JP2002111057A - Iii族窒化物系化合物半導体発光素子 - Google Patents

Iii族窒化物系化合物半導体発光素子

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JP2002111057A
JP2002111057A JP2000298169A JP2000298169A JP2002111057A JP 2002111057 A JP2002111057 A JP 2002111057A JP 2000298169 A JP2000298169 A JP 2000298169A JP 2000298169 A JP2000298169 A JP 2000298169A JP 2002111057 A JP2002111057 A JP 2002111057A
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iii nitride
group iii
semiconductor layer
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JP2000298169A
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English (en)
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Seiji Nagai
誠二 永井
Masayoshi Koike
正好 小池
Kazuyoshi Tomita
一義 冨田
Toru Kachi
徹 加地
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Toyoda Gosei Co Ltd
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層数が大幅に小さく反射率が十分高い多重
膜反射層の実現。 【解決手段】 n型シリコン基板101の上にはAl
0.20Ga0.80Nから成る膜厚約20nmのn型バッファ
層102が設けられ、その上には膜厚約47nmのシリ
コン(Si)ドープのAl0.10Ga0.90Nより成るn型の半
導体層Bと、膜厚約43nmのシリコン(Si)ドープのI
0.17Ga0.83Nより成るn型の半導体層Aとを交互に
合計30層積層して、多重膜反射層170が形成されて
いる。GaN から成るn型クラッド層105の上には、膜
厚約3nmのIn0.18Ga0.82Nから成る井戸層161
と、膜厚約7nmのGaNから成るバリア層162とが
交互に積層されたMQW活性層160が形成されてい
る。本構成により、井戸層161よりも半導体層Aの方
がバンドギャップが若干大きくなり、光の吸収が十分に
抑止される。更に本構成により、層A,B間の屈折率の
差を極力大きくできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多重膜反射層を有
する III族窒化物系化合物半導体発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】多重膜反射層を有する III族窒化物系化
合物半導体発光素子としては、例えば、公開特許公報
「特開平8−32116:発光素子」(以下、「文献
1」と言う)に記載されているものや、公開特許公報
「特開平8−228025:窒化物半導体発光素子」
(以下、「文献2」と言う)に記載されているもの等が
一般に知られている。これらの文献1、2から判る様
に、屈折率nの差が極力大きい2種類の半導体層を、そ
れぞれ膜厚D=λ/4nで交互に多数積層することによ
り、この様な多重膜反射層を形成することができる。
【0003】上記の文献2には、反射率についての具体
的な数値が一切開示されていないため、反射率に関する
具体的或いは定量的なことはこの文献からは不明である
が、例えば、上記の文献1には、屈折率の相異なる窒化
物半導体(Al0.1 Ga0.9NとGaN)を交互に合計
50層積層して、多重膜反射層(「反射層30」)を形
成することにより、理論的には約86%の反射率が得ら
れることが例示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術により反射率の高い多重膜反射層を形成する場
合には、上記の通り多重膜反射層の積層数をかなり大き
くしなければならず、このため、製造時間、材料コスト
等の生産コストが増大して、高い生産性を上げることが
難しいと言う問題が有った。
【0005】この様な多重膜反射層の課題は、シリコン
(Si)等の光を比較的吸収し易い基板を使用する際等
に特に重要となる。これは、例えば、シリコンで結晶成
長基板を構成した場合、電極を直接基板に設けることが
できる様になる等の優れた利点が得られるものの、シリ
コンはバンドギャップエネルギーが約1.1eV程度と
かなり小さいために、基板が可視光を吸収してしまう等
の事情によるものである。
【0006】本発明は、上記の課題を解決するために成
されたものであり、その目的は、積層数が従来よりも大
幅に小さく反射率が十分高い多重膜反射層を実現するこ
とである。また、本発明の更なる目的は、反射率が十分
高い多重膜反射層を利用して、電極が直接導電性基板に
接続された III族窒化物系化合物半導体発光素子の発光
強度又は発光効率を高くし、かつ、その発光素子の生産
性を向上させることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めには、以下の手段が有効である。即ち、第1の手段
は、 III族窒化物系化合物より成る半導体層を積層して
形成される III族窒化物系化合物半導体発光素子におい
て、発光層の発光波長λに基づく所定周期で屈折率がn
A の半導体層Aと屈折率がnB (<nA )の半導体層B
とを交互に多数積層することにより形成された多重膜反
射層を設け、半導体層Aのバンドギャップエネルギーを
発光層のバンドギャップエネルギーよりも、発光層のス
ペクトラル半値幅Δλ(>0)に概ね相当するエネルギ
ー幅ΔE(〜chΔλ/λ2 ;cは光速、hはプランク
定数)分程度だけ大きくすることである。
【0008】また、第2の手段は、上記の第1の手段に
おいて、上記のエネルギー幅ΔEを、スペクトラル半値
幅Δλに対して「chΔλ/4λ2 ≦ΔE≦2chΔλ
/λ 2 」を満たす様に設定することである。
【0009】また、第3の手段は、上記の第1又は第2
の手段において、上記のエネルギー幅ΔEを100〔m
eV〕未満の正値にすることである。
【0010】また、第4の手段は、上記の第1乃至第3
の何れか1つの手段において、半導体層A及び半導体層
Bを2元、3元又は4元のInx Aly Ga1-x-y
(0≦x<1,0≦y<1,0≦x+y≦1)より形成
することである。
【0011】また、第5の手段は、上記の第1乃至第4
の何れか1つの手段において、結晶成長基板をガリウム
砒素(GaAs)、ガリウムリン(GaP)、シリコン
(Si)、又はゲルマニウム(Ge)より成る電気伝導
性基板にすることである。
【0012】また、第6の手段は、上記の第1乃至第5
の何れか1つの手段において、半導体層Aのバンドギャ
ップエネルギーを、屈折率nA が波長対屈折率曲線又は
光子エネルギー対屈折率曲線において発光波長λ付近又
は光子エネルギーE付近で略ピーク値を示す様に設定す
ることである。
【0013】また、第7の手段は、上記の第1乃至第6
の何れか1つの手段において、半導体層Aを3元又は4
元のInx Aly Ga1-x-y N(0≦x<1,0.10≦y
≦0.50,0<x+y≦1)より形成することである。
【0014】更に、第8の手段は、上記の第1乃至第7
の何れか1つの手段において、半導体層Bを3元又は4
元のInx Aly Ga1-x-y N(0.10≦x≦0.30,0≦
y<1,0<x+y≦1)より形成することである。以
上の手段により、前記の課題を解決することができる。
【0015】
【作用及び発明の効果】前記の様に、多重膜反射層は屈
折率nの差が大きい2種類の半導体層をそれぞれ膜厚D
=λ/4nで、交互に多数積層することにより形成され
る。ただし、ここでλは、発光層の発光スペクトルにお
けるピーク波長である。この多重膜反射層を構成する2
種類の半導体層A,Bの内のバンドギャップエネルギー
の小さい方(半導体層A)のバンドギャップエネルギー
が、更に、発光層のバンドギャップエネルギーよりも小
さい場合、発光層から発光された光が半導体層Aにより
吸収されてしまう。
【0016】この様な光の吸収を抑制するためには、2
種類の半導体層A,Bのバンドギャップエネルギーをそ
れぞれ発光層のバンドギャップエネルギーよりも大きく
すれば良い。しかしながら、半導体層Aのバンドギャッ
プエネルギーの値を発光層のバンドギャップエネルギー
の値よりも大きくし過ぎると、2種類の半導体層A,B
の屈折率nA ,nB の差を十分に大きく取ることが難し
くなる。これは、好適な結晶を得る上で2種類の半導体
層A,Bの組成に元来ある程度の一定の制約があるため
である。例えば、上記の文献2には、半導体層B(nB
<nA )のアルミニウム組成比は、「0.4以下にする
ことが望ましい」等の記載(制約)が見られる。
【0017】また、発光層の発光波長λ(ピーク値)が
半導体層Aの光吸収端波長よりも長い場合にも、発光層
の発光波長λ(発光スペクトル)にはある程度の幅(ス
ぺクトラル半値幅Δλ)が有るため、半導体層Aのバン
ドギャップエネルギーの値を発光層のバンドギャップエ
ネルギーの値に近付け過ぎると、やはり、半導体層Aに
より発光層から発光された光が吸収されてしまう。
【0018】図1に、発光層と半導体層Aの発光/光吸
収スペクトルを例示する。本図に示す様に、これらのス
ペクトル曲線が互いに概ね発光層の発光スペクトルにお
けるスぺクトラル半値幅Δλ程度離れていれば、両曲線
の重なりがある程度まで小さくなるため、上記の様な光
の吸収がある程度まで抑制できることが判る。
【0019】光子の持つエネルギーEと波長λとの関係
は、次式(1)或いは(2)で与えられる。
【数1】 E=ch/λ …(1)
【数2】 dE/dλ=−ch/λ2 …(2) ただし、ここで、cは光速、hはプランク定数である。
【0020】従って、製造する発光素子の発光層の発光
スペクトルにおけるピーク波長λとスぺクトラル半値幅
Δλが既知の場合には、これらの値に基づいて、半導体
層Aのバンドギャップエネルギーを次式(3)で与えら
れるエネルギー幅ΔE分程度だけ、発光層のバンドギャ
ップエネルギーよりも大きく成る様に、半導体層Aの組
成比を決定すれば良い。
【数3】 ΔE〜chΔλ/λ2 …(3)
【0021】即ち、一旦このエネルギー幅ΔEの値が求
まれば、この様なバンドギャップエネルギーの条件を満
たす半導体層Aの組成比は、例えば、2乃至4元の III
族窒化物系化合物半導体の組成比とその半導体のバンド
ギャップエネルギー等の関係や、ベガードの法則等を用
いた一般に公知の手法、或いは、その他の適当な任意の
手法により求めることができる。
【0022】以上の様な半導体層Aの組成比の決定によ
り、半導体層Aによる発光層から発光された光の吸収を
十分に抑制した上で、尚且つ、半導体層A,Bの屈折率
の差を十分或いは最大に大きく取ることができる。従っ
て、従来よりも大幅に小さな積層数で、反射率が十分高
い多重膜反射層を形成することが可能となる。
【0023】尚、上記のエネルギー幅ΔEの適正範囲
は、半導体層Aのスぺクトラル半値幅にもある程度依存
するが、概ね次式(4)に示す程度が良い。
【数4】 chΔλ/4λ2 ≦ΔE≦2chΔλ/λ2 …(4) ただし、ここで、λ、Δλは発光層の発光スペクトルに
おけるピーク波長、及びスぺクトラル半値幅である。バ
ンドギャップエネルギーの絶対値についての半導体層A
と発光層との差(ΔE)がこの範囲よりも小さい値にな
ると、発光層(井戸層)の発光スペクトルと半導体層A
の光吸収スペクトルとの重なりが大きくなり、半導体層
Aによる光の吸収が顕著となる。また、ΔEがこの範囲
よりも大きい値になると、半導体層A,Bの屈折率の差
を大きくすることが前記の制約から次第に困難となり、
よって、積層数の削減が難しくなる。
【0024】また、半導体層A,Bの屈折率差を大きく
取る方法としては、次の方法が有効である。即ち、半導
体層Aの屈折率nA は、半導体層Aのバンドギャップエ
ネルギーを発光層のバンドギャップエネルギーに近付け
ることにより、発光波長λに対する屈折率を通常より大
きくすることができる。これは、これらの半導体の屈折
率の波長依存性(光子エネルギー依存性)がその半導体
自身の発光波長付近で極大を示すためである。従って、
この極大値付近の大きな屈折率を利用できる様に半導体
層Aの組成比を調整すれば、半導体層A,Bの屈折率差
を大きく取ることが可能となる。ただし、半導体層Aの
バンドギャップエネルギーを発光層のバンドギャップエ
ネルギーに近付け過ぎると、出力された光の吸収が大き
くなるため、上記のエネルギー幅ΔEの適正範囲が定ま
る。
【0025】また、より具体的な目安としては、前記の
エネルギー幅ΔEは、概ね100meV未満が良い。こ
れらの条件を良好に満たす半導体層Aや、上記の半導体
層Bは、一般に2元、3元又は4元のInx Aly Ga
1-x-y N(0≦x<1,0≦y<1,0≦x+y≦1)
より構成することが可能である。
【0026】また、これらの多重膜反射層を利用すれ
ば、基板が可視光を吸収してしまう等の不都合が十分に
回避できるので、例えば、バンドギャップエネルギーが
約1.1eV程度とかなり小さいシリコンで結晶成長基板
を構成した場合でも、十分な発光効率が得られると共
に、電極を直接基板に設けることができる様になる。
【0027】従って、この様な電極構造によれば、発光
素子の構造を簡単にできたり、各半導体層に対して垂直
な方向に電流を流せる様にできたり、電流密度の空間的
な偏りを軽減できたり、発光層(各井戸層)の面積を基
板の面積と略同じにまで拡張できる等の優れた利点を得
ることができる。このため、発光素子の製造工程を簡単
にしたり、発光効率を大幅に向上したりすることが可能
となる。
【0028】また、これらの多重膜反射層の導入によ
り、結晶成長時に発生する基板からの格子欠陥の発光層
(井戸層)への到達数を大幅に低減できる等の効果をも
同時に得ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的な実施例に
基づいて説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例
に限定されるものではない。 (実施例1)図2に、本実施例1のLED(発光素子1
00)の模式的な断面図を示す。本発光素子100は、
有機金属気相成長法(MOVPE法)による気相成長に
より製造されたものである。
【0030】n型シリコン基板101の上にはシリコン
(Si)ドープのAl0.20Ga0.80Nから成る膜厚約200
Åのn型バッファ層102が設けられ、その上には膜厚
約47nmのシリコン(Si)ドープのAl0.10Ga0.90
より成るn型の半導体層Bと、膜厚約43nmのシリコ
ン(Si)ドープのIn0.17Ga0.83Nより成るn型の半導
体層Aとが交互に合計30層(15周期)積層されてい
る。本発光素子100の多重膜反射層170は、この合
計30層の半導体層より構成されている。
【0031】更に、多重膜反射層170の上には、シリ
コン(Si)ドープのGaN から成る膜厚約2μmの高キャリ
ア濃度n+ 層103が形成されており、この高キャリア
濃度n+ 層103の上には、ノンドープのIn0.03Ga0.97
N から成る膜厚約2000Åの中間層104が形成され
ている。
【0032】そして、中間層104の上には、膜厚約1
50ÅのGaN から成るn型クラッド層105が積層さ
れ、更に、膜厚約30ÅのIn0.18Ga0.82Nから成る井
戸層161と、膜厚約70ÅのGaNから成るバリア層1
62とが交互に積層された多重量子井戸(MQW) 構造のM
QW活性層160が形成されている。即ち、3層の井戸
層161と2層のバリア層162とが交互に積層される
ことにより、合計5層で3周期、膜厚約23nmのMQ
W構造が構成されている。
【0033】このMQW活性層160の上には、膜厚約
140ÅのGaN から成るキャップ層107、及びマグネ
シウム(Mg)ドープのp型Al0.12Ga0.88N から成る膜厚約
200Åのp型クラッド層108が形成されている。さ
らに、p型クラッド層108の上には膜厚約600Åの
マグネシウム(Mg)ドープのp型Al0.05Ga0.95N から成る
p型コンタクト層109が形成されている。
【0034】又、p型コンタクト層109の上には金属
蒸着による透光性薄膜正電極110が形成されている。
透光性薄膜正電極110は、p型コンタクト層109に
接合する膜厚約15Åのコバルト(Co)より成る薄膜正電極
第1層111と、Coに接合する膜厚約60Åの金(Au)より
成る薄膜正電極第2層112とで構成されている。
【0035】厚膜正電極120は、膜厚約175Åのバ
ナジウム(V)より成る厚膜正電極第1層121と、膜
厚約15000Åの金(Au)より成る厚膜正電極第2
層122と、膜厚約100Åのアルミニウム(Al)よ
り成る厚膜正電極第3層123とを透光性薄膜正電極1
10の上から順次積層させることにより構成されてい
る。
【0036】また、最上部には、SiO2 膜より成る保
護膜130が形成されており、更に、n型シリコン基板
101の底面に当たる反対側の最下部には、基板との密
着性、電気抵抗、接触抵抗、オーミック性、耐蝕性、及
び反射率等の面で総合的に優れているロジウム(Rh)より
成る負電極150が、金属蒸着により約5000Åの膜厚で
成膜されている。
【0037】以上の構成により、本発光素子100は約
460nmの波長(青色)で発光し、前記の文献1に例
示された従来技術の多重膜反射層(合計50層から成る
「反射層30」)に対して40%も削減された積層数
で、従来と同等以上の高い反射率(87%)を示した。
【0038】この様に、本発光素子100の多重膜反射
層において高い反射率が得られた理由は、半導体層Aの
バンドギャップエネルギーがMQW活性層160の井戸
層161のバンドギャップエネルギーよりも若干大きく
成る様な半導体層Aの組成比の設定により、井戸層16
1の発光スペクトルと半導体層Aの光吸収スペクトルと
の重なりが大幅に削減されたためであり、更に、この様
な設定により、半導体層Aの屈折率nA と半導体層Bの
屈折率nB との間の差を十分に大きくできたことにも依
るものと考えられる。
【0039】図3の表に、本発明のその他の実施例(実
施例2、実施例3)と、これらに対する各比較例(比較
例1〜3)のLED(試作品)の構造諸元と各多重膜反
射層の反射率を示す。これらの発光素子の構造は、上記
の実施例1の発光素子100の構造と酷似しており、本
表に記載した点以外には構造的な差異はない。ただし、
半導体層A及び半導体層Bの各膜厚は、それぞれ略1/
4光学波長(D=λ/4n)である。また、各LEDの
発光長波λは、何れも約460nm(青色)である。
【0040】これらの試作品(発光素子)に対する反射
率の測定結果より、本発明によれば、以下の作用・効果
が得られることが判る。即ち、例えば上記の実施例1〜
3に例示・代表される様な、本発明の手段によれば、半
導体層Aのバンドギャップエネルギーが発光層(MQW
活性層の井戸層)のバンドギャップエネルギーよりも若
干大きく成る様に半導体層Aの組成比が設定されるた
め、発光層(MQW活性層の井戸層)の発光スペクトル
と半導体層Aの光吸収スペクトルとの重なりが大幅に削
減され、更に、発光層から出力される光の発光波長が、
半導体層A自身の発光波長(バンドギャップエネルギ
ー)付近にあるため、半導体層Aの屈折率n A が極大と
なる。したがって、屈折率nA と半導体層Bの屈折率n
B との間の差を十分に大きくできるため、多重膜反射層
において小さな積層数で高い反射率が得られる。
【0041】尚、上記の各試作品(LED)において
は、半導体層Aはガリウム(Ga)を含んだ III族窒化
物系化合物半導体より構成されているが、半導体層Aは
3元のInx Al1-x N(0<x<1)より成る半導体
より形成しても良い。
【0042】また、本発明の発光層は、MQW構造やS
QW構造の量子井戸における井戸層であっても、量子井
戸構造を有しない発光層であっても良く、本発明はこれ
らの発光層(井戸層)の積層構造に依存することなく適
用することが可能である。
【0043】また、本発明の多重膜反射層は、面発光L
D(半導体レーザ)や或いは任意の構造を有するLED
等の、各種の III族窒化物系化合物半導体発光素子に幅
広く適用することが可能である。また、本発明の多重膜
反射層は、各種の III族窒化物系化合物半導体受光素子
(受光デバイス)に適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】発光層と半導体層Aの発光/光吸収スペクトル
を例示する模式的なグラフ。
【図2】本発明の実施例1のLED(発光素子100)
の模式的な断面図。
【図3】本発明のその他の実施例(実施例2、実施例
3)と各比較例(比較例1〜3)のLED構造諸元と、
各多重膜反射層の反射率を示す表。
【符号の説明】
101 … n型シリコン基板 102 … n型バッファ層 170 … 多重膜反射層 A … 屈折率nA を有する半導体層 B … 屈折率nB を有する半導体層(nB <nA ) 103 … 高キャリア濃度n+ 層 104 … 中間層 105 … n型クラッド層 160 … MQW活性層 161… 井戸層 162… バリア層 107 … キャップ層 108 … p型クラッド層 109 … p型コンタクト層 110 … 透光性薄膜正電極 111… 薄膜正電極第1層 112… 薄膜正電極第2層 120 … 厚膜正電極 121… 厚膜正電極第1層 122… 厚膜正電極第2層 123… 厚膜正電極第3層 130 … 保護膜 150 … 負電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小池 正好 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 冨田 一義 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 加地 徹 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 5F041 AA03 CA04 CA05 CA33 CA34 CA35 CA37 CA40 CA65 CB15

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 III族窒化物系化合物より成る半導体層
    を積層して形成されるIII族窒化物系化合物半導体発光
    素子において、 発光層の発光波長λに基づく所定周期で、屈折率がnA
    の半導体層Aと、屈折率がnB (<nA )の半導体層B
    とを交互に多数積層することにより形成された多重膜反
    射層を有し、 前記半導体層Aのバンドギャップエネルギーは、前記発
    光層のバンドギャップエネルギーよりも、前記発光層の
    スペクトラル半値幅Δλ(>0)に概ね相当するエネル
    ギー幅ΔE(〜chΔλ/λ2 ;cは光速、hはプラン
    ク定数)分程度だけ大きいことを特徴とする III族窒化
    物系化合物半導体発光素子。
  2. 【請求項2】 前記エネルギー幅ΔEは、前記スペクト
    ラル半値幅Δλに対して、「chΔλ/4λ2 ≦ΔE≦
    2chΔλ/λ2 」を満たすことを特徴とする請求項1
    に記載の III族窒化物系化合物半導体発光素子。
  3. 【請求項3】 前記エネルギー幅ΔEは、 100〔meV〕未満であることを特徴とする請求項1
    又は請求項2に記載の III族窒化物系化合物半導体発光
    素子。
  4. 【請求項4】 前記半導体層A及び前記半導体層Bは、 2元、3元又は4元のInx Aly Ga1-x-y N(0≦
    x<1,0≦y<1,0≦x+y≦1)より成ることを
    特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載
    の III族窒化物系化合物半導体発光素子。
  5. 【請求項5】 ガリウム砒素(GaAs)、ガリウムリ
    ン(GaP)、シリコン(Si)、又はゲルマニウム
    (Ge)より成る電気伝導性基板を有することを特徴と
    する請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の III
    族窒化物系化合物半導体発光素子。
  6. 【請求項6】 前記半導体層Aのバンドギャップエネル
    ギーは、 前記屈折率nA が、波長対屈折率曲線又は光子エネルギ
    ー対屈折率曲線において前記発光波長λ付近又は光子エ
    ネルギーE付近で略ピーク値を示す様に設定されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項
    に記載の III族窒化物系化合物半導体発光素子。
  7. 【請求項7】 前記半導体層Aは、 3元又は4元のInx Aly Ga1-x-y N(0≦x<
    1,0.10≦y≦0.50,0<x+y≦1)より成ることを
    特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載
    の III族窒化物系化合物半導体発光素子。
  8. 【請求項8】 前記半導体層Bは、 3元又は4元のInx Aly Ga1-x-y N(0.10≦x≦
    0.30,0≦y<1,0<x+y≦1)より成ることを特
    徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の
    III族窒化物系化合物半導体発光素子。
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