JP2002111268A - 加工性およびシルク印刷性に優れた電磁シールド材およびその製造方法 - Google Patents

加工性およびシルク印刷性に優れた電磁シールド材およびその製造方法

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JP2002111268A
JP2002111268A JP2000300578A JP2000300578A JP2002111268A JP 2002111268 A JP2002111268 A JP 2002111268A JP 2000300578 A JP2000300578 A JP 2000300578A JP 2000300578 A JP2000300578 A JP 2000300578A JP 2002111268 A JP2002111268 A JP 2002111268A
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electromagnetic shielding
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JP2000300578A
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Keiji Izumi
圭二 和泉
Masayoshi Tadano
政義 多々納
Masaji Hiraoka
正司 平岡
Masao Nagao
雅央 長尾
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シルク印刷性に優れ、加工性後においても良
好外観を保持する電磁シールド材およびその製造方法を
提供する。 【解決手段】 銅めっき鋼板の表面に、ポリエチレン粉
末を含有したアクリル系透明塗料を乾燥塗膜厚で2〜1
0μm塗布した後、到達板温が200〜250℃で焼付
ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銅めっきの美麗な
外観を有し、かつ、加工性およびシルク印刷性に優れた
電磁シールド材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼板に銅めっきを片面当り0.5〜20
μm施した銅めっき鋼板は、優れた電磁シールド性を有
するので、オーディオ機器、通信機器、映像機器等の部
材に従来から使用されている。銅めっき鋼板は表面が変
色し易いため、変色防止としてベンゾトリアゾール処理
(以下、BTA処理と称す)やイミダゾール処理等の後
処理を施し、さらにエポキシ系、ポリエステル系、アク
リル系などの透明樹脂塗装を施して耐食性、耐指紋性、
シルク印刷性などを向上させている。電磁シールド材
は、上記の用途に使用する場合、種々の複雑な形状に加
工され、前記の後処理や塗装では潤滑性が不十分で、銅
めっきに傷を付けたり金型に樹脂が付着する等で作業性
が低下するため潤滑油を塗布したり、潤滑性保護フィル
ムを貼り付けて対応していた。
【0003】潤滑油を用いると脱脂洗浄が不可欠とな
り、後処理が溶剤等で除去されたり、塗膜が膨潤し傷が
付き易くなる、潤滑油の塗布やその脱脂は作業環境を悪
化させるなど阻害要因が多くなる。潤滑性保護フィルム
を貼ることは、加工後剥がす必要があり、作業コストが
高くなる。これらの欠点を解決するものとして、潤滑油
を塗布しなくても銅めっきに傷を付けることなく成形加
工可能な電磁シールド材が、特開平7−221488号
公報で開示されている。しかし、該電磁シールド材にお
いては樹脂塗膜の限定はなく、使用する樹脂系によって
は、透明感がなく銅めっきの美麗な外観が損なわれるも
のがあった。また、添加する粉末状潤滑剤の種類によっ
ては、シルク印刷性が劣る場合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、銅
めっきの美麗な外観を有し、かつ、加工性および印刷性
に優れた電磁シールド材を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明においては、銅め
っき鋼板の表面にポリエチレン粉末を分散させたアクリ
ル系透明塗膜を乾燥塗膜厚で2〜10μm形成すること
を特徴としている。特に、前記ポリエチレン粉末が、平
均分子量1500〜8000、粒径2〜15μmであ
り、固形分比で2〜10質量%アクリル系透明塗膜に配
合することが好ましい。また、本発明の電磁シールド材
は、平均分子量1500〜8000で粒径2〜15μm
のポリエチレン粉末を固形分比で2〜10質量%配合し
たアクリル系透明塗料を、乾燥塗膜厚2〜10μmにな
るよう塗布した後、到達板温が200〜250℃で焼付
けることにより形成される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において、透明樹脂として
は、透明度および銅めっきとの密着性に優れたアクリル
系樹脂を用いる。ウレタン系の樹脂は透明感に乏しく、
塗装後に銅めっきの美麗な外観が保持されない。ポリオ
レフィン系およびポリエステル系の透明樹脂では、銅め
っきに後処理であるBTA処理を行なった場合に密着性
が低下し、厳しい加工を付与すると塗膜剥離を起こすこ
とがある。エポキシ系の透明樹脂は焼成後に硬化するた
め、加工時にやはり剥離を起こし易い。
【0007】アクリル系樹脂の種類としては、水系では
なく溶剤系のものが好ましい。銅めっきには通常、BT
A処理等の変色防止用後処理が施されるが、その場合、
めっき表面に撥水性が付与されるため、水系樹脂の均一
な塗布が困難である。また、水系樹脂を用いると、塗膜
焼付け前に銅めっきが変色するおそれがある。塗膜の厚
みは、乾燥塗膜厚で2〜10μmが好ましい。2μm未
満では、耐食性、耐変色性、耐傷付性等が不十分であ
る。10μmを超えると、加工性向上効果が飽和するの
で、コスト面より10μm以下が好ましい。なお、より
好ましい乾燥塗膜厚の範囲は2〜8μmである。
【0008】加工性向上のために、透明樹脂中に固体潤
滑剤として有機樹脂粉末を添加する。無機系の固体潤滑
剤を添加すると、透明樹脂がつや消し状の外観を呈する
ために好ましくない。有機樹脂粉末としては、ポリエチ
レン樹脂粉末が最も好ましい。ふっ素樹脂粉末の場合、
潤滑性の向上効果はポリエチレン樹脂粉末よりも優れる
が、印刷塗料の密着性が悪く、シルク印刷性が不良とな
る。ポリエステル樹脂やカルナバ樹脂等の粉末では、潤
滑性の向上効果が少なく、加工性が改善されない。
【0009】ポリエチレン樹脂の分子量としては、15
00〜8000が好ましい。分子量が1500未満の場
合、樹脂の融点が低くなり、塗料焼付け時に融解して塗
膜表面に流出し薄膜を形成するため、シルク印刷性を低
下させる。分子量が8000を超えると、アクリル系塗
料中での分散性が悪くなり、樹脂粉末が凝集して局所的
に分布するため、潤滑効果が減少する。より好ましい分
子量の範囲は、1500〜3000である。
【0010】ポリエチレン樹脂粉末の粒径は、2〜15
μmが好ましい。粒径が2μm未満では、塗膜表面から
樹脂粉末の一部が突出するものの割合が少なく、潤滑効
果が不十分である。粒径が15μmを超えると、塗膜表
面より突出するポリエチレン樹脂の量が多くなり、シル
ク印刷性が悪化する。ポリエチレン樹脂粉末の添加量
は、乾燥塗膜中2〜10質量%が好ましい。2質量%未
満では、潤滑効果が少なく、加工性があまり向上しな
い。10質量%を超えると、潤滑効果は飽和する。より
好ましい添加量の範囲は2〜5質量%である。なお、該
添加量は、塗料中の固形分比により調節する。
【0011】塗装方法は、ロールコート法やカーテンフ
ローコート法等、通常用いられる方法を使用すれば良
く、特に限定されない。塗膜の焼付け温度は、板温で2
00〜250℃が好ましい。焼付け温度が200℃未満
では、樹脂の硬化が十分ではなく、加工時に塗膜が傷付
き、外観が損なわれることがある。250℃を超える
と、ポリエチレン樹脂粉末の軟化・融解が起こり易くな
り、塗膜表面に流出するためシルク印刷性が悪化する。
また、ベースとなるアクリル系樹脂が過度に硬化するた
め、加工時に塗膜表層が剥離し易くなる。
【0012】
【実施例】Ti添加Alキルド鋼スラブを熱延後、酸洗
し、冷間圧延を施して板厚0.8mmの原板を製造し
た。この原板に片面当り3μmの銅めっきを被覆して銅
めっき鋼板とし、BTA処理を施した後、ポリエチレン
樹脂粉末を含有したアクリル系樹脂をロールコーターで
塗布し、焼付け炉で樹脂を焼付けて試料を作製し、評価
試験に供した。作製した試料を表1に、各試料の評価結
果を表2に、それぞれ示す。なお、評価項目および評価
基準は以下の通りである。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】(1)潤滑性 表面性状測定機(新東科学製HEIDN−14型)によ
り、ステンレス鋼板(SUS304、BA仕上げ)表面
に対する動摩擦係数を、荷重200gf、移動速度60
mm/分の条件下で測定した。動摩擦係数が0.12未
満、0.12以上0.15未満、0.15以上0.25
未満、および、0.25以上の場合、潤滑性の評価はそ
れぞれ、優れる、良好、通常、および、劣る、であり、
記号◎、○、△および×で表記した。
【0016】(2)絞り加工性 プレス油を塗布せず、円筒絞り成形試験(しわ押え力2
0kN、絞り比2.4)を行い、加工後の外径比により
絞り加工性を評価した。外径比が0.90未満、0.9
0以上0.95未満、および、0.95以上の場合、絞
り加工性の評価はそれぞれ、良好、通常、および、劣
る、であり、記号○、△および×で表記した。
【0017】(3)耐食性 平板試験片を用いて塩水噴霧試験(JIS Z 237
1)を行い、100時間後の赤錆発生率で耐食性を評価
した。赤錆発生率が0%、20%未満、および、20%
以上の場合、耐食性の評価はそれぞれ、良好、通常、お
よび、劣る、であり、記号○、△および×で表記した。
【0018】(4)耐傷付き性 プレス油を塗布しない状態の平板試験片(30×300
mm)を用いてドロービード試験(加圧力1470N、
引き抜き速度0.5m/min)を行い、塗膜に白化や
剥離の発生しないものを耐傷付き性良好、白化や剥離が
発生したものを不良と評価し、それぞれ記号○および×
で表記した。
【0019】(5)シルク印刷性 ベタシルク印刷により、エポキシ系樹脂インク((株)
セイコーアドバンス製の1300)を試験片の一部に塗
布して、ゴバン目試験により下地のアクリル系樹脂界面
からのエポキシ系樹脂(インク)剥離状況を評価した。
ゴバン目試験は、150℃で30分間乾燥した後、試験
片にカッターナイフにて1mm間隔に11本の線を引
き、さらにその線の90度の方向に11本の線を引き、
100個の升目を作り、升目にセルテープを張り付けて
インク塗膜を剥離した。剥離状況の評価は、100個の
升目が剥離しないものを○、1個以上剥離したものを×
とした。
【0020】表2より、ポリエチレン樹脂粉末を添加し
ていない比較例の試料番号13に対して、ポリエチレン
樹脂粉末を添加した本発明例の試料番号12では、絞り
加工性及び潤滑性が改善されており、更にポリエチレン
樹脂粉末の含有量、平均分子量、粒径を本発明のより好
ましい範囲に調整した本発明例の試料番号1〜10で
は、全ての特性について改善されているのがわかる。ま
た、アクリル系塗膜厚が本発明の範囲外である比較例の
試料番号10,11に対して、アクリル系塗膜厚が本発
明の範囲に調整した本発明例の試料番号1〜9では、全
ての特性について改善されているのがわかる。
【0021】
【発明の効果】本発明の電磁シールド材は、シルク印刷
性が優れており、加工後もその美麗な外観を保持するこ
とが可能である。また、アクリル系透明塗膜の膜厚やそ
れに添加するポリエチレン粉末の物性値を最適化するこ
とにより、無塗油の状態においても加工が可能な電磁シ
ールド材が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長尾 雅央 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社技術研究所内 Fターム(参考) 5E321 AA02 AA05 AA22 BB23 GG05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】銅めっき鋼板の表面に、ポリエチレン粉末
    を分散させたアクリル系透明塗膜を乾燥塗膜厚で2〜1
    0μm形成したことを特徴とする加工性およびシルク印
    刷性に優れた電磁シールド材。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のポリエチレン粉末が、平
    均分子量1500〜8000、粒径2〜15μmであ
    り、固形分比で2〜10質量%アクリル系透明塗膜に配
    合された加工性およびシルク印刷性に優れた電磁シール
    ド材。
  3. 【請求項3】銅めっき鋼板の表面に、平均分子量150
    0〜8000で粒径2〜15μmのポリエチレン粉末を
    固形分比で2〜10質量%配合したアクリル系透明塗料
    を、乾燥塗膜厚2〜10μmになるよう塗布した後、到
    達板温が200〜250℃で焼付けたことを特徴とする
    加工性およびシルク印刷性に優れた電磁シールド材の製
    造方法。
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