JP2002113444A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】 明細書
【発明の名称】 植物性有機系廃棄物処理装置及び方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】 食品廃棄物、農業廃棄物あるいは林業廃棄物のうち植物性有機系廃棄物を処理する装置であって、
飽和水蒸気を用いることにより滅菌条件及び種子の不稔化条件を満足する処理条件で植物性有機系廃棄物を蒸気分解する反応器と、
該反応器が飽和水蒸気圧となるように前記反応器に水蒸気を供給する蒸気供給手段とを備え、
前記蒸気分解によって前記植物性有機系廃棄物を半固形状態の分解物とすることを特徴とする植物性有機系廃棄物処理装置。
【請求項2】 食品廃棄物、農業廃棄物あるいは林業廃棄物のうち植物性有機系廃棄物を処理する装置であって、
飽和水蒸気を用いることにより滅菌条件及び種子の不稔化条件を満足する処理条件で植物性有機系廃棄物を蒸気分解する反応器と、
該反応器に設けられ、当該反応器を加熱することにより前記植物性有機系廃棄物に含まれる水分を水蒸気化させて前記反応器内を飽和水蒸気圧とする加熱手段とを備え
前記蒸気分解によって前記植物性有機系廃棄物を半固形状態の分解物とすることを特徴とする植物性有機系廃棄物処理装置。
【請求項3】 食品廃棄物、農業廃棄物あるいは林業廃棄物のうち植物性有機系廃棄物を処理する装置であって、
飽和水蒸気を用いることにより滅菌条件及び種子の不稔化条件を満足する処理条件で植物性有機系廃棄物を蒸気分解する反応器と、
該反応器内が飽和水蒸気圧となるように前記反応器に水蒸気を供給する蒸気供給手段と、
前記蒸気分解に先立って種々のものが混在した廃棄物から前記植物性有機系廃棄物を分別する分別手段及び前記蒸気分解に先立って前記植物性有機系廃棄物を破砕する破砕手段のいずれか一方あるいは両方からなる前処理手段と、
前記反応器による分解物に肥料化、燃料化または乾燥化のいずれかの処理を施す処理手段とを備え、
前記蒸気分解によって前記植物性有機系廃棄物を半固形状態の分解物とすることを特徴とする植物性有機系廃棄物処理装置。
【請求項4】 食品廃棄物、農業廃棄物あるいは林業廃棄物のうち植物性有機系廃棄物を処理する装置であって、
飽和水蒸気を用いることにより滅菌条件及び種子の不稔化条件を満足する処理条件で植物性有機系廃棄物を蒸気分解する反応器と、
該反応器に設けられ、当該反応器を加熱することにより前記植物性有機系廃棄物に含まれる水分を水蒸気化して前記反応器内を飽和水蒸気圧とする加熱手段と、
前記蒸気分解に先立って種々のものが混在した廃棄物から前記植物性有機系廃棄物を分別する分別手段及び前記蒸気分解に先立って前記植物性有機系廃棄物を破砕する破砕手段のいずれか一方あるいは両方からなる前処理手段と、
前記反応器による分解物に肥料化、燃料化または乾燥化のいずれかの処理を施す処理手段とを備え、
前記蒸気分解によって前記植物性有機系廃棄物を半固形状態の分解物とすることを特徴とする植物性有機系廃棄物処理装置。
【請求項5】 反応器における蒸気分解の処理温度は80〜374°Cであることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の植物性有機系廃棄物処理装置。
【請求項6】 破砕手段は反応器内に設けた回転翼を回転させることによって植物性有機系廃棄物を破砕することを特徴とする請求項3〜5いずれかに記載の植物性有機系廃棄物処理装置。
【請求項7】 食品廃棄物、農業廃棄物あるいは林業廃棄物のうち植物性有機系廃棄物を処理する方法であって、
飽和水蒸気を用いることにより滅菌条件及び種子の不稔化条件を満足する処理条件で前記植物性有機系廃棄物を蒸気分解して半固形状態の分解物とすることを特徴とする植物性有機系廃棄物処理方法。
【請求項8】 食品廃棄物、農業廃棄物あるいは林業廃棄物のうち植物性有機系廃棄物を処理する方法であって、
種々のものが混在した廃棄物から植物性有機系廃棄物を分別する分別工程及び前記植物性有機系廃棄物を破砕する破砕工程のいずれか一方あるいは両方からなる前処理工程と、
飽和水蒸気を用いることにより滅菌条件及び種子の不稔化条件を満足する処理条件において前記植物性有機系廃棄物を反応器で蒸気分解して半固形状態の分解物とする工程と、
前記分解物に肥料化、燃料化または乾燥化のいずれかの処理を施す処理工程と
を有することを特徴とする植物性有機系廃棄物処理方法。
【請求項9】 植物性有機系廃棄物が水分を含む場合には、前記植物性有機系廃棄物を加熱することによって発生した飽和水蒸気を用いることを特徴とする請求項7または8記載の植物性有機系廃棄物処理方法。
【請求項10】 反応器における蒸気分解の処理温度は80〜374°Cであることを特徴とする請求項7〜9いずれかに記載の植物性有機系廃棄物処理方法。
【請求項11】 破砕工程では反応器内に設けた回転翼を回転させることによって植物性有機系廃棄物を破砕することを特徴とする請求項8〜10いずれかに記載の植物性有機系廃棄物処理方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品廃棄物、農業廃棄物あるいは林業廃棄物のうち植物性有機系廃棄物を処理して再利用可能にする植物性有機系廃棄物処理装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
このような植物性有機系廃棄物の処理方法としては、例えば発酵処理を用いて植物性有機系廃棄物を堆肥化する技術が知られている。しかし、この技術の場合、発酵処理を用いるために処理時間が長いという欠点があり、大量の植物性有機系廃棄物の処理には適していない。また、この場合、植物性有機系廃棄物を処理後に肥料として使う場合には滅菌及び不稔化が必要であるという欠点もある。したがって、このような発酵処理を用いた処理方法は、植物性有機系廃棄物を短時間かつ簡単に処理することができない。
【0003】
一方、農業廃棄物あるいは間伐処理材等の林業廃棄物については、各種の処理方法が提案されているが、有効な方法が確立されていないのが現状である。
【0004】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、以下の点を目的とするものである。
(1)植物性有機系廃棄物を短時間で処理する。
(2)植物性有機系廃棄物を簡単な工程で処理する。
(3)植物性有機系廃棄物を効率良く処理する。
(4)特に滅菌工程及び不稔化工程を設けることなく植物性有機系廃棄物を処理する。
(5)比較的小さなエネルギで植物性有機系廃棄物を処理する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、植物性有機系廃棄物処理装置に係わる第1の手段として、食品廃棄物、農業廃棄物あるいは林業廃棄物のうち植物性有機系廃棄物を処理する装置において、飽和水蒸気を用いることにより滅菌条件及び種子の不稔化条件を満足する処理条件で植物性有機系廃棄物を蒸気分解する反応器と、該反応器が飽和水蒸気圧となるように反応器に水蒸気を供給する蒸気供給手段とを備え、蒸気分解によって植物性有機系廃棄物を半固形状態の分解物とする、という手段を採用する。
【0006】
また、植物性有機系廃棄物処理装置に係わる第2の手段として、食品廃棄物、農業廃棄物あるいは林業廃棄物のうち植物性有機系廃棄物を処理する装置において、飽和水蒸気を用いることにより滅菌条件及び種子の不稔化条件を満足する処理条件で植物性有機系廃棄物を蒸気分解する反応器と、該反応器に設けられ、当該反応器を加熱することにより植物性有機系廃棄物に含まれる水分を水蒸気化させて反応器内を飽和水蒸気圧とする加熱手段とを備え、蒸気分解によって前記植物性有機系廃棄物を半固形状態の分解物とする、という手段を採用する。
【0007】
植物性有機系廃棄物処理装置に係わる第3の手段として、食品廃棄物、農業廃棄物あるいは林業廃棄物のうち植物性有機系廃棄物を処理する装置において、飽和水蒸気を用いることにより滅菌条件及び種子の不稔化条件を満足する処理条件で植物性有機系廃棄物を蒸気分解する反応器と、該反応器内が飽和水蒸気圧となるように反応器に水蒸気を供給する蒸気供給手段と、蒸気分解に先立って種々のものが混在した廃棄物から植物性有機系廃棄物を分別する分別手段及び蒸気分解に先立って植物性有機系廃棄物を破砕する破砕手段のいずれか一方あるいは両方からなる前処理手段と、反応器による分解物に肥料化、燃料化または乾燥化のいずれかの処理を施す処理手段とを備え、蒸気分解によって植物性有機系廃棄物を半固形状態の分解物とする、という手段を採用する。
【0008】
植物性有機系廃棄物処理装置に係わる第4の手段として、食品廃棄物、農業廃棄物あるいは林業廃棄物のうち植物性有機系廃棄物を処理する装置において、飽和水蒸気を用いることにより滅菌条件及び種子の不稔化条件を満足する処理条件で植物性有機系廃棄物を蒸気分解する反応器と、該反応器に設けられ、当該反応器を加熱することにより植物性有機系廃棄物に含まれる水分を水蒸気化して反応器内を飽和水蒸気圧とする加熱手段と、蒸気分解に先立って種々のものが混在した廃棄物から植物性有機系廃棄物を分別する分別手段及び蒸気分解に先立って植物性有機系廃棄物を破砕する破砕手段のいずれか一方あるいは両方からなる前処理手段と、反応器による分解物に肥料化、燃料化または乾燥化のいずれかの処理を施す処理手段とを備え、蒸気分解によって前記植物性有機系廃棄物を半固形状態の分解物とする、という手段を採用する。
【0009】
植物性有機系廃棄物処理装置に係わる第5の手段として、上記第1〜第4いずれかの手段において、反応器における蒸気分解の処理温度を80〜374°Cとする、という手段を採用する。
【0010】
植物性有機系廃棄物処理装置に係わる第6の手段として、上記第3〜第5いずれかの手段において、破砕手段は反応器内に設けた回転翼を回転させることによって植物性有機系廃棄物を破砕する、という手段を採用する。
【0011】
また、本発明では、植物性有機系廃棄物処理方法に係わる第1の手段として、食品廃棄物、農業廃棄物あるいは林業廃棄物のうち植物性有機系廃棄物を処理する方法において、飽和水蒸気を用いることにより滅菌条件及び種子の不稔化条件を満足する処理条件で植物性有機系廃棄物を蒸気分解して半固形状態の分解物とする、という手段を採用する。
【0012】
植物性有機系廃棄物処理方法に係わる第2の手段として、食品廃棄物、農業廃棄物あるいは林業廃棄物のうち植物性有機系廃棄物を処理する方法において、種々のものが混在した廃棄物から植物性有機系廃棄物を分別する分別工程及び植物性有機系廃棄物を破砕する破砕工程のいずれか一方あるいは両方からなる前処理工程と、飽和水蒸気を用いることにより滅菌条件及び種子の不稔化条件を満足する処理条件において植物性有機系廃棄物を反応器で蒸気分解して半固形状態の分解物とする工程と、分解物に肥料化、燃料化または乾燥化のいずれかの処理を施す処理工程とを有する、という手段を採用する。
【0013】
植物性有機系廃棄物処理方法に係わる第3の手段として、上記第1あるいは第2の手段において、植物性有機系廃棄物が水分を含む場合には、植物性有機系廃棄物を加熱することによって発生した飽和水蒸気を用いる、という手段を採用する。
【0014】
植物性有機系廃棄物処理方法に係わる第4の手段として、上記第1〜第3いずれかの手段において、反応器における蒸気分解の処理温度を80〜374°Cとする、という手段を採用する。
【0015】
植物性有機系廃棄物処理方法に係わる第5の手段として、上記第2〜第4いずれかの手段において、破砕工程では反応器内に設けた回転翼を回転させることによって植物性有機系廃棄物を破砕する、という手段を採用する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係わる植物性有機系廃棄物処理装置及び方法の実施形態について説明する。
【0017】
〔第1実施形態〕
まず、本発明の第1実施形態、つまり植物性有機系廃棄物を肥料化する植物性有機系廃棄物処理装置及び方法について説明する。図1は、本第1実施形態に係わる植物性有機系廃棄物処理装置のブロック図である。この図において、符号1は分別装置、2は破砕機、3はボイラ(蒸気供給手段)、4は固気液分離装置、5は乾燥装置、6は調整装置、7は造粒装置、またR1〜Rnは反応器である。なお、これら各構成要素のうち、固気液分離装置4〜造粒装置7は、本実施形態における肥料化手段Hを構成するものである。
【0018】
分別装置1は、植物性有機系廃棄物に種々のものが混在した都市ゴミ(一般廃棄物)から植物性有機系廃棄物のみを分別するためのものである。例えば、この分別装置1は、一般廃棄物から金属類、紙類、セラミックス類及びプラスチック類等を手選別や機械選別の手法を用いて抽出し、植物性有機系廃棄物としての生ゴミのみを破砕機2に供給する。破砕機2は、植物性有機系廃棄物を細かく砕くためのものであり、後段の反応器R1〜Rnにおける効率的な蒸気分解反応を実現するためのものである。なお、植物性有機系廃棄物が十分に細かい場合には、破砕機2は不要である。
【0019】
上記分別装置1から破砕機2に供給された植物性有機系廃棄物、及び分別装置1を介することなく破砕機2に直接投入される農業廃棄物は、破砕機2によって細かく破砕されて処理対象の植物性有機系廃棄物Uとして反応器R1〜Rnに供給される。ここで、農業廃棄物は、わら、籾殻、農産物屑等の植物性有機系廃棄物のみからなるものであり、植物性有機系廃棄物に対して不純物となるものを含まないものである。このような農業廃棄物は、市場、農協あるいは農家等から回収され、破砕機2に専用の投入口から直接投入される。なお、植物性有機系廃棄物のみからなる廃棄物としては、上記農業廃棄物の他に山林から排出される間伐材等の林業廃棄物が考えられる。
【0020】
破砕機2は、複数設けられた反応器R1〜Rnに対して所定の順番で所定量の植物性有機系廃棄物Uを順次供給するように構成されている。ボイラ3は、破砕機2による植物性有機系廃棄物Uの供給に同期して各反応器R1〜Rnに水蒸気を供給するものである。なお、分別装置1から出力される植物性有機系廃棄物及び農業廃棄物が十分に小さい場合には、当然に破砕機2は不要となる。
【0021】
反応器R1〜Rnは、ボイラ3から供給された水蒸気を用いて植物性有機系廃棄物Uを蒸気分解するものである。この反応器R1〜Rnにおける蒸気分解の処理条件は、植物性有機系廃棄物Uを十分に分解する条件として実験的に予め設定されると共に、植物性有機系廃棄物Uの滅菌条件及び植物性有機系廃棄物に含まれる種子の不稔化条件をも満足するように設定されている。上記滅菌条件は、例えば処理温度:120゜C、処理圧力:1.12気圧、処理時間:20分である。また、不稔化条件は、タンパク質が分解を開始する温度、つまり処理温度:80゜C程度である。
【0022】
なお、反応器R1〜Rnにおける処理温度については、上記80゜Cから水の超臨界温度:374゜Cの範囲内で、かつ飽和水蒸気圧等を考慮して170゜C〜180゜C程度が好ましい。また、処理圧力については、高圧ガス保安法の範疇ではない10気圧未満とすることが好ましい。処理時間については、数時間もあれば十分である。
【0023】
反応器R1〜Rnから取り出される植物性有機系廃棄物Uの分解物Bは、植物性有機系廃棄物Uが水蒸気によって半固形状態となったものである。固気液分離装置4は、このような分解物Bから固形成分のみを分離して乾燥装置5に供給するものである。また、この固気液分離装置4は、分解物Bから液体成分を分離し、液体肥料として外部に排出するようにも構成されている。また、固気液分離装置4によって分離された気体は、臭気が問題となる場合もあるので、ボイラーで処理(燃焼脱臭)することも考えられる。気体中の有機分は、燃料として再利用される。乾燥装置5は、固気液分離装置4から供給された分解物Bの固形成分を乾燥させるためのものである。この乾燥装置5は、乾燥状態の固形成分の一部を調整装置6に供給すると共に、残りを肥料原料として外部に排出するように構成されている。
【0024】
調整装置6は、分解物Bの固形成分の成分調整を行うためのものである。この調整装置6は、例えば硫安や硝安等を肥料として必要な成分として分解物Bの固形成分に添加することにより成分調整を行う。造粒装置7は、調整装置6によって成分調整された分解物Bの固形成分を粒状に成形するためのものである。造粒装置7によって粒状とされた分解物Bの固形成分は、粒状肥料として外部に出荷される。
【0025】
次に、このように構成された植物性有機系廃棄物処理装置の動作について、さらに詳しく説明する。
【0026】
回収車によって回収された都市ゴミあるいは分別装置1にかけられて植物性有機系廃棄物のみが破砕機2に投入されると共に、回収された農業廃棄物(植物性有機系廃棄物)は破砕機2に直接投入される。破砕機2は、このように投入された植物性有機系廃棄物を細かく砕いた後に反応器R1〜Rnに供給するが、本反応器R1〜Rnはバッチ処理を行うようにできているため、予め決められた順番で各反応器R1〜Rnに植物性有機系廃棄物Uを供給する。
【0027】
例えば、破砕機2は、反応器R1→反応器R2→……→反応器Rnの順番で植物性有機系廃棄物Uを順次供給する。そして、植物性有機系廃棄物Uが供給されると、各反応器R1〜Rnにはボイラ3から水蒸気Jがそれぞれ供給されて封止される。各反応器R1〜Rnにおける処理時間は数時間に予め決められており、一番最後の反応器Rnに植物性有機系廃棄物Uを供給した時点において、一番最初に植物性有機系廃棄物Uが供給された反応器R1については所定の処理時間が経過するようになっている。
【0028】
すなわち、本第1実施形態では、複数の反応器R1〜Rnを設けることにより、連続処理に近い形で植物性有機系廃棄物Uを蒸気分解することができる。そして、各反応器R1〜Rnの分解物Bは、肥料化手段H(正確には固気液分離装置4)に順次供給されて粒状肥料とされる。
【0029】
ここで、各反応器R1〜Rnは、数時間に亘る蒸気分解によって植物性有機系廃棄物Uを十分に半固形状に処理するので、例えば発酵処理を用いて植物性有機系廃棄物Uを半固形状に処理する場合に比較して、極めて短時間で植物性有機系廃棄物Uを処理することが可能である。なお、発酵処理を用いる場合には、少なくとも数日の処理時間を要する。
【0030】
また、上述したように各反応器R1〜Rnにおける処理条件は、植物性有機系廃棄物Uの滅菌条件及び植物性有機系廃棄物Uに含まれる種子の不稔化条件を満足するように設定されているので、分解物B中に含まれる雑菌は殆ど死滅すると共に種子は発芽不能状態となる。すなわち、植物性有機系廃棄物Uには、蒸気分解処理の過程で同時に滅菌処理と不稔化処理が施されるので、本第1実施形態によれば、これらの処理を別途行う必要がなく、処理工程が極めて簡単である。
【0031】
また、本第1実施形態では、各反応器R1〜Rnはボイラ3から供給された水蒸気Jを用いて植物性有機系廃棄物Uを蒸気分解するので、植物性有機系廃棄物Uを反応器R1〜Rn内に投入し、かつ水蒸気Jを反応器R1〜Rn内に封入後、植物性有機系廃棄物Uは水蒸気Jによって速やかに分解される。すなわち、本第1実施形態は、分解処理の立ち上がりが良く、この分、反応時間を短縮することができる。
【0032】
さらに、反応器R1〜Rnの個数及び容量を調節することにより、大規模化あるいは小規模化することが容易である。すなわち、植物性有機系廃棄物処理装置に要求される処理能力に応じてシステム規模を容易に可変することが可能である。
【0033】
なお、本第1実施形態は、都市ゴミ及び農業廃棄物の両方を処理して肥料化するものであるが、何れか一方の処理専用に構成しても良い。例えば、農業廃棄物の処理専用とした場合、分別装置1は不要となる。一方、都市ゴミの処理専用とした場合には、農業廃棄物用の投入口は不要となる。
【0034】
また、植物性有機系廃棄物が蒸気分解反応に十分な水分を含むものである場合には、上記ボイラ3に代えて、各反応器R1〜Rnに加熱手段を設け、該加熱手段の加熱作用によって植物性有機系廃棄物中の水分を気化させて水蒸気とし、この水蒸気を用いて植物性有機系廃棄物を蒸気分解することも可能である。この場合、植物性有機系廃棄物を各反応器R1〜Rnに投入して封止した後の加熱によって水蒸気を発生させるので、分解処理の立ち上がりは良くないが、蒸気分解用の水蒸気を別途用意する必要がないという利点がある。
【0035】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態について、図2(ブロック図)を参照して説明する。なお、第2実施形態は、上記分解物Bを燃料化するものであり、上記肥料化手段Hに代えて燃料化手段Nを備えるものである。以下の説明では、上記第1実施形態と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0036】
図示するように、燃料化手段Nは、固気液分離装置4’、乾燥装置5’及び成形装置8から構成されている。固気液分離装置4’は、分解物Bから固形成分のみを分離して乾燥装置5’に供給するものである。乾燥装置5’は、固気液分離装置4’から供給された分解物Bの固形成分を乾燥させて、成形装置8に供給するものである。成形装置8は、乾燥装置5’によって乾燥された分解物Bの固形成分を所定形状の固形燃料に成形するためのものである。
【0037】
このように構成された植物性有機系廃棄物処理装置によれば、反応器R1〜Rnによる効率的な蒸気分解処理により、植物性有機系廃棄物Uを効率良く固形燃料化することが可能である。
【0038】
〔第3実施形態〕
続いて、本発明の第3実施形態について、図3を参照して説明する。上記第1及び第2実施形態は、大掛かりなゴミ処理プラント的な性格を有するものであるが、本第3実施形態は、食品廃棄物(植物性有機系廃棄物)の発生現場に設置する簡易な最小化システムであり、分解物Bの後処理を別の場所で行うことを想定したものである。例えば、各種レストラン、コンビニエンス・ストアー、スーパーマーケット、各種宿泊施設等では、食品廃棄物がある程度まとまって発生する。本第3実施形態は、このような食品廃棄物を有効に再利用するものである。
【0039】
すなわち、第3実施形態は、破砕機2’、ボイラ3’、反応器R及び乾燥装置5”から構成される。破砕機2’については、食品廃棄物を細かく砕くものであるが、食品廃棄物が比較的小さい場合には省略することが可能である。反応器Rは食品廃棄物を蒸気分解するものであり、上述した第1及び第2実施形態とは異なり1台構成である。反応器Rは、発生現場における食品廃棄物の量に応じた容量のものが選定される。ボイラ3’は、反応器Rに蒸気分解用の水蒸気Jを供給するものであり、反応器Rが1台かつ小容量なので比較的小型のものである。
【0040】
また、本第3実施形態における乾燥装置5”は、分解物Bの後処理施設への搬送を容易化するためのものである。分解物Bに水分が含まれていると、体積が大きくなり後処理施設への搬送効率が低下すると共に、取り扱いも容易ではない。これに対して、乾燥装置5”を用いて分解物Bを乾燥処理することにより、分解物Bの体積を縮小化することができると共に、搬送時の取り扱いも容易となる。特に、上述した滅菌条件を満足するように植物性有機系廃棄物Uを蒸気分解することにより分解物Bが滅菌処理されるので、分解物Bの搬送時に添加物の付与等の防菌対策を施す必要がないという利点がある。
【0041】
このような最小化システムから排出された乾燥状態の分解物Bは、車両等を用いることにより後処理施設に搬送され、当該後処理施設において第1実施形態のように肥料化あるいは第2実施形態のように燃料化される。
【0042】
なお、このような最小化システムを車両に搭載可能あるいは牽引可能とすることにより、移動自在としても良い。この場合、最小化システムの機動性が向上するので、最小化システムの運用の幅が広がる。また、上述したように、ボイラ3’に代えて加熱手段を設け、植物性有機系廃棄物Uに含まれる水分を水蒸気化して植物性有機系廃棄物Uを蒸気分解するようにしても良い。
【0043】
〔追加実施形態〕
次に、本発明に係わる追加実施形態について説明する。この追加実施形態は、上述した反応器R1〜Rnの基本機能(蒸気分解機能)に植物性有機系廃棄物Uを破砕する機能と分解物Bを乾燥する機能とを兼ね備えた蒸気分解用反応器RAと当該蒸気分解用反応器RAを用いた植物性有機系廃棄物処理装置に関するものである。なお、以下の説明では、上述した各実施形態と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0044】
図4は、本蒸気分解用反応器RAを用いた植物性有機系廃棄物処理装置の機能構成を示すブロック図である。本蒸気分解用反応器RAの特徴は、外部から投入された植物性有機系廃棄物Uをボイラ3(蒸気供給手段)から供給された水蒸気Jを用いて蒸気分解する機能と、下部に設けた回転翼aを高速回転させることにより植物性有機系廃棄物Uを破砕する機能と、蒸気(蒸気分解後の廃蒸気HJ)を気分解に伴う高温環境下で排出することにより蒸気分解によって得られた分解物Bを乾燥する機能とを備える点である。
【0045】
回転翼aは、植物性有機系廃棄物Uの破砕性能に加えて、植物性有機系廃棄物U内への水蒸気Jの混入性能をも考慮した形状設定がなされる。図5は、このような観点から形状設定された回転翼aの形状例である。この図では、パドル型、後退翼パドル型、錨型、タービン型、曲り羽根タービン型、湾曲タービン型及びヘリカルリボン型を示している。これら各回転翼aは、例えば破砕性能のみについて着目すれば、植物性有機系廃棄物Uの性状つまり植物性有機系廃棄物Uに含まれる塊の大きさや形状あるいは堅さ等に応じて選定される。
【0046】
また、蒸気分解用反応器RA2は、必要に応じて設けられるものであり、蒸気分解用反応器RAの後段にカスケード接続される。すなわち、この蒸気分解用反応器RA2は、蒸気分解用反応器RAから排出された廃蒸気HJを用いて植物性有機系廃棄物Uを蒸気分解するものであり、廃蒸気HJを有効活用する観点から設けられる。
【0047】
このように構成された蒸気分解用反応器RAでは、処理対象の植物性有機系廃棄物Uを上部に設けた投入口bから投入し、回転翼aが回転することにより植物性有機系廃棄物Uを破砕して細かくした状態で、密閉状態とされてボイラ3から水蒸気が導入される。そして、上述した滅菌条件あるいは不稔化条件等の処理条件下で、植物性有機系廃棄物Uを蒸気分解するが、この蒸気分解の際にも回転翼aが低速回転して植物性有機系廃棄物U内に水蒸気が均一に混入して、蒸気分解が効率良く促進する。
【0048】
そして、植物性有機系廃棄物Uが十分に蒸気分解されて分解物Bとなると、蒸気分解に伴う高温環境下のまま廃蒸気HJを熱交換機HEを介してコンデンサC(気液分離手段)に排出する。この高温環境下では分解物B内の水分は気化して水蒸気となっており、この廃蒸気HJの排出に伴って分解物Bが乾燥される。この乾燥状態の分解物Bは、下部に設けられた排出口cから外部に取り出される。
【0049】
廃蒸気HJは、熱交換機HEによって常温近くまで冷却され、さらにコンデンサCによって気液分離される。廃蒸気HJの成分は、水蒸気に加えて各種の炭化水素を含んでおり、コンデンサCによって常温で液体の成分と気体の成分とが分離される。
【0050】
このような植物性有機系廃棄物処理装置によれば、蒸気分解用反応器RAが植物性有機系廃棄物Uを蒸気分解する機能に加えて、植物性有機系廃棄物Uを破砕する機能及び分解物Bを乾燥する機能をも備えているので、設置スペースの省スペース化と装置構成の簡略化を実現することができる。例えば、上述した各実施形態に本実施形態における蒸気分解用反応器RAを適用した場合に、破砕機2,2’及び乾燥装置5,5’,5”を省略することができるので、装置構成が簡略化される。
【0051】
なお、本実施形態では、蒸気供給手段としてボイラ3を用いたが、ボイラ3に代えて小型焼却炉を用いることが考えられる。すなわち、植物性有機系廃棄物Uの一部を燃料として利用しつつ残りの植物性有機系廃棄物Uを肥料、飼料あるいは土壌改良材に変換することができる。
【0052】
さらに、本植物性有機系廃棄物処理装置を肥料、飼料あるいは土壌改良材の製造装置として用いるのではなく、植物性有機系廃棄物Uの生物処理工程の前処理装置として用いることが考えられる。つまり、微生物による分解が容易になるように、本植物性有機系廃棄物処理装置を用いて事前に蒸気分解しておく。これによって、植物性有機系廃棄物Uの生物処理の適用範囲を広げることができると共に、処理速度を高速化することができる。
【0053】
【発明の効果】
本発明に係わる植物性有機系廃棄物処理装置及び方法によれば、以下のような効果を奏する。
【0054】
(1)蒸気を用いて植物性有機系廃棄物を蒸気分解するので、例えば発酵処理と比較して植物性有機系廃棄物を短時間かつ簡単に処理することができる。
【0055】
(2)外部から供給された蒸気を用いて植物性有機系廃棄物を蒸気分解するので、例えば植物性有機系廃棄物に添加物を加えた後に加熱して蒸気(気体)の状態とする場合に比較して、植物性有機系廃棄物を短時間に処理することができる。
【0056】
(3)蒸気として水蒸気を用いるので、後処理が容易である。
【0057】
(4)植物性有機系廃棄物が水分を含む場合には、植物性有機系廃棄物を加熱し、該加熱によって発生した水蒸気を用いて植物性有機系廃棄物を蒸気分解するので、蒸気分解用の水蒸気を別途用意する必要がない。
【0058】
(5)蒸気分解の処理条件を植物性有機系廃棄物の滅菌条件を満足するように設定するので、別途滅菌処理を施す必要がなく、例えば植物性有機系廃棄物を発酵処理した場合に比較して、処理工程を簡略化することができる。
【0059】
(6)蒸気分解の処理条件を植物性有機系廃棄物に含まれる種子の不稔化条件を満足するように設定するので、植物性有機系廃棄物に含まれる種子による発芽を防止することができる。
【0060】
(7)種々のものが混在した一般廃棄物に含まれる植物性有機系廃棄物を処理する場合は、一般廃棄物から植物性有機系廃棄物を分別し、該分別によって得られた植物性有機系廃棄物を細かく砕いた後に蒸気分解するので、一般廃棄物から植物性有機系廃棄物のみを選別して、効率良く熱分解することができる。
【0061】
(8)植物性有機系廃棄物のみを処理する場合は、植物性有機系廃棄物を細かく砕いた後に蒸気分解するので、植物性有機系廃棄物を効率良く蒸気分解することができる。すなわち、植物性有機系廃棄物を細かくすることにより植物性有機系廃棄物の表面積が上昇し、よって植物性有機系廃棄物と水蒸気との接触が容易となり、植物性有機系廃棄物がより短時間で分解処理される。
【0062】
(9)蒸気分解によって得られた分解物を肥料化処理するので、植物性有機系廃棄物を肥料として再利用することができる。また、蒸気分解の処理条件が種子の不稔化条件を満足するように設定されている場合には、種子が発芽することがないので、雑草の発生等を予防することができる。
【0063】
(10)蒸気分解によって得られた分解物を燃料化処理するので、植物性有機系廃棄物を燃料として再利用することができる。また、この場合、従来の廃棄物の再利用による燃料化に比較して、比較的小さなエネルギで植物性有機系廃棄物を燃料化することが可能であり、よってエネルギ的に効率の良い植物性有機系廃棄物の再利用を実現することができる。
【0064】
(11)蒸気分解によって得られた分解物を乾燥処理するので、分解物(乾燥されたもの)の他所への運搬が容易である。例えば、植物性有機系廃棄物の発生現場で蒸気分解による処理を完了し、後処理を他の場所で集中的に行うような場合に、分解物を乾燥することによって小体積化かつ搬送時の取り扱いが容易になるので、運搬が容易となる。また、分解物が滅菌処理されている場合には、搬送時に菌に対する対応を考慮する必要がないので、さらに搬送が容易となる。
【0065】
(12)蒸気供給手段として焼却炉を用いるので、植物性有機系廃棄物の一部を焼却炉の燃料とした利用しつつ、残りの植物性有機系廃棄物を蒸気分解処理することができる。
【0066】
(13)植物性有機系廃棄物の破砕機能を併せ持つので、別途破砕機を設ける必要がなく、装置構成を簡略化することができる。
【0067】
(14)下部に設けた回転翼を回転させることにより植物性有機系廃棄物を破砕するので、植物性有機系廃棄物を効果的に破砕することができる。
【0068】
(15)回転翼は、蒸気分解時にも回転して植物性有機系廃棄物内に蒸気を混入させるので、植物性有機系廃棄物の蒸気分解を効果的に促進させることができる。
【0069】
(16)蒸気分解によって得られた分解物を乾燥する機能をも併せ持つので、別途乾燥機を設ける必要がなく、装置構成を簡略化することができる。
【0070】
(17)蒸気分解に伴う高温環境下で蒸気を排出することにより分解物Bを乾燥するので、簡単な方法で分解物を乾燥することができる。
【0071】
(18)蒸気を用いて植物性有機系廃棄物を蒸気分解する機能と、下部に設けた回転翼を回転させることにより植物性有機系廃棄物を破砕する機能と、蒸気分解に伴う高温環境下で蒸気を排出することにより蒸気分解によって得られた分解物を乾燥する機能とを有する蒸気分解用反応器と、該蒸気分解用反応器に蒸気を供給する蒸気供給手段とを具備するので、蒸気供給手段から供給された蒸気を用いて植物性有機系廃棄物を短時間かつ簡単に蒸気分解処理することができる。
【0072】
(19)蒸気分解用反応器を複数台カスケード接続するので、前段の蒸気分解用反応器から排出された蒸気を後段の蒸気分解用反応器における蒸気分解に有効活用することができる。
【0073】
(20)蒸気分解用反応器から排出された蒸気について気液分離を行う気液分離手段を備えるので、蒸気分解後の蒸気をそのまま廃棄して良いものとそうでないものとに分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係わる植物性有機系廃棄物処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の第2実施形態に係わる植物性有機系廃棄物処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明の第3実施形態に係わる植物性有機系廃棄物処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図4】 本発明の追加実施形態に係わる植物性有機系廃棄物処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図5】 本発明の追加実施形態における回転翼の形状例を示す図である。
【符号の説明】
1……分別装置
2……破砕機
3……ボイラ(蒸気供給手段)
4……固気液分離装置
5……乾燥装置
6……調整装置
7……造粒装置
8……成形装置
U……植物性有機系廃棄物
J……水蒸気
B……分解物
R1〜Rn……反応器
H……肥料化手段
N……燃料化手段
RA,RA2……蒸気分解用反応器
a……回転翼
b……投入口
c……排出口
C……コンデンサ(気液分離手段)
HE……熱交換機
HJ……廃蒸気
【発明の名称】 植物性有機系廃棄物処理装置及び方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】 食品廃棄物、農業廃棄物あるいは林業廃棄物のうち植物性有機系廃棄物を処理する装置であって、
飽和水蒸気を用いることにより滅菌条件及び種子の不稔化条件を満足する処理条件で植物性有機系廃棄物を蒸気分解する反応器と、
該反応器が飽和水蒸気圧となるように前記反応器に水蒸気を供給する蒸気供給手段とを備え、
前記蒸気分解によって前記植物性有機系廃棄物を半固形状態の分解物とすることを特徴とする植物性有機系廃棄物処理装置。
【請求項2】 食品廃棄物、農業廃棄物あるいは林業廃棄物のうち植物性有機系廃棄物を処理する装置であって、
飽和水蒸気を用いることにより滅菌条件及び種子の不稔化条件を満足する処理条件で植物性有機系廃棄物を蒸気分解する反応器と、
該反応器に設けられ、当該反応器を加熱することにより前記植物性有機系廃棄物に含まれる水分を水蒸気化させて前記反応器内を飽和水蒸気圧とする加熱手段とを備え
前記蒸気分解によって前記植物性有機系廃棄物を半固形状態の分解物とすることを特徴とする植物性有機系廃棄物処理装置。
【請求項3】 食品廃棄物、農業廃棄物あるいは林業廃棄物のうち植物性有機系廃棄物を処理する装置であって、
飽和水蒸気を用いることにより滅菌条件及び種子の不稔化条件を満足する処理条件で植物性有機系廃棄物を蒸気分解する反応器と、
該反応器内が飽和水蒸気圧となるように前記反応器に水蒸気を供給する蒸気供給手段と、
前記蒸気分解に先立って種々のものが混在した廃棄物から前記植物性有機系廃棄物を分別する分別手段及び前記蒸気分解に先立って前記植物性有機系廃棄物を破砕する破砕手段のいずれか一方あるいは両方からなる前処理手段と、
前記反応器による分解物に肥料化、燃料化または乾燥化のいずれかの処理を施す処理手段とを備え、
前記蒸気分解によって前記植物性有機系廃棄物を半固形状態の分解物とすることを特徴とする植物性有機系廃棄物処理装置。
【請求項4】 食品廃棄物、農業廃棄物あるいは林業廃棄物のうち植物性有機系廃棄物を処理する装置であって、
飽和水蒸気を用いることにより滅菌条件及び種子の不稔化条件を満足する処理条件で植物性有機系廃棄物を蒸気分解する反応器と、
該反応器に設けられ、当該反応器を加熱することにより前記植物性有機系廃棄物に含まれる水分を水蒸気化して前記反応器内を飽和水蒸気圧とする加熱手段と、
前記蒸気分解に先立って種々のものが混在した廃棄物から前記植物性有機系廃棄物を分別する分別手段及び前記蒸気分解に先立って前記植物性有機系廃棄物を破砕する破砕手段のいずれか一方あるいは両方からなる前処理手段と、
前記反応器による分解物に肥料化、燃料化または乾燥化のいずれかの処理を施す処理手段とを備え、
前記蒸気分解によって前記植物性有機系廃棄物を半固形状態の分解物とすることを特徴とする植物性有機系廃棄物処理装置。
【請求項5】 反応器における蒸気分解の処理温度は80〜374°Cであることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の植物性有機系廃棄物処理装置。
【請求項6】 破砕手段は反応器内に設けた回転翼を回転させることによって植物性有機系廃棄物を破砕することを特徴とする請求項3〜5いずれかに記載の植物性有機系廃棄物処理装置。
【請求項7】 食品廃棄物、農業廃棄物あるいは林業廃棄物のうち植物性有機系廃棄物を処理する方法であって、
飽和水蒸気を用いることにより滅菌条件及び種子の不稔化条件を満足する処理条件で前記植物性有機系廃棄物を蒸気分解して半固形状態の分解物とすることを特徴とする植物性有機系廃棄物処理方法。
【請求項8】 食品廃棄物、農業廃棄物あるいは林業廃棄物のうち植物性有機系廃棄物を処理する方法であって、
種々のものが混在した廃棄物から植物性有機系廃棄物を分別する分別工程及び前記植物性有機系廃棄物を破砕する破砕工程のいずれか一方あるいは両方からなる前処理工程と、
飽和水蒸気を用いることにより滅菌条件及び種子の不稔化条件を満足する処理条件において前記植物性有機系廃棄物を反応器で蒸気分解して半固形状態の分解物とする工程と、
前記分解物に肥料化、燃料化または乾燥化のいずれかの処理を施す処理工程と
を有することを特徴とする植物性有機系廃棄物処理方法。
【請求項9】 植物性有機系廃棄物が水分を含む場合には、前記植物性有機系廃棄物を加熱することによって発生した飽和水蒸気を用いることを特徴とする請求項7または8記載の植物性有機系廃棄物処理方法。
【請求項10】 反応器における蒸気分解の処理温度は80〜374°Cであることを特徴とする請求項7〜9いずれかに記載の植物性有機系廃棄物処理方法。
【請求項11】 破砕工程では反応器内に設けた回転翼を回転させることによって植物性有機系廃棄物を破砕することを特徴とする請求項8〜10いずれかに記載の植物性有機系廃棄物処理方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品廃棄物、農業廃棄物あるいは林業廃棄物のうち植物性有機系廃棄物を処理して再利用可能にする植物性有機系廃棄物処理装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
このような植物性有機系廃棄物の処理方法としては、例えば発酵処理を用いて植物性有機系廃棄物を堆肥化する技術が知られている。しかし、この技術の場合、発酵処理を用いるために処理時間が長いという欠点があり、大量の植物性有機系廃棄物の処理には適していない。また、この場合、植物性有機系廃棄物を処理後に肥料として使う場合には滅菌及び不稔化が必要であるという欠点もある。したがって、このような発酵処理を用いた処理方法は、植物性有機系廃棄物を短時間かつ簡単に処理することができない。
【0003】
一方、農業廃棄物あるいは間伐処理材等の林業廃棄物については、各種の処理方法が提案されているが、有効な方法が確立されていないのが現状である。
【0004】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、以下の点を目的とするものである。
(1)植物性有機系廃棄物を短時間で処理する。
(2)植物性有機系廃棄物を簡単な工程で処理する。
(3)植物性有機系廃棄物を効率良く処理する。
(4)特に滅菌工程及び不稔化工程を設けることなく植物性有機系廃棄物を処理する。
(5)比較的小さなエネルギで植物性有機系廃棄物を処理する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、植物性有機系廃棄物処理装置に係わる第1の手段として、食品廃棄物、農業廃棄物あるいは林業廃棄物のうち植物性有機系廃棄物を処理する装置において、飽和水蒸気を用いることにより滅菌条件及び種子の不稔化条件を満足する処理条件で植物性有機系廃棄物を蒸気分解する反応器と、該反応器が飽和水蒸気圧となるように反応器に水蒸気を供給する蒸気供給手段とを備え、蒸気分解によって植物性有機系廃棄物を半固形状態の分解物とする、という手段を採用する。
【0006】
また、植物性有機系廃棄物処理装置に係わる第2の手段として、食品廃棄物、農業廃棄物あるいは林業廃棄物のうち植物性有機系廃棄物を処理する装置において、飽和水蒸気を用いることにより滅菌条件及び種子の不稔化条件を満足する処理条件で植物性有機系廃棄物を蒸気分解する反応器と、該反応器に設けられ、当該反応器を加熱することにより植物性有機系廃棄物に含まれる水分を水蒸気化させて反応器内を飽和水蒸気圧とする加熱手段とを備え、蒸気分解によって前記植物性有機系廃棄物を半固形状態の分解物とする、という手段を採用する。
【0007】
植物性有機系廃棄物処理装置に係わる第3の手段として、食品廃棄物、農業廃棄物あるいは林業廃棄物のうち植物性有機系廃棄物を処理する装置において、飽和水蒸気を用いることにより滅菌条件及び種子の不稔化条件を満足する処理条件で植物性有機系廃棄物を蒸気分解する反応器と、該反応器内が飽和水蒸気圧となるように反応器に水蒸気を供給する蒸気供給手段と、蒸気分解に先立って種々のものが混在した廃棄物から植物性有機系廃棄物を分別する分別手段及び蒸気分解に先立って植物性有機系廃棄物を破砕する破砕手段のいずれか一方あるいは両方からなる前処理手段と、反応器による分解物に肥料化、燃料化または乾燥化のいずれかの処理を施す処理手段とを備え、蒸気分解によって植物性有機系廃棄物を半固形状態の分解物とする、という手段を採用する。
【0008】
植物性有機系廃棄物処理装置に係わる第4の手段として、食品廃棄物、農業廃棄物あるいは林業廃棄物のうち植物性有機系廃棄物を処理する装置において、飽和水蒸気を用いることにより滅菌条件及び種子の不稔化条件を満足する処理条件で植物性有機系廃棄物を蒸気分解する反応器と、該反応器に設けられ、当該反応器を加熱することにより植物性有機系廃棄物に含まれる水分を水蒸気化して反応器内を飽和水蒸気圧とする加熱手段と、蒸気分解に先立って種々のものが混在した廃棄物から植物性有機系廃棄物を分別する分別手段及び蒸気分解に先立って植物性有機系廃棄物を破砕する破砕手段のいずれか一方あるいは両方からなる前処理手段と、反応器による分解物に肥料化、燃料化または乾燥化のいずれかの処理を施す処理手段とを備え、蒸気分解によって前記植物性有機系廃棄物を半固形状態の分解物とする、という手段を採用する。
【0009】
植物性有機系廃棄物処理装置に係わる第5の手段として、上記第1〜第4いずれかの手段において、反応器における蒸気分解の処理温度を80〜374°Cとする、という手段を採用する。
【0010】
植物性有機系廃棄物処理装置に係わる第6の手段として、上記第3〜第5いずれかの手段において、破砕手段は反応器内に設けた回転翼を回転させることによって植物性有機系廃棄物を破砕する、という手段を採用する。
【0011】
また、本発明では、植物性有機系廃棄物処理方法に係わる第1の手段として、食品廃棄物、農業廃棄物あるいは林業廃棄物のうち植物性有機系廃棄物を処理する方法において、飽和水蒸気を用いることにより滅菌条件及び種子の不稔化条件を満足する処理条件で植物性有機系廃棄物を蒸気分解して半固形状態の分解物とする、という手段を採用する。
【0012】
植物性有機系廃棄物処理方法に係わる第2の手段として、食品廃棄物、農業廃棄物あるいは林業廃棄物のうち植物性有機系廃棄物を処理する方法において、種々のものが混在した廃棄物から植物性有機系廃棄物を分別する分別工程及び植物性有機系廃棄物を破砕する破砕工程のいずれか一方あるいは両方からなる前処理工程と、飽和水蒸気を用いることにより滅菌条件及び種子の不稔化条件を満足する処理条件において植物性有機系廃棄物を反応器で蒸気分解して半固形状態の分解物とする工程と、分解物に肥料化、燃料化または乾燥化のいずれかの処理を施す処理工程とを有する、という手段を採用する。
【0013】
植物性有機系廃棄物処理方法に係わる第3の手段として、上記第1あるいは第2の手段において、植物性有機系廃棄物が水分を含む場合には、植物性有機系廃棄物を加熱することによって発生した飽和水蒸気を用いる、という手段を採用する。
【0014】
植物性有機系廃棄物処理方法に係わる第4の手段として、上記第1〜第3いずれかの手段において、反応器における蒸気分解の処理温度を80〜374°Cとする、という手段を採用する。
【0015】
植物性有機系廃棄物処理方法に係わる第5の手段として、上記第2〜第4いずれかの手段において、破砕工程では反応器内に設けた回転翼を回転させることによって植物性有機系廃棄物を破砕する、という手段を採用する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係わる植物性有機系廃棄物処理装置及び方法の実施形態について説明する。
【0017】
〔第1実施形態〕
まず、本発明の第1実施形態、つまり植物性有機系廃棄物を肥料化する植物性有機系廃棄物処理装置及び方法について説明する。図1は、本第1実施形態に係わる植物性有機系廃棄物処理装置のブロック図である。この図において、符号1は分別装置、2は破砕機、3はボイラ(蒸気供給手段)、4は固気液分離装置、5は乾燥装置、6は調整装置、7は造粒装置、またR1〜Rnは反応器である。なお、これら各構成要素のうち、固気液分離装置4〜造粒装置7は、本実施形態における肥料化手段Hを構成するものである。
【0018】
分別装置1は、植物性有機系廃棄物に種々のものが混在した都市ゴミ(一般廃棄物)から植物性有機系廃棄物のみを分別するためのものである。例えば、この分別装置1は、一般廃棄物から金属類、紙類、セラミックス類及びプラスチック類等を手選別や機械選別の手法を用いて抽出し、植物性有機系廃棄物としての生ゴミのみを破砕機2に供給する。破砕機2は、植物性有機系廃棄物を細かく砕くためのものであり、後段の反応器R1〜Rnにおける効率的な蒸気分解反応を実現するためのものである。なお、植物性有機系廃棄物が十分に細かい場合には、破砕機2は不要である。
【0019】
上記分別装置1から破砕機2に供給された植物性有機系廃棄物、及び分別装置1を介することなく破砕機2に直接投入される農業廃棄物は、破砕機2によって細かく破砕されて処理対象の植物性有機系廃棄物Uとして反応器R1〜Rnに供給される。ここで、農業廃棄物は、わら、籾殻、農産物屑等の植物性有機系廃棄物のみからなるものであり、植物性有機系廃棄物に対して不純物となるものを含まないものである。このような農業廃棄物は、市場、農協あるいは農家等から回収され、破砕機2に専用の投入口から直接投入される。なお、植物性有機系廃棄物のみからなる廃棄物としては、上記農業廃棄物の他に山林から排出される間伐材等の林業廃棄物が考えられる。
【0020】
破砕機2は、複数設けられた反応器R1〜Rnに対して所定の順番で所定量の植物性有機系廃棄物Uを順次供給するように構成されている。ボイラ3は、破砕機2による植物性有機系廃棄物Uの供給に同期して各反応器R1〜Rnに水蒸気を供給するものである。なお、分別装置1から出力される植物性有機系廃棄物及び農業廃棄物が十分に小さい場合には、当然に破砕機2は不要となる。
【0021】
反応器R1〜Rnは、ボイラ3から供給された水蒸気を用いて植物性有機系廃棄物Uを蒸気分解するものである。この反応器R1〜Rnにおける蒸気分解の処理条件は、植物性有機系廃棄物Uを十分に分解する条件として実験的に予め設定されると共に、植物性有機系廃棄物Uの滅菌条件及び植物性有機系廃棄物に含まれる種子の不稔化条件をも満足するように設定されている。上記滅菌条件は、例えば処理温度:120゜C、処理圧力:1.12気圧、処理時間:20分である。また、不稔化条件は、タンパク質が分解を開始する温度、つまり処理温度:80゜C程度である。
【0022】
なお、反応器R1〜Rnにおける処理温度については、上記80゜Cから水の超臨界温度:374゜Cの範囲内で、かつ飽和水蒸気圧等を考慮して170゜C〜180゜C程度が好ましい。また、処理圧力については、高圧ガス保安法の範疇ではない10気圧未満とすることが好ましい。処理時間については、数時間もあれば十分である。
【0023】
反応器R1〜Rnから取り出される植物性有機系廃棄物Uの分解物Bは、植物性有機系廃棄物Uが水蒸気によって半固形状態となったものである。固気液分離装置4は、このような分解物Bから固形成分のみを分離して乾燥装置5に供給するものである。また、この固気液分離装置4は、分解物Bから液体成分を分離し、液体肥料として外部に排出するようにも構成されている。また、固気液分離装置4によって分離された気体は、臭気が問題となる場合もあるので、ボイラーで処理(燃焼脱臭)することも考えられる。気体中の有機分は、燃料として再利用される。乾燥装置5は、固気液分離装置4から供給された分解物Bの固形成分を乾燥させるためのものである。この乾燥装置5は、乾燥状態の固形成分の一部を調整装置6に供給すると共に、残りを肥料原料として外部に排出するように構成されている。
【0024】
調整装置6は、分解物Bの固形成分の成分調整を行うためのものである。この調整装置6は、例えば硫安や硝安等を肥料として必要な成分として分解物Bの固形成分に添加することにより成分調整を行う。造粒装置7は、調整装置6によって成分調整された分解物Bの固形成分を粒状に成形するためのものである。造粒装置7によって粒状とされた分解物Bの固形成分は、粒状肥料として外部に出荷される。
【0025】
次に、このように構成された植物性有機系廃棄物処理装置の動作について、さらに詳しく説明する。
【0026】
回収車によって回収された都市ゴミあるいは分別装置1にかけられて植物性有機系廃棄物のみが破砕機2に投入されると共に、回収された農業廃棄物(植物性有機系廃棄物)は破砕機2に直接投入される。破砕機2は、このように投入された植物性有機系廃棄物を細かく砕いた後に反応器R1〜Rnに供給するが、本反応器R1〜Rnはバッチ処理を行うようにできているため、予め決められた順番で各反応器R1〜Rnに植物性有機系廃棄物Uを供給する。
【0027】
例えば、破砕機2は、反応器R1→反応器R2→……→反応器Rnの順番で植物性有機系廃棄物Uを順次供給する。そして、植物性有機系廃棄物Uが供給されると、各反応器R1〜Rnにはボイラ3から水蒸気Jがそれぞれ供給されて封止される。各反応器R1〜Rnにおける処理時間は数時間に予め決められており、一番最後の反応器Rnに植物性有機系廃棄物Uを供給した時点において、一番最初に植物性有機系廃棄物Uが供給された反応器R1については所定の処理時間が経過するようになっている。
【0028】
すなわち、本第1実施形態では、複数の反応器R1〜Rnを設けることにより、連続処理に近い形で植物性有機系廃棄物Uを蒸気分解することができる。そして、各反応器R1〜Rnの分解物Bは、肥料化手段H(正確には固気液分離装置4)に順次供給されて粒状肥料とされる。
【0029】
ここで、各反応器R1〜Rnは、数時間に亘る蒸気分解によって植物性有機系廃棄物Uを十分に半固形状に処理するので、例えば発酵処理を用いて植物性有機系廃棄物Uを半固形状に処理する場合に比較して、極めて短時間で植物性有機系廃棄物Uを処理することが可能である。なお、発酵処理を用いる場合には、少なくとも数日の処理時間を要する。
【0030】
また、上述したように各反応器R1〜Rnにおける処理条件は、植物性有機系廃棄物Uの滅菌条件及び植物性有機系廃棄物Uに含まれる種子の不稔化条件を満足するように設定されているので、分解物B中に含まれる雑菌は殆ど死滅すると共に種子は発芽不能状態となる。すなわち、植物性有機系廃棄物Uには、蒸気分解処理の過程で同時に滅菌処理と不稔化処理が施されるので、本第1実施形態によれば、これらの処理を別途行う必要がなく、処理工程が極めて簡単である。
【0031】
また、本第1実施形態では、各反応器R1〜Rnはボイラ3から供給された水蒸気Jを用いて植物性有機系廃棄物Uを蒸気分解するので、植物性有機系廃棄物Uを反応器R1〜Rn内に投入し、かつ水蒸気Jを反応器R1〜Rn内に封入後、植物性有機系廃棄物Uは水蒸気Jによって速やかに分解される。すなわち、本第1実施形態は、分解処理の立ち上がりが良く、この分、反応時間を短縮することができる。
【0032】
さらに、反応器R1〜Rnの個数及び容量を調節することにより、大規模化あるいは小規模化することが容易である。すなわち、植物性有機系廃棄物処理装置に要求される処理能力に応じてシステム規模を容易に可変することが可能である。
【0033】
なお、本第1実施形態は、都市ゴミ及び農業廃棄物の両方を処理して肥料化するものであるが、何れか一方の処理専用に構成しても良い。例えば、農業廃棄物の処理専用とした場合、分別装置1は不要となる。一方、都市ゴミの処理専用とした場合には、農業廃棄物用の投入口は不要となる。
【0034】
また、植物性有機系廃棄物が蒸気分解反応に十分な水分を含むものである場合には、上記ボイラ3に代えて、各反応器R1〜Rnに加熱手段を設け、該加熱手段の加熱作用によって植物性有機系廃棄物中の水分を気化させて水蒸気とし、この水蒸気を用いて植物性有機系廃棄物を蒸気分解することも可能である。この場合、植物性有機系廃棄物を各反応器R1〜Rnに投入して封止した後の加熱によって水蒸気を発生させるので、分解処理の立ち上がりは良くないが、蒸気分解用の水蒸気を別途用意する必要がないという利点がある。
【0035】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態について、図2(ブロック図)を参照して説明する。なお、第2実施形態は、上記分解物Bを燃料化するものであり、上記肥料化手段Hに代えて燃料化手段Nを備えるものである。以下の説明では、上記第1実施形態と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0036】
図示するように、燃料化手段Nは、固気液分離装置4’、乾燥装置5’及び成形装置8から構成されている。固気液分離装置4’は、分解物Bから固形成分のみを分離して乾燥装置5’に供給するものである。乾燥装置5’は、固気液分離装置4’から供給された分解物Bの固形成分を乾燥させて、成形装置8に供給するものである。成形装置8は、乾燥装置5’によって乾燥された分解物Bの固形成分を所定形状の固形燃料に成形するためのものである。
【0037】
このように構成された植物性有機系廃棄物処理装置によれば、反応器R1〜Rnによる効率的な蒸気分解処理により、植物性有機系廃棄物Uを効率良く固形燃料化することが可能である。
【0038】
〔第3実施形態〕
続いて、本発明の第3実施形態について、図3を参照して説明する。上記第1及び第2実施形態は、大掛かりなゴミ処理プラント的な性格を有するものであるが、本第3実施形態は、食品廃棄物(植物性有機系廃棄物)の発生現場に設置する簡易な最小化システムであり、分解物Bの後処理を別の場所で行うことを想定したものである。例えば、各種レストラン、コンビニエンス・ストアー、スーパーマーケット、各種宿泊施設等では、食品廃棄物がある程度まとまって発生する。本第3実施形態は、このような食品廃棄物を有効に再利用するものである。
【0039】
すなわち、第3実施形態は、破砕機2’、ボイラ3’、反応器R及び乾燥装置5”から構成される。破砕機2’については、食品廃棄物を細かく砕くものであるが、食品廃棄物が比較的小さい場合には省略することが可能である。反応器Rは食品廃棄物を蒸気分解するものであり、上述した第1及び第2実施形態とは異なり1台構成である。反応器Rは、発生現場における食品廃棄物の量に応じた容量のものが選定される。ボイラ3’は、反応器Rに蒸気分解用の水蒸気Jを供給するものであり、反応器Rが1台かつ小容量なので比較的小型のものである。
【0040】
また、本第3実施形態における乾燥装置5”は、分解物Bの後処理施設への搬送を容易化するためのものである。分解物Bに水分が含まれていると、体積が大きくなり後処理施設への搬送効率が低下すると共に、取り扱いも容易ではない。これに対して、乾燥装置5”を用いて分解物Bを乾燥処理することにより、分解物Bの体積を縮小化することができると共に、搬送時の取り扱いも容易となる。特に、上述した滅菌条件を満足するように植物性有機系廃棄物Uを蒸気分解することにより分解物Bが滅菌処理されるので、分解物Bの搬送時に添加物の付与等の防菌対策を施す必要がないという利点がある。
【0041】
このような最小化システムから排出された乾燥状態の分解物Bは、車両等を用いることにより後処理施設に搬送され、当該後処理施設において第1実施形態のように肥料化あるいは第2実施形態のように燃料化される。
【0042】
なお、このような最小化システムを車両に搭載可能あるいは牽引可能とすることにより、移動自在としても良い。この場合、最小化システムの機動性が向上するので、最小化システムの運用の幅が広がる。また、上述したように、ボイラ3’に代えて加熱手段を設け、植物性有機系廃棄物Uに含まれる水分を水蒸気化して植物性有機系廃棄物Uを蒸気分解するようにしても良い。
【0043】
〔追加実施形態〕
次に、本発明に係わる追加実施形態について説明する。この追加実施形態は、上述した反応器R1〜Rnの基本機能(蒸気分解機能)に植物性有機系廃棄物Uを破砕する機能と分解物Bを乾燥する機能とを兼ね備えた蒸気分解用反応器RAと当該蒸気分解用反応器RAを用いた植物性有機系廃棄物処理装置に関するものである。なお、以下の説明では、上述した各実施形態と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0044】
図4は、本蒸気分解用反応器RAを用いた植物性有機系廃棄物処理装置の機能構成を示すブロック図である。本蒸気分解用反応器RAの特徴は、外部から投入された植物性有機系廃棄物Uをボイラ3(蒸気供給手段)から供給された水蒸気Jを用いて蒸気分解する機能と、下部に設けた回転翼aを高速回転させることにより植物性有機系廃棄物Uを破砕する機能と、蒸気(蒸気分解後の廃蒸気HJ)を気分解に伴う高温環境下で排出することにより蒸気分解によって得られた分解物Bを乾燥する機能とを備える点である。
【0045】
回転翼aは、植物性有機系廃棄物Uの破砕性能に加えて、植物性有機系廃棄物U内への水蒸気Jの混入性能をも考慮した形状設定がなされる。図5は、このような観点から形状設定された回転翼aの形状例である。この図では、パドル型、後退翼パドル型、錨型、タービン型、曲り羽根タービン型、湾曲タービン型及びヘリカルリボン型を示している。これら各回転翼aは、例えば破砕性能のみについて着目すれば、植物性有機系廃棄物Uの性状つまり植物性有機系廃棄物Uに含まれる塊の大きさや形状あるいは堅さ等に応じて選定される。
【0046】
また、蒸気分解用反応器RA2は、必要に応じて設けられるものであり、蒸気分解用反応器RAの後段にカスケード接続される。すなわち、この蒸気分解用反応器RA2は、蒸気分解用反応器RAから排出された廃蒸気HJを用いて植物性有機系廃棄物Uを蒸気分解するものであり、廃蒸気HJを有効活用する観点から設けられる。
【0047】
このように構成された蒸気分解用反応器RAでは、処理対象の植物性有機系廃棄物Uを上部に設けた投入口bから投入し、回転翼aが回転することにより植物性有機系廃棄物Uを破砕して細かくした状態で、密閉状態とされてボイラ3から水蒸気が導入される。そして、上述した滅菌条件あるいは不稔化条件等の処理条件下で、植物性有機系廃棄物Uを蒸気分解するが、この蒸気分解の際にも回転翼aが低速回転して植物性有機系廃棄物U内に水蒸気が均一に混入して、蒸気分解が効率良く促進する。
【0048】
そして、植物性有機系廃棄物Uが十分に蒸気分解されて分解物Bとなると、蒸気分解に伴う高温環境下のまま廃蒸気HJを熱交換機HEを介してコンデンサC(気液分離手段)に排出する。この高温環境下では分解物B内の水分は気化して水蒸気となっており、この廃蒸気HJの排出に伴って分解物Bが乾燥される。この乾燥状態の分解物Bは、下部に設けられた排出口cから外部に取り出される。
【0049】
廃蒸気HJは、熱交換機HEによって常温近くまで冷却され、さらにコンデンサCによって気液分離される。廃蒸気HJの成分は、水蒸気に加えて各種の炭化水素を含んでおり、コンデンサCによって常温で液体の成分と気体の成分とが分離される。
【0050】
このような植物性有機系廃棄物処理装置によれば、蒸気分解用反応器RAが植物性有機系廃棄物Uを蒸気分解する機能に加えて、植物性有機系廃棄物Uを破砕する機能及び分解物Bを乾燥する機能をも備えているので、設置スペースの省スペース化と装置構成の簡略化を実現することができる。例えば、上述した各実施形態に本実施形態における蒸気分解用反応器RAを適用した場合に、破砕機2,2’及び乾燥装置5,5’,5”を省略することができるので、装置構成が簡略化される。
【0051】
なお、本実施形態では、蒸気供給手段としてボイラ3を用いたが、ボイラ3に代えて小型焼却炉を用いることが考えられる。すなわち、植物性有機系廃棄物Uの一部を燃料として利用しつつ残りの植物性有機系廃棄物Uを肥料、飼料あるいは土壌改良材に変換することができる。
【0052】
さらに、本植物性有機系廃棄物処理装置を肥料、飼料あるいは土壌改良材の製造装置として用いるのではなく、植物性有機系廃棄物Uの生物処理工程の前処理装置として用いることが考えられる。つまり、微生物による分解が容易になるように、本植物性有機系廃棄物処理装置を用いて事前に蒸気分解しておく。これによって、植物性有機系廃棄物Uの生物処理の適用範囲を広げることができると共に、処理速度を高速化することができる。
【0053】
【発明の効果】
本発明に係わる植物性有機系廃棄物処理装置及び方法によれば、以下のような効果を奏する。
【0054】
(1)蒸気を用いて植物性有機系廃棄物を蒸気分解するので、例えば発酵処理と比較して植物性有機系廃棄物を短時間かつ簡単に処理することができる。
【0055】
(2)外部から供給された蒸気を用いて植物性有機系廃棄物を蒸気分解するので、例えば植物性有機系廃棄物に添加物を加えた後に加熱して蒸気(気体)の状態とする場合に比較して、植物性有機系廃棄物を短時間に処理することができる。
【0056】
(3)蒸気として水蒸気を用いるので、後処理が容易である。
【0057】
(4)植物性有機系廃棄物が水分を含む場合には、植物性有機系廃棄物を加熱し、該加熱によって発生した水蒸気を用いて植物性有機系廃棄物を蒸気分解するので、蒸気分解用の水蒸気を別途用意する必要がない。
【0058】
(5)蒸気分解の処理条件を植物性有機系廃棄物の滅菌条件を満足するように設定するので、別途滅菌処理を施す必要がなく、例えば植物性有機系廃棄物を発酵処理した場合に比較して、処理工程を簡略化することができる。
【0059】
(6)蒸気分解の処理条件を植物性有機系廃棄物に含まれる種子の不稔化条件を満足するように設定するので、植物性有機系廃棄物に含まれる種子による発芽を防止することができる。
【0060】
(7)種々のものが混在した一般廃棄物に含まれる植物性有機系廃棄物を処理する場合は、一般廃棄物から植物性有機系廃棄物を分別し、該分別によって得られた植物性有機系廃棄物を細かく砕いた後に蒸気分解するので、一般廃棄物から植物性有機系廃棄物のみを選別して、効率良く熱分解することができる。
【0061】
(8)植物性有機系廃棄物のみを処理する場合は、植物性有機系廃棄物を細かく砕いた後に蒸気分解するので、植物性有機系廃棄物を効率良く蒸気分解することができる。すなわち、植物性有機系廃棄物を細かくすることにより植物性有機系廃棄物の表面積が上昇し、よって植物性有機系廃棄物と水蒸気との接触が容易となり、植物性有機系廃棄物がより短時間で分解処理される。
【0062】
(9)蒸気分解によって得られた分解物を肥料化処理するので、植物性有機系廃棄物を肥料として再利用することができる。また、蒸気分解の処理条件が種子の不稔化条件を満足するように設定されている場合には、種子が発芽することがないので、雑草の発生等を予防することができる。
【0063】
(10)蒸気分解によって得られた分解物を燃料化処理するので、植物性有機系廃棄物を燃料として再利用することができる。また、この場合、従来の廃棄物の再利用による燃料化に比較して、比較的小さなエネルギで植物性有機系廃棄物を燃料化することが可能であり、よってエネルギ的に効率の良い植物性有機系廃棄物の再利用を実現することができる。
【0064】
(11)蒸気分解によって得られた分解物を乾燥処理するので、分解物(乾燥されたもの)の他所への運搬が容易である。例えば、植物性有機系廃棄物の発生現場で蒸気分解による処理を完了し、後処理を他の場所で集中的に行うような場合に、分解物を乾燥することによって小体積化かつ搬送時の取り扱いが容易になるので、運搬が容易となる。また、分解物が滅菌処理されている場合には、搬送時に菌に対する対応を考慮する必要がないので、さらに搬送が容易となる。
【0065】
(12)蒸気供給手段として焼却炉を用いるので、植物性有機系廃棄物の一部を焼却炉の燃料とした利用しつつ、残りの植物性有機系廃棄物を蒸気分解処理することができる。
【0066】
(13)植物性有機系廃棄物の破砕機能を併せ持つので、別途破砕機を設ける必要がなく、装置構成を簡略化することができる。
【0067】
(14)下部に設けた回転翼を回転させることにより植物性有機系廃棄物を破砕するので、植物性有機系廃棄物を効果的に破砕することができる。
【0068】
(15)回転翼は、蒸気分解時にも回転して植物性有機系廃棄物内に蒸気を混入させるので、植物性有機系廃棄物の蒸気分解を効果的に促進させることができる。
【0069】
(16)蒸気分解によって得られた分解物を乾燥する機能をも併せ持つので、別途乾燥機を設ける必要がなく、装置構成を簡略化することができる。
【0070】
(17)蒸気分解に伴う高温環境下で蒸気を排出することにより分解物Bを乾燥するので、簡単な方法で分解物を乾燥することができる。
【0071】
(18)蒸気を用いて植物性有機系廃棄物を蒸気分解する機能と、下部に設けた回転翼を回転させることにより植物性有機系廃棄物を破砕する機能と、蒸気分解に伴う高温環境下で蒸気を排出することにより蒸気分解によって得られた分解物を乾燥する機能とを有する蒸気分解用反応器と、該蒸気分解用反応器に蒸気を供給する蒸気供給手段とを具備するので、蒸気供給手段から供給された蒸気を用いて植物性有機系廃棄物を短時間かつ簡単に蒸気分解処理することができる。
【0072】
(19)蒸気分解用反応器を複数台カスケード接続するので、前段の蒸気分解用反応器から排出された蒸気を後段の蒸気分解用反応器における蒸気分解に有効活用することができる。
【0073】
(20)蒸気分解用反応器から排出された蒸気について気液分離を行う気液分離手段を備えるので、蒸気分解後の蒸気をそのまま廃棄して良いものとそうでないものとに分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係わる植物性有機系廃棄物処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の第2実施形態に係わる植物性有機系廃棄物処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明の第3実施形態に係わる植物性有機系廃棄物処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図4】 本発明の追加実施形態に係わる植物性有機系廃棄物処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図5】 本発明の追加実施形態における回転翼の形状例を示す図である。
【符号の説明】
1……分別装置
2……破砕機
3……ボイラ(蒸気供給手段)
4……固気液分離装置
5……乾燥装置
6……調整装置
7……造粒装置
8……成形装置
U……植物性有機系廃棄物
J……水蒸気
B……分解物
R1〜Rn……反応器
H……肥料化手段
N……燃料化手段
RA,RA2……蒸気分解用反応器
a……回転翼
b……投入口
c……排出口
C……コンデンサ(気液分離手段)
HE……熱交換機
HJ……廃蒸気
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