JP2002111739A - パケット通信システム中でのディスパッチ通信を行うための方法およびパケットデジタル通信システム中でデータパケットをリシーケンスするための方法およびデータパケットシーケンサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 データパケットの受領者により理解可能な方
法で、データパケットを有効にシーケンシングするため
の方法および装置を提供する。 【解決手段】 本発明は、パケットデジタル通信システ
ムにおいて複数のデバイスから受信されたデータパケッ
トをリシーケンスするための方法および装置を提供す
る。データパケットのセットが、データパケットシーケ
ンサにより受信される。各データパケットは、データパ
ケットのオリジネータのインジケータを含む。データパ
ケットシーケンサは、データパケットのセットを、好ま
しくは入力バッファに記憶する。データパケットシーケ
ンサは、第１のデータパケットを検索し、かつ第１のデ
ータパケットのオリジネータを決定することにより、デ
ータパケットを並び替える。そして、データパケットシ
ーケンサは、第１のオリジネータにより発せられなかっ
たデータパケットを送信する前に、第１のデータパケッ
トの第１のオリジネータから発せられた全てのデータパ
ケットを送信する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル通信シス
テムに係り、特に、パケットデジタル通信システムにお
けるデータパケットのリシーケンシング（re-sequencin
g）のための方法および装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】典型的なセルラ通信は、ユーザ対ユーザ
呼びである。これらのセルラ呼びにおいて、第１のセル
ラユーザは、セルラユーザまたはランドラインユーザで
あり得る第２のユーザの電話番号をダイヤルする。第２
のユーザがその呼びに応答すると仮定すると、全二重
（full-duplex）通信が行われ、第１および第２のユー
ザの両方が、他のユーザに対して音声信号を送受信する
ことができる。これらの音声信号は、同時に送受信され
得る。

【０００３】ディスパッチシステム(dispatch system)
は、典型的には、１対多（one-to-many）通信である。
ディスパッチ呼びは、典型的には、システムのユーザの
グループに対してディスパッチ呼びを開始するディスパ
ッチャにより開始される。例えば、タクシー会社のため
のディスパッチャは、特定の住所における顧客をピック
アップすることが可能な何れかの運転手を求めるディス
パッチ要求を全てのタクシー運転手に対して送出するこ
とができる。ディスパッチ呼びにおける通信は、典型的
には、シンプレックス（simplex）または半二重（half-
duplex）であり、音声データは、典型的には、ディスパ
ッチャからユーザのグループへ単一方向に進む。

【０００４】全てのディスパッチシステムに本来的な１
つの問題が、複数のユーザが１つのディスパッチメッセ
ージに応答するときに起きる。そのようなシナリオにお
いて、複数のユーザが、しばしば同時に応答する。上記
した例において、複数のタクシー運転手が、示された住
所において顧客をピックアップする意志がありかつ可能
であると応答する可能性がある。そのような状況におい
て、複数のユーザからの応答は、典型的に、結合され、
複数の応答の受領者が、それらを判読することを不可能
にする。しばしば、ディスパッチャは、ユーザへ、それ
らの応答を再送信するよう要求する第２のメッセージを
送らなければならない。ディスパッチャは、どのユーザ
が最初に応答すべきかを特に述べなければならない可能
性がある。これは、資源の非常に非効率的な利用を導
く。

【０００５】パケット通信システムにおいて、元のディ
スパッチメッセージの受領者により送られる応答は、し
ばしばインタリーブされる。インタリービングは、一人
のユーザからのパケットが連続的でないデータストリー
ムを形成するために、複数のユーザからのパケットの順
序をアレンジするプロセスを指す。インタリービング
は、データ誤りが一人のユーザの通信を不調和に影響を
与える可能性を低減することに有効であるが、これは、
他の望ましくない特徴を有する可能性がある。

【０００６】パケット通信システムにおけるディスパッ
チ呼びに生じる１つの問題は、応答するユーザの音声パ
ケットが、一緒に混合されることである。混合された音
声パケットは、再生されるとき、しばしば、理解できる
音声パターンを形成せず、複数の応答者の理解できない
合成物となる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】したがって、データパ
ケットの受領者により理解可能な方法で、データパケッ
トを有効にシーケンシングするための方法および装置に
対する必要性がある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の１つの目的は、
パケット通信システムにおいてデータパケットをリシー
ケンシング（re-sequencing）するための方法および装
置を提供することである。本発明は、特に、パケット通
信システムにおいてなされたディスパッチ呼びに対して
有用であるが、この用途にのみ限定されるものではな
い。

【０００９】本発明の好ましい実施形態は、ディスパッ
チ要求に応じる複数の応答から受信したデータパケット
をリシーケンスする方法および装置を提供する。典型的
なディスパッチ呼びにおいて、ディスパッチ要求は、デ
ィスパッチャから送られる。ディスパッチ呼びは、１対
多（one-to-many）通信であり、ディスパッチ要求は、
ディスパッチグループ中の複数のユーザに行く。

【００１０】ディスパッチ応答は、ディスパッチ要求に
応じたディスパッチグループ中のユーザのうちの一人か
らの通信である。ディスパッチ応答は、好ましくは、デ
ィスパッチグループの全てのメンバーに送られることが
好ましいが、代替的に、ディスパッチャ(dispatcher)の
ようなディスパッチ要求のオリジネータ(originator)へ
送られ得る。

【００１１】ディスパッチシステムにおける１つの問題
は、複数のユーザが、実質的に同時にディスパッチ応答
を出す可能性があることである。典型的なディスパッチ
通信システムにおいて、これらの応答は、同時に送信さ
れ、応答が、しばしば理解不可能になるように、音声が
一緒に加えられる。

【００１２】しかし、本発明を使用して、ユーザからの
受信されたデータパケットは、データパケットシーケン
サに記憶され得る。データパケットシーケンサは、ディ
スパッチ応答のオリジネータに基づいて、データパケッ
トを並び替える。データパケットシーケンサは、リシー
ケンスされたデータパケットを出力する。このようにし
て、ディスパッチ呼びに応答するユニットからのデータ
パケットが、オリジネータおよび応答時間に基づく順序
で、送信されかつ再生される。これは、スピーチを理解
可能なものにする。

【００１３】また、データパケットを記憶する能力を有
することにより、本発明は、全てのディスパッチ応答デ
ータパケットの最終的な送信を提供する。データパケッ
トは、リシーケンスされるが、データパケットの記憶
は、データパケットが失われないように、ディスパッチ
応答パケットを記憶することにより、信頼性を向上させ
る。このようにして、データパケットは、データパケッ
トシーケンサにより送信されることになる。

【００１４】そして、本発明は、パケット通信システム
においてデータパケットをリシーケンスし、これによ
り、そのようなシステムにおけるディスパッチ呼びの機
能を改善する方法および装置を提供する。

【００１５】

【発明の実施の形態】図１は、ディスパッチコンソール
１０１、ワイヤレスパケットデータネットワーク１０
３、およびデータパケットシーケンサ１０５を含む本発
明の好ましい実施形態によるパケットデジタル通信シス
テム１００を示す。通信システム１００は、好ましく
は、符号分割多元接続（ＣＤＭＡ）システムであるが、
代替的に、時分割多元接続（ＴＤＭＡ）システム、ＧＳ
Ｍ（Global System for Mobile Communications）シス
テム、または何れかのパケット通信システムであり得
る。本発明を使用して、通信システム１００は、音声デ
ィスパッチ呼びを実効する上で有効である。複数の移動
体ユニット１０７Ａ，１０７Ｂ，および１０７Ｃが、示
されており、これらは、ベーストラシーバステーション
（ＢＴＳ）１０９および１１０と通信する。

【００１６】ワイヤレスアクセスネットワーク１０２
は、ワイヤレスネットワーク１０３、ベーストランシー
バステーション１０９および１１０、および基地局コン
トローラ（ＢＳＣ）１１１を含む。ベーストランシーバ
ステーション１０９および１１０は、好ましくは、基地
局コントローラ（ＢＳＣ）１１１に結合されて、これに
より制御される。ＢＳＣ１１１は、信号分配ユニット
（ＳＤＵ）等であり得る。ＢＳＣ１１１は、好ましく
は、ＭＳＣサーキットスイッチおよびデータインターワ
ーキングファンクションに結合されている。データイン
ターワーキングファンクションは、好ましくは、ＩＰル
ータに結合される。

【００１７】ワイヤレスアクセスネットワーク１０２
は、インターネットプロトコル（ＩＰ）を使用するイン
ターネットまたはイントラネットであり得る。ワイヤレ
スアクセスネットワーク１０２は、図示しない他のパケ
ットデータネットワークまたはワイヤレスアクセスネッ
トワークに結合され得る。

【００１８】ワイヤレスアクセスネットワーク１０２
は、移動体ユニット１０７Ａ−１０７Ｃとの通信に有効
である。ワイヤレスアクセスネットワーク１０２は、オ
リジネーティング(originating)移動体ユニットからの
ディスパッチ要求およびオリジネーティング移動体ユニ
ットからのデータパケットの受信に有効である。ディス
パッチ要求の受信により、ワイヤレスアクセスネットワ
ーク１０２は、ディスパッチ要求およびデータパケット
を、パケットデータネットワーク１０３へ送信する。Ｂ
ＴＳ１０９−１１１は、既知のＲＦ技法を使用して移動
体ユニット１０７Ａ−１０７Ｃと通信する。

【００１９】パケットデータシーケンサ１０５は、図２
により詳細に説明される。図２は、本発明の好ましい実
施形態によるデータパケットシーケンサ１０５を示す。
パケットデータシーケンサ１０５は、好ましくは、パケ
ット入力モジュール２０１、制御モジュール２０３、入
力バッファ２０５、パケット入力モジュール２０７、お
よびトーンテーブル２０９を含む。入力モジュール２０
１およびパケット出力モジュール２０７は、物理的に、
同じデバイス中に配置され得る。

【００２０】パケット入力モジュール２０１は、ワイヤ
レスアクセスネットワーク１０２との結合に有効であ
る。パケット入力モジュール２０１は、図３により詳細
に説明されるデータパケット３００のセットの受信に有
効である。データパケットシーケンサ１０５は、即座に
送信されないデータパケットを、入力バッファ２０５へ
記憶する。ディスパッチ要求は、好ましくは、ディスパ
ッチコンソール１０１からデータパケットシーケンサ１
０５へ送信され、データパケットシーケンサ１０５は、
ワイヤレスネットワーク１０３を通るメッセージを経路
選択する。ワイヤレスネットワーク１０３は、メッセー
ジをＢＳＣ１１１へ送りＢＳＣ１１１は、そのメッセー
ジを適切なＢＴＳへ送る。

【００２１】ディスパッチ要求は、代替的に、ワイヤレ
スユニット１０７Ａ−１０７Ｃのうちの１つから開始す
ることができる。そのようなシノリアにおいて、要求
が、エアを介して、移動体ユニットからＢＴＳへ送ら
れ、ＢＴＳは、その要求をＢＳＣ１１１へ送り、ＢＳＣ
１１１は、メッセージをワイヤレスネットワーク１０１
へ送り、ワイヤレスネットワーク１０１は、メッセージ
を、データパケットシーケンサ１０５を通してディスパ
ッチコンソール１０１へ送る。

【００２２】制御モジュール２０３は、データパケット
ストリーム中の各データパケットのオリジネータの同定
に有効である。制御モジュール２０３は、出力セッショ
ンが進行中であるかどうかの決定に有効である。ここで
使用されるように、「出力セッション」の用語は、デー
タパケットのセットから１つのデータパケットを送信す
る現在アクティブなプロセスを指す。出力セッション
が、進行していない場合、制御モジュール２０３は、入
力バッファ２０５中に記憶されたデータパケットがある
場合、制御モジュール２０３は、出力セッションを確立
する。

【００２３】パケット出力モジュール２０７は、好まし
くは、ディスパッチコンソールに結合され、オリジネー
タにより送られた全てのデータパケットの送信に有効で
ある。

【００２４】トーンテーブル２０９は、複数の可聴トー
ンを表現するものを含む。例えば、各移動体ユニットに
は、システムに登録されるとき、固有のトーンが割り当
てられ、この固有のトーンの表現が、移動体ユニットの
ユーザ識別子と共にトーンテーブル２０９に記憶され
る。トーンは、パケットデータシーケンサ１０５により
第１のパケットが出力される前に、生成される。トーン
は、異なるユーザからのパケットが、送信されるディス
パッチグループのユーザを示す。このようにして、トー
ンは、新しいユーザからの通信をディスパッチメンバー
に警報する。

【００２５】本発明の好ましい実施形態において、制御
モジュール２０３は、トーンテーブル２０９をチェック
し、オリジネーティング移動体ユニットが、関連するト
ーンを有するかどうかを決定する。制御モジュール２０
３が、オリジネーティング移動体ユニットは、関連する
トーンを有すると決定した場合、制御モジュール２０３
は、その関連するトーンを使用する。

【００２６】制御モジュール２０３が、オリジネーティ
ング移動体ユニットは、関連するトーンを有しないと決
定した場合、制御モジュール２０３は、デフォルトのト
ーンをオリジネーティング移動体ユニットに関連づけ
る。好ましい実施形態において、複数のデフォルトトー
ンが、トーンテーブル２０９に記憶される。制御モジュ
ール２０３は、好ましくは、関連するトーンまたはデフ
ォルトトーンを、ディスパッチグループメンバーに関連
づけられた第１の出力パケットに挿入する。

【００２７】図３は、本発明の好ましい実施形態による
複数のオリジネータから受信されるデータパケット３０
０のセットを示す。図３に示された実施形態において、
データパケット３００は、データパケット３０１−３１
６を含む。データパケット３０１−３１６は、３個のワ
イヤレスデバイス、ワイヤレスデバイス１０７Ａ、ワイ
ヤレスデバイス１０７Ｂ、およびワイヤレスデバイス１
０７Ｃから受信された。本発明の好ましい実施形態にお
いて、各データパケットは、パケットヘッダを含み、制
御モジュールは、パケットヘッダによりパケットのオリ
ジネータを同定することに有効である。

【００２８】データパケット３０１−３１６は、各デー
タパケットがそれから受信されたワイヤレスデバイス、
およびデータパケットが受信された順序を示す。例え
ば、図３に示されたデータパケット３００のセットにお
いて、パケット３０１は、受信された１番目のパケット
を記憶する。これは、シンボルＡ１により示されている
ように、ワイヤレスデバイス１０７Ａから受信された１
番目のパケットである。受信された２番目のパケット
は、ワイヤレスデバイス１０７Ｂから受信され、パケッ
ト３０２中のＢ１として示されている。データパケット
３００のセットは、移動体ユニット１０７Ｂから受信さ
れた５番目のパケットに対応する１６番目の受信パケッ
ト、パケット３１６まで続く。このパケットは、パケッ
ト３０１−３１５の後に受信された。

【００２９】データパケット３００のセットは、好まし
くは、最初に、それらが受信された順序に並べられる。
結果として、図３に示されているように、第１の受信パ
ケットＡ１は、パケットメモリ３０１中に記憶される。
第２の受信パケットＢ１は、パケットメモリ３０２中に
記憶される。これから分かるように、この例によるデー
タパケットは、データパケットがインタリーブされるよ
うに、複数のソースからほぼ同時に受信される。パケッ
トが、それらが受信された順序で出力される場合、これ
らのインターリーブされたパケットを受信するどのデバ
イスも、送信を意味あるものにすることが困難になる。

【００３０】図４は、本発明の好ましい実施形態による
パケットデータシーケンサにより並べ換えられた後の図
３のパケットのセットを示す。本発明の好ましい実施形
態において、データパケットシーケンサは、ワイヤレス
デバイス１０７Ａから受信された全てのパケットが、い
ずれか他のユーザにより送信されたパケットより前に送
信されるように、パケットを並べ換えた。図４に示され
好ましい実施形態において、ワイヤレスデバイス１０７
Ａから受信された全てのパケットの送信の後、ワイヤレ
スデバイス１０７Ｂから送られた全てのパケットが、ワ
イヤレスデバイス１０７Ｃからのパケットを送る前に送
られることになる。

【００３１】このようにして、各ワイヤレスデバイスか
らのデータパケットは、それらが時間順（chronologica
l）に受信されたようにリシーケンスされるが、それら
は、オリジネータにより時間順に組織されるようにリシ
ーケンスされる。したがって、第１の受信パケットを送
信する移動体ユニットは、最初に出力待ち行列中に入れ
られたその移動体ユニットから送られた全てのパケット
を有し、その後、第２の受信移動体ユニットによりオリ
ジネートされた全てのパケットが続くという具合にな
る。このようにして、並べ換えられて処理されるとき、
スピーチが理解可能となるように、パケットは、オリジ
ネータに従って再組織化される。

【００３２】図５は、本発明の好ましい実施形態による
複数のデバイスから受信されたデータをリシーケンスす
る方法のフローチャート５００を示す。好ましい実施形
態において、データパケットは、複数のデバイスにより
受信される。本発明の代替的な実施形態において、複数
のデータパケットは、同じデバイスから受信され得る。
この実施形態において、データパケットは、複数のセッ
ションに分類されることができ、各セッションは、関連
する通信を指し、異なるセッションは、典型的には、異
なる通信を指す。

【００３３】本発明の好ましい実施形態によれば、ステ
ップ５０１において、データパケットシーケンサは、図
３に示されたようなデータパケットのセットを受信す
る。各データパケットは、好ましくは、データパケット
のオリジネータのインジケータを含む。好ましい実施形
態において、データパケットは、ストリームになってお
り、これは、それらが、連続的にデータパケットシーケ
ンサに到着し、バッチで到着しないことを意味する。

【００３４】パケットデータシーケンサは、ステップ５
０３において、データパケットのセットを、好ましく
は、パケットデータシーケンサ中に配置された入力バッ
ファに記憶する。好ましい実施形態において、データパ
ケットシーケンサは、データパケットを所望の順序で送
信する必要がある限りにおいて、パケットを記憶するだ
けである。いくつかのパケットは、一時的に記憶され、
ほとんど即座に送信される。例えば、データパケットシ
ーケンサにより受信された第１のパケットは、データパ
ケットシーケンサにより、第１のパケットのオリジネー
タからの他のパケット共に、非常に迅速に送信されるこ
とになる。

【００３５】データパケットシーケンサから受信された
何れのパケットも、第１のオリジネータからのパケット
を送信する一方で、より長い時間ピリオドについてバッ
ファされることになる。パケットデータシーケンサは、
好ましくは、データパケットがデータパケットシーケン
サに記憶されているという表示を、ディスパッチグルー
プ中の移動体ユニットへ送信する。これは、例えば移動
体ユニットのインジケータライトを点灯することによ
り、データパケットが記憶されていることをユーザに警
報することを移動体ユニットに指示するメッセージを移
動体ユニットへ送ることによりなされ得る。

【００３６】送信準備ができているとき、パケットデー
タシーケンサは、入力バッファから第１のデータパケッ
トを検索する（ステップ５０５）。検索された第１のデ
ータパケットは、好ましくは、このディスパッチ呼びに
対するパケットデータシーケンサに到着した第１のデー
タパケットである。パケットデータシーケンサは、第１
のデータパケットから第１のデータパケットのオリジネ
ータのインジケータを決定する。

【００３７】パケットデータシーケンサは、ステップ５
０７において、記憶されたデータパケットの各々を検索
し、記憶されたデータパケットの各々のオリジネータを
決定する。パケットデータシーケンサは、好ましくは、
それぞれが各オリジネータについてのものである複数の
リンクされたリストを作成する。各リンクされたリスト
中の第１のエレメントは、好ましくは、そのユーザに対
するトーンである。上述したように、トーンは、ユーザ
に関連するトーンであるかまたはデフォルトトーンの何
れかであり得る。

【００３８】リスト中の次のエレメントは、そのオリジ
ネータから受信された第１のパケットである。そして、
リンクは、このユーザにより発せられた次のパケットへ
出て、このリンクされたリストは、リストが、このユー
ザから受信された最後のパケットへリンクされるまで続
く。この時点において、リンクリストは、ナルレコー
ド、デフォルトのデコードの終わり、またはユーザから
送られた最後のパケットに到達したと言うことを示すい
ずれか他のエレメントを指し得る。

【００３９】パケットデータシーケンサは、複数のデー
タパケット中の送信パケットの終わりを検出することに
より、パケットがオリジネータにより発せられた最後の
パケットであるかどうかを決定する。

【００４０】これが送り手に関連する最初のパケットで
あると決定された場合、パケットデータシーケンサは、
好ましくは、タイマーをスタートさせる。タイマーの満
了により、パケットデータシーケンサは、以下のよう
に、第２のオリジネータを決定する。第２のオリジネー
タのパケットを送るステップは、次のパケットを検索す
るステップ、第２のオリジネータを決定するステップ、
および第２のオリジネータにより発せられた全てのデー
タパケットを送るステップを含む。

【００４１】そして、パケットデータシーケンサは、ス
テップ５０９において、第１のデータパケットのオリジ
ネータにより発せられた全てのデータパケットを送信す
る。これは、好ましくは、オリジネータにより発せられ
なかったデータパケットの送信に先立って行われる。

【００４２】このプロセスは、好ましくは、各オリジネ
ータに対して続けられる。例えば、パケットデータシー
ケンサは、第１のデータパケットのオリジネータと区別
される第２のオリジネータのインジケータを決定し、第
２のオリジネータにより発せられなかった全てのデータ
パケットを送信する。第２のユーザにより発せられた全
てのパケットが送信された後、パケットデータシーケン
サは、第３のユーザにより発せられた全てのパケットを
送信する。このプロセスは、全ての受信されたデータパ
ケットが送信されるまで続けられる。

【００４３】パケットデータシーケンサは、好ましく
は、ステップ５１１において、第１のデータパケットに
先だってトーンを挿入する。トーンは、好ましくは、特
定のユーザに相関づけられ、トーンテーブルから検索さ
れる。代替的な実施形態において、ユーザは、対応する
トーンを有さず、パケットデータシーケンサは、デフォ
ルトトーンを第１のデータパケットに付加する。トーン
は、データパケットシーケンサからの送信が、今、以前
の送信とは異なるユーザからのものであると言うことを
示すために使用される。これは、異なる応答者が離して
いることを、ディスパッチャおよびディスパッチグルー
プの他のメンバーに示す。

【００４４】このようにして、複数のソースから受信さ
れた複数のパケットが、送信の前に並び替えられる。こ
れは、ディスパッチ呼びを発したディスパッチャのよう
なパケットの受領者が、聞き取りのような処理をより理
解できるようにする順序でパケットを受信することを可
能にする。これにより、本発明は、特に、ディスパッチ
能力を含むパケット通信システムにおいて、通信を改良
することを可能にする。

【００４５】図６は、本発明の好ましい実施形態による
パケットデジタル通信システムにおけるデータパケット
をリシーケンスする方法のフローチャート６００を示
す。

【００４６】パケットデータシーケンサは、ステップ６
０１において、インタリーブされたデータパケットのス
トリームを受信する。インタリーブされたデータパケッ
トのストリームは、各々、データパケットのオリジネー
タのインジケータを含む。

【００４７】そして、データパケットシーケンサは、ス
テップ６０３において、データパケットのオリジネータ
のインジケータに基づいて、インタリーブされたデータ
パケットを並べ換えて、並べ換えられたデータパケット
を形成する。このようにして、データパケットシーケン
サは、パケットのオリジネータに基づいて並べ換えられ
たデータパケットストリームを生成する。並べ換えられ
たストリームは、好ましくは、パケットが、パケットの
オリジネータに基づいて、ファーストイン、ファースト
アウトシーケンスに記憶されるように、時間順に配列さ
れる。このシーケンスは、パケットが、到着時刻に基づ
く順序になることを保証することにより、音声通信を改
良することを可能にする。

【００４８】本発明の好ましい実施形態において、パケ
ットデータシーケンサは、ステップ６０５において、並
べ替えられたデータパケットを送信する。パケットデー
タシーケンサは、好ましくは、出力セッションが進行中
であるかどうかを決定する。もし進行中でない場合、パ
ケットデータシーケンサは、好ましくは、出力セッショ
ンを確立する。

【００４９】図７は、複数のデバイスから受信されたデ
ータパケットのセットをリシーケンスするための好まし
い方法のフローチャート７００を示す。フローチャート
７００は、好ましくは、パケットデータシーケンサ１０
５により実行される。

【００５０】パケットデータシーケンサは、ステップ７
０１において、入力バッファ中に何れか新しいデータパ
ケットが存在するかどうかを決定する。入力バッファ中
に新しいパケットがない場合、処理は、以下に示された
ステップ７１３に進む。

【００５１】入力バッファ中に新しいパケットが存在す
る場合、パケットデータシーケンサは、ステップ７０３
において、入力バッファ中の新しいパケットが、存在す
るストリームの一部であるかどうかを決定する。これ
は、好ましくは、パケットのオリジネータをパケットの
ヘッダから中止し、このオリジネータを存在するストリ
ームのオリジネータと比較することにより、実行され
る。新しいパケットがデータの存在するストリームの一
部でない場合、パケットデータシーケンサは、ステップ
７０５において、パケットの送り手と関連づけられた新
しいリンクされたリストを確立する。

【００５２】パケットデータシーケンサは、好ましく
は、新しいリンクされたリストの頭にトーンを置く。ト
ーンは、新しいリンクされたリストのインジケータとし
て働く。パケットデータシーケンサは、ステップ７０７
において、何れかのリンクされたリストがアクティブで
あるかどうかを決定する。リンクされたリストがアクテ
ィブでない場合、新しいリンクされたリストは、アクテ
ィブなリンクされたリストとしてマークされる（ステッ
プ７０９）。

【００５３】決定ステップ７０３でイエスになった場
合、または決定ボックス７０７でイエスになった場合、
またはステップ７０９の後に、パケットデータシーケン
サは、ステップ７１１において、新しいパケットを、送
り手に関連づけられたリンクされたリストの終わりに置
く。

【００５４】そして、パケットデータシーケンサは、ス
テップ７１３において、何れかのリンクされたリストが
アクティブであるかどうかを決定する。リンクされたリ
ストがアクティブでない場合、プロセスはステップ７０
１へ戻り、何れか新しいパケットが入力バッファ中にあ
るかどうかを決定する。アクティブなリンクされたリス
トがある場合、パケットデータシーケンサは、ステップ
７１５において、アクティブなリスト中の最も古いパケ
ットを出力する。パケットデータシーケンサは、好まし
くは、パケットを出力した後、リストから出力パケット
を取り除く。

【００５５】そして、パケットデータシーケンサは、ス
テップ７１７において、出力パケットが、アクティブリ
スト中の最後のパケットであったかどうかを決定する。
最後のパケットでなかった場合、プロセスはステップ７
０１へ戻る。これが、アクティブリスト中の最後のパケ
ットであった場合、プロセスは、他のリンクされたリス
トが送信されるべきかどうかを決定するために続けられ
る。

【００５６】パケットデータシーケンサは、ステップ７
１９において、出力パケットが、送信パケットの終わり
であったかどうかを決定する。終わりでない場合、パケ
ットデータシーケンサは、ステップ７２７において、リ
ストがタイムアウトしたかどうかを決定する。これは、
好ましくは、タイマーの満了を検出することにより行わ
れる。リストがタイムアウトしていない場合、処理は、
ステップ７０１へ戻り、入力バッファに何れか新しいパ
ケットがあるかどうかを決定する。

【００５７】パケットが送信パケットの終わりであった
場合、またはリストがタイムアウトした場合、リスト
は、ステップ７２１において削除される。パケットデー
タシーケンサは、ステップ７２３において、いずれか他
のリンクされたリストがあるかどうかを決定する。他の
リンクされたリストがない場合、パケットデータシーケ
ンサは、ステップ７２９において、アクティブリストを
ＮＵＬＬとして設定する。これは、アクティブなリスト
がないことを示す。他のリンクされたリストがある場
合、パケットデータシーケンサは、ステップ７２５にお
いて、最も古いヘッダパケットを有するリンクされたリ
ストを、アクティブリストにする。そして、処理は、ス
テップ７０１へ戻り、入力バッファ中に何れか新しいパ
ケットがあるかどうかを決定する。

【００５８】本発明は、従来技術に関連する問題を解決
する方法および装置を提供する。複数のオリジネータか
ら受信されたデータパケットのセットをリシーケンスす
ることにより、応答が、ディスパッチャまたはディスパ
ッチグループの他のメンバーにより理解できるように聴
くことができる。データパケットをデータパケットシー
ケンサにおいて記憶しかつ並び替えることにより、デー
タパケットのコピーを記憶することにより信頼性が増大
する。本発明は、ディスパッチ要求に対する応答者から
理解できる応答を得るためにディスパッチシステムにお
いて必要とされる再送信の数を最小化することにより、
システム資源の利用を最小化する。

【００５９】本発明の好ましい実施形態は、複数のデバ
イスからのデータパケットを有するものとして説明され
たが、本発明は、データパケットを複数のデバイスから
受信するものに限定されないことが理解されるべきであ
る。データパケットは、異なるセッションにおいて複数
のパケットを送信した単一のデバイスからのものであり
得る。例えば、データパケットは、単一のワイヤレスレ
スユニットから発せられ得るが、２つの別個の応答から
生じ得る。

【００６０】この場合において、データパケットシーケ
ンサは、オリジネータによってではなく、セッション識
別子によりデータパケットを順序づけることになる。本
発明において、セッション自体がオリジネータと考えら
れ、１つのセッションの間に送られる全てのデータパケ
ットが、一人のオリジネータにより送られたと考えられ
る。本発明に従って、これらのパケットは、それらが一
緒に送信されるかのように並び替えられる。

【００６１】データパケットのオリジネータのインジケ
ータによるデータパケットのリシーケンシングは、サー
バなどが複数のデバイスから複数のパケット応答を受信
する場合、または互いに異なる複数の応答を同じデバイ
スから受信する場合の何れかの状況においても改善され
た音声通信を提供する。本発明の利点の一例は、パケッ
トディスパッチシステムにある。

【００６２】パケットディスパッチシステムにおいて、
ディスパッチサーバは、ディスパッチグループを確立す
る。ディスパッチグループは、好ましくは、移動体ユニ
ットのパワーアップで、ディスパッチサーバに登録され
る複数の移動体ユニットを含む。ディスパッチグループ
は、ランドライン電話機のような固定通信ユニットおよ
びディスパッチ端末のような固定端末を含む。

【００６３】そのようなパケットディスパッチシステム
において、ディスパッチャなどによりディスパッチ呼び
が送られる場合、多くのデバイスが応答し得る。これら
の応答は、しばしば、同時に起き、複数のパケットが応
答のオリジネータに基づいて並び替えられない場合、パ
ケットは、ディスパッチャにおいて再生され、混乱した
耳障りな音声のように聞こえるようになる。

【００６４】本発明を使用することで、この問題を解決
する。データパケットをオリジネータに基づいて並び替
えることにより、ディスパッチャは、いずれか他の応答
者から聴くことに先立って、第１の応答者について完全
に聴くことになる。本発明の好ましい実施形態に従っ
て、データパケットシーケンサは、第２の応答者により
送られたデータパケットをリシーケンスする。このよう
にして、データパケットシーケンサは、複数のユーザか
らの混合されたデータパケットを有するデータストリー
ムを受信することになるが、オリジネータに基づいてデ
ータパケットを並び替えることになる。この方法におい
て、並び替えられたデータパケットのディスパッチャま
たは他の受信者は、同じディスパッチメッセージに対す
る他の応答を聴く前に、完全な応答を聴くことができる
ようになる。

【００６５】インターリーブされたデータパケットを並
び替えるステップは、好ましくは、複数のシーケンスさ
れたデータパケットを形成する。シーケンスされたデー
タパケットの各々は、好ましくは、シーケンスされたデ
ータパケットのオリジネータに関連づけられる。本発明
の好ましい実施形態において、トーンが、ユーザからの
第１のパケットの始まりに挿入される。トーンは、好ま
しくは、オリジネータと関連づけられ、ディスパッチ応
答のオリジネータを同定することについて、ディスパッ
チグループ中の移動体ユニットをアシストする。

【００６６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
データパケットの受領者により理解可能な方法で、デー
タパケットを有効にシーケンシングするための方法およ
び装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の好ましい実施形態によるパケットデー
タシーケンスを含むパケットデジタル通信システムを示
す図。

【図２】本発明の好ましい実施形態による図１に示され
たデータパケットシーケンサの詳細を示す図。

【図３】本発明の好ましい実施形態による複数のデバイ
スから受信されたデータパケットのセットを示す図。

【図４】本発明の好ましい実施形態によるパケットデー
タシーケンサにより並び替えられた後の図３のデータパ
ケットのセットを示す図。

【図５】本発明の好ましい実施形態による複数のデバイ
スから受信されたデータパケットのセットをリシーケン
スするための方法を示すフローチャート。

【図６】本発明の好ましい実施形態によるパケットデジ
タル通信システムにおいてデータパケットのセットをリ
シーケンスするための方法を示すフローチャート。

【図７】複数のデバイスから受信されたデータパケット
をリシーケンスする好ましい方法を示すフローチャー
ト。

【符号の説明】

１００ パケットデジタル通信システム １０１ ディスパッチコンソール １０２ ワイヤレスアクセスネットワーク １０３ ワイヤレスネットワーク １０５ データパケットシーケンサ １０７ ワイヤレスユニット １０９，１１０ ベーストランシーバステーション（Ｂ
ＴＳ） １１１ 基地局コントローラ（ＢＳＣ） ２０１ パケット入力モジュール ２０３ 制御モジュール ２０５ 入力バッファ ２０７ パケット出力モジュール ２０９ トーンテーブル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 596077259 600 Ｍｏｕｎｔａｉｎ Ａｖｅｎｕｅ, Ｍｕｒｒａｙ Ｈｉｌｌ， Ｎｅｗ Ｊｅ ｒｓｅｙ 07974−0636Ｕ．Ｓ．Ａ. (72)発明者 ハロルド アーロン ラッサース アメリカ合衆国、60126 イリノイ州、エ ルムハースト、イリノイ ストリート 265 Ｆターム(参考） 5K030 GA16 HA08 HB01 HB16 JA05 KA03 KX18 LB11 LC01 MA04 MB13

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パケット通信システム中でのディスパッ
   チ通信を行うための方法において、データパケットのセ
   ットの各々のオリジネータに基づいて、複数のオリジネ
   ータにより発せられたデータパケットのセットを再グル
   ープ化するステップを有することを特徴とする方法。
2. 【請求項２】 再グループ化されたデータパケットのセ
   ットの各々に対するトーンを表すデータパケットを挿入
   するステップをさらに有することを特徴とする請求項１
   記載の方法。
3. 【請求項３】 前記再グループ化されたデータパケット
   のセットを送信するステップをさらに有することを特徴
   とする請求項１記載の方法。
4. 【請求項４】 パケットデジタル通信システム中でデー
   タパケットをリシーケンスするための方法において、 データパケットのセットを受信するステップと、 前記データパケットのセットを記憶するステップと、 前記データパケットのセットのうちの第１のデータパケ
   ットを検索するステップと、 前記第１のデータパケットのオリジネータの第１のイン
   ジケータを決定するステップと、 受信されたデータパケットのセットの順序に無関係に、
   前記第１のデータパケットのオリジネータにより発せら
   れたデータパケットのセット中の全てのデータパケット
   の送信を順序づけるステップとを有し、 前記データパケットの各々は、前記データパケットのオ
   リジネータのインジケータを含み、前記順序づけるステ
   ップは、第１のデータパケットのオリジネータにより発
   せられたデータパケットを逐次的かつ連続的にすること
   に有効であることを特徴とする方法。
5. 【請求項５】 全てのデータパケットの送信のための逐
   次的順序づけに先立って、記憶されたデータパケットの
   各々を検索するステップと、 前記記憶されたデータパケットの各々のオリジネータを
   決定するステップとをさらに有することを特徴とする請
   求項４記載の方法。
6. 【請求項６】 前記第１のデータパケットのオリジネー
   タと別個の第２のオリジネータの第２のインジケータを
   決定するステップと、 前記第２のオリジネータにより発せられた全てのデータ
   パケットの送信を逐次的に順序づけるステップとをさら
   に有することを特徴とする請求項４記載の方法。
7. 【請求項７】 前記第１のデータパケットに対するトー
   ンを表すデータパケットを挿入するステップをさらに有
   することを特徴とする請求項４記載の方法。
8. 【請求項８】 出力セッションが進行中であるかどうか
   を決定するステップと、 出力セッションが進行中でない場合に出力セッションを
   確立するステップと、 前記第１のデータパケットのオリジネータに対して使用
   するためのトーンを決定するステップと、 前記第１のデータパケットのオリジネータのための音声
   パケットを、前記トーンと共に送信するステップとを有
   することを特徴とする請求項５記載の方法。
9. 【請求項９】 パケットデジタル通信システム中でデー
   タパケットをリシーケンスするための方法において、 各々が、前記データパケットのオリジネータのインジケ
   ータを含むインターリーブされたデータパケットのスト
   リームを受信するステップと、 １つのグループ中の各データパケットが、同じオリジネ
   ータのインジケータを有するデータパケットの逐次的グ
   ループを形成するために、並び替えられたデータパケッ
   トを形成するように、データパケットのオリジネータの
   インジケータに基づいて、前記インタリーブされたデー
   タパケットを並び替えるステップとを有することを特徴
   とする方法。
10. 【請求項１０】 データパケットのセットを受信するこ
    とに有効なパケット入力モジュールと、 データパケットのセットを記憶することに有効な入力バ
    ッファと、 前記データパケットのセットの各々のオリジネータを同
    定すること、および前記受信されたデータパケットのセ
    ットの順序に無関係に、前記第１のデータパケットのオ
    リジネータにより発せられたデータパケットのセット中
    の全てのデータパケットの送信を逐次的に順序づけるこ
    とに有効な制御モジュールと、 前記第１のデータパケットのオリジネータにより送られ
    た全てのデータパケットを送ることに有効なパケット出
    力モジュールとを有することを特徴とするデータパケッ
    トシーケンサ。