JP2002113525A - 金属製カバー、その製造方法及びそれに用いるプレス用金型 - Google Patents

金属製カバー、その製造方法及びそれに用いるプレス用金型

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JP2002113525A
JP2002113525A JP2000304533A JP2000304533A JP2002113525A JP 2002113525 A JP2002113525 A JP 2002113525A JP 2000304533 A JP2000304533 A JP 2000304533A JP 2000304533 A JP2000304533 A JP 2000304533A JP 2002113525 A JP2002113525 A JP 2002113525A
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metal
metal plate
shape
metal cover
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Kazuyo Akimoto
一世 秋本
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Sanwa Packing Industry Co Ltd
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Sanwa Packing Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラックの発生を有効に防止すると共に製造
工数を削減し、製造される金属製カバーの品質を向上す
る。 【解決手段】 谷部と隆起部とが第1の方向A1に沿っ
てそれぞれ延び、かつ第1の方向A1と交差する第2の
方向A2に沿って交互に連なって構成される複数の波形
形状9が形成され、各隆起部は第1の方向A1に沿って
周期的に高さが変化されている金属板を含んで構成され
立体形状をなす金属製カバー1であって、第1の方向A
1が立体形状を構成する主要な稜線30に対して交差す
る方向に定められている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例としてアルミニ
ウムや薄板鋼板などの金属板を含んで構成される金属製
カバー、その製造方法及びそれに用いられるプレス用金
型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、熱や騒音、振動などが例とし
て内燃機関などの熱源や音源などから外部に無闇に放散
される事態を防止するために上記熱源や音源に対して各
種のカバーが用いられている。これらのカバーでは、熱
や騒音、振動などのいずれかの放散防止用に単一の目的
で用いられる場合もあるが、複数の目的を兼用する場合
も有る。
【0003】例として、自動車のエンジンのエキゾース
トマニホールド(以下、エキマニ)は、エンジンの運転
に伴い内部を数百度になる高温の燃焼排ガスが、場合に
よっては毎分数百サイクルの脈動する圧力で流過するた
めに、熱や騒音がエンジンルーム内や 車両外部に無闇
に放散されないようにカバーが用いられている。
【0004】このような自動車のエキマニ用のカバー
は、1枚の鉄板からなるカバー材料を、前記エキマニの
外部形状に沿った立体形状にプレス成形して形成される
場合も有るが、前記熱や騒音に対する遮蔽効果を増大す
るために、複数枚の金属板の間に断熱吸音材を挟んだ構
成のカバー材料が用いられる場合も多く、このようなカ
バー材料を、エキマニの外部形状に沿った立体形状にプ
レス成形して形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなカバーにお
いて、エキマニから前述したような高温の熱が伝達さ
れ、また、高周波数の振動が伝達されるため、立体形状
にプレス成形されたカバーの稜線部や、エキマニへの固
定用のボルトを挿通するボルト穴の周辺などにクラック
が発生する場合がある。このようなクラックの発生を防
止するためにカバーに対して各種の工夫がなされてい
る。工夫の一例として、カバーを形成する金属板の板厚
を増大して機械的強度を増大する場合もあるが、この場
合ではカバー全体の重量が増大し、エキマニからの振動
の伝達に伴うカバーの振動の運動量が増大してしまい、
カバーのエキマニへの取付部に返ってクラックが発生し
やすくなるなどの問題点が発生する。
【0006】従って、現状では一旦発生した所定個所の
クラックに対して前述したような対処を行うことでこの
個所のクラックの発生は解消できても、その対処策によ
って他の個所にクラックが発生する場合なども多く、ク
ラックの発生を系統的な対処策で有効に抑制できる技術
は知られていない。
【0007】本発明は、上記問題点を解決しようとして
成されたものであり、その目的は、クラックの発生を有
効に防止することができると共に製造工数を削減でき、
製造される金属製カバーの品質を格段に向上することが
できる金属製カバー、その製造方法及びそれに用いるプ
レス用金型を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の金
属性カバーは、谷部と隆起部とが第1の方向に沿ってそ
れぞれ延び、かつ該第1の方向と交差する第2の方向に
沿って交互に連なって構成される複数の波形形状が形成
され、各隆起部は該第1の方向に沿って周期的に高さが
変化されている金属板を含んで構成され、立体形状をな
す金属製カバーであって、該第1の方向が該立体形状を
構成する主要な稜線に対して交差する方向に定められて
いる。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1におい
て、前記隆起部は、複数の側壁と、該側壁に連なる頂部
とを含んで構成され、該側壁は前記谷部から鈍角をなし
て立ち上がっている場合である。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1におい
て、複数の金属板を含んで構成され、該複数の金属板
は、アルミニウムシートと無機材料或いは金属材料から
なるメッシュ材とから構成される場合である。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項1におい
て、前記立体形状の外周部の少なくとも一部分にフラン
ジ部を形成している場合である。
【0012】請求項5記載の発明は、請求項1におい
て、前記立体形状の外周部の少なくとも一部分に、前記
金属板の端部を折返した折返し部が形成されている場合
である。
【0013】請求項6記載の発明は、請求項1におい
て、他の部材への取付けのためのボルト穴に装着され、
軸線方向両端における一対の平板状の係止部と各係止部
の間に一体に配置されたスリーブとを備えるワッシャ本
体と、該ワッシャ本体の各係止部間に配置され、前記金
属板を挟んで保持するメッシュ材とを含んで構成される
緩衝ワッシャ部材を介して、ボルトによって該他の部材
に取付けられる場合である。
【0014】請求項7記載の発明の金属性カバーの製造
方法は、金属板に、谷部と隆起部とが第1の方向に沿っ
て延び、かつ該第1の方向と交差する第2の方向に沿っ
て連なって構成される複数の波形形状が形成されるよう
に第1波形形成作業を行い、該隆起部に該第1の方向に
沿って周期的にその高さが変化されるように第2波形形
成作業を行って金属板を加工し、該金属板を立体形状に
プレス成形する際に、該隆起部に含まれる複数の側壁が
該谷部に対して鈍角をなして立ち上がる形状となるよう
に成形されるものである。
【0015】請求項8記載の発明は、請求項7におい
て、前記立体形状を形成する際に、前記立体形状の外周
部の少なくとも一部分にフランジ部を形成すると共に、
該フランジ部の波形形状を全屈加工する場合である。
【0016】請求項9記載の発明は、請求項8におい
て、前記フランジ部の全屈加工は、前記金属板に対する
ブランキング加工と同一工程で行われる場合である。
【0017】請求項10記載の発明は、請求項7におい
て、前記金属板をプレス成形工程で立体形状に形成する
際に、前記交差する方向にそれぞれ連なる波形形状と実
質的に同一形状の波形形状が少なくとも部分的に形成さ
れたプレス用金型を用いて該金型に対する該金属板の位
置決めを行うようにした場合である。
【0018】請求項11記載の発明のプレス用金型は、
谷部と隆起部とが第1の方向に連なる複数の波形形状が
形成され、各隆起部はその長手方向に沿って周期的に高
さが変化されている金属板をプレス成形工程で立体形状
に形成する際に用いられるプレス用金型であって、該プ
レス用金型に対する該金属板の位置決めを行うべく、長
手方向に沿って周期的に高さが変化されている該隆起部
を含む該波形形状と実質的に同一形状の波形形状がプレ
ス面の少なくとも一部分に形成されているものである。
【0019】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、金属製カバー
は金属板を立体形状をなすように形成して構成され、こ
の金属板に形成されている複数の波形形状は、谷部と隆
起部とが第1の方向にそれぞれ延び、この第1の方向と
交差する第2の方向に沿って交互に連なって形成され、
各隆起部は第1の方向に沿って周期的に高さが変化され
ている。このとき、第1の方向が立体形状を構成する金
属製カバーの主要な稜線に対して交差する方向に定めら
れている。
【0020】金属製カバーが振動源に対して装着される
とき、振動源からの振動の伝達により金属製カバーも振
動する。この振動により金属製カバーが振動するとき、
前記主要な稜線を中心にしてその両側の金属製カバーの
部位がばたつくように振動する。このような振動が発生
すると、金属製カバーの稜線付近の部位が繰り返しの屈
曲により金属疲労を生しクラックを発生しやすくなる。
【0021】本発明では、金属製カバーに形成されてい
る複数の波形形状の前記第1の方向が前記主要な稜線に
対して交差する方向に定められているので、波形形状が
前記稜線を中心とする振動に対してリブの作用を実現す
る。これにより、金属製カバーの振動を抑制することが
でき、金属製カバーのクラックの発生を防止することが
でき、金属製カバーの品質を格段に向上することができ
る。
【0022】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の金属製カバーの前記隆起部は、複数の側壁とこ
の側壁に連なる頂部とを含んで構成され、側壁は前記谷
部から鈍角をなして立ち上がっている。従って、金属製
カバーはオーバーハング形状を有していないので、この
ような金属製カバーを製造する際にプレス加工により製
造することができる。これにより、製造工程が簡略化さ
れる。
【0023】請求項3記載の発明によれば、請求項1に
記載の金属製カバーは、複数の金属板を含んで構成さ
れ、これら複数の金属板はアルミニウムシートと無機材
料或いは金属材料からなるメッシュ材とから構成され
る。これにより、金属製カバーは軽量化され、熱源や音
源からの振動の伝達に伴う自身の振動による金属製カバ
ーの屈曲部や他の部材への固定部に加わる力を低減する
ことができる。これにより、金属製カバーの前記屈曲部
や前記固定部の振動の振幅が抑制され、クラックの発生
を抑制することができる。これにより、金属製カバーの
品質を格段に向上することができる。
【0024】請求項4記載の発明によれば、請求項1の
金属製カバーにおいて、前記立体形状の外周部の少なく
とも一部分にフランジ部が形成されているので、金属製
カバーが振動する際に前記フランジ部が補強部材の機能
を実現し、金属製カバーの振動の振幅を減少することが
でき、金属製カバーにおけるクラックの発生を抑制する
ことができる。
【0025】請求項5記載の発明によれば、請求項1の
金属製カバーにおいて、前記立体形状の外周部の少なく
とも一部分に、前記金属板の端部を折返した折返し部が
形成されているので、本発明の金属製カバーを例として
自動車用エンジンなどの内燃機関のエキゾーストマニホ
ールドやその他の熱源、振動源に装着する組付け工程や
製造後の金属製カバーのメンテナンスなどの際に、作業
者がブランキングされただけの金属製カバーの外周部に
生じる鋭利な切断端部で手指に創傷を受ける事態が防止
され、この点で金属製カバーの品質を格段に向上するこ
とができる。
【0026】請求項6に記載の発明によれば、請求項1
の金属製カバーは、緩衝ワッシャ部材を介して、ボルト
によって他の部材に取付けられる。緩衝ワッシャ部材
は、他の部材への取付けのための金属製カバーのボルト
穴に装着され、軸線方向両端における一対の平板状の係
止部と各係止部の間に一体に配置されたスリーブとを備
えるワッシャ本体と、ワッシャ本体の各係止部間に配置
され、前記金属板を挟んで保持するメッシュ材とを含ん
で構成されている。
【0027】他の部材が振動源であればこの他の部材か
らは、この他の部材から金属製カバーに直接伝達される
振動に加え、ボルトなどの連結部材を介して他の部材か
ら伝達される振動もある。従って、金属製カバーに伝達
される振動を抑制する要因の一つとして、金属製カバー
を他の部材に取付ける取付部材からの振動伝達を抑制す
ることが挙げられる。
【0028】本発明では、上述したような緩衝ワッシャ
部材を介して金属製カバーを他の部材に取付けるように
しているので、ボルトの軸線方向および軸線方向と交差
する方向の振動はメッシュ材によって吸収され、ボルト
などの取付部材を介して金属製カバーに伝達される振動
を可及的に抑制することができ、この点で金属製カバー
におけるクラックの発生を防止することができ、金属製
カバーの品質を格段に向上することができる。
【0029】請求項7記載の発明によれば、金属製カバ
ーを製造するに際して、上述したような製造方法で製造
されるので、所謂オーバーハング形状が形成される事態
を回避することができるので、立体形状の金属製カバー
をプレス加工により製造することができる。これにより
金属製カバーの製造工程を簡略化することができる。
【0030】請求項8記載の発明によれば、請求項7の
製造方法において、前記立体形状を形成する際に、立体
形状の外周部の少なくとも一部分にフランジ部を形成す
ると共に、フランジ部の波形形状を全屈加工する工程を
含んでいる。
【0031】これにより、本発明の金属製カバーの材料
となる金属板は、前述したように相互に交差する方向に
延びる波形形状が形成されているので、該フランジ部を
形成した後、例としてフランジ部を折返してフランジ部
における鋭利な切断端を外部に露出しないようにするた
めの折返し加工などを行う際に加工が簡単でないことが
想定されるが、本発明では、前述のようにフランジ部に
おける波形形状を全屈させているので後加工が容易にな
り、製造工程が簡略化される。
【0032】請求項9記載の発明では、請求項8の発明
の製造方法において、前記フランジ部の全屈加工は、前
記金属板に対するブランキング加工と同一工程で行われ
る。従って、全屈加工とブランキング加工とを別工程で
行う場合と比較して製造工数が削減される。
【0033】請求項10記載の発明によれば、請求項7
の発明の製造方法において、前記金属板をプレス成形工
程で立体形状に形成する際に使用される金型には、前記
交差する方向にそれぞれ連なる波形形状と実質的に同一
形状の波形形状が少なくとも部分的に形成されている。
【0034】従って、このプレス用金型に金属板を設置
するとき、金属板を金型に対して位置決めを行うことが
できる。これにより、金属板を金型で立体形状にプレス
成形する際に、金属板が金型内で不所望に移動して、立
体形状に対する上記波形形状の延びる方向が不所望な方
向となる事態が防止され、製造される金属製カバーの品
質を格段に向上することができる。更に、金属板を金型
に対して位置決めする特段の作業や位置決めのための装
置、治具が不要になり製造工数を削減することができ、
製造に要する装置を簡略化することができる。
【0035】請求項11記載の発明のプレス用金型は、
金属板の波形形状と実質的に同一形状の波形形状がプレ
ス面に少なくとも部分的に形成されているので、このプ
レス用金型に金属板を設置するとき、金属板を金型に対
して位置決めを行うことができる。これにより、金属板
を金型で立体形状にプレス成形する際に、金属板が金型
内で不所望に移動して、立体形状に対する上記波形形状
の延びる方向が不所望な方向となる事態が防止され、製
造される金属製カバーの品質を格段に向上することがで
きる。更に、金属板を金型に対して位置決めする特段の
作業や位置決めのための装置、治具が不要になり製造工
数を削減することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明を実施例について以下に説
明する。図1〜図17に本発明の一実施例を示す。図1
は本発明の一実施例の金属製カバーであるカバー1をエ
キマニ3に装着した状態の正面図であり、図2は図1の
切断面線X2−X2から見た断面図であり、図3はカバ
ー1の拡大正面図であり、図4は図3の切断面線X4−
X4から見た断面図であり、図5は図3の切断面線X5
−X5から見た断面図であり、図6は図3の切断面線X
6−X6から見た断面図であり、図7は図3の切断面線
X7−X7から見た断面図であり、図8は図1の切断面
線X8−X8から見た簡略化した断面図であり、図9は
本実施例のカバー1の拡大斜視図であり、図10はカバ
ー1に用いられる緩衝ワッシャ部材32付近の断面図で
あり、図11はカバー1の製造工程を説明する工程図で
あり、図12はカバー1の製造工程の概略を説明する系
統図であり、図13は本実施例の第1コルゲートプレス
装置47に用いられる金型の一部の斜視図であり、図1
4は本実施例の第2コルゲートプレス装置55に用いら
れる下型56の断面図であり、図15は本実施例の第2
コルゲートプレス装置55に用いられる上型57の断面
図であり、図16は中間加工材C2の拡大斜視図であ
り、図17は本実施例の第3コルゲートプレス装置70
に用いられる金型74の一部の断面図であり、図18は
ブランキング工程に用いられる金型の簡略化した断面図
である。
【0037】以下、図1及び図2を参照してカバー1の
概略について説明する。自動車のエンジン2などの内燃
機関のエキゾーストマニホールド(以下、エキマニ)3
には、エンジン2の燃焼室から例として600〜700
℃の高温で数百サイクルの周波数で脈動する燃焼排ガス
が通過するため、他の部材であるエキマニ3自身も高温
になり高温の熱輻射を発生する熱源となり、また、エン
ジン2内での燃料の燃焼音などに起因する騒音を外部に
放散する音源及び振動源となる。
【0038】本実施例では、エキマニ3からのこのよう
な高温の熱輻射及び騒音を可及的に抑制するために、後
述される構成を有するカバー1がエキマニ3を覆う態様
に設置されている。本実施例のカバー1は、図2に示さ
れるように、比重が2.7程度のアルミニウム合金から
なる一対の金属板4、5と、金属板4、5に挟まれた無
機繊維などからなる耐熱性吸音材(以下、吸音材)6と
が積層された構成であり、エキマニ3の外観形状煮沿っ
て立体形状に形成され、側壁T1とこの側壁T1の端部
全周を連結する頂部T2とを備えている。側壁T1と頂
部T2とは鈍角をなして連なっている。本実施例におい
て、上記金属板4、5は、アルミニウム箔或いはアルミ
ニウム合金箔、更にはアルミニウムやその合金からなる
薄板を含むものとして説明する。
【0039】本実施例のカバー1に用いられる前記金属
板4、5は、図1〜図7に示されるように、隆起部7と
谷部8とが交互に繰り返された複数の波形形状9が第1
方向A1に沿って延び連なった形状を有している。隆起
部7は、その長手方向に沿って、図3〜図7に示される
ように、谷部8から高さH1を有して立上る第1起立部
10と、高さH1より低い高さH2を有して立上る第2
起立部11とが交互に配列されている。また、前記谷部
8は、図3〜図6に示されるように平坦部12と凹部1
3とが交互に配列されている。
【0040】前記第1起立部10は、谷部8から、図6
に示されるように鈍角である角度θ1をなして略台形状
に立上る一対の側壁14、15と、側壁14、15の各
先端に図3の矢符A1方向に延びてそれぞれ形成される
立上り部17、18と、立上り部位17、18の間の凹
所16とを含んで構成されている。
【0041】一方、前記第2起立部11は、第1起立部
10が後述するように所定の程度押し潰されて形成さ
れ、谷部8から図5に示されるように鈍角である角度θ
2をなして略台形状に立上る一対の側壁19、20と、
側壁19、20の先端が相互に近接方向に折返されて形
成される一対の折返し部21、22と、折返し部21、
22の間の凹部23とを含んで構成されている。前記折
返し部21、22は、折返し方向が相互に近接する方向
となるように屈曲されている。第2起立部11は、第1
起立部10が押圧され屈曲されて形成されるので、前記
谷部8と折返し部21、22との距離は前記高さH1よ
り低い高さH2となる。
【0042】また、前記谷部8の前記凹部13は、図5
及び図6に示されるように、第2起立部11の側壁1
9、20の基端部が第2起立部11の立上り方向とは反
対方向に、図3の矢符A1方向に沿って略円弧状をなし
てそれぞれ凹んだ一対の溝部24、25が形成されて構
成される。この溝部24、25は、金属板4、5の第2
起立部11の立上り方向と反対側では一対の突条26、
27となり、図3の矢符A2方向に沿う屈曲に対する金
属板4、5におけるリブの機能を実現する。また、谷部
8には、前記溝部24、25を形成するプレス加工が施
されるので、その長手方向に沿って、図6に示されるよ
うに周期的な凹凸が形成される。
【0043】このような各第2起立部11および凹部1
3は、複数の波形形状9の延びる方向である前記第1方
向A1と実質的に直交する方向である第2方向A2に沿
ってそれぞれ破線状に連なるように形成される。
【0044】カバー1は、このような形状を有する金属
板4、5をエキマニ3の外形形状に沿った立体形状にプ
レス加工することにより形成される。本発明は、このプ
レス加工の製造方法及びプレス加工用金型にも特徴を有
しており、詳細は後述する。
【0045】立体形状に形成されたカバー1の側壁T1
の外周部には、前記波形形状9が全屈されたフランジ2
8が形成され、このフランジ28はカバー1の内部側に
折返されて折返し部29が形成される。この折返し部2
9を形成しない場合、カバー1の外周部は、ブランキン
グされた金属板4、5の鋭利な切断端部が外部に直接露
出した状態になる。従って、この折返し部29は、車両
の製造工程におけるカバー1の車両エンジン2のエキマ
ニ3への組付け工程において、カバー1を持って作業す
る組付け作業者、或いは、製造後の車両のメンテナンス
の際にカバー1を持つ可能性のある作業者や一般ユーザ
ーが手指に創傷を負わないようにするものである。
【0046】以下、図8を参照して、本実施例のカバー
1の特徴の一つについて説明する。本実施例のカバー1
は前述したようにエキマニ3の外観形状に沿った立体形
状に形成されるので、カバー1には図1に示されるよう
に金属板4、5の屈曲部位である一つ或いは複数の稜線
30が形成される。本実施例では、波形形状9の長手方
向である前記第1方向A1が、これら複数の稜線30の
うちの主要な稜線30に交差する方向となるように、金
属板4、5に対して立体形状へのプレス加工を施す。
【0047】ここで、前記主要な稜線30とは、カバー
1の全体的な形状を特徴付ける比較的大きな曲率が連続
する部位である。即ち、カバー1に形成される大小種々
の折り曲げ部位のうち、カバー1の外観形状を実質的に
決定付ける比較的長寸に亘って延びる折り曲げ部位を指
す。カバー1がエキマニ3に対して装着されるとき、エ
キマニ3からの振動の伝達によりカバー1も振動する。
この伝播された振動によりカバー1が振動するとき、前
記主要な稜線30を中心にしてその両側のカバー1の部
位がばたつくように振動する。このような振動が発生す
ると、カバー1の稜線30付近の部位が繰り返しの屈曲
により金属疲労を生しクラックを発生しやすくなる。
【0048】従って、本実施例では、カバー1に形成さ
れている複数の波形形状9の第1方向A1が前記主要な
稜線30に対して交差する方向、好適には直交する方向
となるように定められているので、波形形状9が前記稜
線30を中心とする振動に対してリブの作用を実現す
る。これにより、カバー1の振動を抑制することがで
き、カバー1のクラックの発生を防止することができ、
カバー1の品質を格段に向上することができる。また、
前記稜線30の延びる方向に沿って発生する振動に対し
ては、前記第2方向A2に沿って破線状に延びる凹部1
3の突条26、27がやはりリブの機能を実現して振動
を抑制する。
【0049】以下、図1、図2及び図10を併せて参照
して、カバー1のエキマニ3への取付け構造について説
明する。カバー1は、図1及び図2に示されるようにボ
ルト31でエキマニ3に取付けられる。エキマニ3はエ
ンジン2の運転時には数百サイクルの振動を発生し、こ
の振動が空気中をカバー1に伝播され、或いはボルト3
1を介してカバー1に伝達される。従って、本実施例で
はカバー1をエキマニ3に取付けるに際して、図10に
示されるような緩衝ワッシャ部材32を用いる。
【0050】緩衝ワッシャ部材32は、エキマニ3への
取付けのためのカバー1の穴径L1のボルト穴33に装
着される。緩衝ワッシャ部材32は、軸線方向両端にお
ける一対の平板状の係止部34、35と、各係止部3
4、35の間に一体に配置された外径L2 L1>L2 ・・・(1) のスリーブ36とを備えるワッシャ本体37と、ワッシ
ャ本体37の各係止部34、35間に配置され、前記金
属板4、5を挟んで保持する円板状の金属メッシュなど
からなる一対のメッシュ材38、39とを含んで構成さ
れている。従って、カバー1のボルト穴33の中で緩衝
ワッシャ部材32は、ボルト31の軸線方向と交差する
方向に隙間44を有している。
【0051】前記ワッシャ本体37は、カバー1に装着
された状態では、上述のような形状であるが、ワッシャ
本体37は、係止部34、35と、例としてスリーブ3
6の約半分の長さで係止部34、35にそれぞれ一体の
短寸スリーブ40、41とから構成される一対の例とし
て同形のワッシャ部品42、43の各短寸スリーブ4
0、41にメッシュ材38、39をそれぞれ装着し、こ
れらをカバー1のボルト穴33に挿入してプレス加工で
短寸スリーブ40、41の遊端部を相互にかしめて一体
化するようにしている。このカシメ工程は、例として、
前記短寸スリーブ40、41の遊端部に矩形状の凹凸を
形成しておき、これらを相互に噛み合わせた後、プレス
加工による凹凸の塑性変形によって相互にかしめて固定
する。
【0052】本実施例のカバー1は、このような構成の
緩衝ワッシャ部材32でエキマニ3に取付けられている
ので、ボルト31の軸線方向の振動は、メッシュ材3
8、39によって吸収される。一方、ボルト31の軸線
方向と交差する方向の振動は、メッシュ材38、39に
よって吸収され、更に前記隙間44によって吸収され
る。これにより、緩衝ワッシャ部材32は、ボルト31
などの取付部材を介してカバー1に伝達される振動を可
及的に抑制することができ、この点でカバー1における
クラックの発生を防止することができ、カバー1の品質
を格段に向上することができる。
【0053】以下、図11〜図17を併せて参照して、
カバー1の製造工程及びそれに用いられるプレス用金型
について説明する。図11の前処理工程a1では、カバ
ー1の材料となる金属板4、5に前述したコルゲート加
工を施す。図12に示されるように、コイル45から巻
解かれた帯材46には、第1コルゲートプレス装置47
で図3を参照して説明した前記隆起部7と谷部8とが図
3に示す第1方向A1に沿って延び、矢符A2方向に連
なって形成される。
【0054】このとき、第1コルゲートプレス装置47
では、例として図13(1)に示されるように、断面が
略台形状の複数の突条48と谷部49とが相互に並行に
交互に形成された下型50が用いられる。また、下型5
0の谷部49に嵌合し断面が台形状の複数の突条51
と、下型50の突条48に嵌合する谷部52とが相互に
並行に交互に形成された上型53が用いられ、下型50
及び上型53を含んで金型54が構成される。
【0055】このような金型でプレス成形された帯材4
6から中間加工材C1が形成される。中間加工材C1に
は、図13(2)に示されるように、一対の立壁B1、
B2と、立壁B1、B2の端部を連結する平坦な頂部B
3とを含んで構成される波形形状9が複数列に亘って形
成される。これにより、帯材46に第1方向A1に沿っ
て延び第2方向A2に沿って波形形状9が連なるコルゲ
ート形状が形成される。
【0056】第1コルゲートプレス装置47を通過して
得られる前記中間加工材C1には、第2コルゲートプレ
ス装置55で、前記頂部B3がプレスされて、図16に
示す中間加工材C2が形成される。中間加工材C2は、
立上り部97、98と、各立上り部97、98の間で、
深さが前記高さH1となるような第1底部99と、第1
底部99の深さよりも深い第2底部100とが形成され
る。立上り部97、98と第1底部99とで、前記第1
起立部10が構成され、第2底部99と後述されるよう
に屈曲される立上り部97、99とで前記第2起立部1
1が構成される。
【0057】この工程に用いられる金型は図14に示す
下型56及び図15に示す上型57を備えている。下型
56は、図13(2)の金属板4、5の一対の立壁B2
の間に進入可能な幅の突条58、59と、突条58、5
9の間の隙間60に配置され、前記第1底部99を形成
するための突条61とを備えており、また、突条58、
59の間の突条61以外の残余の各底部62の間には、
前記溝部24、25を形成するため、第2方向A2に沿
う軸線を有する略半円筒状の複数の切込み63がそれぞ
れ形成されている。各切込み63は前記第2方向に沿っ
て延びる凹条64、65をそれぞれ有している。
【0058】上型57は、図15に示されるように、前
記下型56の複数列の隙間60に対応する複数の突条6
6が、第1方向A1に沿って延び第2方向A2に沿って
配列されている。各突条66には、前記底部62に対応
し、図16の中間加工材C2の前記第2底部100を形
成するための複数の突条67が相互に間隔をあけてそれ
ぞれ形成され、各突条67の間には、前記突条61に対
応し、中間加工材C2の第1底部99を形成するための
複数の突条68がそれぞれ形成されている。
【0059】また、前記各突条67の第2方向A2に沿
う相互の間には、前記切込み63に対応する形状であ
り、図15(2)に拡大図が示される突部69がそれぞ
れ形成されている。突部69には、下方側が下型56の
切込み63に対応した略円弧状の押圧面71が形成さ
れ、押圧面71の周方向両端部には先細状の押圧部7
2、73が形成されている。
【0060】このような下型56と上型57との間に帯
材46を挟んでプレスすることにより、図13(2)に
示される頂部B3が押圧されて、図16に示される立上
り部97、98と第1底部99と第2底部100とが形
成される。また、図16に示す第2底部100の第2方
向A2に沿う相互の間には、立上り部97、98の突出
方向と逆方向に突出する前記突条26、27が形成され
る。このような中間加工材C2の立上り部97、98の
基端部の幅は、前記幅W1に形成される。
【0061】第2コルゲートプレス装置55を通過した
帯材46には、第3コルゲートプレス装置70で、図3
〜図5及び図9にそれぞれ示される折返し部21、22
が形成される。この工程に用いられる金型74は図17
に示す上型75及び下型76を備えている。
【0062】上型75は、中間加工材C2の基端部の幅
W1よりもやや大きい幅W2の開口から内奥になるほど
前記幅W1より幅狭になる傾斜した側壁77、78と、
側壁77、78の最奥端に連なり、図17上方に向けて
凸状に円弧状のガイド部79、80とを備えている。
【0063】一方、複数列の突条部81を有している下
型76は、前記中間加工材C2の基端部の幅W1と同サ
イズかそれよりもやや小さい間隔W3をあけて配置され
る一対の突条82、83と、中間加工材C2の底部9
9、100が嵌り込む突条82、83の間の凹部84と
が形成されている。
【0064】このような上型75及び下型76の間に前
記中間加工材C2を挟んでプレス加工を施すことによ
り、図16に示す立上り部97、98が前記側壁77、
78とガイド部79、80により、相互に近接する方向
に屈曲され、前記折返し部21、22が形成される。こ
れまでの工程で前記前加工工程が終了する。
【0065】第3コルゲートプレス装置70を通過した
帯材46には、図11の工程a2以降のカバー成形工程
が図12のカバー成形プレス装置85で施される。図3
に示される本実施例のコルゲート形状が加工された帯材
46は、所定寸法毎に切断された後、一対の金属板4、
5の間に吸音材6を挟んで、カバー成形プレス装置85
で工程a2のブランキング加工とコイニング加工が同時
に施される。
【0066】本実施例におけるコイニング加工とは、帯
材46の波形形状9をプレス加工で全屈させる加工をい
う。これにより、波形形状9が潰され、金属板4、5の
コイニング加工個所は実質的に平板状になり、後段の折
返し加工などが容易になる。また、コイニング加工を行
うことにより、コイニング個所の硬度が、例として2倍
近くに増大することが本件発明者によって確認されてい
る。
【0067】従って、本実施例では、カバー1をエキマ
ニ3に取付けるボルト31を挿通するボルト穴33付近
を後述するようにコイニング加工するので、カバー1の
エキマニ3への取付強度が格段に向上される。一方、所
定長さに切断された前記金属板4、5は、カバー成形プ
レス後に図1及び図2に示される立体形状を有するカバ
ー1となり得るような大略形状にブランキング加工さ
れ、同時に外周部がコイニング加工される。
【0068】工程a3では、立体形状を付与するフォー
ミング加工を行う。工程a4では、例として、カバー1
のボルト穴33が形成される部位にコイニング加工を行
う。工程a5では、金属板4、5の外周を製品形状とな
るように切断するトリム加工を行う。工程a6、a7で
は、前記コイニング加工されて実質的に平板状になって
いる金属板4、5の外周部に折返し部29を形成すべ
く、フランジ28を90度屈曲し、更に45度屈曲する
折返し加工を行う。工程a8では、金属板4、5のボル
ト穴33が形成されるべき個所などの所定部位に透孔を
穿設するピアス加工と、前記90度から45度屈曲され
た金属板4、5の外周部を完全に折返すクリンチ加工を
行う。
【0069】このようにして、外周に折返し部29が形
成され、所定部位にボルト穴33などが穿設されたカバ
ー1が製造される。
【0070】以下、各製造工程で用いられるプレス加工
用金型について説明する。本実施例において、カバー成
形プレス装置85におけるカバー形状と対応した実際の
金型形状は個別のカバー1に関する設計事項であり、本
実施例では言及しない。本実施例のカバー成形プレス加
工工程における特徴の一つは、本工程に用いられる図1
8に示される金型86に含まれる下型87及び上型88
のプレス面に、前記第3コルゲートプレス装置70を通
過した帯材46の波形形状9と実質的に同一の形状の多
数の位置決め部である位置決め突起89、90を少なく
とも部分的に形成した点である。即ち、切断されて得ら
れた前記金属板4、5を下型87に設置するとき、金属
板4、5の波形形状9の第1起立部10及び第2起立部
11の裏面側の凹部に位置決め突起89が嵌りこみ、下
型87に対して金属板4、5の位置決めが確実に行われ
る。
【0071】上型88は、前記ブランキング加工を行う
ブランキングパンチ92と、コイニングを行うコイニン
グパンチ93とを備える。下型87は、ブランキングパ
ンチ92に対応するブランキングダイ94がクッション
ピン95で支持され、コイニングパンチ93に対応する
ダイ96が設けられる。
【0072】本実施例において、このような金属板4、
5の金型86に対する位置決めを高精度に行う必要は、
金属板4、5に前述した波形形状9が形成されているこ
とに起因する。即ち、本実施例では、カバー1の振動を
可及的に抑制するために、前述したようにカバー1の主
要な稜線30と前記第1方向A1とが、所定の角度、好
適には垂直に交差するように定めている。従って、波形
形状9が形成されている金属板4、5を立体形状にプレ
スして稜線30を形成する工程において、第1方向A1
がプレス加工によって形成される主要な稜線30と直交
するように、金型85に対して高精度に位置決めされる
必要がある。
【0073】以上のように、本実施例によれば、カバー
1は金属板4、5を立体形状をなすように形成して構成
され、この金属板4、5に形成されている複数の波形形
状9は、隆起部7と谷部8とが第2方向A2に連なって
形成され、各隆起部7はその長手方向即ち第1方向A1
に沿って周期的に高さが変化されている。更に、第1方
向A1が立体形状を構成するカバー1の主要な稜線30
に対して交差する方向に定められている。
【0074】従って、波形形状9が前記主要な稜線30
を中心とするカバー1の部位の振動に対してリブの作用
を実現する。これにより、エキマニ3からの振動によ
り、カバー1が前記主要な稜線30を中心にしてその両
側のカバー1の部位がばたつくように振動する事態が抑
制され、カバー1の稜線30付近の部位が繰り返しの屈
曲により金属疲労を生じクラックを発生しやすくなる事
態が防止される。これにより、本実施例のカバー1の振
動を抑制することができ、カバー1のクラックの発生を
防止することができ、カバー1の品質を格段に向上する
ことができる。
【0075】また、本実施例によれば、カバー1の前記
立体形状9は第1起立部10と第2起立部11とを含ん
で構成され、前記第1起立部10に含まれる一対の側壁
14、15は、谷部8から鈍角である角度θ1をなして
略台形状に立ちあがっており、第2起立部11に含まれ
る一対の側壁19、20は、谷部8から鈍角である角度
θ2をなして略台形状に立ち上がっている。従って、カ
バー1はプレス方向に対してオーバーハング形状を有し
ていないので、立体形状のカバー1を製造する際にプレ
ス加工により製造することができる。これにより、製造
工程が簡略化される。
【0076】また、本実施例によれば、カバー1の外周
部の少なくとも一部分にフランジ28が形成されている
ので、カバー1が振動する際にこのフランジ28がリブ
の機能を実現し、カバー1の振動の振幅を減少すること
ができ、カバーに1おけるクラックの発生を抑制するこ
とができる。
【0077】また、本実施例によれば、カバー1の外周
部の少なくとも一部分に、金属板4、5の端部を折返し
た折返し部29が形成されているので、カバー1をエキ
マニ3に装着する組付け工程や製造後のカバー1のメン
テナンスなどの際に、作業者がブランキングされただけ
のカバーの外周部に生じ得る鋭利な切断端部で手指に創
傷を受ける事態が防止される。この点でカバー1の品質
が格段に向上される。
【0078】また、本実施例によれば、カバー1は緩衝
ワッシャ部材32を介して、ボルト31によってエキマ
ニ3に取付けられる。緩衝ワッシャ部材32は、エキマ
ニ3への取付けのためのカバー1のボルト穴33に挿通
されたボルト31に装着され、メッシュ材38、39で
カバー1を挟む構成とされる。
【0079】従って、ボルト31の軸線方向の振動はメ
ッシュ材38、39によって吸収され、軸線方向と交差
する方向の振動はカバー1とメッシュ材38、39との
間の摺動で吸収される。これにより、ボルト31を介し
てカバー1に伝達される振動を可及的に抑制することが
でき、この点でカバー1におけるクラックの発生を防止
することができ、カバー1の品質を格段に向上すること
ができる。
【0080】また、本実施例によれば、カバー1を製造
するに際して、上述したような製造方法で製造されるの
で、所謂オーバーハング形状が形成される事態を回避す
ることができる。これにより、立体形状のカバー1をプ
レス加工により製造することができ、カバー1の製造工
程を簡略化することができる。
【0081】また、本実施例によれば、カバー1を製造
する際に、カバー1の外周部の少なくとも一部分にフラ
ンジ28を形成すると共に、フランジ28の波形形状9
を全屈加工するコイニング工程を含んでいる。即ち、カ
バー1の材料となる金属板4、5は、前述したように相
互に交差する方向に延びる波形形状9が形成されている
ので、フランジ28を形成した後、フランジ28を折返
してフランジ28における鋭利な切断端を外部に露出し
ないようにするために折返し部29を形成する折返し加
工を行う際に加工が簡単でないことが想定されるが、本
実施例では、前述のようにフランジ28における波形形
状9を全屈させているので後加工が容易になり、製造工
程が簡略化される。
【0082】また、本実施例によれば、前記フランジ2
8の全屈加工は、前記金属板4、5に対するブランキン
グ加工と同一工程で行われる。従って、全屈加工とブラ
ンキング加工とを別工程で行う場合と比較して製造工数
が削減される。
【0083】また、本実施例によれば、前記帯材46を
プレス成形工程で立体形状に形成する際に使用される金
型86には、帯材46に形成されている前記交差する方
向にそれぞれ連なる波形形状9と実質的に同一形状の位
置決め突起89、90が少なくとも部分的に形成されて
いる。
【0084】従って、この金型86に帯材46を設置す
るとき、帯材46を金型86に対して容易に位置決めを
行うことができる。これにより、帯材46を金型86で
立体形状にプレス成形する際に、帯材46が金型86内
で不所望に移動して、立体形状に対する上記波形形状9
の延びる方向が不所望な方向となる事態が防止され、製
造されるカバー1の品質を格段に向上することができ
る。ここでいうカバー1の品質とは、波形形状9におけ
る前述した第1方向A1が、カバー1の主要な稜線30
と可及的に垂直に近い角度で交差するようにすることに
より、波形形状9が前述したようにカバー1の振動に対
するリブの作用を効率的に実現できる点での品質であ
る。
【0085】更に、本実施例では、帯材47を金型86
に対して位置決めする特段の作業や位置決めのための装
置、治具が不要になり、この点で製造工数を削減するこ
とができ、製造に要する装置を簡略化することができ
る。
【0086】また、本実施例のカバー1では、アルミニ
ウム合金などからなる一対の金属板4、5及びこれらで
挟まれた耐熱性吸音材6でエキマニ3からの熱輻射や騒
音が吸収され、また、このようなアルミニウム合金から
なる金属板4、5の熱伝導率は、従来から多く用いられ
ているアルミニウムメッキ鋼板などよりも格段に高い熱
伝導率を有しているので、カバー1における熱分布が容
易に均等化され、カバー1に局部的に他の部分よりも高
温のヒートスポットが形成される事態が防止される。こ
れにより、本例のカバー1を用いると、エンジン2の周
囲に配置された各種電装機器類、ハーネス類或いは合成
樹脂材料などからなるホースやダクト類などが上記熱輻
射により過度に昇温し、特性が変化したり熱劣化するな
どの熱害や、車室内の静粛性が損なわれたり、外部の騒
音レベルを増大させたりする不具合の発生を防止するこ
とができる。
【0087】更に、本実施の形態において、カバー1の
不所望な変形や割れの発生が防止されるので、これを達
成するために、カバー1を構成する金属板4、5の板厚
を大きくしたり補強部材を追加したりして、カバー1の
剛性を増大させたり、カバー1のエキマニ2に対する支
持個所を増大させたりする必用が解消される。これによ
り、カバー1の剛性を増大させたときに想定されるカバ
ー1の重量の増大による支持個所付近での割れの可能性
の増大や、カバー1の支持個所を増大させた際に想定さ
れる熱歪による割れの発生を防止することができる。こ
れらの点でもカバー1の信頼性が格段に向上される。
【0088】また、本実施例における第3コルゲートプ
レス装置70を通過した帯材46を適宜長さに切断した
材料を用いてカバー1を製造する際に、当該材料には前
記第1方向A1及び第2方向A2に延びるコルゲート形
状がそれぞれ形成されているので、カバー成形プレス装
置85で当該材料を立体形状に生成する際に、稜線30
や折返し部29などの比較的大きく屈曲される部位で
は、当該コルゲート形状の折返し部21、22が伸長
し、金属板4、5が過度に引っ張られて不要な金属疲労
をもたらす事態が防止される。
【0089】また、本実施例のカバー1は、前述したよ
うにプレス装置を用いて製造されるので、製造工程が簡
略化されコストダウンを図ることができる。
【0090】本実施例において、帯材46に第1方向A
1或いは第2方向A2に沿うコルゲート形状を形成する
際に、第1コルゲートプレス装置47、第2コルゲート
プレス装置55、第3コルゲートプレス装置70及びカ
バー成形プレス装置85を個別に用いる例を示したが、
本発明の変形例として、これらの複数のプレス装置4
7、55、70、85のいくつかを単一の装置として構
成してもよい。これは、本願出願人が既に出願している
特許出願公開平成10年192998号に開示されてい
る、複数のプレス工程を一つの金型で実現する発明に基
づいて実現可能である。
【0091】また、本実施例の金型86において、下型
87及び上型88のプレス面の実質的に全面に位置決め
突起89、90を形成したが、本実施例の変形例とし
て、金属板4、5の金型86に対する位置決めを良好に
行なうことができる範囲で、前記位置決め突起89、9
0をプレス面の一部分にのみ形成するようにしてもよ
い。位置決め突起89、90の機能は、金属板4、5を
金型86に対して高精度の位置決めを行う点にあり、こ
の位置決めが実現できるならば、金属板4、5のプレス
加工により想定される部分的な伸縮状態などを勘案し
て、金型86のプレス面に部分的に形成するようにする
ことは当業者にとって明らかな事項であるからである。 (第2実施例)図19は本発明の第2の実施の形態のカ
バー1aの断面図である。本実施の形態は上記第1の実
施の形態に類似し、対応する部分には同一の参照符号を
付す。カバー1aの特徴は、例として耐熱温度約550
℃程度、比重2.7程度の特性を有する一対のアルミニ
ウム箔101、102で、例としてステンレス鋼などの
材料からなるメッシュ材103を挟む構成したことであ
る。
【0092】本実施の形態では、メッシュ材103を一
対のアルミニウム箔101、102で挟む構成としたの
で、同一形状であれば第1の実施の形態のカバー1より
も重量を軽減することができ、前記第1の実施の形態に
関して説明した作用効果と同種の作用効果を、更に向上
したレベルで実現することができる。
【0093】また、アルミニウムはステンレスなどと比
較し、騒音などの振動が到達した場合、その振動の内部
損失が大きい特性を有することが知られている。これに
より、騒音抑制作用が向上される。しかも、メッシュ材
103を用いる部位に金属板を用いる場合と比較して、
カバー1aの重量を格段に軽減することができる。この
点でも、第1の実施形態で説明した作用効果と同種の作
用効果を更に向上したレベルで実現することができる。
【0094】更に、本実施例によれば、材料の変更によ
りカバー1aは軽量化され、エキマニ3からの振動の伝
達に伴う自身の振動によるカバー1の稜線30付近やボ
ルト31による取付部位に加わる力を低減することがで
きる。これにより、カバー1aの前記稜線30付近や前
記取付部位の振動の振幅が抑制され、クラックの発生を
抑制することができる。これにより、カバー1aの品質
を格段に向上することができる。 (第3実施例)図20は本発明の第3の実施の形態のカ
バー1bの断面図である。本実施の形態は上記第1の実
施の形態に類似し、対応する部分には同一の参照符号を
付す。カバー1bの特徴は、金属板4、5に形成される
隆起部7aの第2起立部11bが、谷部8から立上る基
端部から離反するに従い相互に離間する形状の側壁14
a、15aを有していることであり、側壁14a、15
aの端部を連結して頂部104が形成される。本実施例
の隆起部7aでは第1実施例における折返し部21、2
2は形成されず、隆起部7aは外側に膨らんだ形状を有
している。
【0095】このような形状の波形形状9aを有する金
属板4、5を立体形状にプレス成形する際に、隆起部7
aは伸長する作用を有している。従って、このようなコ
ルゲート形状が形成されたカバー1bであっても、前記
第1実施例のカバー1に関して説明した種々の作用効果
と同様な効果を実現できるのはあきらかである。
【0096】本発明は、上記各実施の形態の例に権利範
囲を限定されるものではなく、本発明の精神逸脱しない
範囲で広範な変形例を含むものである。一例として、前
記各実施例がエキゾーストマニホールドに装着されるカ
バーを示しているのに対し、本発明は、自動車のアンダ
ーカバーやシリンダヘッドカバー、マフラーを含む排気
系統のパイプやダクト類に実施可能であり、更に、実施
対象は自動車に限定されず、遮熱、防音、吸音、制振な
どの機能が要求される任意のカバー類に対して実施可能
であることはいうまでもない。
【0097】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、下記の効
果を奏することができる。請求項1に記載の発明によれ
ば、金属製カバーは金属板を立体形状をなすように形成
して構成され、この金属板に形成されている複数の波形
形状は、谷部と隆起部とが第1の方向にそれぞれ延び、
この第1の方向と交差する第2の方向に沿って交互に連
なって形成され、各隆起部は第1の方向に沿って周期的
に高さが変化されている。このとき、第1の方向が立体
形状を構成する金属製カバーの主要な稜線に対して交差
する方向に定められている。
【0098】金属製カバーが振動源に対して装着される
とき、振動源からの振動の伝達により金属製カバーも振
動する。この振動により金属製カバーが振動するとき、
前記主要な稜線を中心にしてその両側の金属製カバーの
部位がばたつくように振動する。このような振動が発生
すると、金属製カバーの稜線付近の部位が繰り返しの屈
曲により金属疲労を生しクラックを発生しやすくなる。
【0099】本発明では、金属製カバーに形成されてい
る複数の波形形状の前記第1の方向が前記主要な稜線に
対して交差する方向に定められているので、波形形状が
前記稜線を中心とする振動に対してリブの作用を実現す
る。これにより、金属製カバーの振動を抑制することが
でき、金属製カバーのクラックの発生を防止することが
でき、金属製カバーの品質を格段に向上することができ
る。
【0100】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の金属製カバーの前記立体形状は複数の側壁と頂
部とを含んで構成され、側壁は谷部に対して鈍角をなし
て連なっている。従って、金属製カバーはオーバーハン
グ形状を有していないので、このような金属製カバーを
製造する際にプレス加工により製造することができる。
これにより、製造工程が簡略化される。
【0101】請求項3記載の発明によれば、請求項1に
記載の金属製カバーは、複数の金属板を含んで構成さ
れ、これら複数の金属板はアルミニウムシートと無機材
料或いは金属材料からなるメッシュ材とから構成され
る。これにより、金属製カバーは軽量化され、熱源や音
源からの振動の伝達に伴う自身の振動による金属製カバ
ーの屈曲部や他の部材への固定部に加わる力を低減する
ことができる。これにより、金属製カバーの前記屈曲部
や前記固定部の振動の振幅が抑制され、クラックの発生
を抑制することができる。これにより、金属製カバーの
品質を格段に向上することができる。
【0102】請求項4記載の発明によれば、請求項1の
金属製カバーにおいて、前記立体形状の外周部の少なく
とも一部分にフランジ部が形成されているので、金属製
カバーが振動する際に前記フランジ部が補強部材の機能
を実現し、金属製カバーの振動の振幅を減少することが
でき、金属製カバーにおけるクラックの発生を抑制する
ことができる。
【0103】請求項5記載の発明によれば、請求項1の
金属製カバーにおいて、前記立体形状の外周部の少なく
とも一部分に、前記金属板の端部を折返した折返し部が
形成されているので、本発明の金属製カバーを例として
自動車用エンジンなどの内燃機関のエキゾーストマニホ
ールドやその他の熱源、振動源に装着する組付け工程や
製造後の金属製カバーのメンテナンスなどの際に、作業
者がブランキングされただけの金属製カバーの外周部に
生じる鋭利な切断端部で手指に創傷を受ける事態が防止
され、この点で金属製カバーの品質を格段に向上するこ
とができる。
【0104】請求項6に記載の発明によれば、請求項1
の金属製カバーは、緩衝ワッシャ部材を介して、ボルト
によって他の部材に取付けられる。緩衝ワッシャ部材
は、他の部材への取付けのための金属製カバーのボルト
穴に装着され、軸線方向両端における一対の平板状の係
止部と各係止部の間に一体に配置されたスリーブとを備
えるワッシャ本体と、ワッシャ本体の各係止部間に配置
され、前記金属板を挟んで保持するメッシュ材とを含ん
で構成されている。
【0105】他の部材が振動源であればこの他の部材か
らは、この他の部材から金属製カバーに直接伝達される
振動に加え、ボルトなどの連結部材を介して他の部材か
ら伝達される振動もある。従って、金属製カバーに伝達
される振動を抑制する要因の一つとして、金属製カバー
を他の部材に取付ける取付部材からの振動伝達を抑制す
ることが挙げられる。
【0106】本発明では、上述したような緩衝ワッシャ
部材を介して金属製カバーを他の部材に取付けるように
しているので、ボルトの軸線方向および軸線方向と交差
する方向の振動はメッシュ材によって吸収され、ボルト
などの取付部材を介して金属製カバーに伝達される振動
を可及的に抑制することができ、この点で金属製カバー
におけるクラックの発生を防止することができ、金属製
カバーの品質を格段に向上することができる。
【0107】請求項7記載の発明によれば、金属製カバ
ーを製造するに際して、上述したような製造方法で製造
されるので、所謂オーバーハング形状が形成される事態
を回避することができるので、立体形状の金属製カバー
をプレス加工により製造することができる。これにより
金属製カバーの製造工程を簡略化することができる。
【0108】請求項8記載の発明によれば、請求項7の
製造方法において、前記立体形状を形成する際に、立体
形状の外周部の少なくとも一部分にフランジ部を形成す
ると共に、フランジ部の波形形状を全屈加工する工程を
含んでいる。
【0109】これにより、本発明の金属製カバーの材料
となる金属板は、前述したように相互に交差する方向に
延びる波形形状が形成されているので、該フランジ部を
形成した後、例としてフランジ部を折返してフランジ部
における鋭利な切断端を外部に露出しないようにするた
めの折返し加工などを行う際に加工が簡単でないことが
想定されるが、本発明では、前述のようにフランジ部に
おける波形形状を全屈させているので後加工が容易にな
り、製造工程が簡略化される。
【0110】請求項9記載の発明では、請求項8の発明
の製造方法において、前記フランジ部の全屈加工は、前
記金属板に対するブランキング加工と同一工程で行われ
る。従って、全屈加工とブランキング加工とを別工程で
行う場合と比較して製造工数が削減される。
【0111】請求項10記載の発明によれば、請求項7
の発明の製造方法において、前記金属板をプレス成形工
程で立体形状に形成する際に使用される金型には、前記
交差する方向にそれぞれ連なる波形形状と実質的に同一
形状の波形形状が形成されている。
【0112】従って、このプレス用金型に金属板を設置
するとき、金属板を金型に対して位置決めを行うことが
できる。これにより、金属板を金型で立体形状にプレス
成形する際に、金属板が金型内で不所望に移動して、立
体形状に対する上記波形形状の延びる方向が不所望な方
向となる事態が防止され、製造される金属製カバーの品
質を格段に向上することができる。更に、金属板を金型
に対して位置決めする特段の作業や位置決めのための装
置、治具が不要になり製造工数を削減することができ、
製造に要する装置を簡略化することができる。
【0113】請求項11記載の発明のプレス用金型は、
金属板の波形形状と実質的に同一形状の波形形状がプレ
ス面の少なくとも一部分に形成されているので、このプ
レス用金型に金属板を設置するとき、金属板を金型に対
して位置決めを行うことができる。これにより、金属板
を金型で立体形状にプレス成形する際に、金属板が金型
内で不所望に移動して、立体形状に対する上記波形形状
の延びる方向が不所望な方向となる事態が防止され、製
造される金属製カバーの品質を格段に向上することがで
きる。更に、金属板を金型に対して位置決めする特段の
作業や位置決めのための装置、治具が不要になり製造工
数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のカバー1をエキマニ3に装
着した状態の正面図である。
【図2】図1の切断面線X2−X2から見た断面図であ
る。
【図3】カバー1の拡大正面図である。
【図4】図3の切断面線X4−X4から見た断面図であ
る。
【図5】図3の切断面線X5−X5から見た断面図であ
る。
【図6】図3の切断面線X6−X6から見た断面図であ
る。
【図7】図1の切断面線X7−X7から見た簡略化した
断面図である。
【図8】本実施例の特徴を説明する断面図である。
【図9】カバー1の拡大斜視図である。
【図10】カバー1に用いられる緩衝ワッシャ部材32
付近の断面図である。
【図11】カバー1の製造工程を説明する工程図であ
る。
【図12】カバー1の製造工程の概略を説明する系統図
である。
【図13】本実施例の第1コルゲートプレス装置47に
用いられる金型54の一部の斜視図である。
【図14】本実施例の第2コルゲートプレス装置55に
用いられる下型56の断面を示す斜視図である。
【図15】本実施例の第2コルゲートプレス装置55に
用いられる上型57の断面を示す斜視図である。
【図16】本実施例の中間加工材C2の斜視図である。
【図17】本実施例の第3コルゲートプレス装置70に
用いられる金型74の一部の斜視図である。
【図18】ブランキング工程に用いられる金型83の簡
略化した断面図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態のカバー1aの断
面図である。
【図20】本発明の第3の実施の形態のカバー1bの断
面図である。
【符号の説明】
1、1a、1b カバー 2 エンジン 3 エキマニ 4、5 金属板 6 耐熱性吸音材 7、7a 隆起部 8、49、52 谷部 9 波形形状 10 第1起立部 11、11a、11b 第2起立部 12 平坦部 13、16、23、84 凹部 14、15;14a、15a;19、20、77、7
8、T1 側壁 21、22、29 折返し部 24、25 溝部 26、27、48、51、58、59、66、67、6
8、82、83 突条 28 フランジ 30 主要な稜線 31 ボルト 32 緩衝ワッシャ部材 33 ボルト穴 34、35 係止部 36 スリーブ 37 ワッシャ本体 38、39 メッシュ材 44、60 隙間 46 帯材 47 第1コルゲートプレス装置 50、56、76、87 下型 53、57、75、88 上型 54、74、86 金型 55 第2コルゲートプレス装置 70 第3コルゲートプレス装置 72、73 押圧部 79、80 ガイド部 69 突部 63 切込み 64、65 凹条 71 押圧面 72、73 押圧部 85 カバー成形プレス装置 89、90 位置決め突起 101、102 アルミニウム箔 103 メッシュ材 104、B3、T2 頂部 A1 第1方向 A2 第2方向 B1、B2 立壁 C1、C2 中間加工材 θ1 側壁14、15と谷部8との角度 θ2 側壁19、20と谷部8との角度

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】谷部と隆起部とが第1の方向に沿ってそれ
    ぞれ延び、かつ該第1の方向と交差する第2の方向に沿
    って交互に連なって構成される複数の波形形状が形成さ
    れ、各隆起部は該第1の方向に沿って周期的に高さが変
    化されている金属板を含んで構成され、立体形状をなす
    金属製カバーであって、 該第1の方向が該立体形状を構成する主要な稜線に対し
    て交差する方向に定められている金属製カバー。
  2. 【請求項2】前記隆起部は、複数の側壁と、該側壁に連
    なる頂部とを含んで構成され、該側壁は前記谷部から鈍
    角をなして立ち上がっている請求項1に記載の金属製カ
    バー。
  3. 【請求項3】複数の金属板を含んで構成され、該複数の
    金属板は、アルミニウムシートと無機材料或いは金属材
    料からなるメッシュ材とから構成される請求項1に記載
    の金属製カバー。
  4. 【請求項4】前記立体形状の外周部の少なくとも一部分
    にフランジ部を形成している請求項1に記載の金属製カ
    バー。
  5. 【請求項5】前記立体形状の外周部の少なくとも一部分
    に、前記金属板の端部を折返した折返し部が形成されて
    いる請求項1に記載の金属製カバー。
  6. 【請求項6】他の部材への取付けのためのボルト穴に装
    着され、軸線方向両端における一対の平板状の係止部と
    各係止部の間に一体に配置されたスリーブとを備えるワ
    ッシャ本体と、該ワッシャ本体の各係止部間に配置さ
    れ、前記金属板を挟んで保持するメッシュ材とを含んで
    構成される緩衝ワッシャ部材を介して、ボルトによって
    該他の部材に取付けられる請求項1に記載の金属製カバ
    ー。
  7. 【請求項7】金属板に、谷部と隆起部とが第1の方向に
    沿って延び、かつ該第1の方向と交差する第2の方向に
    沿って連なって構成される複数の波形形状が形成される
    ように第1波形形成作業を行い、 該隆起部に該第1の方向に沿って周期的にその高さが変
    化されるように第2波形形成作業を行って金属板を加工
    し、 該金属板を立体形状にプレス成形する際に、該隆起部に
    含まれる複数の側壁が該谷部に対して鈍角をなして立ち
    上がる形状となるように成形される金属製カバーの製造
    方法。
  8. 【請求項8】前記立体形状を形成する際に、前記立体形
    状の外周部の少なくとも一部分にフランジ部を形成する
    と共に、該フランジ部の波形形状を全屈加工する請求項
    7に記載の金属製カバーの製造方法。
  9. 【請求項9】前記フランジ部の全屈加工は、前記金属板
    に対するブランキング加工と同一工程で行われる請求項
    8に記載の金属製カバーの製造方法。
  10. 【請求項10】前記金属板をプレス成形工程で立体形状
    に形成する際に、前記交差する方向にそれぞれ連なる波
    形形状と実質的に同一形状の波形形状が少なくとも部分
    的に形成されたプレス用金型を用いて該金型に対する該
    金属板の位置決めを行うようにした請求項7記載の金属
    製カバーの製造方法。
  11. 【請求項11】谷部と隆起部とが第1の方向に連なる複
    数の波形形状が形成され、各隆起部は該第1の方向に沿
    って周期的に高さが変化されている金属板をプレス成形
    工程で立体形状に形成する際に用いられるプレス用金型
    であって、 該プレス用金型に対する該金属板の位置決めを行うべ
    く、長手方向に沿って周期的に高さが変化されている該
    隆起部を含む該波形形状と実質的に同一形状の波形形状
    がプレス面の少なくとも一部分に形成されているプレス
    用金型。
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