JP2002112764A - 株化網膜神経細胞 - Google Patents

株化網膜神経細胞

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JP2002112764A
JP2002112764A JP2000305728A JP2000305728A JP2002112764A JP 2002112764 A JP2002112764 A JP 2002112764A JP 2000305728 A JP2000305728 A JP 2000305728A JP 2000305728 A JP2000305728 A JP 2000305728A JP 2002112764 A JP2002112764 A JP 2002112764A
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cells
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JP2000305728A
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Makoto Tamai
信 玉井
Hiroshi Tomita
浩史 富田
Masuo Tatewaki
益夫 帯刀
Masaji Ueda
正次 上田
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Tohoku Techno Arch Co Ltd
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Tohoku Techno Arch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 網膜の疾患に対する有用な薬物の開発に利用
可能な網膜神経細胞株を提供する。 【解決手段】 温度感受性変異株SV40ラージT 抗原遺伝
子を導入したトランスジェニック動物、特に好ましくは
トランスジェニックラットから、継代維持可能で且つ網
膜由来の神経細胞株、例えば網膜神経節細胞、アマクリ
ン細胞、水平細胞、視細胞などを樹立できる。得られた
株化網膜由来の神経細胞は、眼科疾病作用薬物(加齢黄
斑変性症、網膜色素変性症、緑内障、糖尿病性網膜症な
どに対する医薬)のスクリーニングなどに有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、眼の網膜に存在す
る神経細胞であって、継代培養可能な細胞(特にはラッ
ト由来細胞)に関する。本発明は、特に、眼の網膜に存
在する神経細胞の株化された細胞(特には、ラット由来
細胞)、該細胞を用いた眼科疾病(加齢黄斑変性症、網
膜色素変性症、緑内障、糖尿病性網膜症など)作用薬物
のスクリーニングや、眼の網膜などでその副作用が問題
となる薬物のスクリーニングをするのに利用可能な細胞
株に関するものである。また、眼の網膜に存在する神経
細胞に発現する種々の受容体を標的とした薬物(加齢黄
斑変性症薬、網膜色素変性症薬、緑内障薬、糖尿病性網
膜症薬など)のスクリーニングを行うのに利用可能な細
胞株に関するものである。さらに、眼の網膜に存在する
神経細胞の障害(加齢黄斑変性症、網膜色素変性症、緑
内障、糖尿病性網膜症など)を標的とした薬物のスクリ
ーニングをするのに利用可能な細胞株に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】網膜は外界からの光の刺激を脳へ伝達す
る機能を有する組織であって、外界に直接接している脳
組織の一部であると考えられている。そして、網膜は高
度に分化した機能を持ち、眼内の他の硝子体などの組織
とも異なることが認められるものである。網膜には、神
経細胞として神経節細胞、アマクリン細胞、水平細胞、
双極細胞、視細胞が、そしてグリア細胞としてミューラ
ー細胞、アストロサイトが存在することが知られてい
る。こうした網膜は、それに対する傷害が致命的な結果
をもたらすことから、臨床的にはバイオプシーを行うな
どして病態の把握を行うことはできないものであるし、
生体内では非常に小さい組織であることから、その異常
を血液検査などの全身的な検査からは得ることができな
いなどという特殊性を持った組織である。この網膜にお
ける疾患として有名なものには緑内障が挙げられる。現
在、 日本における40才以上の緑内障有病率は3.5%とさ
れ、 高齢化に伴いこの緑内障有病率はさらに増加し、 我
が国の人口からすると緑内障患者は約200 万人にのぼる
と推定される。 病型別にみた場合、 注目されるのは原発
開放隅角緑内障(POAG)に対し、 正常眼圧緑内障(NTG) が
3倍以上の頻度で存在し、 日本人の場合は全緑内障患者
の約70% を占めることである。 緑内障の原因として、 従
来は高眼圧が主原因とされ、 その治療としては対症的に
眼圧下降に主眼がおかれ、 眼圧降下剤、 房水濾過手術が
行われていた。 しかし近年、 網膜神経細胞死にアポトーシスという特定
の細胞死が存在することが示され、 実験的緑内障で典型
的なアポトーシス所見を示すことが報告されている。 NT
G において、 その臨床像からアポトーシスによる細胞死
が深く関与していると予想される。 こうした流れからNT
G においては、 従来の眼圧下降治療だけでなく、「神経防
御」 治療の開発、 確立が急がれている。 また、緑内障に限らず、第1表に示した疾患では主とし
て障害される神経細胞が同定されており、継代維持可能
な網膜神経細胞の樹立はこれらの疾患に対する治療薬の
開発を飛躍的に向上させるものと考えられる。
【0003】
【表1】
【0004】しかしながら、網膜神経細胞は培養条件下
では継代はもちろんのこと、維持さえも困難であること
から、神経保護作用を有する薬物の研究開発には多くの
場合、動物実験モデルにより行われてきた。実際、1つ
の薬物の保護作用を検討するためには、多数の動物、特
に最低でも20匹以上のラットが使用されてきた(なお、
マウスでは眼球が小さすぎて、手術操作が極めて困難で
あったり、薬物の効果判定などにおける観察が困難であ
るなどのことから、眼科領域では、ラット又はウサギが
実験に多く用いられてきた)。しかし、動物をそのまま
使用する手法では限界がある。ところで、従来の株化細
胞樹立法としては、1) 初代培養細胞を長期間培養し続
けて、無限増殖能を獲得した細胞を得る方法、2) SV40
などの癌遺伝子を初代培養細胞に導入して不死化させる
方法などが挙げられる。しかしながら、1)の方法では時
間がかかるにもかかわらず目的の細胞が必ずしも得られ
るとは限らない。また、2)の方法では遺伝子導入が増殖
性の細胞のみに起こること、また個々の細胞で染色体導
入位置の相違があるなどの欠点がある。したがって、生
体組織毎に異なり、そして各組織に特異な形質あるいは
機能を発現している細胞をその性質などを損なうことな
く該形質あるいは機能を発現している不死化細胞株とし
て得ることは困難である。
【0005】これら従来の株化細胞樹立法の問題点を克
服する方法として、SV40などの癌遺伝子を導入したトラ
ンスジェニックマウスから目的の組織の細胞を単離し、
株化細胞を得る方法が開発された[Yanai N. et al., E
xp. Cell. Res.,197, 50-56 (1991); Yanai N. et al.,
Jpn. J. Cancer Res., 82, 1344-1348 (1991)]。該方
法は、最初から不死化に必要な癌遺伝子が細胞に組み込
まれているので、分化形質を保持したままの株化細胞を
かなり高頻度で樹立することができると期待されてい
る。しかしながら、実際は、継代維持ができる一方で、
各生体組織に特有の形質・機能を保持している細胞を株
化することは容易でない。特に、網膜に存在する細胞
は、その特殊性から、その継代維持ができる株化細胞の
樹立が強く要望されていたにも拘らず、それにはこれま
で成功していなかった。また、網膜組織の研究には、ラ
ット組織を使用する必要があるが、トランスジェニック
ラットの作出は容易でないという事情もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】眼科疾病、例えば加齢
黄斑変性症、網膜色素変性症、緑内障、糖尿病性網膜症
などに対する薬物の開発研究、網膜に存在する神経細胞
に発現する種々の受容体を標的とした薬物、例えば加齢
黄斑変性症治療薬、網膜色素変性症治療薬、緑内障治療
薬、糖尿病性網膜症治療薬などの治療薬の開発研究、網
膜に存在する神経細胞に生ずる障害あるいは異常の研
究、さらにはそうした障害あるいは異常に対して作用す
る薬物の開発研究に利用したり、該薬物のスクリーニン
グなどに利用可能な眼の網膜に存在する神経細胞であっ
て、継代培養可能なラット由来細胞を樹立し、提供する
ことに関する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、継代維持
可能な網膜神経細胞を確立すべく、広範な研究並びに探
索を行い、その結果、温度感受性変異株SV40ラージT 抗
原遺伝子を導入したトランスジェニック動物、特に好ま
しくは温度感受性変異株SV40ラージT 抗原遺伝子を導入
したトランスジェニックラットを使用すれば、継代維持
可能な網膜神経細胞を得ることが可能であることを見出
して本発明に至った。すなわち、本発明は、継代維持可
能な網膜神経細胞に関する。本発明は、また、温度感受
性変異株SV40ラージT 抗原遺伝子導入のトランスジェニ
ック動物由来の網膜神経細胞、より好ましくは温度感受
性変異株SV40ラージT 抗原遺伝子導入のトランスジェニ
ックラット由来の網膜神経細胞に関する。本発明は、該
継代維持可能な網膜神経細胞を使用した、種々の網膜疾
患に対する神経保護作用を有する薬物の開発及びスクリ
ーニングにも関する。本発明は、SV40の温度感受性変異
株のラージT 抗原遺伝子、例えばSV40tsA58を導入した
トランスジェニック動物由来である株化網膜神経細胞で
あって、次の細胞:神経節細胞、アマクリン細胞、水平
細胞及び視細胞から成る群から選ばれたものに関する。
特に、本発明は、SV40tsA58 遺伝子を導入したトランス
ジェニックラット由来である株化網膜神経細胞であっ
て、次の細胞:神経節細胞、アマクリン細胞、水平細胞
及び視細胞から成る群から選ばれたものに関する。
【0008】〔1〕 継代維持可能で且つ網膜由来の神
経細胞株; 〔2〕 該神経細胞株が、網膜神経節細胞、アマクリン
細胞、水平細胞及び視細胞から成る群から選ばれたもの
であることを特徴とする上記〔1〕記載の細胞株; 〔3〕 神経細胞株が、オプシン、トランスデューシ
ン、S 抗原、ホスデューシン及びロドプシンから成る群
から選ばれた遺伝子を発現している株化視細胞であるこ
とを特徴とする上記〔1〕又は〔2〕記載の細胞株; 〔4〕 神経細胞株が、Thy 1.1 抗原遺伝子を発現して
いる株化網膜神経節細胞であることを特徴とする上記
〔1〕又は〔2〕記載の細胞株; 〔5〕 神経細胞株が、microtuble-associated protein
2 遺伝子を発現している株化アマクリン細胞であるこ
とを特徴とする上記〔1〕又は〔2〕記載の細胞株; 〔6〕 神経細胞株が、calbindin D28 遺伝子を発現し
ている株化水平細胞であることを特徴とする上記〔1〕
又は〔2〕記載の細胞株。 〔7〕 遺伝子の発現が、 RT-PCR 法により測定された
ものであることを特徴とする上記〔3〕〜〔6〕のいず
れか一記載の細胞株; 〔8〕 ラット由来のものであることを特徴とする上記
〔1〕〜〔7〕のいずれか一記載の細胞株;
【0009】
〔9〕 温度感受性突然変異SV40ラージT
抗原遺伝子導入哺乳動物の眼球を用いることを特徴とす
る、網膜由来の継代維持可能な神経細胞株を得る方法; 〔10〕 温度感受性突然変異SV40ラージT 抗原遺伝子
導入哺乳動物の眼球から分離された神経網膜を用いるこ
とを特徴とする、上記
〔9〕記載の方法; 〔11〕 温度感受性突然変異SV40ラージT 抗原遺伝子
導入哺乳動物の網膜を用い、網膜の神経細胞に特異的な
マーカーを利用して選別クローニングを行うことを特徴
とする、網膜由来の継代維持可能な神経細胞株の樹立方
法; 〔12〕 マーカーが、オプシン、トランスデューシ
ン、S 抗原、ホスデューシン及びロドプシンから成る群
から選ばれたものであることを特徴とする、上記〔1
1〕記載の方法; 〔13〕 マーカーとして、ロドプシンを使用し、抗ロ
ドプシン抗体を用いて視細胞を選別し、株化視細胞を得
ることを特徴とする、上記〔11〕記載の方法; 〔14〕 マーカーとして、Thy 1.1 抗原を使用し、抗T
hy 1.1 抗原抗体を用いて神経節細胞を選別し、株化神
経節細胞を得ることを特徴とする、上記〔11〕記載の
方法; 〔15〕 マーカーとして、microtuble-associated pro
tein 2 を使用し、抗microtuble-associated protein 2
抗体を用いてアマクリン細胞を選別し、株化アマクリ
ン細胞を得ることを特徴とする、上記〔11〕記載の方
法; 〔16〕 マーカーとして、calbindin D28 を使用し、
抗calbindin D28 抗体を用いて水平細胞を選別し、株化
水平細胞を得ることを特徴とする、上記〔11〕記載の
方法。
【0010】〔17〕 試料中の網膜の神経細胞に対す
る生物活性の測定法であって、(i) 継代維持可能で且
つ網膜由来の神経細胞株を使用し、(ii) (a) 試料存
在条件下で維持した上記 (i)の細胞と、 (b) 試料の存
在しない条件下で維持した上記 (i)の細胞とを比較する
ことを特徴とする、該測定法; 〔18〕 網膜の神経細胞に対する生物活性を有する化
合物の同定方法であって、(i) (a) 継代維持可能で且つ
網膜由来の神経細胞株を、該網膜由来の神経細胞株を維
持可能な条件下で、試料化合物と接触させる場合と、
(b) 該網膜由来の神経細胞株を維持可能な条件下で、継
代維持可能で且つ網膜由来の神経細胞株を該試料化合物
の存在しない条件下に保持する場合とを比較するか、あ
るいは(ii) (a)継代維持可能で且つ網膜由来の神経細胞
株を、試料化合物と、網膜の神経細胞の機能を低下せし
める条件下で接触させる場合と、(b) 継代維持可能で且
つ網膜由来の神経細胞株を、該試料化合物の存在しない
で且つ網膜の神経細胞の機能を低下せしめる条件下で保
持する場合とを比較し、該試料化合物が網膜の神経細胞
に対する生物活性を有するか否かを測定することからな
る同定方法; 〔19〕 網膜の神経細胞に対する生物活性を有する化
合物が、網膜の神経細胞に発現する受容体に対するアゴ
ニスト又はアンタゴニストであることを特徴とする、上
記〔18〕記載の方法; 〔20〕 上記〔18〕記載の方法で同定される新規な
化合物であり且つ網膜の神経細胞に対する生物活性を有
する化合物であることを特徴とする、網膜の神経細胞に
発現する受容体に対するアゴニスト又はアンタゴニス
ト; 及び 〔21〕 上記
〔9〕〜〔16〕のいずれか一記載の継
代維持可能で且つ網膜由来の神経細胞株が、温度感受性
突然変異SV40ラージT 抗原遺伝子導入哺乳動物、特には
温度感受性突然変異SV40ラージT 抗原遺伝子導入ラット
から得られたものであることを特徴とする方法あるいは
上記〔17〕〜〔19〕のいずれか一記載の網膜由来の
神経細胞株がラット由来である方法を提供する。
【0011】本発明のその他の目的、特徴、優秀性及び
その有する観点は、以下の記載より当業者にとっては明
白であろう。しかしながら、以下の記載及び具体的な実
施例等の記載を含めた本件明細書の記載は本発明の好ま
しい態様を示すものであり、説明のためにのみ示されて
いるものであることを理解されたい。本明細書に開示し
た本発明の意図及び範囲内で、種々の変化及び/又は改
変(あるいは修飾)をなすことは、以下の記載及び本明
細書のその他の部分からの知識により、当業者には容易
に明らかであろう。本明細書で引用されている全ての特
許文献及び参考文献は、説明の目的で引用されているも
ので、それらは本明細書の一部としてその内容はここに
含めて解釈されるべきものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の株化細胞の樹立方法とし
ては、癌遺伝子を導入したトランスジェニック動物から
目的の組織の細胞を単離し、培養して株化細胞を樹立す
る方法が挙げられる。導入する癌遺伝子としては、SV40
の温度感受性変異株のラージT 抗原遺伝子、例えばSV40
tsA58 などが挙げられる。トランスジェニック動物とし
ては、トランスジェニックラットなどが挙げられる。組
織は、網膜神経細胞を入手するに適し且つ摘出に適した
ものであればいかなる組織でもよいが、通常は眼球組
織、特には眼の網膜などが挙げられる。上述のトランス
ジェニック動物より組織を摘出し、細胞を酵素法[(Ich
ikawa N.et al., J. Pharmacol. Toxicol. Method. 36:
45-52 (1996); Goldstein G.W.et al., J. Neurochem.
25: 715-717 (1975); Meyer J. et al., J. Neuroche
m. 57: 1971-1977 (1991)]により分離・回収し、培養
する。培養の後、細胞のクローニングは、特異抗体を利
用した濃縮・選別法、コロニー形成法[Endocrinology
136: 4084-4091 (1995) ]、限界希釈法などにより行わ
れ、数回のクローニングの後に、株化細胞を樹立するこ
とができる。特異抗体を利用した目的細胞の選別には、
ターゲット細胞が特異的に発現しているマーカーに対す
る特異抗体を利用するものが挙げられる。トランスジェ
ニックラットから継代維持可能な細胞を得る場合には、
マウスやウサギで作製された抗体を利用することが可能
であり、優れている。該マーカーとしては、オプシン、
トランスデューシン、S 抗原、ホスデューシン、ロドプ
シン、Thy 1.1 抗原、microtuble-associated protein2
、calbindin D28 などが挙げられる。ターゲット細胞
の選別は、上記マーカー遺伝子の発現の有無によって行
うこともできる。該遺伝子発現は、Polymerase Chain R
eaction (PCR) 法、Reverse Transcriptase (RT)-PCR法
などにより行うことができる。
【0013】PCR 反応は、当該分野で公知の方法あるい
はそれと実質的に同様な方法や改変法により行うことが
できるが、例えば R. Saiki et al., Science, 230: 13
50, 1985; R. Saiki et al., Science, 239: 487, 198
8; M. A. Frohman et al., Proc. Natl. Acad. Sci. US
A, 85, 8998-9002 (1988); H. A. Erlich (ed.), PCR T
echnology, Stockton Press, 1989; M. A. Innis et a
l. (ed.), "PCR Protocols: A Guide to Methods and A
pplications", Academic Press, New York (1990);M.
J. McPherson, P. Quirke and G. R. Taylor (ed.), PC
R: a practical approach, IRL Press, Oxford (1991);
D. M. Glover et al. (ed.), "DNA Cloning", 2nd e
d., Vol. 1, (The Practical Approach Series), IRL P
ress, Oxford University Press (1995); M. A. Innis
et al. (ed.), "PCR Applications: Protocols for Fun
ctional Genomics", Academic Press, New York (1999)
などに記載の方法あるいはそこで引用された文献記載の
方法あるいはそれらと実質的に同様な方法や改変法によ
り行うことができる (それらの中にある記載はそれを参
照することにより本明細書の開示に含められる) 。ま
た、PCR 法は、それに適した市販のキットを用いて行う
ことができ、キット製造業者あるいはキット販売業者に
より明らかにされているプロトコルに従って実施するこ
ともできる。PCR 法では、通常適切なプライマーが使用
されるが、該プライマーとしては、オリゴヌクレオチド
を使用できる。
【0014】「オリゴヌクレオチド」は、通常、短い長
さの、一本鎖または二本鎖のポリデオキシヌクレオチド
であり、これは、公知の方法(例えば、EP 266,032に記
載されるような固相技術など)を使用して化学的に合成
される。こうした方法としては、例えば、ホスホトリエ
ステル法、ホスファイト法、またはホスホルアミダイト
法、またはFroehler et al., Nucl. Acids Res. 14, 53
99 (1986)によって記載されるような方法が挙げられ
る。次いで化学的に合成されたものは、ポリアクリルア
ミドゲル上で精製される。
【0015】本発明の継代可能な網膜神経細胞株は、網
膜神経細胞の有する機能をほとんど保持したまま株化し
た継代して維持することのできる細胞を意味する。本発
明の継代可能な網膜神経細胞株としては、例えば網膜神
経節細胞、アマクリン細胞、水平細胞、双極細胞、視細
胞などが挙げられる。本発明の一態様でもある温度感受
性突然変異SV40ラージT 抗原遺伝子導入哺乳動物の眼球
から得る場合、その細胞株は不死化網膜神経細胞株とな
り安定に保持できる。トランスジェニック動物の樹立
は、特開平5-292958号公報 (特許第2,988,753 号公報)
などで行うことができる。本発明の好ましい一態様で
は、SV40の温度感受性変異株のラージT抗原遺伝子、例
えばSV40tsA58 DNA を導入したトランスジェニックラッ
トから、それぞれ株化網膜視神経細胞および株化網膜神
経節細胞を樹立できる。具体的な株化網膜視神経細胞の
樹立につき説明すると、上記特許第2,988,753 号公報の
記載に従い、SV40の温度感受性変異株のラージT 抗原遺
伝子SV40tsA58 を導入して作出したトランスジェニック
ラットからその眼球を出発生体組織として取り出し、網
膜組織を分離して、トリプシン、コラゲナーゼなどの酵
素で処理し、細胞を分散した状態にしてから、該細胞懸
濁液を培養する。
【0016】培養に使用する培地としては、公知のもの
あるいは市販のものを適宜使用することが出来る。該培
地には、炭素資化源、窒素資化源などが含まれる。該培
地は、無機塩類、アミノ酸、ビタミン類、糖類、血清、
ホルモン、成長因子、抗生物質などが適宜配合されてい
る。該培地は、緩衝剤、浸透圧調整剤などにより培養に
適した状態にされたものである。細胞培養は、好ましく
は細胞外基質の存在下に行われる。該細胞外基質として
は、I 〜IV型コラーゲン、ファイブロネクチン、ラミニ
ン、ビトロネクチンなどが挙げられる。また細胞培養に
は、コートされた担体などを好適に使用できる。該コー
トされた担体としては、ポリ-L- リジンコート、コラー
ゲンコート、ゼラチンコート、ファイブロネクチンコー
トなどされたディシュなどの培養用の容器が挙げられ
る。培養された細胞はそれぞれに特異的なマーカーを使
用して分離される。例えば視神経細胞の場合、ロドプシ
ンをマーカーとして利用することが可能で、先ず抗ロド
プシン抗体を目的の視神経細胞を含有する細胞懸濁液と
接触せしめ、次に視神経細胞に結合している抗ロドプシ
ン抗体に特異的に結合するリガンド(例えば該抗ロドプ
シン抗体がマウスモノクローナル抗体を用いているので
あれば、ウサギの抗マウス抗体)を固定化したカラムを
使用するなどして、視神経細胞を選択的に分離できる。
また、ある程度、他の網膜由来細胞から分離されたな
ら、限界希釈法により、単一なクローンとなるまでクロ
ーニングを行うことができる。同様な手法で、例えば網
膜神経節細胞、アマクリン細胞、水平細胞、双極細胞な
どを得ることができる。
【0017】これらの細胞株は、各種生理活性因子、分
化誘導因子および分化抑制因子の生産に利用できる。さ
らに組換えDNA クローニング宿主、遺伝子供与体として
も使用できる。また、網膜神経細胞特異的マーカーの作
成や、それに対する抗体の作成に有用である。得られた
網膜神経細胞特異的マーカーに対するマウスなどの抗体
を基に、ヒトの抗体も通常の遺伝子操作技術で取得可能
となる。この抗体は、細胞移植等の際に、網膜神経細胞
の分離、同定、定量等に必要となる。本明細書中、用語
「抗体」は最も広い意味で使用され、そして特に、それ
らが所望の生物学的活性を示す限りは、単一のモノクロ
ーナル抗体、多エピトープ特異性を有する抗体組成物、
ならびに抗体フラグメント(例えば、Fvなど)を含んで
よい。
【0018】用語「モノクローナル抗体」は、実質的に
均質な抗体集団から得られる抗体をいう。すなわち、そ
の集団を構成する個々の抗体は、天然に存在する可能性
のある変異体が、少量そこに存在することもある点を除
いて、互いに同一である。モノクローナル抗体は特異性
が高く、単一の抗原部位を認識するものである。さら
に、代表的には異なる抗原決定基(エピトープ)に対す
る異なる抗体を含むといった従来の(ポリクローナル)
抗体調製物とは対照的に、各モノクローナル抗体は、抗
原上の単一の抗原決定基を認識するものである。それら
の特異性に加えて、モノクローナル抗体は、それらがハ
イブリドーマ培養物によって合成され、他の免疫グロブ
リンが混入されていない点で有利な点を持っている。修
飾語「モノクローナル」は、実質的に均質な抗体の集団
から得られるような抗体の特徴を示すことを意味し、そ
して任意の特定の方法による抗体の産生をそこに必要と
するというようには解釈されるべきでない。例えば、本
発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、ケーラ
ー(Kohler)およびミルシュタイン(Milstein), Nature(L
ondon) 256: 495 (1975)によって最初に記載されたハ
イブリドーマ法によって作製されることができるか、ま
たは組換えDNA 法によって作製されることができる(例
えば、米国特許第4,816,567 号(Cabilly et al.)を参
照のこと)。
【0019】本発明で使用されるモノクローナル抗体
は、Clackson et al., Nature 352: 624-628 (1991) や
Marks et al., J. Mol. Biol. 222: 581-597 (1991) に
記載の技術を使用して、抗体のファージライブラリーか
らも単離することができる。本明細書中のモノクローナ
ル抗体は、特に、それが所望の生物学的活性を示す限り
は、重鎖および/または軽鎖の一部が、特定の種由来の
または特定の抗体のクラスもしくはサブクラスに属する
抗体中の対応する配列と同一であるかもしくは相同であ
っても、鎖の残りが、別の種由来のまたは別の抗体のク
ラスもしくはサブクラスに属する抗体中の対応する配列
と同一であるかもしくは相同である「キメラ」抗体(免
疫グロブリン)、ならびにそのような抗体のフラグメン
トを含んでよい(米国特許第4,816,567 号; Morrison e
t al., Proc. Natl. Acad. Sci.USA, 81, 6851-6855 (1
984))。
【0020】非ヒト抗体(例えば、マウス抗体)の「ヒ
ト化」形態のものとしては、キメラ免疫グロブリン、免
疫グロブリン鎖、またはそのフラグメント(例えば、F
v、Fab 、Fab'、F(ab')2 、または抗体の他の抗原結合
配列)であって、それらは非ヒト免疫グロブリン由来の
最小配列を含むものである。大部分の場合、ヒト化抗体
は、レシピエントの相補性決定領域 (complementarity-
determining region; CDR)の残基をマウス、ラット、ま
たはウサギといったような非ヒト動物(ドナー抗体)で
あり且つ所望の特異性、親和性、および能力を有するCD
R に由来する残基によって置換してあるヒト免疫グロブ
リン(レシピエント抗体)である。いくつかの場合にお
いて、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基が、
対応する非ヒト残基によって置換される。さらに、ヒト
化抗体は、レシピエント抗体および導入されたCDR また
はフレームワーク配列のいずれにおいても見出されない
残基を含み得る。これらの改変は、抗体の性能をさらに
優れたものあるいは最適なものとするために行われる。
一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、および代表的
には2つの可変ドメインの実質的な全てを含み、ここ
で、全てまたは実質的な全てのCDR 領域は、非ヒト免疫
グロブリンのCDR 領域に対応する。さらに詳しくは、Jo
nes et al., Nature 321, 522-525 (1986); Reichmann
et al., Nature 332, 323-329 (1988);EP-B-239400; Pr
esta, Curr. Op. Struct. Biol. 2, 593-596(1992); お
よびEP-B-451216 を参照することができる。
【0021】また、本発明の細胞株は、網膜移植および
遺伝子治療に利用できる。更に、本細胞株は網膜細胞の
分化などの研究に応用できる。本発明で得られた細胞株
を用いて分子レベルでその分化などの仕組みが理解でき
るようになり、引いては、各種機能を有する因子が得ら
れる。これらの因子は、医薬品としての利用も考えられ
る。その他、本細胞株自身の生産する新しいサイトカイ
ンの生産およびそのクローニング等にも用いることがで
き、また、様々な物質の薬理試験、毒性試験等にも使用
できる。特に本発明の株化視細胞は、加齢黄斑変性症、
網膜色素変性症などの眼科疾病に対する作用薬物のスク
リーニングなどに有用である。また、本発明の株化網膜
神経節細胞は、緑内障、中心動脈閉塞症などの眼の虚血
性疾患などの眼科疾病に対する作用薬物のスクリーニン
グなどに有用である。本発明の株化アマクリン細胞は、
糖尿病性網膜症、中心動脈閉塞症などの眼の虚血性疾患
などの眼科疾病に対する作用薬物のスクリーニングなど
に有用である。
【0022】本発明の継代維持可能な網膜由来の神経細
胞株を用いれば、対象神経細胞株の機能的な活性あるい
は作用(例えば、生物学的活性又は作用など)を促進
(あるいは増強)する又は阻害(あるいは抑制)する化
合物を同定するための、化合物のスクリーニング方法が
提供される。例えば、網膜神経細胞内又は細胞上で、あ
る特定のタンパク質結合分子(例えば受容体に対するリ
ガンド及び酵素基質分子など)と該対象タンパク質(例
えば受容体及び酵素など) との相互作用を促進(あるい
は増強)する化合物又は該相互作用を阻害(あるいは抑
制)する化合物を同定するための、化合物のスクリーニ
ング方法をも提供する。該促進する化合物(アゴニス
ト)は対象(目的)タンパク質の天然の生物学的機能を
促進(あるいは増強)する化合物であり、一方該阻害す
る化合物(アンタゴニスト)は、このような機能を低下
せしめる化合物又は該機能を阻害(あるいは抑制)する
化合物である。 本発明の継代維持可能な網膜由来の神
経細胞株、及び該細胞から得られる調製物(例えば、細
胞フラクション、例えば膜、空胞、封入体 (inclusion)
あるいはそれらの任意の調製物など)を、当該対象タン
パク質アゴニスト又はアンタゴニストに成り得る候補分
子の存在下又は不在下で、必要に応じて検出用の標識化
物と共に、インキュベートする。候補分子が該対象タン
パク質(例えば受容体及び酵素など) と結合しても、該
タンパク質結合分子の結合に対して該対象タンパク質に
対して影響を与えるような作用を誘起しないものは、最
も良好なアンタゴニストになるであろう。一方、候補分
子が該対象タンパク質と結合して、該タンパク質結合分
子と同一の効果又は非常に関連した効果を引き出すもの
は、アゴニストである。本発明に従って得られた、代表
的な継代維持可能な網膜由来の神経細胞株、例えばラッ
トの継代維持可能な網膜由来の神経細胞株は、33℃の培
養条件下では、large T 遺伝子の発現により増殖能を持
ち、継代維持可能であるが、37℃の培養条件下では、la
rge T 遺伝子発現の消失が生起し、徐々にアポトーシス
による細胞死に至るという性状を有している。該ラット
の継代維持可能な網膜由来の神経細胞株を使用し、(1)3
7 ℃の培養条件下によって誘導される細胞死に対する脳
由来神経栄養因子(BDNF)などの生理活性因子の保護作
用、(2) 低酸素負荷及びグルタミン酸によって引き起こ
される細胞死に対するBDNFなどの生理活性因子の保護作
用のメカニズム解明などを行うことが可能であり、有用
である。
【0023】本明細書において、用語「細胞(cell)」、
「細胞株 (cell line)」、および「細胞培養物(cell cu
lture)」は互いに交換可能に使用され、そして全てのこ
のような呼称は、その子孫を含む。全ての子孫は、故意
または偶然の変異によって、DNA 含有物について正確に
は同一でなくても良いことが理解されよう。そこには、
元の樹立された株化細胞においてスクリーニングされた
のと同じ機能または生物学的特性を有する変異体子孫が
含まれる。本発明の測定方法において、個々の免疫学的
測定法を適用する場合、そこでは、特別の条件、操作等
の設定は通常は特には必要とされない。それぞれの方法
における通常の条件、操作法に当業者の通常の技術的配
慮を加えて、本発明の当該対象物質あるいはそれと実質
的に同等な活性を有する物質に関連した測定系を構築す
ればよい。
【0024】これらの一般的な技術手段の詳細について
は、総説、成書などを参照することができ、例えば、入
江 寛編,「ラジオイムノアッセイ」,講談社,昭和49
年発行;入江 寛編,「続ラジオイムノアッセイ」,講
談社,昭和54年発行;石川栄治ら編,「酵素免疫測定
法」,医学書院,昭和53年発行;石川栄治ら編,「酵素
免疫測定法」(第2版),医学書院,昭和57年発行;石
川栄治ら編,「酵素免疫測定法」(第3版),医学書
院,昭和62年発行;H. V. Vunakis et al. (ed.), "Met
hods in Enzymology", Vol. 70 (Immunochemical Techn
iques, Part A), Academic Press, New York (1980);
J. J. Langone et al. (ed.), "Methods in Enzymolog
y", Vol. 73 (Immunochemical Techniques, Part B), A
cademic Press, New York (1981); J. J. Langone et a
l. (ed.), "Methods in Enzymology", Vol. 74 (Immuno
chemical Techniques, Part C), Academic Press, New
York (1981); J. J. Langone et al. (ed.), "Methods
in Enzymology", Vol. 84 (Immunochemical Technique
s, Part D: Selected Immunoassays), Academic Press,
NewYork (1982); J. J. Langone et al. (ed.), "Meth
ods in Enzymology", Vol. 92 (Immunochemical Techni
ques, Part E: Monoclonal Antibodies and GeneralImm
unoassay Methods), Academic Press, New York (198
3); J. J. Langone etal. (ed.), "Methods in Enzymol
ogy", Vol. 121 (Immunochemical Techniques,Part I:
Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodies), A
cademic Press, New York (1986); J. J. Langone et a
l. (ed.), "Methods in Enzymology",Vol. 178 (Antibo
dies, Antigens, and Molecular Mimicry), Academic P
ress,New York (1989); M. Wilchek et al. (ed.), "Me
thods in Enzymology", Vol.184 (Avidin-Biotin Techn
ology), Academic Press, New York (1990); J. J. Lan
gone et al. (ed.), "Methods in Enzymology", Vol. 2
03 (Molecular Designand Modeling: Concepts and App
lications, Part B: Anibodies and Antigens, Nucleic
Acids, Polysaccharides, and Drugs), Academic Pres
s, New York (1991) などに記載の方法あるいはそこで
引用された文献記載の方法あるいはそれらと実質的に同
様な方法や改変法により行うことができる (それらの中
にある記載はそれを参照することにより本明細書の開示
に含められる) 。
【0025】本発明において使用されるDNA クローニン
グ技術においては、その具体的な操作並びに処理条件な
どは、例えばJ. Sambrook, E. F. Fritsch & T. Maniat
is (ed.), "Molecular Cloning: A Laboratory Manual
(2nd edition)", Cold SpringHarbor Laboratory Pres
s, Cold Spring Harbor, New York (1989); D. M. Glov
er et al. (ed.), "DNA Cloning", 2nd ed., Vol. 1 to
4, (The Practical Approach Series), IRL Press, Ox
ford University Press (1995)などに記載の方法あるい
はそこで引用された文献記載の方法あるいはそれらと実
質的に同様な方法や改変法により行うことができる (そ
れらの中にある記載はそれを参照することにより本明細
書の開示に含められる) 。また、細胞培養などの具体的
な操作並びに処理条件などは、例えば William B. Jako
by et al. (ed.), "Methods in Enzymology", Vol. 58
(Cell Culture), Academic Press, New York (1991) 及
びその他のMethods in Enzymology シリーズ (Vol.1-31
7), Academic Press, New York; Jennie P. Mather et
al. (ed.), "Methods in Cell Biology", Vol. 57 (Ani
mal Cell Culture Methods), Academic Press, New Yor
k (1991)などに記載の方法あるいはそこで引用された文
献記載の方法あるいはそれらと実質的に同様な方法や改
変法により行うことができる (それらの中にある記載は
それを参照することにより本明細書の開示に含められ
る) 。
【0026】
【実施例】以下に実施例を掲げ、本発明を具体的に説明
するが、この実施例は単に本発明の説明のため、その具
体的な態様の参考のために提供されているものである。
これらの例示は本発明の特定の具体的な態様を説明する
ためのものであるが、本願で開示する発明の範囲を限定
したり、あるいは制限することを表すものではない。本
発明では、本明細書の思想に基づく様々な実施形態が可
能であることは理解されるべきである。全ての実施例
は、他に詳細に記載するもの以外は、標準的な技術を用
いて実施したもの、又は実施することのできるものであ
り、これは当業者にとり周知で慣用的なものである。下
記の例で使用する主な略号: BSA: bovine serum albumin EBSS: Earle's balanced salt solution SV40: simian virus 40 NPBM: Neural Progenitor Basal Medium EDTA: ethylenediaminetetraacetic acid PBS: phosphate-buffered saline
【0027】実施例1 (i) 動物組織からの網膜構成細胞の分離 SV40の温度感受性変異株のラージT 抗原遺伝子SV40tsA5
8 を導入した6〜10日齢のトランスジェニックラット
(F1) 2匹 (ワイエスニューテクノロジー研究所より入
手; 特開平5-292958号公報 (特許第2,988,753 号公報)
記載の手法で得られた) から眼球を摘出し、網膜神経細
胞の分離に用いた。摘出した眼球は、氷冷下で赤道部に
そって半割し、角膜、虹彩、毛様体を除去した。神経網
膜は脈絡膜から剥離し、EBSS中に集めた。網膜は、15 U
/ml のパパイン(シグマ社製)で37℃で30分間処理し
た。bovine serum albumin (BSA, 2mg/ml,シグマ社製),
Dnase I (10kU/ml,シグマ社製), ovomucoid (4mg/ml,
ベーリンガーマンハイム社製) を加え、1ml ピペットを
用いて細胞を懸濁した。この細胞懸濁液を1000xg で5
分間遠心して細胞を回収した。細胞は培地で懸濁し、1%
アガロースをコートしたディッシュで1〜3日間、浮遊
培養を行った(第1図) 。1〜3日間の浮遊培養後、po
ly-D-lysine コートのディッシュで培養を行った(第2
図) 。培養期間中、培地として10% ウシ胎児血清を含む
NPBM培地(Neural Progenitor Basal Medium, Clonetic
s 社) を用いて33℃で培養した。これらの細胞の遺伝子
発現について、RT-PCR法により調べた(第3図)。
【0028】(ii) 細胞のクローニング 細胞のクローニングには、1.特異的な抗体を用いた濃
縮、2.コロニー形成法、3.限界希釈法の3つを用いた。 (a) 視細胞のクローニング 視細胞はロドプシンを発現していることから、ロドプシ
ン抗体(Ishiguro et al, J.B.C., 266(23), 15520-4, 1
991)を用いて視細胞を濃縮した。35mm poly-D-lysineコ
ートのディッシュ上で培養した網膜細胞をCTC 溶液(コ
ラゲナーゼ,100u/ml、トリプシン, 0.1%、ニワトリ血
清, 2%、EDTA, 4mM)を用いて細胞をディッシュから剥離
し、1000xg で5分間遠心して細胞を回収した。BSA
(0.5 %、シグマ社)を含むPBS (PBS-BSA)で細胞を洗
浄し、続いてロドプシン抗体を含むPBS-BSA に懸濁し
た。4℃で10分間インキュベートした。細胞を2回、PB
S-BSA で洗浄した後、microbeads-conjugated anti-rab
bit IgG を含むPBS-BSA で4℃、15分間インキュベート
した。細胞を2回洗浄した後、PBS-BSA に懸濁し、mini
-MACS separation column (第一化学)を用いて、ロド
プシン抗体陽性細胞を分離した。この細胞を100mm ディ
ッシュに100 個播き、コロニーが形成されるまで培養し
た。コロニーが形成されたら、クローニングカップをコ
ロニーを囲むように置き、CTC 溶液を用いて細胞をディ
ッシュから剥がした。この細胞を35mm poly-D-lysineコ
ートのディッシュに播き、増殖を始めたら、ディッシュ
から剥がして、96wellプレートに1 wellにつき1〜10個
となるように細胞を播いた。このプレートから増殖した
細胞をロドプシン抗体で染色し、視細胞であることを確
認した。
【0029】(b) 他の細胞のクローニング 視細胞以外の他の細胞のクローニングについても視細胞
と同様に行った。神経節細胞は特異的にThy 1.1 、アマ
クリン細胞はmicrotuble-associated protein 2 (MAP-
2) 、双極細胞はcalbindin D28 を発現している。その
ため、視細胞と同様に、それぞれの抗体を用いて細胞を
濃縮し、コロニー形成法、限界希釈法により細胞をクロ
ーニングした。使用される抗体としては、例えば、次の
ものが挙げられる: Mouse anti-Thy1.1 monoclonal antibody: clone OX-7, Chemicon International Inc, CA, USA, Lake, et al., Eur. J. Immunol., 9: 875-886 (1979); Mouse anti-Microtuble associated protein-2 monoclo
nal antibody: clone 5F9, Upstate biotechnology, NY, USA, Shelanski, et al., PNAS, 70: 765-768 (1973); Mouse anti-Calbindin D28 monoclonal antibody: clone CL-300, Sigma, Saint Louis, Missouri, USA; Rabbit anti-Rhodopsin polyclonal antibody: Ishiguro et al, J.B.C., 266(23), 15520-4, 1991
【0030】(iii) 株化細胞の特性 (1) 視細胞 視細胞では、オプシン、トランスデューシン、S 抗原、
ホスデューシンなど視細胞に特異的な遺伝子発現が知ら
れている。これらの遺伝子の発現について、RT-PCR法に
より調べたところ、すべての遺伝子の発現が確認された
(第4図)。また、生体内においてトランスデューシン
の発現量はオプシンの約1/10であることが知られている
が、今回クローニングした視細胞においてもトランスデ
ューシンの発現量は生体内と同様にオプシンの約1/10で
あることが分かった。ロドプシン抗体を用いて、免疫組
織化学を行ったところ、すべての細胞がロドプシン抗体
陽性であった(第5図)。網膜の視細胞は、種々の疾患
で変性することが知られている。遺伝性疾患である網膜
色素変性症、加齢に伴う加齢黄斑変性などがある。これ
らの視細胞変性に対して、広く研究が行われており、遺
伝性に視細胞変性を伴う動物が実験モデルとして使われ
ることが多い。すでにこれらの動物を使用し、多くの栄
養因子が視細胞変性に保護的に働くことが知られてい
る。これらの因子が、今回クローニングした視細胞の細
胞死において、保護的に働くかどうかについて調べた。
今回クローニングした視細胞、多くの神経細胞と同様に
血清除去によっても死に至ることから、血清除去による
細胞死に対する保護効果について調べた。24時間の血清
除去により、tsSV40p-1 の生存率は約7 %であったのに
対し、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、毛様体神経
栄養因子(CNTF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)を培地
中に添加したtsSV40p-1 では濃度依存的に細胞死が抑制
された(第6図) 。
【0031】(2) 神経節細胞 神経節細胞では、Thy 1.1 抗原が発現していることが知
られている。この遺伝子発現についてRT-PCR法により調
べたところ、発現が確認された。 (3) アマクリン細胞 アマクリン細胞では、microtuble-associated protein
2 (MAP-2) が発現していることが知られている。この遺
伝子発現についてRT-PCR法により調べたところ、発現が
確認された。本発明で得られた上記網膜神経細胞株は、
30代の継代の後も、上記したような遺伝子の発現がある
ことが確認される。かくして本発明では、株化網膜神経
細胞として、神経節細胞、アマクリン細胞、視細胞、水
平細胞が得られていると判断される。また、上記実施例
中PCR に使用されるのに適したプライマーとしては、例
えば、次のものが挙げられる: Thy1,1 5'-TGCCGTCATGAGAATAACACC-3' 5'-TTATGCCACCACACTTGACC-3' Microtuble associated protein-2 (MAP-2) 5'-CCTGCAGTGGAGAAGATTCC-3' 5'-CTGTCATCAGCAACAGGTGG-3' Opsin 5'-AGTGACAGGATGGTCCTTGG-3' 5'-TGAGAGTCCTCAGCAACTGG-3' Phosducin 5'-ATGAGCATTCAAGAATATGAA-3' 5'-CAGCTCATACACAAACCCATA-3' Transducin 5'-CTCAACATTCAGTATGGAG-3' 5'-TGAGTCTCGATAATACCAG-3' S-antigen 5'-TTCAGTGATGTTGCAGCCAGC-3' 5'-GTGTTTCCTCCGAGGCTACAG-3' 5'-GTCAAAGTGCTGTTTGGCTGC-3' phosphodiesterase 5'-GTGTCAATATGGAACGTGTGG-3' 5'-GTAGTCGGTGAGCTCATCGG-3' 本発明に従って、ラットの網膜細胞株を得ることがで
き、それにより、これまでラットで得られて蓄積された
データを含めた技術を有利に利用することが可能とな
り、眼科領域の研究において優れた技術手段を提供す
る。特に、上記で指摘してきた神経保護作用に関する研
究開発においては、ラットを使用するのが研究の主流で
あり、この点でも注目される技術手段を提供する。初代
培養のインビトロ実験系では、その効果が悪い(実際
上、多くの動物から細胞を分散培養しても、維持が困難
で特定細胞に対する薬物の反応を見ることはほとんどで
きない)が、これに対して本発明により、格段に効率を
高めることが可能となり、薬物スクリーニング使用に適
した継代維持可能細胞株を提供している。
【0032】
【発明の効果】本発明により、温度感受性変異株SV40ラ
ージT 抗原遺伝子導入ラットより網膜を分離培養して、
継代維持可能な網膜神経細胞を得ることが可能となっ
た。継代維持可能な細胞として、網膜神経節細胞、アマ
クリン細胞、水平細胞及び視細胞を樹立できる。該継代
維持可能な網膜神経細胞を利用して、種々の網膜疾患に
対する神経保護作用を有する薬物の開発に利用できる。
不死化細胞を使用して、網膜神経細胞に係わる研究を培
養系で行うことが可能となり、神経保護薬などの有用薬
物の開発を効率よく行うことが可能となる。本発明は、
前述の説明及び実施例に特に記載した以外も、実行でき
ることは明らかである。上述の教示に鑑みて、本発明の
多くの改変及び変形が可能であり、従ってそれらも本件
添付の請求の範囲の範囲内のものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 トランスジェニックラットより得られた網膜
細胞を分離後3日間浮遊培養した後の細胞の形態を示す
写真。
【図2】 poly-D-lysine コートのディッシュで培養し
た後のトランスジェニックラットより得られた網膜細胞
の形態を示す写真。
【図3】 トランスジェニックラットより得られた培養
網膜細胞につき、RT-PCR法により遺伝子発現を調査した
結果を示す電気泳動の写真。
【図4】 株化視細胞での、オプシン、トランスデュー
シン、S 抗原、ホスデューシン遺伝子の発現について、
RT-PCR法により調べた結果を示す電気泳動の写真。
【図5】 株化視細胞での、ロドプシン抗体を用いた免
疫組織化学試験の結果を示す写真。
【図6】 株化視細胞を使用しての血清除去による細胞
死に対する保護効果試験の結果を示す。塩基性線維芽細
胞増殖因子(bFGF);毛様体神経栄養因子(CNTF);脳由
来神経栄養因子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/50 A61K 45/00 C12R 1:91) // A61K 45/00 (C12Q 1/02 (C12N 5/10 C12R 1:91) C12R 1:91) C12N 5/00 B (C12Q 1/02 15/00 A C12R 1:91) C12R 1:91) (72)発明者 帯刀 益夫 宮城県仙台市青葉区八幡5丁目3−10− 402 (72)発明者 上田 正次 埼玉県川越市今福1672−1−719 Fターム(参考) 2G045 BB10 BB14 BB24 BB41 CB01 FB02 4B024 AA11 BA31 BA63 BA80 CA04 DA02 FA10 GA18 GA23 GA27 HA14 HA15 HA17 4B063 QA01 QA18 QA20 QQ08 QQ13 QQ43 QQ96 QR08 QR32 QR35 QR40 QR42 QR55 QR62 QR66 QS25 QS33 QS34 QX02 4B065 AA91X AA91Y AB01 AC01 AC20 BA02 BA06 BA25 BB01 CA24 CA46 4C084 AA16 NA20 ZA332 ZC782

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 継代維持可能で且つ網膜由来の神経細胞
    株。
  2. 【請求項2】 該神経細胞株が、網膜神経節細胞、アマ
    クリン細胞、水平細胞及び視細胞から成る群から選ばれ
    たものであることを特徴とする請求項1記載の細胞株。
  3. 【請求項3】 神経細胞株が、オプシン、トランスデュ
    ーシン、S 抗原、ホスデューシン及びロドプシンから成
    る群から選ばれた遺伝子を発現している株化視細胞であ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の細胞株。
  4. 【請求項4】 神経細胞株が、Thy 1.1 抗原遺伝子を発
    現している株化網膜神経節細胞であることを特徴とする
    請求項1又は2記載の細胞株。
  5. 【請求項5】 神経細胞株が、microtuble-associated p
    rotein 2 遺伝子を発現している株化アマクリン細胞で
    あることを特徴とする請求項1又は2記載の細胞株。
  6. 【請求項6】 神経細胞株が、calbindin D28 遺伝子を
    発現している株化水平細胞であることを特徴とする請求
    項1又は2記載の細胞株。
  7. 【請求項7】 遺伝子の発現が、 RT-PCR 法により測定
    されたものであることを特徴とする請求項3〜6のいず
    れか一記載の細胞株。
  8. 【請求項8】 ラット由来のものであることを特徴とす
    る請求項1〜7のいずれか一記載の細胞株。
  9. 【請求項9】 温度感受性突然変異SV40ラージT 抗原遺
    伝子導入哺乳動物の眼球を用いることを特徴とする、網
    膜由来の継代維持可能な神経細胞株を得る方法。
  10. 【請求項10】 温度感受性突然変異SV40ラージT 抗原
    遺伝子導入哺乳動物の眼球から分離された神経網膜を用
    いることを特徴とする、請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 温度感受性突然変異SV40ラージT 抗原
    遺伝子導入哺乳動物の網膜を用い、網膜の神経細胞に特
    異的なマーカーを利用して選別クローニングを行うこと
    を特徴とする、網膜由来の継代維持可能な神経細胞株の
    樹立方法。
  12. 【請求項12】 マーカーとして、ロドプシンを使用
    し、抗ロドプシン抗体を用いて視細胞を選別し、株化視
    細胞を得ることを特徴とする、請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 マーカーとして、Thy 1.1 抗原を使用
    し、抗Thy 1.1 抗原抗体を用いて神経節細胞を選別し、
    株化神経節細胞を得ることを特徴とする、請求項11記
    載の方法。
  14. 【請求項14】 マーカーとして、microtuble-associat
    ed protein 2 を使用し、抗microtuble-associated pro
    tein 2 抗体を用いてアマクリン細胞を選別し、株化ア
    マクリン細胞を得ることを特徴とする、請求項11記載
    の方法。
  15. 【請求項15】 マーカーとして、calbindin D28 を使
    用し、抗calbindin D28抗体を用いて水平細胞を選別
    し、株化水平細胞を得ることを特徴とする、請求項11
    記載の方法。
  16. 【請求項16】 試料中の網膜の神経細胞に対する生物
    活性の測定法であって、(i) 継代維持可能で且つ網膜
    由来の神経細胞株を使用し、(ii) (a) 試料存在条件
    下で維持した上記 (i)の細胞と、 (b) 試料の存在しな
    い条件下で維持した上記 (i)の細胞とを比較することを
    特徴とする、該測定法。
  17. 【請求項17】 網膜の神経細胞に対する生物活性を有
    する化合物の同定方法であって、(i) (a) 継代維持可能
    で且つ網膜由来の神経細胞株を、該網膜由来の神経細胞
    株を維持可能な条件下で、試料化合物と接触させる場合
    と、(b) 該網膜由来の神経細胞株を維持可能な条件下
    で、継代維持可能で且つ網膜由来の神経細胞株を該試料
    化合物の存在しない条件下に保持する場合とを比較する
    か、あるいは(ii) (a)継代維持可能で且つ網膜由来の神
    経細胞株を、試料化合物と、網膜の神経細胞の機能を低
    下せしめる条件下で接触させる場合と、(b) 継代維持可
    能で且つ網膜由来の神経細胞株を、該試料化合物の存在
    しないで且つ網膜の神経細胞の機能を低下せしめる条件
    下で保持する場合とを比較し、該試料化合物が網膜の神
    経細胞に対する生物活性を有するか否かを測定すること
    からなる同定方法。
  18. 【請求項18】 網膜の神経細胞に対する生物活性を有
    する化合物が、網膜の神経細胞に発現する受容体に対す
    るアゴニスト又はアンタゴニストであることを特徴とす
    る、請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 請求項9〜15のいずれか一記載の温
    度感受性突然変異SV40ラージT 抗原遺伝子導入哺乳動物
    が、温度感受性突然変異SV40ラージT 抗原遺伝子導入ラ
    ットである方法あるいは請求項16〜18のいずれか一
    記載の網膜由来の神経細胞株がラット由来である方法。
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