JP2002114676A - 新規なカプサイシノイド様物質を含有する持久力向上用組成物 - Google Patents

新規なカプサイシノイド様物質を含有する持久力向上用組成物

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JP2002114676A
JP2002114676A JP2000308078A JP2000308078A JP2002114676A JP 2002114676 A JP2002114676 A JP 2002114676A JP 2000308078 A JP2000308078 A JP 2000308078A JP 2000308078 A JP2000308078 A JP 2000308078A JP 2002114676 A JP2002114676 A JP 2002114676A
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Toru Fushiki
亨 伏木
Susumu Yazawa
進 矢澤
Tatsuo Watanabe
達夫 渡辺
Shuichi Hashizume
秀一 橋爪
Masatoshi Kato
正俊 加藤
Hiroyuki Inagaki
宏之 稲垣
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Morinaga and Co Ltd
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Morinaga and Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 辛味や侵襲性を有さず、持久力向上、血中ト
リグリセリド量低下作用、血中遊離脂肪酸量増加作用、
血中アドレナリンのレベルの増加作用、血中グルコース
量の増加作用及び酸素消費量増加作用を有する組成物を
提供する。 【解決手段】 以下の一般式: 【化1】 又は 【化2】 で表されるカプサイシノイド様物質を含有することを特
徴とする組成物の使用。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なカプサイシ
ノイド様物質を含有する持久力向上用組成物に関するも
のである。
【0002】
【関連技術】矢澤等は、タイ国で入手したトウガラシの
辛味品種「CH−19」の自殖後代から、辛味のないト
ウガラシ新品種「CH−19甘」を選抜固定し(Yaz
awa, S., Suetome, N., Oka
moto, K., andNamiki, T.
(1989) J. Jap. Soc. Hort.
Sci., 58:601−607)、該「CH−1
9甘」がカプサイシノイドを殆ど含有せず、代わりに新
規なカプサイシノイド様物質(バニリルアルコールの脂
肪酸エステル)を多量に含有することを見いだした。更
に矢澤等は、特開平11−246478号明細書におい
て、これらの新規カプサイシノイド様物質は実際に辛味
を呈さず、また免疫の賦活化作用や体表面温度の上昇作
用などの特異な機能を有することを明らかにした。
【0003】しかしながら、上記の新規カプサイシノイ
ド様物質が実際に持久力向上作用を有していることは知
られていなかった。更に、該新規カプサイシノイド様物
質が血中トリグリセリド量低下作用、血中遊離脂肪酸量
増加作用、血中アドレナリンのレベルの増加作用、血中
グルコース量の増加作用及び酸素消費量増加作用を有し
ていることは具体的に知られていなかった。
【0004】一方、トウガラシの辛味成分であるカプサ
イシンにも血中アドレナリン濃度や遊離脂肪酸濃度の上
昇作用があることが知られていたが、カプサイシンの強
い辛味及び侵襲性のためにその使用が制限され、食品や
医薬、家畜飼料への添加には限界があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、本願の
新規カプサイシノイド様物質はカプサイシンのように辛
味や侵襲性を有さず、しかも持久力向上、血中トリグリ
セリド量低下作用、血中遊離脂肪酸量増加作用、血中ア
ドレナリンのレベルの増加作用、血中グルコース量の増
加作用及び酸素消費量増加作用を有する。
【0006】従って、本発明は、主に、辛味及び侵襲性
を有さない持久力向上用の組成物を提供することを目的
とする。この様な組成物は、辛味及び侵襲性を有するカ
プサイシンを含有した組成物と異なり、容易に食品、医
薬又は家畜飼料として用いることが可能であると考えら
れる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願は、上記の課題を解
決するために、本願の特定のカプサイシノイド様物質を
使用することを開示するものである。すなわち、本発明
は、一般式(1):
【0008】
【化3】 又は
【0009】
【化4】 (式中、nは0〜10の整数)で表されるカプサイシノ
イド様物質を含有することを特徴とする持久力向上用組
成物を提供する。
【0010】上記一般式(1)においてnが3,4又は
5であるカプサイシノイド様物質が好ましく、該カプサ
イシノイド様物質が、4−ヒドロキシ−3−メトキシベ
ンジル (E)−8−メチル−6−ノネノアート(4−
hydroxy−3−methoxybenzyl
(E)−8−methyl−6−nonenoate)
又は4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジル 8−メチ
ルノナノアート (4−hydroxy−3−metho
xybenzyl 8−methylnonanoat
e)である場合が特に好ましい。
【0011】更に、本発明は、本願のカプサイシノイド
様物質を植物体及び/又は果実の形態として配合するこ
とを特徴とする持久力向上組成物を提供する。そのよう
な植物体及び/又は果実は、本願のカプサイシノイド様
物質を実質的な量で含有する。
【0012】該植物体及び/又は果実が、辛味及び侵襲
性を有するカプサイシノイドと本願のカプサイシノイド
様物質との双方を含むときは、その植物体及び果実は、
本願のカプサイシノイド様物質をより多量に含むことが
好ましいことが容易に理解されるであろう。
【0013】該植物体及び果実は、好ましくは無辛味品
種である「CH−19甘」由来である。
【0014】上述のように、今や、本願のカプサイシノ
イド様物質は、優れた持久力向上作用を有することが明
らかとなった。また、本願のカプサイシノイド様物質
は、血中トリグリセリド量低下作用、血中遊離脂肪酸量
増加作用、血中アドレナリンのレベルの増加作用、血中
グルコース量の増加作用及び酸素消費量増加作用を有す
ることも明らかとなった。
【0015】理論に拘束されることは好まないが、本願
のカプサイシノイド様物質の持久力向上作用は、該物質
の持つ血中トリグリセリド量低下作用、血中遊離脂肪酸
量増加作用、血中アドレナリンのレベルの増加作用、血
中グルコース量増加作用及び酸素消費量増加作用の一
部、又は全部の直接的、相加的又は相乗的作用の結果と
してもたらされると考えられる。
【0016】特に、持久性運動中の血中トリグリセリド
濃度や脂肪酸の酸化能力の役割は重要である(Indi
an Jouranal of Experiment
alBiology;Vol.27、PP.910−9
12(October、1989)及び「最新栄養学」
第7版、pp.412−415(健帛社)、等)。
【0017】また、血中トリグリセリド量低下作用、血
中遊離脂肪酸量増加作用、血中アドレナリンのレベルの
増加作用、血中グルコース量の増加作用又は酸素消費量
増加作用は、持久力向上のみならず、生化学的側面から
個体の一般的な代謝能力向上に寄与し得ることは当業者
にとって明らかであろう。
【0018】すなわち、血中トリグリセリド量の低下、
血中遊離脂肪酸量の増加、血中アドレナリンのレベルの
増加、血中グルコース量の増加及び酸素消費量の増加
は、個体のカタボリック(catabolic)な生化
学的応答に関連するものである。そして、これらの生化
学的応答は、貯蔵栄養源の易動化、それらの好気的代謝
系への導入を優勢にし、その結果、個体のエネルギー消
費を活性化して個体のカタボリズム(cataboli
sm)を昂進させるのである。
【0019】従って、上記の各作用は、持久力向上のほ
か、肥満抑制や、代謝状態の改善、例えば一過的な低血
糖の改善など、一般的な個体の栄養状況の改善、健康増
進に有用であり得る。
【0020】ここで、本願のカプサイシノイド様物質
は、「日光」、「五色」などに代表される在来の辛味を
有するトウガラシ品種にも含まれており(矢澤 進ら(1
989)園芸学会雑誌58:601-607)、従来からヒトが食経験
を有するものである。更には、該カプサイシノイド様物
質は、辛味及び侵襲性がなく、カプサイシンと比較して
毒性が低いのことが知られている(特開平11−246
478号明細書)。従って、本発明の組成物は、肥満抑
制のほか、持久力向上作用等を有する医薬品や食品添加
物等として、特に食品としての利用が可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の新規カプサイシノイド様
物質は、該物質を含有するトウガラシの植物体及び/又
は果実から精製・分離することによって調製することが
できる。精製に使用するトウガラシは、「日光」、「五
色」などに代表される在来の辛味を有するトウガラシ品
種由来でも良いが、無辛味品種である「CH−19甘」
を用いるのが、該成分の含有量が高いために特に好まし
い。精製・分離は、当業者にとって良く知られた、溶媒
抽出や、シリカゲルクロマトグラフィーなどの各種のク
ロマトグラフィー、調製用高速液体クロマトグラフィー
などの手段を単独、又は適宜組み合わせることにより行
うことができ、例えば、特開平11−246478号明
細書に記載の方法を用いることができる。
【0022】又、上記のカプサイシノイド様物質は、例
えば、特開平11−246478号明細書に記載の方法
のような対応する脂肪酸エステルとバニリルアルコール
を出発原料としたエステル交換反応により合成すること
ができる。又、その構造式に基づいて、当業者にとって
周知の反応手法を用いることによって合成することも可
能である。
【0023】更には、該カプサイシノイド様物質は、酵
素を用いる合成法により容易に調製することもできる。
すなわち、例えば、所望する化合物に対応する脂肪酸の
エステル及び/又は該脂肪酸を有するトリグリセリド等
の化合物とバニリルアルコールを基質としたリパーゼの
逆反応を利用することにより所望のカプサイシノイド様
物質を得ることができる。なお、この方法は、本出願人
が出願中の特願平11−123474号に記載されてい
る。
【0024】又、該カプサイシノイド様物質は、特に化
合物として純粋に精製・分離又は合成することなく、ト
ウガラシ新品種「CH−19甘」の植物体及び/又は果
実、その乾燥物、粉砕物又は粗抽出物質の形態で配合す
ることが可能である。
【0025】すなわち、トウガラシ新品種「CH−19
甘」は、辛味や侵襲性を有するカプサイシノイドを殆ど
含有せず、代わりに辛味のないカプサイシノイド様物質
(バニリルアルコールの脂肪酸エステル)を多量に含有
するので辛味・侵襲性がなく、カプサイシンと比較して
毒性が低い。従って、食品、食品添加物又は飼料に、或
いは特に経口投与の医薬品に直接、或いは乾燥、粉砕、
粗抽出等の簡単な物理的及び/又は化学的処理を行うだ
けで配合が可能である。
【0026】なお、本明細書中において、「植物体又は
果実の形態」という用語は、該植物体及び/又は果実
の、そのままの形態を、或いはそれの乾燥、粉砕又は粗
抽出等の簡単な物理的及び/又は化学的処理を行った形
態を含むものとする。
【0027】本発明のカプサイシノイド様物質又はそれ
を含有する植物体等による組成物は、特に、血中トリグ
リセリド量低下、血中遊離脂肪酸量増加、血中アドレナ
リンのレベルの増加、血中グルコース量の増加及び酸素
消費量増加作用を有するので、持久力向上のほか、肥満
抑制や、代謝状態の改善、例えば一過的な低血糖の改善
など、一般的な個体の栄養状況の改善、健康増進に有用
である。
【0028】本発明のカプサイシノイド様物質は、経口
又は非経口的に投与することができ、特に、その辛味が
ないので経口投与に好適に用いられ、そして、そのよう
な投与に適する形態に製剤化することにより、持久力向
上、肥満抑制や、代謝状態の改善、例えば一過的な低血
糖の改善など、一般的な個体の栄養状況の改善、健康増
進等の処置剤として供することができる。
【0029】本発明の化合物を臨床的に用いるにあた
り、その投与形態にあわせ、薬学的に許容される添加剤
を加えて各種製剤化の後投与することも可能である。そ
の際の添加剤としては、製剤分野において通常用いられ
る各種の添加剤が使用可能であり、例えば、ゼラチン、
乳糖、白糖、酸化チタン、澱粉、結晶セルロース、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、コーンスターチ、マイクロクリスタリンワッ
クス、白色ワセリン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウ
ム、無水リン酸カルシウム、クエン酸、クエン酸三ナト
リウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ソルビトー
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート、ショ
糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、
ポリビニルピロリドン、ステアリン酸マグネシウム、軽
質無水ケイ酸、タルク、植物油、ベンジルアルコール、
アラビアガム、プロピレングリコール、ポリアルキレン
グリコール、シクロデキストリン又はヒドロキシプロピ
ルシクロデキストリン等が挙げられる。
【0030】これらの添加剤との混合物として製剤化さ
れる剤形としては、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒
剤、散剤若しくは坐薬等の固形製剤;又は例えばシロッ
プ剤、エリキシル剤若しくは注射剤等の液体製剤が挙げ
られ、これらは、製剤分野における通常の方法によって
調製することができる。なお、液体製剤にあっては、用
時に水又は他の適当な媒体に溶解又は懸濁させる形であ
ってもよい。又、特に、注射剤の場合、必要に応じて生
理食塩水又はブドウ糖液に溶解又は縣濁させてもよく、
更に緩衝剤や保存剤を添加してもよい。
【0031】これらの製剤は、本発明の化合物を全薬剤
の1〜100重量%、好ましくは10〜80重量%の割
合で含有することができる。
【0032】本発明のカプサイシノイド様物質を臨床の
場で使用する場合、その投与量及び投与回数は、患者の
性別、年齢、体重、症状の程度及び目的とする処置の種
類と範囲等により異なるが、一般に経口投与の場合、成
人1日あたり1〜50mg/kgを1〜数回に分けて、
又、非経口投与の場合は、1〜10mg/kgを1〜数
回に分けて投与するのが好ましい。
【0033】一方、本発明のカプサイシノイド様物質又
はそれを含有する植物体は、食品に配合することによ
り、持久力向上、肥満抑制や、代謝状態の改善、例えば
一過的な低血糖の改善など、一般的な個体の栄養状況の
改善、健康増進作用を有する食品の製造に有用である。
【0034】本発明のカプサイシノイド様物質は、種々
の食品、例えば、固体、液体、ゾル、ゲル、粉末及び顆
粒状食品に任意に配合することが可能である。該配合
は、当該技術分野で公知の任意の製造方法によって行う
ことができ、例えば、特開平11−246478号明細
書に記載されているような方法により、チョコレート等
の固体食品;スポーツ飲料などの液体食品;あずき粥な
どのレトルト食品等に容易に配合することができる。
【0035】又、上記のカプサイシノイド様物質は、食
品添加物の形態で使用することもできる。本発明のカプ
サイシノイド様物質を含む食品添加物は、当業者にとっ
て周知の方法を用いて、例えば、デキストリン、コーン
スターチ、乳糖等の各種の賦型剤類や乳化剤等の副原料
と共に該カプサイシノイド様物質を混合、造粒又はカプ
セル化等をすることにより製造することができる。ま
た、所望により、保存料や香料などを添加してもよい。
【0036】食品成分中に含まれるカプサイシノイド様
物質は、既述のように必ずしも十分に精製されたもので
ある必要はない。すなわち、例えば、上述のトウガラシ
の無辛味固定品種である「CH−19甘」自体(無処理
物)、その乾燥物(粉砕物)、又は酢酸エチル、エタノ
ール等のアルコール類若しくは食品用乳化剤等の、当該
技術分野において天然物からの抽出に常用される各種溶
剤による「CH−19甘」の抽出物として含有されても
よい。
【0037】更に、本発明の血中トリグリセリド量低
下、血中遊離脂肪酸量増加、血中アドレナリンのレベル
の増加、血中グルコース量の増加及び酸素消費量増加作
用を有するカプサイシノイド様物質又はそれを含有する
植物体は、飼料に配合することにより、一般的な代謝機
能改善作用を有する飼料の製造に有用である。
【0038】本発明のカプサイシノイド様物質は、種々
の飼料、例えば、固体、液体、ゾル、ゲル、粉末及び顆
粒状飼料に任意に配合することが可能である。該配合
は、当業者であれば、食品への該物質の配合と本質的に
同等な方法を用い、又はこれに適宜改変を加えて達成し
得ることを容易に理解するであろう。
【0039】なお、上記のトウガラシの無辛味固定品種
「CH−19甘」は農林水産省種苗管理センターに品種
登録されており、該機関より入手可能である。
【0040】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
るが、実施例は本発明を何ら限定するものではない。
【0041】
【実施例】実施例1:本願新規カプサイシノイド様物質
による血中トリグリセリド量低下、血中遊離脂肪酸量増
加、血中アドレナリンのレベルの増加及び血中グルコー
ス量の増加作用 材料及び方法 6週齢のStd−ddyマウス(雄)を動物室(明期1
8:00〜6:00、暗期6:00〜18:00、室温22
±0.5℃、湿度50%)にて、水と固形飼料(MF)
を自由摂取させて飼育し、1週間後から実験に用いた。
絶食3時間後にカプサイシン(10mg/kg wei
ght)、本願のカプサイシノイド様物質(カプシエイ
ト:4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジル (E)−
8−メチル−6−ノネノアート:4−ヒドロキシ−3−
メトキシベンジル 8−メチルノナノアートの約2:1
の混合物、10mg/kg weight)及びveh
icleをそれぞれ経口投与した。投与0.5、1、2
及び3時間後に心臓より採血し、血中トリグリセリド、
遊離脂肪酸、アドレナリン及びグルコース濃度を測定し
た。
【0042】結果 血中トリグリセリド濃度は、カプサイシン投与群、本願
カプサイシノイド様物質投与群ともに、投与1及び2時
間後にcontrol(vehivcle投与)群に対
して有意に低くなった(図1参照)。
【0043】血中遊離脂肪酸濃度は、カプサイシン投与
群、本願カプサイシノイド様物質投与群ともに、投与1
時間後にcontrol群に対して有意に高くなった
(図2参照)。
【0044】血中のアドレナリン濃度は、カプサイシン
投与群で投与30分後に、本願カプサイシノイド様物質
投与群では投与1、3時間後にcontrol群に対し
て有意に高くなった(図3参照)。
【0045】血中グルコース濃度は、カプサイシン投与
群で投与2及び3時間後にcontrol群に対して有
意に高くなり、また本願カプサイシノイド様物質投与群
では投与後3時間後にcontrol群に対して高くな
った(図4参照)。
【0046】実施例2:本願新規カプサイシノイド様物
質による酸素消費速度、代謝率及び食事性産熱(DI
T)に対する効果 材料及び方法 (1)被験者 健康な女性5人で行った。被験者には、事前に実験内容
についてといつでも辞退できる旨を書類とともに充分説
明し、承諾を得た。被験者の特徴を表1に示した。
【0047】
【表1】表1:被験者の特徴
【0048】(2)実験方法と測定 実験当日、被験者は朝から何も食べ物を摂らないか、又
は食事後5時間以上たった状態で実験を開始した。被験
者を安楽椅子に座らせた状態にし、30分以上安静に保
ってから測定した。実験開始から最初の1時間は安静時
の測定を行った。
【0049】代謝は、METAVINE−N携帯型カロ
リーメーター(商標、株式会社ヴァイン製)を使用し、
酸素消費速度を10分おきに測定することで調べた。
【0050】体温は、テルモ耳式体温計ミミッピA(商
標、テルモ社製)を使用して10分おきに測定し、3回
続けて測定された同じ値を測定値とした。
【0051】血圧は、デジタル式自動血圧計HEM−6
09ファジー(商標、オムロン社製)を使用して、30
分おきに測定した。
【0052】採血は、血液凝固を防ぐためにヘパリン入
りシリンジを使って、30分おきに5mlの容量で行っ
た。
【0053】安静時の測定を1時間行った後、食事の摂
取を行った。食事は、お好み焼き(コントロール)、お
好み焼き+辛味種トウガラシ、お好み焼き+甘味種トウ
ガラシの3パターン夫々について行った。被験者は10
分程度かけて食事を行った。
【0054】その後、食後の測定を開始し食後150分
後まで安静時と同様の実験を行った。
【0055】(3)食事 食事は、お好み焼き(小麦粉20g、だしの素0.4
g、塩0.1g、水45gをよく混ぜ合わせ、油3gで
焼き、ソース5gをかけたもの)と水100mlである
(エネルギー102Kcal、たんぱく質1.8g、脂
質3.3g、糖質16.1g、エネルギー比P:F:C=
7:30:63)。
【0056】カプサイシンの実験では、カプサイシン1
607μg/g、ジヒドロカプサイシン793μg/g
(カプサイシン濃度0.24%)を含む辛味種トウガラ
シ(海老沼食品社製)12gをお好み焼きとともに混ぜ
合わせて焼いた。
【0057】カプシエイト(本願カプサイシノイド様物
質)の実験では、カプシエイト1924μg/g、ジヒ
ドロカプシエイト603μg/g、カプサイシン17μ
g/g、ジヒドロカプサイシン2.5μg/g(カプサ
イシノイド濃度0.25%)を含む甘味種トウガラシ
(森永製菓株式会社製)11.52gを水40mlでペ
ースト状にし、お好み焼きではさんで食べた。ただし、
この場合、飲み水100mlを60mlにして投与し
た。(カプシエイトは水に易溶性であり、一方で熱分解
しやすい傾向があるためである。) (4)統計学的検定 測定値は、平均(Mean)±標準誤差(SE)で表
し、統計学的検定には分散分析(Dunnet)を用い
て、有意水準5%で有意差があったことを示す。分析
は、安静時代謝(安静時の最大最小以外の5回の平均、
又は最初の値を除いた2回)と摂取後の変化量を比較し
た。ただし、食事性産熱の結果は、Student’s
のt−testを用いて検定した。危険率5%以下で有
意差ありとした。また、nは被験者数を示す。
【0058】結果 (1)酸素消費速度及び代謝率 コントロール食後では、120分(食後50分)まで少
し高くなった。辛味種トウガラシ食では、90分(食後
10分)で安静時と比較して有意に高くなった。その
後、230分(食後150分)では低下してきたが、安
静時よりも高い傾向が続いた。甘味種トウガラシ食は1
20分・130分(食後40分・50分)で有意差が認
められ、150分(食後70分)まで高かった。その
後、徐々に低下していった(図5及び6参照)。
【0059】(2)食事性産熱(DIT) 図5及び6の結果をもとに、食後160分間の産熱量増
大を食事性産熱とし、3群で比較した。辛味トウガラシ
では、食事性産熱がコントロール食より有意に高かっ
た。甘味種トウガラシ食でも同様で有意差をもってコン
トロール食より高かった(図7参照)。
【0060】実施例3:本願新規カプサイシノイド様物
質による持久力向上(増強)効果 本願カプサイシノイド様物質(カプシエイト)の持久力
向上作用(マウスの限界遊泳時間)を表2及び図8に示
す。実験は、京大松元式運動量測定流水槽を用いて行っ
た。
【0061】
【表2】表2:本願カプサイシノイド様物質(カプシエ
イト:CLS−B)投与マウスの限界遊泳時間
【0062】表2及び図8から、本願のカプシエイト
(表中ではCLS−B)経口投与群は、投与前、投与後
の間で有意に持久力の増強効果を示したことがわかる。
また、CLS−B経口投与マウスの持久力増強効果は、
基剤(vehicle)投与後の実験群に比べ有意な持
久力増強効果を示したことが明らかである。
【0063】なお、表3は、student'sのt−
testの結果である。
【0064】
【表3】表3:統計検定結果 (群1:CLS−B投与前、群2:基剤投与前、群3C
LS−B投与後、群4:基剤投与後;図8において同
じ)
【発明の効果】本願の新規カプサイシノイド様物質は、
優れた血中トリグリセリド量低下、血中遊離脂肪酸量増
加、血中アドレナリンのレベルの増加、血中グルコース
量の増加及び酸素消費量増加作用有し且つ辛味や毒性が
極めて低いので、本発明の新規カプサイシノイド様物質
を含有する組成物を投与することにより、持久力向上、
肥満抑制、代謝状態の改善及び一般的な健康増進を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、血中トリグセリド量の経時変化を示し
たものである。値は、平均±SEM(n=8〜15)。
【図2】図2は、血中遊離脂肪酸量の経時変化を示した
ものである。値は、平均±SEM(n=8〜15)。
【図3】図3は、血中アドレナリンのレベルの経時変化
を示したものである。値は、平均±SEM(n=8〜1
5)。
【図4】図4は、血中グルコース濃度の経時的変化を示
したものである。値は、平均±SEM(n=8〜1
5)。
【図5】図5は、酸素消費速度の経時的変化を示したも
のである。
【図6】図6は、代謝率の経時的変化を示したものであ
る。
【図7】図7は、食事摂取後160分間の食事性産熱の
比較を表したものである。
【図8】図8は、マウスの限界遊泳時間を示したもので
ある(箱ヒゲ図)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋爪 秀一 神奈川県横浜市鶴見区下末吉2−1−1 森永製菓株式会社研究所内 (72)発明者 加藤 正俊 神奈川県横浜市鶴見区下末吉2−1−1 森永製菓株式会社研究所内 (72)発明者 稲垣 宏之 神奈川県横浜市鶴見区下末吉2−1−1 森永製菓株式会社研究所内 Fターム(参考) 4B018 MD08 MD61 ME04 ME14 4C088 AB50 AC04 BA32 MA52 ZA70 ZC21 ZC33 ZC35 4C206 AA01 DB54 MA01 MA04 ZA70 ZC21 ZC33 ZC35

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1): 【化1】 又は 【化2】 (式中、nは0から10までの整数である。)であらわ
    されるカプサイシノド様物質を含有することを特徴とす
    る持久力向上用組成物。
  2. 【請求項2】 上記カプサイシノイド様物質の構造が、
    一般式(1)においてnが3、4又は5であらわされる
    ことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 上記カプサイシノイド様物質が、4−ヒ
    ドロキシ−3−メトキシベンジル (E)−8−メチル
    −6−ノネノアート又は4−ヒドロキシ−3−メトキシ
    ベンジル 8−メチルノナノアートであることを特徴と
    する請求項1に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 上記カプサイシノイド様物質が、該物質
    を成分として含有する植物体又は果実の形態で配合され
    ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記
    載の組成物。
  5. 【請求項5】 上記植物体又は果実がトウガラシ品種
    「CH−19甘」由来であることを特徴とする請求項4
    に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 更に上記カプサイシノイド様物質が血中
    トリグリセリド量を低下することを特徴とする請求項1
    乃至5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 更に上記カプサイシノイド様物質が血中
    遊離脂肪酸量を増加することを特徴とする請求項1乃至
    5のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 更に上記カプサイシノイド様物質が血中
    アドレナリンのレベルを増加することを特徴とする請求
    項1乃至5のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 更に上記カプサイシノイド様物質が血中
    グルコース量を増加することを特徴とする請求項1乃至
    5のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 更に上記カプサイシノイド様物質が酸
    素消費量を増加することを特徴とする請求項1乃至5の
    いずれか一項に記載の組成物。
  11. 【請求項11】 食品の形態である請求項1乃至10に
    記載の組成物。
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