JP2002512787A - 幹細胞を得る方法 - Google Patents

幹細胞を得る方法

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JP2002512787A JP2000545985A JP2000545985A JP2002512787A JP 2002512787 A JP2002512787 A JP 2002512787A JP 2000545985 A JP2000545985 A JP 2000545985A JP 2000545985 A JP2000545985 A JP 2000545985A JP 2002512787 A JP2002512787 A JP 2002512787A
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スコット マウントフォード、ピーター
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Abstract

(57)【要約】 幹細胞を得るための方法であって、(a)所望の幹細胞および(b)所望の幹細胞以外の細胞において特異的に発現されるマーカーをコードする遺伝子を含む体細胞を得ること;除核卵母細胞を得ること;体細胞の核を除核卵母細胞中に移してトランスジェニック卵母細胞を形成すること;トランスジェニック卵母細胞を培養して、トランスジェニック卵母細胞から誘導された細胞の培地を生成すること、およびマーカーを発現する培地の細胞を認識することを含んでなり、それによりその細胞の核が再プログラムされたことを示すものである方法。前記核再プログラム法を用いた直接または間接的に得られる核および幹細胞を再プログラムすることができる因子についてのアッセイも記載されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、体細胞の核再プログラム、核移植胚から幹細胞を得るための方法、
および特に、胚幹(ES)細胞を得る方法に関する。本発明は、また、多機能細
胞、および体細胞核を多機能細胞核に再プログラムするためのアッセイ、ならび
に、体細胞核を再プロフラムすることができる因子のためのアッセイにも関する
【0002】 (背景技術) ES細胞は、多成分幹細胞であり、造血幹細胞、ニューロン前駆細胞および皮
膚細胞のような広範囲の体組織の発生に用いることができる。生体外でヒト胚幹
細胞を発生し得るという治療的価値はかなりのものである。Domikoらは、
ウシ卵母細胞質が、異なる哺乳動物種から体細胞核をうまく再プログラムし、初
期胚発達を開始させ得ることを示唆している。すなわち、ES細胞が広範囲の哺
乳動物胚から得られ、トランスジェニック動物の開発に大きな価値を示すことが
期待される。多くの者がES細胞が得られることを主張しているが、ES細胞を
マウス以外から実際に得たことを示すのは、今までES細胞は形態学的に単離さ
れていたので、現在まで不可能であった。これは、非ES細胞から誘導された胚
構造は、ES細胞を含む胚構造と実質的に同じにみえるので、信頼性のない試験
である。
【0003】 哺乳動物における移植は、現段階では、拒絶反応に関する問題によって妨げら
れている。異組織が宿主に導入されると、その免疫反応が侵入組織と知覚された
ものを攻撃する。この激しく生命を脅かす反応は、免疫抑制剤の使用により防止
することができるが、これは宿主を日和見感染に晒す。免疫反応は、宿主自体の
組織を移植する場合は誘発されない。遺伝子的に宿主の組織と同一の組織を発生
させることができれば、移植において有利である。
【0004】 哺乳動物における胚発生は、同等の全能細胞を発生させる一連の分裂から始ま
る。卵母細胞に蓄積された母系因子は、各種について特徴的数およびタイミング
の分裂を示す。分裂プロセス中に接合ゲノムの活性化が起こる。これに続いて2
つの異なる細胞系列、すなわち、外側上皮細胞層の栄養外胚葉、および細胞の内
側クラスターである内部細胞塊(ICM)に分かれる。続いて、栄養外胚葉は、
胎盤の胚誘導成分に貢献し、一方、ICMは胚独自の構成物質である。ICMは
、生殖細胞を含む全ての胎児細胞型を、および一部の胚外組織も発生させる点に
おいて多機能である。多機能細胞系の胚幹(ES)細胞は、ICMまたはその直
後の多機能後継者である原外胚葉の直接培養により誘導することができる(Br
ookおよびGardner著、1997年;EvansおよびKaufman
著、1981年;Thomsonら著、1996年)。
【0005】 一旦単離されると、多機能幹細胞は、特定の成長因子、および特定の細胞型へ
の分化を誘発する他のシグナル分子の存在下に培養することができる。異なる医
学的疾患および症状において特定の組織型が必要である。白血病を患い、化学治
療のために自体の造血細胞が失われている個体の治療に造血幹細胞を用いること
ができる。アルツハイマー病やパーキンソン症候群のような神経退化疾患を患っ
ている個体の治療に、ニューロン始原細胞を用いることができる。個体が重度の
火傷または瘢痕化を患った場合、移植に適した皮膚細胞を発生させることができ
る。すなわち、遺伝的に患者と同じである多機能幹細胞を発生させ得ることには
、大きな治療能がある。
【0006】 ヒト多機能幹細胞を作り得るさらなる方法を開発することが望ましい。さらに
、所定の個体から多機能幹細胞を発生させ得ることが望ましい。初期胚において
どの細胞が未分化多機能幹細胞であるか容易に認識し得ることも望ましい。さら
に、これらの多機能幹細胞を単離し、次に、誘発させて特定の細胞型に分化させ
得ることが有利である。最後に、ES細胞中で未分化状態を維持するのに必要な
因子を認識し得るアッセイを有することが望ましい。
【0007】 体細胞から胚および生きている子孫を生成させるために、卵母細胞中における
核置換が用いられる。このクローニング手順は、遺伝的に同一の組織または個体
の生成を可能にするが、現在の手順の効率は非常に低く、少量の核移動胚しか生
存能力のある子孫を与えない。これは、ドナー細胞核の不完全な再プログラムが
部分的原因である。国際特許公報WO97/07668およびWO97/076
69は、卵母細胞であり得る受容細胞に、体細胞の核を移す方法を記載している
。WO97/07668およびWO97/07669の両方が、胚芽形成および
その後の移植が良好に行われるために、ドナー細胞核が静止状態になくてはなら
ないことを教示している。さらなる培養または宿主母体への移植の前に、核移植
により生成されたどの胚が多機能細胞を含むか認識し得ることが有利である。
【0008】 本発明は、幹細胞、および幹細胞を得るための改良された方法を提供すること
を目的とする。本発明は、トランスジェニックヒトES細胞を含むヒトES細胞
を得るための改良された方法を提供することも目的とする。本発明は、さらに、
体細胞核を全能状態に再プログラムし得る因子についてのアッセイ、およびES
細胞を含む胚または胚構造の認識のためのアッセイを提供することを目的とする
【0009】 (発明の開示) 本発明は、体細胞から除核卵母細胞への核の移植と、所望の幹細胞に特徴的な
遺伝子を発現する卵母細胞の娘細胞の認識との組み合わせを提供する。本発明の
好ましい態様において、胚幹細胞に特徴的な遺伝子を発現する細胞が認識される
【0010】 従って、本発明の第1の局面は、 予定の種の幹細胞を得るための方法であって、 (a)所望の幹細胞および(b)所望の幹細胞以外の細胞において特異的に発
現されるマーカーをコードする遺伝子を含む、予定の種の体細胞を得ること、 除核卵母細胞を得ること、 体細胞の核を、除核卵母細胞中に移してトランスジェニック卵母細胞を形成す
ること、 トランスジェニック卵母細胞を生体外で培養して、トランスジェニック卵母細
胞から誘導された細胞の培地を生成すること、および マーカーを発現する培地の細胞を認識する こと、ならびに任意に、それらを選択的にプログラムすることを含んでなる方法
を提供する。
【0011】 良好に成熟期を迎え生体を形成する胚および胚構造の認識を容易にすることが
、本発明の特別の利点である。生存能力がある胚の割合が1%以下の少量である
従来法の高い失敗率のために、今まで、この技術は信頼性が非常に低かった。本
発明の方法は、さらに、トランスジェニック卵母細胞を培養して胚または胚構造
を形成すること、および、胚または胚構造の細胞がマーカー遺伝子を発現するか
どうか決めることを含む。多機能細胞は、肺構造の内部細胞塊を形成することが
知られており、この方法は、典型的に、トランスジェニック卵母細胞を培養して
内部細胞塊および栄養外胚葉細胞を含む胚または胚構造を形成すること、および
、内部細胞塊の細胞がマーカー遺伝子を発現するかどうか決めることを含む。
【0012】 マーカー遺伝子を含む体細胞は、トランス遺伝子を体細胞に導入することによ
り、または、トランスジェニック動物からトランス遺伝子を含む体細胞を単離す
ることにより得ることができる。すなわち、本発明は、トランスジェニック幹細
胞の第1世代および子孫世代を含む。第1世代のトランスジェニック細胞の発生
のためには、体細胞から出発して、トランス遺伝子を体細胞に導入してから、除
核卵母細胞に核を移す次の工程を行うことが特に好ましい。体細胞は、任意の標
準的生検処置により得ることができる。
【0013】 本発明の技術の重要要素は、所望の幹細胞を容易に認識するためのマーカーの
使用である。本発明の特定の態様において、多機能幹細胞である細胞は、緑色蛍
光淡白(GFP)を発現する。UV光を用いて、視覚的に検査することにより、
生存能力の無いものが廃棄され得るように細胞または胚が分別される。
【0014】 本発明の1つの態様において、マーカーは選択性マーカーであり、選択性マー
カーを発現しない細胞は培地において選択的に殺されまたは除去され得る。例え
ば、選択性マーカーは、ネオマイシン抵抗またはG418抵抗をコードする遺伝
子のような、抗生物質抵抗性であり得る。
【0015】 多機能ES細胞の単離および増殖は、文化細胞の除去により容易になる。これ
は、ICMマーカー遺伝子であるoct4、または、fgf4のようなOct−
4反応性遺伝子、またはSox2のようなOct−4共因子のための遺伝子、ま
たはICMおよび原外胚葉細胞において選択的に発現される任意の他の遺伝子の
調節配列の制御下に選択性マーカーを発現することにより好適に達成される。選
択性マーカーは、相同組換えにより内因性遺伝子中に組み込む、またはトランス
遺伝子構造体に挿入することができる。さらに、多機能細胞の拡張を容易にする
ために、条件不朽化遺伝子を幹細胞特異性座に導入することができる。機能的再
プログラムの主な指示手段および胚芽成長の予備条件は、大部分または全ての細
胞中においてOct−4を発現する多機能ICM/原外胚葉の形成でなくてはな
らず、これは、哺乳動物胚における多機能細胞の成長にOct−4が必須である
ことが知られているのと同じである。そのような胚は、高速の移植後成長を提供
し、ES細胞の供給源として用いることができる。
【0016】 別の手段はレポーター遺伝子になるマーカーであり、マーカーを発現する細胞
を培地中において視覚的に認識することができる。1つの適当なレポーターは、
前述のUV光におけるGFP、またはルシフェラーゼのような特定の光で蛍光を
発する産物をコードするものである。もう1つのものは、Xgalで青色、また
はフルオレセインジガラクトシダーゼ(FDG)で蛍光信号を発する竅|ガラク
トシダーゼである。所望の細胞の認識に単純な技術で充分であるように光学顕微
鏡において全て用い得ることが特に好都合である。菌株は、染色組織の固定−死
滅を必要としない点で、好ましくは生存能力のある菌株である。
【0017】 本発明の特定の態様の方法の使用において、専ら胚幹細胞において活性である
プロモーターを含み、GFPまたは幹細胞特異的遺伝子産物に融合しているGF
Pの発現を導くトランス遺伝子が、複数のヒト体細胞に導入される。次に、体細
胞核が、各々、除核ブタ卵母細胞に移される。次に、卵母細胞が培養されて胚構
造が形成され、これらは、UVが照射され、顕微鏡で観察される。ICM中にお
いて蛍光を示す僅かのものを容易に認識し単離することができる。その次に、単
離された胚構造をさらに生体外で培養または移植することができる。マーカーの
使用は、このように、以前は、実際に生存可能な胚でないことを示す、移植不可
能性、成熟期まで進めないこと、またはその後の形態学変化に基づいて認識しな
くてはならなかった生存可能でない胚の廃棄を容易にする。
【0018】 さらなる別法は、不朽化遺伝子をコードするトランス遺伝子である。これは、
その方法により得られる胚幹細胞の長期培養の維持に役立つ。
【0019】 本発明のさらなる特別の態様の方法の使用において、専ら胚幹細胞において活
性なプロモーターを含み、ネオマイシンへの抵抗の発現を導くトランス遺伝子が
、複数のヒト体細胞に導入される。次に、体細胞は、各々、除核ウシ卵母細胞に
移される。次に、卵母細胞が培養されて胚構造が形成され、そこから、多機能幹
細胞であるらしい細胞が単離される。これらの細胞は、G418の存在下に培養
され、未分化ES細胞であるもののみが生き残ることができる。
【0020】 本発明の特定の態様の方法の使用において、専らニューロン幹細胞において活
性であるプロモーターを含み、選択性マーカーの発現を導くトランス遺伝子が、
複数のヒト体細胞に導入される。次に、体細胞核が、各々、除核受容細胞に移さ
れる。次に、受容体が培養され、これらは選択に付される。生存する僅かのもの
を容易に認識し単離することができる。その次に、単離されたニューロン幹細胞
をさらに生体外で培養することができる。マーカーの使用は、このように、非ニ
ューロン幹細胞の廃棄を容易にする。ニューロン幹細胞を得るための前記態様に
おけるように、ES細胞以外の標的幹細胞を得ることが目的である本発明の態様
においては、受容体は卵母細胞であるか、好ましくは、異なる個体の標的幹細胞
である。すなわち、移植体細胞核の受容体として除核ニューロン幹細胞が用いら
れる。すなわち、ニューロン幹細胞を得るために、まず、複数の体細胞が遺伝的
に操作されて、ニューロン上皮前駆細胞において均一に発現される遺伝子である
sox1、sox2またはsox3の調節要素の制御下においてβgeoのよう
な選択/レポーター遺伝子が導入される。例えば、選択/レポーター遺伝子であ
るβgeoが、相同組換えによりsox2遺伝子に組み込まれ、これは、ニュー
ロン板およびニューロン管における前駆体細胞において均一に発現される。この
構造体を含むトランス遺伝子が、体細胞に導入され、核移植の後にG418を適
用することにより、生存能力のあるβgeo陽性細胞が効果的に単離される。こ
れらの細胞は、ニューロン上皮前駆細胞のマーカーを発現する。これらは増殖さ
れることができ、種々のニューロンマーカーを発現するニューロン様細胞のネッ
トワークに効果的に分化する。すなわち、哺乳動物ニューロン分化の遺伝的およ
び分子的解離のための生体外系が本発明により提供され、正常な純粋集団または
遺伝的に修飾されたニューロン前駆体の生成のための経路、および移植を含む機
能的研究のためのニューロンも提供される。CD34、CD44およびSCL遺
伝子が、造血始原細胞を得るのに適しており、Nkx2.5またはGATA−4
遺伝子が心臓始原細胞を得るのに適している。筋始原細胞の発生には、MyoD
またはmyf−5が適している。
【0021】 本発明の方法が、さらに、体細胞中に、いずれも所望の幹細胞中で発現される
選択性マーカーおよびレポーターマーカーを導入することを含むことが、さらな
る選択肢である。これは、生存可能な胚の視覚的認識および単離を可能にし、次
に、それを培養し、その後のES細胞の単離のために選択に付することができる
。得られる培地は、トランス遺伝子および受容体である細胞質体ミトコンドリア
の存在を除いて、最初のドナー体細胞と遺伝的に同じである幹細胞を含む。トラ
ンス遺伝子に隣接する切除部位の使用は、部位特異的組換えによるように、トラ
ンス遺伝子の除去を可能にするのに適している。
【0022】 本発明の技術は、全ての哺乳動物細胞型に適用され、受容体卵母細胞の利用性
が低い(または無い)種の胚幹細胞を得るものである。体細胞はヒト細胞である
ことが好ましく、驚くべきことに、本発明は、非ヒト卵母細胞からヒト胚幹細胞
を作るものであり、以下の実施例では、容易に入手されることからブタまたはウ
シ卵母細胞を用いている。
【0023】 一旦胚幹細胞が単離されると、それらは、選択された系列の始原細胞の誘導の
ための供給源として用いることができる。1998年4月14日に出願された継
続中のGB特許出願9807935.3に記載され特許請求されているように、
所望の始原細胞中においてのみ実質的に発現されるさらなるトランス遺伝子を用
いて、ニューロン、造血始原細胞、心臓および他の始原細胞が得られ、選択され
た分化非幹細胞系の細胞も同様に得ることができる。
【0024】 本発明の第2の局面は、幹細胞を得るための方法であって、 (a)所望の幹細胞および(b)所望の幹細胞以外の細胞において特異的に発
現されるトランス遺伝子を含む体細胞を個体から得ること、 体細胞の核を、除核卵母細胞中に移すこと、 卵母細胞を培養して胚または胚構造を形成すること、および 得られる胚または胚構造中の細胞がトランス遺伝子を発現しているかどうか決
めること ことを含んでなる方法を提供する。
【0025】 この方法は、好ましくは、トランス遺伝子が、(a)内部細胞塊の細胞および
(b)内部細胞塊の細胞以外の細胞において特異的に発現され、方法は、卵母細
胞を培養して胚または胚構造を形成すること、および、内部細胞塊の細胞がトラ
ンス遺伝子を発現するかどうか決めることを含んでなる、哺乳動物胚幹細胞を得
るためのものである。トランス遺伝子が、内部細胞塊の細胞中のみにおいて実質
的に発現されることが特に好ましい。胚盤胞が生体内、例えば、結さつされた輸
卵管において成長することが選択肢である。
【0026】 トランス遺伝子は選択性マーカーをコードすることができ、そこで選択性マー
カーを発現しない細胞は培地中において選択的に殺すまたは除去することができ
る;または、トランス遺伝子は、特定波長の光を照射したときに蛍光発生するレ
ポーターマーカーをコードすることができ、そこで、レポーターマーカーを発現
する細胞は、光の存在下におけるその蛍光により認識され得る。本発明の第1の
局面の他の好ましい選択的特徴が、本発明の第2の局面およびさらなる局面に同
等に適用される。
【0027】 本発明の第3の局面は、体細胞の核に対する、因子の効果についてのアッセイ
であって、 (a)所望の幹細胞および(b)所望の幹細胞以外の細胞において特異的に発
現されるマーカーを含む核を除核細胞に導入すること、 因子をその細胞中に導入すること、 その細胞を生体外培地中に維持すること、および その細胞またはその娘細胞のいずれかがマーカーを発現しているかどうか決め
ることを含んでなり、マーカーの発現は、その体細胞核が再プログラムされて所
望の幹細胞の核になっていることを示すものである方法を提供する。
【0028】 「再プログラムされた」および修飾された用語により、成長可能性が制限され
ている細胞からの核が、より大きな成長可能性を得ること、例えば、分化体細胞
からの単一機能核が、それにより、幹細胞の多機能核に導かれ得る、または、体
細胞からの多機能核が、それにより、多機能幹細胞核に導かれ得ることが意味さ
れる。好ましくは、除核卵母細胞中に移植されたときに正常胚の成長を容易にす
ることができ、次に、移植して成熟期を迎えて生体動物を形成することができる
、または、次に、胚幹細胞および、続いて、望まれる場合は分解された細胞を誘
導するために用いることができるように、体細胞核を再プログラムすることがで
きる。
【0029】 このアッセイの利点は、核の再プログラムを誘発する因子のスクリーニングを
補助することである。そのように認識される因子は、次に、技術の信頼性および
効果をさらに向上させるための作用因として用いることができる。このアッセイ
は、除核卵母細胞を用いて好適に行われる。このアッセイは、卵母細胞以外の除
核細胞を用いても好適に行われ、これは、卵母細胞が用いられる場合のように、
既に同時に存在する核再プログラム因子から干渉を受けること無く因子の効果が
アッセイされるという利点を有する。線維芽細胞は、好適な細胞型である。
【0030】 核を再プログラムして多機能核にする因子を認識するために、アッセイにおい
て用いられるマーカーは、(a)多機能幹細胞および(b)多機能幹細胞以外の
細胞において特異的に発現される。
【0031】 このアッセイは、卵母細胞の細胞質から抽出されたmRNAから得られたcD
NAライブラリーの発現により得られる因子のライブラリーのような、因子のラ
イブラリーのアッセイに適している。
【0032】 前記手順に別法として、体細胞の核を再プログラムするのは、核を移動させる
ことなく行われ、それにも拘わらず因子の認識を提供するアッセイのための選択
肢である。
【0033】 具体的に、このアッセイは、 (a)所望の幹細胞および(b)所望の幹細胞以外の細胞において特異的に発
現されるマーカーを含む細胞の培地を維持すること、 その細胞中に、アッセイすべき因子を導入すること、および その細胞またはその娘細胞のいずれかがマーカーを発現しているかどうか決め
ることを含み、マーカーの発現は、その体細胞核が再プログラムされて所望の幹
細胞の核になっていることを示す。
【0034】 本発明のこの態様は、例えば線維芽細胞中のOCT4を活性化する因子を認識
するための卵母細胞ライブラリーのアッセイのために、都合良く用いることがで
きる。
【0035】 成熟期を迎える可能性がある胚、および多機能細胞を含む胚構造についてのア
ッセイも望ましい。すなわち、本発明の第4の局面は、胚または胚構造が胚幹細
胞を含むかどうか決めるアッセイであって、 (a)胚幹細胞および(b)胚幹細胞以外の細胞において特異的に発現される
マーカーを含む体細胞の核を除核卵母細胞に導入すること、 そこから胚または胚構造を得ること、および 胚または胚構造の細胞がマーカーを発現するかどうか決めること を含んでなるアッセイを提供する。
【0036】 本発明の1つの態様において、このアッセイは、体細胞中に、原外胚葉細胞中
においてのみ実質的に活性化されるプロモーターの制御下にマーカーをコードす
る配列を含むトランス遺伝子を導入することを含む。1つの具体例は、oct4
プロモーター、またはoct4遺伝子を発現する細胞中において活性化されるプ
ロモーターである。
【0037】 トランス遺伝子の導入後、安定に形質移入される幾つかの体細胞があるが、多
くはそうではない。本発明の好ましい態様において、トランス遺伝子は、実質的
に全ての細胞中において活性化されるプロモーターの制御下に第2のマーカーを
コードする配列も含む、またはその配列が共形質移入され、そのアッセイは、体
細胞が第2のマーカーを発現するかどうか決めることによりトランス遺伝子が核
中に安定に組み込まれているかどうか決めることを含む。β−アクチンが一例で
ある。このようにして、第1のマーカーを発現するものを決める前に、および任
意に、核移植の工程前に、安定な形質移入体を認識することができる。好ましく
は、第2のマーカーは、安定形質転換体の選択を可能にする選択性マーカーであ
る。第2のマーカーは、切除部位に隣接して、さらなる操作の前の除去を可能に
することができる。
【0038】 本発明の第5〜第12の態様において、本発明による核転移により得られる細
胞、すなわち; ヒト卵母細胞から誘導されるヒト胚幹細胞; 非ヒト卵母細胞から誘導されるヒト胚幹細胞; 非ヒト哺乳動物卵母細胞から誘導されるヒト胚幹細胞; ブタまたはウシ卵母細胞から誘導されるヒト胚幹細胞; ヒト卵母細胞から誘導されるヒト胚幹細胞; 非ヒト卵母細胞から誘導されるヒト胚幹細胞; 非ヒト哺乳動物卵母細胞から誘導されるヒト胚幹細胞;および ブタまたはウシ卵母細胞から誘導されるヒト胚幹細胞; が提供される 本発明は、さらに、第1のヒトに移植するためのものであって、第1のヒトと
免疫学的に適合性がある、異なるヒトの卵母細胞から誘導された幹細胞;および
、第1の種と同じ種または第1の種以外の種の卵母細胞から誘導されると共に、
胚幹細胞中のみで実質的に発現される選択性マーカーをコードするトランス遺伝
子を含んでなる、第1の哺乳動物種の胚幹細胞;および、未分化状態を認識する
トランス遺伝子を発現する多機能細胞であって、トランス遺伝子の存在以外は生
体動物と遺伝的に同じである多機能細胞を提供する。
【0039】 本発明は、さらに、第1のヒト個体に移植するためのヒト幹細胞またはヒト体
細胞の誘導の適しているヒト胚幹細胞を得る方法であって、第1の個体のものと
は異なる卵母細胞中に、第1の個体の体細胞からの核を導入することを含んでな
る方法を提供する。ヒト胚幹細胞は、好ましくは、ヒト胚幹細胞中のみで実質的
に発現される選択性マーカーをコードするトランス遺伝子を含む。
【0040】 本発明は、さらに、体細胞核を多機能核に再プログラムする方法であって、 本発明の第3のアッセイを行うことにより核の再プログラムを誘発する因子を
認識すること、 体細胞核を得ること、 除核細胞を得ること、 体細胞核を除核細胞中に移して組換え細胞を形成すること、および その組換え細胞中に因子を導入すること を含んでなる方法を提供する。
【0041】 本発明は、さらに、体細胞核を多機能核に再プログラムする方法であって、 本発明の第3の局面のアッセイを行うことにより核の再プログラムを誘発する
因子を認識すること、 体細胞核を得、因子を導入すること、 除核細胞を得ること、 体細胞の核を除核細胞中に移して組換え細胞を形成すること、および その組換え細胞を生体外で培養すること を含んでなる方法を提供する。
【0042】 こられの前記2つの方法において、体細胞に、(a)所望の全能細胞および(
b)所望の全能細胞以外の細胞において特異的に発現されるマーカーをコードす
る遺伝子を導入し;胚の細胞がマーカーを発現しているかどうか決めることが任
意に成される。再プロ面無因子がアッセイにより認識されても、これらの任意の
工程を用いることは、再プログラムされた核の単離を容易にし、次に、その核を
、要すれば増殖され、除核卵母細胞に導入することができる。
【0043】 本発明の典型的方法の使用において、多機能細胞特異的選択性マーカーおよび
/またはレポーターおよび/または不朽化遺伝子が体細胞培地、例えば、胚芽ま
たは生体線維芽細胞の培地に導入され、前記マーカーを有している細胞からの核
が、除核卵母細胞または他の適当な細胞質体中に移される。次に、幹細胞特異的
マーカーの発現の視覚化または選択により、良好な再プログラムが検出または選
択される。多機能幹細胞培地が、マーカー遺伝子発現の選択および/または不朽
化遺伝子の影響下に単離され増殖される。
【0044】 以下の実施例に記載する本発明の特別の態様において、選択性マーカー/レポ
ーターが、必須の多機能細胞特異的転写因子Oct−4(Mountfordら
著、1994年)をコードする遺伝子の調節要素の制御下に導入される。もう1
つの態様において、選択性マーカーが、fgf4遺伝子のようなOct−4反応
性配列またはSox2のようなOct−4の幹細胞制限共因子、あるいは別のI
CM/原外胚葉特異的遺伝子の調節制御下に置かれる。選択性マーカーは、好ま
しくは、竅|ガラクトシダーゼまたはGFPのようなレポーター遺伝子機能と、
薬剤抵抗機能との両方をコードする。この二重機能は、lacZ/neo融合β
geoのような融合遺伝子として、または、内部リボソーム登録部位(IRES
)を組み込むジシストロン性構造体、例えばgfpIRESpacとして達成さ
れる。別の態様において、トランス遺伝子構造体は、多機能幹細胞のその後の成
長を容易にするために、不朽化遺伝子を組み込むことができる。これは、選択性
マーカー/レポーターの代わりにまたはそれに加えて含んでよい。1つのそのよ
うな不朽化遺伝子は、SV40ラージT蛋白をコードするものである。不朽化遺
伝子は、例えば、温度またはホルモン制御変数を用いることによりおよび/また
は部位特異的組換えもしくはエンドヌクレアーゼ分解のための標的配列の組み込
みにより条件的になる。レポーター、選択性マーカーおよび不朽化遺伝子の組み
合わせを、遺伝子融合および/またはIRES要素を用いて単一構造体中に導入
する、または別々にトランスジェニック構造体を導入することができる。
【0045】 POU転写因子Oct−4は、ICMおよび原外胚葉中および生殖細胞中にお
ける全ての多機能細胞中において発現される。Oct−4は、成熟栄養外胚葉お
よび全ての他の分化細胞型に存在しない。本発明は、ICMの多機能的同一性の
達成においてOct−4が必要であることを発見した。oct−4遺伝子が不活
性化されている胚盤胞段階の胚において、内部細胞は、ICM特性を発現するこ
とができず、栄養外胚葉系列に分かれる。Oct−4機能は、ES細胞の多機能
性の維持にも連続的に必要とされる。完成したES細胞培地中におけるoct−
4遺伝子の不活性化により、自己再生および末端分化ができなくなる。Oct−
4は、複数標的遺伝子の発現を制御する。線維芽細胞成長因子−4(FGF−4
)のための遺伝子のような、Oct−4により積極的に制御される遺伝子は、I
CMおよび原外胚葉において発現の類似制限パターンを示す。Oct−4は、H
MG−ボックス転写因子Sox2および、その発現が初期胚において同様に制限
され得るE1A様活性のような共因子と共同して作用する。
【0046】 選択性マーカーは、好ましくは、oct−4遺伝子中への相同組み込み、また
はトランス遺伝子構造体のランダム組み込みにより、Oct−4制御配列の転写
制御下に置かれる。その例において、選択性マーカーは、oct−4遺伝子の3
’UTRに組み込まれ、oct4停止コドンに対して直ぐ3’末端側に挿入され
るEMCV IRESが前に置かれる。また、選択性マーカーは、ATG開始コ
ドンに直に組み込まれる、またはOct−4コード化配列のフレーム内に、ある
いは、Oct−4コード化配列の任意のフレーム内に配され、その場合、oct
−4読み枠中の転写停止コドンおよびIRES要素が前に置かれるべきである。
任意に、トランス遺伝子は、その後の欠失を可能にするためのCreまたはFl
pのような部位特異的リコンビナーゼのための認識配列に隣接させる、または、
l−scelのような希制限部位エンドヌクレアーゼのための部位を含むことが
できる。培地中の体細胞中への導入のために、トランス遺伝子構造体は、通常、
安定形質移入対の単離を可能にするために独立した選択性マーカーを含む構造体
を含む、またはその構造体が共形質移入される。この選択性マーカーは、oct
−4遺伝子中に挿入されたものと異なるべきであり、標的体細胞中において活性
なプロモータ、例えば、β−アクチンのような遍在的に発現される遺伝子のプロ
モーターの転写制御下になくてはならない。独立した選択性マーカーは、その後
の切除を可能にするための部位特異性リコンビナーゼのための認識配列に隣接さ
せることができる。これらの部位は、その後の切除を避けるために、幹細胞特異
的マーカートランス遺伝子に隣接する部位とは異なるリコンビナーゼについての
ものでなくてはならない。
【0047】 トランス遺伝子構造体は、多核注入により導入して、体細胞を単離し得るトラ
ンスジェニック動物を発生させることができる、または、生体内で体細胞に直接
導入する、もしくは、培地中で、ミクロ注入に、ウイルス形質導入、リポフェク
ション、電気穿孔、燐酸カルシウム共沈降または他の方法により導入される。ト
ランス遺伝子の完全性、および合法または非合法組換えにより組み込みは、ゲノ
ム的DNA分析により決められる。適当な場合、適当な部位特異的リコンビナー
ゼの一時的導入を用いて、独立した選択性マーカーを欠失させる。
【0048】 トランス遺伝子を有している細胞の核が、確立された手順(Campbell
ら著、1996年;Wilmutら著、1997年)を用いて、または、融合で
はないミクロ注入の使用のような改良技術により、除核卵母細胞または他の適当
な細胞質体中に移される。受容体卵母細胞は、ドナー細胞と同じ種または異なる
種であってよい。すなわち、ウシまたは他の動物の卵母細胞を、ヒト体細胞核の
再プログラムのために用いることができる。核転写に続いて、活性化された再構
築卵母細胞を、感作雌の生殖管に移して生体内で成長させることができ、続いて
、胚盤胞段階において回収および試験される。核転移胚の生体内成長は、同じま
たは異なる種の動物において、好ましい異所性部位、例えば、生殖管中または皮
下に配する、または被包により達成することもできる。また、胚盤胞段階におい
て生体外でそのまま培養することにより胚を成長させることができる。レポータ
ーの発現は、固定検体の組織化学的または免疫組織化学的分析により決めること
ができるが、より一般的には、GFPについては直接、またはβ−ガラクトシダ
ーゼについては蛍光基質を用いて、生体蛍光染色の視覚化により生体胚において
試験される。
【0049】 ICM/原外胚葉における特異的かつ均一な染色を示す胚が、胚または生きて
いる子孫を生成するために受容体に移すために選択される。幹細胞系の誘導のた
めに、胚を、培地に直接、外植することができる。また、幹細胞区画を、まず、
移植し短期間の後移植成長を行うことにより、および/または、奇形腫成長につ
いて同系または免疫無防備宿主の腎臓嚢胞または睾丸のような異所性部位に、分
割段階の胚、胚盤胞または卵筒を移植することにより、生体内で拡張することが
できる(Solterら著、1970年)。胚および受容体は、奇形腫形成につ
いて同じ種である必要はない。ヒト奇形腫の誘導は、例えば、ヌードまたはSC
IDマウスにおいて達成することができる。胚材料または奇形腫から開始した培
地を、連続的に成長するES細胞が達成されるまで、選択薬剤の存在下に維持す
る。多機能EG細胞培地(Matsuiら著、1992年)は、子宮の移動およ
び移植に続いて、原始生殖細胞から開始することもできる。また、培養は、非幹
細胞の除去のために、選択剤の存在下に行われる。
【0050】 図面により示される本発明の特定の態様の説明を以下に記する。
【0051】 図1は、本発明によるOct4−βgeoヘ発現構造体を示す。 図2は、卵筒段階胚、6.5dpc(上側パネル)および戻し交配からの胚盤
胞(下側パネル)を示し、ICMにおけるβ−ガラクトシダーゼ、およびトラン
スジェニック胚の原外胚葉の発現を示している。
【0052】 図3は、トランスジェニック胚の培養された原外胚葉を示し、β−ガラクトシ
ダーゼの発現が培地中に維持されていることを示している。
【0053】 図4は、(A)桑実期および(B)胚盤胞段階のOct4−bgeoトランス
ジェニックマウス胚におけるβ−ガラクトシダーゼ染色を示す。
【0054】 図5は、非トランスジェニック受容体細胞質体へのOct4−bgeo体細胞
核に移動の後の、核転移マウス胚におけるβ−ガラクトシダーゼ染色を示す。
【0055】 (実施例) 実施例1 Oct−4座に及ぶマウスゲノムクローンを、菌株129ゲノムライブラリー
から単離し、制限分析によりマッピングした。遠位および近位5’エンハンサー
要素、全構造遺伝子、翻訳停止コドンの位置に挿入されているIRESβgeo
カセット、3’非翻訳配列、および数kbの3’配列を含む、トランス遺伝子構
造体を調製した(図1)。
【0056】 このトランス遺伝子を有しているトランスジェニックラットを、予備核注入に
より発生させた。これらのラットにおいて、トランス遺伝子の発現は、Oct−
4の発現を中実に繰り返した。すなわち、β−ガラクトシダーゼ活性が、胚盤胞
の内部細胞塊および初期移植後胚の原外胚葉中に存在していたが、胚外系列およ
び分化胚生殖細胞層には存在しなかった(図2)。β−ガラクトシダーゼの原腸
形成後発現を、生殖細胞に限定した。また、β−ガラクトシダーゼ活性、すなわ
ち、選択性マーカーの特異的発現も、培地において維持した(図3)。
【0057】 トランス遺伝子が、多機能細胞特異的発現を支配するように適当な調節配列を
含むことを確認し、培養された体細胞中への形質移入のために修飾した。これら
の細胞においてOct4は発現されないので、これは、独立して発現された選択
マーカーの導入を必要とした。マウスpgk−1プロモターの転写制御下におけ
るハイグロマイシン抵抗性−チミジンキナーゼ融合遺伝子(hph/tk)を、
非翻訳領域の下流のトランス遺伝子の3鋳[部に導入した。pgk−hph/t
kカセットに、loxP部位が隣接し、全トランス遺伝子フラグメントにfrt
部位が隣接していた。
【0058】 線状化した構造体を、電気穿孔により一次マウス胚線維芽細胞中に導入し、ハ
イグロマイシンの存在下にクローン単離物を選択した。クローンを、200μg
/mlのG418の存在下に少量を塗布することによりOct−4トランス遺伝
子の異所性活性についてアッセイした。G418の成長に失敗したもののみを、
さらに研究した。サザン分析により決められる単一のコピーが形成された3つの
クローン(I、IIおよびIII)を、Creリコンビナーゼで一時的に形質移
入し、ガンシクロビル(gancyclovir)の存在下に選択した。ガンシ
クロビル抵抗性クローンを、PCRによりスクリーニングして、pkg−hph
/tkカセットのCre媒介切除を確認した。このカセットの気質は、Oct−
4トランス遺伝子の活性の干渉の可能性を除去する。
【0059】 Oct−4βgeoトランス遺伝子のみを有する得られたクローンを、マウス
、ヒツジおよびウシ除核卵母細胞への核転移に用いた。卵母細胞を、血清剥奪に
より休止させ、核転移を、Campbellら(1996年)に記載のように行
った。一部の場合において、数回の核転移を行った。核転移後に、活性化卵母細
胞を、胚培地において培養し、分割、桑実形成、および胚盤胞成長についてモニ
ターした。胚を固定し、Xgalを用いてβ−ガラクトシダーゼのために染色し
た。クローンII誘導体の核転移後に染色が観察されなかったが、これは、おそ
らく許容できない一体化部位によるものである。これに対してクローンIおよび
IIIの誘導体は、卵母細胞起源に拘わらず、胚盤胞段階まで成長した胚の30
〜50%においてICM特異的染色を示した。全てのICM細胞において、これ
らの約半分がモザイク状染色を示し、半分が均一な染色を示した。すなわち、形
態学的に成長した胚盤胞の約25%しか、Oct−4トランス遺伝子の正常発現
を示さない。
【0060】 次に、マウス卵母細胞中への核転移後に発生したOct4−βgeo発現およ
び非発現胚の成長性能を比較した。β−ガラクトシダーゼのための生体蛍光基質
(Molecular Probes製)を用いて、生きている胚においてトラ
ンス遺伝子の発現を視覚化した。胚盤胞を、非染色、モザイク状ICM染色また
は均一ICM染色として分類し、それに従って3つの群に分割した。各群を、別
々の擬妊娠マウス受容体の子宮に入れた。マウスを、移植および成長の分析のた
めに、5日後に殺した。最初の2つの群は、50%未満の移植を示した。どちら
の場合にも、多数の吸収部位および以上胚が見つかった。クラスIの胚の転移後
に、形態学的に正常な胚の成長は観察されず、クラスII胚により僅かに10中
1の割合の移植が発生した。これに対して、クラスIII胚は、50%を超える
移植を示し、胚の大部分は正常であった。次に、分析を繰返し、妊娠を最後まで
進行させた。クラスIIIの胚のみから、生きて生まれた子孫が得られた。
【0061】 幹細胞系を単離するために、核転移胚を生体内で、胚盤胞晩期または移植初期
段階まで成長させた。外胚葉を微小切除(BrockおよびGardner、1
997年)し、G418の存在下にES細胞培地の培養物中に置いた。数日後、
外胚葉を分離し置き換えた。未分化幹細胞の拡張している集団を発生させた。幹
細胞系を、胚盤胞においてICMを免疫手術的に単離し、続いて、G418を加
えたES細胞培地中において原始内胚葉および培養物を微小手術的に除去するこ
とにより、生体外で成長させた胚からも誘導した。
【0062】 再プログラムについてトランス遺伝子がコンピテントである線維芽細胞クロー
ンIおよびIIIを、再プログラムを媒介する因子についてのアッセイにも用い
た。メッセンジャーRNAを卵母細胞から調製し、スクロースグラジエント上で
分画し、線維芽細胞核に直接、微小注入した。次に、G418選択を適用して、
再プログラム活性を含むRNAプールを認識した。cDNA発現ライブラリーを
陽性プールから調製し、線維芽細胞中に形質移入して、再プログラム因子をコー
ドしている配列の単離を可能にした。
【0063】 実施例2 Oct−4座に及ぶマウスゲノムクローンを、菌株129ゲノムライブラリー
から単離し、制限分析によりマッピングした。遠位および近位5’エンハンサー
要素、全構造遺伝子、翻訳停止コドンの位置に挿入されているIRESβgeo
カセット、3’非翻訳配列、および数kbの3’配列を含む、トランス遺伝子構
造体を調製した(図1)。
【0064】 このトランス遺伝子を有しているトランスジェニックマウスを、予備核注入に
より発生させた。β−ガラクトシダーゼ活性を、固定された胚および組織のXg
al染色によりモニターし、桑実および胚盤胞段階予備移植マウス胚において明
らかであった(図4)。期待されたように、β−ガラクトシダーゼ活性は、堆積
細胞および胎児線維芽細胞核ドナーを含む体細胞において検出されなかった。
【0065】 核転移のためにトランスジェニックマウスの体細胞からの核を用いた。除核お
よび非除核野生型卵母細胞を、受容体細胞質体として用いた。一部の場合におい
て、数回の核転移を行った。核転移後に、活性化卵母細胞を、胚培地において培
養し、分割、桑実形成、および胚盤胞成長についてモニターした。胚を固定し、
Xgalを用いてβ−ガラクトシダーゼのために染色した。成長の8細胞段階に
おける核転移胚の約50%においてOct4発現に相当する染色が観察され(図
5)、これは、核の再プログラムが良好であることを確認している。β−ガラク
トシダーゼ活性を示さなかった胚はOct4−bgeoトランスジェニック核を
再プログラムすることができなかった、または、トランスジェニック核を機能的
に組み込むことができず、従って、成長性能が低下したと記録した。
【0066】 β−ガラクトシダーゼのための生体蛍光基質(Molecular Prob
es製)を用いて核転移胚を染色して、生きている胚におけるトランス遺伝子の
発現を視覚化することができる。非染色、モザイク状または均一染色として分類
された胚を、核状態および、トランスジェニック発現プロフィールに基づく関連
成長性能に従って分割した。
【0067】 引用文献リスト
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】 (産業上の利用分野) このように、本発明は、核転移によりクローンされたトランスジェニック動物
の生成の効率を増加させることができ、再プログラムを媒介または抑制する因子
のためのアッセイを提供し、哺乳動物のためにES細胞を誘導する遺伝子的方法
を提供し、任意の年齢のヒト個体から多機能幹細胞培地を達成する方法を提供す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明によるOct4−βgeoの発現構造体を示す図である。
【図2】 図2は、卵筒段階胚、6.5dpc(上側パネル)および戻し交配からの胚盤
胞(下側パネル)を示す図であり、ICMにおけるβ−ガラクトシダーゼ、およ
びトランスジェニック胚の原外胚葉の発現を示している。
【図3】 図3は、トランスジェニック胚の培養された原外胚葉を示す図であり、β−ガ
ラクトシダーゼの発現が培地中に維持されていることを示している。
【図4】 図4は、(A)桑実期および(B)胚盤胞段階のOct4−βgeoトランス
ジェニックマウス胚におけるβ−ガラクトシダーゼ染色を示す図である。
【図5】 図5は、非トランスジェニック受容体細胞質体へのOct4−bgeo体細胞
核に移動の後の、核転移マウス胚におけるβ−ガラクトシダーゼ染色を示す図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 マウントフォード、ピーター スコット オーストラリア国 3168 ヴィクトリア州 クレイトン クレイトン ロード 246 モナシュ メディカル センター モナ シュ ユニヴァーシティー インスティテ ュート オブ リプロダクション アンド デヴェロップメント (72)発明者 マンシー、メガン オーストラリア国 3168 ヴィクトリア州 クレイトン クレイトン ロード 246 モナシュ メディカル センター モナ シュ ユニヴァーシティー インスティテ ュート オブ リプロダクション アンド デヴェロップメント Fターム(参考) 4B024 AA01 AA20 BA12 CA04 CA20 DA02 GA14 HA12 4B063 QA01 QA18 QQ02 QQ08 QQ30 QQ57 QR02 QR10 QR59 QR77 QR80 QS05 QS24 QS28 QS38 QX02 4B065 AA90X AA91Y AA93Y AB01 AC10 AC14 BA03 BA25 CA24 CA44

Claims (48)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予定の種の幹細胞を得るための方法であって、 (a)所望の幹細胞および(b)所望の幹細胞以外の細胞において特異的に発
    現されるマーカーをコードする遺伝子を含む、予定の種の体細胞を得ること、 除核卵母細胞を得ること、 体細胞の核を、除核卵母細胞中に移してトランスジェニック卵母細胞を形成す
    ること、 トランスジェニック卵母細胞を生体外で培養して、トランスジェニック卵母細
    胞から誘導された細胞の培地を生成すること、および マーカーを発現する培地の細胞を認識する ことを含んでなる方法。
  2. 【請求項2】 マーカー遺伝子を発現する細胞を選択的に増殖させることを
    含む請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 トランスジェニック卵母細胞を培養して、内部細胞塊および
    栄養外胚葉細胞を含む胚または胚構造を形成すること、および内部細胞塊の細胞
    がマーカー遺伝子を発現するかどうか決めることを含む請求項1または2に記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 マーカーが選択性マーカーであり、選択性マーカーを発現し
    ない細胞を培地中で選択的に殺すまたは除去し得る請求項1、2または3に記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 選択性マーカーが抗生物質抵抗性である請求項4に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 マーカーがレポーターであり、マーカーを発現する細胞を培
    地中で視覚的に認識し得る請求項1、2または3に記載の方法。
  7. 【請求項7】 レポーター遺伝子が、GFPまたはルシフェラーゼのような
    、光により刺激される産物をコードする請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 マーカーが不朽化遺伝子である請求項1、2または3に記載
    の方法。
  9. 【請求項9】 体細胞に、選択性マーカーおよびレポーターマーカーを導入
    することを含む請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】 マーカーをコードする遺伝子を、この方法により得られる
    幹細胞の核から除去し得る、先の請求項のいずれかに記載の方法。
  11. 【請求項11】 マーカーをコードする遺伝子を、部位特異性リコンビナー
    ゼを用いてそのように除去し得る請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 体細胞が哺乳動物細胞である先の請求項のいずれかに記載
    の方法。
  13. 【請求項13】 体細胞がヒト細胞である請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 卵母細胞が非ヒト細胞である先の請求項のいずれかに記載
    の方法。
  15. 【請求項15】 卵母細胞がヒト細胞である請求項1〜13のいずれかに記
    載の方法。
  16. 【請求項16】 胚幹細胞を得るための先の請求項のいずれかに記載の方法
  17. 【請求項17】 胚幹細胞から選択された系列の始原細胞を誘導することを
    含む、先の請求項のいずれかに記載の方法。
  18. 【請求項18】 ニューロン始原細胞を得るための請求項17に記載の方法
  19. 【請求項19】 幹細胞を得るための方法であって、 (a)所望の幹細胞および(b)所望の幹細胞以外の細胞において特異的に発
    現されるトランス遺伝子を含む体細胞を個体から得ること、 体細胞の核を、除核卵母細胞中に移すこと、 卵母細胞を培養して胚または胚構造を形成すること、および 胚または胚構造中の細胞がトランス遺伝子を発現しているかどうか決めること
    ことを含んでなる方法。
  20. 【請求項20】 トランス遺伝子が、(a)内部細胞塊の細胞および(b)
    内部細胞塊の細胞以外の細胞において特異的に発現され、方法は、卵母細胞を培
    養して胚または胚構造を形成すること、および、内部細胞塊の細胞がトランス遺
    伝子を発現するかどうか決めることを含んでなる、哺乳動物胚幹細胞を得るため
    の請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 トランス遺伝子が、実質的に細胞または内部細胞塊のみに
    おいて発現される請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】 トランス遺伝子が選択性マーカーをコードし、選択的マー
    カーを発現しない細胞を倍地中において選択的に殺すまたは除去し得る請求項1
    9〜21のいずれかに記載の方法。
  23. 【請求項23】 トランス遺伝子が、特定の波長の光を照射されたときに刺
    激されるレポーターマーカーをコードし、レポーターマーカーを発現する細胞を
    、その光の存在下での発光により認識することができる請求項19〜21のいず
    れかに記載の方法。
  24. 【請求項24】 体細胞の核に対する、因子の効果についてのアッセイであ
    って、 (a)所望の幹細胞および(b)所望の幹細胞以外の細胞において特異的に発
    現されるマーカーを含む核を除核細胞に導入すること、 因子をその細胞中に導入すること、 その細胞を生体外培地中に維持すること、および その細胞またはその娘細胞のいずれかがマーカーを発現しているかどうか決め
    ることを含んでなり、マーカーの発現は、その体細胞核が再プログラムされて所
    望の幹細胞の核になっていることを示すものである方法。
  25. 【請求項25】 マーカーが、(a)多機能幹細胞および(b)多機能幹細
    胞以外の細胞において特異的に発現される請求項24に記載のアッセイ。
  26. 【請求項26】 因子のライブラリーのアッセイのための、請求項24また
    は25に記載のアッセイ。
  27. 【請求項27】 卵母細胞の細胞質から抽出されたmRNAから得られたc
    DNAのライブラリーの発現により得られる因子のライブラリーのアッセイのた
    めの、請求項26に記載のアッセイ。
  28. 【請求項28】 体細胞の核から多機能細胞の核への再プログラムを誘発す
    る因子を認識するための、請求項24〜27のいずれかに記載のアッセイ。
  29. 【請求項29】 体細胞の核から胚幹細胞の核への再プログラムを誘発する
    因子を認識するための、請求項24〜27のいずれかに記載のアッセイ。
  30. 【請求項30】 胚または胚構造が胚幹細胞を含むかどうか決めるアッセイ
    であって、 (a)胚幹細胞および(b)胚幹細胞以外の細胞において特異的に発現される
    マーカーを含む体細胞の核を除核卵母細胞に導入すること、 そこから胚または胚構造を得ること、および 胚または胚構造の細胞がマーカーを発現するかどうか決めること を含んでなるアッセイ。
  31. 【請求項31】 胚幹細胞中においてのみ実質的に活性化されるプロモータ
    ーの制御下にマーカーをコードする配列を含むトランス遺伝子を、体細胞に導入
    することを含む、請求項30に記載のアッセイ。
  32. 【請求項32】 プロモーターが、OCT4遺伝子を発現する細胞中におい
    て活性化される請求項31に記載のアッセイ。
  33. 【請求項33】 プロモーターがOCT4プロモーターである請求項32に
    記載のアッセイ。
  34. 【請求項34】 トランス遺伝子が、実質的に全ての細胞中において活性化
    されるプロモーターの制御下に第2のマーカーをコードする配列も含み、アッセ
    イは、除核卵母細胞への核の導入前に第2のマーカーが発現されるかどうか決め
    ることにより、トランス遺伝子が核に安定に形質移入されたかどうか決めること
    を含んでなる、請求項31〜33のいずれかに記載のアッセイ。
  35. 【請求項35】 第2のマーカーのためのプロモーターがβ−アクチンプロ
    モーターである請求項34に記載のアッセイ。
  36. 【請求項36】 請求項1〜23のいずれかに記載の方法により得られる胚
    幹細胞。
  37. 【請求項37】 非ヒト卵母細胞から誘導されるヒト胚幹細胞。
  38. 【請求項38】 非ヒト哺乳動物卵母細胞から誘導されるヒト胚幹細胞。
  39. 【請求項39】 ブタまたはウシ卵母細胞から誘導される請求項38に記載
    のヒト胚幹細胞。
  40. 【請求項40】 ヒト卵母細胞から誘導されるヒト胚幹細胞。
  41. 【請求項41】 第1のヒトに移植するためのものであって、第1のヒトと
    免疫学的に適合性がある、異なるヒトの卵母細胞から誘導された幹細胞。
  42. 【請求項42】 第1の種以外の種の卵母細胞から誘導されると共に、胚幹
    細胞中のみで実質的に発現される選択性マーカーをコードするトランス遺伝子を
    含んでなる、第1の哺乳動物種の胚幹細胞。
  43. 【請求項43】 第1のヒト個体に移植するためのヒト幹細胞またはヒト体
    細胞の誘導の適しているヒト胚幹細胞を得る方法であって、第1の個体のものと
    は異なる卵母細胞中に、第1の個体の体細胞からの核を導入することを含んでな
    る方法。
  44. 【請求項44】 ヒト胚幹細胞が、ヒト胚幹細胞中のみで実質的に発現され
    る選択性マーカーをコードするトランス遺伝子を含む請求項43に記載の方法。
  45. 【請求項45】 未分化状態を認識するトランス遺伝子を発現する多機能細
    胞であって、トランス遺伝子の存在は別にして、成体動物に遺伝的に同一である
    細胞。
  46. 【請求項46】 体細胞核を多機能核に再プログラムする方法であって、 請求項24〜29のいずれかのアッセイを行うことにより核の再プログラムを
    誘発する因子を認識すること、 体細胞核を得ること、 除核細胞を得ること、 体細胞核を除核細胞中に移して組換え細胞を形成すること、および 組換え細胞を、その因子の存在下に生体外で培養すること を含んでなる方法。
  47. 【請求項47】 体細胞核を全能核に再プログラムする方法であって、 請求項24〜29のいずれかのアッセイを行うことにより核の再プログラムを
    誘発する因子を認識すること、 体細胞核を得、それをその因子の存在下に培養すること、 除核細胞を得ること、 体細胞の核を除核細胞中に移して組換え細胞を形成すること、および 組換え細胞を生体外で培養すること を含んでなる方法。
  48. 【請求項48】 (a)所望の全能細胞および(b)所望の全能細胞以外の
    細胞において特異的に発現されるマーカーをコードする遺伝子を体細胞に導入す
    ること、 体細胞の核を除核卵母細胞中に移すこと、および それから得られる胚の細胞がマーカーを発現しているかどうか決めること をさらに含んでなる、請求項46または47に記載の方法。
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