JP2002113283A - 減衰装置及びそれを用いた洗濯機 - Google Patents

減衰装置及びそれを用いた洗濯機

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JP2002113283A
JP2002113283A JP2000310709A JP2000310709A JP2002113283A JP 2002113283 A JP2002113283 A JP 2002113283A JP 2000310709 A JP2000310709 A JP 2000310709A JP 2000310709 A JP2000310709 A JP 2000310709A JP 2002113283 A JP2002113283 A JP 2002113283A
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piston
piston rod
damping device
vibration
elastic
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Takeo Noguchi
武夫 野口
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Sharp Corp
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  • Main Body Construction Of Washing Machines And Laundry Dryers (AREA)
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  • Vibration Dampers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動源の振動による衝撃を抑制して床面の振
動や騒音を削減することのできる減衰装置及び洗濯機を
提供する。 【解決手段】 中空のシリンダー132と、所定の摩擦
抵抗でシリンダー1322内を摺動できるピストン13
3と、振動を受けてシリンダー132内を移動するピス
トンロッド131とを備え、ピストン132の両端に配
した弾性体134a、134bとともにピストン132
をピストンロッド131の鍔部131a及びワッシャー
135により挟持した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動を発生する振
動源を支持してこれを減衰させる減衰装置に関する。ま
た本発明は、振動する水槽を支持する減衰装置を有した
洗濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】洗濯機の水槽を支持して水槽の振動を減
衰させる従来の減衰装置は図12に示すように構成され
ている。中空のシリンダー132の下端には取付孔13
2dを有するフック部132aが形成され、取付孔13
2dにネジ等を挿通してシリンダー132が洗濯機本体
に取り付けられる。
【0003】シリンダー132内にはピストン201が
配されている。ピストン201にはシリンダー132の
内壁との間に所定の摩擦抵抗で摺動可能なように、ゴム
や樹脂等の弾性体から成る摺動部材201aが周囲に設
けられている。ピストン201にはピストンロッド13
1が摺動自在に挿通されている。ピストンロッド131
の上端には取付孔131dを有するフック部131aが
形成され、取付孔131dにネジ等を挿通してピストン
ロッド131が洗濯機の水槽に取付けられる。そして、
水槽の振動に応じてピストンロッド131が上下に移動
するようになっている。
【0004】ピストン201の上下の対向する位置に
は、間隔(L、L’)を有してピストンロッド131と
一体に形成された鍔部202が配置されている。鍔部2
02には、シリンダー132の内壁との間に所定の摩擦
抵抗で摺動可能なように、ゴムや樹脂等の弾性体から成
る摺動部材202aが周囲に設けられている。
【0005】また、鍔部202のピストン201に対向
する面には、ピストン201との衝突時の衝撃を緩和す
る緩衝材203が固着されている。そして、下方の鍔部
202とピストン201との間には長さLの隙間が設け
られ、上方の鍔部202とピストン201との間には長
さL’の隙間が設けられている。
【0006】上記構成の減衰装置において、水槽の振動
を受けると、ピストンロッド131には加速度による荷
重が加わりピストンロッド131がA−A’方向に移動
する。この時のピストンロッド131のストロークと移
動に必要な荷重との関係を図13に示す。ピストンロッ
ド131には摺動部材202による摩擦力が働くため、
ピストンロッド131に加わるA方向の荷重が摩擦力を
上回ってp’になると、ピストンロッド131が移動し
始める。
【0007】p’以上の荷重がピストンロッド131に
加わってピストンロッド131のストロークがLになる
と、下方の緩衝材203がピストン201と当接する。
この時、ピストンロッド131に加わる荷重がpよりも
小さいとピストン201の摺動部材201aの摩擦力に
よりピストンロッド131の移動が停止される。
【0008】ピストンロッド131に加わる荷重が摺動
部材201aの摩擦力を上回ってp以上になっている
と、ピストンロッド131がピストン201とともにA
方向に移動する。そして、摺動部材201a、202a
の摩擦力によりピストンロッド131が制動され、水槽
のA方向の振動を減衰させる。
【0009】水槽の振動の向きが反転すると、ピストン
ロッド131に加わる荷重の向きもA’方向に反転す
る。A’方向の荷重が摺動部材202aの摩擦力を上回
ってp’になると、下方の緩衝材203とピストン20
1とが離れ、ピストンロッド131がA’方向に移動し
始める。
【0010】ピストンロッド131の移動ストロークが
L’とLの和になると、上方の緩衝材203がピストン
201と当接する。この時、ピストンロッド131に加
わる荷重がpよりも小さいとピストン201の摺動部材
201aの摩擦力によりピストンロッド131の移動が
停止される。
【0011】ピストンロッド131に加わる荷重が摺動
部材201aの摩擦力を上回ってp以上になっている
と、ピストンロッド131がピストン201とともに
A’方向に移動する。そして、摺動部材201a、20
2aの摩擦力によりピストンロッド131が制動され、
水槽のA’方向の振動を減衰させるようになっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の減衰装置によると、ピストンロッド131を移動
させるために必要な荷重が0からp’及びp’からpに
急激に変化する。このため、ピストンロッド131に
p’よりも小さい荷重が加わった際には、ピストンロッ
ド131とシリンダー132とが固着されている場合と
同一条件になる。従って、水槽の振動による衝撃が本体
に直接伝えられ、床面の振動や騒音の原因となる問題が
あった。
【0013】ピストンロッド131にp’よりも大きな
荷重が加わると、当初摺動部材202aの摩擦力による
減衰機能を有する。ピストンロッド131の加速度が減
衰して、ストロークが所定量(L)になったときに、ピ
ストンロッド131にpよりも小さい荷重が加わってい
る場合には、ピストンロッド131とシリンダー132
とが固着されている場合と同一条件になる。従って、上
記と同様に、水槽の振動による衝撃が本体に直接伝えら
れ、床面の振動や騒音の原因となる問題があった。
【0014】また、鍔部202とピストン201との間
には隙間(L,L’)が形成される。このため、ピスト
ンロッド131にp’よりも大きな荷重が加わって鍔部
202が隙間(L、L’)を移動してピストン201に
衝突する際に衝撃が発生する。この衝撃は緩衝材203
により緩和されるが十分に除去することが困難である。
このため、この衝撃が本体に伝えられて床面の振動や騒
音を更に増大させる問題があった。
【0015】本発明は、振動源の振動による衝撃を抑制
して床面の振動や騒音を削減することのできる減衰装置
及び洗濯機を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の減衰装置は、中空のシリンダーと、所定の摩
擦抵抗で前記シリンダー内を摺動できるピストンと、振
動を受けて前記シリンダー内を移動するピストンロッド
とを備え、弾性体を介して前記ピストンロッドに前記ピ
ストンを取り付けたことを特徴としている。
【0017】この構成によると、振動源の振動によりピ
ストンロッドに荷重が加わって弾性体が弾性変形してピ
ストンロッドが減速しながら移動する。弾性体の弾性力
が所定値になるとピストンとシリンダーとの摩擦力を上
回り、ピストンとともにピストンロッドが減速しながら
移動する。
【0018】また本発明は、上記構成の減衰装置におい
て、前記ピストンロッドを前記ピストンに挿通し、前記
ピストンの両端に配した前記弾性体とともに前記ピスト
ンを前記ピストンロッドと一体の挟持部材により挟持し
たことを特徴としている。
【0019】この構成によると、ピストンに挿通される
ピストンロッドには例えばピストンを挟んだ2箇所に鍔
部が設けられ、ピストンの上端と上方の鍔部との間、及
びピストンの下端と下方の鍔部との間に弾性体が配され
て上下の鍔部で挟持される。そして、振動源の振動によ
りピストンロッドに荷重が加わると、一方の弾性体が圧
縮により弾性変形してピストンロッドが減速しながら移
動する。
【0020】また本発明は、上記構成の減衰装置におい
て、前記弾性体は移動方向に並設されたバネ定数の異な
る複数の部材から成ることを特徴としている。この構成
によると、振動源の振動によりピストンロッドに荷重が
加わると、複数の部材から成る弾性体の弾性力によりピ
ストンロッドが減速しながら移動する。一の部材の弾性
範囲を超えると、他の部材の弾性力がピストンロッドに
加わり、ピストンロッドが更に減速しながら移動する。
【0021】また本発明は、上記構成の減衰装置におい
て、前記弾性体はウレタン樹脂から成ることを特徴とし
ている。
【0022】また本発明の洗濯機は、上記各構成の減衰
装置と、前記減衰装置により支持される水槽とを備えた
ことを特徴としている。この構成によると、水槽が振動
すると加速度による荷重が減衰装置に加わって減衰装置
により逆方向の荷重を加えて水槽の振動を減衰させる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。説明の便宜上、従来例の図12と同
一の部分については同一の符号を付している。図1
(a)、(b)は本発明の第1実施形態のドラム式洗濯
機を前方及び後方から見た外観斜視図である。また、図
2(a)、(b)はその正面図及び側面図である。
【0024】ドラム式洗濯機は、底板2上に外箱1が配
され、外箱1の上面が天板3で覆われている。外箱1は
化粧鋼板を略コ字型に折曲して形成されている。天板3
は圧縮ボード等から成り、外箱1にネジ止めされるよう
になっている。外箱1の前面上部には、使用者が操作を
行う操作パネル4が取り付けられている。
【0025】操作パネル4は、操作部52及び表示部5
1を有し、背面に制御回路(不図示)が配されている。
操作部52は複数の操作キーから成り、ドラム式洗濯機
に設けられた運転条件を設定する操作等を行う。表示部
51は液晶表示装置等から成り、入力情報等を表示す
る。制御部は、ドラム式洗濯機の運転を制御する制御プ
ログラムが格納され、操作部52により運転条件が設定
されると、それに基づいてドラム式洗濯機の運転が行わ
れるようになっている。
【0026】外箱1の前面下部及び中央部には、パネル
カバー5及び前面パネル6が取り付けられている。前面
パネル6には洗濯物投入口6aが開口され、洗濯物投入
口6aを開閉する開閉扉9が設けられている。また、外
箱1の背面は後蓋7により塞がれている。
【0027】開閉扉9はヒンジ9bにより枢支され、把
手9cを把持して開閉される。把手9cにはロック爪9
dが一体に設けられ、前面パネル6にはロック爪9dに
対応する位置にロック機構10が設けられている。開閉
扉9を閉じるとロック爪9dがロック機構10に係合
し、所定の運転プログラムによってロックされる。これ
により、開閉扉9がドラム式洗濯機の運転時に開かない
ようになっている。
【0028】外箱1の内部には前面に向かって開口した
開口部7aを有する水槽7が後方が下がるように傾斜し
て配されている。水槽7内には回転するドラム8が同軸
に傾斜して配されている。この傾斜によって前面側から
のドラム8内の見通しをよくしている。水槽7の背面に
はドラム8を回転駆動する駆動装置14が取り付けられ
ている。
【0029】図3、図4はそれぞれ水槽7の懸架状態を
示す概略の正面図及び背面図である。外箱1の側面の内
壁には水槽7の前方上部にアングル61が取り付けら
れ、外箱1の背面の内壁上部にはアングル62が取付け
られている。水槽7の前面及び背面にはアングル63、
64が固着されている。そして、アングル61とアング
ル63の間に引張りバネから成る第1懸架装置11が掛
着され、水槽7の前部は第1懸架装置11により左右の
2箇所を懸架されている。
【0030】同様に、アングル62とアングル64の間
に引張りバネから成る第2懸架装置12が掛着され、水
槽7の後部は第2懸架装置12により左右の2箇所を懸
架されている。水槽7、ドラム8、駆動装置14等は一
体となって第1、第2懸架装置11、12に懸架され、
ドラム8の回転により一体に揺動する揺動体100を構
成している。アングル63、64は水槽7と一体に成形
してもよい。
【0031】第2懸架装置12の詳細を図5に示すと、
水槽7を懸架するロッド121の下部外周に配される圧
縮バネ122は、ロッド121の下端に固定して設けた
バネ受け123と、水槽7の外壁に設けられるアングル
64に嵌合された水槽受け124との間に縮設されてい
る。ロッド121は、アングル62に非金属のピストン
ロッド受け125を介して吊り下げられるとともに下端
をアングル64及び水槽受け124を貫通して配設され
ている。
【0032】これらの圧縮バネ122、ロッド121、
バネ受け123及び水槽受け124により第2懸架装置
12を構成している。非金属で形成されたピストンロッ
ド受け125と水槽受け123は共にアングル62、6
4と球面対偶の状態で嵌合しており、ロッド121を前
後左右に自由に揺動できるように支持している。
【0033】水槽受け124は、圧縮バネ122を覆う
ように下端を開口した釣り鐘状のスリーブ部124aを
有している。圧縮バネ122の下端を受けるバネ受け1
23の外周の摺動部123aは外径をスリーブ部124
aの内径に略等しくし、両者を嵌め合わせてスリーブ部
124a内に密封空気室126を形成している。この構
成により、水槽7が上下動すると、スリーブ部124a
が摺動部123aの外径に沿って上下動する。
【0034】また、スリーブ部124aの内面と摺動部
123aの外面には、潤滑剤塗布やテフロン(登録商
標)加工等の保護が施されて摺動性を向上させている。
そして、水槽7の上下動に伴い密封空気室126内の空
気が圧縮、膨張する。従って、スリーブ部124aと摺
動部123aにより水槽7の揺動を減衰させる減衰部が
構成され、第2懸架装置12にダンパー機能が付加され
ている。
【0035】水槽7の後方を懸架する第2懸架装置12
がダンパー機能を有することで、水槽7を下方から支持
する減衰装置13を水槽7の前方に配している。このよ
うに、上方から見てドラム8の軸心に対して対称となる
ようにダンパー機能が設けられているので、揺動体10
0の振動をバランス良く減衰することができるようにな
っている。
【0036】また、図3、図4に示すように、第1、第
2懸架装置11、12は、鉛直方向に対してそれぞれ角
度θ1、θ2だけ左右対称に傾斜して取り付けられてい
る。これにより、揺動体(水槽7、ドラム5、駆動機構
9等)100を左右方向の揺動に対して求芯させること
ができる。また、第1、第2懸架装置11、12は鉛直
方向に対して前後の反対方向に角度θ3(図2(b)参
照)だけ傾斜するように取り付けられ、水槽7の前後方
向の揺動を抑制するようになっている。
【0037】図6は減衰装置13の取り付け状態を示す
断面図である。ピストンロッド131のフック部131
aには内周面にスリーブ84が固着されたブッシュ85
が埋め込まれている。スリーブ84にボルト86を挿通
してピストンロッド131が水槽7の前面に固定されて
いる。
【0038】シリンダー132のフック部132aも同
様にスリーブ84が固着されたブッシュ85が埋め込ま
れている。シリンダー132はスリーブ84にボルト8
7が挿通され、底板2から突出して設けられた取付部4
7にナット88により固定されている。これにより、減
衰装置13によって水槽7の前部が底板2に連結支持さ
れている。減衰装置13の取り付け姿勢は、上下を逆に
しても良い。また取付部47を底板2とは別部材にして
固定してもよい。
【0039】ボルト86、87の軸部は、スリーブ84
の幅よりも長い段部86a、87aを有している。これ
により、スリーブ84は段部86a、87aの回りを自
在に回転できるようになっている。従って、減衰装置1
3は水槽7の左右方向(紙面に垂直な方向)の揺動に対
して追従して揺動するようになっている。
【0040】また、ボルト86、87の座面86b、8
7b、水槽7の取付部分の座面7b、取付部47の座面
47aの直径はブッシュ85の外径よりも小さくなるよ
うに形成されている。これにより、水槽7の前後方向の
揺動をブッシュ85の弾性力により吸収して揺動を減衰
できるようになっている。
【0041】減衰装置13の詳細を図7に示す。シリン
ダー132内にはピストン133が配されている。ピス
トン133はシリンダー132の内壁との間に所定の摩
擦抵抗で摺動可能なように、ゴムや樹脂等の弾性体から
成る摺動部材133aが周囲に設けられている。ピスト
ン133にはピストンロッド131が挿通されている。
ピストン133の両端には弾性を有する弾性体134
a、134bが配されている。弾性体134a、134
bはナット136の締め付けによってピストンロッド1
31に形成された鍔部131c及びワッシャー135に
圧接されている。
【0042】減衰装置13の要部を図8に示すと、ピス
トン133に形成される挿通孔133bとピストンロッ
ド131との間にはピストンロッド131が移動自在な
ように隙間が設けられている。これにより、荷重がピス
トンロッド131に加わると、当初ピストン133が停
止した状態で弾性体134a、134bの一方が圧縮さ
れてピストンロッド131が移動できるようになってい
る。
【0043】また、ピストン133の下方のシリンダー
室132bに空気や油等の液体を封入してシリンダー1
33を密閉してもよい。このようにすると、封入された
流体がピストンロッド131の上下方向の移動に伴って
圧縮、膨張され、より振動を減衰させることが可能とな
る。尚、異常により水槽7に許容量を超えた加速度が加
わった場合に、ストッパー131bとシリンダー133
2上端とが当接してピストンロッド131のA’方向の
移動量が制限される。これにより、減衰装置13の破壊
を防止することができる。
【0044】上記構成のドラム式洗濯機において、洗濯
物投入口6aから洗濯物が投入され、操作パネル4の操
作によって洗濯動作が開始される。洗い工程及びすすぎ
工程は水槽7に洗濯水が供給されて駆動装置14により
ドラム8が回転して行われる。脱水工程は洗濯槽7内の
洗濯水を排水後、ドラム8を高速回転して行われる。そ
して、乾燥工程は、ドラム8内に温風を供給しながらド
ラム8を回転して行われる。
【0045】ドラム8、水槽7、駆動装置14等から成
る揺動体100は第1、第2懸架装置11、12により
揺動自在に支持されている。このため、ドラム8の回転
時に洗濯水や洗濯物の偏心により揺動体100が揺動
(振動)する。そして、減衰装置13及び第2懸架装置
12の減衰部により揺動が減衰されるようになってい
る。
【0046】水槽7の振動の加速度による荷重が減衰装
置13に加わると、ピストンロッド131がA−A’方
向に移動する。この時のピストンロッド131のストロ
ークと移動に必要な荷重との関係を図9に示す。A方向
(図7参照)にピストンロッド131が移動すると、所
定の距離Mになるまでの間、弾性体134aの圧縮によ
る弾性力によって減速される(この時、弾性体134b
による弱い弾性力が逆向きに働いている)。そして、弾
性力が所定値p以上になるとピストン133の摺動部材
133aの摩擦力を上回ってピストン133が摺動す
る。これにより、弾性体134aの弾性力及び摺動部材
133aの摩擦力によりピストンロッド131が減速さ
れる。
【0047】水槽7の振動の向きが反転すると、ピスト
ンロッド131に加わる荷重の向きもA’方向に反転す
る。弾性体134aの弾性力により、荷重が働かなくて
もピストンロッド131は距離Mだけ移動してピストン
133に対して元の相対位置に戻る。そして、ピストン
ロッド131が所定の距離M’だけ移動して弾性体13
4bの圧縮による弾性力がpになるまでの間、弾性体1
34bの弾性力によってピストンロッド131が減速さ
れる(この時、弾性体134aによる弱い弾性力が逆向
きに働いている)。
【0048】そして、弾性力が所定値p以上になるとピ
ストン133の摺動部材133aの摩擦力を上回ってピ
ストン133が摺動する。これにより、弾性体134b
の弾性力及び摺動部材133aの摩擦力によりピストン
ロッド131が減速される。この動作を繰り返して振動
の減衰が行われる。
【0049】本実施形態によると、ピストン133を弾
性体134a、134bを介してピストンロッド131
に取り付けているので、振動の加速度によりピストンロ
ッド131に加わる荷重が小さくても、弾性体134
a、134bの弾性力に応じてピストンロッド131が
移動することができる。従って、衝撃が本体に直接伝え
られず、床面の振動や騒音を低減することができる。
【0050】また、弾性体134a、134bに鍔部1
31cとワッシャー135を圧接して弾性体134a、
134bを隙間なく挟持しているので、ピストンロッド
131の移動によりピストンロッド131やピストン1
33と、弾性体134a、134bとの衝突が発生しな
い。更に、減速させるために受ける荷重が連続して0か
らpに達する。従って、衝撃を低減して床面の振動や騒
音を更に低減することができる。
【0051】尚、ピストンロッド131の一方向の運動
のみを減衰させる場合には弾性体134a、134bの
一方を省いてもよい。また、弾性体134a、134b
の一端面をピストン133に固着し、他端面を鍔部13
1cまたはワッシャー135に固着してもよい。この場
合、弾性体134a、134bの一方を省いても圧縮及
び引っ張りによる弾性力によってA方向とA’方向の減
衰を行うことができる。
【0052】また、弾性体134a、134bは弾性を
有する樹脂、ゴム、コイルバネ等を所望のバネ定数等に
応じて使用することができる。特に、ウレタン樹脂はバ
ネ定数の選択が容易であり、寸法やバネ定数の精度安定
性が高く、耐摩耗性、耐油性耐候性が高いためより望ま
しい。
【0053】次に、図10は第2実施形態の減速装置を
示す要部の断面図である。前述の図1〜図8の第1実施
形態と同一の部分には同一の符号を付している。第1実
施形態と異なる点は、ピストン133の上方にバネ定数
の異なる弾性体134b、134b’を移動方向に直列
に並設し、下方にバネ定数の異なる弾性体134a、1
34a’を移動方向に直列に並設している。
【0054】また、ピストン133の挿通孔133bの
内周にはピストンロッド131との間で所定の摩擦力を
有する摺動部材137を配している。これにより、ピス
トンロッド131を制動する能力を向上できるようにな
っている。その他の部分は第1実施形態と同一であり、
上記と同様にドラム式洗濯機の水槽を支持している。
【0055】弾性体134a、134a’134b、1
34b’のそれぞれのバネ定数は、弾性体134aより
も弾性体134a’の方が大きく、弾性体134bより
も弾性体134b’の方が大きくなっている。
【0056】水槽7(図2b参照)の振動によって減衰
装置13に加速度による荷重が加わると、ピストンロッ
ド131がA−A’方向に移動する。この時のピストン
ロッド131のストロークと移動に必要な荷重との関係
を図11に示す。A方向にピストンロッド131が移動
すると、所定の距離eになるまでの間、弾性体134
a、134a’の圧縮による弾性力によって減速される
(この時、弾性体134b、134b’による弱い弾性
力が逆向きに働いている)。これにより、弾性体134
aは大きく収縮し、弾性体134a’はわずかに収縮す
る。
【0057】弾性力が所定値p”以上になると弾性体1
34aの弾性範囲を超えて弾性体134aが収縮しなく
なる。従って、弾性体134aと弾性体134a’との
全体のバネ定数が弾性体134a’のバネ定数に等しく
なり、所定の距離fになるまでの間弾性体134a’の
弾性力によってピストンロッド131が減速される。そ
して、弾性力が所定値p以上になるとピストン133の
摺動部材133aの摩擦力を上回ってピストン133が
摺動する。これにより、弾性体134a’の弾性力及び
摺動部材133aの摩擦力によりピストンロッド131
が減速される。
【0058】水槽7の振動の向きが反転すると、ピスト
ンロッド131に加わる荷重の向きもA’方向に反転す
る。弾性体134a、134a’の弾性力により荷重が
働かなくてもピストンロッド131は距離e+fだけ移
動してピストン133に対して元の相対位置に戻る。そ
して、所定の距離e’移動するまでの間、弾性体134
b、134b’の圧縮による弾性力によってピストンロ
ッド131が減速される(この時、弾性体134a、1
34a’による弱い弾性力が逆向きに働いている)。そ
して、弾性体134bは大きく収縮し、弾性体134
b’はわずかに収縮する。
【0059】弾性力が所定値p”以上になると弾性体1
34bの弾性範囲を超え、所定の距離f’になるまでの
間弾性体134b’の圧縮による弾性力によってピスト
ンロッド131が減速される。そして、弾性力が所定値
p以上になるとピストン133の摺動部材133aの摩
擦力を上回ってピストン133が摺動する。これによ
り、弾性体134bの弾性力及び摺動部材133aの摩
擦力によりピストンロッド131が減速される。この動
作を繰り返して振動の減衰が行われる。
【0060】本実施形態によると、第1実施形態と同一
の効果を得ることができる。更に、バネ定数の異なる複
数の弾性体を介してピストン133をピストンロッド1
31に取り付けているので、図11において傾きの変化
量が少なく、弾性力の急激な変化を防止できる。従っ
て、本体に伝えられる衝撃がより緩和されて床面の振動
や騒音をより低減することができる。また、それぞれの
弾性体のバネ定数を選択して組み合わせることにより、
多種の振動吸収に対応できる。また、常時使用する荷重
の範囲をp”以下になるように設定すれば、衝撃をより
吸収することができる。
【0061】第1、第2実施形態において、洗濯運転と
乾燥運転とを行うことのできるドラム式洗濯機の水槽を
支持する減衰装置について説明したが、乾燥運転のみを
行うことのできる乾燥機についても同様に適用できる。
即ち、回転するドラムの周囲を覆う外槽を第1、第2実
施形態の減衰装置で支持することにより、床面や壁面の
振動を低減することができる。また、本発明の減衰装置
13によりその他の振動を発生する振動源を支持するこ
とによって同様に床面の振動を低減することができる。
【0062】
【発明の効果】本発明によると、ピストンを弾性体を介
してピストンロッドに取り付けているので、振動の加速
度によってピストンロッドに加わる荷重が小さくても弾
性体の弾性力に応じてピストンロッドが移動することが
できる。従って、衝撃が本体に直接伝えられず、床面の
振動や騒音を低減することができる。
【0063】また本発明によると、弾性体を隙間なく挟
持しているので、ピストンロッドの移動によりピストン
ロッドやピストンと、弾性体との衝突が発生しない。こ
のため、衝撃を低減して床面の振動や騒音を更に低減す
ることができる。
【0064】また本発明によると、移動方向に並設され
たバネ定数の異なる複数の弾性体を介してピストンをピ
ストンロッドに取り付けているので、弾性力の急激な変
化を防止できる。従って、本体に伝えられる衝撃がより
緩和されて床面の振動や騒音をより低減することができ
る。
【0065】また本発明によると、ウレタン樹脂を用い
ることにより、バネ定数の選択が容易であり、寸法やバ
ネ定数の精度安定性が高く、耐摩耗性、耐油性耐候性が
高い弾性体を簡単に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態のドラム式洗濯機
を示す斜視図である。
【図2】 本発明の第1実施形態のドラム式洗濯機
を示す正面図及び側面図である。
【図3】 本発明の第1実施形態のドラム式洗濯機
の水槽の懸架状態を示す正面図である。
【図4】 本発明の第1実施形態のドラム式洗濯機
の水槽の懸架状態を示す背面図である。
【図5】 本発明の第1実施形態のドラム式洗濯機
の第2懸架装置を示す断面図である。
【図6】 本発明の第1実施形態のドラム式洗濯機
の減衰装置の取付状態を示す断面図である。
【図7】 本発明の第1実施形態のドラム式洗濯機
の減衰装置を示す断面図である。
【図8】 本発明の第1実施形態のドラム式洗濯機
の減衰装置の要部を示す断面図である。
【図9】 本発明の第1実施形態のドラム式洗濯機
の減衰装置の荷重とストロークとの関係を示す図であ
る。
【図10】 本発明の第2実施形態の減衰装置の要部
を示す断面図である。
【図11】 本発明の第2実施形態の減衰装置の荷重
とストロークとの関係を示す図である。
【図12】 従来の減衰装置を示す断面図である。
【図13】 従来の減衰装置の荷重とストロークとの
関係を示す図である。
【符号の説明】
1 外箱 2 底板 3 天板 4 操作パネル 6 前面パネル 6a 洗濯物投入口 7 水槽 8 ドラム 9 開閉扉 10 ロック機構 11 第1懸架装置 12 第2懸架装置 13 減衰装置 14 駆動装置 61、62、63、64 アングル 84 スリーブ 85 ブッシュ 121 ロッド 122 圧縮バネ 123 バネ受け 124 水槽受け 125 ロッド受け 131 ピストンロッド 132 シリンダー 133、201 ピストン 133a、137 摺動部材 134a、134a’、134b、134b’ 弾性体 135 ワッシャー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空のシリンダーと、前記シリンダー内
    を摺動するピストンと、振動を受けて前記シリンダー内
    を移動するピストンロッドとを備え、弾性体を介して前
    記ピストンロッドに前記ピストンを取り付けたことを特
    徴とする減衰装置。
  2. 【請求項2】 前記ピストンロッドを前記ピストンに挿
    通し、前記ピストンの両端に配した前記弾性体とともに
    前記ピストンを前記ピストンロッドに挟持したことを特
    徴とする請求項1に記載の減衰装置。
  3. 【請求項3】 前記弾性体は移動方向に並設されたバネ
    定数の異なる複数の部材から成ることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載の減衰装置。
  4. 【請求項4】 前記弾性体はウレタン樹脂から成ること
    を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の減
    衰装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の
    減衰装置と、前記減衰装置により支持される水槽とを備
    えたことを特徴とする洗濯機。
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