技術では、酸
洗後に浸炭雰囲気で焼鈍する特殊な処理を行うため、製
品としてストレッチャーストレインの発生を完全に抑制
することが困難であるという問題があった。また、耐二
次加工脆性の改善、焼付け硬化性の向上を目的としてお
り、伸びが低下する傾向となり、加工性に問題を残して
いた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した問
題点を解決し、一般の広い分野で使用可能で、加工性に
優れた板厚:2.6mm 以下の薄物溶融亜鉛めっき軟鋼板、
および該薄物溶融亜鉛めっき軟鋼板を安定して製造でき
る、薄物溶融亜鉛めっき軟鋼板の製造方法を提案するこ
とを目的とする。なお、本発明の薄物溶融亜鉛めっき軟
鋼板は、熱延鋼板をめっき原板とし、引張強さTSが340M
Pa以下の軟質で加工性に優れた鋼板であり、冷延鋼板を
原板とする溶融亜鉛めっき鋼板の代替が可能なめっき鋼
板である。
【0012】さらに、本発明で目標とする成形性に優れ
た薄物溶融亜鉛めっき軟鋼板は、非時効性であり、連続
溶融亜鉛めっきライン出側での腰折れ発生の防止、外観
不良の原因となるプレス成形時のストレッチャーストレ
インの発生を回避でき、また当然、従来の鋼板と同様の
溶接性を具備する。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
課題を達成するため、薄物溶融亜鉛めっき鋼板の原板で
ある、薄物熱延軟鋼板の特性におよぼす化学成分、製造
法の影響について研究した。その結果、Cを極低C域ま
で低減し、さらに熱間変形抵抗を増加させず、かつめっ
き性を阻害することなく変態点を有効に低下する元素を
加えた組成とし、さらに熱間圧延条件を適正に制御する
ことにより、薄物溶融亜鉛めっき鋼板の原板として好適
な、薄物熱延軟鋼板を安定して製造できることを見いだ
した。さらに、溶融亜鉛めっき条件あるいはさらに合金
化条件を、このような薄物熱延軟鋼板に合致した条件と
することにより、引張強さ:340MPa以下で、加工性に優
れた薄物溶融亜鉛めっき軟鋼板および加工性、耐パウダ
リング性に優れた薄物合金化溶融亜鉛めっき軟鋼板が得
られることも見いだした。
【0014】本発明は、上記した知見に基づき、さらに
検討を加え完成されたものである。すなわち、第1の本
発明は、熱延鋼板表面に溶融亜鉛めっき層または合金化
溶融亜鉛めっき層を有する溶融亜鉛めっき鋼板であっ
て、前記鋼板が、質量%で、C:0.0040%以下、Mn:0.
6 〜1.50%、Al:0.150 %以下を含み、さらにTi:
{(48/14 )N(%)+ 0.002}〜{6×(48/12 )C
(%)+( 48/14)N(%)}%を含有し、不純物であ
るSi、P、S、N、NbがSi:0.05%以下、P:0.02%以
下、S:0.02%以下、N:0.0050%以下、Nb:0.005 %
以下を満足し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組
成とフェライト相の平均結晶粒径が15μm 以上である組
織とを有することを特徴とする板厚2.6mm 以下の加工性
に優れた薄物溶融亜鉛めっき軟鋼板であり、第1の本発
明では、前記組成に加えてさらに、質量%で、B:0.00
01〜0.0030%を含有することが好ましく、また、第1の
本発明では、前記各組成に加えてさらに、質量%で、N
i:0.01〜1%、Cr:0.01〜0.2%のうちから選ばれた1
種または2種を含有することが好ましい。
【0015】また、第2の本発明は、質量%で、C:0.
0040%以下、Mn:0.6 〜1.50%、Al:0.150 %以下を含
み、さらにTi:{(48/14 )N(%)+ 0.002}〜{6
×(48/12 )C(%)+( 48/14)N(%)}%を含有
し、あるいはさらにB:0.0001〜0.0030%および/また
はNi:0.01〜1%、Cr:0.01〜0.2 %のうちから選ばれ
た1種または2種を含有し、不純物であるSi、P、S、
N、NbがSi:0.05%以下、P:0.02%以下、S:0.02%
以下、N:0.0050%以下、Nb:0.005 %以下を満足し、
残部Feおよび不可避的不純物からなる組成の鋼スラブ
を、スラブ加熱温度:1000℃以上に加熱し、粗圧延して
シートバーとし、該シートバーに仕上圧延出側温度: 8
00〜 950℃とする仕上げ圧延を施し、巻取り温度: 800
〜450 ℃で巻き取る、熱間圧延を施し熱延板とし、つい
で該熱延板を原板とし、酸洗後、あるいはさらに700 〜
900 ℃に加熱し焼鈍する連続焼鈍処理を行ったのち、70
0 〜900 ℃に加熱する加熱処理と、溶融亜鉛めっきを施
し前記熱延板表面に溶融亜鉛めっき層を形成する溶融亜
鉛めっき処理とを順次行うことを特徴とする板厚2.6mm
以下の加工性に優れた薄物溶融亜鉛めっき軟鋼板の製造
方法である。
【0016】また、第2の本発明では、前記粗圧延と前
記仕上げ圧延の間で、相前後するシートバー同士を接合
することが好ましく、また、第2の本発明では、前記粗
圧延と前記仕上げ圧延の間で、前記シートバーの幅端部
を加熱するシートバーエッジヒーター、前記シートバー
の長さ端部を加熱するシートバーヒーターのいずれか一
方または両方を使用することが好ましく、また、第2の
本発明では、前記仕上げ圧延後巻き取りまでの間で、鋼
板エッジ部に過冷却を防止するため冷却水のマスキング
を施すことが好ましく、また第2の発明では、前記仕上
げ圧延の一部または全パスを潤滑圧延とすることが好ま
しい。
【0017】また、第3の本発明は、質量%で、C:0.
0040%以下、Mn:0.6 〜1.50%、Al:0.150 %以下を含
み、さらにTi:{(48/14 )N(%)+ 0.002}〜{6
×(48/12 )C(%)+( 48/14)N(%)}%を含有
し、あるいはさらにB:0.0001〜0.0030%および/また
はNi:0.01〜1%、Cr:0.01〜0.2 %のうちから選ばれ
た1種または2種を含有し、不純物であるSi、P、S、
N、NbがSi:0.05%以下、P:0.02%以下、S:0.02%
以下、N:0.0050%以下、Nb:0.005 %以下を満足し、
残部Feおよび不可避的不純物からなる組成の鋼スラブ
を、スラブ加熱温度:1000℃以上に加熱し、粗圧延して
シートバーとし、該シートバーに仕上圧延出側温度: 8
00〜 950℃とする仕上げ圧延を施し、巻取り温度: 800
〜450 ℃で巻き取る、熱間圧延を施し熱延板とし、つい
で該熱延板を原板とし、酸洗後、あるいはさらに700 〜
900 ℃に加熱し焼鈍する連続焼鈍処理を行ったのち、70
0 〜900 ℃に加熱する加熱処理と、溶融亜鉛めっきを施
し前記熱延板表面に溶融亜鉛めっき層を形成する溶融亜
鉛めっき処理とを連続して行い、さらに該溶融亜鉛めっ
き層の合金化を行う合金化処理を行うことを特徴とする
板厚2.6mm 以下の加工性および耐パウダリング性に優れ
た薄物合金化溶融亜鉛めっき軟鋼板の製造方法である。
また、第3の本発明では、前記粗圧延と前記仕上げ圧延
の間で、相前後するシートバー同士を接合することが好
ましく、また、第3の本発明では、前記粗圧延と前記仕
上げ圧延の間で、前記シートバーの幅端部を加熱するシ
ートバーエッジヒーター、前記シートバーの長さ端部を
加熱するシートバーヒーターのいずれか一方または両方
を使用することが好ましく、また、第3の本発明では、
前記仕上げ圧延後巻き取りまでの間で、鋼板エッジ部に
過冷却を防止するため冷却水のマスキングを施すことが
好ましく、また第3の発明では、前記仕上げ圧延の一部
または全パスを潤滑圧延とすることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の薄物溶融亜鉛めっき軟鋼
板は、熱延鋼板を原板とし、板厚:2.6mm 以下で、引張
強さTS:340MPa以下の低強度で、比較的厳しい絞り成形
用として好適な、成形性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板で
ある。製品板厚が2.6mm を超えると、高い仕上げ圧延温
度等の熱間圧延条件の規制を回避することが容易とな
り、さらに加えて熱延時の変形抵抗も低く、製造条件の
規制が少なく、大きな問題もなく、溶融亜鉛めっき鋼板
の原板である熱延鋼板を製造できる。また、板厚が2.6m
m を超えるような溶融亜鉛めっき鋼板は、複雑なプレス
成形を施されることもなく、またストレッチャーストレ
インの発生が問題となることも少なくなることから、本
発明では、板厚:2.6mm 以下の薄物溶融亜鉛めっき鋼板
に限定した。
【0019】本発明の薄物溶融亜鉛めっき軟鋼板は、薄
物熱延軟鋼板をめっき原板とし、種々のプレス成形に好
適に供することができる薄物めっき鋼板であり、引張強
さTS:340MPa以下、好ましくは320MPa以下の軟鋼板であ
る。なお、降伏点はプレス品の形状凍結性の観点から22
0MPa以下とすることが好ましく、より好ましくは200MPa
以下である。
【0020】まず、本発明の薄物溶融亜鉛めっき軟鋼板
の化学成分限定理由について説明する。なお、以下、質
量%は単に%で記す。 C:0.0040%以下 Cは、鋼板の強度を増加させる元素であり、本発明では
低強度とするため、0.0040%以下に低減する。Cを0.00
40%以下に低減することにより、硬質なパーライト、あ
るいはセメンタイト等を低減でき、鋼の強度を引張強
さ:340MPa以下に低下することができる。また、これら
パーライトあるいはセメンタイトが減少することによ
り、粒の成長性が増加するため、とくに低YS化を有利に
達成することができる。なお、とくに良好な伸び特性が
要求される場合には、0.0030%以下とすることが望まし
い。また、Cの下限は特に規定しないが、0.0005%未満
では、結晶粒が顕著に粗大化するため、プレス成形時に
肌荒れなどの不具合を生ずる場合があり、Cは0.0005%
以上とすることが好ましい。
【0021】Mn:0.6 〜1.50% Mnは、Sによる熱間割れを防止する有効な元素であり、
含有するS量に応じて含有する必要がある。また、Mn
は、熱間変形抵抗をほとんど変えずに、変態点を大きく
低下させるという好ましい作用を有し、さらに、本発明
のような極低C系では、鋼の強化能が小さいという特徴
がある。さらに、Mnを含有することでスポット溶接性が
改善される。これはスポット溶接時の電気抵抗がMnの含
有で適度に上昇するためである。またMnはめっき性を阻
害しない。したがって、めっき原板として熱延鋼板を用
いる本発明では、熱間圧延性に優れ、高成形性を有する
熱延軟鋼板を製造するために、0.6 %以上のMn含有を必
要とする。一方、1.50%を超えて含有すると、変態点が
極めて低下するため、変態組織強化が顕著となり、目標
とする低いTS、YSを安定して確保することが困難となる
うえ、めっき品質、溶接性、および溶接部の成形性も悪
化する傾向となる。このため、Mnは0.6 〜1.50%に限定
した。なお、耐食性と成形性が要求される場合には、Mn
は1.40%以下とするのが望ましい。また、変態点の低位
安定化の観点からは、0.8 %以上の含有が好ましい。
【0022】Al:0.150 %以下 Alは、脱酸剤として作用し、鋼の清浄度を向上させるの
に有効な元素であるが、多量に含有すると表面性状の悪
化につながるが、概ね0.150 %以下であればこのような
不具合を生ずることはない。このため、Alは0.150 %以
下に限定した。なお、材質の安定性という観点から、0.
005 〜0.080 %の範囲とするのがさらに望ましい。
【0023】Ti:{(48/14 )N(%)+ 0.002}〜
{6×(48/12 )C(%)+( 48/14)N(%)}% Tiは、本発明で最も重要な添加元素のひとつである。Ti
は、鋼中のNを固定し、さらにCを固定して、時効劣化
を低減する作用を有している。特に、CをTi炭化物とし
て固定することにより、固溶C量を低減し、強度、特に
降伏点(YS)を顕著に低減することができる。本発明に
おけるように、極低C系で、Mnを多量に含有する場合に
は、Cを固定し、TS 340MPa 以下の熱延軟鋼板とするう
えでTiは重要である。TiはN、C以外にSとも結合する
傾向をもつが、本発明では、Mnが比較的多量に含有され
ているため、TiS の生成を考慮しないほうが、特性と良
く対応することが、本発明者らの種々の検討から明らか
になった。
【0024】鋼中のNを完全に固定するためには、Ti含
有量は、Timin ={(48/14)N(%)+0.002 }%以
上とする必要がある。Nを完全に固定するためにTiは、
少なくともNとの当量、(48/14)N(%)、含有する
必要はあるが、さらに0.002%過剰に含有することによ
り安定してNを固定できる。Ti含有量がTimin 未満で
は、Cが鋼中に固溶状態で存在し、降伏点YSが顕著に増
加する。
【0025】一方、Ti含有量が、Timax ={6×(48/
12)C(%)+(48/14)N(%)}%を超えると、鋼
の熱間変形抵抗が増加し、めっき原板である薄物軟鋼板
の製造が困難となり、また、めっき表面に欠陥を生じる
危険性が生ずる。このため、Tiは、{(48/14)N
(%)+0.002 }〜{6×(48/12)C(%)+(48/
14)N(%)}%に限定した。
【0026】B:0.0001〜0.0030% Bは、スポット溶接やアーク溶接をはじめとする種々の
溶接熱影響部の組織の粗大化を抑制し、溶接部の静的強
度、疲労強度を大幅に改善する作用を有し、また、B
は、各種のろう付作業が行われる際に問題となるろう脆
性(一種の液体金属脆性)を防ぐのに有効であり、必要
に応じ含有できる。このような効果は、0.0001%以上の
含有で認められるが、0.0030%を超える含有は、鋼の熱
間変形抵抗を増加させ、さらにめっき鋼板のr値、引張
特性の面内異方性を顕著にし、部品板厚の局所的な変動
を招きやすくする。このため、Bは0.0001〜0.0030%の
範囲に限定するのが好ましい。なお、より好ましくは、
0.0025%以下である。また、上記した効果を安定して得
るためには、0.0005%以上含有するのがより好ましい。
【0027】Ni:0.01〜1%、Cr:0.01〜 0.2%のうち
から選ばれた1種または2種 Ni、Crはいずれも、固溶強化能が小さく鋼の変態点を低
下させる作用を有しており、本発明では必要に応じ選択
して含有できる。このような効果は、Ni、Crそれぞれ、
0.01%以上の含有で認められる。Ni、Crそれぞれ、1%
以下の含有で、本発明で必要とする変態点低下効果を十
分に達成でき、それ以上、すなわち1%を超えて含有し
ても、経済的に不利となるばかりか、逆に表面欠陥を増
加させる。なお、Crは、0.2 %を超えて含有すると、表
層に形成される酸化物に起因する不めっきの発生が顕著
となる。このため、Ni:0.01〜1%、Cr:0.01〜0.2 %
の範囲に限定するのが好ましい。なお、Niによる変態点
低下効果は、Mnによる変態点低下効果と相乗的に作用す
るため、Mn含有量とバランスさせて必要量含有すること
が好ましい。
【0028】また、本発明では、不純物元素のうち、と
くにSi、P、S、N、Nbについてその上限を限定する。 Si:0.05%以下 Siは、鋼の熱間変形抵抗を顕著に増大させ、また固溶強
化により鋼の強度を顕著に増加させるため、薄物めっき
軟鋼板の製造に際しては、好ましくない元素である。ま
た、表面性状、特に、表面の美麗性改善という観点か
ら、本発明ではSiはできるだけ低減するのが望ましい。
0.05%を超えて含有すると、熱間変形抵抗が顕著に増加
するため、Siは0.05%以下に限定した。なお、変形抵抗
の低減という観点からは、0.02%以下とすることが好ま
しい。また、極めて美麗な外観を要求される場合には、
Siは0.01%以下に限定するのがより好ましい。
【0029】P:0.02%以下 Pは、強い固溶強化元素であり、多量に含有すると、鋼
を著しく硬質化させるとともに、鋼中において偏析する
傾向が強く、それに起因した溶接部の脆化をもたらすた
め、本発明ではできるだけ低減するのが望ましい。ま
た、Pは、鋼の変態点を顕著に上昇させる元素であり、
この点からも、本発明のような薄鋼板においては特に低
減することが望ましい。これらのことから、Pは0.02%
以下に限定した。なお、溶接部靱性、変態点の低いこと
がとくに重要視される場合には、0.01%以下とするのが
好ましい。
【0030】S:0.02%以下 Sは、鋼中では介在物として存在し、鋼板の延性を減少
させ、さらに耐食性の劣化をもたらす元素であり、でき
るだけ低減するのが望ましいが、0.02%までは許容でき
る。このようなことから、Sは0.02%以下に限定した。
なお、特に良好な加工性が要求される場合には、0.015
%以下とすることが好ましい。
【0031】N:0.0050%以下 Nは、固溶強化により鋼の強度を増加する元素であり、
低強度鋼を指向する本発明ではできるかぎり低減するこ
とが望ましい。しかし、Nは、Al、Tiを添加することで
窒化物として固定できるため、その弊害を軽減すること
はでき、概ね0.0050%以下とすれば、固溶Nによる強度
の上昇、ストレッチャーストレインの発生などの問題を
回避することができる。このため、本発明では、Nは0.
0050%以下に限定した。なお、安定して上記の機構を働
かせるためには0.0030%以下とすることが望ましい。
【0032】Nb:0.005 %以下 Nbは、鋼板強度を増加させ、熱間変形抵抗を増加させる
元素であり、本発明ではできるだけ低減することが望ま
しく、0.005 %以下に限定した。なお、より好ましくは
0.002 %以下である。上記した化学成分以外の残部は、
Feおよび不可避的不純物である。不可避的不純物とし
て、中でもCu、Mo、Vは、いずれも鋼板の強度を増加さ
せ、特にMoは同時に熱間圧延時の熱間変形抵抗を顕著に
増加させるため、Cu、Moを合計で0.2 %以下、VはNbと
の合計で0.2 %以下に制限することが好ましい。とく
に、熱間変形抵抗低減の観点から、Cu、Moはそれぞれ0.
02%以下、Vは0.005 %以下に限定するのが好ましい。
【0033】本発明の薄物溶融亜鉛めっき軟鋼板は、上
記した組成と、フェライト相の平均結晶粒径が15μm 以
上である組織とを有する。なお、本発明鋼のような極低
C鋼板の組織は主としてフェライト相からなり、少量の
炭窒化物を含む組織である。フェライト相の平均結晶粒
径が15μm 未満では、固溶状態のC、N量が極限まで低
減されていても、安定して目標の引張強さ340MPa以下の
強度とすることができない。なお、より低強度、とくに
降伏点をより低くするためには、フェライト相の平均結
晶粒径は、20μm 以上とするのが好ましい。これによ
り、成形時のスプリングバックの低減、成形性の更なる
改善が期待できる。なお、フェライト相の平均結晶粒径
が50μm を超えると、プレス成形時にいわゆるオレンジ
ピールと呼ばれる肌荒れが発生する恐れがあるため、フ
ェライト相の平均結晶粒径は50μm 以下とするのが望ま
しい。
【0034】本発明では、平均結晶粒径は、断面組織写
真からASTMに規定の求積法により算出した値と、断
面組織写真からASTMに規定の切断法により求めた公
称粒径(例えば、梅本ら:熱処理,24(1984),334 参
照)のうち、いずれか大きい方を採用する。つぎに、本
発明の薄物溶融亜鉛めっき軟鋼板の好ましい製造方法に
ついて説明する。
【0035】本発明の製造方法では、熱間圧延性に優れ
た鋼スラブを使用する。本発明でいう「熱間圧延性に優
れた」とは、熱間での変形抵抗が低いこと、仕上げ
圧延温度の確保が容易であること、熱間において十分
な変形能を有し圧延割れの発生がないこと、を全て満足
する状態をいうものとする。なお、「仕上げ圧延温度
の確保が容易である」とは、低い変態点(オーステナイ
トからフェライトが生成する温度)を有し、圧延中の温
度低下を考慮しても、所望の圧延温度範囲の下限を確保
できることを意味する。
【0036】上記した組成の鋼スラブは、本発明でいう
ところの熱間圧延性に優れており、本発明の製造方法で
は、まず、上記した組成の鋼スラブを、加熱後粗圧延し
てシートバーとし、該シートバーに仕上げ圧延を施し、
仕上げ圧延後コイル状に巻き取る、熱間圧延を施し、板
厚2.6 mm以下の薄物熱延鋼板とし、この薄物熱延鋼板を
めっき原板とする。
【0037】本発明の製造方法で使用する鋼スラブは、
化学成分のマクロ偏析を防止するため連続鋳造法で製造
することが望ましいが、分塊法、あるいは薄スラブ鋳造
法で製造してもなんら問題はない。また、本発明では、
鋼スラブを製造後いったん室温まで冷却して再度加熱す
る通常のプロセスのほか、冷却せずに温片のままで加熱
炉に装入したのち圧延する直送圧延、あるいは僅かの保
熱を行ったのち直ちに圧延する直接圧延などの省エネル
ギープロセスも問題なく適用できる。
【0038】スラブ加熱温度:1000℃以上 スラブ加熱温度は、所定の仕上げ圧延出側温度が確保で
きるように設定されるが、1000℃未満では粗圧延での変
形抵抗が増大するため、1000℃以上とするのが好まし
い。スラブ加熱温度の上限はとくに規定しないが、スケ
ールロスの増大を避けるという観点からは1300℃以下と
するのがより好ましい。
【0039】上記した条件で加熱されたスラブは、粗圧
延によりシートバーとされる。なお、粗圧延の条件はと
くに規定する必要はなく、常法にしたがって行えばよ
い。ついで、シートバーに仕上圧延を施す。なお、本発
明の製造方法では、粗圧延と仕上圧延の間で、相前後す
るシートバー同士を接合し、連続的に仕上圧延すること
が好ましい。接合手段としては、圧接法、レーザ溶接
法、電子ビーム溶接法などを用いるのが好ましい。これ
以外の接合方法でもなんら問題はない。
【0040】相前後するシートバー同士を接合すること
により、仕上圧延において、コイルの先端および後端の
いわゆる形状の乱れを生じやすい非定常部の存在割合が
減少し、安定した圧延条件がほぼコイル全長および全幅
にわたって達成でき、製品の形状・寸法精度および歩留
りが向上する。また、圧延後の熱延鋼板をホットランテ
ーブル上で冷却する場合も常に張力を付与できるため、
鋼板形状の向上に有効である。
【0041】また、シートバー接合し連続圧延すること
により従来のシートバー毎の単発圧延では通板性や噛込
み性等の問題により実施が難しかった薄物・広幅に対す
る潤滑圧延が容易に実施できるようになり、圧延荷重お
よびロール面圧が低減してロールの寿命が延長する。ま
た、本発明では、粗圧延と仕上圧延の間で、シートバー
の幅端部を加熱するシートバーエッジヒータ、シートバ
ーの長さ端部を加熱するシートバーヒータのいずれか一
方または両方を使用して、シートバーの幅方向および長
手方向の温度分布を均一化することが好ましい。これに
より、鋼板内の材質ばらつきをさらに小さくすることが
できる。また、シートバーエッジヒータ、シートバーヒ
ータは温度の安定性、制御の容易性から誘導加熱方式の
ものとするのが好ましい。
【0042】使用手順は、まずシートバーエッジヒータ
により幅方向の温度差を補償することが望ましい。この
ときの加熱量は、仕上圧延出側での幅方向温度分布範囲
が概ね20℃以下となるように設定するのが好ましい。次
いでシートバーヒータにより長手方向の温度差を補償す
る。このときの加熱量は、長さ端部温度が中央部温度よ
りも概ね20℃程度高くなるように設定するのが好まし
い。
【0043】仕上圧延出側温度: 800〜 950℃ 仕上圧延出側温度FDTは、鋼板の組織を決定する重要
な因子の一つである。最終のめっき製品で平均結晶粒径
15μm 以上の均一なフェライト相を得るためには、FD
Tを800 ℃以上とするのが好ましい。FDTが800 ℃を
下回ると、組織が顕著にかつ不均一に粗大化し、プレス
成形時に肌荒れおよびリジングと呼ばれれる欠陥が発生
する。また、伸びEl、r値の面内異方性を低減する観点
からは、FDTは変態点(Ar3変態点)以上とするのが
好ましい。一方、FDTが950 ℃を上回ると、鋼板表面
のスケール疵の発生が懸念される。このため、FDTは
800〜 950℃の範囲内とするのが好ましい。なお、鋼板
幅方向の材質均一性からは、FDTは850 ℃以上とする
のがより好ましい。
【0044】仕上げ圧延終了後、鋼板は巻き取られる。
なお、仕上げ圧延後の冷却は軟質化のために徐冷とする
のが好ましい。冷却パターンとしては、ホットランテー
ブルの前半部は水冷をせず、後半部で水冷を行うパター
ンが組織を粗大化し、軟質化するという観点から好まし
い。また、仕上げ圧延後のホットランテーブル上での冷
却において材質均一化の観点から鋼板エッジ部の過冷却
を防止するために幅方向に冷却水のマスキングを行うこ
とが好ましい。
【0045】巻取り温度:450 〜800 ℃ 本発明では、巻取り温度CTについてはとくに厳しい限
定はない。次工程の溶融亜鉛めっき処理で700 ℃以上に
加熱されるため、その際、TiC の十分な析出、凝集粗大
化が起こり、TS340MPa以下という鋼板の軟質化が達成
できるからである。しかし、巻取り温度が450 ℃未満と
なると、鋼板の形状が不安定となりこれがめっき後も残
留する。また鋼板の強度もやや増加する傾向を示す。こ
のようなことから、巻取り温度CTは450 ℃以上とした。
一方、巻取り温度CTが800 ℃を超えると、スケール厚さ
が顕著に増加し酸洗による除去が困難となる。このた
め、巻取り温度CTは450 〜800 ℃に限定した。
【0046】また、本発明では、仕上げ圧延において、
熱間圧延荷重を低減するために、潤滑圧延を行ってもよ
い。潤滑圧延を行うことにより、熱延板の形状・材質が
より均一化されるという効果がある。なお、潤滑圧延の
際の摩擦係数は0.25〜0.10の範囲とするのが好ましい。
また、潤滑圧延と連続圧延とを組み合わせることにより
さらに、熱間圧延の操業が安定する。
【0047】上記した製造方法で製造された薄物熱延軟
鋼板(熱延板)を、めっき原板として、該熱延板に酸洗
を施し、ついで、溶融亜鉛めっき処理前に、700 〜900
℃に加熱する加熱処理を施す。なお、加熱処理は、その
後の溶融亜鉛めっき処理とともに連続溶融亜鉛めっきラ
インで連続して行うのが好ましい。溶融亜鉛めっき処理
前の加熱処理では、めっき原板である熱延板は、加熱温
度:700 〜900 ℃に加熱される。めっき処理前に、この
温度域に加熱することにより鋼板表面が活性化され、め
っきの均一性、めっき密着性、耐パウダリング性等のめ
っき品質が良好となるとともに、引張強さが安定して低
下し、溶融亜鉛めっき処理後に良好な引張特性が付与さ
れる。加熱温度が700 ℃未満では、めっきの密着性が低
下する。一方、900 ℃を超えると、結晶粒の粗大化が顕
著となり、また粗大粒と微細粒の混合組織となりフェラ
イト相を均一な平均結晶粒径15μm 以上とすることがで
きず、プレス成形後の外観品質が劣化する。このため、
加熱処理の加熱温度は700 〜900 ℃の範囲の温度に限定
するのが好ましい。なお、加熱処理の保持時間は、20〜
120 sとするのが好ましい。
【0048】加熱処理を施された熱延板は、ついで、溶
融亜鉛めっき処理を施される。加熱処理後、溶融亜鉛め
っき処理までの冷却速度(平均冷却速度)は、2〜50℃
/sとするのが好ましい。冷却速度が2℃/s未満で
は、操業の効率が低下することとなり、一方、50℃/s
を超えると、降伏点が増加することとなる。本発明にお
ける溶融亜鉛めっき処理は、通常、溶融亜鉛めっきライ
ンで行われる条件と同様に、450 〜550 ℃の温度範囲で
溶融亜鉛めっきを施し、鋼板表層に溶融亜鉛めっき層を
形成する。なお、亜鉛浴は、0.10〜0.15%Alを含有する
Zn浴とするのが望ましい。また、めっき処理後、必要に
応じ目付量調整のためのワイピングを行ってよいのはい
うまでもない。
【0049】なお、本発明では、外観性状、耐パウダリ
ング性等めっき品質の更なる改善のためには、上記した
加熱処理の前に、熱延板を、700 〜900 ℃の範囲の温度
に加熱し焼鈍する連続焼鈍処理を施すことが好ましい。
この連続焼鈍処理は、連続焼鈍ライン(CAL)で行う
のが好ましい。連続焼鈍処理の雰囲気は、還元性雰囲気
である、2〜5vol %のH2 ガスを含む窒素ガス中とす
るのが好ましい。連続焼鈍処理の温度は、板温で700 ℃
以上、900 ℃以下とするのが好ましい。溶融亜鉛めっき
処理前の加熱処理に先立って連続焼鈍処理を行うことに
より、溶融亜鉛めっき処理前の加熱処理を行う際の鋼板
表面への合金元素の濃化が軽減されるため、めっき性が
顕著に向上する。連続焼鈍処理の温度が700 ℃未満で
は、この濃化の軽減効果が充分でないため、めっき品質
が劣化することがある。一方、900 ℃を超えると、組織
の粗大化が顕著となり、プレス成形時の肌荒れ等の欠陥
が生じる危険性が増大する。このため、連続焼鈍処理の
加熱温度は700 〜900 ℃の範囲の温度に限定するのが好
ましい。なお、連続焼鈍処理の保持時間は、20〜120 s
とするのが好ましい。なお、連続焼鈍後、溶融亜鉛めっ
き処理前の加熱処理を行う前に酸洗処理を施すことが耐
パウダリング性改善の点で好ましい。
【0050】また、本発明では、溶融亜鉛めっき処理
後、めっき層を合金化する合金化処理を施してもよい。
合金化処理における加熱温度は、470 〜(AC1変態点) の
温度とするのが好ましい。加熱温度が470 ℃未満では、
合金化の進行が遅く生産性が低下する。一方、加熱温度
が、 AC1変態点を超えるとめっき層の合金化が進行しす
ぎてめっき層が脆化する。このため、本発明では、合金
化処理の加熱温度を470〜(AC1変態点) の温度とするの
が好ましい。
【0051】なお、合金化処理後の冷却速度は、80℃ま
で5〜50℃/sの範囲とするのが生産性、材質均一性の
観点から好ましい。また、めっき処理後、あるいは合金
化処理後の鋼板には形状矯正、表面粗さ等の調整のため
調質圧延を加えてもよい。
【0052】
【実施例】(実施例1)表1に示す組成の溶鋼を転炉で
溶製し、連続鋳造法でスラブとした。これらスラブを表
2に示す条件で加熱し、粗圧延してシートバーとし、つ
いで該シートバーに表2に示す条件の仕上圧延を施し、
板厚:1.4mm の薄物熱延鋼板とした。なお、各熱延鋼板
について、仕上げ圧延の最終パスで圧延荷重を測定し、
これより被圧延材の変形抵抗を算出した。得られた変形
抵抗は、通常のC量が0.05%程度の低炭素アルミキルド
鋼の熱間変形抵抗に対する比で表3に示した。
【0053】また、変態点(Ar3変態点)は、加工変態
測定装置(富士電波工機(株)製)を用いて、1000℃加
熱後1パスで50%の圧縮加工を行い、2℃/sで冷却す
る条件にて測定し、表2に示した。得られた各熱延鋼板
に、酸洗を施したのち、連続溶融亜鉛めっきラインで、
表2に示す条件の加熱処理と、表2に示す条件の溶融亜
鉛めっき処理を施し薄物溶融亜鉛めっき鋼板とした。ま
た、多くの鋼板では、溶融亜鉛めっき処理後に表2に示
す条件で合金化処理を施し、薄物合金化溶融亜鉛めっき
鋼板とした。
【0054】溶融亜鉛めっき処理は、溶融亜鉛めっき浴
に鋼板を浸漬して行い、浸漬した鋼板を引上げたのちガ
スワイピングにより目付量を調整した。溶融亜鉛めっき
処理の条件は、 板温:475 ℃ めっき浴:0.13%Al-Zn 浴温:475 ℃ 浸漬時間:3s 目付量:45g/m2 とした。
【0055】得られた薄物めっき鋼板について、鋼板形
状および寸法精度、微視組織、引張特性、耐パウダリン
グ性および肌あれ・リジング模様の発生を調査した。 (1)めっき鋼板形状および寸法精度 得られた薄物めっき鋼板について、鋼板形状(具体的に
は、日本鉄鋼連盟規格(JFS A 3011)に準拠した波高
さ)を観察した。波高さが10mm以下のものを鋼板形状:
きわめて良好とし、波高さが10mm超20mm以下の場合を鋼
板形状:良好、波高さが20mmを上まわる場合を鋼板形
状:劣るとした。
【0056】また、得られた熱延鋼板の長手方向で3箇
所、幅方向で5箇所の計15箇所で、板厚を測定した。測
定値の目標値からのずれ(偏差)を求め、板厚偏差が5
%以下の場合を板厚精度:きわめて良好とし、板厚偏差
が5%超10%未満の場合を板厚精度:良好、10%以上の
場合を板厚精度:劣ると評価した。また、板クラウンが
15μm 未満の場合をクラウン精度:きわめて良好とし、
15μm 以上25μm 未満の場合をクラウン精度:良好、25
μm 以上の場合をクラウン精度:劣ると評価した。な
お、クラウンは鋼板端部から25mm位置と中央部の板厚差
である。 (2)微視組織 各薄物めっき鋼板から試験片を採取し、圧延方向に平行
な断面(L断面)について、光学顕微鏡あるいは走査型
電子顕微鏡を用いて微視組織を観察し、画像解析装置を
用いてフェライトの平均粒径を求めた。
【0057】フェライトの平均結晶粒径は、圧延方向に
平行な断面(L断面)についての組織写真からASTM
に規定の求積法により算出した値またはASTMに規定
の切断法により求めた公称粒径のうち、いずれか大きい
方を採用した。 (3)引張特性 各薄物めっき鋼板からJIS 5号試験片を圧延方向に採取
し、JIS Z 2241の規定に準拠してクロスヘッド速度10/
min で引張試験を実施し、降伏強さYS、引張強さT
S、伸びEl、降伏点伸びY.Elを求めた。なお、降
伏点伸びは腰折れやストレッチャーストレイン発生の目
安とすることができ、降伏点伸びが認められる場合、腰
折れやストレッチャーストレイン発生の危険がある。 (4)耐パウダリング性 各薄物合金化溶融亜鉛めっき鋼板から試験片を採取し、
試験片にセロハン粘着テープを貼付し、該セロハン粘着
テープ貼付部に曲げ半径:1mmR で90゜曲げた後、もと
の状態に曲げ戻しを施したのち、セロハン貼付テープを
引き剥がし、テープ上に付着した亜鉛粉の量を蛍光X線
により測定した。なお、亜鉛粉量は係数管のカウント数
(cps )で表示した。なお、耐パウダリング性は500cps
以下であれば良好と判断される。 (5)肌あれ・リジング模様 各薄めっき鋼板から試験片を採取し、引張試験により15
%の引張歪を与え目視で表面の性状を観察し、肌あれと
リジング模様の発生の有無を調査した。
【0058】これらの結果を表3に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】本発明例では、いずれも鋼板形状および寸
法精度も良好な薄物溶融亜鉛めっき軟鋼板となってお
り、TS:340MPa以下の低強度で優れた延性を有し、かつ
肌あれ、リジング模様の発生も認められなかった。ま
た、溶融亜鉛めっき層の合金化処理を行った場合には、
耐パウダリング性にも優れた薄物合金化溶融亜鉛めっき
軟鋼板となっている。一方、本発明の範囲を外れる比較
例では、強度が増加し、延性・成形性が低下するか、耐
パウダリング性が劣化するか、あるいは通常の低炭素ア
ルミキルド鋼にくらべ変形抵抗が15〜20%増加し、この
ため鋼板形状が乱れ、板厚偏差やクラウン量が大きくな
って、寸法精度が劣化していた。また、肌あれやリジン
グ模様が発生したものもあった。鋼板形状は連続溶融亜
鉛めっき工程で改善される傾向があるが、板厚偏差やク
ラウンについては、改善されないまま、めっき鋼板とな
る。なお、いずれの場合も熱間圧延において圧延割れは
発生しなかった。
【0063】(実施例2)表4に示す組成の溶鋼を転炉
で溶製し、連続鋳造法でスラブとした。これらスラブを
表5に示す条件で加熱し、粗圧延してシートバーとし、
ついで該シートバーに表5に示す条件の仕上圧延を施
し、板厚:1.0 〜2.6mm の薄物熱延鋼板とした。なお、
一部については、相前後するシートバーを溶融圧接法で
接合し連続圧延を行った。また、一部については、シー
トバーの長さ方向端部、幅方向端部を誘導加熱方式のシ
ートバーヒーター、エッジヒーターを使用してシートバ
ーの温度を調整した。また、一部については、仕上圧延
で潤滑圧延を行った。なお、実施例1と同様に、各熱延
鋼板について、仕上げ圧延の最終パスで圧延荷重を測定
し、これから被圧延材の変形抵抗を算出した。なお、得
られた変形抵抗は、C量が0.05%程度の通常の低炭素ア
ルミキルド鋼の熱間変形抵抗に対する比で表6に示し
た。
【0064】また、変態点(Ar3変態点)は、実施例1
と同様に、加工変態測定装置(富士電波工機(株)製)
を用いて、1000℃加熱後、50%の圧縮歪を加え、2℃/
sで冷却する条件にて測定し、表5に示した。得られた
各熱延鋼板に、酸洗を施したのち、連続溶融亜鉛めっき
ラインで、表5に示す条件の加熱処理と、表5に示す条
件の溶融亜鉛めっき処理を施し薄物溶融亜鉛めっき鋼板
とした。また、一部の鋼板には、溶融亜鉛めっき処理後
に表5に示す条件で合金化処理を施し、薄物合金化溶融
亜鉛めっき鋼板とした。
【0065】また、一部の鋼板には、上記した加熱処理
前に別途、連続焼鈍処理を施した。連続焼鈍処理は、連
続焼鈍ラインで実施し、5vol %H2 +N2 雰囲気(露
点:−40℃)で、表2に示す温度で行った。なお、保持
時間は40sとした。なお、連続焼鈍後、連続溶融亜鉛め
っき処理前に軽酸洗を行った。得られた薄物めっき鋼板
について、実施例1と同様に、鋼板形状および寸法精
度、微視組織、引張特性、耐パウダリング性、および肌
あれとリジング模様の発生状況を調査した。
【0066】それらの結果を表6に示す。
【0067】
【表4】
【0068】
【表5】
【0069】
【表6】
【0070】本発明例では、いずれも鋼板形状および寸
法精度が良好な薄物溶融亜鉛めっき軟鋼板となってお
り、TS:340MPa以下の低強度で優れた延性を有し、かつ
肌あれ、リジング模様の発生も認められなかった。ま
た、溶融亜鉛めっき層の合金化処理を行った場合には、
耐パウダリング性にも優れた薄物合金化溶融亜鉛めっき
軟鋼板となっている。また、めっき後に降伏点伸びが発
生しないため、腰折れ等の不具合も皆無である。また、
加熱処理前に連続焼鈍処理を行ったものは、いずれも連
続焼鈍処理を施さないものに比べ、より良好な表面外観
を示した。
【0071】一方、本発明の範囲を外れる比較例では、
強度が増加し、延性が低下するか、あるいは肌あれ、リ
ジング模様が発生するか、その他の特性が劣化してい
る。また、相前後するシートバーを接合し連続圧延を行
うと、鋼板の幅方向、および長手方向の板厚精度が顕著
に向上する。また、シートバーヒーター、シートバーエ
ッジヒーターを使用してシートバー端部の温度調節を行
うと板厚精度が向上する。なお、いずれの場合も熱間圧
延において圧延割れは発生しなかった。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、熱延軟鋼板をめっき原
板とし、低強度で成形性に優れた、板厚:2.6mm 以下の
薄物溶融亜鉛めっき軟鋼板を安定して製造でき、広い分
野で使用されている冷延鋼板をめっき原板とする溶融亜
鉛めっき鋼板に代えて使用可能となり、製造コストの低
減など産業上格段の効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 2/28 C23C 2/28 2/40 2/40 (72)発明者 内田 泰隆 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 石井 和秀 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 安田 顕 東京都千代田区内幸町2丁目2番3号 川 崎製鉄株式会社内 Fターム(参考) 4K027 AA02 AA23 AB02 AB07 AB28 AB42 AC12 AC15 AC18 AE12 4K037 EA01 EA02 EA04 EA11 EA15 EA20 EA31 EB01 EB02 FA02 FA03 FC03 FC04 FE01 FE02 FE03 FF02 FF03 GA05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱延鋼板表面に溶融亜鉛めっき層または
    合金化溶融亜鉛めっき層を有する溶融亜鉛めっき鋼板で
    あって、 前記鋼板が、質量%で、 C:0.0040%以下、 Mn:0.6 〜1.50%、 Al:0.150 %以下 を含み、さらに Ti:{(48/14 )N(%)+ 0.002}〜{6×(48/12
    )C(%)+( 48/14)N(%)}% を含有し、不純物であるSi、P、S、N、NbがSi:0.05
    %以下、P:0.02%以下、S:0.02%以下、N:0.0050
    %以下、Nb:0.005 %以下を満足し、残部Feおよび不可
    避的不純物からなる組成とフェライト相の平均結晶粒径
    が15μm 以上である組織とを有することを特徴とする板
    厚2.6mm 以下の加工性に優れた薄物溶融亜鉛めっき軟鋼
    板。
  2. 【請求項2】 前記組成に加えてさらに、質量%で、
    B:0.0001〜0.0030%を含有することを特徴とする請求
    項1に記載の薄物溶融亜鉛めっき軟鋼板。
  3. 【請求項3】 前記組成に加えてさらに、質量%で、N
    i:0.01〜1%、Cr:0.01〜0.2 %のうちから選ばれた
    1種または2種を含有することを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の薄物溶融亜鉛めっき軟鋼板。
  4. 【請求項4】 質量%で、 C:0.0040%以下、 Mn:0.6 〜1.50%、 Al:0.150 %以下 を含み、さらに Ti:{(48/14 )N(%)+ 0.002}〜{6×(48/12
    )C(%)+( 48/14)N(%)}% を含有し、あるいはさらにB:0.0001〜0.0030%および
    /またはNi:0.01〜1%、Cr:0.01〜0.2 %のうちから
    選ばれた1種または2種を含有し、不純物であるSi、
    P、S、N、NbがSi:0.05%以下、P:0.02%以下、
    S:0.02%以下、N:0.0050%以下、Nb:0.005 %以下
    を満足し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成の
    鋼スラブを、スラブ加熱温度:1000℃以上に加熱し、粗
    圧延してシートバーとし、該シートバーに仕上圧延出側
    温度: 800〜 950℃とする仕上げ圧延を施し、巻取り温
    度: 800〜450 ℃で巻き取る、熱間圧延を施し熱延板と
    し、ついで該熱延板を原板とし、酸洗後、700 〜900 ℃
    に加熱する加熱処理と、溶融亜鉛めっきを施し前記熱延
    板表面に溶融亜鉛めっき層を形成する溶融亜鉛めっき処
    理とを順次行うことを特徴とする板厚2.6mm 以下の加工
    性に優れた薄物溶融亜鉛めっき軟鋼板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記酸洗後で、前記加熱処理の前に、70
    0 〜900 ℃に加熱し焼鈍する連続焼鈍処理を行うことを
    特徴とする請求項4に記載の薄物溶融亜鉛めっき軟鋼板
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 質量%で、 C:0.0040%以下、 Mn:0.6 〜1.50%、 Al:0.150 %以下 を含み、さらに Ti:{(48/14 )N(%)+ 0.002}〜{6×(48/12
    )C(%)+( 48/14)N(%)}% を含有し、あるいはさらにB:0.0001〜0.0030%および
    /またはNi:0.01〜0.2%、Cr:0.01〜1%のうちから
    選ばれた1種または2種を含有し、不純物であるSi、
    P、S、N、NbがSi:0.05%以下、P:0.02%以下、
    S:0.02%以下、N:0.0050%以下、Nb:0.005 %以下
    を満足し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成の
    鋼スラブを、スラブ加熱温度:1000℃以上に加熱し、粗
    圧延してシートバーとし、該シートバーに仕上圧延出側
    温度: 800〜 950℃とする仕上げ圧延を施し、巻取り温
    度:800 〜450 ℃で巻き取る、熱間圧延を施し熱延板と
    し、ついで該熱延板を原板とし、酸洗後、700 〜900 ℃
    に加熱する加熱処理と、溶融亜鉛めっきを施し前記熱延
    板表面に溶融亜鉛めっき層を形成する溶融亜鉛めっき処
    理とを連続して行い、さらに該溶融亜鉛めっき層の合金
    化を行う合金化処理を行うことを特徴とする板厚2.6mm
    以下の加工性および耐パウダリング性に優れた薄物合金
    化溶融亜鉛めっき軟鋼板の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記酸洗後で、前記加熱処理の前に、70
    0 〜900 ℃に加熱し焼鈍する連続焼鈍処理を行うことを
    特徴とする請求項6に記載の薄物合金化溶融亜鉛めっき
    軟鋼板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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