JP2024502697A - 細胞構成要素移入療法のための組成物および方法 - Google Patents

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Abstract

本開示は、細胞構成要素移入療法における使用のための網膜細胞クラスターを生成するための方法、そのような方法によって生成された網膜細胞クラスター、およびそのような網膜細胞クラスターを含む組成物を提供する。本開示はまた、遺伝性網膜変性疾患を予防および/または処置するための、網膜細胞クラスターおよびそれを含む組成物の使用を提供する。本開示は、CCTTにおける使用のための網膜細胞を生成するための方法、そのような方法によって生成された網膜細胞、およびそのような網膜細胞を含む組成物を提供する。本開示はまた、遺伝性網膜変性疾患または後天性網膜変性疾患を予防および/または処置するための、網膜細胞およびそれを含む組成物の使用を提供する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年11月1日に出願された米国仮出願第63/108,415号に基づく優先権を主張するものであり、その内容全体が参照により組み込まれ、優先権主張の対象となる。
序文
本開示は、細胞構成要素移入療法における使用のための網膜細胞を生成するための方法、そのような方法によって生成された網膜細胞、およびそのような網膜細胞を含む組成物を提供する。本開示はまた、遺伝性網膜変性疾患または後天性網膜変性疾患を予防および/または処置するための、網膜細胞およびそれを含む組成物の使用を提供する。
背景
光受容体細胞移植は現在、種々の遺伝性網膜変性疾患または後天性網膜変性疾患に起因する失明のための処置として開発中である。1つのアプローチにおいて、網膜細胞の網膜下移植は、ドナーから宿主細胞への細胞質の治療的移入をもたらす。ドナー細胞が、独立的に機能的な光受容体として留まるであろうという予想とは対照的に、細胞構成要素移入療法(「CCTT」)は、レシピエントの網膜に既に存在する機能障害性光受容体細胞を修復することにより作用する。ドナー光受容体細胞の供給源としての網膜オルガノイドの産生を可能にする細胞培養戦略における近年の進歩にもかかわらず、依然として、CCTTにより遺伝性網膜変性疾患または後天性網膜変性疾患を効率的かつ効果的に処置するのに適した網膜細胞を生成するための改善された方法が必要とされている。
発明の概要
本開示は、CCTTにおける使用のための網膜細胞を生成するための方法、そのような方法によって生成された網膜細胞、およびそのような網膜細胞を含む組成物を提供する。本開示はまた、遺伝性網膜変性疾患または後天性網膜変性疾患を予防および/または処置するための、網膜細胞およびそれを含む組成物の使用を提供する。
ある特定の実施形態では、本開示は、網膜細胞集団の細胞の少なくとも約60%が光受容体細胞アイデンティティーのマーカーを発現する網膜細胞集団を産生するためのin vitro方法であって、(a)三次元網膜オルガノイドを生成するステップと、(b)三次元網膜オルガノイドを解離するステップと、(c)網膜細胞集団の細胞の少なくとも約60%が光受容体細胞アイデンティティーのマーカーを発現する網膜細胞集団を選択するステップとを含む方法を対象にする。
ある特定の実施形態では、光受容体細胞アイデンティティーのマーカーは、CRXまたはRCVRNである。
ある特定の実施形態では、三次元網膜オルガノイドは、酵素により解離される。ある特定の実施形態では、酵素は、パパインまたはトリプシンである。ある特定の実施形態では、網膜細胞を組成物と接触させて、細胞が解離細胞懸濁物中に確実に残るようにする。ある特定の実施形態では、細胞が解離細胞懸濁物中に確実に残るようにするための組成物は、DNAseを含む。ある特定の実施形態では、網膜細胞は、解離細胞懸濁物中の細胞の生存を増強するための組成物と接触させられる。ある特定の実施形態では、解離細胞懸濁物中の細胞の生存を増強するための組成物は、B-27細胞培養サプリメント(Thermo Fisher Scientific)またはN-2細胞培養サプリメント(Thermo Fisher Scientific)を含む。
ある特定の実施形態では、三次元網膜オルガノイドは、解離される前に約DD45~DD300の間に達する。ある特定の実施形態では、三次元網膜オルガノイドは、解離される前に約DD90~約DD140に達する。
ある特定の実施形態では、網膜細胞集団は、少なくとも約70%の単一細胞からなる。ある特定の実施形態では、網膜細胞集団は、少なくとも約80%の単一細胞からなる。ある特定の実施形態では、網膜細胞集団は、少なくとも約90%の単一細胞からなる。
ある特定の実施形態では、網膜細胞集団は、約15%~約45%の錐体光受容体細胞を含む。ある特定の実施形態では、錐体光受容体細胞のうち、(a)約30%超が、CNGA3を発現する、(b)約30%超が、CNGB3を発現する、(c)約20%超が、ARR3を発現する、(d)少なくとも約3%が、THRBを発現する、および/または(e)少なくとも約1個の細胞が、S-オプシンを発現する。
ある特定の実施形態では、網膜細胞集団は、約55%~約85%の桿体光受容体細胞を含む。ある特定の実施形態では、桿体光受容体細胞のうち、(a)約50%超が、NRLを発現する、(b)約40%超が、NR2E3を発現する、(c)約20%超が、PDE6Bを発現する、(d)約30%超が、CNGA1を発現する、および/または(e)少なくとも約1個の細胞が、RHOを発現する。
ある特定の実施形態では、網膜細胞集団は、以下を含む:(a)細胞の約10%未満が、双極細胞アイデンティティーのマーカーを発現する、(b)細胞の約20%未満が、ミュラーグリア細胞アイデンティティーのマーカーを発現する、(c)細胞の約10%未満が、網膜マイクログリア細胞アイデンティティーのマーカーを発現する、(d)細胞の約5%未満が、前脳神経前駆細胞アイデンティティーのマーカーを発現する、(e)細胞の約3%未満が、網膜前駆細胞アイデンティティーのマーカーを発現する。ある特定の実施形態では、双極細胞アイデンティティーのマーカーは、ISL1、SEBOX、CAPB5、BHLHE23、GRM6、SCGN、NRN1L、GRIK1、KLHDC8AおよびPROX1のうちの1種または複数であり、ミュラーグリア細胞アイデンティティーのマーカーは、AQP4、PRDX6、VIM、HES1、SLC1A3、GLUL、CLU、RLBP1およびLHX2のうちの1種または複数であり、網膜マイクログリア細胞アイデンティティーのマーカーは、PTPRC、MPEG1およびCXCR1のうちの1種または複数であり、前脳神経前駆細胞アイデンティティーのマーカーは、NKX2.2、RGCC、NEUROD1、BTG2、GADD45AおよびGADD45Gのうちの1種または複数であり、網膜前駆細胞アイデンティティーのマーカーは、HOPX、CDK4、CCND2、VSX2およびCCND1のうちの1種または複数である。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されている網膜細胞集団は、以下を含む:(a)細胞の約10%未満が、水平細胞アイデンティティーのマーカーを発現する、(b)細胞の約10%未満が、神経節細胞アイデンティティーのマーカーを発現する、(c)細胞の約5%未満が、網膜アマクリン細胞アイデンティティーのマーカーを発現する、(d)細胞の約5%未満が、アストロサイト細胞アイデンティティーのマーカーを発現する、(e)細胞の約5%未満が、ペリサイト細胞アイデンティティーのマーカーを発現する、(f)細胞の約5%未満が、血管細胞アイデンティティーのマーカーを発現する、および/または(g)細胞の約10%未満が、網膜色素上皮細胞アイデンティティーのマーカーを発現する。ある特定の実施形態では、水平細胞アイデンティティーのマーカーは、ONECUT2、ONECUT1およびLHX1のうちの1種または複数であり、神経節細胞アイデンティティーのマーカーは、POU4F1、THY1、BRN3BおよびSNCGのうちの1種または複数であり、網膜アマクリン細胞アイデンティティーのマーカーは、TFAP2B、ELAVL3およびELAVL4のうちの1種または複数であり、網膜色素上皮細胞アイデンティティーのマーカーは、BEST1、TIMP3、GRAMD3およびPITPNAのうちの1種または複数である。
ある特定の実施形態では、網膜細胞集団は、CD15またはCD133を発現する約1個以下の細胞、ならびに/またはA2B5およびCD38を発現する約30%未満の細胞を含む。
ある特定の実施形態では、幹細胞は、ヒト、非ヒト霊長類または齧歯類非胚性幹細胞;ヒト、非ヒト霊長類または齧歯類胚性幹細胞;ヒト、非ヒト霊長類または齧歯類人工多能性幹細胞;およびヒト、非ヒト霊長類または齧歯類組換え多能性細胞から選択される。
ある特定の実施形態では、本開示は、in vitroで分化した網膜細胞の細胞集団であって、前記in vitroで分化した網膜細胞が、本明細書に記載されている方法によって得られる、細胞集団を対象にする。
ある特定の実施形態では、本開示は、in vitroで分化した網膜細胞を含む組成物であって、前記in vitroで分化した網膜細胞が、本明細書に記載されている方法によって得られる、組成物を対象にする。ある特定の実施形態では、組成物は、薬学的に許容される担体をさらに含む医薬組成物である。
ある特定の実施形態では、本開示は、対象における遺伝性網膜変性疾患または後天性網膜変性疾患を予防および/または処置する方法であって、次の:(a)本明細書に記載されている網膜細胞集団、または(b)本明細書に記載されている網膜細胞の組成物のうちの1種の有効量を対象に投与するステップを含む方法を対象にする。ある特定の実施形態では、遺伝性網膜変性疾患は、網膜色素変性症、コロイデレミア、シュタルガルト病、錐体桿体ジストロフィーおよびレーバー先天黒内障から選択される。ある特定の実施形態では、後天性網膜変性疾患は、加齢性黄斑変性である。
図1は、網膜細胞構成要素移入療法の例示的なモデルを描写する。
図2は、遺伝学的にGFP標識されたマウスから収集され、野生型成体マウスに移植されたドナー光受容体細胞の植込みを描写する。
図3は、ミトコンドリア変異を含む複数の変異クラスにおけるCCTTの予測および確立された有効性を説明する。
図4は、生理的および/または治療的に関連性があるタンパク質が、CCTTに対して感受性であることを検証するための異種移植実験の結果を描写する。提案されるCCTTヒトドナー細胞の密接な類似物をレシピエント野生型マウスに移植した。2~4週間後にレシピエント網膜を摘出し、移植片を除去した。レシピエント網膜をバルクプロテオミクスによって溶解および加工処理した。移入された細胞タンパク質は、膜結合型オルガネラ、小胞体、細胞外基質、および他の細胞区画または構成要素に関する機能を有するタンパク質を含む。
図5は、機能的に適格性の出生後ドナー(Donor Postnatal)の遺伝学的にGFP標識された光受容体細胞を桿体トランスデューシン複合体および錐体トランスデューシン複合体欠損の二重ノックアウト成体レシピエントマウスモデルに移植した、相同モデリング(homologous modeling)実験の結果を描写する。4~6週間後にin situでRGC機能を測定した:移植された網膜におけるRGCからの光応答。5回の連続した記録。上部、細胞応答;下部、光刺激パターン。保持電位は、興奮性シナプス後電流(EPSC)を記録するために、Cl-の逆転電位に近い-70mVに設定される。エイムス(Ames)緩衝液において32~35℃でRGCを記録した。明所視全視野(photopic full-field)白色光刺激(2秒間の持続時間、2秒間の間欠期)を使用して、応答を誘発した。
詳細な説明
本開示は、細胞構成要素移入療法における使用のための網膜細胞を生成するための方法、そのような方法によって生成された網膜細胞、およびそのような網膜細胞を含む組成物を提供する。本開示はまた、遺伝性網膜変性疾患または後天性網膜変性疾患を予防および/または処置するための、網膜細胞およびそれを含む組成物の使用を提供する。
本開示の主題の非限定的な実施形態は、本明細書および実施例によって記載されている。開示を明確にすることを目的としており、限定を目的とするものではないが、詳細な説明は、次のサブセクションへと分けられる。
1.定義、
2.網膜細胞を生成する方法、
3.網膜細胞集団および網膜細胞組成物、ならびに
4.遺伝性網膜変性疾患を処置する方法。
1.定義
本明細書において使用される用語は一般に、当技術分野における、本開示の文脈内における、および各用語が使用される特異的な文脈における、その通常の意味を有する。本開示の組成物および方法の記載ならびにこれらを作製および使用する仕方について施術者に追加のガイダンスを提供するために、ある特定の用語が、以下にまたは本明細書における他の箇所に記述されている。
用語「約」または「およそ」は、一部には、値が測定または決定される仕方に、すなわち、測定システムの限界に依存するであろう、当業者によって決定される特定の値に許容される誤差範囲内を意味する。例えば、「約」は、当技術分野の慣例により、3または3を超える標準偏差以内を意味することができる。あるいは、「約」は、所与の値の最大20%、例えば、最大10%、最大5%または最大1%の範囲を意味することができる。あるいは、特に、生物システムまたはプロセスに関して、この用語は、ある値の1桁以内、例えば、5倍以内または2倍以内を意味することができる。
本明細書で使用される場合、用語「細胞の集団」または「細胞集団」は、少なくとも2個の細胞の群を指す。非限定的な例では、細胞集団は、少なくとも約10、少なくとも約100、少なくとも約200、少なくとも約300、少なくとも約400、少なくとも約500、少なくとも約600、少なくとも約700、少なくとも約800、少なくとも約900、少なくとも約1000個の細胞を含むことができる。集団は、光受容体細胞の集団または未分化幹細胞の集団等、1種の細胞型を含む純粋な集団となることができる。あるいは、集団は、2種以上の細胞型、例えば、混合型細胞集団を含むことができる。ある特定の実施形態では、細胞の集団における細胞は、互いに完全に解離されている、例えば、細胞の集団は、個々の細胞の懸濁物である。ある特定の実施形態では、細胞の集団は、解離されていない細胞のクラスターを含む。例示であって、限定を目的とするものではないが、そのような細胞の集団は、最大約10個の細胞を含む解離されていないクラスターとして存在する、集団における細胞を最大約1%、最大約2%、最大約3%、最大約4%、最大約5%、最大約6%、最大約7%、最大約8%、最大約9%または最大約10%含むことができる。ある特定の実施形態では、そのような細胞の集団は、最大約25個の細胞を含む解離されていないクラスターとして存在する、集団における細胞を最大約1%、最大約2%、最大約3%、最大約4%、最大約5%、最大約6%、最大約7%、最大約8%、最大約9%または最大約10%含むことができる。
本明細書で使用される場合、用語「幹細胞」は、培養において無期限の期間にわたり分裂し、特殊化した細胞を生じる能力を有する細胞を指す。
本明細書で使用される場合、用語「胚性幹細胞」および「ESC」は、着床前ステージの胚に由来する原始(未分化)細胞を指し、これは、培養において長期間にわたり分化することなく分裂することができ、3つの一次胚葉の細胞および組織へと発生することが公知である。ヒト胚性幹細胞は、ヒト胚に由来する胚性幹細胞を指す。本明細書で使用される場合、用語「ヒト胚性幹細胞」または「hESC」は、胚盤胞期までのかつこれを含む初期ヒト胚に由来する多能性幹細胞の型を指し、これは、培養において長期間にわたり分化することなく分裂することができ、3つの一次胚葉の細胞および組織へと発生することが公知である。
本明細書で使用される場合、用語「胚性幹細胞系」は、最大で数日間、数ヶ月間~数年間にわたり分化することなく増殖を可能にするin vitro条件下で培養された胚性幹細胞の集団を指す。
本明細書で使用される場合、用語「全能性」は、身体の全ての細胞型、および胎盤等の胚体外組織を構成する細胞型の全てを生じる能力を指す。
本明細書で使用される場合、用語「複能性(multipotent)」は、身体の2種以上の細胞型へと発生する能力を指す。
本明細書で使用される場合、用語「多能性」は、内胚葉、中胚葉および外胚葉を含む生物の3つの発生胚葉へと発生する能力を指す。
本明細書で使用される場合、用語「人工多能性幹細胞」または「iPSC」は、ある特定の胚性遺伝子(OCT4、SOX2およびKLF4導入遺伝子等が挙げられるがこれらに限定されない)(例えば、参照により本明細書に組み込まれるTakahashi and Yamanaka Cell 126, 663-676 (2006)を参照)の体細胞への導入によって形成される多能性幹細胞の型を指す。
本明細書で使用される場合、用語「体細胞」は、配偶子(卵または精子)以外の身体におけるいずれかの細胞を指す、これは時に、「成体」細胞と称される。
本明細書で使用される場合、用語「体細胞性(成体)幹細胞」は、自己再生(研究室における)および分化の両方のための限定された能力を有する、多くの臓器および分化した組織に見出される相対的に希少な未分化細胞を指す。
本明細書で使用される場合、用語「増殖」は、細胞数の増加を指す。
本明細書で使用される場合、用語「未分化」は、未だ特殊化した細胞型へと発生していない細胞を指す。
本明細書で使用される場合、用語「分化」は、それによって、特殊化していない胚性細胞が、網膜、心臓、肝臓または筋肉細胞等の特殊化した細胞の特色を獲得するプロセスを指す。分化は、通常、細胞表面に包埋されたタンパク質が関与するシグナル伝達経路を介した、細胞の外側の物理的および化学的条件と細胞の遺伝子との相互作用によって制御される。
本明細書で使用される場合、用語「定方向分化」は、網膜細胞等の特定の(例えば、所望の)細胞型への分化を誘導するための、幹細胞培養条件の操作を指す。幹細胞の参照において、「定方向分化」は、多能性状況からより成熟したまたは特殊化した細胞運命へと幹細胞の移行を促進するための小分子、増殖因子タンパク質および他の成長条件の使用を指す。
本明細書で使用される場合、用語「分化を誘導すること」は、細胞の参照において、デフォルト細胞型(遺伝子発現プロファイルおよび/または表現型)を非デフォルト細胞型(遺伝子発現プロファイルおよび/または表現型)に変化させることを指す。よって、「幹細胞における分化を誘導すること」は、遺伝子発現プロファイル(例えば、マイクロアレイ等の遺伝的解析によって決定される遺伝子発現の変化)および/または表現型(例えば、CRX、RCVRN、CNGA3、CNGB3、ARR3、THRB、S-オプシン、NRL、NR2E3、PDE6B、CNGA1およびRHO等、桿体または錐体光受容体細胞のタンパク質マーカー、例えば、細胞表面マーカーの数または存在の変化)において等、幹細胞とは異なる特徴を有する後代細胞へと分裂するように幹細胞(例えば、ヒト幹細胞)を誘導することを指す。
本明細書で使用される場合、用語「細胞培養」は、研究または医学的処置のための、人工培地におけるin vitroでの細胞の成長を指す。
本明細書で使用される場合、用語「培養培地」は、ペトリ(Petri)プレート、マルチウェルプレート、スピナフラスコその他等の培養容器内で細胞を覆い、細胞を育て支持するための栄養素を含有する液体を指す。培養培地は、細胞に所望の変化を生じさせるために添加される増殖因子を含むこともできる。
本明細書で使用される場合、細胞(単数または複数)を化合物(例えば、少なくとも1種の阻害因子、活性化因子および/または誘導因子)と「接触させること」という用語は、細胞(単数または複数)が化合物にアクセスすることを可能にする場所に、化合物を供給することを指す。接触させることは、いずれかの適した方法を使用して達成することができる。例えば、接触させることは、例えば、細胞培養の文脈において、所望の濃度に達するように、濃縮形態の化合物を細胞または細胞の集団に添加することにより達成することができる。接触させることは、製剤化された培養培地の構成要素として化合物を含むことにより達成することもできる。
本明細書で使用される場合、用語「in vitro」は、人工の環境、および人工の環境内で起こるプロセスまたは反応を指す。in vitro環境は、試験管および細胞培養によって例証されるがこれらに限定されない。
本明細書で使用される場合、用語「in vivo」は、天然の環境(例えば、動物または細胞)、および胚発生、細胞分化、網膜形成等の天然の環境内で起こるプロセスまたは反応を指す。
本明細書で使用される場合、用語「発現すること」は、遺伝子またはタンパク質に関して、マイクロアレイアッセイ、抗体染色アッセイその他等のアッセイを使用して観察することができるmRNAまたはタンパク質を作製することを指す。
本明細書で使用される場合、用語「マーカー」または「細胞マーカー」は、特定の細胞または細胞型を同定する遺伝子またはタンパク質を指す。細胞のマーカーは、1種のマーカーに限定されなくてよく、マーカーは、マーカーの指定された群が、別の細胞または細胞型からある細胞または細胞型を同定することができるような、マーカーの「パターン」を指すことができる。
本明細書で使用される場合、用語「に由来する」または「から樹立された」または「から分化した」は、本明細書で開示されているいずれかの細胞の参照において用いられる場合、培養親細胞に含有されるいずれかの細胞の、単一細胞単離、in vitroでの培養、例えば、タンパク質、化学物質、放射線照射、ウイルスによる感染、モルフォゲン等のDNA配列によるトランスフェクション等を使用した処置および/または変異誘発、選択(連続培養による等)等が限定されることなく挙げられる、いずれかの操作を使用して、細胞系における究極的な親細胞、組織(解離された胚等)または体液から得られた(例えば、単離された、精製された等)細胞を指す。派生された細胞は、増殖因子、サイトカインに対する応答、サイトカイン処置の選択された進行、接着性、接着性の欠如、選別手順その他に基づいて、混合集団から選択することができる。
「個体」または「対象」は、本明細書において、ヒトまたは非ヒト動物、例えば、哺乳動物等の脊椎動物である。哺乳動物は、ヒト、非ヒト霊長類、家畜、競技用動物(sport animal)、齧歯類およびペットを含むがこれらに限定されない。非ヒト動物対象の非限定的な例は、マウス、ラット、ハムスターおよびモルモット等の齧歯類;ウサギ;イヌ;ネコ;ヒツジ;ブタ;ヤギ;ウシ;ウマ;ならびに類人猿およびサル等の非ヒト霊長類を含む。
本明細書で使用される場合、用語「疾患」は、細胞、組織または臓器の正常な機能を損傷するまたはこれに干渉する、いずれかの状態または障害を指す。
本明細書で使用される場合、用語「処置すること」または「処置」は、処置されている個体または細胞の疾患経過を変更する試みにおける臨床介入を指し、予防のためにまたは臨床病理の経過中に行うことができる。処置の治療効果は、疾患の発生または再発を予防すること、症状の軽減、疾患の任意の直接的または間接的病理学的結果の縮小、転移を予防すること、疾患進行の速度を減少させること、疾患状況の好転(amelioration)または軽減、および寛解または改善された予後を限定することなく含む。疾患の進行を予防することにより、処置は、罹患したもしくは診断された対象または疾患を有することが疑われる対象における疾患による悪化を予防することができるが、また、処置は、疾患のリスクがあるまたは疾患を有することが疑われる対象における疾患または疾患の症状の開始を予防することができる。
2.網膜細胞を生成する方法
2.1.網膜細胞の三次元細胞培養
本開示は、幹細胞(例えば、ヒト幹細胞)の分化を誘導するためのin vitro方法を提供する。本開示の主題は、幹細胞の分化を誘導して、網膜細胞、例えば、桿体および/または錐体光受容体細胞を産生するためのin vitro方法を提供する。ある特定の実施形態では、幹細胞は、多能性幹細胞である。ある特定の実施形態では、多能性幹細胞は、胚性幹細胞(ESC)、人工多能性幹細胞(iPSC)およびこれらの組合せから選択される。ある特定の実施形態では、幹細胞は、複能性幹細胞である。本開示の方法により使用することができる幹細胞の非限定的な例は、ヒト、非ヒト霊長類または齧歯類非胚性幹細胞、胚性幹細胞、人工非胚性多能性細胞および操作された多能性細胞を含む。ある特定の実施形態では、幹細胞は、ヒト幹細胞である。ヒト幹細胞の非限定的な例は、ヒト多能性幹細胞(hPSC)(ヒト胚性幹細胞(hESC)およびヒト人工多能性幹細胞(hiPSC)を含むがこれらに限定されない)、ヒト単為発生幹細胞、始原生殖細胞様多能性幹細胞、胚盤葉上層幹細胞、F-クラス多能性幹細胞、体細胞性幹細胞、がん幹細胞、または系列特異的分化が可能な他のいずれかの細胞を含む。ある特定の実施形態では、幹細胞は、胚性幹細胞(ESC)である。ある特定の実施形態では、幹細胞は、ヒト胚性幹細胞(hESC)である。ある特定の実施形態では、幹細胞は、人工多能性幹細胞(iPSC)である。ある特定の実施形態では、幹細胞は、ヒト人工多能性幹細胞(hiPSC)である。
ある特定の実施形態では、幹細胞の分化を誘導して、本開示の網膜細胞を産生するためのin vitro方法は、桿体および錐体光受容体運命指定(fate specification)および生存を促進する因子の使用を含む。ある特定の実施形態では、幹細胞の分化を誘導して、本開示の網膜細胞を産生するためのin vitro方法は、網膜介在ニューロン、例えば、双極細胞および網膜神経節細胞の運命指定および生存を抑制する因子の使用を含む。ある特定の実施形態では、幹細胞の分化を誘導して、本開示の網膜細胞を産生するためのin vitro方法は、網膜グリア、例えば、ミュラーグリアの運命指定および生存を抑制する因子の使用を含む。ある特定の実施形態では、幹細胞の分化を誘導して、本開示の網膜細胞を産生するためのin vitro方法は、(a)桿体および錐体光受容体運命指定および生存を促進する、網膜介在ニューロン、例えば、双極細胞および網膜神経節細胞の運命指定および生存を抑制する、ならびに/または(c)網膜グリア、例えば、ミュラーグリアの運命指定および生存を抑制する因子の使用を含む。
ある特定の実施形態では、本開示は、三次元網膜オルガノイド、例えば、三次元ヒト網膜オルガノイドの生成を対象にする。例示であって、限定を目的とするものではないが、それぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる、Eldred et al., Science, 362:6411 (2018);Zhong et al., Nat Commun., 5:4047 (2014);Reichman et al., Stem Cells, 35:1176-88 (2017);Wahlin et al., Sci Rep., 7:766 (2017);Hallam et al., Stem Cells, 36:1535-51 (2018);Kaya et al., Mol. Vis., 25: 663-678 (2019);またはRegent et al., Mol Vis., 26: 97-105 (2020)に記載されている通りに、三次元ヒト網膜オルガノイドを生成するための戦略を用いることができる。ある特定の実施形態では、ヒト網膜オルガノイドは、錐体サブタイプ(赤/長、緑/中および青/短)の特異的な比に達するように分化される。例示であって、限定を目的とするものではないが、低濃度のレチノイン酸(RA)、例えば、約1μM未満のRAの存在下でオルガノイドを培養することは、高い比の赤錐体を有するオルガノイドをもたらす。ある特定の例示的な実施形態では、高濃度のRA、例えば、約1μM超~約20μMのRA(またはCYP26a1のノックアウト)においてオルガノイドを培養することは、高い比の青および緑錐体を有するオルガノイドをもたらす。ある特定の例示的な実施形態では、80日目までRAにおいてオルガノイドを培養することは、赤、緑および青錐体の末梢混合物をもたらす。ある特定の例示的な実施形態では、高濃度の甲状腺ホルモン(T3)、例えば、約1nM超~約1μMのT3と、高濃度のRA、例えば、約1μM超~約20μMのRAにおいてオルガノイドを培養することは、高い比の緑錐体を有するオルガノイドをもたらす。ある特定の例示的な実施形態では、高濃度のT3、例えば、約1nM超~約1μMのT3と、低濃度のRA、例えば、約1μM未満のRAにおいてオルガノイドを培養することは、高い比の赤錐体を有するオルガノイドをもたらす。ある特定の例示的な実施形態では、オルガノイドにおける甲状腺ホルモン受容体のノックアウトは、高い比の青錐体をもたらす。
ある特定の実施形態では、網膜オルガノイドへの幹細胞の分化は、少なくとも1種の網膜オルガノイドマーカーを発現する細胞への幹細胞のin vitro分化を含む。ある特定の実施形態では、網膜オルガノイドへの幹細胞の分化は、網膜オルガノイド分化に関連する少なくとも1種の形態学的特徴を示す細胞への幹細胞のin vitro分化を含む。ある特定の実施形態では、網膜オルガノイドへの幹細胞の分化は、少なくとも1種の網膜オルガノイドマーカーを発現し、かつ網膜オルガノイド分化に関連する少なくとも1種の形態学的特徴を示す細胞への幹細胞のin vitro分化を含む。網膜オルガノイドマーカーの非限定的な例は、Nrl、Rho、Arr3およびこれらの組合せを含む。網膜オルガノイド形態学的特徴の非限定的な例は、(a)例えば、光受容体外顆粒層および新生外側セグメントを含む多層状網膜オルガノイド解剖学的形態の発生、ならびに(b)網膜色素上皮(RPE)色素沈着発生を含む。
ある特定の実施形態では、幹細胞は、少なくとも約45日間~約300日間の網膜オルガノイドの細胞の標的分化ステージを達成するように分化させられる。ある特定の実施形態では、幹細胞は、少なくとも約50日間~約300日間の網膜オルガノイドの細胞の標的分化ステージを達成するように分化させられる。ある特定の実施形態では、幹細胞は、少なくとも約55日間~約300日間の網膜オルガノイドの細胞の標的分化ステージを達成するように分化させられる。ある特定の実施形態では、幹細胞は、少なくとも約60日間~約300日間の網膜オルガノイドの細胞の標的分化ステージを達成するように分化させられる。ある特定の実施形態では、幹細胞は、少なくとも約70日間~約300日間の網膜オルガノイドの細胞の標的分化ステージを達成するように分化させられる。ある特定の実施形態では、幹細胞は、少なくとも約75日間~約300日間の網膜オルガノイドの細胞の標的分化ステージを達成するように分化させられる。ある特定の実施形態では、幹細胞は、少なくとも約80日間~300日間の網膜オルガノイドの細胞の標的分化ステージを達成するように分化させられる。ある特定の実施形態では、幹細胞は、少なくとも約85日間~約300日間の網膜オルガノイドの細胞の標的分化ステージを達成するように分化させられる。ある特定の実施形態では、幹細胞は、少なくとも約90日間、少なくとも約91日間、少なくとも約93日間、少なくとも約94日間、少なくとも約95日間、少なくとも約96日間、少なくとも約97日間、少なくとも約98日間、少なくとも約99日間、少なくとも約100日間、少なくとも約101日間、少なくとも約102日間、少なくとも約103日間、少なくとも約104日間、少なくとも約105日間、少なくとも約106日間、少なくとも約107日間、少なくとも約108日間、少なくとも約109日間、少なくとも約110日間、少なくとも約111日間、少なくとも約112日間、少なくとも約113日間、少なくとも約114日間、少なくとも約115日間、少なくとも約116日間、少なくとも約117日間、少なくとも約118日間、少なくとも約119日間、少なくとも約120日間、少なくとも約121日間、少なくとも約122日間、少なくとも約123日間、少なくとも約124日間、少なくとも約125日間、少なくとも約126日間、少なくとも約128日間、少なくとも約129日間、少なくとも約130日間、少なくとも約131日間、少なくとも約132日間、少なくとも約133日間、少なくとも約134日間、少なくとも約135日間、少なくとも約136日間、少なくとも約137日間、少なくとも約138日間、少なくとも約139日間または少なくとも約140日間の網膜オルガノイドの細胞の標的分化ステージを達成するように分化させられる。分化の持続時間は、「DD」として記述することができ、例えば、少なくとも約50日間(「DD50」)~約300日間(「DD300」)の網膜オルガノイドの細胞の標的分化ステージを達成するように細胞を分化させることができる。
2.2.網膜オルガノイドの解離
ある特定の実施形態では、本開示は、上に記載されている網膜オルガノイドの解離による網膜細胞の集団の生成を対象にする。ある特定の実施形態では、そのような解離は、オルガノイドにおける細胞の層状組織の破壊が関与する。ある特定の実施形態では、そのような網膜オルガノイドは、細胞が凝集物としてではなく解離細胞懸濁物中に確実に残るようにする特異的酵素および/または添加物の添加によって解離される。例示であって、限定を目的とするものではないが、網膜オルガノイドの解離に関連して有用な酵素は、パパインおよびトリプシンを含む。細胞が解離細胞懸濁物中に確実に残るようにすることにおいて有用な組成物は、DNAseを含む組成物を含む。解離細胞懸濁物中の細胞の生存の増強に有用な組成物は、B-27細胞培養サプリメント(Thermo Fisher Scientific)またはN-2細胞培養サプリメント(Thermo Fisher Scientific)を含む組成物を含む。
ある特定の実施形態では、本開示の網膜オルガノイドの解離に起因する網膜細胞の集団は、細胞の総数(ダブレット細胞、トリプレット細胞およびより高次の解離されていない細胞のクラスターを含む)に対して、少なくとも70%の単一細胞を含有するであろう。ある特定の実施形態では、本開示の細胞集団は、細胞の総数(ダブレット細胞、トリプレット細胞およびより高次の解離されていない細胞のクラスターを含む)に対して、70%~80%の間の単一細胞を含有するであろう。ある特定の実施形態では、本開示の細胞集団は、細胞の総数(ダブレット細胞、トリプレット細胞およびより高次の解離されていない細胞のクラスターを含む)に対して、70%~85%の間の単一細胞を含有するであろう。ある特定の実施形態では、本開示の細胞集団は、細胞の総数(ダブレット細胞、トリプレット細胞およびより高次の解離されていない細胞のクラスターを含む)に対して、70%~90%の間の単一細胞を含有するであろう。ある特定の実施形態では、本開示の細胞集団は、細胞の総数(ダブレット細胞、トリプレット細胞およびより高次の解離されていない細胞のクラスターを含む)に対して、70%~95%の間の単一細胞を含有するであろう。ある特定の実施形態では、本開示の細胞集団は、細胞の総数(ダブレット細胞、トリプレット細胞およびより高次の解離されていない細胞のクラスターを含む)に対して、70%~100%の間の単一細胞を含有するであろう。
ある特定の実施形態では、本開示の網膜オルガノイドの解離に起因する網膜細胞集団は、細胞の総数(ダブレット細胞、トリプレット細胞およびより高次の解離されていない細胞のクラスターを含む)に対して、少なくとも80%の単一細胞を含有するであろう。ある特定の実施形態では、本開示の細胞集団は、細胞の総数(ダブレット細胞、トリプレット細胞およびより高次の解離されていない細胞のクラスターを含む)に対して、80%~85%の間の単一細胞を含有するであろう。ある特定の実施形態では、本開示の細胞集団は、細胞の総数(ダブレット細胞、トリプレット細胞およびより高次の解離されていない細胞のクラスターを含む)に対して、80%~90%の間の単一細胞を含有するであろう。ある特定の実施形態では、本開示の細胞集団は、細胞の総数(ダブレット細胞、トリプレット細胞およびより高次の解離されていない細胞のクラスターを含む)に対して、80%~95%の間の単一細胞を含有するであろう。ある特定の実施形態では、本開示の細胞集団は、細胞の総数(ダブレット細胞、トリプレット細胞およびより高次の解離されていない細胞のクラスターを含む)に対して、80%~100%の間の単一細胞を含有するであろう。
ある特定の実施形態では、本開示の網膜オルガノイドの解離に起因する網膜細胞集団は、細胞の総数(ダブレット細胞、トリプレット細胞およびより高次の解離されていない細胞のクラスターを含む)に対して、少なくとも85%の単一細胞を含有するであろう。ある特定の実施形態では、本開示の細胞集団は、細胞の総数(ダブレット細胞、トリプレット細胞およびより高次の解離されていない細胞のクラスターを含む)に対して、85%~90%の間の単一細胞を含有するであろう。ある特定の実施形態では、本開示の細胞集団は、細胞の総数(ダブレット細胞、トリプレット細胞およびより高次の解離されていない細胞のクラスターを含む)に対して、85%~95%の間の単一細胞を含有するであろう。ある特定の実施形態では、本開示の細胞集団は、細胞の総数(ダブレット細胞、トリプレット細胞およびより高次の解離されていない細胞のクラスターを含む)に対して、85%~100%の間の単一細胞を含有するであろう。
ある特定の実施形態では、本開示の網膜オルガノイドの解離に起因する網膜細胞集団は、細胞の総数(ダブレット細胞、トリプレット細胞およびより高次の解離されていない細胞のクラスターを含む)に対して、少なくとも90%の単一細胞を含有するであろう。ある特定の実施形態では、本開示の細胞集団は、細胞の総数(ダブレット細胞、トリプレット細胞およびより高次の解離されていない細胞のクラスターを含む)に対して、90%~95%の間の単一細胞を含有するであろう。ある特定の実施形態では、本開示の細胞集団は、細胞の総数(ダブレット細胞、トリプレット細胞およびより高次の解離されていない細胞のクラスターを含む)に対して、90%~100%の間の単一細胞を含有するであろう。
ある特定の実施形態では、本開示の網膜オルガノイドの解離に起因する網膜細胞集団は、細胞の総数(ダブレット細胞、トリプレット細胞およびより高次の解離されていない細胞のクラスターを含む)に対して、少なくとも95%の単一細胞を含有するであろう。ある特定の実施形態では、本開示の細胞集団は、細胞の総数(ダブレット細胞、トリプレット細胞およびより高次の解離されていない細胞のクラスターを含む)に対して、95%~100%の間の単一細胞を含有するであろう。
2.3 ある特定の細胞型の選択的富化および/またはネガティブ選択
ある特定の実施形態では、本開示は、特異的な細胞型を含む網膜細胞集団の生成を対象にする。例示であって、限定を目的とするものではないが、そのような網膜細胞集団は、特異的な細胞型について選択的に富化するまたはネガティブ選択を行うことができる。ある特定の実施形態では、網膜細胞集団は、例えば、蛍光励起細胞選別により選別されて、特異的な細胞型について選択的に富化するおよび/またはネガティブ選択を行う。
ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞の少なくとも約60%が、光受容体細胞アイデンティティーのマーカーを発現する。例示であって、限定を目的とするものではないが、光受容体細胞アイデンティティーのマーカーは、CRXまたはRCVRNである。ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞の少なくとも約65%が、光受容体細胞アイデンティティーのマーカーを発現する。ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞の少なくとも約70%が、光受容体細胞アイデンティティーのマーカーを発現する。ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞の少なくとも約75%が、光受容体細胞アイデンティティーのマーカーを発現する。ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞の少なくとも約80%が、光受容体細胞アイデンティティーのマーカーを発現する。ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞の少なくとも約85%が、光受容体細胞アイデンティティーのマーカーを発現する。ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞の少なくとも約90%が、光受容体細胞アイデンティティーのマーカーを発現する。ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞の少なくとも約90%が、光受容体細胞アイデンティティーのマーカーを発現する。ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞の少なくとも約95%が、光受容体細胞アイデンティティーのマーカーを発現する。ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞の最大約100%が、光受容体細胞アイデンティティーのマーカーを発現する。
ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞の少なくとも約15%~約45%が、錐体光受容体細胞アイデンティティーの少なくとも1種のマーカーを発現する。例示であって、限定を目的とするものではないが、錐体光受容体細胞アイデンティティーのマーカーは、CNGA3、CNGB3、ARR3、THRBまたはS-オプシンとなることができる。ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞の少なくとも約20%~約45%が、錐体光受容体細胞アイデンティティーのマーカーを発現する。ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞の少なくとも約25%~約45%が、光受容体細胞アイデンティティーのマーカーを発現する。ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞の少なくとも約30%~約45%が、錐体光受容体細胞アイデンティティーのマーカーを発現する。ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞の少なくとも約35%~約45%が、錐体光受容体細胞アイデンティティーのマーカーを発現する。ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞の少なくとも約40%~約45%が、錐体光受容体細胞アイデンティティーのマーカーを発現する。
ある特定の実施形態では、錐体光受容体細胞アイデンティティーの少なくとも1種のマーカーを発現する網膜細胞集団の細胞の少なくとも約30%が、CNGA3を発現する。ある特定の実施形態では、錐体光受容体細胞アイデンティティーの少なくとも1種のマーカーを発現する網膜細胞集団の細胞の少なくとも約30%が、CNGB3を発現する。ある特定の実施形態では、錐体光受容体細胞アイデンティティーの少なくとも1種のマーカーを発現する網膜細胞集団の細胞の少なくとも約20%が、ARR3を発現する。ある特定の実施形態では、錐体光受容体細胞アイデンティティーの少なくとも1種のマーカーを発現する網膜細胞集団の細胞の少なくとも約3%が、THRBを発現する。ある特定の実施形態では、錐体光受容体細胞アイデンティティーの少なくとも1種のマーカーを発現する網膜細胞集団の少なくとも1個の細胞が、S-オプシンを発現する。
ある特定の実施形態では、錐体光受容体細胞アイデンティティーの少なくとも1種のマーカーを発現する網膜細胞集団の細胞の少なくとも約30%が、CNGA3を発現し、錐体光受容体細胞アイデンティティーの少なくとも1種のマーカーを発現する網膜細胞集団の細胞の少なくとも約30%が、CNGB3を発現し、錐体光受容体細胞アイデンティティーの少なくとも1種のマーカーを発現する網膜細胞集団の細胞の少なくとも約20%が、ARR3を発現し、錐体光受容体細胞アイデンティティーの少なくとも1種のマーカーを発現する網膜細胞集団の細胞の少なくとも約3%が、THRBを発現し、錐体光受容体細胞アイデンティティーの少なくとも1種のマーカーを発現する網膜細胞集団の少なくとも1個の細胞が、S-オプシンを発現する。
ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞の少なくとも約55%~約85%が、桿体光受容体細胞アイデンティティーの少なくとも1種のマーカーを発現する。例示であって、限定を目的とするものではないが、桿体光受容体細胞アイデンティティーのマーカーは、NRL、NR2E3、PDE6B、CNGA1またはRHOとなることができる。ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞の少なくとも約60%~約85%が、桿体光受容体細胞アイデンティティーのマーカーを発現する。ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞の少なくとも約65%~約85%が、桿体光受容体細胞アイデンティティーのマーカーを発現する。ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞の少なくとも約70%~約85%が、桿体光受容体細胞アイデンティティーのマーカーを発現する。ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞の少なくとも約75%~約85%が、桿体光受容体細胞アイデンティティーのマーカーを発現する。ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞の少なくとも約80%~約85%が、桿体光受容体細胞アイデンティティーのマーカーを発現する。
ある特定の実施形態では、桿体光受容体細胞アイデンティティーの少なくとも1種のマーカーを発現する網膜細胞集団の細胞の少なくとも約50%が、NRLを発現する。ある特定の実施形態では、桿体光受容体細胞アイデンティティーの少なくとも1種のマーカーを発現する網膜細胞集団の細胞の少なくとも約40%が、NR2E3を発現する。ある特定の実施形態では、桿体光受容体細胞アイデンティティーの少なくとも1種のマーカーを発現する網膜細胞集団の細胞の少なくとも約20%が、PDE6Bを発現する。ある特定の実施形態では、桿体光受容体細胞アイデンティティーの少なくとも1種のマーカーを発現する網膜細胞集団の細胞の少なくとも約30%が、CNGA1を発現する。ある特定の実施形態では、桿体光受容体細胞アイデンティティーの少なくとも1種のマーカーを発現する網膜細胞クラスターの少なくとも1個の細胞が、RHOを発現する。
ある特定の実施形態では、桿体光受容体細胞アイデンティティーの少なくとも1種のマーカーを発現する網膜細胞集団の細胞の少なくとも約50%が、NRLを発現し、桿体光受容体細胞アイデンティティーの少なくとも1種のマーカーを発現する網膜細胞集団の細胞の少なくとも約40%が、NR2E3を発現し、桿体光受容体細胞アイデンティティーの少なくとも1種のマーカーを発現する網膜細胞集団の細胞の少なくとも約20%が、PDE6Bを発現し、桿体光受容体細胞アイデンティティーの少なくとも1種のマーカーを発現する網膜細胞集団の細胞の少なくとも約30%が、CNGA1を発現し、桿体光受容体細胞アイデンティティーの少なくとも1種のマーカーを発現する網膜細胞集団の少なくとも1個の細胞が、RHOを発現する。
ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞は、非光受容体細胞アイデンティティーのマーカーを発現する約40%以下の細胞を含むように選択される。例示であって、限定を目的とするものではないが、非光受容体細胞アイデンティティーのマーカーは、双極細胞、ミュラーグリア細胞、網膜マイクログリア、前脳神経前駆細胞、網膜前駆細胞、水平細胞、神経節細胞、網膜アマクリン細胞および網膜色素上皮細胞に関連するマーカーである。
ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞は、約10%未満の双極細胞を含むように選択される。ある特定の実施形態では、双極細胞アイデンティティーに関連するマーカーは、ISL1、SEBOX、CAPB5、BHLHE23、GRM6、SCGN、NRN1L、GRIK1、KLHDC8AおよびPROXのうちの1種または複数である。
ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞は、約20%未満のミュラーグリア細胞を含むように選択される。ある特定の実施形態では、ミュラーグリア細胞アイデンティティーに関連するマーカーは、AQP4、PRDX6、VIM、HES1、SLC1A3、GLUL、CLU、RLBP1およびLHX2のうちの1種または複数である。
ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞は、約10%未満の網膜マイクログリア細胞を含むように選択される。ある特定の実施形態では、網膜マイクログリア細胞アイデンティティーに関連するマーカーは、PTPRC、MPEG1およびCXCR1のうちの1種または複数である。
ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞は、約5%未満の前脳神経前駆細胞を含むように選択される。ある特定の実施形態では、前脳神経前駆細胞アイデンティティーに関連するマーカーは、NKX2.2、RGCC、NEUROD1、BTG2、GADD45AおよびGADD45Gのうちの1種または複数である。
ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞は、約3%未満の網膜前駆細胞を含むように選択される。ある特定の実施形態では、網膜前駆細胞アイデンティティーに関連するマーカーは、HOPX、CDK4、CCND2、VSX2およびCCND1のうちの1種または複数である。
ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞は、約10%未満の水平細胞を含むように選択される。ある特定の実施形態では、水平細胞アイデンティティーに関連するマーカーは、ONECUT2、ONECUT1およびLHX1のうちの1種または複数である。
ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞は、約10%未満の網膜神経節細胞を含むように選択される。ある特定の実施形態では、網膜神経節細胞アイデンティティーに関連するマーカーは、POU4F1、THY1、BRN3BおよびSNCGのうちの1種または複数である。
ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞は、約5%未満の網膜アマクリン細胞を含むように選択される。ある特定の実施形態では、網膜アマクリン細胞アイデンティティーに関連するマーカーは、TFAP2B、ELAVL3およびELAVL4のうちの1種または複数である。
ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞は、約10%未満の網膜色素上皮細胞を含むように選択される。ある特定の実施形態では、網膜色素上皮細胞アイデンティティーに関連するマーカーは、BEST1、TIMP3、GRAMD3およびPITPNAのうちの1種または複数である。
ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞は、細胞の30%未満が炎症性細胞アイデンティティーに関連するマーカーを発現するように選択される。例示であって、限定を目的とするものではないが、炎症性細胞アイデンティティーのマーカーは、CD15、CD133、A2B5およびCD38である。ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞は、A2B5および/またはCD38を発現する約30%未満の細胞を含むように選択される。ある特定の実施形態では、本開示の網膜細胞集団の細胞は、CD15またはCD133を発現する1個以下の細胞を含むように選択される。
3.網膜細胞集団&網膜細胞組成物
本開示は、in vitroで分化した網膜細胞の細胞集団であって、分化した細胞の少なくとも約50%(例えば、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%)が、光受容体細胞アイデンティティーの少なくとも1種のマーカーを発現する、細胞集団を提供する。
ある特定の実施形態では、本開示は、in vitroで分化した網膜細胞の細胞集団であって、分化した細胞の少なくとも約40%未満(例えば、約35%未満、約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、約0.5%未満または約0.1%未満)が、非光受容体細胞アイデンティティーの少なくとも1種のマーカーを発現する、細胞集団を提供する。
ある特定の実施形態では、in vitroで分化した網膜細胞の集団は、約1×10~約1×1010、約1×10~約1×10、約1×10~約1×10、約1×10~約1×10、約1×10~約1×10、約1×10~約1×10、約1×10~約1×10、約1×10~約1×10、約1×10~約1×10、約1×10~約1×1010または約1×10~約1×1010個のin vitroで分化した光受容体細胞を含む。
本開示はまた、in vitroで分化した網膜細胞のそのような集団を含む組成物を提供する。ある特定の実施形態では、in vitroで分化した網膜細胞の集団は、本明細書に記載されている分化方法によって得られる。ある特定の実施形態では、前記組成物は、凍結される。ある特定の実施形態では、前記組成物は、少なくとも1種の凍結保護物質、例示であって、これらに限定されないが、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリセロール、ポリエチレングリコール、スクロース、トレハロース、デキストロースまたはこれらの組合せをさらに含む。
ある特定の実施形態では、組成物は、薬学的に許容される担体を含む医薬組成物である。組成物は、遺伝性網膜変性疾患または後天性網膜変性疾患、例えば、網膜色素変性症、コロイデレミア、シュタルガルト病、錐体桿体ジストロフィー、レーバー先天黒内障、ならびに「乾性」加齢性黄斑変性および「湿性」加齢性黄斑変性を含むがこれらに限定されない加齢性黄斑変性を予防および/または処置するために使用することができる。
4.遺伝性網膜変性疾患を処置する方法
本明細書に開示されている細胞集団および組成物は、遺伝性および/または後天性網膜変性疾患を予防および/または処置するために使用することができる。例示であって、限定を目的とするものではないが、本明細書に開示されている細胞集団および組成物は、CCTTのために使用することができ、CCTTは、理論に制約されるものではないが、レシピエントの網膜に存在する機能障害性光受容体細胞を修復することにより作用することが理解される。この場合もまた、理論に制約されるものではないが、本明細書に開示されている細胞集団および組成物が、少なくとも一部には、健康な細胞構成要素、例えば、ミトコンドリアを含むオルガネラを、他の核、細胞膜結合型および/または細胞質構成要素、例えば、治療タンパク質と共に移入することにより、その治療効果を発揮することが理解される。よって、本開示の主題は、遺伝性および/または後天性網膜変性疾患を予防および/または処置する方法を提供する。ある特定の実施形態では、方法は、本開示の幹細胞由来網膜細胞またはそれを含む組成物を、遺伝性網膜変性疾患または後天性網膜変性疾患を患う対象に投与するステップを含む。ある特定の実施形態では、組成物は、薬学的に許容される担体をさらに含む医薬組成物である。
CCTTは、複数の変異クラスにおいて有効である。例えば、CCTは、X連鎖変異、常染色体優性(AD)変異、常染色体劣性(AR)変異および非メンデル型(non-mendelian)、例えば、ミトコンドリア変異において有効である。加えて、AD変異に関して、CCTTは、ハプロ不全またはドミナントネガティブ変異(例えば、ドミナントネガティブ干渉変異およびドミナントネガティブ毒性変異)において有効である。CCTTは、複数の型の細胞構成要素、例えば、膜結合型タンパク質、核局在化タンパク質、細胞質タンパク質の移入において有効であることも示された。CCTTは、両方の型の光受容体細胞、すなわち、桿体および錐体の両方への細胞構成要素の移入においても有効である。
遺伝性網膜変性疾患の非限定的な例は、網膜色素変性症、コロイデレミア、シュタルガルト病、錐体桿体ジストロフィーおよびレーバー先天黒内障を含む。後天性網膜変性疾患の非限定的な例は、「乾性」加齢性黄斑変性および「湿性」加齢性黄斑変性を含むがこれらに限定されない、加齢性黄斑変性を含む。
本明細書に記載されている網膜細胞の集団または組成物は、いずれかの生理学的に許容されるビヒクルにおいて投与することができる。本開示の細胞または組成物は、局在化注射によりまたは網膜下移植により投与することができる。ある特定の実施形態では、細胞の集団または組成物は、培地に再懸濁され、その生物学的活性を保存しオンターゲット(on-target)配置を確実にするデバイスを使用して、網膜下間隙に移植されるであろう。ある特定の実施形態では、デバイスは、生体適合性材料で構成されるであろう。ある特定の実施形態では、デバイスは、細胞における限定的な剪断応力で移植を達成するであろう、例えば、低摩擦通過を含むであろう。網膜下移植のための例示的なデバイスは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる国際特許出願番号PCT/US2019/045074(WO2020028892として公開)に記載されている。
細胞または組成物は、選択されたpHに緩衝され得る、滅菌液体調製物、例えば、等張性水溶液、懸濁物、エマルション、分散物または粘稠性組成物として簡便に提供することができる。液体調製物は、通常、ゲル、他の粘稠性組成物および固体組成物よりも、調製が容易である。その上、液体組成物は、若干、特に注射による投与が、より簡便である。粘稠性組成物は、他方では、適切な粘稠度範囲内で製剤化して、特異的な組織とのより長い接触期間をもたらすことができる。液体または粘稠性組成物は、例えば、水、食塩水、リン酸緩衝食塩水、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールその他)およびこれらの適した混合物を含有する溶媒または分散媒となり得る担体を含むことができる。滅菌注射用溶液は、要望に応じて様々な量の他の成分と共に、要求される量の適切な溶媒に、本開示の主題の組成物、例えば、本開示の幹細胞由来網膜細胞を含む組成物を取り込むことにより調製することができる。そのような組成物は、滅菌水、生理食塩水、グルコース、デキストロースその他等の適した担体、希釈剤または賦形剤と混合することができる。組成物は、凍結乾燥することもできる。組成物は、所望の投与経路および調製物に応じて、湿潤剤、分散剤または乳化剤(例えば、メチルセルロース)、pH緩衝化剤、ゲル化剤または粘稠度増強添加物、保存剤、矯味矯臭剤、着色剤その他等の補助物質を含有することができる。参照により本明細書に組み込まれる“REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCE”, 17th edition, 1985等の標準テキストを閲覧して、過度の実験法を用いずに、適した調製物を調製することができる。
抗菌保存料、抗酸化剤、キレート剤および緩衝液を含む、組成物の安定性および無菌性を増強する様々な添加物を添加することができる。様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸その他によって、微生物の作用の予防を確実にすることができる。注射用医薬品形態の延長した吸収は、吸収を遅延する薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によってもたらされ得る。
組成物の粘稠度は、所望するのであれば、薬学的に許容される増粘剤を使用して、選択されるレベルで維持することができる。容易にかつ経済的に入手することができ、扱いが容易であるため、メチルセルロースを使用することができる。他の適した増粘剤は、例えば、ヒアルロン酸、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボマーその他を含む。増粘薬の濃度は、選択される薬剤に依存することができる。重要なポイントは、選択される粘稠度に達する量を使用することである。適した担体および他の添加物の選択は、正確な投与経路および特定の剤形、例えば、液体剤形の性質(例えば、組成物が、時限放出形態(time release form)または液体充填形態等、溶液、懸濁物、ゲルまたは別の液体形態に製剤化されることになるか否か)に依存するであろう。
当業者であれば、組成物の非細胞由来構成要素が、一般に、ただし排他的にではなく、化学的に不活性となり、よって、本開示の網膜細胞の生存度にも有効性にも影響を与えないように選択されるべきであることを認識するであろう。これは、化学および医薬品の原理における当業者にとって何の問題もないであろう、または問題は、標準テキストを参照することによりもしくは単純な実験(過度の実験法を伴わない)により、本開示および本明細書に引用されている文書から、容易に回避することができる。
ある特定の実施形態では、組成物は、有効量の網膜細胞を含む。本明細書で使用される場合、用語「有効量」または「治療有効量」は、処置の際に有益なまたは所望の臨床結果に影響を与えるのに十分な量を指す。有効量は、少なくとも1つの用量において対象に投与することができる。処置の観点から、有効量は、遺伝性網膜変性疾患を軽減する、好転させる、安定化する、逆転させる、もしくはその進行を遅くする、または他の方法で遺伝性網膜変性疾患の病理学的結果を低減するのに十分な量である。有効量は一般に、医師によってケースバイケースで決定され、当業者の技能範囲内にある。有効量に達するのに適切な投薬量を決定する際に、いくつかの因子が典型的に考慮に入れられる。そのような因子は、対象の年齢、性別および体重、処置されている状態、状態の重症度、ならびに投与される細胞の形態および有効濃度を含む。
ある特定の実施形態では、細胞の有効量は、遺伝性網膜変性疾患を患う対象の網膜機能を改善するのに十分な量である。ある特定の実施形態では、細胞の有効量は、遺伝性網膜変性疾患または後天性網膜変性疾患を患う対象の網膜機能を改善するのに十分な量であり、例えば、改善された機能は、遺伝性網膜変性疾患または後天性網膜変性疾患を患っていない個体の網膜機能の約1%、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約98%、約99%または約100%となることができる。
投与されるべき細胞の含量は、処置されている対象毎に変動するであろう。ある特定の実施形態では、約1×10~約1×1010、約1×10~約1×10、約1×10~約1×10、約1×10~約1×10、約1×10~約1×10、約1×10~約1×10、約1×10~約1×10、約1×10~約1×10、約1×10~約1×10、約1×10~約1×1010または約1×10~約1×1010個の細胞が、対象に投与される。ある特定の実施形態では、約1×10~約1×10個の細胞が、遺伝性網膜変性疾患または後天性網膜変性疾患を患う対象に投与される。ある特定の実施形態では、約1×10~約1×10個の細胞が、遺伝性網膜変性疾患または後天性網膜変性疾患を患う対象に投与される。ある特定の実施形態では、約1×10~約4×10個の細胞が、遺伝性網膜変性疾患または後天性網膜変性疾患を患う対象に投与される。有効用量と考慮されるものの的確な決定は、そのサイズ、年齢、性別、体重、および特定の対象の状態を含む、各対象に個々の因子に基づくことができる。投薬量は、本開示および当技術分野の知識から、当業者によって容易に確かめることができる。
1.細胞修復有効性は、視力修復の予測される閾値を超える
同じ種の光受容体細胞の間で、CCTT効率を推定しCCTTの発生を検証するために(すなわち、相同モデリング)、出生後3日目のGFP産生ドナー光受容体細胞を、遺伝学的にGFP標識されたドナーマウスから収集し、野生型成体マウスレシピエントに移植した。移植後2~3週間目に組織学を得て、CCTTのプロセスを経てGFPで標識されたレシピエント細胞の数を計数した。切片毎に、また、目的の領域(ROI)毎にレシピエント細胞の数を計数して、効率のROI間可変性を捕捉した。マウス細胞を用いて、本実験の目標を損なう重篤な免疫拒絶に対するドナーヒト細胞の脆弱性を回避した。
細胞構成要素移入の相同モデリングは、ある特定のROIにおいて、6.0~7.0%の間の全ROIの平均有効性およびほぼ30%のピーク有効性を示す(この処置方法を使用して修復されたレシピエント光受容体細胞の割合)。本発明者らは、レシピエント光受容体細胞の5%の修復効率レベルが、機能的視力改善の閾値であることを予測する。
2.CCTTは、レシピエント光受容体細胞の両方のクラスにおいて、変異に依存しないおよび変異クラスに依存しない機能的有効性を示す
一連の実験を行って、CCTTの処置効果の遍在性を検証した。実施例1に記載される通り、相同モデリングを使用して、同じ種の光受容体細胞の間のCCTT後の機能的効果の規模を推定することができる。例えば、複数の変異クラス、例えば、常染色体優性(AD)対常染色体劣性(AR)におけるCCTT有効性が、相同モデリングを使用して検証された。同様に、複数の特異的変異、すなわち、PRPH2変異対GNAT1変異対GNAT2変異におけるCCTTの発生もまた、相同モデリングを使用して検証された。複数の細胞構成要素、例えば、膜結合型タンパク質(PRPH2) 対 細胞質タンパク質(GNAT1)の移入におけるCCTT有効性もまた、相同モデリングを使用して検証された。最後に、両方の型の光受容体細胞、すなわち、桿体および錐体の両方におけるCCTT有効性が、相同モデリングを使用して検証された。図3は、本明細書に記載されている結果に基づく、ミトコンドリア変異を含む複数の変異クラスにおけるCCTTの予測される有効性を説明する。
出生後3日目のGFP産生ドナー光受容体細胞を、遺伝学的にGFP標識されたマウスから収集し、野生型成体マウスレシピエントに移植した。移植後1~3週間目に、全視野網膜電図検査(FF-ERG)、視運動性眼振(OKN)および視覚誘導挙動により機能アッセイを得た。別々のFF-ERG検査を使用して、桿体対錐体機能改善を精査した。可能であれば、1週間目におよびその後1~2週間目に同じマウスを検査して、再現性を検証することにより厳密さを促進した。この場合もまた、実施例1に記述される通り、重篤な免疫拒絶に対して脆弱であるため、ドナーヒト細胞をこれらの実験において用いなかった。
一遺伝子性常染色体優性IRDのマウスモデルにおける機能検査は、処置されたマウスの大多数(>80%)が、視力を回復し、平均視覚機能が、野生型視力レベルのほぼ40%まで改善し、一部のマウスでは野生型視力レベルの>85%に達したことを示した。一遺伝子性常染色体劣性IRDの2種のマウスモデルにおける機能検査は、処置されたマウスの大多数(>80%)が、視力を回復し、平均視覚機能が、野生型視力レベルのほぼ50%まで改善し、一部のマウスでは野生型視力レベルの>95%に達したことを示した。機能修復の証拠は、レシピエントの桿体および錐体光受容体細胞の両方で起こる。一部の変異または変異クラスにおいて、機能修復は、あるクラスに他のクラスよりも有利に働く場合がある。さらに、免疫組織学およびトランスクリプトミクスによって、細胞内の細胞質タンパク質(例えば、GFPおよびGNAT1)、低レベルではあるがRNA、および膜結合型分子(例えば、PRPH2)を含む、異なる細胞構成要素の移入を支持する証拠が同定された。
3.種間アプローチを使用した不偏のプロテオミクス解析は、生理学的タンパク質の光受容体間移入を支持する証拠を提供する
GFP等の単なる(非哺乳動物)標識タンパク質ではなく、生理的および/または治療的に関連性があるタンパク質、例えば、哺乳動物タンパク質が、CCTTと一致した機構による細胞間移入に適切であることを検証するために、異種移植アプローチを用いた。本明細書に記載されているCCTTヒトドナー細胞の密接な類似物を、レシピエント野生型マウスに移植した。2~4週間後にレシピエント網膜を摘出し、移植片を除去した。レシピエント網膜をバルクプロテオミクスによって溶解および加工処理した。図4に説明される通り、このアプローチは、別の種(マウス)の細胞に移入された、ある1つの種(ヒト)の細胞構成要素、例えば、タンパク質の検出および定量化を可能にする。移入された細胞タンパク質は、膜結合型オルガネラ、小胞体、細胞外基質、および他の細胞区画または構成要素に関する機能を有するタンパク質を含む。
4.移植された網膜から得たホールセルパッチクランプ記録は、修復された錐体細胞が光刺激に応答することを示唆する
相同モデリングを用いて、下流の視覚回路が、CCTTと一致した機構による罹患レシピエント光受容体細胞の修復後に、実際に再活性化されることを検証した。具体的には、CCTTによる錐体修復後に、網膜神経節細胞(RGC)機能を測定した。RGCは、いずれかの修復された錐体からの三次下流ニューロンであるため、RGC活性は、視覚回路再活性化を指し示す。機能的に適格性の出生後ドナーの遺伝学的にGFP標識された光受容体細胞を、桿体トランスデューシンおよび錐体トランスデューシン欠乏性成体レシピエントマウスに移植した。図5に説明される通り、4~6週間後にin situでRGC機能を測定した:移植された網膜におけるRGCからの光応答。5回の連続した記録。上部、細胞応答;下部、光刺激パターン。保持電位は、興奮性シナプス後電流(EPSC)を記録するために、Cl-の逆転電位に近い-70mVに設定される。エイムス緩衝液において32~35℃でRGCを記録した。明所視全視野白色光刺激(2秒間の持続時間、2秒間の間欠期)を使用して、応答を誘発した。図5に描写されるデータは、CCTTによって修復された光受容体細胞が、光刺激に応答し、これらの修復された錐体細胞からの視覚的に誘起されたシグナルが、レシピエント視覚回路に沿って伝達され、よって、以前に不活性であった回路において視覚機能を再確立することを指し示す。
本開示の主題およびその利点について詳細に記載してきたが、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書において様々な変化、置換および変更を為すことができることを理解されたい。さらに、本出願の範囲は、本明細書に記載されているプロセス、機械、製造および組成物、手段、方法およびステップの特定の実施形態に限定されることを意図しない。当業者であれば、本開示の主題の開示から容易に認める通り、本明細書に記載されている対応する実施形態と実質的に同じ機能を果たすか、または実質的に同じ結果に達する、現在存在するまたは後に開発されることになるプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法またはステップを本開示の主題に従って利用することができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、その範囲内で、このようなプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法またはステップを含むことを意図する。
様々な特許、特許出願、刊行物、製品の説明、プロトコールおよび配列受託番号が、本出願を通して引用されており、これらの開示は、あらゆる目的のため、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (35)

  1. 網膜細胞集団の細胞の少なくとも約60%が光受容体細胞アイデンティティーのマーカーを発現する網膜細胞集団を産生するためのin vitro方法であって、
    a.三次元網膜オルガノイドを生成するステップと、
    b.前記三次元網膜オルガノイドを解離するステップと、
    c.網膜細胞集団の細胞の少なくとも約60%が光受容体細胞アイデンティティーのマーカーを発現する網膜細胞集団を選択するステップと
    を含む、方法。
  2. 前記光受容体細胞アイデンティティーのマーカーが、CRXまたはRCVRNである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記三次元網膜オルガノイドが、酵素により解離される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記酵素が、パパインおよび/またはトリプシンである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記網膜細胞を組成物と接触させて、前記細胞が解離細胞懸濁物中に確実に残るようにする、請求項3に記載の方法。
  6. 前記組成物が酵素である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記酵素がDNAseである、請求項6に記載の方法。
  8. 前記三次元網膜オルガノイドが、解離される前に約DD45~DD300の間に達する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記三次元網膜オルガノイドが、解離される前に約DD90~約DD140に達する、請求項8に記載の方法。
  10. 前記網膜細胞集団が、少なくとも約70%の単一細胞からなる、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記網膜細胞集団が、少なくとも約80%の単一細胞からなる、請求項10に記載の方法。
  12. 前記網膜細胞集団が、少なくとも約90%の単一細胞からなる、請求項10に記載の方法。
  13. 前記網膜細胞集団が、約15%~約45%の錐体光受容体細胞を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記錐体光受容体細胞のうち、
    a.約30%超が、CNGA3を発現する、
    b.約30%超が、CNGB3を発現する、
    c.約20%超が、ARR3を発現する、
    d.少なくとも約3%が、THRBを発現する、および/または
    e.少なくとも約1個の細胞が、S-オプシンを発現する、
    請求項13に記載の方法。
  15. 前記網膜細胞集団が、約55%~約85%の桿体光受容体細胞を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記桿体光受容体細胞のうち、
    a.約50%超が、NRLを発現する、
    b.約40%超が、NR2E3を発現する、
    c.約20%超が、PDE6Bを発現する、
    d.約30%超が、CNGA1を発現する、および/または
    e.少なくとも約1個の細胞が、RHOを発現する、
    請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記網膜細胞集団は、以下:
    a.前記細胞の約10%未満が、双極細胞アイデンティティーのマーカーを発現する、
    b.前記細胞の約20%未満が、ミュラーグリア細胞アイデンティティーのマーカーを発現する、
    c.前記細胞の約10%未満が、網膜マイクログリア細胞アイデンティティーのマーカーを発現する、
    d.前記細胞の約5%未満が、前脳神経前駆細胞アイデンティティーのマーカーを発現する、
    e.前記細胞の約3%未満が、網膜前駆細胞アイデンティティーのマーカーを発現する、
    ことを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
  18. a.前記双極細胞アイデンティティーのマーカーが、ISL1、SEBOX、CAPB5、BHLHE23、GRM6、SCGN、NRN1L、GRIK1、KLHDC8AおよびPROX1のうちの1種もしくは複数である、
    b.前記ミュラーグリア細胞アイデンティティーのマーカーが、AQP4、PRDX6、VIM、HES1、SLC1A3、GLUL、CLU、RLBP1およびLHX2のうちの1種もしくは複数である、
    c.前記網膜マイクログリア細胞アイデンティティーのマーカーが、PTPRC、MPEG1およびCXCR1のうちの1種もしくは複数である、
    d.前記前脳神経前駆細胞アイデンティティーのマーカーが、NKX2.2、RGCC、NEUROD1、BTG2、GADD45AおよびGADD45Gのうちの1種もしくは複数である、ならびに/または
    e.前記網膜前駆細胞アイデンティティーのマーカーが、HOPX、CDK4、CCND2、VSX2およびCCND1のうちの1種もしくは複数である、
    請求項17に記載の方法。
  19. 前記網膜細胞集団は、以下:
    a.前記細胞の約10%未満が、水平細胞アイデンティティーのマーカーを発現する、
    b.前記細胞の約10%未満が、神経節細胞アイデンティティーのマーカーを発現する、
    c.前記細胞の約5%未満が、網膜アマクリン細胞アイデンティティーのマーカーを発現する、
    d.前記細胞の約5%未満が、アストロサイト細胞アイデンティティーのマーカーを発現する、
    e.前記細胞の約5%未満が、ペリサイト細胞アイデンティティーのマーカーを発現する、
    f.前記細胞の約5%未満が、血管細胞アイデンティティーのマーカーを発現する、および/または
    g.前記細胞の約10%未満が、網膜色素上皮細胞アイデンティティーのマーカーを発現する、
    ことを含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. a.前記水平細胞アイデンティティーのマーカーが、ONECUT2、ONECUT1およびLHX1のうちの1種または複数である、
    b.前記神経節細胞アイデンティティーのマーカーが、POU4F1、THY1、BRN3BおよびSNCGのうちの1種または複数である、
    c.前記網膜アマクリン細胞アイデンティティーのマーカーが、TFAP2B、ELAVL3およびELAVL4のうちの1種または複数である、
    d.前記網膜色素上皮細胞アイデンティティーのマーカーが、BEST1、TIMP3、GRAMD3およびPITPNAのうちの1種または複数である、
    請求項19に記載の方法。
  21. 前記網膜細胞集団が、
    a.CD15またはCD133を発現する約1個以下の細胞、ならびに/または
    b.A2B5およびCD38を発現する約30%未満の細胞
    を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
  22. 幹細胞が、ヒト、非ヒト霊長類または齧歯類非胚性幹細胞;ヒト、非ヒト霊長類または齧歯類胚性幹細胞;ヒト、非ヒト霊長類または齧歯類人工多能性幹細胞;およびヒト、非ヒト霊長類または齧歯類組換え多能性細胞から選択される、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 幹細胞が、ヒト幹細胞である、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記幹細胞が、多能性または複能性幹細胞である、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記幹細胞が、多能性幹細胞である、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記多能性幹細胞が、胚性幹細胞、人工多能性幹細胞およびこれらの組合せから選択される、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
  27. in vitroで分化した網膜細胞の細胞集団であって、前記in vitroで分化した網膜細胞が、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法によって得られる、細胞集団。
  28. 請求項27に記載の細胞集団を含む、組成物。
  29. 薬学的に許容される担体をさらに含む医薬組成物である、請求項28に記載の組成物。
  30. 対象における遺伝性網膜変性疾患または後天性網膜変性疾患を予防および/または処置する方法であって、以下:
    (a)請求項27に記載の細胞集団、または
    (b)請求項28もしくは29に記載の組成物
    のうちの1種の有効量を前記対象に投与するステップを含む、方法。
  31. 前記遺伝性網膜変性疾患が、網膜色素変性症、コロイデレミア、シュタルガルト病、錐体桿体ジストロフィーおよびレーバー先天黒内障から選択される、請求項30に記載の方法。
  32. 対象における遺伝性網膜変性疾患または後天性網膜変性疾患の予防および/または処置における使用のための、請求項27に記載の細胞集団または請求項28もしくは29のいずれか一項に記載の組成物。
  33. 前記遺伝性網膜変性疾患が、網膜色素変性症、コロイデレミア、シュタルガルト病、錐体桿体ジストロフィーまたはレーバー先天黒内障である、請求項32に記載の、対象における遺伝性網膜変性疾患の予防および/または処置における使用のための細胞集団または組成物。
  34. 前記後天性網膜変性疾患が、加齢性黄斑変性である、請求項30に記載の方法。
  35. 前記後天性網膜変性疾患が、加齢性黄斑変性である、請求項32に記載の、対象における後天性網膜変性疾患の予防および/または処置における使用のための細胞集団または組成物。
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