JP2001231549A - 不死化血管内皮細胞株 - Google Patents

不死化血管内皮細胞株

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JP2001231549A
JP2001231549A JP2000050691A JP2000050691A JP2001231549A JP 2001231549 A JP2001231549 A JP 2001231549A JP 2000050691 A JP2000050691 A JP 2000050691A JP 2000050691 A JP2000050691 A JP 2000050691A JP 2001231549 A JP2001231549 A JP 2001231549A
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Hisashi Iizasa
久 飯笹
Kenji Hattori
研之 服部
Emi Nakajima
恵美 中島
Tetsuya Terasaki
哲也 寺崎
Masuo Tatewaki
益夫 帯刀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 血管内皮細胞としての機能・特性を保持する
不死化血管内皮細胞株や、その培養によりかかる不死化
血管内皮細胞株に分化することができ、かつあらゆる臓
器の血管に分化しうる血管内皮前駆細胞や、これら細胞
株や前駆細胞を用いた細胞分化促進又は抑制物質等の有
用物質のスクリーニング方法を提供すること。 【解決手段】 SV40の温度感受性突然変異株tsA
58のラージT抗原遺伝子を導入したトランスジェニッ
クラットの骨髄から単核球画分を採取して血管内皮前駆
細胞を調製し、次いで、この血管内皮前駆細胞を培養し
て血管内皮細胞に分化させ、この分化した血管内皮細胞
を継代培養して、アセチル化LDLの取込み活性を有
し、VEGF受容体1及びTIE1,2を発現する不死
化血管内皮細胞株を樹立する。また、この不死化血管内
皮細胞株は、マトリジェル中において管腔構造形成能を
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は不死化血管内皮細胞
株又は血管内皮前駆細胞に関し、詳しくはSV40の温
度感受性突然変異株tsA58のラージT抗原遺伝子を
導入したトランスジェニックラットの骨髄に由来する血
管内皮前駆細胞や、該血管内皮前駆細胞を継代培養して
樹立することができる、VEGF(血管内皮細胞増殖因
子)受容体1及びTIE(Tyrosine kinase with Ig an
d EGF homology domains)1,2を発現する不死化血管
内皮細胞株に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、医薬品の安全性や有効性に関する
試験研究には主として動物が用いられていたが、動物愛
護の点から動物を使用する代わりに、培養細胞等を用い
てインビトロで医薬品の有効性や安全性を試験研究する
技術の実用化レベルでの研究が行われている。例えば、
生体組織から採取した初代培養細胞や無限増殖する不死
化細胞(樹立細胞)系を用いる方法で予め試験した後に
動物試験を行うことが行われている。しかし、初代細胞
は初期段階ではよく増殖するが、継代培養とともに次第
に増殖が停止し、やがては死滅する(この現象を細胞老
化という)。さらに、初代細胞は、その特性が生体組織
から採取する度に異なるという危惧に加え、継代ととも
に変化することが指摘されている。特に、増殖速度が非
常に遅い場合や微小器官に由来する場合には、試験に供
するに足る初代細胞を得ることは非常に困難であるとさ
れている。
【0003】一方、初代培養の継代を重ねるなかで、細
胞老化を免れて無限増殖する能力を獲得した不死化細胞
では、安定して均一の特性を有することになるが、この
ような不死化細胞の多くは、その細胞が生体において本
来有していた形態や機能の一部又はその全てを喪失する
ため、このような不死化細胞株を用いた試験では、その
細胞株の由来する組織での本来の特性を正確に反映する
ことは難しいとされていた。そこで、初代細胞にras遺
伝子やc-myc遺伝子などの発癌遺伝子、アデノウィルス
のE1A遺伝子、SV40ウィルスのラージT抗原遺伝
子、ヒトパピローマウィルスのHPV16遺伝子等を導
入して細胞を形質転換し、初代細胞の有する活発な増殖
能を継続的に保持し、しかも継代することによってもそ
の細胞固有の特性を喪失しない不死化細胞を樹立する試
みがなされている。ところが、このような不死化細胞に
おいても、対象とする臓器によっては、その初代細胞を
調製し、これらの癌遺伝子やラージT抗原遺伝子を導入
する時点で、すでに幾つかの機能を喪失するため、本来
の機能を保持する厳密な意味での不死化細胞の取得は困
難であった。特に、増殖速度が非常に遅い場合や微少器
官に由来する場合の初代細胞を調製して株化することは
極めて困難であった。
【0004】これに対し、近年確立された動物個体への
遺伝子導入技術を用いて、個々の細胞に癌遺伝子やラー
ジT抗原遺伝子を導入するかわりに、これらの遺伝子を
安定的に染色体に組み込んだ遺伝子導入動物を作出し
て、個体の発生時点において既に癌遺伝子やラージT抗
原遺伝子を細胞の中に保有する動物の臓器から初代細胞
を調製して、これを継代することにより不死化細胞を樹
立する方法が報告されている。例えば、本発明者らによ
る特開平5−292958号公報には、温度感受性突然
変異SV40ラージT抗原遺伝子を哺乳動物の全能性細
胞に導入し、この動物の正常な産出によって得られる遺
伝子導入動物の各種臓器の組織細胞、例えば、肝細胞や
骨髄細胞を採取し、これを継代培養して不死化細胞株を
樹立する方法が記載されている。特にSV40の温度感
受性突然変異株tsA58のラージT抗原遺伝子を導入
したトランスジェニックマウスの臓器から得られる不死
化細胞は、その増殖や分化形質の発現を温度を変えるこ
とによって操作することができるため非常に有効である
とされている(Noble M et al.(1995) Transgenic Resea
rch 4, 215-225;Obinata M.(1997) Genes to Cells 2,
235-244)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】血管内皮細胞は、血管
新生のメカニズムの研究において重要視されてきてお
り、動物愛護の観点から動物試験に代えてヒト臍帯静脈
内皮細胞の初代培養細胞(HUVEC)を用いる方法が
試みられるようになってきている。このHUVECは初
代培養細胞であることから、継代を重ねると性状が変化
し、通常5代までの継代しか行えないため、遺伝子導入
実験などを行うことができない。また、これまでによく
用いられている血管内皮細胞株は、細胞単離後にトラン
スフォームした細胞であり、癌化しているため、生体内
の性状を保持している細胞ではなく、限られた用途にし
か用いることができなかった。
【0006】最近、骨髄に血管内皮細胞の前駆細胞が存
在し、成体においても血管新生に寄与することが明らか
にされた(Science 275, 964-967, 1997)。上記従来用
いられている血管内皮細胞の初代培養細胞や血管内皮細
胞株は各種臓器に由来しており、臓器ごとに血管内皮細
胞の性状、例えばVEGF依存性やトランスポーターの
発現などが異なることから、血管内皮細胞の初代培養細
胞や血管内皮細胞株も新生血管のモデルとしては普遍的
とは言えない。しかし、このような既存血管由来の内皮
細胞と異なり、骨髄より分化した血管内皮前駆細胞はあ
らゆる臓器の血管にも分化しうる細胞である。したがっ
て、骨髄より血管内皮細胞の前駆細胞である血管内皮前
駆細胞を単離し、インビトロで分化させることにより、
より普遍的な血管内皮細胞のモデルを得ることが可能と
なる。
【0007】本発明の課題は、血管内皮細胞としての機
能・特性を保持する不死化血管内皮細胞株や、その培養
によりかかる不死化血管内皮細胞株に分化することがで
き、かつあらゆる臓器の血管に分化しうる血管内皮前駆
細胞や、これら不死化血管内皮細胞株や血管内皮前駆細
胞を用いた細胞分化促進又は抑制物質等の有用物質のス
クリーニング方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究し、骨髄に由来する細胞を株
化する場合には、マウスに比べ体重が約10倍あるラッ
トが不死化細胞株樹立に供する前駆細胞を調製する上で
有利であるとの知見に基づき、不死化遺伝子としてのS
V40の温度感受性突然変異株tsA58のラージT抗
原遺伝子を導入したトランスジェニックラットを作製
し、その骨髄から血管内皮細胞の前駆細胞を分離し、得
られた前駆細胞を継代培養することによって不死化血管
内皮細胞株を樹立することができることを見い出し、本
発明を完成するに至った。
【0009】すなわち本発明は、血管内皮前駆細胞の培
養により得られる、アセチル化LDLの取込み活性を有
し、VEGF受容体1及びTIE1,2の発現能を保持
したことを特徴とする不死化血管内皮細胞株(請求項
1)や、血管内皮前駆細胞が、骨髄に由来することを特
徴とする請求項1記載の不死化血管内皮細胞株(請求項
2)や、SV40の温度感受性突然変異株tsA58の
ラージT抗原遺伝子の発現能を有することを特徴とする
請求項1又は2記載の不死化血管内皮細胞株(請求項
3)や、マトリジェル中において管腔構造形成能を有す
ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の不死
化血管内皮細胞株(請求項4)や、齧歯類起源であるこ
とを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の不死化血
管内皮細胞株(請求項5)や、齧歯類がラットであるこ
とを特徴とする請求項5記載の不死化血管内皮細胞株
(請求項6)や、不死化血管内皮細胞株TR−BME1
株(FERM BP−7025)(請求項7)に関す
る。
【0010】また本発明は、SV40の温度感受性突然
変異株tsA58のラージT抗原遺伝子を導入したトラ
ンスジェニックラットの骨髄から単離して得られる血管
内皮前駆細胞を培養して、アセチル化LDLの取込み活
性を有し、温度感受性SV40ラージT抗原、VEGF
受容体1及びTIE1,2を発現する不死化細胞を樹立
することを特徴とする不死化血管内皮細胞株の製造方法
(請求項8)や、血管内皮前駆細胞が、マトリジェル中
において管腔構造形成能を有することを特徴とする請求
項8記載の不死化血管内皮細胞株の製造方法(請求項
9)に関する。
【0011】また本発明は、骨髄に由来し、その培養に
より、アセチル化LDLの取込み活性を有し、VEGF
受容体1及びTIE1,2の発現能を保持した不死化血
管内皮細胞株に分化することができることを特徴とする
血管内皮前駆細胞(請求項10)や、不死化血管内皮細
胞株が、SV40の温度感受性突然変異株tsA58の
ラージT抗原遺伝子の発現能を有することを特徴とする
請求項10記載の血管内皮前駆細胞(請求項11)や、
不死化血管内皮細胞株が、マトリジェル中において管腔
構造形成能を有することを特徴とする請求項10又は1
1記載の血管内皮前駆細胞(請求項12)や、齧歯類起
源であることを特徴とする請求項10〜12のいずれか
記載の血管内皮前駆細胞(請求項13)や、齧歯類がラ
ットであることを特徴とする請求項13記載の血管内皮
前駆細胞(請求項14)に関する。
【0012】また本発明は、被検物質の存在下、請求項
1〜7のいずれか記載の不死化血管内皮細胞株又は請求
項10〜14のいずれか記載の血管内皮前駆細胞を培養
し、該不死化細胞株におけるマーカータンパク質の活性
及び/又は発現の程度を測定・評価することを特徴とす
る不死化血管内皮細胞株又は血管内皮前駆細胞における
マーカータンパク質発現の促進又は抑制物質のスクリー
ニング方法(請求項15)や、マーカータンパク質が、
VEGF受容体1又はTIE1,2であることを特徴と
する請求項15記載の不死化血管内皮細胞株又は血管内
皮前駆細胞におけるマーカータンパク質発現の促進又は
抑制物質のスクリーニング方法(請求項16)や、被検
物質の存在下、請求項1〜7のいずれか記載の不死化血
管内皮細胞株又は請求項10〜14のいずれか記載の血
管内皮前駆細胞を培養し、該不死化細胞株のアセチル化
LDLの取込み活性の程度を測定・評価することを特徴
とする不死化血管内皮細胞株又は血管内皮前駆細胞にお
けるアセチル化LDLの取込み活性を促進又は抑制物質
のスクリーニング方法(請求項17)や、被検物質の存
在下、請求項1〜7のいずれか記載の不死化血管内皮細
胞株又は請求項10〜14のいずれか記載の血管内皮前
駆細胞を培養し、該不死化細胞株におけるマトリジェル
中における管腔構造形成能の程度を解析・評価すること
を特徴とする不死化血管内皮細胞株又は血管内皮前駆細
胞におけるマトリジェル中における管腔構造形成の促進
又は抑制物質のスクリーニング方法(請求項18)に関
する。
【0013】また本発明は、請求項15又は16記載の
スクリーニング方法により得られる不死化血管内皮細胞
株又は血管内皮前駆細胞におけるマーカータンパク質発
現促進物質(請求項19)や、請求項17記載のスクリ
ーニング方法により得られる不死化血管内皮細胞株又は
血管内皮前駆細胞におけるアセチル化LDLの取込み活
性促進物質(請求項20)や、請求項18記載のスクリ
ーニング方法により得られる不死化血管内皮細胞株又は
血管内皮前駆細胞におけるマトリジェル中管腔構造形成
促進物質(請求項21)や、請求項15又は16記載の
スクリーニング方法により得られる不死化血管内皮細胞
株又は血管内皮前駆細胞におけるマーカータンパク質発
現抑制物質(請求項22)や、請求項17記載のスクリ
ーニング方法により得られる不死化血管内皮細胞株又は
血管内皮前駆細胞におけるアセチル化LDLの取込み活
性抑制物質(請求項23)や、請求項18記載のスクリ
ーニング方法により得られる不死化血管内皮細胞株又は
血管内皮前駆細胞におけるマトリジェル中管腔構造形成
抑制物質(請求項24)に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の不死化血管内皮細胞株と
しては、血管内皮前駆細胞の培養により得られ、アセチ
ル化LDL(低密度リポタンパク質)の取込み活性を有
し、VEGF受容体1及びTIE1,2(TIE1とT
IE2)の発現能を保持した樹立細胞であればどのよう
なものでもよく、例えば、前記血管内皮前駆細胞が骨髄
に由来するものや、SV40の温度感受性突然変異株t
sA58のラージT抗原遺伝子を発現するものや、マト
リジェル中において管腔構造形成能を有するものを挙げ
ることができる。また、このような不死化血管内皮細胞
株の具体例として、TR−BME1株(FERM BP
−7025)を挙げることができる。また、本発明の血
管内皮前駆細胞としては、培養することにより、上記不
死化血管内皮細胞株に分化することができる骨髄由来の
細胞であれば特に制限されるものではない。そして、本
発明の不死化血管内皮細胞株や血管内皮前駆細胞は、ラ
ット等の齧歯類などの動物から得ることができるが、ラ
ットは病態モデルが豊富で、薬理作用の評価に広く用い
られていることから、以下、不死化血管内皮細胞株や血
管内皮前駆細胞の製造方法を、ラットを用いた方法を例
にとって説明する。
【0015】例えば、SV40の温度感受性突然変異株
tsA58のラージT抗原遺伝子を導入したトランスジ
ェニックラットの骨髄から、文献(Nature Medicine vo
l.5,434-438, 1999)記載の方法に準じて細胞を採取
し、ヒストパック(histopaq)を用いて単核球細胞を単
離することにより、血管内皮前駆細胞を調製することが
できる。かかる血管内皮前駆細胞をコラーゲンとファイ
ブロネクチンをコートしたディッシュ上で37℃、2週
間培養し、血液内皮細胞に分化させ、これら分化させた
細胞を別のディッシュに8000細胞/100mmディ
ッシュの濃度に継代培養して、33℃に移して、コロニ
ーの形成を待って細胞をクローン化し、クローン化した
各細胞についてアセチル化LDLの取り込み能と、RT
−PCRによる内皮細胞のマーカー遺伝子であるVEG
F受容体1及びTIE1,2の発現能を有する細胞株を
選択することにより、不死化細胞株を樹立することがで
きる。
【0016】上記SV40の温度感受性突然変異株ts
A58のラージT抗原遺伝子を導入したトランスジェニ
ックラットは、以下のようにして作製することができ
る。例えば、SV40の複製起点(ori)を欠失させ
たtsA58ori(−)−2の全DNAを制限酸素B
amHIで開環してpBR322に導入したプラスミド
pSVtsA58(−)−2(OhnoT. et al., Cytotec
hnology 7, 165-172, 1991)を常法に従い大腸菌内で大
量に増幅させ、この増幅したプラスミドを制限酵素Ba
mHIで切断してベクター部位を除去し、tsA58の
ラージT抗原遺伝子を有するDNA断片を調製する。こ
のラージT抗原遺伝子のプロモーターが内在するDNA
断片を常法に従いラット等の齧歯類などの動物の全能性
細胞に遺伝子導入することにより、SV40の温度感受
性突然変異株tsA58のラージT抗原遺伝子を全ての
細胞内に有する遺伝子導入ラット、すなわちトランスジ
ェニックラットを作出することができる。かかるトラン
スジェニックラットは、その全ての体細胞においてts
A58のラージT抗原遺伝子が発現することになる。そ
して、上記全能性細胞としては、受精卵や初期胚のほ
か、多分化能を有するES細胞などを具体的に挙げるこ
とができる。また、全能性細胞へのDNAの導入方法と
しては、マイクロインジェクション法、電気パルス法、
リポソーム法、リン酸カルシウム法等の公知の遺伝子導
入法を用いることができる。
【0017】上記ラット等の齧歯類などの動物の全能性
細胞(培養細胞)の核を、除核末受精卵に移植して初期
化すること(核移植)で卵子にSV40の温度感受性突
然変異株tsA58のラージT抗原遺伝子を導入するこ
とができる。また、前核期受精卵の雄生前核にSV40
の温度感受性突然変異株tsA58のラージT抗原遺伝
子をマイクロインジェクションして得られる卵子を仮親
の卵管に移植して産仔を得た後、注入した遺伝子を持つ
産仔を選出し、安定的にかかる遺伝子が組み込まれた個
体を得ることで、個体発生時にすでにtsA58のラー
ジT抗原遺伝子が各組織の細胞の染色体に組み込まれた
遺伝子導入ラット、すなわちトランスジェニックラット
を効率よく作出することができる。
【0018】本発明の血管内皮前駆細胞は、上記作出し
たトランスジェニックラットの骨髄から単核球を単離す
ることにより得ることができる。また、本発明の不死化
血管内皮細胞株は、かかる血管内皮前駆細胞を培養する
ことにより分化させることにより得ることができ、33
〜37℃において永久的増殖能を保持し、39℃におい
ては増殖を停止するための細胞固有の分化形質の発現を
制御することができるという特色を有している。また、
前記のように、樹立された不死化血管内皮細胞株は温度
感受性SV40ラージT抗原、VEGF受容体1、及び
TIE1,2の発現をRT−PCR及び/又はウエスタ
ンブロッテイング法で検出することにより同定すること
ができる。この不死化血管内皮細胞株は、50回の継代
培養後においても33℃で良好な増殖性を示し、血管内
皮前駆細胞としての機能を保持している。
【0019】本発明の不死化血管内皮細胞株や血管内皮
前駆細胞は、血管新生の関与する病態、例えば、固形腫
瘍、動脈硬化、糖尿病性網膜症、リウマチ性関節炎など
の研究や、これら病態に関連する疾患等の診断薬や治療
薬の開発を細胞レベルで研究するのに有用である。ま
た、本発明者らは同種のトランスジェニックラットから
不死化脳毛細血管周皮細胞株TR−PCT1株(FER
M BP−7024)を得ており(特願2000−37
827号参照)、かかる不死化脳毛細血管周皮細胞株と
本発明の不死化血管内皮細胞株や血管内皮前駆細胞とを
組み合わせることにより、血管新生のメカニズム、特に
新生血管の成熟化、例えば血管内皮細胞と周皮細胞との
相互作用や血管内皮細胞の臓器特異的な分化のモデル系
の構築が可能となる。以下、本発明の不死化血管内皮細
胞株や血管内皮前駆細胞を用いた血管内皮細胞を標的と
した医薬品等の有用物質のスクリーニング方法について
説明する。
【0020】本発明におけるスクリーニング方法として
は、被検物質の存在下、上記不死化血管内皮細胞株又は
血管内皮前駆細胞を培養し、該不死化細胞株におけるV
EGF受容体1又はTIE1,2等のマーカータンパク
質の活性及び/又は発現の程度を測定・評価する、不死
化血管内皮細胞株又は血管内皮前駆細胞におけるマーカ
ータンパク質発現の促進又は抑制物質のスクリーニング
方法や、被検物質の存在下、上記不死化血管内皮細胞株
又は血管内皮前駆細胞を培養し、該不死化細胞株のアセ
チル化LDLの取込み活性の程度を測定・評価する、不
死化血管内皮細胞株又は血管内皮前駆細胞におけるアセ
チル化LDLの取込み活性を促進又は抑制物質のスクリ
ーニング方法や、被検物質の存在下、上記不死化血管内
皮細胞株又は血管内皮前駆細胞を培養し、該不死化細胞
株におけるマトリジェル中における管腔構造形成能の程
度を解析・評価する、不死化血管内皮細胞株又は血管内
皮前駆細胞におけるマトリジェル中における管腔構造形
成の促進又は抑制物質のスクリーニング方法等を挙げる
ことができる。
【0021】不死化血管内皮細胞株又は血管内皮前駆細
胞におけるマーカータンパク質発現の促進又は抑制物質
のスクリーニングは、不死化血管内皮細胞株又は血管内
皮前駆細胞を種々の濃度の被検物質の存在下でそれぞれ
培養し、一定時間培養後に発現したマーカータンパク質
の量を検出・測定し、被検物質の不存在下に培養した対
照のものと比較・評価することにより行われる。例え
ば、血管内皮前駆細胞の表面マーカーであるVEGF受
容体1は、それぞれ特異抗体を用いた免疫化学的方法、
あるいはRT−PCR法により検出・測定することがで
きる。また、血管内皮細胞に特異的なTIE1,2は、
相当するmRNAの発現量を常法により検出することに
より測定することができる。上記不死化血管内皮細胞株
又は血管内皮前駆細胞におけるアセチル化LDLの取込
み活性を促進又は抑制物質のスクリーニングは、不死化
血管内皮細胞株又は血管内皮前駆細胞を種々の濃度の被
検物質の存在下でそれぞれ培養し、一定時間培養後にア
セチル化LDLの取込み活性を測定し、被検物質の不存
在下に培養した対照のものと比較・評価することにより
行われる。また、上記不死化血管内皮細胞株又は血管内
皮前駆細胞におけるマトリジェル中における管腔構造形
成の促進又は抑制物質のスクリーニングは、不死化血管
内皮細胞株又は血管内皮前駆細胞を種々の濃度の被検物
質の存在下でそれぞれ培養し、一定時間培養後にマトリ
ジェル中における管腔構造形成能の程度を解析し、被検
物質の不存在下に培養した対照のものと比較・評価する
ことにより行われる。これらスクリーニングにおいて、
血管内皮前駆細胞を用いる場合、かかる血管内皮前駆細
胞の各臓器の血管内皮細胞への分化に際して種々の活性
の促進又は抑制物質を得ることができる可能性がある。
【0022】そして、これらスクリーニング方法により
得られる不死化血管内皮細胞株又は血管内皮前駆細胞に
おけるマーカータンパク質や、不死化血管内皮細胞株又
は血管内皮前駆細胞におけるアセチル化LDLの取込み
活性促進又は抑制物質や、不死化血管内皮細胞株又は血
管内皮前駆細胞におけるマトリジェル中管腔構造形成促
進又は抑制物質は、血管新生の関与する疾患、例えば、
固形腫瘍、動脈硬化、糖尿病性網膜症、リウマチ性関節
炎などに関連する疾患を有する患者を治療するのに用い
られる治療薬、予防及び/又は症状改善剤として使用で
きる可能性があり、有用である。
【0023】以下の実施例をもって本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定され
るものではない。 実施例1(トランスジェニックラットの作出)SV40
の温度感受性突然変異株tsA58のDNAを導入した
トランスジェニックラットは、下記の手順で作出した。
【0024】(導入遺伝子の調製)マイクロインジェク
ションにはSV40の温度感受性突然変異株tsA58
のゲノムDNAを使用した。tsA58のゲノムDNA
を制限酵素BamHIで開環し、pBR322のBam
HI部位に導入し、SfiI配列をSacIIに変換して
SV40の複製起点(ori)を欠失するori(−)
としたDNAクローンpSVtsA58ori(−)−
2(Ohno T. et al., Cytotechnology, 165-172, 199
1;図1参照)から常法に従い導入用DNAを調製し
た。すなわち、大腸菌内で大量に増幅させることにより
得られたプラスミドDNAのpSVtsA58ori
(−)−2を制限酵素BamHI(宝酒造社製)で消化
した後、アガロース電気泳動法(1%ゲル;ベーリンガ
ー社製)により分離し、ゲルを溶解した後、フェノール
・クロロホルム処理及びエタノール沈殿処理を行いDN
Aを回収した。回収した精製DNAをTEバッファー
(1mMのEDTAを含む10mMのTris−HC
l;pH7.6)に溶解して170μg/mlの精製D
NAを含む溶液を得た。このDNA溶液を注入用バッフ
ァー(0.1mMのEDTAを含む10mMのTris
−HCl;pH7.6)で5μg/mlとなるように希
釈して注入用DNA溶液を調製した。なお、調製したD
NA溶液は注入操作まで−20℃で保存した。
【0025】(トランスジェニックラットの作出)ラッ
ト前核期受精卵への上記調製した注入用DNA溶液のマ
イクロインジェクションは下記の要領で行った。性成熟
した8週齢のウィスターラットを明暗サイクル12時間
(4:00〜16:00を明時間)、温度23±2℃、
湿度55±5%で飼育し、膣スメアにより雌の性周期を
観察して、ホルモン処理日を選択した。まず、雌ラット
により150IU/kgの妊馬血清性性腺刺激ホルモン
(日本ゼンヤク社製;PMS全薬(pregnanto mare ser
um gonadotropin:PMSG))を腹腔内投与し、その
48時間後に75IU/kgのヒト絨毛性性腺刺激ホル
モン(三共臓器社製;プベローゲン(human chorionic
gonadotropin:hCG))を投与して過剰排卵処理を行
った後、雄との同居により交配を行った.hCG投与3
2時間後に卵管灌流により前核期受精卵を採取した。卵
管灌流及び卵の培養にはmKRB液(Toyoda Y. and Ch
ang M.C., J. Reprod. Fertil., 36, 9-22, 1974)を使
用した。採取した受精卵を0.1%のヒアルロニダーゼ
(シグマ社製;Hyaluronidase Typel-S)を含むmKR
B液中で37℃、5分間の酵素処理を行い卵丘細胞を除
去した後、mKRB液で3回洗浄して酵素を除去し、D
NA注入操作までCO2−インキュベーター内(5%の
CO2−95%のAir,37℃、飽和湿度)に保存し
た。この様にして準備したラット受精卵の雄性前核に前
記DNA溶液を注入した。注入した228個の卵を9匹
の仮親に移植して出産させ80匹の産仔を得た。注入D
NAのラットへの導入は、離乳直後に断尾して得た尾よ
り調製したDNAをPCR法により検定した[使用プラ
イマー;tsA58−1A,5′−TCCTAATGT
GCAGTCAGGTG−3′(1365〜1384部
位に相当:配列番号1)、tsA58−1B,5′−A
TGACGAGCTTTGGCACTTG−3′(15
71〜1590部位に相当:配列番号2)]。その結
果、遺伝子導入の認められた20匹(雄6匹、雌8匹、
生別不明6匹)の産仔の中から性成熟期間を経過する1
2週齢まで生存した11ラインのトランスジェニックラ
ット(雄ライン:#07−2,#07−5,#09−
6,#12−3,#19−5,雌ライン:#09−7,
#11−6,#12−5,#12−7,#18−5,#
19−8)を得た。これらのG0世代のトランスジェニ
ックラットとウィスターラットを交配し、雄ファウンダ
ーの2ライン(#07−2,#07−5)と雌ファウン
ダーの3ライン(#09−7,#11−6,#19−
8)において次世代以降への遺伝子の伝達を確認した。
【0026】実施例2(骨髄からの血管内皮前駆細胞の
分離・調製) 骨髄からの血管内皮前駆細胞の分離・調製は次のように
して行った。実施例1で得られたSV40の温度感受性
変異株tsA58のラージT抗原遺伝子を導入したトラ
ンスジェニックラット(1匹)の大腿骨より、注射筒と
DPBSE(1mMの濃度でEDTAが含有したPB
S)を用いて、骨髄を採取した。採取した骨髄から常法
に従い細胞を採取し、得られた細胞を遠心操作(120
0rpm、5分間、4℃下)により集めて、0.13M
のクエン酸ナトリウム3mlに懸濁し、この懸濁液を3
mlのヒストパック(シグマ社製、#1077−1)が
入った15mlの遠心チューブに静かに重層した。この
混合物を遠心操作(2150rpm、20分間、室温)
後、中間に層状になった細胞(血管内皮前駆細胞)をピ
ペットにより採取して単核球画分とした。これら細胞を
3mlのDPBSEに懸濁し、遠心操作(2450rp
m、5分間、4℃)を行い、細胞を洗浄して、血管内皮
前駆細胞を調製した。
【0027】実施例3(血管内皮前駆細胞から内皮細胞
への分化と内皮細胞株の同定) これら骨髄から分離・調製した血管内皮前駆細胞を、E
GM−2ブリットキット(旭テクノグラス社製、#CC
M−3162、但し、かかるキット中のヒドロコルチゾ
ンは除く)10mlに懸濁し、あらかじめコラーゲンと
ファイブロネクチンでコートした100mmディッシュ
上で培養した。かかるコラーゲンとファイブロネクチン
でコートしたディッシュは、コラーゲンタイプI溶液
(和光純薬社製−#038−13892)に3倍量の6
0%エタノール水溶液を加え、これを2.4ml/ディ
ッシュに分注し、一晩クリーンベンチ内で乾燥させ、次
いでファイブロネクチン溶液(ヒト血漿ファイブロネク
チン(GibcoBRL社製−#33016−015)を40μ
g/mlになるようにPBSに溶解したもの)を12m
l/ディッシュずつ分注し、37℃で1時間インキュベ
ートし、PBSで2回洗浄することにより調製したもの
を用いた。
【0028】上記のように、骨髄から調製した血管内皮
前駆細胞をEGM−2ブリットキット培地中において、
37℃でコラーゲンとファイブロネクチンをコートした
ディッシュ上で培養すると、球形の浮遊細胞であった血
管内皮前駆細胞は3〜7日間で円盤状の形態の付着細胞
へと変化した。この37℃での培養を14日間継続し、
内皮細胞へと分化させた。この細胞をトリプシン−ED
TA溶液(0.25%のトリプシン、1mMのEDT
A;GibcoBRL社製−#15050−065)を用いてデ
ィッシュから回収し、8×103個の細胞をコラーゲン
とファイブロネクチンをコートした100mmディッシ
ュに播種し、33℃の炭酸ガス培養器内で培養してコロ
ニーを形成させた。4日ごとに培地を交換し、18日後
にペニシリンカップを用いてコロニーを単離した。
【0029】実施例4(内皮細胞株の同定) これら細胞についてアセチル化LDLの取り込みにより
内皮細胞であることの同定を以下のように行った。細胞
を直径12mmのカバーガラス上に2×104個播種
し、1晩培養し、RPMI1640(RPMI1640
ニッスイ社製−#05918に最終濃度で100U/m
lのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシ
ン及び2mMのグルタミン酸を添加し、さらに10%の
NaHCO 3により約pH7.2に調製したもの)で2
回洗浄した。これら細胞に、アセチル化LDL/RPM
I1640(DiI標識アセチル化LDL(Biomedical
Technologies社製−#BT−902)を10μg/m
lになるように添加したRPMI1640)を加え、3
7℃、5%CO2存在下で4時間インキュベーションし
た。次いでRPMI1640で2回洗浄した後、3%の
ホルマリン溶液で細胞を固定し、蒸留水で1回洗浄後、
スライドグラス上で包埋して蛍光顕微鏡で観察した。蛍
光顕微鏡写真を図1として示す(参考写真1及び2参
照)。そして、アセチル化LDLの取り込み活性の認め
られた細胞を内皮と同定した。かかる結果から、比較的
取り込み能の強い細胞株を1株選び、2回目の限界希釈
により再度クローニングを行った。
【0030】96穴プレートは100mmディッシュと
同様に、コラーゲンとファイブロネクチンでコートした
ものを用いた。この96穴プレートに前記細胞株を約
0.1cell/wellになるように希釈し、33
℃、5%CO2存在下で培養した。4日ごとに培地交換
を行い、コロニーの形成を待って、クローン化した。ク
ローン化した各細胞について、アセチル化LDL取り込
み能と、以下に述べるRT−PCRによるマーカー遺伝
子の発現の検討を行い、最も内皮細胞の形質を保持して
いると思われたクローンを骨髄由来血管内皮細胞株TR
−BME1とした。このTR−BME1株は、特許手続
上の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約
に基づいて、工業技術院生命工学工業技術研究所(茨城
県つくば市)に、受託番号「FERM BP−702
5」として寄託されている。
【0031】実施例5(RT−PCRによるマーカー遺
伝子の発現の検討) 上記TR−BME1株の性状解析として血管内皮細胞の
マーカー遺伝子といわれているVEGF受容体1、TI
E−1,2、フォンビルブラント因子(vWF)、VE
−カドヘリン(cadherin)の6種について、RT−PC
Rにより発現の検討を行った。TR−BME1株からの
RNAの調製は、細胞を100mmディッシュ1枚にお
およそ80%コンフルエントになるように前記EGM−
2ブリットキット培地で培養し、ISOGEN(ニッポ
ンジーン社製−#311−02501)を用いて、説明
書に従って行った。得られたRNAに対してDNase
(ニッポンジーン社製−#313−03161)処理を
行い、DNase処理後のRNAに対して、RevaT
ra Ace(東洋紡社製−#TRT−101)を用い
て、テクニカルノート(カタログp75参照)に従っ
て、逆転写反応を行った。
【0032】得られた逆転写反応産物2μlに対して、
PCR反応を行った。PCR反応における各遺伝子のプ
ライマーの組合せとしては、VEGF受容体1[セン
ス:5′−CAGAAGAGGATGAGGGTGTC
TA−3′(配列番号3)、アンチセンス:5′−CC
TAATGCCAAATGCCGAAGCC−3′(配
列番号4)]、TIE−1[センス:5′−TCTGC
CACCTGCCTCACCAT−3′(配列番号
5)、アンチセンス:5′−CCTGCAAAGTCT
CGATGGTCA−3′(配列番号6)]、TIE−
2[センス:5′−GGGCAAAAATGAAGAC
CAGCAC−3′(配列番号7)、アンチセンス:
5′−GCATCCATCCGTAACCCATCCT
−3′(配列番号8)]、vWF[センス:5′−GC
CTCTACCAGTGAGGTTTTGAAG−3′
(配列番号9)、アンチセンス:5′−ATCTCAT
CTCTTCTCTGCTCCAGC−3′(配列番号
10)]、VE−カドヘリン[センス:5′−GGCC
ATCTTCCTCTGCATCCTC−3′(配列番
号11)、アンチセンス:5′−ATGTGCAGTG
TGTCGTATGGG−3′(配列番号12)]をそ
れぞれ用いた。
【0033】PCRは、上記各プライマー20μMを2
μl、ExTaq(宝酒造社製−#RR001B)を
0.2μl、全量を50μlで行った。サーマルサイク
ルのプログラムは、変性温度が94℃で30秒、伸長反
応が72℃で60秒、アニーリング温度は、各プライマ
ーそれぞれについて、以下の通りとした。VEGF受容
体1では57℃、TIE−1では57℃、TIE−2で
は59℃、vWFでは65℃、VE−カドヘリンでは5
7℃で行った。以上の条件でRT−PCRを行った結果
を図2と図3に示す。図2から、TR−BME1株にお
いてはVEGF受容体1、TIE−1,2の発現が認め
られた。また、RT(−)のサンプルについてはバンドが
検出されなかったことから、これらPCR産物がDNA
由来ではなくRNA由来であることを確認することがで
きた。一方、図3においては、TR−BME1株ではv
WFやVE−カドヘリンは発現していなかったが、分化
の異なるどのような細胞でも常に発現しているG3PD
H(ハウスキーピング遺伝子)は発現していることを確
認した。なお、コントロールとして用いた脳の初代細胞
株(脳Primary)ではG3PDH及びVE−カドヘリン
の発現を確認した。
【0034】実施例6(管腔構造形成の確認) 24穴プレートにマトリジェル(ベクトン・ディッキン
ソン社製−#356234)を250μl/well入
れ、37℃で1時間インキュベーションし、ゲル化させ
た。TR−BME1株(4×104個)を500μlの
前記EGM−2ブリットキット培地に懸濁して、マトリ
ジェル上に播種し、37℃、5%CO2存在下で24時
間インキュベートした。播種後約1時間から細胞の形態
が変化し、13時間後には管腔構造の形成が認められ
た。培養開始1時間後のTR−BME1株の位相差顕微
鏡写真を図4(参考写真3参照)として、管腔構造の形
成が認められた培養開始13時間後のTR−BME1株
の位相差顕微鏡写真を図5(参考写真4参照)としてそ
れぞれ示す。
【0035】実施例7(ラージT抗原タンパク質発現と
温度依存性の発現量の低下の確認) ウエスタンブロット法により、ラージT抗原の発現につ
いて調べた。TR−BME1株を、前記EGM−2ブリ
ットキット培地を用いて100mmディッシュ上に80
%コンフルエントになるまで培養した後、培地をアスピ
レートして除去した。次いで、PBSで細胞を2回洗浄
後、溶解液(Lysis buffer:1%のSDS、10mMの
Tris−HCl、1mMのEDTA、10%のグリセ
リン;pH7.4)を200μl加え、セルスクレーパ
ーでかき取り、1.5mlチューブに移した。100℃
で10分間加熱処理後、26Gの注射針に2〜3回通
し、12000rpmで5分間遠心し、上清を新しいチ
ューブに移し、細胞溶解物(cell lysate)とした。タ
ンパク質濃度はBCAプロテインアッセイキット(PI
ERCE社製−#23225)を用いて測定した。7.
5%のアクリルアミドゲルを用いて、常法(Laeml
iの条件)に従い、SDS−PAGEを行った。電気泳
動後、タンク式のブロッティング装置を用いて、ブロッ
ティング溶液(25mMのTris、192mMのグリ
シン)中で、100Vの定電圧で1時間かけてニトロセ
ルロースメンブレンにブロットした。5%のスキムミル
ク中に1時間保持してブロッキングし、PBS−T
(0.025%のTween20が含有したPBS)で
1回洗浄後、1次抗体溶液中(抗SV40T抗原抗体
(Oncogene社製−#DP02)を1%のBSAを含むP
BSで2μg/mlに希釈したもの)に室温で1時間保
持した。PBS−T中に5分間放置してから洗浄する操
作を3回繰り返した後、2次抗体溶液中(抗マウス抗体
HRP接合体(Amersham Pharmacia社製−#RPN21
06M1)を、1%のBSAを含むPBSで1/200
0倍に希釈したもの)に室温で1時間保持した。PBS
−T中に5分間放置してから洗浄する操作を4回繰り返
した後、ECLウエスタンブロッティング検出試薬(Am
ersham Pharmacia社製−#RPN2109)を用いて、
ラージT抗原タンパク質の検出を行った。その結果、T
R−BME1株にラージT抗原が発現していること、3
7℃で4日間前記EGM−2ブリットキット培地で培養
することにより、ラージT抗原の発現量が減少すること
が確認された。
【0036】(TR−BME1株の性状)以上の結果か
ら、温度感受性ラージT抗原トランスジェニックラット
の骨髄より樹立した不死化細胞株であるTR−BME1
株は、強いアセチル化LDLの取り込み能を有してお
り、マトリジェル上での管腔構造形成能を持ち、VEG
F受容体1、TIE−1,2を発現していることから、
血管内皮細胞と同定することができ、さらに、TR−B
ME1株はコラーゲン−ファイブロネクチンをコートし
たディッシュ上では、vWFとVE−カドヘリンを発現
していないが、管腔構造形成能を有することから、完全
には分化していない内皮細胞と考えられる。例えば、血
管内皮細胞のスタンダードとして最も広く用いられてい
るヒト臍帯静脈内皮細胞HUVECにはvWFとVE−
カドヘリンのいずれもが発現しており、特に、VE−カ
ドヘリンは、抗VE−カドヘリン抗体により管腔構造の
形成が阻害されることから、内皮細胞間の接着に機能し
ている分子であることを考慮すると、TR−BME1株
はコラーゲン−ファイブロネクチンをコートしたディッ
シュ上では一部未分化な状態にあり、マトリジェル上で
分化する性状を有していると考えられる。以上のことか
ら、TR−BME1株は、既存の血管から単離された内
皮細胞とは異なり、新生血管のモデルとして、血管成熟
化の過程の解析・研究に有用であると考えられる。
【0037】
【発明の効果】本発明の不死化血管内皮細胞株や血管内
皮前駆細胞は、血管新生の関与する病態、例えば、固形
腫瘍、動脈硬化、糖尿病性網膜症、リウマチ性関節炎な
どの研究や、これら病態に関連する疾患等の診断剤や治
療薬の開発を細胞レベルで研究するのに有用である。ま
た、不死化脳毛細血管周皮細胞株と本発明の不死化血管
内皮細胞株や血管内皮前駆細胞とを組み合わせることに
より、血管新生のメカニズム、特に新生血管の成熟化、
例えば血管内皮細胞と周皮細胞との相互作用や血管内皮
細胞の臓器特異的な分化のモデル系の構築が可能とな
る。
【0038】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Japan Science and Technology Corporation <120> Immortalized Vascular Endothelial Cell Line <130> A081P08 <140> <141> <160> 12 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Primer <400> 1 tcctaatgtg cagtcaggtg 20 <210> 2 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Primer <400> 2 atgacgagct ttggcacttg 20 <210> 3 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Primer <400> 3 cagaagagga tgagggtgtc ta 22 <210> 4 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Primer <400> 4 cctaatgcca aatgccgaag cc 22 <210> 5 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Primer <400> 5 tctgccacct gcctcaccat 20 <210> 6 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Primer <400> 6 cctgcaaagt ctcgatggtc a 21 <210> 7 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Primer <400> 7 gggcaaaaat gaagaccagc ac 22 <210> 8 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Primer <400> 8 gcatccatcc gtaacccatc ct 22 <210> 9 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Primer <400> 9 gcctctacca gtgaggtttt gaag 24 <210> 10 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Primer <400> 10 atctcatctc ttctctgctc cagc 24 <210> 11 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Primer <400> 11 ggccatcttc ctctgcatcc tc 22 <210> 12 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Primer <400> 12 atgtgcagtg tgtcgtatgg g 21
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のTR−BME1によるDiI−アセチ
ル化LDLの取り込みを示す図である。
【図2】本発明のTR−BME1でのVEGF受容体
1、TIE1及びTIE2の発現を示す図である。
【図3】本発明のTR−BME1でのvWF、VE−カ
ドヘリン及びG3PDHの発現を示す図である。
【図4】本発明のTR−BME1による培養開始1時間
後のマトリゲル上での管腔構造の形成を示す図である。
【図5】本発明のTR−BME1による培養開始1時間
後のマトリゲル上での管腔構造の形成を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/50 C12N 15/00 ZNAA (72)発明者 帯刀 益夫 宮城県仙台市青葉区八幡5−3−10−402 Fターム(参考) 2G045 AA29 AA40 BB20 CB01 CB13 FB02 4B024 AA11 BA63 CA01 DA02 GA18 HA01 HA11 4B063 QA05 QA19 QQ08 QQ79 QQ91 QR48 QR77 QS33 QS40 QX01 4B065 AA91X AA95Y AB01 AC01 BA01 BA06 BC46 BC50 CA24 CA46

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血管内皮前駆細胞の培養により得られ
    る、アセチル化LDLの取込み活性を有し、VEGF受
    容体1及びTIE1,2の発現能を保持したことを特徴
    とする不死化血管内皮細胞株。
  2. 【請求項2】 血管内皮前駆細胞が、骨髄に由来するこ
    とを特徴とする請求項1記載の不死化血管内皮細胞株。
  3. 【請求項3】 SV40の温度感受性突然変異株tsA
    58のラージT抗原遺伝子の発現能を有することを特徴
    とする請求項1又は2記載の不死化血管内皮細胞株。
  4. 【請求項4】 マトリジェル中において管腔構造形成能
    を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載
    の不死化血管内皮細胞株。
  5. 【請求項5】 齧歯類起源であることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか記載の不死化血管内皮細胞株。
  6. 【請求項6】 齧歯類がラットであることを特徴とする
    請求項5記載の不死化血管内皮細胞株。
  7. 【請求項7】 不死化血管内皮細胞株TR−BME1株
    (FERM BP−7025)。
  8. 【請求項8】 SV40の温度感受性突然変異株tsA
    58のラージT抗原遺伝子を導入したトランスジェニッ
    クラットの骨髄から単離して得られる血管内皮前駆細胞
    を培養して、アセチル化LDLの取込み活性を有し、温
    度感受性SV40ラージT抗原、VEGF受容体1及び
    TIE1,2を発現する不死化細胞を樹立することを特
    徴とする不死化血管内皮細胞株の製造方法。
  9. 【請求項9】 血管内皮前駆細胞が、マトリジェル中に
    おいて管腔構造形成能を有することを特徴とする請求項
    8記載の不死化血管内皮細胞株の製造方法。
  10. 【請求項10】 骨髄に由来し、その培養により、アセ
    チル化LDLの取込み活性を有し、VEGF受容体1及
    びTIE1,2の発現能を保持した不死化血管内皮細胞
    株に分化することができることを特徴とする血管内皮前
    駆細胞。
  11. 【請求項11】 不死化血管内皮細胞株が、SV40の
    温度感受性突然変異株tsA58のラージT抗原遺伝子
    の発現能を有することを特徴とする請求項10記載の血
    管内皮前駆細胞。
  12. 【請求項12】 不死化血管内皮細胞株が、マトリジェ
    ル中において管腔構造形成能を有することを特徴とする
    請求項10又は11記載の血管内皮前駆細胞。
  13. 【請求項13】 齧歯類起源であることを特徴とする請
    求項10〜12のいずれか記載の血管内皮前駆細胞。
  14. 【請求項14】 齧歯類がラットであることを特徴とす
    る請求項13記載の血管内皮前駆細胞。
  15. 【請求項15】 被検物質の存在下、請求項1〜7のい
    ずれか記載の不死化血管内皮細胞株又は請求項10〜1
    4のいずれか記載の血管内皮前駆細胞を培養し、該不死
    化細胞株におけるマーカータンパク質の活性及び/又は
    発現の程度を測定・評価することを特徴とする不死化血
    管内皮細胞株又は血管内皮前駆細胞におけるマーカータ
    ンパク質発現の促進又は抑制物質のスクリーニング方
    法。
  16. 【請求項16】 マーカータンパク質が、VEGF受容
    体1又はTIE1,2であることを特徴とする請求項1
    5記載の不死化血管内皮細胞株又は血管内皮前駆細胞に
    おけるマーカータンパク質発現の促進又は抑制物質のス
    クリーニング方法。
  17. 【請求項17】 被検物質の存在下、請求項1〜7のい
    ずれか記載の不死化血管内皮細胞株又は請求項10〜1
    4のいずれか記載の血管内皮前駆細胞を培養し、該不死
    化細胞株のアセチル化LDLの取込み活性の程度を測定
    ・評価することを特徴とする不死化血管内皮細胞株又は
    血管内皮前駆細胞におけるアセチル化LDLの取込み活
    性を促進又は抑制物質のスクリーニング方法。
  18. 【請求項18】 被検物質の存在下、請求項1〜7のい
    ずれか記載の不死化血管内皮細胞株又は請求項10〜1
    4のいずれか記載の血管内皮前駆細胞を培養し、該不死
    化細胞株におけるマトリジェル中における管腔構造形成
    能の程度を解析・評価することを特徴とする不死化血管
    内皮細胞株又は血管内皮前駆細胞におけるマトリジェル
    中における管腔構造形成の促進又は抑制物質のスクリー
    ニング方法。
  19. 【請求項19】 請求項15又は16記載のスクリーニ
    ング方法により得られる不死化血管内皮細胞株又は血管
    内皮前駆細胞におけるマーカータンパク質発現促進物
    質。
  20. 【請求項20】 請求項17記載のスクリーニング方法
    により得られる不死化血管内皮細胞株又は血管内皮前駆
    細胞におけるアセチル化LDLの取込み活性促進物質。
  21. 【請求項21】 請求項18記載のスクリーニング方法
    により得られる不死化血管内皮細胞株又は血管内皮前駆
    細胞におけるマトリジェル中管腔構造形成促進物質。
  22. 【請求項22】 請求項15又は16記載のスクリーニ
    ング方法により得られる不死化血管内皮細胞株又は血管
    内皮前駆細胞におけるマーカータンパク質発現抑制物
    質。
  23. 【請求項23】 請求項17記載のスクリーニング方法
    により得られる不死化血管内皮細胞株又は血管内皮前駆
    細胞におけるアセチル化LDLの取込み活性抑制物質。
  24. 【請求項24】 請求項18記載のスクリーニング方法
    により得られる不死化血管内皮細胞株又は血管内皮前駆
    細胞におけるマトリジェル中管腔構造形成抑制物質。
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