JP2002110764A - 基板処理装置 - Google Patents

基板処理装置

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JP2002110764A
JP2002110764A JP2000296144A JP2000296144A JP2002110764A JP 2002110764 A JP2002110764 A JP 2002110764A JP 2000296144 A JP2000296144 A JP 2000296144A JP 2000296144 A JP2000296144 A JP 2000296144A JP 2002110764 A JP2002110764 A JP 2002110764A
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transfer
acceleration
chamber
cassette
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JP2000296144A
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Yukinori Yuya
幸則 油谷
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Hitachi Kokusai Electric Inc
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Hitachi Kokusai Electric Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 位置ずれを防止しつつウエハの搬送時間を短
縮する。 【解決手段】 CVD装置のウエハを搬送する搬送ロボ
ット50を、搬送時の加速度αを零点0以外の一定加速
度区間63bが設定され、かつ、各変曲点taが弯曲し
た変形台形曲線63を用いて制御する。最大加速度αma
x の値を小さく抑えることで、最大加速度発生時のウエ
ハの位置ずれの発生を防止できる。また、変形台形曲線
63の斜辺63aにて加速度αの正負の転換点0を通過
するように設定することで当該通過時点の衝撃力の発生
を防止できるため、当該時点でのウエハの位置ずれの発
生を防止できる。 【効果】 同一の移動距離では加速度によるウエハの位
置ずれを防止しつつウエハ搬送時間を最も短縮できるた
め、CVD装置の全処理時間を短縮してスループットを
向上でき、また、位置ずれによるパーティクルの発生を
防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板処理装置、特
に、基板の搬送技術に関し、例えば、半導体装置の製造
方法において、シリコンウエハ(以下、ウエハとい
う。)に酸化シリコン(SiO2 )や窒化シリコン(S
iNx)等の絶縁膜および金属等を成膜するCVD装置
に利用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造方法において、ウエハ
に酸化シリコンや窒化シリコン等の絶縁膜および金属等
を成膜するのに、コールドウォール型枚葉式減圧CVD
装置(以下、CVD装置という。)が使用されることが
ある。このCVD装置はウエハに酸化シリコンや窒化シ
リコンおよび金属等を成膜するためのプロセスチューブ
と、複数枚のウエハを保持したカセットを収容するため
のカセットチャンバと、プロセスチューブとカセットチ
ャンバとの間に介設された搬送チャンバとを備えてお
り、カセットチャンバおよびプロセスチューブのウエハ
を搬送チャンバに設置された搬送ロボットによって搬送
するように構成されている。
【0003】このようなCVD装置に設置された搬送ロ
ボットにおいて、ウエハ保持部材としてのツィーザがウ
エハを真空吸着法や静電気吸着法等によって吸着保持す
ると、搬送中にウエハがツィーザに対してずれるのを防
止することができるため、搬送ロボットによるウエハの
搬送速度を速く設定することができ、その結果、搬送ロ
ボットのウエハ搬送時間を短縮することができる。
【0004】ところが、ツィーザによってウエハを吸着
保持すると、ウエハの被吸着面に傷が付いたり、その傷
によるパーティクルが発生したりするという問題点があ
る。そのため、ウエハをツィーザに載置しただけの状態
で、ウエハを搬送することができる搬送ロボットの開発
が要求されている。
【0005】しかし、ウエハをツィーザに載置しただけ
の状態で搬送するように構成した場合には、ウエハがツ
ィーザに対してずれないようにツィーザの移動速度を遅
くする必要があるため、搬送ロボットのウエハ搬送時間
が延長されてしまう。
【0006】そこで、従来のCVD装置における搬送ロ
ボットにおいては、ウエハをツィーザに載置させた状態
で搬送する際にツィーザを所謂S字制御によって滑らか
に移動させることにより、ウエハに過度の慣性力が作用
するのを防止し、もって、ウエハがツィーザに対してず
れるのを防止している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
CVD装置の搬送ロボットにおけるS字制御は、目標位
置および目標速度が指定される速度制御であるため、ウ
エハがツィーザに対してずれる限界の加速度を制御する
ことが困難であり、結局、搬送ロボットのウエハ搬送時
間を短縮することができない。
【0008】本発明の目的は、被搬送物の位置ずれを防
止しつつ搬送時間を短縮することができる搬送ロボット
を備えた基板処理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
の手段は、搬送ロボットを備えており、この搬送ロボッ
トは搬送時の加速度を零以外の一定加速度区間が設定さ
れた変形台形曲線を用いて制御するように構成されてい
ることを特徴とする。
【0010】前記した手段によれば、最大加速度の値を
小さく抑えることにより最大加速度発生時の被搬送物の
位置ずれの発生を防止することができる。また、変形台
形曲線の斜辺において加速度の正負の転換点を通過する
ように設定することにより、当該通過時点における衝撃
力の発生を防止することができるため、当該時点での被
搬送物の位置ずれの発生を防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面に即して説明する。
【0012】本実施の形態において、本発明に係る基板
処理装置は、半導体装置の製造方法において、ウエハに
酸化シリコンや窒化シリコン等の絶縁膜および金属膜を
成膜するCVD装置すなわちコールドウォール型枚葉式
減圧CVD装置として構成されている。
【0013】図1に示されているように、本実施の形態
に係るCVD装置10は、上下面が閉塞した正方形の角
筒形状のプロセスチューブ11を備えており、プロセス
チューブ11の内部室は処理室12を形成している。プ
ロセスチューブ11の一側壁の中間高さ位置にはウエハ
搬入搬出口13が水平方向に横長に開設されており、ウ
エハ搬入搬出口13は、ゲートバルブ14によって開閉
されるようになっている。プロセスチューブ11のウエ
ハ搬入搬出口13の向かい側には排気口15が処理室1
2に連通するように開設されており、排気口15は排気
路16を介して真空ポンプ等によって構成された排気装
置(図示せず)によって排気されるようになっている。
【0014】プロセスチューブ11の底壁の上には円筒
形状に形成されたホルダ17が同心的に設置されてお
り、ホルダ17の上端には一枚のウエハ1を同心円に載
置して保持するサセプタ18が支持されている。ホルダ
17の内部にはヒータ19が支柱20によって支持され
て設置されており、ヒータ19はサセプタ18に保持さ
れたウエハ1を加熱するようになっている。また、ホル
ダ17の底壁には持ち上げピン21が三本(図1では二
本だけが示されている。)、周方向に等間隔に配置され
て上下方向に摺動自在に支持されており、これら持ち上
げピン21はサセプタ18を貫通してウエハ1をサセプ
タ18から水平に持ち上げるようになっている。
【0015】処理室12の上端部には原料ガスやパージ
ガス等を処理室12に供給するためのガス供給ヘッド2
2が設置されている。ガス供給ヘッド22には多数個の
吹出口24が開設された吹出板23が横断的に架設され
ている。ガス供給ヘッド22の中空部によってガス供給
路25が形成されており、ガス供給路25にはガス供給
管26が原料ガスやパージガス等を供給するように接続
されている。つまり、ガス供給管26に供給されたガス
はガス供給路25において全体に拡散し、吹出板23の
各吹出口24からサセプタ18上のウエハ1の全面にシ
ャワーのように吹き出すようになっている。
【0016】プロセスチューブ11のウエハ搬入搬出口
13の外側には正方形の角筒形状に形成された搬送チャ
ンバ27が隣接して設置されており、搬送チャンバ27
の中空室は後記するウエハ搬送ロボットが設置された搬
送室28を形成している。搬送チャンバ27のウエハ搬
入搬出口13に隣接する側壁には搬送口(以下、処理室
側搬送口という。)29がウエハ搬入搬出口13に対向
するように開設されており、処理室側搬送口29もゲー
トバルブ14によって開閉されるようになっている。搬
送チャンバ27の処理室側搬送口29と反対側の側壁に
は、処理室側搬送口29と対になる搬送口(以下、カセ
ット室側搬送口という。)30が開設されており、カセ
ット室側搬送口30はゲートバルブ31によって開閉さ
れるようになっている。搬送チャンバ27の底壁には排
気口32が搬送室28に連通するように開設されてお
り、排気口32は排気路33を介して真空ポンプ等によ
って構成された排気装置(図示せず)によって排気され
るようになっている。
【0017】搬送チャンバ27のカセット室側搬送口3
0の外側には正方形の角筒形状のカセットチャンバ34
が隣接して設置されており、カセットチャンバ34の中
空室はカセットエレベータ41が設置されたカセット室
35を形成している。カセットチャンバ34のカセット
室側搬送口30に隣接する側壁にはウエハを出し入れす
るウエハ出し入れ口36が開設されており、ウエハ出し
入れ口36もゲートバルブ31によって開閉されるよう
になっている。カセットチャンバ34のウエハ出し入れ
口36と反対側の側壁にはカセット搬入搬出口37が開
設されており、カセット搬入搬出口37はゲートバルブ
38によって開閉されるようになっている。カセットチ
ャンバ34の底壁には排気口39がカセット室35に連
通するように開設されており、排気口39は排気路40
を介して真空ポンプ等によって構成された排気装置(図
示せず)によって排気されるようになっている。
【0018】カセットエレベータ41は昇降装置によっ
て昇降される昇降軸42を備えており、昇降軸42はカ
セットチャンバ34の底壁からカセット室35へ垂直に
挿入されている。カセット室35に挿入された昇降軸4
2の上端には昇降台43が水平に据え付けられており、
昇降台43はカセット44を水平に保持するように構成
されている。カセット44は互いに対向する側壁が開口
した略立方体の箱形状に形成されており、カセット44
の両開口面に直交した互いに対向する一対の側壁内面に
はウエハ46の外周部が挿入される複数条のスロット4
5がそれぞれ刻設されている。
【0019】搬送チャンバ27に設置された搬送ロボッ
ト50は昇降装置(図示せず)によって昇降され、か
つ、ロータリーアクチュエータ(図示せず)によって回
転される支軸51を備えており、支軸51は搬送チャン
バ27の底壁から搬送室28へ垂直に挿入されている。
搬送室28に挿入された支軸51の上端にはリニアアク
チュエータ52が水平に支持されており、リニアアクチ
ュエータ52の上には移動台53が搭載されている。移
動台53はリニアアクチュエータ52によって水平移動
されるようになっている。移動台53にはウエハ46を
保持するウエハ保持部材としてのツィーザ54が水平に
片持ち支持されており、ツィーザ54はウエハ46を下
から支持するように構成されている。
【0020】そして、搬送ロボット50の昇降装置やロ
ータリーアクチュエータおよびリニアアクチュエータ5
2はマイクロコンピュータ等によって構築されたコント
ローラ55により、図4について後述する通り変形台形
曲線をもって制御されるように構成されている。
【0021】次に、前記構成に係るCVD装置の作用
を、主に搬送ロボットの作動および制御について説明す
る。
【0022】例えば、二十五枚のウエハ1が収納された
カセット44はカセットチャンバ34のカセット室35
へ、ゲートバルブ38が開放されたカセット出し入れ口
36から供給される。カセット44に収納されたウエハ
1は最初の一枚が、搬送ロボット50のツィーザ54に
よってピックアップされて、ゲートバルブ31が開放さ
れたウエハ出し入れ口36およびカセット室側搬送口3
0から搬出され、搬送室28および処理室側搬送口29
を経由してプロセスチューブ11へ搬送され、処理室1
2に搬入される。
【0023】すなわち、搬送ロボット50のリニアアク
チュエータ52は図1に示された状態から支軸51によ
って180度反転され、続いて、移動台53がカセット
チャンバ34の方向へリニアアクチュエータ52によっ
て前進されて、ツィーザ54がカセット44の指定され
たスロット45のウエハ46の下側へ挿入される。次い
で、支軸51が若干だけ上昇され、指定されたウエハ4
6がツィーザ54によってピックアップされる。続い
て、移動台53がリニアアクチュエータ52によって後
退され、ツィーザ54がウエハ46を搬送室28へ引き
込む。ウエハ46を搬送室28へ搬送すると、リニアア
クチュエータ52は支軸51によって図1に示された状
態へ180度反転され、次いで、移動台53が処理室1
2の方向へリニアアクチュエータ52によって前進され
て、ツィーザ54に載置されたウエハ46が処理室12
に搬入される。
【0024】ウエハ46が搬送ロボット50によって処
理室12へ搬入されると、三本の持ち上げピン21は上
昇することによってウエハ46をツィーザ54から受け
取る。ウエハ46を持ち上げピン21に受け渡すと、移
動台53がリニアアクチュエータ52によって後退され
て、ツィーザ54が処理室12から搬送室28へ引き抜
かれる。この状態で、搬送ロボット50は次の搬出作動
に待機する。他方、ウエハ46をツィーザ54から受け
取った三本の持ち上げピン21は下降することによっ
て、ウエハ46をサセプタ18の上へ受け渡して保持さ
せる。
【0025】そして、処理室12においては所定の真空
度(例えば、50〜500Pa)に排気路16に接続さ
れた排気装置(図示せず)によって排気され、サセプタ
18に保持されたウエハ46がヒータ19によって所定
の温度(例えば、約400℃)に全体にわたって均一ま
たは所定の温度分布に加熱される。続いて、原料ガスが
処理室12の内部にガス供給管26によって供給され
る。処理室12に流入した原料ガスはサセプタ18に保
持されたウエハ46に接触しながら処理室12を流れ
て、排気口15から排気される。ウエハ46に接触した
原料ガスは熱エネルギーによって化学反応が進んだ状態
になっているため、原料成分によるCVD反応によって
所望の膜がウエハ46に堆積(デポジション)される。
【0026】予め設定された所定の時間が経過すると、
ガス供給管26の原料ガスの供給が停止され、ゲートバ
ルブ14が開放され、次いで、成膜されたウエハ46が
搬送ロボット50によって処理室12に搬出される。す
なわち、持ち上げピン21が上昇されてウエハ46がサ
セプタ18の上から持ち上げられた後、移動台53がリ
ニアアクチュエータ52によって前進されて、ツィーザ
54がウエハ46の下方に挿入され、続いて、支軸51
が若干上昇されて、ツィーザ54がウエハ46を受け取
る。ツィーザ54がウエハ46を受け取ると、移動台5
3がリニアアクチュエータ52によって後退されて、ウ
エハ46を処理室12から搬送室28へ搬送する。
【0027】ウエハ46を搬送室28へ搬送すると、リ
ニアアクチュエータ52は支軸51によって図1に示さ
れた状態から180度反転され、次いで、移動台53が
カセット室35の方向へリニアアクチュエータ52によ
って前進されて、ツィーザ54に載置されたウエハ46
がカセット室35のカセット44の元のスロット45へ
挿入される。次いで、ツィーザ54が支軸51によって
下降されると、ツィーザ54に保持されたウエハ46は
挿入されたスロット45に収納される。スロット45へ
ウエハ46を受け渡すと、移動台53がリニアアクチュ
エータ52によって後退されて、空のツィーザ54がカ
セット室35から搬送室28へ引き抜かれる。
【0028】空のツィーザ54がカセット室35から引
き抜かれると、カセット44がスロット45の一ピッチ
分だけカセットエレベータ41によって送られて、次の
ウエハ46が出し入れ位置に配置される。以降、前述し
た作動がカセット44に収納されたウエハ46の枚数分
繰り返されることにより、カセット44のウエハ46が
枚葉処理されて行く。
【0029】以上の説明から明らかな通り、CVD装置
10における各ステップのフローは、ウエハ46のカセ
ット44からの取り出しステップ→取り出したウエハ4
6の処理室12への搬入ステップ→ウエハ46の処理ス
テップ→処理済みウエハ46の処理室12からの搬出ス
テップ→搬出したウエハ46のカセット44への戻しス
テップ、というように一連に連続して並行処理すること
ができないので、処理の全体時間を短縮するためには、
搬送ロボット50のウエハ46の搬送速度を速くして、
ウエハ搬送時間を短縮する必要がある。
【0030】ところで、従来のCVD装置におけるウエ
ハの搬送ロボットにおいては、ウエハ搬送時のツィーザ
の移動を所謂S字制御することにより、ウエハが慣性力
によってずれるのを防止することができる範囲内でウエ
ハの搬送速度を可及的に速く設定している。ところが、
従来のCVD装置の搬送ロボットにおけるS字制御は目
標位置および目標速度が指定された速度制御であるた
め、ウエハがツィーザに対してずれる限界の加速度を制
御することが困難であり、結局、搬送ロボットのウエハ
搬送時間を充分に短縮することができていない。
【0031】そこで、本実施の形態に係るCVD装置の
搬送ロボット50のコントローラ55においては、ウエ
ハ46の搬送時にツィーザ54の移動を変形台形曲線を
もって加速度制御することにより、ウエハ46が慣性力
によってずれるのを防止することができる限界の加速度
を制御し、もって、ウエハ搬送時のツィーザ54の移動
速度を最も速く設定することにより、搬送ロボット50
のウエハ搬送時間を短縮するものとしている。なお、コ
ントローラ55の変形台形曲線による加速度制御は、リ
ニアアクチュエータ52の往復直線移動の制御に適用す
るに限らず、支軸51の昇降装置による昇降移動の制御
および支軸51のロータリアクチュエータによる回転移
動の制御にも適用することが望ましい。
【0032】以下、本発明の一実施の形態である変形台
形曲線によるウエハの搬送制御を、従来の台形制御(等
加速度制御)およびサイクロイド曲線による制御と比較
して、図2〜図4について説明する。
【0033】図2は従来の台形制御を示す各グラフであ
り、(a)は移動速度と移動時間との関係、(b)は加
速度と移動時間との関係、(c)は移動距離と移動時間
との関係をそれぞれ示している。ちなみに、(a)は三
角形の折れ線、(b)は矩形の折れ線、(c)は曲がり
の深いS字曲線になっている。なお、移動距離には昇降
距離や回転角度等の変位を含む(以下、移動距離につい
て同じ)。
【0034】移動時間tを「t=1」と一定とし、移動
距離Sを「S=1」と一定とすると、台形制御において
は等加速度となるため、移動速度Vと移動時間tとの関
係は図2(a)のようになる。そして、最大加速度αma
x および最大速度Vmax を求めると、次の数(式)1の
通りになる。
【0035】
【数1】
【0036】この場合には、最大加速度αmax の値は最
大で「4」と比較的に小さいことにより、ウエハに作用
する慣性力がウエハとツィーザとの間の静摩擦力を超え
ないため、最大加速度の発生時点においてウエハのツィ
ーザに対する位置ずれが発生することはない。
【0037】しかし、図2(b)に示されているよう
に、加速度αと移動時間tとの関係線である矩形折れ線
61は、図2(a)の三角形の頂点に対応する増速から
減速への転換時点において不連続になって零点(増速も
減速も起きない時点)。を通過することにより、加速度
αの向きが「正(増速)」から「負(減速)」へ瞬間的
に逆転するため、加速度αによってウエハへ作用する慣
性力の向きも瞬間的に180度転換することになり、そ
の結果、ウエハには振動力(衝撃力)が作用した状態に
なり、ウエハのツィーザに対する位置ずれが発生する。
つまり、従来の矩形折れ線61の制御によるウエハ搬送
制御では、ウエハのツィーザに対する位置ずれの発生を
防止することができない。
【0038】図3は従来のサイクロイド曲線制御を示す
各グラフであり、(a)は移動速度と移動時間との関
係、(b)は加速度と移動時間との関係、(c)は移動
距離と移動時間との関係をそれぞれ示している。ちなみ
に、(a)はグランベール曲線、(b)はサイクロイド
曲線、(c)は曲がりの深いS字曲線になっている。
【0039】この場合には加速度と移動時間との関係曲
線(以下、加速度曲線という。)がサイクロイド曲線6
2であるため、加速度αは、α=2πsin2πt、で
表される。そして、最大加速度αmax および最大速度V
max を求めると、次の数(式)2の通りになる。
【0040】
【数2】
【0041】図3(b)に示されているように、加速度
曲線であるサイクロイド曲線62も零点0を通過するた
め、この通過時点の前後でウエハに作用する慣性力の向
きが転換することにより、ウエハには衝撃力が作用する
ことになる。しかし、図3(b)に示されているよう
に、サイクロイド曲線62の通過時点前後の線分62a
は傾きを有するため、その傾きの分だけ、ウエハに作用
する正逆向きの慣性力すなわち衝撃力は小さくなり、こ
の零点通過時におけるウエハのツィーザに対する位置ず
れは防止されることになる。
【0042】しかしながら、前記数(式)2の通り、こ
のサイクロイド曲線62による加速度制御の場合の最大
加速度αmax の値は「6.28」と大きいことにより、
ウエハに作用する慣性力がウエハとツィーザとの間の静
摩耗力を超えるため、この最大加速度の発生時点におい
てウエハのツィーザに対する位置ずれが発生してしま
う。つまり、このサイクロイド曲線62による加速度制
御では、ウエハのツィーザに対する位置ずれの発生を防
止することができない。
【0043】図4は本発明の実施の形態である変形台形
曲線によるウエハ搬送制御を示す各グラフであり、
(a)は移動速度と移動時間との関係、(b)は加速度
と移動時間との関係、(c)は移動距離と移動時間との
関係をそれぞれ示している。ちなみに、(a)はカウベ
ル(cow bell)形の曲線、(b)は変形台形曲線、
(c)は曲がりの浅いS字曲線になっている。
【0044】図4に示された変曲点をtaとして、加速
度αを次の数(式)3のように定義し、最大加速度αma
x および最大速度Vmax を求めると、次の数(式)3の
通りになる。
【0045】
【数3】
【0046】図4(b)に示されているように、本実施
の形態の加速度曲線である変形台形曲線63も零点0を
通過するため、この通過時点の前後でウエハに作用する
慣性力の向きが転換することにより、ウエハには衝撃力
が作用することになる。しかし、この変形台形曲線63
の通過時点前後の線分63aは傾きを有するため、その
傾きの分だけ、ウエハに作用する正逆向きの慣性力すな
わち衝撃力は小さくなり、この零点通過時におけるウエ
ハのツィーザに対する位置ずれは防止されることにな
る。
【0047】他方、前記数(式)3の通り、この変形台
形曲線63による加速度制御の場合の最大加速度αmax
の値は「4.89」と小さいことにより、ウエハに作用
する慣性力がウエハ46とツィーザ54との間の静摩擦
力を超えないため、この最大加速度の発生時点において
ウエハのツィーザに対する位置ずれは発生しない。つま
り、この変形台形曲線によるウエハ搬送制御では、ウエ
ハ46のツィーザ54に対する位置ずれの発生を防止す
ることができる。
【0048】ここで、図4(b)に示された正側の変形
台形曲線の加速度が一定の区間63bにおいては、速度
Vは図4(a)に示されているように比例的に上昇し続
ける。また、負側の変形台形曲線の加速度が一定の区間
63cにおいては、速度Vは比例的に下降し続ける。こ
のため、図4(c)に示されているように、移動距離S
と移動時間tとの関係線は略直線的な曲がりの浅いS字
曲線になる。その結果、変形台形曲線63による加速度
制御によれば、最大加速度αmax がサイクロイド曲線6
2に比べて小さくても、移動距離Sを稼ぐことができ
る。
【0049】また、図4(b)に示された変曲点taに
おける弯曲区間は加速度αが徐々に変化する区間であ
り、加速度αが急激に変化することによってウエハ46
に作用する慣性力が急激に変化してウエハ46の位置ず
れが発生してしまうのを防止するための制御区間であ
る。例えば、変形台形曲線63の増加する側の斜辺区間
63dにおいて加速度αが急激に増加して行き、変形台
形曲線63の上辺である一定区間63bの加速度αに入
る時に、慣性力の増加が急に停止することにより、衝撃
力的な慣性力が作用してウエハ46がツィーザ54に対
してずれるのを防止する制御である。
【0050】以上説明したように、矩形折れ線61によ
る加速度制御において加速度αの零点通過時のウエハの
位置ずれを防止することができない場合、かつまた、サ
イクロイド曲線62による加速度制御において最大加速
度時のウエハの位置ずれを防止することができない場合
であっても、本実施の形態に係る変形台形曲線63によ
る加速度制御によれば、ウエハの位置ずれを防止するこ
とができる。すなわち、本実施の形態によれば、加速度
の零点通過時のウエハの位置ずれと最大加速度時のウエ
ハの位置ずれとの両方を防止することができる。換言す
ると、本実施の形態に係る変形台形曲線63による加速
度制御によれば、移動距離Sが同一(S=1)の条件に
おいて、加速度によるウエハの位置ずれの発生を防止し
得る範囲内でウエハの移動時間tを最も短縮することが
できる。
【0051】前記実施の形態によれば、次の効果が得ら
れる。
【0052】1) ウエハの搬送時にツィーザの移動を変
形台形曲線をもって加速度制御するようにCVD装置の
搬送ロボットを構成することにより、移動距離が同一の
条件において、加速度によるウエハの位置ずれの発生を
防止しつつウエハの移動時間を最も短縮することができ
るため、搬送ロボットのウエハ搬送時間を最も短縮する
ことができる。
【0053】2) 搬送ロボットのウエハ搬送時間を短縮
することにより、CVD装置の全体の処理時間を短縮す
ることができるため、CVD装置のスループットを高め
ることができる。
【0054】3) ウエハがツィーザに対してずれるのを
防止することにより、その位置ずれによるパーティクル
の発生を防止することができるため、CVD装置の信頼
性やCVD装置の処理の歩留りを向上させることがで
き、ひいては、CVD装置によって製造される半導体装
置の品質および信頼性を向上させることができる。
【0055】なお、本発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変
更が可能であることはいうまでもない。
【0056】前記実施の形態においては搬送ロボットの
ウエハ保持部材であるツィーザにウエハを一枚ずつ載置
して搬送する場合について説明したが、本発明はこれに
限らず、複数枚のウエハを収納したキャリアを搬送ロボ
ットの保持部材に載置して複数枚のウエハを搬送する場
合等にも適用することができる。
【0057】前記実施の形態においては搬送ロボットが
ウエハを搬送する場合について説明したが、本発明はこ
れに限らず、LCD(液晶表示装置)の製造方法におけ
る液晶パネルやガラス基板等の基板を搬送ロボットが搬
送する場合にも適用することができる。
【0058】前記実施の形態においてはCVD装置に適
用した場合について説明したが、本発明はこれに限ら
ず、バッチ式ホットウォール型CVD装置のような他の
半導体製造装置やLCD製造装置等の基板処理装置全般
に適用することができる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
被搬送物の位置ずれを防止しつつ搬送時間を短縮するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるCVD装置を示す
側面断面図である。
【図2】搬送ロボットの制御を説明するための比較例で
ある台形制御を示す各グラフであり、(a)は移動速度
と移動時間との関係、(b)は加速度と移動時間との関
係、(c)は移動距離と移動時間との関係をそれぞれ示
している。
【図3】同じくサイクロイド曲線制御を示す各グラフで
あり、(a)は移動速度と移動時間との関係、(b)は
加速度と移動時間との関係、(c)は移動距離と移動時
間との関係をそれぞれ示している。
【図4】本発明の一実施の形態である搬送ロボットの変
形台形曲線による制御を示す各グラフであり、(a)は
移動速度と移動時間との関係、(b)は加速度と移動時
間との関係、(c)は移動距離と移動時間との関係をそ
れぞれ示している。
【符号の説明】
1…ウエハ(基板)、10…CVD装置(基板処理装
置)、11…プロセスチューブ、12…処理室、13…
ウエハ搬入搬出口、14…ゲートバルブ、15…排気
口、16…排気路、17…ホルダ、18…サセプタ、1
9…ヒータ、20…支柱、21…持ち上げピン、22…
ガス供給ヘッド、23…吹出板、24…吹出口、25…
ガス供給路、26…ガス供給管、27…搬送チャンバ、
28…搬送室、29…処理室側搬送口、30…カセット
室側搬送口、31…ゲートバルブ、32…排気口、33
…排気路、34…カセットチャンバ、35…カセット
室、36…ウエハ出し入れ口、37…カセット搬入搬出
口、38…ゲートバルブ、39…排気口、40…排気
路、41…カセットエレベータ、42…昇降軸、43…
昇降台、44…カセット、45…スロット、46…ウエ
ハ、50…搬送ロボット、51…支軸、52…リニアア
クチュエータ、53…移動台、54…ツィーザ、55…
コントローラ、61…矩形折れ線、62…サイクロイド
曲線、63…変形台形曲線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K030 FA10 GA12 KA41 LA15 5F031 CA02 FA01 FA07 FA11 FA12 GA02 GA46 GA47 GA48 GA49 HA33 HA37 MA13 MA28 NA07 PA02 PA26 5F045 AA03 AB32 AB33 DP03 EF05 EN04

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送ロボットを備えており、この搬送ロ
    ボットは搬送時の加速度を零以外の一定加速度区間が設
    定された変形台形曲線を用いて制御するように構成され
    ていることを特徴とする基板処理装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009025257A1 (ja) * 2007-08-20 2009-02-26 Tokyo Electron Limited 基板処理装置及び基板処理方法
KR20130056752A (ko) * 2011-11-22 2013-05-30 세메스 주식회사 반송로봇

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