JP2002111441A - 弾性表面波装置 - Google Patents

弾性表面波装置

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JP2002111441A
JP2002111441A JP2000259673A JP2000259673A JP2002111441A JP 2002111441 A JP2002111441 A JP 2002111441A JP 2000259673 A JP2000259673 A JP 2000259673A JP 2000259673 A JP2000259673 A JP 2000259673A JP 2002111441 A JP2002111441 A JP 2002111441A
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pad
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Kenji Urabe
賢志 浦辺
Kenji Noguchi
賢治 野口
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、複数のSAWフィルタ素子間での
グランド続構造による寄生容量の影響を有効に抑え、安
定した特性が導出できる弾性表面波装置を提供する。 【解決手段】 容器3と、SAWフィルタ素子1、2
と、複数のグランド導体膜51、52と、金属製蓋体6
とから成る弾性表面波装置SWにおいて、各々のSAW
フィルタ素子1、2が接続されるグランドパッド35、
38、39、36、37、40のグランド電位が、SA
Wフィルタ素子1、2毎に容器3内部で電気的に分離さ
れている構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デュプレクサや微
弱信号抽出用フィルタに用いられる複数のSAWフィル
タ素子を1つの容器に収容して成る弾性表面波装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、弾性表面波素子で構成された弾性
表面波フィルタ(以下、SAWフィルタと称す)素子は
多くの通信分野で用いられ、高性能、小型、量産性等の
特徴を有することから携帯電話等の普及の一翼を担って
いる。
【0003】例えば、デュプレクサは、1つの容器内に
受信用フィルタを構成するSAWフィルタ素子と送信用
フィルタを構成するSAWフィルタ素子とを配置してい
た。また、微弱信号抽出用フィルタは、前段SAWフィ
ルタ素子、増幅回路、後段SAWフィルタ素子とから成
り、上述の前段SAWフィルタ素子と後段SAWフィル
タ素子とを同一容器のキャビティー部内に配置されてい
た。
【0004】いずれの場合でも、複数のSAWフィルタ
素子間での浮遊容量を抑えて、相互干渉(クロストー
ク)を防止することが重要となる。特に、微弱信号抽出
フィルタでは、前段SAWフィルタ素子と後段SAWフ
ィルタ素子の帯域の中心周波数が略同一で、しかも、同
時に2つのSAWフィルタ素子を駆動する必要があるた
め、両者の相互干渉を如何に低減するかが重要となる。
【0005】即ち、相互干渉が大きいと、前段SAWフ
ィルタ素子と後段SAWフィルタ素子とを外部配線によ
って従属接続した場合、2つのSAWフィルタ素子の各
減衰量から期待できるトータル減衰量がそのまま得られ
ない場合が多い。これは、相互干渉によって2つのSA
Wフィルタ素子のトータル減衰量が、前段SAWフィル
タ素子と後段SAWフィルタ素子のアイソレーションレ
ベルにより制約される為である。実際の機器では、2つ
のSAWフィルタ素子間に増幅回路を挟んで使用される
ことが多いが、その場合も同様の問題が発生する。
【0006】従来、上述のようなSAWフィルタ素子の
相互の干渉を低減する方法としては、例えば、特開平1
1−205077号などに開示されている。
【0007】同号公報の技術は、2つのSAWフィルタ
素子を容器のキャビティー部内に収容し、前記容器の入
力パッド、出力パッド、グランドパッドとSAWフィル
タ素子の入力電極、出力電極、グランド電極とを電気的
に接続して弾性表面波装置を構成したものである。特
に、前記容器のキャビティー部内に複数のグランドパッ
ドを設け、一方のSAWフィルタ素子のグランド電極と
他方のSAWフィルタ素子のグランド電極とを別のグラ
ンドパッドに接続することが開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の従来技
術では、SAWフィルタ素子とキャビティー部内に形成
されたグランドパッドとの接続関係しか規定されていな
い。本発明者が種々実験を行ったところ、SAWフィル
タ素子のグランド電極と容器のグランドパッド間との接
続手段に起因する相互干渉が発生すること、即ち、ボン
ディングワイヤ以外に、SAWフィルタ素子を実装する
キャビティー部の実装面に形成するグランド導体膜、グ
ランド外部端子に起因する相互干渉が発生することを知
見した。
【0009】従来の弾性表面波装置SWを図16、図1
7に示す。図16は、従来の弾性表面波装置SWにおけ
る金属製蓋体を省略した状態の外観図であり、図17
は、図16においてSAWフィルタ素子を省略した状態
の外観図である。図中、100は前段SAWフィルタ素
子、200は後段SAWフィルタ素子、300は凹状の
容器、136は容器300の段差部に形成され前段SA
Wフィルタ素子100のグランド電極101からボンデ
ィングワイヤを介して接続されるグランドパッド、13
9は容器300の段差部に形成され後段SAWフィルタ
素子200のグランド電極102からボンディングワイ
ヤを介して接続されるグランドパッド、500は容器3
00のキャビティー部317の実装面の略全面に形成し
たグランド導体膜、145、146、148は容器30
0の外側面に形成され、不図示の金属製蓋体に接続され
る外部グランド端子である。
【0010】図17に示すように、グランド導体膜50
0はグランドパッド136に接続され、容器300の外
側面に形成されたグランド外部端子145と導通されて
いる。同様に、グランド導体膜500はグランドパッド
139に接続されグランド外部端子146に、また、グ
ランド導体膜500はグランドパッド138に接続され
てグランド外部端子147と、また、グランド導体膜5
00はグランドパッド137に接続されグランド外部端
子148と夫々導通されている。なお、複数個所からグ
ランド外部端子145、146、147、148を設け
ているのはグランド導体膜500のグランドを強化する
ためである。
【0011】以上の構成により、例えばSAWフィルタ
素子100から接続されたグランドパッド136とSA
Wフィルタ素子200から接続されたグランドパッド1
39とがグランド導体膜500で共通に接続されている
と、結果として、容器300内のグランド導体膜500
で2つのSAWフィルタ素子100、200が共通に接
続されてしまうことになる。
【0012】このようなグランド導体膜500を形成し
た弾性表面波装置SWを実装基板(不図示、以下同じ)
に実装した場合、グランド導体膜500のグランド電位
と、実装基板のグランド電位との間にグランド外部端子
145、146、147、148に起因する寄生成分
や、グランド導体膜500に起因する寄生成分が発生し
てしまう。これら寄生成分は各SAWフィルタ素子10
0、200の双方から共通に導通したグランド導体膜5
00を経由して実装基板のグランド電極との間で発生し
てしまうことにより、一方のSAWフィルタ素子100
側での寄生成分が、他方のSAWフィルタ素子200に
も互いに影響しあうことになる。
【0013】以上により、容器外部に形成したグランド
外部端子と前記グランド導体膜との接続状態によって、
グランドレベルが2つのSAWフィルタ素子との間で共
通になり、例えば、特開平11−205077号に示す
ように2つのSAWフィルタ素子毎に固有のグランドパ
ッドに接続したとしても、互いのSAWフィルタ素子の
相互干渉を充分に抑えることができず、安定した特性を
得ることができなかった。
【0014】また、この安定した特性を得ることができ
ない原因としては、2つのSAWフィルタ素子に跨がっ
て共通のグランド導体膜がキャビティ部の実装面に幅広
く形成されるため、即ち、グランド導体膜の面積が根本
的に広いため、グランド導体膜全体を均一にグランド電
位に接地することが困難となるためであり、また、面積
が広いため寄生成分が発生する度合いが増大するためと
考えられる。
【0015】一方、弾性表面波装置において、容器のキ
ャビティ部の実装面に形成したグランド導体膜を電気的
に分離する構成についは特開平10−224175、特
開平10−209800に開示されている。
【0016】しかしながら、何れの弾性表面波装置につ
いても1つのSAWフィルタ素子における入力側又は出
力側で接続するグランド導体膜を分離したり(特開平1
0−224175)、1つのSAWフィルタ素子におけ
る櫛歯状電極の受信側又は送信側で接続するグランド導
体膜を分離したものであり(特開平10−20980
0)、何れの場合にも、1つのSAWフィルタ素子にお
ける帯域外の信号の減衰特性を向上させるものである。
従って、デュプレクサや微弱信号抽出用フィルタのよう
に複数のSAWフィルタ素子を用いた場合、グランド導
体膜を分離する技術に関して、互いのSAWフィルタの
相互干渉を防止できる技術の開示は全くされていない。
【0017】本発明は、上述の課題に鑑みて案出された
ものであり、その目的には、容器側のグランド構造にお
いて、各SAWフィルタ素子のグランド電極から、容器
の外周面に形成されるグランド外部端子電極間のグラン
ド接続構造を、容器内部では、各々のSAWフィルタ素
子で独立させることにより、他のSAWフィルタ素子の
グランド接続構造による寄生成分の影響を有効に抑え、
もって、安定したフィルタ特性が導出できる弾性表面波
装置を提供するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、外周面に複数
の入力外部端子、出力外部端子、グランド外部端子を、
キャビティー部内に、前記入力外部端子、出力外部端
子、グランド外部端子に導通した複数の入力パッド、出
力パッド、グランドパッドを有する容器と、該容器のキ
ャビティー部に収容される少なくとも2つのSAWフィ
ルタ素子と、前記キャビティー部内のSAWフィルタ素
子が収容される領域に前記グランドパッドとグランド外
部端子とを導通させる複数のグランド導体膜と、前記容
器のキャビティー部を封止する金属製蓋体とから成り、
前記SAWフィルタ素子の入力電極が前記入力パッド
に、出力電極が前記出力パッドに、グランド電極が前記
グランドパッドに夫々接続されている弾性表面波装置に
おいて、前記各々のSAWフィルタ素子が接続されるグ
ランドパッドのグランド電位が、容器内部で電気的に分
離されていることを特徴とする弾性表面波装置である。
【0019】また、前記キャビティー内のSAWフィル
タ素子が収容される領域には、前記グランドパッドとグ
ランド外部端子とを接続させる複数のグランド導体膜が
形成されており、かつ前記各々のグランド導体膜は、前
記容器の異なる外側面に形成されているグランド外部端
子に接続されていることを特徴とする弾性表面波装置で
ある。
【0020】さらに、前記グランドパッドは、1つの前
記SAWフィルタ素子のみが接続していることを特徴と
する弾性表面波装置である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の弾性表面波装置を
図面に基づいて説明する。尚、実施例は、微小信号抽出
用フィルタを用いて説明する。微小信号とは、例えば、
人工衛星などから地上に送信される信号などが例示され
る。
【0022】この微小信号抽出用フィルタは、例えば、
図1に示すように、アンテナ回路Aに接続され、且つ増
幅手段Pとともに用いらる。具体的には、アンテナ回路
Aに、特定周波数帯域を通過させ得る前段(フロントエ
ンド)SAWフィルタ素子(以下、単に前段SAWフィ
ルタ素子)1、この特定周波数の信号成分を抽出した信
号を増幅する増幅手段P、増幅した信号を再度抽出処理
する後段(インターステージ)SAWフィルタ素子(以
下、単に後段SAWフィルタ素子)2を順次接続する。
これにより、微弱信号を増幅した信号を、通常のスイッ
チ回路や受信回路で処理できる程度のレベル信号とな
り、しかも、ノイズ成分が抑制された信号が得られるこ
とになる。
【0023】このような微小信号抽出用フィルタの構成
において、少なくとも増幅手段Pは、ICチップなどに
よって別部品で扱うことになる。そして、前段SAWフ
ィルタ素子と後段SAWフィルタ素子とを同一容器内に
収容して、1つの部品と取り扱う。
【0024】本発明の弾性表面波装置SWは、この前段
SAWフィルタ素子1と後段SAWフィルタ素子2とを
一体化した部品をいう。尚、SAWフィルタ素子とは、
それ自体がフィルタ機能を持つもので、個々で共振器の
機能を有して、これらを接続することでフィルタとなる
ものは含まれない。
【0025】図2には、本発明の弾性表面波装置SWの
外観図である。また、図3は、金属製蓋体を省略した状
態の平面図であり、図7、図9は、容器の断面構造を示
し、図6、図8は、容器の主要部分の平面図である。
尚、図5(a)、(b)は、本発明のSAWフィルタ素
子の等価回路を示す。
【0026】図2において、本発明の弾性表面波装置S
Wは、容器3と容器上面に被着封止された金属製蓋体6
とから構成されている。また、容器3外側の4つの端面
には、外部端子を形成するための平面から見た形が半円
形の溝部が例えば8つ(一対の辺には夫々3つ、もう一
対の辺には1つ)形成されている。
【0027】この外部端子を形成する半円形の溝部は容
器3の厚み方向に形成されており、この溝部内に外部端
子41〜48が形成されている。例えば、一対の対向し
あう端面の一方面には、前段SAWフィルタ素子用入力
パッドに導通する前段用入力外部端子41、前段SAW
フィルタ素子用グランドパッドに導通するグランド外部
端子45、後段SAWフィルタ素子用入力パッドに導通
した後段用入力外部端子43が形成されている。
【0028】また、一対の対向しあう端面の他方面に
は、前段SAWフィルタ素子用出力パッド(後述)に導
通する前段用出力外部端子42、他方のSAWフィルタ
素子用グランドパッド(後述)に導通するグランド外部
端子46、後段SAWフィルタ素子用出力パッド(後
述)に導通した後段用出力外部端子44が形成されてい
る。
【0029】さらに、もう一対の端面の一方面には、前
段SAWフィルタ素子用グランドパッドに導通するグラ
ンド外部端子47が配置されている。また、もう一対の
端面の他方面には、後段SAWフィルタ素子用グランド
パッドに導通するグランド外部端子48が配置されてい
る。
【0030】このような容器3の上面には、図3に示す
ように、例えば2つのSAWフィルタ素子1、2が実装
される実装面3C及び両側面に段差部3a、3bを有す
るキャビティー部30が形成されている。そして、この
実装面3Cには、SAWフィルタ素子1、2が配置され
ている。また、キャビティー部30の段差部3aには、
図3の上側から、前段SAWフィルタ素子1の入力電極
(後述)と接続する入力パッド31、前段SAWフィル
タ素子1のグランド電極(後述)と接続するグランドパ
ッド35、後段SAWフィルタ素子2のグランド電極と
接続するグランドパッド36、後段SAWフィルタ素子
2の入力電極と接続する入力パッド33、後段SAWフ
ィルタ素子2のグランド電極と接続するグランドパッド
37が配置されている。
【0031】また、他方の段差部3bには、図3の上側
から、前段SAWフィルタ素子1のグランド電極と接続
するグランドパッド38、前段SAWフィルタ素子1の
出力電極と接続する出力パッド32、前段SAWフィル
タ素子1のグランド電極と接続するグランドパッド3
9、後段SAWフィルタ素子2のグランド電極と接続す
るグランドパッド40、後段SAWフィルタ素子2の出
力電極と接続する出力パッド34が配置されている。
【0032】また、キャビティー部30で、この段差部
3a、3bに囲まれたキャビティー部の実装面3Cに
は、2つのSAWフィルタ素子1、2が接合される領域
において、夫々グランド導体膜51、52が形成されて
いる(図11参照)。
【0033】即ち、図3でキャビティー部3の実装面3
cの上側であるグランド導体膜51上には、前段SAW
フィルタ素子1が配置されている。また、下側であるグ
ランド導体膜52上には後段SAWフィルタ素子2が配
置されている。
【0034】このSAWフィルタ素子1、2は、図4に
示すようにタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、水
晶基板などの圧電基板53、54の表面に、互いに噛み
合う1組の櫛型電極指からなるインターデジタル電極P
S、接続導体PPS、入力電極11、21、出力電極1
2、22、グランド電極13、14、23〜25、必要
に応じて反射器電極(図中、×の記号を指す)が形成さ
れている。
【0035】そして、このインターデジタル電極PSに
より、1つの共振部を構成することになる。そして、こ
の共振部は直列共振部、並列共振部に分類され、接続導
体を介して、直列共振部、並列共振部とが互いに接続さ
れる。
【0036】例えば、図4の上部に示す前段SAWフィ
ルタ素子1は、圧電基板53上に3つの直列共振部S1
1〜S13と4つの並列共振部P11〜P14とが接続
導体PPSによってラダー状に接続されている。この等
価回路図を図5(a)に示す。
【0037】そして、このSAWフィルタ素子1には、
1つの入力電極11、1つの出力電極12、2つのグラ
ンド電極13、14が被着形成されている。
【0038】図4の下部に示す後段SAWフィルタ素子
2は、圧電基板54上に2つの直列共振部S21〜S2
2と3つの並列共振部P21〜P23とが接続導体(符
号を省略する)によってラダー状に接続されている。こ
の等価回路図を図5(b)に示す。
【0039】そして、このSAWフィルタ素子2には、
1つの入力電極21、1つの出力電極22、3つのグラ
ンド電極23〜25が被着形成されている。
【0040】尚、前段SAWフィルタ素子1及び後段S
AWフィルタ素子2は、夫々通過帯域での特性、及び選
択性を考慮して、接続段数が若干相違している。
【0041】このようなSAWフィルタ素子1、2は、
絶縁性接着材を介して、キャビティー部30の実装面3
cのグランド導体膜51、52に接合されている。
【0042】また、前段SAWフィルタ素子1の入力電
極11は、図3の右側の段差部3aに形成した入力パッ
ド31にボンディングワイヤを介して接続され、出力電
極12は、左側の段差部3bに形成した出力パッド32
にボンディングワイヤを介して接続されている。また、
グランド電極13は、段差部3aのグランドパッド35
にボンディングワイヤを介して接続され、グランド電極
14は、段差部3bのグランドパッド38にボンディン
グワイヤを介して接続されている。
【0043】また、後段SAWフィルタ素子2の入力電
極21は、図3の右側の段差部3aに形成された入力パ
ッド33にボンディングワイヤを介して接続され、出力
電極22は、段差部3bに形成した出力パッド34にボ
ンディングワイヤを介して接続されている。また、グラ
ンド電極23は、段差部3aに形成したグランドパッド
36にボンディングワイヤを介して接続され、グランド
電極24は、段差部3bに形成したグランドパッド40
にボンディングワイヤを介して接続され、グランド電極
25は、段差部3aに形成したグランドパッド37にボ
ンディングワイヤを介して接続されている。
【0044】このような容器3は、少なくとも3層のセ
ラミック層から構成されており、上述のように容器3の
一対の外側端面には、図6に示すように、容器3の外部
端子41、45、43が厚み方向に形成されている。こ
の外部端子41、45、43は、断面半円形状の溝部の
内部に、底面から所定位置まで導体が形成されている。
例えば、図6〜図9に示すように前段SAWフィルタ素
子1の入力電極11(図4参照)と接続する入力外部端
子41及び後段SAWフィルタ素子2の入力電極21
(図4参照)と接続する入力外部端子43は、容器3の
底面から外側端面にかけて容器3の厚みの途中まで延び
ている。また、容器3外側端面の幅方向の略中央部分に
位置するグランド外部端子45は、容器3の底面から外
側端面を通って容器3の厚み方向全域に延びて形成さ
れ、さらに、容器3の上面に形成したシールリング接合
用の導体膜61に導通している。
【0045】また、容器3のもう一方の外側端面は、側
面図を省略しているが、図6と同様、出力外部端子4
2、44は、底面から容器の厚みの途中にまで延び、グ
ランド外部端子46は、容器3の底面から容器の上面に
まで延び、さらに、容器3の上面に形成したシールリン
グ接合用の導体膜61に導通している。
【0046】尚、図7において、61は、上述したよう
にシールリング接合用導体膜(グランド電位)であり、
62はシールリングであり、7は、金属蓋体である。
【0047】また、図8は、図6と直交する外側端面で
ある。この外側端面には、グランド外部端子47のみが
形成されている。これに対向する容器3の端面には、グ
ランド外部端子48のみが形成されている。このグラン
ド外部端子47、48は、容器3の底面から上面に延び
て形成されている。
【0048】図7、図9に示す容器3は、最上面のセラミ
ック層3xは、キャビティー部30(図3参照)の開口
を形成するためにリング状を成しており、その上面の全
面にわたり、コバール、42アロイなどからなるシール
リング62をロウ付により接合する導体膜61が被着形
成されている。
【0049】ここで、図7に示すように最上層のセラミ
ック層3xに形成された溝部30xには、例えば入力外
部端子41となる導体膜が被着されていない。これは、
他の入出力外部端子42、43、44についても同様な
構造である。
【0050】これに対して、図9に示すように、グラン
ド外部端子45〜48については、3つのセラミック層
3x〜3zの厚みに跨がって導体膜が形成されている。
尚、図8は、グランド外部端子47が形成された側面を
示している。
【0051】また、中間に位置するセラミック層3yの
上面図を図10に示す。セラミック層3yはキャビティ
ー部30内壁に段差部3a、3bを形成するため(図3
参照)、キャビティー部30の開口部寸法に比較して若
干小さい開口部を有するリング状となっている。そし
て、このセラミック層yの外周には、外部端子を形成す
る領域を確保するための容器3の外側端面に溝部が形成
される半円形の凹部(符号を省略している)が8つ形成
されている。夫々の凹部には、前段SAWフィルタ素子
側の入力外部端子41となる導体膜、グランド外部端子
45となる導体膜、後段SAWフィルタ素子側の入力外
部端子43となる導体膜、グランド外部端子48となる
導体膜、後段SAWフィルタ素子側の出力外部端子34
となる導体膜、グランド外部端子46となる導体膜、後
段SAWフィルタ素子側の出力外部端子42となる導体
膜、グランド外部端子47となる導体膜が形成されてい
る。
【0052】また、このセラミック層3yの開口周囲に
は、各SAWフィルタ素子の入力電極11、21と接続
する入力パッド31、33となる導体膜、出力電極1
2、22と接続する出力パッド32、34となる導体
膜、グランド電極13、14、23、24、25と接続
するグランドパッド35、36、37、38、39、4
0となる導体膜が形成されている。
【0053】例えば、最上層のセラミック層3xの開口
と中間に位置するセラミック層の開口の差によって発生
する段差部3aにおいて、例えば、図3の右側となる段
差部3aに相当する部分には、図10の上から、前段S
AWフィルタ素子1の入力電極と接続する入力パッド3
1となる導体膜、前段SAWフィルタ素子1のグランド
電極と接続するグランドパッド35となる導体膜、後段
SAWフィルタ素子2のグランド電極と接続するグラン
ドパッド36となる導体膜、後段SAWフィルタ素子2
の入力電極と接続する入力パッド33となる導体膜、後
段SAWフィルタ素子2のグランド電極と接続するグラ
ンドパッド37となる導体膜が形成されている。そし
て、この5つのパッドのうち、前段SAWフィルタ素子
1の入力電極11に接続する入力パッド31となる導体
膜は、この辺の外方側に延出され、溝部内の入力外部端
子41となる導体膜に導通している。また、後段SAW
フィルタ素子2のグランド電極23に接続するグランド
パッド36となる導体膜は、この辺の外方側に延出さ
れ、溝部内のグランド外部端子45となる導体膜に導通
している。また、後段SAWフィルタ素子2の入力電極
21に接続する入力パッド33となる導体膜は、この辺
の外方側に延出され、そのまま溝部内の入力外部端子4
3となる導体膜に導通している。また、後段SAWフィ
ルタ素子2のグランド電極25に接続するグランドパッ
ド37となる導体膜は、異なる辺に形成された溝部内の
グランド外部端子48となる導体膜に導通している。
【0054】尚、段差部3aの上から2つ目のパッドで
ある前段SAWフィルタ素子のグランド電極13と接続
するグランドパッド35は、段差部3aの内側に導出さ
れ、その壁面に形成した半円形状凹部内に導出されてい
る。
【0055】また、図面の左側となる段差部3bに相当
する部分の各パッドにおいて、前段SAWフィルタ素子
1のグランド電極14に接続するグランドパッド38
は、異なる辺に形成された溝部内のグランド外部端子4
7となる導体膜に導通している。また、前段SAWフィ
ルタ素子1の出力電極12に接続する出力パッド32と
なる導体膜は、この辺の外方側に延出され、そのまま図
面の左辺の溝部内の出力外部端子42となる導体膜に導
通している。また、後段SAWフィルタ素子2の出力電
極22に接続する出力パッド34となる導体膜は、この
辺の外方側に延出され、そのまま図面の左辺の溝部内の
出力外部端子44となる導体膜に導通している。
【0056】尚、グランドパッド39はそのまま図面の
左辺の溝部内グランド側外部端子46となる導体膜に導
通している。また、グランドパッド40は、段差部3b
の内側に導出され、その壁面に形成した半円形状溝部内
に導出されている。
【0057】最下層のセラミック層3zの上面図を図1
1に示す。セラミック層3zは平板形状となっており、
各セラミック層3x、3yと同様に外周に8つの凹部が
形成されている。そして、各凹部の内面には、それぞれ
外部端子となる導体膜が形成されている。
【0058】また、このセラミック層3zの上面で、キ
ャビティー部30の実装面となる領域には、2つの平面
に広がったグランド導体膜51、52が形成されてい
る。1つのグランド導体膜51は、実質的に前段SAW
フィルタ素子1が搭載される領域に形成され、もう1つ
のグランド導体膜52は、実質的に後段SAWフィルタ
素子2が搭載される領域に形成され、互いに接続されて
いない。
【0059】また、前段SAWフィルタ素子1が接合さ
れるグランド導体膜51は、右側段差部3aの図面上か
ら2つ目のグランドパッド35と接続するように、その
凹部の下部にまで延出されている(延出部51a参
照)。また、このグランド導体膜51は、図面上、上辺
に形成された凹部にまで延出され、グランド外部端子4
7となる導体膜と導通している。さらに、図面上、左辺
中央に形成された凹部にまで延出され、グランド外部端
子46に導通している。即ち、このグランド導体膜51
は、例えば、容器3の異なる辺に形成されたグランド外
部端子47、46に接続されている。従って、グランド
を強化させるため異なる方向からグランド電位に接地す
る。
【0060】また、前段SAWフィルタ素子2が接合さ
れるグランド導体膜52は、段差段3bの図面上から4
つ目のグランドパッド40と接続するうよに、その溝部
の下部にまで延出されている(延出部52a参照)。ま
た、このグランド導体膜52は、図面上、下辺に形成さ
れた溝部にまで延出され、グランド外部端子48となる
導体膜と導通している。
【0061】さらに、図面上、右辺中央に形成された溝
部にまで延出され、グランド外部端子45に導通してい
る。即ち、このグランド導体膜52は、導体膜51と同
様に、例えば、容器3の異なる辺に形成されたグランド
外部端子48、45に接続されている。従って、グラン
ドを強化するために異なる方向からグランド電位に接地
する。
【0062】また、セラミック層3zの底面図を図12
に示す。セラミック層3zの底面には、各端子電極41
〜48と導通した平面状の端子電極41a〜48aが被
着形成されている。
【0063】このような容器3は、複数の容器3が抽出
できる形状の複数類、例えば3種類のセラミックグリー
ンシート順次積層して形成される。即ち、最上層に位置
するセラミック層3x、中間層となるセラミック層3
y、最下層となるセラミック層3zとなるシートは、所
定位置に溝部となるスールホールを形成し、このシート
上またはスルーホールの内面に導電性ペーストを塗布す
る。尚、最上層に位置するセラミック層、中間層となる
セラミック層となるシートに関しては、キャビティー部
を形成する開口を形成する。
【0064】そして、このようなセラミックシートを積
層一体化し、焼成し、さらに、容器3の形状に分割また
は切断することによって得られる。尚、分割または切断
を焼成処理前に行っても構わない。ここで、各種導体膜
は、W(タングテステン)やMo(モリブデン)、A
g、Cuなどが例示できる。尚、これらの金属は、セラ
ミックの材料(焼成温度、焼成雰囲気が相違する)によ
って決定される。セラミック材料がアルミナであれば、
導体材料は、W(タングテステン)やMo(モリブデ
ン)が例示できる。セラミック材料がガラス−セラミッ
ク材料であれば、Ag、Cuなどが例示できる。
【0065】尚、Cuを用いた場合には、焼成雰囲気は
還元性雰囲気でおこなう。
【0066】また、容器3から露出するパッド31〜4
0、外部端子41〜48は、その表面にNiメッキ、A
uメッキなどが塗着されている。これにより、パッド3
1〜40においては、ボンディングワイヤによる接合が
容易に行え、外部端子41〜48においては半田などと
の接合が容易となる。また、最上面に位置する導体膜6
1では、シールリングとのろう付け接合が容易且つ強固
に行える。
【0067】このような3つのセラミック層3x〜3z
からなる容器3の表面の表面に位置する導体膜61(容
器4側面に位置するグランド外部端子に導通している)
上には、シールリング62がろう付けによって接合して
容器3全体が構成される。
【0068】容器3のキャビティー部30には、上述し
たように、前段SAWフィルタ素子1及び後段SAWフ
ィルタ素子2が接着剤を介して、グランド導体膜51、
52に接合され、Auなどのワイヤボンディングを介し
て接続れさる。
【0069】そして、このように容器3のキャビティー
部30内に収容された前段SAWフィルタ素子1及び後
段SAWフィルタ素子2は、キャビティー部30の外部
の開口周囲に配置されたシールリング62上に金属製蓋
体7が載置され、金属蓋体7とシールリング62との接
合部分に、所定電流を通電して、シーム溶接を行う。
【0070】このように形成された金属蓋体7は、コバ
ールや42アロイなどの金属平板に、表面に応じて、実
装面側にAg層を形成している。実質的には、容器3側
面に配置されたグランド外部端子45〜48を介してグ
ランド電位に接地されることになる。
【0071】以上のように構成の弾性表面波装置におい
て、各々のSAWフィルタ素子1、2が実装されたグラ
ンド導体膜51、52は、容器3のキャビティ−部30
内で互いに接続することなく、グランド外部端子45〜
48に接続される。
【0072】ここで、SAWフィルタ素子1、2から実
装基板のグランド電位までの間の寄生容量を考慮した等
価回路を考える。
【0073】図13は、本発明の弾性表面波装置SWに
おけるグランド導体膜51、52を中心とした寄生成分
を示す等価回路である。また、図14は、従来、即ち、
図17に示すようにキャビティー部317の実装面のグ
ランド導体膜500を2つのSAWフィルタ素子10
0、200の領域に跨がって共通とした弾性表面波装置
SWの寄生成分を示す等価回路を示す。
【0074】図3、図4において前段SAWフィルタ素
子1のグランド電極13、14は、グランドパッド3
5、38、前段用SAWフィルタ素子専有のグランド導
体膜51に接続され、前段SAWフィルタ素子専有の複
数のグランド外部端子46、47を介して配線基板のグ
ランド電位に接続されていることになる。
【0075】また、後段SAWフィルタ素子2側におい
て、後段SAWフィルタ素子2専有のグランド導体膜5
2、グランド外部端子45、48を介してグランド電位
に接続されている。
【0076】これより、図13において、SAWフィル
タ素子1、2のIN−OUTラインに対してグランド導
体膜51、52のグランド電位G51、G52との間
に、寄生成分C1、C2が夫々独立して発生する。
【0077】また、また、グランド導体膜51、52の
グランド電位G51、G52と配線基板のグランド電位
G0との間に、夫々グランド導体膜51、52に起因す
る寄生成分C3、C4が夫々独立して発生する。
【0078】従って、前段SAWフィルタ素子と専有の
グランド導体膜51に起因する寄生成分C3の影響は、
前段SAWフィルタ素子1のみに影響し、他方の後段側
のSAWフィルタ素子2には影響しない。同様に、後段
SAWフィルタ素子2専有のグランド導体膜52に起因
する寄生容量C4の影響は、前段SAWフィルタ素子2
に影響しない。
【0079】これに対して、従来は、図17に示すよう
に、最下層のセラミック層の上面に全面に拡がったグラ
ンド導体膜500が形成され、各SAWフィルタ素子1
00,200のグランド電位は、このグランド導体膜5
00により接続されていた。
【0080】このように従来の構造で発生する寄生成分
については図14に示す等価回路で、共通のグランド導
体膜500に起因する寄生成分C5は、グランド導体膜
500と実装基板(不図示)のグランド電位G0との間
に共通的に発生する。しかも、この寄生成分C5は、前
段SAWフィルタ素子1及び後段SAWフィルタ素子2
の両方に影響してしまう。
【0081】しかも、この寄生成分C5は、面積が2つ
のSAWフィルタ素子分の領域に形成されており、単純
に、本発明の構造に対して、グランド導体膜500の寸
法が2倍となっており、1つのSAWフィルタ素子10
0、200から見た寄生成分C5が2倍となってしま
う。この結果、両SAWフィルタ素子間で、アイソレー
ション特性が劣化してしてしまう。
【0082】本発明者が、前段SAWフィルタ素子1、
後段SAWフィルタ素子2ともに、1.57GHZ帯域
の中心周波数となる微小信号抽出用フィルタ装置に基づ
いて、アイソレーション特性を実測した。
【0083】その結果、本発明のグランド導体膜51、
52の構造を有する弾性表面波装置SWでは、図15に
示すように通過帯域の低周波側(例えば、1.48GH
z)において−50dBの減衰量を確保できるのに対し
て、図18に示すように、従来の共通グランド導体膜5
00の構造を有する弾性表面波装置SWでは、通過帯域
の低周波側(例えば、1.48GHz)において−40
dB程度の減衰量しか確保できない。
【0084】また、図15に示すように通過帯域の高周
波側(例えば、1.68GHz)において−52dBの
減衰量を確保できるのに対して、図18に示すように、
従来では、−40dB程度の減衰量しか確保できない。
【0085】このような結果は、以下の作用によって達
成されると考える。 (1)容器3のキャビティー部30内のグランド導体膜
51、52が、各SAWフィルタ素子1、2毎に専有化
され物理的に分割されているため、各SAWフィルタ素
子1、2の相互干渉が発生しにくい。 (2)グランド導体膜51、52自身が分割されている
結果、導体面積が減少している。このため、1つのグラ
ンド導体膜、例えば51に起因する寄生成分が小さくな
る。 (3)1つのグランド導体膜、例えば52が、複数のグ
ランド外部端子(実施例では2つのグランド外部端子4
6、47)に接続され、しかも、これらのグランド外部
端子46、47が異なる方向で接続されているため、グ
ランド導体膜51のグランド電位が比較的に均一化され
ている。これは、他方のグランド導体膜52について同
様である。
【0086】尚、グランド導体膜51、52を各SAW
フィルタ素子毎に専有化して分割したとしても、2つの
SAWフィルタ素子1、2のグランド電極13〜14、
23〜25からグランドパッド35〜40にボンディン
グワイヤによって接続するにあたり、2つのSAWフィ
ルタ素子1、2の各グランド電極を1つのグランドパッ
ド、例えば、SAWフィルタ素子1のグランド電極13
とSAWフィルタ素子2のグランド電極23をグランド
パッド35の一つに接続した場合には、グランド導体膜
51、52を分割した作用が低下してしまう。
【0087】このため、SAWフィルタ素子1、2のグ
ランド電極13〜14、23〜25と、キャビティー部
30の段差部3a、3bの上のグランドパッド35〜4
0とを接続するにあたり、一方のグランド導体膜51と
導通するグランドパッド35、38、39には、前段S
AWフィルタ素子1のみの接続を行い、他方のグランド
導体膜52と導通するグランドパッド36、37、40
には、後段SAWフィルタ素子2のみの接続を行い、各
SAWフィルタ素子1、2のグランド電極が共通のグラ
ンド電極パッドに接続させないことが重要となる。
【0088】本発明者は、比較例として、上述の2つの
SAWフィルタ素子1、2のグランド電極13、23を
1つのグランドパッド35に接続した場合のアイソレー
ション特性を測定した。この場合、本発明の実施の形態
であるグランド導体膜51、52を用いた構造として実
験を行った。
【0089】その結果は図19に示す通り、通過帯域の
低周波側(例えば、1.48GHz)において−44d
B程度の減衰量しか確保できず、また、高周波側(例え
ば、1.68GHz)において−45dBの減衰量しか
確保できなかった。
【0090】上述の結果から理解できるように、前段S
AWフィルタ素子1の各グランド電極13〜14は、前
段SAWフィルタ素子1が実装されたグランド導体膜5
1に導通したグランドパッド35、38、39に接続
し、後段SAWフィルタ素子2のグランド電極23〜2
5は、後段SAWフィルタ素子2が実装されたグランド
導体膜52に導通したグランドパッド36、37、4
0、に接続することが、アイソレーション特性上重要と
なる。
【0091】また、本発明では、実装基板とグランド外
部端子45〜48及び実装基板とグランド導体膜51、
52の関係による寄生成分に着目している。しかし、4
つのグランド外部端子45〜48は、容器の各4側面の
略中央付近に形成されており、金属製蓋体7は、この4
つのグランド外部端子45〜48とシールリング62を
介してグランド電位に接地されている。このため、この
金属製蓋体7も、比較的広い面積を有しているものの
の、そのグランド電位を比較的均一にすることができる
ため、外来ノイズからの影響を有効に抑えることができ
る。
【0092】次に、前段SAWフィルタ素子1の入力外
部端子41、出力外部端子42及び後段SAWフィルタ
素子2の入力外部端子43、出力外部端子44の配置位
置について説明する。
【0093】本実施例では、前段SAWフィルタ素子1
の入力外部端子41と、後段SAWフィルタ素子2の出
力端子44との位置関係を、容器3の略対角線方向に互
いに位置するように配置している。即ち、容器3の一対
の対向しあう端面の一方面には、前段SAWフィルタ素
子1に接続する前段用入力外部端子41、後段SAWフ
ィルタ素子2に接続する後段用入力外部端子43が形成
されている。また、一対の対向しあう端面の他方面に
は、前段SAWフィルタ素子2に接続する前段用出力外
部端子42、後段SAWフィルタ素子2に接続する後段
用出力外部端子44が形成されている。
【0094】これにより、後段SAWフィルタ素子2に
接続する出力外部端子44と、前段SAWフィルタ素子
に接続する入力外部端子41と容器3上、距離が極大化
するため、アンテナ回路に接続する前段SAWフィルタ
素子1の入力信号が直接、後段SAWフィルタ素子2の
出力外部端子44にクロストークが発生しにくいものと
なっている。
【0095】尚、上述の実施例では、2つのSAWフィ
ルタ素子1、2を容器3内のキャビティー部30に収容
した微小信号抽出用フィルタで説明したが、キャビティ
ー部30内に、3つ以上のSAWフィルタ素子を配置し
ても構わない。また、2つのSAWフィルタ素子1、2
を同一基板上に形成しても構わない。例えば、3つのS
AWフィルタ素子を収容した場合には、3つのグランド
導体膜を、夫々独立するすように形成し、しかも、グラ
ンド外部端子との接続において、他のグランド導体膜と
共用しなようにすればよい。
【0096】また、上述の実施例では、微小信号抽出用
フィルタを例にして説明したが、1つの容器に2つ以上
のSAWフィルタ素子を収容した全ての弾性表面波装置
にも広く適用できる。
【0097】
【発明の効果】本発明では、2つのSAWフィルタ素子
間の相互干渉(クロストーク)を大幅に抑圧することが
可能な弾性表面波装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の弾性表面波装置の実装形態を示す等価
回路図である。
【図2】本発明の弾性表面波装置の外観斜視図である。
【図3】本発明の弾性表面波装置において、金属製蓋体
を省略した状態であり、特にSAWフィルタ素子と導体
膜との関係を示した概略図である。
【図4】本発明の弾性表面波装置に用いるSAWフィル
タ素子の配置関係を示した平面図である。
【図5】(a)は本発明の前段SAWフィルタ素子の等
価回路図であり、(b)は、前段SAWフィルタ素子の
等価回路図である。
【図6】本発明の弾性表面波装置における容器の一方面
側の側面図である。
【図7】本発明の弾性表面波装置における入出力外部端
子部分の断面図である。
【図8】本発明の弾性表面波装置における容器の他方の
端面側の側面図である。
【図9】本発明の弾性表面波装置におけるグランド外部
端子部分の断面図である。
【図10】本発明の弾性表面波装置の容器を構成する中
間に位置するセラミック層の上面図である。
【図11】本発明の弾性表面波装置の容器を構成する最
下層に位置するセラミック層の上面図である。
【図12】本発明の弾性表面波装置の容器を構成する最
下層に位置するセラミック層の下面図である。
【図13】本発明の弾性表面波装置におけるグランド導
体膜に発生する寄生成分を示す等価回路図である。
【図14】従来の弾性表面波装置におけるグランド導体
膜に発生する寄生成分を示す等価回路図である。
【図15】本発明の弾性表面波装置におけるアイソレー
ション特性図である。
【図16】従来の弾性表面波装置において、金属製蓋体
を省略した状態であり、特にSAWフィルタ素子と導体
膜との関係を示した外観斜視図である。
【図17】図16において、キャビティー部実装面に形
成したグランド導体膜を説明するための外観斜視図であ
る。
【図18】従来の弾性表面波装置におけるアイソレーシ
ョン特性図である。
【図19】ワイヤボンディングパッドを2つのSAWフ
ィルタ素子で共有した場合におけるアイソレーション特
性図である。
【符号の説明】
1・・前段SAWフィルタ素子 2・・後段SAWフィルタ素子 3・・容器 30・・キャビティー部 41・・前段SAWフィルタ素子用の入力外部端子 42・・前段SAWフィルタ素子用の出力外部端子 46、47・・前段SAWフィルタ素子用グランド外部
端子 43・・後段SAWフィルタ素子用の入力外部端子 44・・後段SAWフィルタ素子用の出力外部端子 45、48・・後段SAWフィルタ素子用グランド外部
端子 31・・前段SAWフィルタ素子用の入力パッド 32・・前段SAWフィルタ素子用の出力パッド 35、38、39・・前段SAWフィルタ素子用入力グ
ランドパッド 33・・後段SAWフィルタ素子用の入力パッド 34・・後段SAWフィルタ素子用の出力パッド 36、37、40・・後段SAWフィルタ素子用グラン
ドパッド 51・・前段SAWフィルタ素子用のグランド導体膜 52・・後段SAWフィルタ素子用のグランド導体膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面に複数の入力外部端子、出力外部
    端子、グランド外部端子を、キャビティー部内に、前記
    入力外部端子、出力外部端子、グランド外部端子に導通
    した複数の入力パッド、出力パッド、グランドパッドを
    有する容器と、 該容器のキャビティー部に収容される少なくとも2つの
    SAWフィルタ素子と、 前記キャビティー部内のSAWフィルタ素子が収容され
    る領域に前記グランドパッドとグランド外部端子とを導
    通させる複数のグランド導体膜と、 前記容器のキャビティー部を封止する金属製蓋体とから
    成り、 前記SAWフィルタ素子の入力電極が前記入力パッド
    に、出力電極が前記出力パッドに、グランド電極が前記
    グランドパッドに夫々接続されている弾性表面波装置に
    おいて、 前記各々のSAWフィルタ素子が接続されるグランドパ
    ッドのグランド電位が、前記容器内部で電気的に分離さ
    れていることを特徴とする弾性表面波装置。
  2. 【請求項2】 前記キャビティー内のSAWフィルタ素
    子が収容される領域には、前記グランドパッドとグラン
    ド外部端子とを接続させる複数のグランド導体膜が形成
    されており、かつ前記各々のグランド導体膜は、前記容
    器の異なる外側面に形成されているグランド外部端子に
    接続されていることを特徴とする請求項1記載の弾性表
    面波装置。
  3. 【請求項3】 前記グランドパッドには、1つの前記S
    AWフィルタ素子のみが接続していることを特徴とする
    請求項1記載の弾性表面波装置。
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