JP2002113324A - 湿式石灰石膏法脱硫方法及び装置 - Google Patents
湿式石灰石膏法脱硫方法及び装置Info
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- JP2002113324A JP2002113324A JP2000305945A JP2000305945A JP2002113324A JP 2002113324 A JP2002113324 A JP 2002113324A JP 2000305945 A JP2000305945 A JP 2000305945A JP 2000305945 A JP2000305945 A JP 2000305945A JP 2002113324 A JP2002113324 A JP 2002113324A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 脱硫性能を向上させる。設備コストを低減す
る。装置の安全性を高める。メンテナンスの費用と手間
を削減する。 【解決手段】 湿式石灰石膏法の排煙脱硫装置におい
て、石灰石スラリタンク32からの石灰石スラリの投入
口を、ボトムタンク12からスプレー噴霧段16a(ス
プレー最上段)に循環液を汲み上げる循環液ライン14
aに接続して、スプレー噴霧最上段に供給される循環液
に石灰石スラリを混入させる。濾液タンク24からの戻
り液の投入口を、ボトムタンク12からスプレー噴霧段
16c(スプレー最下段)に循環液を汲み上げる循環液
ライン14cに接続して、スプレー噴霧最下段に供給さ
れる循環液に戻り液を混入させる。
る。装置の安全性を高める。メンテナンスの費用と手間
を削減する。 【解決手段】 湿式石灰石膏法の排煙脱硫装置におい
て、石灰石スラリタンク32からの石灰石スラリの投入
口を、ボトムタンク12からスプレー噴霧段16a(ス
プレー最上段)に循環液を汲み上げる循環液ライン14
aに接続して、スプレー噴霧最上段に供給される循環液
に石灰石スラリを混入させる。濾液タンク24からの戻
り液の投入口を、ボトムタンク12からスプレー噴霧段
16c(スプレー最下段)に循環液を汲み上げる循環液
ライン14cに接続して、スプレー噴霧最下段に供給さ
れる循環液に戻り液を混入させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、SO2を代表とす
る硫黄酸化物含有排ガスを湿式石灰石膏法により脱硫処
理する方法及び装置に関するものである。
る硫黄酸化物含有排ガスを湿式石灰石膏法により脱硫処
理する方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】湿式石灰石膏法のスプレー型排煙脱硫装
置においては、例えば、図5、図6に示すように、硫黄
酸化物含有排ガスをスプレー型吸収塔10内に導入し、
これに吸収塔内下部のボトムタンク12から循環液ライ
ン14a、14b、14cを通して汲み上げた吸収液を
スプレー噴霧段16a、16b、16cより噴霧して、
排ガス中の硫黄酸化物を吸収除去し、落下した吸収液を
ボトムタンク12に再度収容し、ボトムタンク12に設
置された酸化ガス吹込手段18より酸素を含有した酸化
性ガス(一例として、空気)を吹き込むことで、吸収し
た硫黄酸化物を石膏として回収している。ボトムタンク
12から抜き出した石膏は石膏分離機20で吸収液が分
離され石膏ピット22に送られる。石膏分離機20で分
離された吸収液は濾液タンク24に貯留される。26は
吸収液循環ポンプ、28は石膏抜出ポンプ、30は空気
ブロワである。
置においては、例えば、図5、図6に示すように、硫黄
酸化物含有排ガスをスプレー型吸収塔10内に導入し、
これに吸収塔内下部のボトムタンク12から循環液ライ
ン14a、14b、14cを通して汲み上げた吸収液を
スプレー噴霧段16a、16b、16cより噴霧して、
排ガス中の硫黄酸化物を吸収除去し、落下した吸収液を
ボトムタンク12に再度収容し、ボトムタンク12に設
置された酸化ガス吹込手段18より酸素を含有した酸化
性ガス(一例として、空気)を吹き込むことで、吸収し
た硫黄酸化物を石膏として回収している。ボトムタンク
12から抜き出した石膏は石膏分離機20で吸収液が分
離され石膏ピット22に送られる。石膏分離機20で分
離された吸収液は濾液タンク24に貯留される。26は
吸収液循環ポンプ、28は石膏抜出ポンプ、30は空気
ブロワである。
【0003】図5に示す従来型の排煙脱硫装置(スプレ
ー型吸収塔)では、石灰石スラリタンク32からの石灰
石スラリの供給口、及び濾液タンク24からの戻り液の
供給口がボトムタンク12に直結されている。すなわ
ち、新たに供給する吸収剤である石灰石スラリ、及び石
膏抜出し後の濾液として得られる吸収液の戻り液を、吸
収塔内下部のボトムタンク12に供給する構成となって
いる。34は石灰石スラリピット(ホッパ)、36、3
8は供給ポンプである。また、図6に示す従来型の排煙
脱硫装置(スプレー型吸収塔)では、供給する石灰石ス
ラリを分級装置40に導入して分級し、細かい粒度の石
灰石は循環液ライン14aに混入させてスプレー噴霧段
16a(最上段)に投入し、粗い粒度の石灰石は循環液
ライン14cに混入させてスプレー噴霧段16c(最下
段)に投入している。また、石膏抜出し後の濾液の戻り
液はボトムタンク12に供給している。図6に示すよう
な装置としては、特開平6−343824号公報に、石
灰石の供給管に分級装置を取り付けた構成が開示されて
おり、粒度の細かい石灰石をスプレーノズル最上段に、
粒度の粗い石灰石をスプレーノズル最下段に供給するこ
とが記載されている。
ー型吸収塔)では、石灰石スラリタンク32からの石灰
石スラリの供給口、及び濾液タンク24からの戻り液の
供給口がボトムタンク12に直結されている。すなわ
ち、新たに供給する吸収剤である石灰石スラリ、及び石
膏抜出し後の濾液として得られる吸収液の戻り液を、吸
収塔内下部のボトムタンク12に供給する構成となって
いる。34は石灰石スラリピット(ホッパ)、36、3
8は供給ポンプである。また、図6に示す従来型の排煙
脱硫装置(スプレー型吸収塔)では、供給する石灰石ス
ラリを分級装置40に導入して分級し、細かい粒度の石
灰石は循環液ライン14aに混入させてスプレー噴霧段
16a(最上段)に投入し、粗い粒度の石灰石は循環液
ライン14cに混入させてスプレー噴霧段16c(最下
段)に投入している。また、石膏抜出し後の濾液の戻り
液はボトムタンク12に供給している。図6に示すよう
な装置としては、特開平6−343824号公報に、石
灰石の供給管に分級装置を取り付けた構成が開示されて
おり、粒度の細かい石灰石をスプレーノズル最上段に、
粒度の粗い石灰石をスプレーノズル最下段に供給するこ
とが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】排煙脱硫装置内のスプ
レー方式吸収塔においては、図5に示すように、吸収剤
である石灰石スラリの投入口が吸収塔ボトムタンクに直
接接続され、供給する石灰石スラリをボトムタンクに導
入する構成となっており、この従来方式では硫黄酸化物
吸収容量の非常に高いバージンの石灰石スラリが、吸収
後の硫酸イオンあるいは亜硫酸イオンの中和に使用され
てしまい、排ガス中の硫黄酸化物の吸収への利用率が低
く抑えられていた。また、図6や特開平6−34382
4号公報に記載された装置では、分級装置を設けて異な
る粒度分布を持つ石灰石を供給する方式を提案している
が、この方式では脱硫率の向上は図れるものの、分級装
置という新たな設備を追加する必要があり、設備コスト
の高騰を招いてしまう。一方、石膏抜出し後の濾液とし
て得られる吸収液の戻り液についても、従来方式では単
純に吸収塔ボトムタンク内に戻すのみで、脱硫反応等の
向上に配慮した利用がなされていなかった。
レー方式吸収塔においては、図5に示すように、吸収剤
である石灰石スラリの投入口が吸収塔ボトムタンクに直
接接続され、供給する石灰石スラリをボトムタンクに導
入する構成となっており、この従来方式では硫黄酸化物
吸収容量の非常に高いバージンの石灰石スラリが、吸収
後の硫酸イオンあるいは亜硫酸イオンの中和に使用され
てしまい、排ガス中の硫黄酸化物の吸収への利用率が低
く抑えられていた。また、図6や特開平6−34382
4号公報に記載された装置では、分級装置を設けて異な
る粒度分布を持つ石灰石を供給する方式を提案している
が、この方式では脱硫率の向上は図れるものの、分級装
置という新たな設備を追加する必要があり、設備コスト
の高騰を招いてしまう。一方、石膏抜出し後の濾液とし
て得られる吸収液の戻り液についても、従来方式では単
純に吸収塔ボトムタンク内に戻すのみで、脱硫反応等の
向上に配慮した利用がなされていなかった。
【0005】また、図5の機器構成では、スプレー噴霧
最下段からの噴霧部が最も硫黄酸化物吸収容量が高く、
スプレー噴霧最上段からの噴霧部が最も硫黄酸化物吸収
容量が低いというように、硫黄酸化物吸収容量を塔全体
から見た場合、非常にバランスの悪い吸収効率となって
いる。一方、図6や上記公報記載の技術では、粒度の細
かい石灰石をスプレー噴霧最上段に、粒度の粗い石灰石
をスプレー噴霧最下段に混入させて脱硫率の向上を図っ
ているが、この方法ではスプレー噴霧最下段からの硫黄
酸化物吸収容量がさらに増加し、塔全体での硫黄酸化物
吸収効率はさらにバランスの悪いものとなる。また、石
膏析出によるスケーリングは局所的に大量のSO2を吸
収することにより発生するため、SO2吸収量が最も多
いスプレー噴霧最下段近傍でスケーリングが生じ易く、
装置のメンテナンスに費用と手間がかかることになる。
さらに、上記公報記載の技術は、石灰石(固体)をスプ
レー段に直接混入させる方式であり、液中での滞留時間
が短いため、十分混合してスラリとするためには、非常
に細かく粉砕した石灰石を使用しなければならない。
最下段からの噴霧部が最も硫黄酸化物吸収容量が高く、
スプレー噴霧最上段からの噴霧部が最も硫黄酸化物吸収
容量が低いというように、硫黄酸化物吸収容量を塔全体
から見た場合、非常にバランスの悪い吸収効率となって
いる。一方、図6や上記公報記載の技術では、粒度の細
かい石灰石をスプレー噴霧最上段に、粒度の粗い石灰石
をスプレー噴霧最下段に混入させて脱硫率の向上を図っ
ているが、この方法ではスプレー噴霧最下段からの硫黄
酸化物吸収容量がさらに増加し、塔全体での硫黄酸化物
吸収効率はさらにバランスの悪いものとなる。また、石
膏析出によるスケーリングは局所的に大量のSO2を吸
収することにより発生するため、SO2吸収量が最も多
いスプレー噴霧最下段近傍でスケーリングが生じ易く、
装置のメンテナンスに費用と手間がかかることになる。
さらに、上記公報記載の技術は、石灰石(固体)をスプ
レー段に直接混入させる方式であり、液中での滞留時間
が短いため、十分混合してスラリとするためには、非常
に細かく粉砕した石灰石を使用しなければならない。
【0006】本発明は上記の諸点に鑑みなされたもの
で、本発明の目的は、吸収剤である石灰石スラリをスプ
レー噴霧段、望ましくはスプレー噴霧最上段に供給し循
環液と混合させて噴霧することにより、バージンの石灰
石スラリが持つ高い硫黄酸化物吸収容量を存分に利用し
て脱硫率を向上させることができ、しかも、従来技術の
ように分級装置といった特別な装置を設ける必要がない
ため、装置全体の低コスト化が可能となる湿式石灰石膏
法脱硫方法及び装置を提供することにある。また、本発
明の目的は、石膏抜出し後の濾液として得られる吸収液
の戻り液をスプレー噴霧段、望ましくはスプレー噴霧最
下段に供給し循環液と混合させて噴霧することにより、
戻り液の特性(固形分極小)の性質を利用して石膏析出
によるスケーリングを防止でき、これにより、装置運転
上の安全性が高まるだけでなく、装置のメンテナンス費
用を削減することができる湿式石灰石膏法脱硫方法及び
装置を提供することにある。また、本発明の目的は、石
灰石スラリをスプレー噴霧最上段に混入させ、石膏抜出
し後の濾液の戻り液をスプレー噴霧最下段に混入させる
ことにより、さらに上記の作用効果を優れたものとする
ことができ、かつ、これらの効果により、各ライン部が
それぞれに持つ吸収液特性を最大限に利用しながら、設
備コストの低減、メンテナンス費用の削減といった経済
性の高い装置を供給することが可能となる湿式石灰石膏
法脱硫方法及び装置を提供することにある。
で、本発明の目的は、吸収剤である石灰石スラリをスプ
レー噴霧段、望ましくはスプレー噴霧最上段に供給し循
環液と混合させて噴霧することにより、バージンの石灰
石スラリが持つ高い硫黄酸化物吸収容量を存分に利用し
て脱硫率を向上させることができ、しかも、従来技術の
ように分級装置といった特別な装置を設ける必要がない
ため、装置全体の低コスト化が可能となる湿式石灰石膏
法脱硫方法及び装置を提供することにある。また、本発
明の目的は、石膏抜出し後の濾液として得られる吸収液
の戻り液をスプレー噴霧段、望ましくはスプレー噴霧最
下段に供給し循環液と混合させて噴霧することにより、
戻り液の特性(固形分極小)の性質を利用して石膏析出
によるスケーリングを防止でき、これにより、装置運転
上の安全性が高まるだけでなく、装置のメンテナンス費
用を削減することができる湿式石灰石膏法脱硫方法及び
装置を提供することにある。また、本発明の目的は、石
灰石スラリをスプレー噴霧最上段に混入させ、石膏抜出
し後の濾液の戻り液をスプレー噴霧最下段に混入させる
ことにより、さらに上記の作用効果を優れたものとする
ことができ、かつ、これらの効果により、各ライン部が
それぞれに持つ吸収液特性を最大限に利用しながら、設
備コストの低減、メンテナンス費用の削減といった経済
性の高い装置を供給することが可能となる湿式石灰石膏
法脱硫方法及び装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の湿式石灰石膏法脱硫方法は、スプレー型
吸収塔内に導入したSO2を代表とする硫黄酸化物含有
排ガスに、スプレー噴霧段より吸収液である石灰石スラ
リを噴霧して、排ガス中の硫黄酸化物を亜硫酸イオン及
び亜硫酸カルシウムに転換し、吸収塔内下部のボトムタ
ンクに落下した亜硫酸イオン及び亜硫酸カルシウムを含
む吸収液に酸素を含有する酸化性ガスを吹き込んで、亜
硫酸イオン及び亜硫酸カルシウムを硫酸カルシウム、す
なわち、石膏として固定化し、ボトムタンク内の吸収液
をスプレー噴霧段に汲み上げて循環させる湿式石灰石膏
法による排煙脱硫方法において、新たに供給する石灰石
スラリを、ボトムタンクからスプレー噴霧段に循環液を
汲み上げる循環液ラインに投入するか、又はスプレー噴
霧段に投入するように構成されている。
めに、本発明の湿式石灰石膏法脱硫方法は、スプレー型
吸収塔内に導入したSO2を代表とする硫黄酸化物含有
排ガスに、スプレー噴霧段より吸収液である石灰石スラ
リを噴霧して、排ガス中の硫黄酸化物を亜硫酸イオン及
び亜硫酸カルシウムに転換し、吸収塔内下部のボトムタ
ンクに落下した亜硫酸イオン及び亜硫酸カルシウムを含
む吸収液に酸素を含有する酸化性ガスを吹き込んで、亜
硫酸イオン及び亜硫酸カルシウムを硫酸カルシウム、す
なわち、石膏として固定化し、ボトムタンク内の吸収液
をスプレー噴霧段に汲み上げて循環させる湿式石灰石膏
法による排煙脱硫方法において、新たに供給する石灰石
スラリを、ボトムタンクからスプレー噴霧段に循環液を
汲み上げる循環液ラインに投入するか、又はスプレー噴
霧段に投入するように構成されている。
【0008】上記の本発明の方法において、新たに供給
する石灰石スラリを、ボトムタンクからスプレー噴霧段
の最上段まで循環液を汲み上げる循環液ラインに投入す
るか、又はスプレー噴霧段の最上段に投入することが好
ましい。また、これらの本発明の方法において、ボトム
タンクより抜き出した石膏含有液から石膏を分離した後
の吸収液(濾液の戻り液)を、ボトムタンクからスプレ
ー噴霧段に循環液を汲み上げる循環液ラインに投入する
か、又はスプレー噴霧段に投入することが好ましい。こ
の場合、ボトムタンクより抜き出した石膏含有液から石
膏を分離した後の吸収液(濾液の戻り液)を、ボトムタ
ンクからスプレー噴霧段の最下段に循環液を汲み上げる
循環液ラインに投入するか、又はスプレー噴霧段の最下
段に投入することがより好ましい。
する石灰石スラリを、ボトムタンクからスプレー噴霧段
の最上段まで循環液を汲み上げる循環液ラインに投入す
るか、又はスプレー噴霧段の最上段に投入することが好
ましい。また、これらの本発明の方法において、ボトム
タンクより抜き出した石膏含有液から石膏を分離した後
の吸収液(濾液の戻り液)を、ボトムタンクからスプレ
ー噴霧段に循環液を汲み上げる循環液ラインに投入する
か、又はスプレー噴霧段に投入することが好ましい。こ
の場合、ボトムタンクより抜き出した石膏含有液から石
膏を分離した後の吸収液(濾液の戻り液)を、ボトムタ
ンクからスプレー噴霧段の最下段に循環液を汲み上げる
循環液ラインに投入するか、又はスプレー噴霧段の最下
段に投入することがより好ましい。
【0009】本発明の湿式石灰石膏法脱硫装置は、スプ
レー型吸収塔内に導入された硫黄酸化物含有排ガスに、
吸収塔内に設置されたスプレー噴霧段より吸収液である
石灰石スラリを噴霧して、排ガス中の硫黄酸化物を亜硫
酸イオン及び亜硫酸カルシウムに転換し、吸収塔内下部
に設けられたボトムタンクに落下した亜硫酸イオン及び
亜硫酸カルシウムを含む吸収液に酸化性ガスを吹き込ん
で、亜硫酸イオン及び亜硫酸カルシウムを石膏として固
定化し、ボトムタンク内の吸収液を循環液ラインを介し
てスプレー噴霧段に汲み上げ循環させるようにした湿式
石灰石膏法の排煙脱硫装置において、供給する石灰石ス
ラリの投入口を、ボトムタンクからスプレー噴霧段に循
環液を汲み上げる循環液ラインに接続するか、又はスプ
レー噴霧段に接続して、スプレー噴霧段に供給される循
環液に石灰石スラリを混入させるようにしたことを特徴
としている。
レー型吸収塔内に導入された硫黄酸化物含有排ガスに、
吸収塔内に設置されたスプレー噴霧段より吸収液である
石灰石スラリを噴霧して、排ガス中の硫黄酸化物を亜硫
酸イオン及び亜硫酸カルシウムに転換し、吸収塔内下部
に設けられたボトムタンクに落下した亜硫酸イオン及び
亜硫酸カルシウムを含む吸収液に酸化性ガスを吹き込ん
で、亜硫酸イオン及び亜硫酸カルシウムを石膏として固
定化し、ボトムタンク内の吸収液を循環液ラインを介し
てスプレー噴霧段に汲み上げ循環させるようにした湿式
石灰石膏法の排煙脱硫装置において、供給する石灰石ス
ラリの投入口を、ボトムタンクからスプレー噴霧段に循
環液を汲み上げる循環液ラインに接続するか、又はスプ
レー噴霧段に接続して、スプレー噴霧段に供給される循
環液に石灰石スラリを混入させるようにしたことを特徴
としている。
【0010】上記の本発明の装置において、複数段設置
されたスプレー噴霧段の最上段に石灰石スラリを混入さ
せること、すなわち、供給する石灰石スラリの投入口
を、ボトムタンクからスプレー噴霧段の最上段まで循環
液を汲み上げる循環液ラインに接続するか、又はスプレ
ー噴霧段の最上段に接続して、スプレー噴霧段の最上段
に供給される循環液に石灰石スラリを混入させることが
好ましい。また、これらの本発明の装置において、ボト
ムタンクから抜き出した石膏含有液を石膏分離機に導入
して石膏を分離した後の吸収液を、濾液タンク内に貯留
し、この濾液の戻り液の投入口を、ボトムタンクからス
プレー噴霧段に循環液を汲み上げる循環液ラインに接続
するか、又はスプレー噴霧段に接続して、スプレー噴霧
段に供給される循環液に戻り液を混入させることが好ま
しい。この場合、複数段設置されたスプレー噴霧段の最
下段に戻り液を混入させること、すなわち、供給する濾
液タンクからの戻り液の投入口を、ボトムタンクからス
プレー噴霧段の最下段に循環液を汲み上げる循環液ライ
ンに接続するか、又はスプレー噴霧段の最下段に接続し
て、スプレー噴霧段の最下段に供給される循環液に戻り
液を混入させることがより好ましい。
されたスプレー噴霧段の最上段に石灰石スラリを混入さ
せること、すなわち、供給する石灰石スラリの投入口
を、ボトムタンクからスプレー噴霧段の最上段まで循環
液を汲み上げる循環液ラインに接続するか、又はスプレ
ー噴霧段の最上段に接続して、スプレー噴霧段の最上段
に供給される循環液に石灰石スラリを混入させることが
好ましい。また、これらの本発明の装置において、ボト
ムタンクから抜き出した石膏含有液を石膏分離機に導入
して石膏を分離した後の吸収液を、濾液タンク内に貯留
し、この濾液の戻り液の投入口を、ボトムタンクからス
プレー噴霧段に循環液を汲み上げる循環液ラインに接続
するか、又はスプレー噴霧段に接続して、スプレー噴霧
段に供給される循環液に戻り液を混入させることが好ま
しい。この場合、複数段設置されたスプレー噴霧段の最
下段に戻り液を混入させること、すなわち、供給する濾
液タンクからの戻り液の投入口を、ボトムタンクからス
プレー噴霧段の最下段に循環液を汲み上げる循環液ライ
ンに接続するか、又はスプレー噴霧段の最下段に接続し
て、スプレー噴霧段の最下段に供給される循環液に戻り
液を混入させることがより好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定さ
れるものではなく、適宜変更して実施することが可能な
ものである。図1は、本発明の実施の第1形態による湿
式石灰石膏法脱硫装置の概略構成を示している。図1に
示すように、SO2を代表とする硫黄酸化物含有排ガス
をスプレー型吸収塔10内に導入し、この排ガスにスプ
レー噴霧段(スプレーノズル)16a、16b、16c
より石灰石と水の混合物である石灰石スラリを用いた吸
収液を噴霧して、吸収剤である石灰石スラリと硫黄酸化
物含有排ガスとを接触させ、排ガス中の硫黄酸化物を亜
硫酸イオン及び亜硫酸カルシウムに転換し、吸収塔内下
部のボトムタンク12に落下した亜硫酸イオン及び亜硫
酸カルシウムを含む水溶液(吸収液)に、酸化ガス吹込
手段(一例として、空気吹込ノズル)18より酸素を含
有した酸化性ガス(一例として、空気)を吹き込むこと
により、亜硫酸イオン及び亜硫酸カルシウムを硫酸カル
シウム、すなわち、石膏として固定化する。ボトムタン
ク12内の吸収液は循環液ライン14a、14b、14
cを経由してそれぞれスプレー噴霧段16a、16b、
16cに汲み上げて循環させる。ボトムタンク12から
抜き出した石膏(石膏スラリ)は石膏分離機20で吸収
液が分離され石膏ピット22に送られる。石膏分離機2
0で分離された吸収液は濾液タンク24に貯留される。
26は吸収液循環ポンプ、28は石膏抜出ポンプ、30
は空気ブロワである。
て説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定さ
れるものではなく、適宜変更して実施することが可能な
ものである。図1は、本発明の実施の第1形態による湿
式石灰石膏法脱硫装置の概略構成を示している。図1に
示すように、SO2を代表とする硫黄酸化物含有排ガス
をスプレー型吸収塔10内に導入し、この排ガスにスプ
レー噴霧段(スプレーノズル)16a、16b、16c
より石灰石と水の混合物である石灰石スラリを用いた吸
収液を噴霧して、吸収剤である石灰石スラリと硫黄酸化
物含有排ガスとを接触させ、排ガス中の硫黄酸化物を亜
硫酸イオン及び亜硫酸カルシウムに転換し、吸収塔内下
部のボトムタンク12に落下した亜硫酸イオン及び亜硫
酸カルシウムを含む水溶液(吸収液)に、酸化ガス吹込
手段(一例として、空気吹込ノズル)18より酸素を含
有した酸化性ガス(一例として、空気)を吹き込むこと
により、亜硫酸イオン及び亜硫酸カルシウムを硫酸カル
シウム、すなわち、石膏として固定化する。ボトムタン
ク12内の吸収液は循環液ライン14a、14b、14
cを経由してそれぞれスプレー噴霧段16a、16b、
16cに汲み上げて循環させる。ボトムタンク12から
抜き出した石膏(石膏スラリ)は石膏分離機20で吸収
液が分離され石膏ピット22に送られる。石膏分離機2
0で分離された吸収液は濾液タンク24に貯留される。
26は吸収液循環ポンプ、28は石膏抜出ポンプ、30
は空気ブロワである。
【0012】図1に示す本実施形態の排煙脱硫装置(ス
プレー型吸収塔)では、石灰石スラリタンク32からの
石灰石スラリの供給口(石灰石スラリ供給管42の先端
部)を、ボトムタンク12からスプレー噴霧段16a
(スプレー最上段)に循環液を汲み上げる循環液ライン
14aに接続して、石灰石スラリをスプレー噴霧段16
a(スプレー最上段)に供給している。なお、石灰石ス
ラリタンク32からの石灰石スラリの供給口を直接スプ
レー噴霧段16a(スプレー最上段)に接続してもよ
い。34は石灰石スラリピット(ホッパ)、36は供給
ポンプである。また、図1に示す本実施形態の排煙脱硫
装置(スプレー型吸収塔)では、濾液タンク24からの
戻り液の供給口(戻り液供給管44の先端部)を、ボト
ムタンク12からスプレー噴霧段16c(スプレー最下
段)に循環液を汲み上げる循環液ライン14cに接続し
て、吸収液の戻り液をスプレー噴霧段16c(スプレー
最下段)に供給している。なお、濾液タンク24からの
戻り液の供給口を直接スプレー噴霧段16c(スプレー
最下段)に接続してもよい。38は供給ポンプである。
なお、図1では、一例として、スプレー噴霧段(スプレ
ーノズル)を吸収塔内に3段設置しているが、2段以下
又は4段以上とすることも勿論可能である。また、図1
では、吸収塔内に仕切部材を設けてガス流れ方向が塔頂
部近傍で反転する構成となっているが、吸収塔の構成は
これに限定されるものではない。
プレー型吸収塔)では、石灰石スラリタンク32からの
石灰石スラリの供給口(石灰石スラリ供給管42の先端
部)を、ボトムタンク12からスプレー噴霧段16a
(スプレー最上段)に循環液を汲み上げる循環液ライン
14aに接続して、石灰石スラリをスプレー噴霧段16
a(スプレー最上段)に供給している。なお、石灰石ス
ラリタンク32からの石灰石スラリの供給口を直接スプ
レー噴霧段16a(スプレー最上段)に接続してもよ
い。34は石灰石スラリピット(ホッパ)、36は供給
ポンプである。また、図1に示す本実施形態の排煙脱硫
装置(スプレー型吸収塔)では、濾液タンク24からの
戻り液の供給口(戻り液供給管44の先端部)を、ボト
ムタンク12からスプレー噴霧段16c(スプレー最下
段)に循環液を汲み上げる循環液ライン14cに接続し
て、吸収液の戻り液をスプレー噴霧段16c(スプレー
最下段)に供給している。なお、濾液タンク24からの
戻り液の供給口を直接スプレー噴霧段16c(スプレー
最下段)に接続してもよい。38は供給ポンプである。
なお、図1では、一例として、スプレー噴霧段(スプレ
ーノズル)を吸収塔内に3段設置しているが、2段以下
又は4段以上とすることも勿論可能である。また、図1
では、吸収塔内に仕切部材を設けてガス流れ方向が塔頂
部近傍で反転する構成となっているが、吸収塔の構成は
これに限定されるものではない。
【0013】従来、石灰石スラリの供給や石膏分離後の
濾液の戻り液の供給は、前述の図5に示すように、単純
に吸収塔ボトムタンクに投入するのみであったが、本発
明では、後述するような脱硫反応特性を把握することか
ら導かれる最適な供給方法を採用している。すなわち、
図1に示す本発明では、吸収剤である石灰石スラリをス
プレー噴霧最上段に供給し循環液と混合させて噴霧する
ことにより、バージンの石灰石スラリが持つ高い硫黄酸
化物吸収容量を存分に利用することができる。また、石
膏分離後の濾液の戻り液をスプレー噴霧最下段に供給し
循環液と混合させて噴霧することにより、戻り液の特性
(固形分極小)の性質を利用して石膏析出によるスケー
リングを防止でき、これにより、装置運転上の安全性が
高まるだけでなく、装置のメンテナンス費用を削減する
ことができる。また、前述の図6や特開平6−3438
24号公報に記載された装置では、分級装置を設けて異
なる粒度分布を持つ石灰石を供給しており、この場合、
分級装置という新たな設備を追加する必要があり設備コ
ストの高騰が危惧されるが、本発明では、従来技術のよ
うに分級装置といった特別な装置を設ける必要がないた
め、装置全体の低コスト化が可能となる。このように、
本発明では、既存の設備の投入ラインを変更するだけで
脱硫率の向上が図れ、あわせてスケーリングの防止等の
装置の安全性が図れる。
濾液の戻り液の供給は、前述の図5に示すように、単純
に吸収塔ボトムタンクに投入するのみであったが、本発
明では、後述するような脱硫反応特性を把握することか
ら導かれる最適な供給方法を採用している。すなわち、
図1に示す本発明では、吸収剤である石灰石スラリをス
プレー噴霧最上段に供給し循環液と混合させて噴霧する
ことにより、バージンの石灰石スラリが持つ高い硫黄酸
化物吸収容量を存分に利用することができる。また、石
膏分離後の濾液の戻り液をスプレー噴霧最下段に供給し
循環液と混合させて噴霧することにより、戻り液の特性
(固形分極小)の性質を利用して石膏析出によるスケー
リングを防止でき、これにより、装置運転上の安全性が
高まるだけでなく、装置のメンテナンス費用を削減する
ことができる。また、前述の図6や特開平6−3438
24号公報に記載された装置では、分級装置を設けて異
なる粒度分布を持つ石灰石を供給しており、この場合、
分級装置という新たな設備を追加する必要があり設備コ
ストの高騰が危惧されるが、本発明では、従来技術のよ
うに分級装置といった特別な装置を設ける必要がないた
め、装置全体の低コスト化が可能となる。このように、
本発明では、既存の設備の投入ラインを変更するだけで
脱硫率の向上が図れ、あわせてスケーリングの防止等の
装置の安全性が図れる。
【0014】また、従来技術と対比した本発明の特徴と
して下記の点が挙げられる。 (1)濾液タンクからの戻り液をスプレー最下段に混入
させる。スプレー最下段からの噴霧部が最もSO2吸収
量が多く、この個所で石膏析出によるスケーリングが生
じ易い。そこで、濾液タンクからの戻り液をスプレー噴
霧最下段に混入させることで、この個所のスラリ濃度を
下げ、スケーリングを防止することができる。 (2)石灰石(固体)ではなく石灰石スラリ(液体)を
スプレー最上段に混入させる。石灰石(固体)をスプレ
ー段に直接混入させる方式(特開平6−343824号
公報)では液中の滞留時間が短いため、十分混合してス
ラリとするためには、非常に細かく粉砕した石灰石を使
用しなければならないが、本発明では、十分に滞留時間
をとった石灰石スラリを混入させることで、分級装置を
必要としない、かつ、破砕動力を必要としない、の2点
で有効となる。また、pH値の高い石灰石スラリをスプレ
ー最上段に混入させることで、最上段から噴霧されるス
プレー液滴のpH値を上昇させることができる。高いpH値
を持つ吸収液は高いSO2吸収容量を持つため、必然的
に脱硫率の向上が図れる。また、高いpH値ほどSO2吸
収が進行するスプレー部とは対照的に、SO2ガスの吸
収により生成する亜硫酸カルシウムを酸化させて石膏と
して回収するボトムタンク部では、低いpH値ほど酸化が
進行する。これはpH値の高い石灰石スラリの供給をボト
ムタンク部からスプレー段に変更することで解決するこ
とができる。すなわち、本発明では、pH値の高い石灰石
スラリの供給をボトムタンク部からスプレー段に変更す
ることで、局所的にpH値の高くなる領域をなくし、石膏
への酸化を進行させることができる。
して下記の点が挙げられる。 (1)濾液タンクからの戻り液をスプレー最下段に混入
させる。スプレー最下段からの噴霧部が最もSO2吸収
量が多く、この個所で石膏析出によるスケーリングが生
じ易い。そこで、濾液タンクからの戻り液をスプレー噴
霧最下段に混入させることで、この個所のスラリ濃度を
下げ、スケーリングを防止することができる。 (2)石灰石(固体)ではなく石灰石スラリ(液体)を
スプレー最上段に混入させる。石灰石(固体)をスプレ
ー段に直接混入させる方式(特開平6−343824号
公報)では液中の滞留時間が短いため、十分混合してス
ラリとするためには、非常に細かく粉砕した石灰石を使
用しなければならないが、本発明では、十分に滞留時間
をとった石灰石スラリを混入させることで、分級装置を
必要としない、かつ、破砕動力を必要としない、の2点
で有効となる。また、pH値の高い石灰石スラリをスプレ
ー最上段に混入させることで、最上段から噴霧されるス
プレー液滴のpH値を上昇させることができる。高いpH値
を持つ吸収液は高いSO2吸収容量を持つため、必然的
に脱硫率の向上が図れる。また、高いpH値ほどSO2吸
収が進行するスプレー部とは対照的に、SO2ガスの吸
収により生成する亜硫酸カルシウムを酸化させて石膏と
して回収するボトムタンク部では、低いpH値ほど酸化が
進行する。これはpH値の高い石灰石スラリの供給をボト
ムタンク部からスプレー段に変更することで解決するこ
とができる。すなわち、本発明では、pH値の高い石灰石
スラリの供給をボトムタンク部からスプレー段に変更す
ることで、局所的にpH値の高くなる領域をなくし、石膏
への酸化を進行させることができる。
【0015】(3)上記の(1)と(2)の両者の効果 前述した図5の機器構成では、スプレー噴霧最下段から
の噴霧部が最もSO2吸収容量が高く、スプレー噴霧最
上段からの噴霧部が最もSO2吸収容量が低いというよ
うに、SO2吸収容量を塔全体から見た場合、非常にバ
ランスの悪い吸収効率となっている。一方、前述の図6
や特開平6−343824号公報記載の技術では、粒度
の細かい石灰石をスプレー噴霧最上段に、粒度の粗い石
灰石をスプレー噴霧最下段に混入させて脱硫率の向上を
図っているが、この方法ではスプレー噴霧最下段からの
SO2吸収容量がさらに増加し、塔全体でのSO2吸収効
率はさらにバランスの悪いものとなる。しかし、図1に
示す本発明では、濾液タンクからの戻り液をスプレー噴
霧最下段に投入することで最下段でのSO2吸収容量を
下げ、石灰石スラリをスプレー噴霧最上段に投入するこ
とで最上段でのSO 2吸収容量を上げることができるた
め、塔全体のSO2吸収効率は非常にバランスのとれた
ものとなる。また、石膏析出によるスケーリングは局所
的に大量のSO2を吸収することにより発生するため、
塔全体のSO2吸収効率をバランスのとれたものにする
ことはスケーリングの防止につながる。これは、装置全
体の安全性が高まる、メンテナンスフリーの状態に近づ
けることができる、の2点で非常に有効となる。
の噴霧部が最もSO2吸収容量が高く、スプレー噴霧最
上段からの噴霧部が最もSO2吸収容量が低いというよ
うに、SO2吸収容量を塔全体から見た場合、非常にバ
ランスの悪い吸収効率となっている。一方、前述の図6
や特開平6−343824号公報記載の技術では、粒度
の細かい石灰石をスプレー噴霧最上段に、粒度の粗い石
灰石をスプレー噴霧最下段に混入させて脱硫率の向上を
図っているが、この方法ではスプレー噴霧最下段からの
SO2吸収容量がさらに増加し、塔全体でのSO2吸収効
率はさらにバランスの悪いものとなる。しかし、図1に
示す本発明では、濾液タンクからの戻り液をスプレー噴
霧最下段に投入することで最下段でのSO2吸収容量を
下げ、石灰石スラリをスプレー噴霧最上段に投入するこ
とで最上段でのSO 2吸収容量を上げることができるた
め、塔全体のSO2吸収効率は非常にバランスのとれた
ものとなる。また、石膏析出によるスケーリングは局所
的に大量のSO2を吸収することにより発生するため、
塔全体のSO2吸収効率をバランスのとれたものにする
ことはスケーリングの防止につながる。これは、装置全
体の安全性が高まる、メンテナンスフリーの状態に近づ
けることができる、の2点で非常に有効となる。
【0016】つぎに、図1に示す本発明の装置を運転し
た場合について従来技術と対比しながら詳細に説明す
る。湿式石灰石膏法を採用した排煙脱硫装置において、
運転時のpHは脱硫性能を左右する重要な因子の一つとな
っている。また、運転時のpHと脱硫率の関係は図2の実
験結果に記載した通り、高pH側になるほど非常によい脱
硫率を示す結果となっている。図2では、従来技術(図
5の装置での値を示す)での運転pHが5.2、図1に示
す本発明の装置を用いたときの噴霧直後のpHが8である
ことからそれらのときの脱硫率を比較しているが、pHが
5.2から8に上昇することにより脱硫率は非常によく
なっていることがわかる。また、pHが3のとき脱硫率が
ゼロとなっているのは、このときのpHでは既に平衡状態
に達しており、これ以上の硫黄酸化物の吸収容量を持た
ないためである。図3及び表1では、従来型装置(図5
の装置)を用いたときの噴霧スプレーノズルの噴霧直後
からボトムタンクへの落下、ボトムタンクでの攪拌を経
て再び噴霧スプレーノズル部に循環されるまでのpH変動
を示している。
た場合について従来技術と対比しながら詳細に説明す
る。湿式石灰石膏法を採用した排煙脱硫装置において、
運転時のpHは脱硫性能を左右する重要な因子の一つとな
っている。また、運転時のpHと脱硫率の関係は図2の実
験結果に記載した通り、高pH側になるほど非常によい脱
硫率を示す結果となっている。図2では、従来技術(図
5の装置での値を示す)での運転pHが5.2、図1に示
す本発明の装置を用いたときの噴霧直後のpHが8である
ことからそれらのときの脱硫率を比較しているが、pHが
5.2から8に上昇することにより脱硫率は非常によく
なっていることがわかる。また、pHが3のとき脱硫率が
ゼロとなっているのは、このときのpHでは既に平衡状態
に達しており、これ以上の硫黄酸化物の吸収容量を持た
ないためである。図3及び表1では、従来型装置(図5
の装置)を用いたときの噴霧スプレーノズルの噴霧直後
からボトムタンクへの落下、ボトムタンクでの攪拌を経
て再び噴霧スプレーノズル部に循環されるまでのpH変動
を示している。
【0017】
【表1】
【0018】図3及び表1より従来型装置(図5)での
噴霧直後(A1)でのpHは約5.2であり、スプレー液
滴がボトムタンク液面まで落下する間に排ガス中の硫黄
酸化物を吸収することによってpHは約3まで低下する
(A2)。そして、ボトムタンク内で供給される石灰石
スラリと混合されることによってpHは再び約5.2まで
回復する(A3)。そして、循環ポンプにより汲み上げ
られpH=5.2の液としてスプレー噴霧ノズルより噴霧
される(A1)。一方、図1に示す本発明の装置では、
スプレー噴霧液に直接石灰石スラリを導入するため噴霧
直後の液滴中のpHは約8となる(B1)。そして、図3
で示したようにスプレー液滴がボトムタンク液面まで落
下する間に排ガス中の硫黄酸化物を吸収することによっ
てpHは約5まで低下する(B2)。そして、本発明では
ボトムタンク内での石灰石スラリの導入はないため、ボ
トムタンク内でのpH変動はなく5のままであり、このボ
トムタンク内の液を循環ポンプにより汲み上げその途中
のラインに石灰石スラリを投入することによりpHは約8
まで上昇する(B2→B3→B1)。そして、pH=8の液
がスプレー噴霧ノズルより噴霧されることになる
(B1)。なお、図3において、A1→A2及びB1→B2
の曲線の形状が異なるのは、pHが高いと硫黄酸化物の吸
収速度が速いため、定常値に達するまでの時間が短くな
ることに起因する。このことからも本発明の方式を用い
た場合、塔高の縮小が可能となる。
噴霧直後(A1)でのpHは約5.2であり、スプレー液
滴がボトムタンク液面まで落下する間に排ガス中の硫黄
酸化物を吸収することによってpHは約3まで低下する
(A2)。そして、ボトムタンク内で供給される石灰石
スラリと混合されることによってpHは再び約5.2まで
回復する(A3)。そして、循環ポンプにより汲み上げ
られpH=5.2の液としてスプレー噴霧ノズルより噴霧
される(A1)。一方、図1に示す本発明の装置では、
スプレー噴霧液に直接石灰石スラリを導入するため噴霧
直後の液滴中のpHは約8となる(B1)。そして、図3
で示したようにスプレー液滴がボトムタンク液面まで落
下する間に排ガス中の硫黄酸化物を吸収することによっ
てpHは約5まで低下する(B2)。そして、本発明では
ボトムタンク内での石灰石スラリの導入はないため、ボ
トムタンク内でのpH変動はなく5のままであり、このボ
トムタンク内の液を循環ポンプにより汲み上げその途中
のラインに石灰石スラリを投入することによりpHは約8
まで上昇する(B2→B3→B1)。そして、pH=8の液
がスプレー噴霧ノズルより噴霧されることになる
(B1)。なお、図3において、A1→A2及びB1→B2
の曲線の形状が異なるのは、pHが高いと硫黄酸化物の吸
収速度が速いため、定常値に達するまでの時間が短くな
ることに起因する。このことからも本発明の方式を用い
た場合、塔高の縮小が可能となる。
【0019】また、ここで従来型装置(図5)及び図1
に示す本発明の装置で吸収される硫黄酸化物の量を模式
的に表したものが図4である。図4において、従来方式
での硫黄酸化物吸収容量はS1で表され、本発明での硫
黄酸化物吸収容量はS1+S2で表され、従来方式よりも
本発明の方式を用いた方が硫黄酸化物吸収容量はS2分
多くなることがわかる。この一つ目の要因としては、図
2で述べたようにpHが高いほど脱硫性能がよい、つま
り、pHが高いほどより高い硫黄酸化物吸収容量を持つた
めである。また、二つ目の要因としては、従来方式では
投入する石灰石スラリはボトムタンク中に溶け込んだ硫
黄酸化物の中和剤として一部使用されてしまう(A2→
A3部分)ため、排ガス中の硫黄酸化物吸収への関与は
小さくなるが、本発明の装置では投入する石灰石スラリ
の全量が排ガス中の硫黄酸化物の吸収に関与できるため
である。
に示す本発明の装置で吸収される硫黄酸化物の量を模式
的に表したものが図4である。図4において、従来方式
での硫黄酸化物吸収容量はS1で表され、本発明での硫
黄酸化物吸収容量はS1+S2で表され、従来方式よりも
本発明の方式を用いた方が硫黄酸化物吸収容量はS2分
多くなることがわかる。この一つ目の要因としては、図
2で述べたようにpHが高いほど脱硫性能がよい、つま
り、pHが高いほどより高い硫黄酸化物吸収容量を持つた
めである。また、二つ目の要因としては、従来方式では
投入する石灰石スラリはボトムタンク中に溶け込んだ硫
黄酸化物の中和剤として一部使用されてしまう(A2→
A3部分)ため、排ガス中の硫黄酸化物吸収への関与は
小さくなるが、本発明の装置では投入する石灰石スラリ
の全量が排ガス中の硫黄酸化物の吸収に関与できるため
である。
【0020】図1に示す本発明の装置の具体例として、
350MW発電設備容量の湿式排煙脱硫装置を用いた場合
について説明する。図1に示す本発明の装置の運転デー
タと比較例として図5に示す従来方式での運転データと
を表2に示す。なお、実験では、図5に示す従来方式の
湿式排煙脱硫装置において、従来方式での石灰石スラリ
投入量と同量の流量を供給位置のみボトムタンクからス
プレー噴霧最上段に変更して流すことで、図1に示す本
発明の方式を実施した。同様に、図5に示す従来方式の
湿式排煙脱硫装置において、従来方式での戻り液投入量
と同量の流量を供給位置のみボトムタンクからスプレー
噴霧最下段に変更して流すことで、図1に示す本発明の
方式を実施した。表2において、従来方式での石灰石ス
ラリ投入量と同量の流量を供給位置のみ変更して流した
とき、本発明の方式では従来方式と比較してよい脱硫率
を示している。また、硫黄酸化物吸収量が増加する分、
吸収塔ボトムタンク液及び抜出し石膏スラリ中のpH値は
若干低い値となっている。一方、従来方式では高濃度の
硫黄酸化物と接触するスプレー噴霧最下段にて石膏ある
いは亜硫酸カルシウム析出によるスケーリングがスプレ
ーノズル近傍で起こるが、本発明の方式を用いるとスケ
ーリングの抑制効果が確認された。
350MW発電設備容量の湿式排煙脱硫装置を用いた場合
について説明する。図1に示す本発明の装置の運転デー
タと比較例として図5に示す従来方式での運転データと
を表2に示す。なお、実験では、図5に示す従来方式の
湿式排煙脱硫装置において、従来方式での石灰石スラリ
投入量と同量の流量を供給位置のみボトムタンクからス
プレー噴霧最上段に変更して流すことで、図1に示す本
発明の方式を実施した。同様に、図5に示す従来方式の
湿式排煙脱硫装置において、従来方式での戻り液投入量
と同量の流量を供給位置のみボトムタンクからスプレー
噴霧最下段に変更して流すことで、図1に示す本発明の
方式を実施した。表2において、従来方式での石灰石ス
ラリ投入量と同量の流量を供給位置のみ変更して流した
とき、本発明の方式では従来方式と比較してよい脱硫率
を示している。また、硫黄酸化物吸収量が増加する分、
吸収塔ボトムタンク液及び抜出し石膏スラリ中のpH値は
若干低い値となっている。一方、従来方式では高濃度の
硫黄酸化物と接触するスプレー噴霧最下段にて石膏ある
いは亜硫酸カルシウム析出によるスケーリングがスプレ
ーノズル近傍で起こるが、本発明の方式を用いるとスケ
ーリングの抑制効果が確認された。
【0021】
【表2】
【0022】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、つぎのような効果を奏する。 (1) 吸収剤である石灰石スラリをスプレー噴霧段、
望ましくはスプレー噴霧最上段に供給し循環液と混合さ
せて噴霧することにより、バージンの石灰石スラリが持
つ高い硫黄酸化物吸収容量を存分に利用することがで
き、排ガスの脱硫率が向上する。また、本発明では、従
来技術のように分級装置といった特別な装置を設ける必
要がないため、装置全体の低コスト化が可能となる。さ
らに、石灰石(固体)ではなく石灰石スラリ(液体)と
してスプレー噴霧段に供給するので、液中の滞留時間を
考慮して石灰石を非常に細かく破砕することが必要なく
なり、破砕動力が削減できる。 (2) 石膏抜出し後の濾液として得られる吸収液の戻
り液をスプレー噴霧段、望ましくはスプレー噴霧最下段
に供給し循環液と混合させて噴霧することにより、戻り
液の特性(固形分極小)の性質を利用してスラリ濃度を
下げ石膏析出によるスケーリングを防止することができ
る。これにより、装置運転上の安全性が高まるだけでな
く、装置がメンテナンスフリーの状態に近づくことにな
りメンテナンスの費用と手間が削減できる。 (3) 石灰石スラリをスプレー噴霧最上段に混入さ
せ、石膏抜出し後の濾液の戻り液をスプレー噴霧最下段
に混入させることにより、上記(1)、(2)の効果を
さらに優れたものとすることができる。そして、これら
の効果により、各ライン部がそれぞれに持つ吸収液特性
を最大限に利用しながら、設備コストの低減、メンテナ
ンス費用の削減といった経済性の高い装置を提供するこ
とができる。 (4) 石灰石スラリの供給をボトムタンクからスプレ
ー噴霧段に変更することにより、ボトムタンク内で局所
的にpH値の高くなる領域をなくし、ボトムタンク内での
石膏への酸化を促進させることができる。 (5) 濾液タンクからの戻り液をスプレー噴霧最下段
に投入することで最下段での硫黄酸化物吸収容量を下
げ、石灰石スラリをスプレー噴霧最上段に投入すること
で最上段での硫黄酸化物吸収容量を上げることができる
ため、塔全体の硫黄酸化物吸収効率は非常にバランスの
とれたものとなる。このことは、石膏析出によるスケー
リングの防止にもつながる。
で、つぎのような効果を奏する。 (1) 吸収剤である石灰石スラリをスプレー噴霧段、
望ましくはスプレー噴霧最上段に供給し循環液と混合さ
せて噴霧することにより、バージンの石灰石スラリが持
つ高い硫黄酸化物吸収容量を存分に利用することがで
き、排ガスの脱硫率が向上する。また、本発明では、従
来技術のように分級装置といった特別な装置を設ける必
要がないため、装置全体の低コスト化が可能となる。さ
らに、石灰石(固体)ではなく石灰石スラリ(液体)と
してスプレー噴霧段に供給するので、液中の滞留時間を
考慮して石灰石を非常に細かく破砕することが必要なく
なり、破砕動力が削減できる。 (2) 石膏抜出し後の濾液として得られる吸収液の戻
り液をスプレー噴霧段、望ましくはスプレー噴霧最下段
に供給し循環液と混合させて噴霧することにより、戻り
液の特性(固形分極小)の性質を利用してスラリ濃度を
下げ石膏析出によるスケーリングを防止することができ
る。これにより、装置運転上の安全性が高まるだけでな
く、装置がメンテナンスフリーの状態に近づくことにな
りメンテナンスの費用と手間が削減できる。 (3) 石灰石スラリをスプレー噴霧最上段に混入さ
せ、石膏抜出し後の濾液の戻り液をスプレー噴霧最下段
に混入させることにより、上記(1)、(2)の効果を
さらに優れたものとすることができる。そして、これら
の効果により、各ライン部がそれぞれに持つ吸収液特性
を最大限に利用しながら、設備コストの低減、メンテナ
ンス費用の削減といった経済性の高い装置を提供するこ
とができる。 (4) 石灰石スラリの供給をボトムタンクからスプレ
ー噴霧段に変更することにより、ボトムタンク内で局所
的にpH値の高くなる領域をなくし、ボトムタンク内での
石膏への酸化を促進させることができる。 (5) 濾液タンクからの戻り液をスプレー噴霧最下段
に投入することで最下段での硫黄酸化物吸収容量を下
げ、石灰石スラリをスプレー噴霧最上段に投入すること
で最上段での硫黄酸化物吸収容量を上げることができる
ため、塔全体の硫黄酸化物吸収効率は非常にバランスの
とれたものとなる。このことは、石膏析出によるスケー
リングの防止にもつながる。
【図1】本発明の実施の第1形態による湿式石灰石膏法
脱硫装置を示す系統的概略構成説明図である。
脱硫装置を示す系統的概略構成説明図である。
【図2】湿式石灰石膏法を採用した排煙脱硫装置におけ
る運転時のpHと脱硫率との関係を示すグラフである。
る運転時のpHと脱硫率との関係を示すグラフである。
【図3】本発明の装置及び従来型装置を用いた場合のス
プレー噴霧液滴のpH変動を示すグラフである。
プレー噴霧液滴のpH変動を示すグラフである。
【図4】図3のグラフに基づいて本発明の装置及び従来
型装置を用いたときの硫黄酸化物吸収容量を表した模式
図である。
型装置を用いたときの硫黄酸化物吸収容量を表した模式
図である。
【図5】従来の排煙脱硫装置の一例を示す系統的概略構
成説明図である。
成説明図である。
【図6】従来の排煙脱硫装置の他の例を示す系統的概略
構成説明図である。
構成説明図である。
10 スプレー型吸収塔 12 ボトムタンク 14a、14b、14c 循環液ライン 16a、16b、16c スプレー噴霧段 18 酸化ガス吹込手段 20 石膏分離機 22 石膏ピット 24 濾液タンク 26 吸収液循環ポンプ 28 石膏抜出ポンプ 30 空気ブロワ 32 石灰石スラリタンク 34 石灰石スラリピット(ホッパ) 36、38 供給ポンプ 40 分級装置 42 石灰石スラリ供給管 44 戻り液供給管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 繁治 神戸市中央区東川崎町3丁目1番1号 川 崎重工業株式会社神戸工場内 (72)発明者 蓑島 邦臣 神戸市中央区東川崎町3丁目1番1号 川 崎重工業株式会社神戸工場内 (72)発明者 丸井 和人 神戸市中央区東川崎町3丁目1番1号 川 崎重工業株式会社神戸工場内 (72)発明者 進藤 大輔 神戸市中央区東川崎町3丁目1番1号 川 崎重工業株式会社神戸工場内 Fターム(参考) 4D002 AA02 AB01 BA02 CA01 DA05 DA16 FA02 GA03 GB08
Claims (8)
- 【請求項1】 スプレー型吸収塔内に導入した硫黄酸化
物含有排ガスに、スプレー噴霧段より吸収液である石灰
石スラリを噴霧して、排ガス中の硫黄酸化物を亜硫酸イ
オン及び亜硫酸カルシウムに転換し、吸収塔内下部のボ
トムタンクに落下した亜硫酸イオン及び亜硫酸カルシウ
ムを含む吸収液に酸化性ガスを吹き込んで、亜硫酸イオ
ン及び亜硫酸カルシウムを石膏として固定化し、ボトム
タンク内の吸収液をスプレー噴霧段に汲み上げて循環さ
せる湿式石灰石膏法による排煙脱硫方法において、新た
に供給する石灰石スラリを、ボトムタンクからスプレー
噴霧段に循環液を汲み上げる循環液ラインに投入する
か、又はスプレー噴霧段に投入することを特徴とする湿
式石灰石膏法脱硫方法。 - 【請求項2】 新たに供給する石灰石スラリを、ボトム
タンクからスプレー噴霧段の最上段まで循環液を汲み上
げる循環液ラインに投入するか、又はスプレー噴霧段の
最上段に投入する請求項1記載の湿式石灰石膏法脱硫方
法。 - 【請求項3】 ボトムタンクより抜き出した石膏含有液
から石膏を分離した後の吸収液を、ボトムタンクからス
プレー噴霧段に循環液を汲み上げる循環液ラインに投入
するか、又はスプレー噴霧段に投入する請求項1又は2
記載の湿式石灰石膏法脱硫方法。 - 【請求項4】 ボトムタンクより抜き出した石膏含有液
から石膏を分離した後の吸収液を、ボトムタンクからス
プレー噴霧段の最下段に循環液を汲み上げる循環液ライ
ンに投入するか、又はスプレー噴霧段の最下段に投入す
る請求項3記載の湿式石灰石膏法脱硫方法。 - 【請求項5】 スプレー型吸収塔内に導入された硫黄酸
化物含有排ガスに、吸収塔内に設置されたスプレー噴霧
段より吸収液である石灰石スラリを噴霧して、排ガス中
の硫黄酸化物を亜硫酸イオン及び亜硫酸カルシウムに転
換し、吸収塔内下部に設けられたボトムタンクに落下し
た亜硫酸イオン及び亜硫酸カルシウムを含む吸収液に酸
化性ガスを吹き込んで、亜硫酸イオン及び亜硫酸カルシ
ウムを石膏として固定化し、ボトムタンク内の吸収液を
循環液ラインを介してスプレー噴霧段に汲み上げ循環さ
せるようにした湿式石灰石膏法の排煙脱硫装置におい
て、供給する石灰石スラリの投入口を、ボトムタンクか
らスプレー噴霧段に循環液を汲み上げる循環液ラインに
接続するか、又はスプレー噴霧段に接続して、スプレー
噴霧段に供給される循環液に石灰石スラリを混入させる
ようにしたことを特徴とする湿式石灰石膏法脱硫装置。 - 【請求項6】 スプレー噴霧段が複数段設置されてお
り、供給する石灰石スラリの投入口を、ボトムタンクか
らスプレー噴霧段の最上段まで循環液を汲み上げる循環
液ラインに接続するか、又はスプレー噴霧段の最上段に
接続して、スプレー噴霧段の最上段に供給される循環液
に石灰石スラリを混入させるようにした請求項5記載の
湿式石灰石膏法脱硫装置。 - 【請求項7】 ボトムタンクから抜き出した石膏含有液
を石膏分離機に導入して石膏を分離した後の吸収液を、
濾液タンク内に貯留し、この濾液の戻り液の投入口を、
ボトムタンクからスプレー噴霧段に循環液を汲み上げる
循環液ラインに接続するか、又はスプレー噴霧段に接続
して、スプレー噴霧段に供給される循環液に戻り液を混
入させるようにした請求項5又は6記載の湿式石灰石膏
法脱硫装置。 - 【請求項8】 スプレー噴霧段が複数段設置されてお
り、供給する濾液タンクからの戻り液の投入口を、ボト
ムタンクからスプレー噴霧段の最下段に循環液を汲み上
げる循環液ラインに接続するか、又はスプレー噴霧段の
最下段に接続して、スプレー噴霧段の最下段に供給され
る循環液に戻り液を混入させるようにした請求項7記載
の湿式石灰石膏法脱硫装置。
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JP2000305945A JP3396662B2 (ja) | 2000-10-05 | 2000-10-05 | 湿式石灰石膏法脱硫方法及び装置 |
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JP2002113324A true JP2002113324A (ja) | 2002-04-16 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100375645C (zh) * | 2005-01-26 | 2008-03-19 | 中芯国际集成电路制造(上海)有限公司 | 湿式废气预处理装置 |
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