JP2002111190A - ハンダ付け用フラックス - Google Patents

ハンダ付け用フラックス

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JP2002111190A
JP2002111190A JP2000300232A JP2000300232A JP2002111190A JP 2002111190 A JP2002111190 A JP 2002111190A JP 2000300232 A JP2000300232 A JP 2000300232A JP 2000300232 A JP2000300232 A JP 2000300232A JP 2002111190 A JP2002111190 A JP 2002111190A
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solder
flux
soldering
ppm
rosin
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Tadatoshi Kurozumi
忠利 黒住
Hitoshi Amita
仁 網田
Yoshinori Shibuya
義紀 渋谷
Ayako Nishioka
綾子 西岡
Takashi Shoji
孝志 荘司
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Resonac Holdings Corp
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ハンダ付け性、保存安定性の優れたハンダ付け
用フラックス、ハンダペースト、糸ハンダ、並びにファ
インピッチ化、部品の多様化に対応した、ハンダ付け方
法、回路板、電子部品の接合方法及び接合物を提供す
る。 【解決手段】ロジンを含むハンダ付け用フラックスにお
いて、フラックスの13C核磁気共鳴スペクトルを化学シ
フト181〜187ppmの範囲内で測定した場合の、
181〜187ppm内のシグナルの面積に対する、1
85.4〜186ppm内のシグナルの面積比を10〜
90%の範囲内とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品の回路基
板への実装に用いられるハンダ付け用フラックスに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ハンダ付け用フラックス、ハンダペース
ト、糸ハンダ、フロ−用液状フラックス等は、エレクト
ロニクス産業において電子部品を表面実装するために用
いられている。最近、電子製品の小型化のため、回路基
板のファインピッチ化が要求され、ファインピッチの部
品、例えば0.3mmピッチのQFP(Quad Fl
at Package)タイプのLSI、さらにはCS
P(Chip SizePackage)などの使用が
増加している。このため、ハンダペースト、糸ハンダ等
には、ファインピッチへの対応が要求されている。この
ような産業界の要望に応えるため、ハンダペースト中の
ハンダ粒子の平均粒子径を下げることや、糸ハンダの細
線化がなされているが、特にハンダペ−ストの場合に
は、ハンダ粉末とフラックスとの接触面積が増大し、保
存安定性やハンダ付け性等に問題を残している。また、
最近は環境問題から、鉛を含まないハンダ(Pbフリー
ハンダ)が推奨されており、これに対応してPbフリー
ハンダに移行すべく開発が進められている。この中で特
に有望なものとして注目されているSn−Zn系のハン
ダは、通常のSn−Pb系のハンダより更に保存安定
性、ハンダ付け性が悪い。これはZnがPbに比べ酸化
が起こりやすい為である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ハンダ付け用フラック
スを用いた電子部品の実装においてハンダ付け性が低下
する原因に、フラックスのプレヒート段階、及びハンダ
合金の溶融時にハンダ合金の酸化が起こり、未溶融のハ
ンダ合金が基板上に残留することがある。またハンダペ
ーストや糸ハンダの保存安定性が低下する原因として
は、保存時においてフラックスとハンダ合金とが反応
し、ハンダ合金が酸化することがある。
【0004】本発明者らは、フラックスのプレヒート段
階、およびハンダ合金溶融時のハンダ合金の酸化、また
ハンダペーストや糸ハンダの保存時におけるハンダ合金
の酸化について鋭意検討を行ったところ、フラックス中
のロジンがハンダ合金の酸化に密接に影響していること
を見出した。
【0005】フラックスに使用されるロジンは、アビエ
チエン酸及びその誘導体を主成分とする樹脂酸である
が、アビエチエン酸は共役二重結合を有しており不安定
なため、水素添加ロジン、付均斉化ロジン、2量化以上
に重合したロジンとして用いられている。
【0006】しかしながら、ロジンはもともと天然物で
あるため、含まれる成分にばらつきが多く、保存時、プ
レヒート段階等においてハンダ合金を酸化させないロジ
ンを作製する方法は不明であった。
【0007】本発明は、かかる事情に鑑みなされたもの
であって、保存時、プレヒート段階及びハンダ合金溶融
時のハンダ合金の酸化を防ぐ効果に優れたロジンを含む
ハンダ付け用フラックスを提供し、該ハンダ付け用フラ
ックスも用いることにより、ハンダ付け性に優れたハン
ダペースト、糸ハンダ、フロー用液状フラックスを提供
し、ファインピッチ化、部品の多様化等に対応できるハ
ンダ付け方法、回路板、及び電子部品の接合物を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の課題を
解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち
本発明は、[1]ロジンを含むハンダ付け用フラックス
において、フラックスの13C核磁気共鳴スペクトルにお
ける化学シフト185.4〜186ppm内のシグナル
の面積が、化学シフト181〜187ppm内のシグナ
ルの面積に対し、10〜90%の範囲内であることを特
徴とするハンダ付け用フラックス、[2][1]に記載
のハンダ付け用フラックスと、ハンダ粉とを含むハンダ
ペースト、[3]ハンダ粉が鉛を含まないことを特徴と
する[2]に記載のハンダペースト、[4]ハンダ粉が
亜鉛または銀またはビスマスを含むものであることを特
徴とする[2]または[3]に記載のハンダペースト、
[5][1]に記載のハンダ付け用フラックスを溶剤で
希釈して作製したフロー用液状フラックス、[6]
[1]に記載のハンダ付け用フラックスとハンダ合金か
ら作製したヤニ入り糸ハンダ、[7]ハンダ合金が鉛を
含まないことを特徴とする[6]に記載のヤニ入り糸ハ
ンダ、[8]ハンダ合金が亜鉛または銀またはビスマス
を含むハンダ合金であることを特徴とする[6]または
[7]に記載のヤニ入り糸ハンダ、[9][2]〜
[4]の何れか1項に記載のハンダペーストを塗布する
工程と、該ハンダペーストをリフローする工程とを含む
ことを特徴とするハンダ付け方法、[10][6]〜
[8]の何れか1項に記載の糸ハンダを、ハンダこてを
用いて溶解し接合するハンダ付け方法、[11][5]
に記載のフロー用液状フラックスを塗布する工程と、該
液状フラックスを加熱する工程とを含むことを特徴とす
るハンダ付け方法、[12][9]〜[11]の何れか
1項に記載のハンダ付け方法を用いて作製した回路板ま
たは電子部品の接合物に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】ハンダ付け用フラックスは、ロジ
ン、有機酸成分、有機ハロゲン化合物、溶剤、チクソト
ロピック剤等を配合したものである。
【0010】本発明では、ロジンを含むハンダ付け用フ
ラックスにおいて、フラックスの13C核磁気共鳴を化学
シフト181〜187ppmの範囲内で測定した場合
の、181〜187ppm内のシグナルの面積に対す
る、185.4〜186ppm内のシグナルの面積比
が、10〜90%の範囲内となるようにする。13C核磁
気共鳴スペクトルで化学シフト181〜187ppmの
範囲のシグナルは、主にロジンの有するカルボン酸基に
由来する。本発明者らはロジンの製品ロット間のばらつ
きが、13C核磁気共鳴スペクトルの化学シフト181〜
187ppmのシグナル形状に現れることを見出し、更
に、これらのロジンを用いたハンダ付け用フラックスの
ハンダ付け性との相関を調べたところ,181〜187
ppm内のシグナルの面積に対する、185.4〜18
6ppm内のシグナルの面積比が10〜90%の範囲
内,より好ましくは30〜90%の範囲内、最も好まし
くは60〜80%の範囲内とすることにより,ハンダ付
け用フラックスによる、保存時、プレヒート段階及びハ
ンダ合金溶融時のハンダ合金の酸化が防止され,保存安
定性、ハンダ付け性に優れたフラックスが得られること
を見出した。
【0011】フラックスの13C核磁気共鳴スペクトルの
シグナルを上記範囲内とすることにより、ハンダ合金の
酸化が防止される理由については定かではないが、18
5.4〜186ppm内のシグナルの面積比を10%以
上にすることによって、フラックス中の主にロジンの有
するカルボン酸が、加熱時においてプロトンを放ちやす
い構造となり、このプロトンを放って生じたフラックス
中のカルボン酸イオンが、ハンダ合金の表面を覆い、ハ
ンダ粉末の酸化を抑制することが考えられる。更に、1
85.4〜186ppm内のシグナルの面積比が90%
を越えると、室温でも放たれたプロトンがハンダ合金、
特に亜鉛と反応して著しく保存安定性を低下させるもの
と考えられる。
【0012】本発明に用いることができるロジンとして
は、ウッドロジン、ガムロジン、トール油ロジンをベー
スとしたものが挙げられる。また、共役二重結合を安定
化するために、水素添加したロジン、付均斉化したロジ
ン、重合したロジンなども使用できる。これらのロジン
には、アビエチエン酸の他、アビエチエン酸の異性体で
共役二重結合を有する、ネオアビエチエン酸、パルスト
リン酸、レポビナール酸などの樹脂酸が含まれる。
【0013】これらのロジンを単独または混合してもよ
いが、フラックスの13C核磁気共鳴スペクトルを化学シ
フト181〜187ppmの範囲内で測定した場合の、
181〜187ppm内のシグナルの面積に対する、1
85.4〜186ppm内のシグナルの面積比が10〜
90%の範囲内となるようにする必要がある。核磁気共
鳴スペクトルのシグナルの面積比を上記範囲内にする方
法は、例えば面積比が5%であるフラックスAと面積比
が95%であるフラックスBを1:1で混合した場合、
混合後のフラックスの、核磁気共鳴のシグナルの面積比
は、比例計算により50%((5%×1+45%×1)
/2=50%)となる。またフラックスAとフラックス
Bを3:1で混合した場合の面積比は同様の方法で計算
すると、27.5%((5%×3+95%×1)/4=
27.5%)となる。
【0014】13C核磁気共鳴スペクトルの測定は、フラ
ックスを重クロロホルムに溶解し、10mmφの試料管
に入れ測定を行う。定量精度を高めるため、試料1gを
重クロロホルム2.5mlに溶解し、基準試薬としてヘ
キサメチルジシロキサン(HMDS)を25mg、緩和
試薬としてクロムアセチルアセトンを少量添加し、no
n NOE法にて行った。13C核磁気共鳴による測定では
NOE(核オーバーハウザー効果)のために、一分子中
に置換基が多く付くほどピークが高く検出される。その
ため、定量分析を行うためには緩和試薬およびゲート付
きデカップリングを併用して測定を行った(non N
OE法)。
【0015】なお、ハンダペーストを用いて本発明の13
C核磁気共鳴スペクトルの測定を行う場合は、ハンダペ
ーストを重クロロホルムに溶解後ハンダ粉を濾紙等で濾
過し、フラックスのみにして測定を行った。
【0016】13C核磁気共鳴スペクトルの測定機につい
ては特に制限されないが、たとえばBruker製AM
X−400等を用いて測定することができる。
【0017】核磁気共鳴スペクトルのシグナルの面積比
は、次のように求めることができる。化学シフト181
〜187ppmの範囲内で最も高磁場のピークのベース
ラインと最も低磁場のピークのベースラインとを結びシ
グナルのトータル面積Cを求める。さらにトータル面積
Cの内、185.4〜186ppmの面積Dを求め、D
/C×100を計算して、181〜187ppm内のシ
グナルの面積に対する、185.4〜186ppm内の
シグナルの面積比を求めることができる。
【0018】本発明のハンダ付け用フラックスに使用で
きるハンダ合金の金属組成としては、例えばSn−Pb
系、Sn−Pb−Ag系、Sn−Pb−Bi系、Sn−
Pb−Bi−Ag系、Sn−Pb−Cd系が挙げられ
る。また最近のPb排除の観点からPbを含まないSn
−In系、Sn−Bi系、In−Ag系、In−Bi
系、Sn−Zn系、Sn−Ag系、Sn−Cu系、Sn
−Sb系、Sn−Au系、Sn−Bi−Ag−Cu系、
Sn−Ge系、Sn−Bi−Cu系、Sn−Cu−Sb
−Ag系、Sn−Ag−Zn系、Sn−Cu−Ag系、
Sn−Bi−Sb系、Sn−Bi−Sb−Zn系、Sn
−Bi−Cu−Zn系、Sn−Ag−Sb系、Sn−A
g−Sb−Zn系、Sn−Ag−Cu−Zn系、Sn−
Zn−Bi系に用いることが好ましい。
【0019】上記の具体例としては、Snが63質量
%、Pbが37質量%の共晶ハンダ(以下63Sn/3
7Pbと表す。)を中心として、62Sn/36Pb/
2Ag、62.6Sn/37Pb/0.4Ag、60S
n/40Pb、50Sn/50Pb、30Sn/70P
b、25Sn/75Pb、10Sn/88Pb/2A
g、46Sn/8Bi/46Pb、57Sn/3Bi/
40Pb、42Sn/42Pb/14Bi/2Ag、4
5Sn/40Pb/15Bi、50Sn/32Pb/1
8Cd、48Sn/52In、43Sn/57Bi、9
7In/3Ag、58Sn/42In、95In/5B
i、60Sn/40Bi、91Sn/9Zn、96.5
Sn/3.5Ag、99.3Sn/0.7Cu、95S
n/5Sb、20Sn/80Au、90Sn/10A
g、Sn90/Bi7.5/Ag2/Cu0.5、97
Sn/3Cu、99Sn/1Ge、92Sn/7.5B
i/0.5Cu、97Sn/2Cu/0.8Sb/0.
2Ag、95.5Sn/3.5Ag/1Zn、95.5
Sn/4Cu/0.5Ag、52Sn/45Bi/3S
b、51Sn/45Bi/3Sb/1Zn、85Sn/
10Bi/5Sb、84Sn/10Bi/5Sb/1Z
n、88.2Sn/10Bi/0.8Cu/1Zn、8
9Sn/4Ag/7Sb、88Sn/4Ag/7Sb/
1Zn、98Sn/1Ag/1Sb、97Sn/1Ag
/1Sb/1Zn、91.2Sn/2Ag/0.8Cu
/6Zn、89Sn/8Zn/3Bi、86Sn/8Z
n/6Bi、89.1Sn/2Ag/0.9Cu/8Z
nなどが挙げられる。また、ハンダ粉末の場合、異なる
組成のハンダ粉末を2種類以上混合したものでもよい。
中でも、本発明のハンダ付け用フラックスを好適に使用
するには、ZnまたはAgまたはBiを含む合金組成を
用いるのがよい。
【0020】本発明のハンダ付け用フラックスをヤニ入
り糸ハンダに用いる場合は、フラックスに溶剤、チクソ
トロピック剤を使用せず、それ以外の材料をロジンの軟
化点以上で調合し、常温で固化させて使用する。また、
本発明のハンダ付け用フラックスは、フロー用の液状フ
ラックスとしても使用できる。フロー用の液状フラック
スにおいても、溶融したハンダが本発明のロジンで被覆
されるため、溶融時におけるハンダ合金のブリッジの発
生やディウェット現象を抑制できる。本発明のハンダ付
け用フラックスをフロー用液状フラックスとする場合
は、イソプロピルアルコール等の溶剤を使用して40〜
70質量%程度に希釈すればよい。
【0021】本発明のフラックス、ハンダペーストおよ
び糸ハンダは、例えば、プリント配線板と電子部品を接
合して接合物を製造する際に好適に使用される。本発明
のフラックス、ハンダペーストおよび糸ハンダ等の使用
方法、並びに電子部品接合物の製造方法は、例えばハン
ダペーストの場合、ハンダ付けを所望する部分に、印刷
法等でハンダペーストを塗布し、電子部品を載置し、そ
の後加熱してハンダ粒子を溶融し凝固させることにより
電子部品を基板に接合する。
【0022】糸ハンダは、ハンダこて先温度を、プリン
ト配線板の場合280〜340℃程度に、端子配線の場
合320〜370℃程度にして、所望する部分に一カ所
ずつ手付けし接合する。
【0023】フロー用液状フラックスは、あらかじめプ
リント配線板に部品を取り付けた後に塗布し、予熱後、
溶融ハンダ浴に浸漬される際に、ハンダ付け性を向上さ
せる目的で使用される。
【0024】
【実施例】以下、実施例をもって本発明を説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。
【0025】(実施例1)市販の2種類のロジンA,B
をそれぞれ1g取り、重クロロホルム2.5mlに溶解
し、10mmφの試料管に入れ、13C核磁気共鳴を測定
した。測定にはBruker製AMX−400を用い
た。測定結果を図1に示す。この2種類のロジンの、1
81〜187ppmの範囲内のシグナルにおける、18
5.4〜186ppmのシグナルの面積比は、A=10
0%、B=4%であった。この2種類のロジンを1:1
で混合し面積比が52%のロジンを作製した。
【0026】この作製したロジンを45質量%として、
チクソトロピック剤として水添ヒマシ油を6質量%、パ
ラトルエンスルフォン酸−n−プロピルを0.5質量
%、トリエチルアミンを2質量%、ジフェニールグアニ
ジンHBrを0.01質量%、ヘキサブロモステアリン
酸を0.34質量%、溶剤としてプロピレングリコール
モノフェニルエーテルを加えて100質量%とするハン
ダペ−スト用フラックスを調製した。
【0027】この調整したフラックス1gを重クロロホ
ルム2.5mlに溶解し、10mmφの試料管に入れ、
13C核磁気共鳴スペクトルを測定したところ、181〜
187ppmの範囲内のシグナルはロジンA,Bを1:
1で混合後のロジンのシグナルと一致し、更に185.
4〜186ppmのシグナルの面積比は52%であり、
181〜187ppmの範囲内のシグナルは全てロジン
に起因するものであった。
【0028】(実施例2)実施例1のロジンA,Bを
3:1で混合し面積比が76%のロジンを作製した。こ
の作製したロジンを実施例1と同様に混合し、ハンダペ
ースト用フラックスを調整した。
【0029】(比較例1)ロジンAのみを用いて実施例
1と同様の方法でハンダペースト用フラックスを調整し
た。
【0030】(比較例2)ロジンBのみを用いて実施例
1と同様の方法でハンダペースト用フラックスを調整し
た。
【0031】実施例1、2、比較例1、2で作製したフ
ラックスを10質量%、86Sn/8Zn/3BiのP
bフリーハンダ粉末を90質量%で配合し、ハンダペ−
ストを作製した。評価として表面実装を行い、表面実装
部品を回路基板に実装して試験を行った。実施例1、
2、比較例1、2の組成のハンダペーストをそれぞれ1
枚の回路板に印刷し、LSI、チップ抵抗、チップコン
デンサーをハンダペースト上に載置した後、リフロー熱
源により加熱してハンダ付けした。リフロー熱源には熱
風炉を用いた。
【0032】リフロー条件は、プレヒートが温度170
℃、プレヒート時間が80秒、リフローはピーク温度が
220℃、200℃以上のリフロー時間を50秒とし
た。
【0033】作製したプリント配線板および用いたハン
ダペーストについて以下の測定方法により特性を比較し
た。測定結果を表1に示す。
【0034】(1)はんだペーストの保存安定性 はんだペースト製造後、25℃で7日間保存する加速試
験を行い、水素発生量を測定した。本加速試験の条件は
大略5℃で3ヶ月間の冷蔵保管に相当する。
【0035】水素発生量は、はんだペースト50gを1
00mlの試験管に入れ、シリコンゴム製栓で密閉した
状態で25℃で7日間保存した後、ゴム栓を通して気体
を採取してガスクロマトグラフにより気体中の水素濃度
を測定した。水素濃度が5vol%以上の場合を保存安
定性が不合格とした。
【0036】(2)未溶融粒子 リフロー後のハンダが固まるまで、水平に放置し、その
後40倍の拡大鏡で基板上のパターン、および電子部品
の周囲の、未溶融粒子の発生状況を調べた。未溶融粒子
が1個でも見つかった場合を不合格とした。
【0037】(3)ハンダボール JIS Z−3284により測定を行った。アルミナ試
験板にメタルマスクを用いて、ハンダペーストを印刷
し、直径6.5mm、厚さ0.2mmの円状のパターン
を4個形成した。この試験板を150℃で1分間乾燥
後、235℃に加熱してハンダを溶解し、溶解後5秒以
内に基板を水平にして取り出した。基板上のハンダが固
まるまで、水平に放置し、その後20倍の拡大鏡でハン
ダの外観を、50倍の拡大鏡で周囲のハンダ粒子の発生
状況を調べた。ハンダボールの発生状況がJISの判定
基準で1,2を合格とした。
【0038】実施例1、2において、本発明に示したフ
ラックスを用いたところ未溶融粒子やハンダボールの発
生が大幅に防止できた。
【0039】更に、同様に91Sn/9Zn、63Sn
/37Pbハンダ粉末を使用して同様の実験を行った
が、同様の効果が得られた。
【0040】また実施例1、2のリフロー後の、ハンダ
合金の組織と従来のSn−Pb系ハンダペーストのハン
ダ合金組織とを比較したところ、Sn−Pb系の場合、
高温環境下での結晶の粗大化が著しいのに対し、本発明
のフラックスを用いたSn−Zn系合金では粗大化の傾
向が小さく、これによりハンダの機械的物性が向上しこ
れを用いた実装配線板の寿命特性の向上が確認された。
【0041】
【表1】
【発明の効果】本発明のハンダ付け用フラックスを用い
ることにより、リフロー及び溶融後の未溶融粒子及びハ
ンダボールの発生が防止でき、極めて優れたハンダ付け
性が得られた。またハンダペースト、糸ハンダの保存安
定性も向上した。特に本発明は、従来よりリフロー性、
溶融性が悪いとされたPbフリーハンダにおいても、ハ
ンダ付け性を格段に向上させ、その有効性が確認でき
た。
【0042】また本発明により、実装配線板のファイン
ピッチ化、部品の多様化に対応した回路板のハンダ付け
方法、ハンダ付けした回路板、電子部品の接合方法及び
接合物を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、2、比較例1(ロジンA)、比較例
2(ロジンB)の13C核磁気共鳴スペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渋谷 義紀 千葉県千葉市緑区大野台1丁目1−1 昭 和電工株式会社総合研究所内 (72)発明者 西岡 綾子 千葉県千葉市緑区大野台1丁目1−1 昭 和電工株式会社総合研究所内 (72)発明者 荘司 孝志 千葉県千葉市緑区大野台1丁目1−1 昭 和電工株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 5E319 AA03 AC01 BB01 BB05 BB08 CC23 CC33 CC53 CD21 CD26 CD28 CD29 GG01 GG03 GG15

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロジンを含むハンダ付け用フラックスにお
    いて、フラックスの13C核磁気共鳴スペクトルにおける
    化学シフト185.4〜186ppm内のシグナルの面
    積が、化学シフト181〜187ppm内のシグナルの
    面積に対し、10〜90%の範囲内であることを特徴と
    するハンダ付け用フラックス。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のハンダ付け用フラックス
    と、ハンダ粉とを含むハンダペースト。
  3. 【請求項3】ハンダ粉が鉛を含まないことを特徴とする
    請求項2に記載のハンダペースト。
  4. 【請求項4】ハンダ粉が亜鉛または銀またはビスマスを
    含むものであることを特徴とする請求項2または3に記
    載のハンダペースト。
  5. 【請求項5】請求項1に記載のハンダ付け用フラックス
    を溶剤で希釈して作製したフロー用液状フラックス。
  6. 【請求項6】請求項1に記載のハンダ付け用フラックス
    とハンダ合金から作製したヤニ入り糸ハンダ。
  7. 【請求項7】ハンダ合金が鉛を含まないことを特徴とす
    る請求項6に記載のヤニ入り糸ハンダ。
  8. 【請求項8】ハンダ合金が亜鉛または銀またはビスマス
    を含むハンダ合金であることを特徴とする請求項6また
    は7に記載のヤニ入り糸ハンダ。
  9. 【請求項9】請求項2〜4の何れか1項に記載のハンダ
    ペーストを塗布する工程と、該ハンダペーストをリフロ
    ーする工程とを含むことを特徴とするハンダ付け方法。
  10. 【請求項10】請求項6〜8の何れか1項に記載の糸ハ
    ンダを、ハンダこてを用いて溶解し接合を行うハンダ付
    け方法。
  11. 【請求項11】請求項5に記載のフロー用液状フラック
    スを塗布する工程と、該液状フラックスを加熱する工程
    とを含むことを特徴とするハンダ付け方法。
  12. 【請求項12】請求項9〜11の何れか1項に記載のハ
    ンダ付け方法を用いて作製した回路板または電子部品の
    接合物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009542019A (ja) * 2006-06-30 2009-11-26 ユミコア・アクチエンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト 半導体素子の適用ための無洗浄低残留物ハンダペースト

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