JP2000228930A - 不死化遺伝子を導入したトランスジェニックラット - Google Patents

不死化遺伝子を導入したトランスジェニックラット

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JP2000228930A
JP2000228930A JP10064059A JP6405998A JP2000228930A JP 2000228930 A JP2000228930 A JP 2000228930A JP 10064059 A JP10064059 A JP 10064059A JP 6405998 A JP6405998 A JP 6405998A JP 2000228930 A JP2000228930 A JP 2000228930A
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Riichi Takahashi
利一 高橋
Masumi Hirabayashi
真澄 平林
Masaji Ueda
正次 上田
Masuo Tatewaki
益夫 帯刀
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YS NEW TECHNOLOGY KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不死化遺伝子を導入したトランスジェニック
ラット、それから不死化細胞株を樹立する方法及び得ら
れた不死化細胞株。 【解決手段】 SV40温度感受性突然変異株 tsA58の
ラージT抗原遺伝子をラットの全能性細胞に導入するこ
とによって得られる、不死化遺伝子を導入したトランス
ジェニックラット。このトランスジェニックラットの臓
器 (腎臓、精巣等) から不死化細胞を樹立する方法及び
得られた不死化細胞株。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、臓器から不死化細
胞株を樹立するのに有効な不死化遺伝子を導入したトラ
ンスジェニックラット、そのラットを用いる不死化細胞
株の樹立方法及びその樹立された不死化細胞株に関す
る。本発明のトランスジェニックラットは、その臓器か
ら不死化細胞株を容易に得ることができ、得られた細胞
の増殖及び分化形質の発現は、温度を変えることにより
操作可能である。更に、得られたラットを兄妹交配して
ホモ化ラインを得ることができるため、全ての胎児が該
遺伝子を保持する同腹の胎児を、ホモ化した雄ラットと
該遺伝子が導入されていないラットの交配により得るこ
とができる。従って、神経細胞分化機構解析等に有効な
発生初期段階の培養細胞株を提供することもできる。本
発明により、医薬品の安全性や有効性に関するスクリー
ニング、臓器組織の機能障害に関連する疾患の診断やそ
の治療方法の開発、各種臓器の分化や機能の細胞レベル
での研究等に有用な不死化細胞株が提供される。
【0002】
【従来の技術】従来、医薬品の安全性や有効性を精査す
る試験は、主に動物を用いて行われていた。しかし、動
物愛護の観点から大量の動物を使用することを避け、培
養細胞等を用いて試験管内で医薬品の有効性や安全性を
試験する試験技術が実用レベルで活用されるようになっ
てきている。例えば、生体組織から採取した初代細胞や
無限増殖する樹立培養細胞株を用いる方法で予め試験し
た後に動物試験を行なうことが行なわれるようになって
きた。しかし、初代細胞は初期段階ではよく増殖する
が、継代とともに次第に増殖が停止し、やがては死滅す
る(この現象を細胞老化と呼ぶ) 。さらに、その細胞特
性も継代とともに変化することが指摘されている。ま
た、初代細胞では、生体組織から採取する度にその細胞
特性が異なるという欠点も指摘されている。一方、初代
細胞の継代を重ねる中で、細胞老化を免れて無限増殖す
る能力を獲得した樹立細胞株では、安定して均一の特性
を持つが、この様な細胞株の多くはその細胞が生体にお
いて本来有していた形態や機能の一部或いはその全てを
喪失しているため、この様な細胞株を用いた場合には、
その細胞株の由来する組織での本来の形態や機能を正確
に反映することは難しかった。
【0003】そこで、初代細胞の有する活発な増殖能を
継続的に保持し、しかも継代することによってもその細
胞固有の形態や機能を喪失することのない不死化細胞株
を樹立することが試みられるようになっている。即ち、
初代細胞に癌遺伝子の一部を導入して細胞を形質転換し
て不死化することが試みられている。このような不死化
の例としては、ras や c-myc等の発癌遺伝子、アデノウ
イルスのE1A遺伝子、SV40ウイルスのラージT抗
原遺伝子、ヒトパピローマウイルスのHPV16遺伝子
等を初代細胞に導入し、その形質転換体を継代させたも
のが知られている。例えば、培養細胞実験手技書(実験
医学別冊バイオマニュアルUPシリーズ「分子生物学研
究のための培養細胞実験法」 191〜200 頁, 羊土社,19
95年発行) にはHPVやSV40による細胞の不死化が
記載されている。ところがこの様な細胞株においても対
象とする臓器によっては、その初代細胞を調製し、これ
らの癌遺伝子やラージT抗原遺伝子を導入する時点で、
すでに幾つかの機能を喪失するため、本来の機能を保持
する厳密な意味での不死化細胞株の取得は困難であっ
た。
【0004】これに対し、近年確立された動物個体への
遺伝子導入技術を用いて、個々の細胞に癌遺伝子やラー
ジT抗原遺伝子を導入する代わりに、これらの遺伝子を
安定的に染色体に組み込んだ遺伝子導入動物を作出し
て、個体の発生時点において既に癌遺伝子やラージT抗
原遺伝子を細胞の中に保有する動物の臓器から初代細胞
を調製して、これを継代することにより不死化細胞株を
樹立する方法が報告されている。例えば、マウスH-2Kb
クラスIプロモーターの支配下でSV40の温度感受性
突然変異株 tsA58のラージT抗原遺伝子を発現させる遺
伝子を導入したマウスの臓器から初代細胞を調製し、イ
ンターフェロン存在下の33℃で細胞の不死化を行う方法
(Jat P.S. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.,
88, 5096-5100 (1991))やSV40の温度感受性突然変
異株 tsA58の内在性プロモーターの支配下でラージT抗
原遺伝子を発現させる遺伝子を導入したマウスの臓器か
ら初代細胞を調製し、33℃の条件下で細胞の不死化を行
う方法(Yanai N. et al.,Jpn. J. Cancer Res., 82, 1
344-1348 (1991))等のように本来の機能を保持したまま
での細胞株の樹立方法が報告されている。
【0005】マウスは遺伝的背景が明らかな近交系が多
数作出されており、小型で限られたスペースでの繁殖も
容易であるため、医薬品の安全性や有効性の試験に数多
く使用されてきた。しかし、動物愛護の観点から大量の
動物を使用することを避ける目的で、医薬品の前臨床試
験におけるげっ歯類を用いた安全性試験が2種から1種
に軽減され、従来はマウスとラットで行われた試験がラ
ットだけで行われるようになった。ラットはマウスに比
べ体重が約10倍程度あるため各種試験に供するに必要な
試料量が制限されることなく、高血圧や発癌研究などの
過去のデータ蓄積が豊富であるため安全性や有効性の試
験では頻繁に使用されている。また、臓器摘出などの細
かな実験処置(手術)を施すことができるため内分泌系
や循環系の試験ではラットが頻繁に使用されている。更
に、脳神経系分野の研究では脳神経地図の整ったラット
を用いた研究が行われている。このため、医薬品の安全
性や有効性を試験する薬理関連試験にラットの培養細胞
を用いることは動物を用いた試験結果との整合性の観点
からも有用と考えられる。このようなことからみて、マ
ウスH-2Kb クラスIプロモーターの支配下で発現するよ
うに設計したSV40の温度感受性突然変異株 tsA58の
ラージT抗原遺伝子をラットに導入する試みが行われた
が、導入した遺伝子の所望する発現を認める個体を得る
ことができていない(P. Jat et al., Ludwig Institut
e for Cancer Research (UK)の 1995年度科学年報)。
そこで、マウスにおいて報告されるような不死化細胞株
の樹立に有効なSV40の温度感受性突然変異株tsA58
のラージT抗原遺伝子を発現する遺伝子導入ラット(ト
ランスジェニックラット)を作出することが切望されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
要望に応えるべくなされたものである。すなわち本発明
の課題は、ラットの各種臓器から細胞株を樹立するのに
有効な不死化遺伝子を導入したトランスジェニックラッ
トを得ること、そのラットを用いて不死化細胞株を樹立
すること及びこの細胞株を提供することにある。さらに
具体的には、本発明は、SV40の温度感受性突然変異
株tsA58 のラージT抗原遺伝子を導入したラット、その
ラットを用いた不死化細胞株の樹立方法及びその細胞株
を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、不死化細
胞株の樹立に有効な遺伝子導入ラットを作出するため
に、前述のマウスH-2Kb クラスIプロモーターの支配下
でのSV40温度感受性突然変異株tsA58 のラージT抗
原遺伝子を発現するラットの作出不良である原因が、プ
ロモーターが強力であるため遺伝子が導入された胚は個
体発生することができなかった可能性と、これとは反対
に、マウスとラットの動物種の相違に起因する導入遺伝
子の発現不良の可能性とを想定した。一方、マウスH-2K
b クラスIプロモーターの支配下でのSV40温度感受
性突然変異株tsA58 のラージT抗原遺伝子を発現するマ
ウスは、正常な出産により得ることができ、しかも約6
カ月間生存するラインが得られた(Noble M. et al., I
n Strategies in TransgenicAnimal Science pp.324-34
6. ed. by Monastersky G.M. and Robl J.M., American
Society for Microbiology, Washington, DC 20005 (1
995))のに対し、SV40の温度感受性突然変異株 tsA5
8のラージT抗原遺伝子を内在性プロモーターの支配下
で発現するマウスは正常な出産により得ることはできる
が、導入遺伝子が全身的に発現して生後2カ月で水頭症
を引き起こして死亡する(帯刀益夫,生化学, 67, 1391
-1396 (1995))ことから、プロモーターの強さがマウス
とラットの種差により影響を受けることを考慮した場合
には、マウスのプロモーターの支配下ではなくラージT
抗原遺伝子の内在性プロモーターを活用することが適度
な遺伝子発現を行わせるうえで有効であると判断した。
そこでSV40の温度感受性突然変異株tsA58 のラージ
T抗原遺伝子を導入したラットを正常な出産によって作
出し、得られたラットの臓器組織から細胞を採取して継
代培養することで不死化細胞株を樹立する方法を構築す
ることに鋭意努力して本発明を完成させるに至った。
【0008】すなわち、本発明は、SV40の温度感受
性突然変異株tsA58 のラージT抗原遺伝子を導入したト
ランスジェニックラット、そのトランスジェニックラッ
トを用いた不死化細胞株の樹立方法及びこの細胞株に関
する。本発明の遺伝子導入トランスジェニックラット
は、その臓器から不死化細胞株を容易に得ることがで
き、得られた細胞の増殖及び分化形質の発現は、温度を
変えることにより操作可能である。更に、得られたラッ
トを兄妹交配してホモ化ラインを得ることができるた
め、全ての胎児が該遺伝子を保持する同腹の胎児をホモ
化した雄ラットと該遺伝子が導入されていない雌ラット
の交配により得ることができる。従って、神経細胞分化
機構解析等に有効な発生初期段階の培養細胞株を提供す
ることもできる。本発明により、医薬品の安全性や有効
性に関するスクリーニング、臓器組織の機能障害に関連
する疾患の診断やその治療方法の開発、各種臓器の分化
や機能の細胞レベルでの研究等に有用な不死化細胞株が
提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で導入する遺伝子は、SV
40の温度感受性突然変異株 tsA58のラージT抗原遺伝
子である。この遺伝子を発現する細胞は通常33〜37℃の
温度で増殖を開始し、39℃で増殖が抑制或いは停止する
性質を示す(Jat P.S. & Sharp P.A.,Mol. Cellular Bi
ol., 9, 1672-1681 (1989) )。この様な遺伝子(DN
A)は、例えば、SV40の自己増殖プロモーター機能
を欠失させた tsA58ori(-)-2株の全ゲノムDNAを制限
酵素 BamHIで開環してプラスミドpBR322に導入してプラ
スミド pSVtsA58ori(-)-2 (Ohno T. et al., Cytotechn
ology 7, 165-172 (1991))を常法に従い大腸菌内で大量
に増幅させて調製し、得られたプラスミドを制限酵素 B
amHIで切断してベクター部位を除去することによって調
製することができる。尚、この様にして得ることができ
る tsA58のラージT抗原遺伝子を持つDNA(5,240bp)
には、ラージT抗原遺伝子のプロモーターが内在するた
め、このDNAを導入したラットにおいては、その全て
の体細胞において tsA58のラージT抗原遺伝子が発現す
ることになる。
【0010】次に、この様にして得られたDNAを常法
に従ってラットの全能性細胞に導入して tsA58の温度感
受性ラージT抗原遺伝子(以下、本遺伝子ということが
ある)を全ての細胞内に有する遺伝子導入ラットを作出
する。全能性細胞としては、受精卵や初期胚のほか多分
化能を有するES細胞があげられる。この様な卵子や培
養細胞へのDNA導入法はマイクロインジェクション
法、電気パルス法、リポソーム法、リン酸カルシウム法
等が利用できる。更に、所望する本遺伝子を導入した培
養細胞の核を除核未受精卵に移植して初期化すること
(核移植)で卵子に本遺伝子を導入するこができる。し
かし、遺伝子導入ラットを得る効率からは、現在のとこ
ろ前核期受精卵の雄性前核に本遺伝子をマイクロインジ
ェクションして得られる卵子を仮親の卵管に移植して産
仔を得た後、注入遺伝子を持つ産仔を選出し、安定的に
本遺伝子が組み込まれた個体を得ることで、個体発生時
にすでにtsA58 のラージT抗原遺伝子が各組織の細胞の
染色体に組み込まれた遺伝子導入ラットを効率よく作出
することができる。次に、この様にして作出した遺伝子
導入ラットの各臓器から常法に従い細胞(初代細胞)を
取り出して継代培養を繰り返すことで不死化細胞株を調
製することができる。また、得られた細胞株は33〜37℃
において永久的増殖能を持ち、39℃においては増殖を停
止するため細胞固有の分化形質の発現を制御することが
できるという特色を持つ。
【0011】
【実施例】以下の実施例によって本発明をより詳細に説
明するが、これらは単に例示したのみであり、本発明は
これらにより何ら限定されるものではない。
【0012】
【実施例1】トランスジェニックラットの作出 SV40の温度感受性突然変異株tsA58 のDNAを導入
したトランスジェニックラットは、下記の手順で作出し
た。導入遺伝子の調製 マイクロインジェクションにはSV40の温度感受性突
然変異株 tsA58のDNAを使用した。このDNAは tsA
58のゲノムDNAを制限酵素 BamHIで開環し、プラスミ
ド pBR322 の BamHI部位に導入し、SfiI配列を SacII配
列に変換してSV40の自己増殖能を欠失するori(-)と
したDNAクローンpSVtsA58ori(-)-2 (Ohno T.et al.,
Cytotechnology 7, 165-172 (1991) の Fig.1に記載)
から常法に従い調製した。即ち、大腸菌内で増幅させて
得たプラスミドDNAの pSVtsA58ori(-)-2 を制限酵素
BamHI(宝酒造社製)で消化した後、アガロースゲル電気
泳動(1% gel;ベーリンガー社製)を行いてベクター部
分を分離した5240bpのtsA58 のDNA(直鎖状DNA断
片)をゲルから切り出した。アガラーゼ処理(0.6unit/
100mgゲル:Agarase ; ベーリンガー社製)によりゲル
を溶解した後、フェノール・クロロホルム処理、エタノ
ール沈殿処理を行いDNAを回収した。回収した精製D
NAをTEバッファー(1mM EDTAを含む10mM Tris-HCl,
pH 7.6)に溶解して 170μg/mlの精製DNA溶液を得
た。このDNA溶液を注入用バッファー(0.1mM EDTAを
含む 10mM Tris-HCl, pH 7.6)で 5μg/mLとなるように
希釈して注入用DNA溶液を調製した。尚、調製したD
NA溶液は注入操作まで−20℃で保存した。
【0013】トランスジェニックラットの作出 ラット前核期受精卵への上記で調製した注入用DNA
溶液のマイクロインジェクションは下記の要領で行っ
た。性成熟した8週齢のウイスター(Wistar)ラットを
明暗サイクル12時間(4:00〜16:00 を明時間)、温度23
±2℃、湿度55±5%で飼育し、膣スメアにより雌の性
周期を観察して、ホルモン処理日を選択した。先ず、雌
ラットに150IU/kgの妊馬血清性性腺刺激ホルモン〔日本
ゼンヤク:PMS全薬(pregnant mare serum gonadotr
opin; PMSG) 〕を腹腔内投与して過剰排卵処理を行い、
その48時間後に75IU/kg のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン
〔三共臓器:プべローゲン(human chorionic gonadotr
opin; hCG)〕を投与後、雄との同居により交配を行っ
た。hCG投与32時間後に卵管灌流により前核期受精卵
を採取した。卵管灌流および卵の培養にはmKRB液(Toyo
da Y. and Chang M. C.,J. Reprod. Fertil., 36, 9-22
(1974)) を使用した。採取した受精卵を 0.1%ヒアル
ロニダーゼ(シグマ社製:Hyaluronidase TypeI-S)を含
む mKRB 液中で37℃、5分間の酵素処理を行い卵丘細胞
を除去した後、mKRB液で3回洗浄して酵素を除去し、D
NA注入操作までCO2-インキュベーター内(5% CO2-95%
Air, 37℃, 飽和湿度)に保存した。この様にして準備
したラット受精卵の雄性前核にDNA溶液を注入した。
注入操作した 228個の卵を9匹の仮親に移植して出産さ
せ80匹の産仔を得た。注入DNAのラットへの導入は、
離乳直後に断尾して得た尾より調製したDNAをPCR
法により検定〔使用プライマー; tsA58-1A, 5'-TCCTAA
TGTGCAGTCAGGTG-3'(1365〜1384部位に相当), tsA58-1B,
5'-ATGACGAGCTTTGGCACTTG-3'(1571〜1590部位に相当)
〕した。その結果、遺伝子の導入を認めた20匹(雄6
匹、雌8匹、性別不明6匹)の産仔を得た。これらの中
から性成熟期間を経過する12週齢まで生存した11ライン
のトランスジェニックラット(雄ライン;#07-2, #07-5,
#09-6, #12-3, #19-5, 雌ライン: #09-7, #11-6, #12
-5, #12-7, #18-5, #19-8)を得た。これらのG0 世代
のトランスジェニックラットとウイスターラットを交配
し、雄ファウンダーの2ライン (#07-2, #07-5) と雌フ
ァウンダーの3ライン(#09-7, #11-6, #19-8)において
次世代以降への遺伝子の伝達を確認した。
【0014】
【実施例2】胎児繊維芽細胞を用いた温度感受性増殖の
確認 実施例1で得た次世代への遺伝子伝達を確認した5ライ
ンの中から4ライン(#07-2, #07-5, #09-7, #19-8)の
1 世代の雄と雌ウイスターラットを交配した。妊娠13
日目に無作為に抽出した4〜8匹の胎児を細切し、0.02
% EDTAを含む 500μg/mlトリプシン溶液(トリプシン
液;GibcoBRL社製)で室温で30分間処理して遊離してく
る細胞(胎児繊維芽細胞)をCO2-インキュベーター(5%
CO2-95%Air, 飽和湿度) 内で10%ウシ胎児血清を含むD
MEM培地(GibcoBRL社製)で培養した(初代培養)。
培養は、播種後24時間は37℃で行い細胞を培養皿に付着
させ、その後は33℃で行った。培地は1週間に2回交換
し、継代はトリプシン液を用いておよそ1週間隔で行っ
た。得られた細胞を用いてラージT抗原遺伝子の導入、
ラージT抗原蛋白質の発現、温度感受性ラージT抗原遺
伝子による増殖の抑制を調べた。
【0015】ラージT抗原遺伝子の導入と発現 上記の胎児繊維芽細胞を常法に従い90mmΦ培養皿で飽和
まで培養して回収した細胞に1mlのプロテイナーゼK溶
液(10mM Tris-HCl, 150mM NaCl, 10mM EDTA,0.1% SD
S, 100μg/ml Proteinase K(メルク社製))を加え55℃で
90分間反応させて溶解した。全DNAをフェノール抽出
した後、70%エタノール沈殿と洗浄、100 %エタノール
洗浄して乾燥し、TE液(1mM EDTAを含む 10mM Tris-H
Cl, pH 7.6)に溶解した。調製した全DNAの0.5 μg
を用いてPCR法によりラージT抗原遺伝子を検定した
〔使用プライマー; 5'-GGAGGAGTAGAATGTTGAG-3' (4441
〜4459部位に相当), 5'-TTGGAGGCTTCTGGGATGCAA-3' (49
23〜4943部位に相当) 〕。胎児から調製した細胞の中で
ラージT抗原遺伝子が確認できた個体の割合は、それぞ
れ各ラインにおいて4/6(#07-2)、3/8(#07-5)、3/7(#09-
7)、3/7(#19-8)であった。
【0016】次に、調製した胎児繊維芽細胞におけるラ
ージT抗原蛋白質をウエスタンブロット法(実験医学別
冊バイオマニュアルUPシリーズ「分子生物学的アプロ
ーチによる癌研究プロトコール」 108〜115 頁, 羊土
社, 1995年発行)により検討した。ラージT抗原遺伝子
の導入を確認した4ラインの胎児繊維芽細胞 (#07-2-E
3、#07-5-E7、#09-7-E7、#19-8-E6) を常法に従い90mm
Φ培養皿で飽和まで培養して回収した細胞を1mlのRIPA
バッファー(150mM NaCl, 1% NP40, 0.5% deoxycholate
-Na, 0.1% SDS, 50mM Tris-HCl (pH8.0)で可溶化した
後、遠心(10,000 rpm, 10分間) して不溶画分を除去し
た後フラッドフォード法(BIO-RAD 社製プロテインアッ
セイキットIIを使用)で総蛋白質量を定量した。それぞ
れ20μg の蛋白質をSDSポリアクリルアミドゲル電気
泳動で分離後、ニトロセルロース膜に転写した。3%ス
キムミルク溶液でブロッキングしたニトロセルロース膜
に1次抗体として抗SV40ラージT抗原抗体(CALBIO
CHEM社製 DP02-C)を、2次抗体としてHRP標識抗マウ
スIgG 抗体(Amersham社製) を反応させ、ラージT抗原
蛋白質特異的な反応をアマシャム社製ECLウエスタン
ブロティング検出システム(RPN2106M1)を用いて検出し
た。検定した4ライン全てにおいてラージT抗原蛋白質
を確認した。
【0017】細胞の温度感受性増殖の確認 上記で調製した胎児繊維芽細胞の3回目から5回目の
継代の時点での温度依存的な細胞の増殖を調べた。細胞
の増殖は96穴プレートに1ウエルあたり2千〜4千個の
細胞を播種し、33℃、37℃、39℃の定温、33℃から37℃
または33℃から39℃に温度シフトした場合の増殖を測定
した。細胞数は水溶性ホルマザンを生じるWST-1(同仁化
学社製)を用いて450nm の吸光度の変化により測定する
MTT法(Mosmann T., J. Immunol. Methods, 65, 55-
63 (1983))で測定した。温度感受性突然変異ラージT抗
原遺伝子の無いマウス繊維芽細胞株NIH3T3が37℃や39℃
の場合の方が33℃より良好な増殖を示したのに対し、温
度感受性突然変異ラージT抗原遺伝子が導入された繊維
芽細胞の#07-2-E2、#07-5-E3、#07-5-E7、#09-7-E4、#0
9-8-E1、#09-8-E2、#19-8-E1では39℃において明らかな
増殖の抑制を認めた。しかし、温度感受性突然変異ラー
ジT抗原遺伝子が導入された繊維芽細胞の#07-2-E3、#0
9-7-E5、#19-8-E2では細胞の温度依存的な増殖抑制が明
確でなかった。本結果から、実施例1で得られた温度感
受性突然変異ラージT抗原遺伝子(tsA58遺伝子)導入ラ
ットから得られた胎児繊維芽細胞における温度感受性の
増殖(39℃における増殖抑制)を確認した。
【0018】
【実施例3】温度感受性不死化細胞株の樹立 実施例1で得られた温度感受性ラージT抗原遺伝子(tsA
58遺伝子)を導入したトランスジェニックラットの腎臓
と精巣を摘出して初代細胞を調製し、33℃で継代培養を
行い不死化細胞株を樹立して、得られた細胞株の温度感
受性ラージT抗原遺伝子(tsA58遺伝子)発現による増殖
の抑制並びにその細胞機能の特性を調べた。不死化細胞株の樹立 実施例1で得られたG0 世代のラット(#19-5 ファウン
ダー)の腎臓と精巣を無菌的に摘出した。各臓器から約
1gの組織を切り取り眼科鋏で細切した。5mLのDME
M培地を加えて細切した組織を回収し、DMEM培地に
溶解した等量の1mg/mlのコラゲナーゼH(ベーリンガー
社製)液を加えて、時々組織を分散させながら37℃で15
分間酵素消化を行い遊離した細胞を回収した。得られた
細胞は10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地で2回の遠
心洗浄(15,000 rpm, 5 分間)を行った後、同培地に播
種し、CO2-インキュベーター(5%CO2-95%Air, 飽和湿
度)内で33℃で培養した。培地は1週間に2回交換し、
継代はトリプシン液を用いておよそ1週間隔で行った。
3回の継代の後、90mmΦ培養皿に希釈播種した。約1週
間後に形成された単一コロニーを実体顕微鏡下でトリプ
シン液を用いて回収し、96穴、24穴の順に増殖させ、以
後25cm2 Tフラスコで10倍希釈による継代を重ねた。そ
の結果、腎臓に由来する10種の細胞株と精巣に由来する
12種の株を樹立した。尚、腎臓に由来する形態の異なる
2種の細胞株(#19KC01, #19KC11) と精巣に由来する4
種の細胞株(#19TC01, #19TC02, #19TC03, #19TC04)は
40回を超える継代(約5カ月間)を繰り返した後も細胞
の増殖性に変化を認めなかった。
【0019】腎臓由来細胞株の特性 上記で得た腎臓に由来する2種の細胞株(#19KC01, #
19KC11) の特性を調べた。先ず、温度感受性増殖を調べ
た。10回の継代を行った細胞を用い、33℃と39℃におけ
る増殖性を比較した。これらの細胞を6穴マルチウェル
に接種(3×104cells/well) して33℃及び39℃の各温度
で培養した。培養後細胞はトリプシンを用いて回収し、
血球計算盤を用いて細胞数を計測した。この結果、図1
に示すように#19KC11 が39℃において明らかな増殖抑制
を示すのに対し、#19KC01 では明確な差を認めなかっ
た。次に、腎臓の上皮細胞に認められるアルギニンバソ
プレッシン、フォルスコリン、及び副甲状腺ホルモン(P
TH) による細胞内cAMP量の蓄積を矢内らの方法(Ya
nai N. et al., Jpn. J. Cancer Res., 82, 1344-1348
(1991)) に従って調べた。20回の継代を行った細胞を33
℃でして6穴マルチウェルに接種(5×104 cell/well)3
日間培養した場合、アルギニンバソプレッシン(AVP)(シ
グマ社製 [Arg8]-vasopressin)、フォルスコリン(シグ
マ社製)、及び副甲状腺ホルモン (シグマ社製) を含む
培地に交換して2日間培養したときの細胞内cAMP量
を測定した。この結果、図2に示すように、#19KC11 は
フォルスコリンの添加により39℃培養で細胞内cAMP
量の顕著な蓄積を示したのに対し、#19KC01 の蓄積は33
℃及び39℃の両培養で少なかったが、副甲状腺ホルモン
による39℃における細胞内cAMP量の蓄積を認めた。
更に、腎臓、特に胎児の腎臓で強い発現が認められるW
T1遺伝子の発現をRT-PCR法により調べた〔使用プライ
マー ; WT1A, 5'-CCAGTCAGAAGCGTCCTTTC-3 '(905〜924
部位に相当), WT1B, 5'TGGGCAGAGACCGACTCCTT-3' (1481
〜1500部位に相当) ; Sharm P. et al., Cancer Res.,
52, 6407-6412 (1992)〕ところ#19KC11において発現を
認めたが#19KC01 では発現を認めなかった。以上の結果
から、本ラットを用いることで腎臓の上皮細胞の特性を
保持した温度感受性増殖を示す細胞株を得ることができ
た。
【0020】精巣由来細胞株の特性 上記で得た精巣に由来する4種の細胞株(#19TC01, #
19TC02, #19TC03, #19TC04)の特性を、細胞特異マーカ
ー遺伝子の発現をRT-PCR法で調べることにより行った。
マーカー遺伝子としてセルトリ細胞は WT1、精原細胞は
c-kit 受容体〔使用プライマー ; c-kitRA, 5'TCAGCCAC
CATCCCACCAAG-3'(3174〜3193部位に相当), c-kitRB,
5'-TCCCCAACAGCAGACTATTT-3'(3641〜3660部位に相当);
TsujimuraT. et al., Blood, 78, 1942-1946 (1991)
〕、精母細胞は HSP-t〔使用プライマー; HSP-tA, 5'-
CCCTTTTGTTTTGGTTTCTT-3' (2079〜2098に相当), HSP-t
B, 5'-TCAGCAATCGCTCTAAATGC-3' (2247〜2266部位に相
当); Winiewski J. et al., Biochem. Biophys. Acta,
1048, 93-99 (1990)〕、精子細胞はTP-1〔使用プライマ
ー ; TP-1A, 5'-AGGAAGCAAGA CAAAATACC-3' (111〜130
部位に相当), TP-1B, GGGGAGAAACAGCCAACATA-3' (554〜
573 部位に相当); Heidaran M.A. et al., Gene,75, 39
-46 (1989) 〕を調べた。各細胞を6穴マルチウェルに
接種(3×104 cells/well) して33℃あるいは39℃で培養
した。細胞はトリプシン液を用いて回収して血球計算盤
を用いて計測した。4株全ての細胞においてWT1遺伝
子の発現を認め、他の遺伝子の発現を認めなかった。ま
た、いずれの細胞においてもセルトリ細胞に特異的な食
細胞運動能(Rassoulzadegan M. et al., Cell, 75, 99
7-1006 (1993))を確認した。また、精原細胞との共培養
をおこなったところ精原細胞の良好な接着を認め、3回
の継代を行った後も精原細胞を認めた。尚、精原細胞の
確認は特異マーカー遺伝子(c-kit受容体) の発現を検定
することで行った。以上のことから得られた細胞株はセ
ルトリ細胞の特性を保持した細胞株であると判断した。
次に、10回の継代を行った細胞を用いて温度感受性増殖
を調べた。図3に示すようにすべての細胞において33℃
における良好な増殖を認めたのに対し、39℃における明
らかな増殖抑制を認めた。以上の結果から、本ラットを
用いることでセルトリ細胞の特性を保持し、温度感受性
増殖を示す細胞株を得ることができた。
【0021】
【発明の効果】本発明により、細胞株を樹立するのに有
効な不死化遺伝子を導入したラット、そのラットを用い
る不死化細胞株の樹立方法及びその不死化細胞株が提供
される。さらに詳しくは、SV40の温度感受性突然変
異株 tsA58のラージT抗原遺伝子を導入したラット、そ
のラットを用いる不死化細胞株の樹立方法及びその不死
化細胞株が提供される。本発明の遺伝子導入ラットは、
その臓器から不死化細胞株を容易に得ることができ、得
られた細胞の増殖及び分化形質の発現は、温度を変える
ことにより操作可能である。更に、得られたラットを兄
妹交配してホモ化ラインを得ることができるため、ホモ
化した雄ラットと該遺伝子が導入されていないラットの
交配により全ての胎児が該遺伝子を保持する同腹の胎児
を得ることができる。従って、神経細胞分化機構解析等
に有効な発生初期段階の培養細胞株を提供することもで
きる。本発明により、医薬品の安全性や有効性に関する
スクリーニング、臓器組織の機能障害に関連する疾患の
診断やその治療方法の開発、各種臓器の分化や機能の細
胞レベルでの研究等に有用な不死化細胞株が提供され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3の腎臓由来細胞株 #19KCO1及び#19KC1
1 の温度感受性増殖の結果を示す。 A:#19KC01 B:#19KC11
【図2】実施例3の腎臓由来細胞株 #19KCO1及び#19KC1
1 のアルギニンバソプレッシン(AVP) 、フォルスコリ
ン、あるいは副甲状腺ホルモン(PTH) 存在下での細胞内
cAMP蓄積結果を示す。 A:#19KC01 B:#19KC11
【図3】実施例3の精巣由来細胞株 #19KCO1、#19KC02
、#19KC03 及び #19KC04の温度感受性増殖結果を示
す。 A:#19KC01 B:#19KC02 C:#19KC03 D:#19KC04
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 正次 埼玉県川越市今福1672−1−719 (72)発明者 帯刀 益夫 宮城県仙台市青葉区八幡5−3−10−402 Fターム(参考) 4B024 AA11 AA20 BA32 CA01 DA02 EA10 FA02 FA20 GA12 GA18 GA23 GA27 HA11 4B065 AA91X AA95Y AB01 AC01 AC20 BA04 BB01 BC01 BD50 CA46

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SV40温度感受性突然変異株 tsA58の
    ラージT抗原遺伝子をラットの全能性細胞に導入するこ
    とによって得られる、不死化遺伝子を導入したトランス
    ジェニックラット。
  2. 【請求項2】 請求項1の不死化遺伝子を導入したラッ
    トの臓器の組織細胞を採取し、これを継代培養して樹立
    することを特徴とする、不死化細胞株の樹立方法。
  3. 【請求項3】 請求項2の方法によって樹立された不死
    化細胞株。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002112764A (ja) * 2000-10-05 2002-04-16 Tohoku Techno Arch Co Ltd 株化網膜神経細胞
JP2002142610A (ja) * 2000-11-07 2002-05-21 Tohoku Techno Arch Co Ltd Alsモデルラット
WO2007013517A1 (ja) * 2005-07-26 2007-02-01 University Of Toyama リンパ管新生評価系

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JPWO2007013517A1 (ja) * 2005-07-26 2009-02-12 国立大学法人富山大学 リンパ管新生評価系

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