JP2002110639A - プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法

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JP2002110639A
JP2002110639A JP2000293043A JP2000293043A JP2002110639A JP 2002110639 A JP2002110639 A JP 2002110639A JP 2000293043 A JP2000293043 A JP 2000293043A JP 2000293043 A JP2000293043 A JP 2000293043A JP 2002110639 A JP2002110639 A JP 2002110639A
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reaction tube
gas
electrodes
plasma processing
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JP2000293043A
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Masaharu Yasuda
正治 安田
Koji Sawada
康志 澤田
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマ生成用ガスの組成によって、プラズ
マ処理時に半導体チップに加わるチャージアップダメー
ジを低減することができるプラズマ処理装置を提供す
る。 【解決手段】 誘電体材料で筒状の反応管7を形成する
と共に反応管7の片側をスリット形状の吹き出し口12
として開放する。反応管7の外側に複数個の電極9、1
0を配設する。希ガスと酸素ガスを含むプラズマ生成用
ガス8を反応管7に導入すると共に電極9、10間に電
圧を印加することによって大気圧近傍の圧力下で反応管
7内に放電を発生させる。放電により反応管7内に生成
されたプラズマ13を吹き出し口12から吹き出すプラ
ズマ処理装置に関する。プラズマ生成用ガス8に占める
酸素ガスの混合比率を2〜5vol%にする。プラズマ
13中に生じる電子を酸素ガスで吸着して消滅させるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品のボンデ
ィング性を向上させたり、電子部品と封止樹脂との密着
性や濡れ性を改善させたり、製膜したりするために、電
子部品の表面をプラズマにより改質するのに利用される
プラズマ処理装置及びこれを用いたプラズマ処理方法に
関するものであって、特に、電子部品との精密な接合が
要求される電子回路基板においてその信頼性を向上させ
るために、電子回路基板の表面のクリーニングに好適に
応用されるものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、大気圧下でプラズマ処理を行
うことが試みられている。例えば、特開平2−1517
1号公報や特開平3−241739号公報や特開平1−
306569号公報には、反応容器内の放電空間に一対
の電極を配置すると共に電極の間に誘電体を設け、放電
空間をHe(ヘリウム)やAr(アルゴン)などの希ガ
スを主成分とするプラズマ生成用ガスで充満し、反応容
器に被処理物を入れると共に電極の間に交流電界を印加
するようにしたプラズマ処理方法が開示されており、誘
電体が配置された電極の間に交流電界を印加することに
より安定的にグロー状の放電を発生させ、このグロー状
の放電によりプラズマ生成用ガスを励起して反応容器内
にプラズマを生成し、このプラズマにより被処理物の処
理を行うようにしたものである。
【0003】また、特開平4−358076号公報や特
開平4−212253号公報にも、大気圧下でグロー状
の放電により生成したプラズマを被処理物にジェット状
に吹き出してプラズマ処理を行うことが提案されてい
る。さらに、特開平9−167757号公報にはプラズ
マ生成用ガスとして、HeやArやKrやXeの中から
選ばれる不活性ガスを含有(添加)したもの、あるいは
2、CF4、N2、CO2、SF6、CHF3の中から選ば
れた反応性ガス、少なくともO、H、F、Clを含むガ
スを使用してプラズマ処理することが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のプラズ
マ処理方法及び装置においては、半導体チップの表面改
質に着目したプラズマ処理装置であって、特に、電子回
路基板の表面に半導体チップを搭載した状態で電子回路
基板の表面をクリーニングなどの目的でプラズマ処理し
た場合のチャージアップ現象についてはなんら検討され
ていない。プラズマを半導体チップに照射すればチャー
ジアップが発生して、半導体チップの特性不良を引き起
こすことは半導体(製造)プロセスでも問題となってい
る。
【0005】以下、チャージアップについて、図6を参
考に説明する。図6は半導体チップ(半導体素子)14
の断面図であって、シリコン単結晶基板1上に形成され
たゲート電極2の概略図である。チャージアップは、プ
ラズマ中の荷電粒子3が半導体チップ14のゲート電極
2と電気的に接続された配線6に注入され、配線6とゲ
ート電極2を介してゲート酸化膜5に蓄積されることで
起こる現象である。配線6上には半導体チップ14の表
面を保護するためにパッシベーション膜4が形成されて
いるが、配線6のワイヤボンドやバンプ接合を行う部分
であるボンディング部20に対応する位置にはパッシベ
ーション膜4が形成されておらず、クリーニングなどの
プラズマ処理時にはこのボンディング部20が直接プラ
ズマに曝されることになって、ボンディング部20がプ
ラズマ中の荷電粒子3を拾うアンテナの役割を果たすの
である。
【0006】そして、上記のチャージアップ現象が過度
に進むと、やがてゲート酸化膜5の物理特性に影響を及
ぼす。具体的には、ゲート酸化膜5の物理特性が変化し
た結果、MOSFET(電解効果トランジスタ)の場合
にはgm(コンダクタンス)やVth(スレッシュホル
ド電圧)などが変動する。これがチャージアップダメー
ジと呼ばれる現象である。
【0007】チャージアップダメージの評価方法として
は、MNOS(メタル−シリコンナイトライド−シリコ
ン酸化膜−シリコン)素子を用いて、プラズマ処理前後
でのVFB(フラットバンド電圧)のシフト量を測定す
る方法や、酸化膜に定電流を流し込みメタル−シリコン
間がブレークダウンするまでの時間を計測する方法(Q
bd評価法)などがあり、これらの方法によりダメージ
の発生の有無や大きさをプラズマ照射前後での酸化膜寿
命の変化量で知ることができるのである。
【0008】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、プラズマ生成用ガスの組成によって、プラズマ処
理時に半導体チップに加わるチャージアップダメージを
低減することができるプラズマ処理装置及びこれを用い
たプラズマ処理方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
プラズマ処理装置は、誘電体材料で筒状の反応管7を形
成すると共に反応管7の片側をスリット形状の吹き出し
口12として開放し、反応管7の外側に複数個の電極
9、10を配設し、希ガスと酸素ガスを含むプラズマ生
成用ガス8を反応管7に導入すると共に電極9、10間
に電圧を印加することによって大気圧近傍の圧力下で反
応管7内に放電を発生させ、放電により反応管7内に生
成されたプラズマ13を吹き出し口12から吹き出すプ
ラズマ処理装置において、プラズマ生成用ガス8に占め
る酸素ガスの混合比率を2〜5vol%にして成ること
を特徴とするものである。
【0010】また、本発明の請求項2に係るプラズマ処
理装置は、請求項1の構成に加えて、電極9、10間に
印加する電圧を高周波電圧とし、プラズマ生成用ガス8
の希ガスとしてHeとArを併用すると共にプラズマ生
成用ガス8に占めるHeの混合比率を30vol%以下
にして成ることを特徴とするものである。
【0011】また、本発明の請求項3に係るプラズマ処
理装置は、請求項1の構成に加えて、電極9、10間に
印加する電圧をパルス電圧とし、プラズマ生成用ガスの
希ガスとしてArを用いて成ることを特徴とするもので
ある。
【0012】また、本発明の請求項4に係るプラズマ処
理装置は、請求項1乃至3のいずれかの構成に加えて、
電極9、10をリング状に形成すると共に電極9、10
を反応管7の外周面に接触させて設けて成ることを特徴
とするものである。
【0013】本発明の請求項5に係るプラズマ処理方法
は、請求項1乃至4のいずれかに記載のプラズマ処理装
置の反応管7の吹き出し口12からプラズマ13を吹き
出し、半導体チップ14を搭載した電子回路基板15の
表面に供給することによって電子回路基板15の表面改
質を行うことを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0015】図1に本発明のプラズマ処理装置の一例を
示す。このプラズマ処理装置は、反応管7の外側に複数
個(一対)の電極9、10を上下に互いに対向させて配
置することによって形成されており、電極9、10の間
に対応する位置において反応管7内には放電空間21が
形成されている。また、電極9、10はインピーダンス
整合回路(図示省略)を介して電源11と電気的に接続
されている。尚、電極9、10はそれぞれ一個ずつ以上
あれば何個あっても良い。
【0016】反応管7は高融点の誘電体材料(絶縁材
料)で扁平形状の略角筒状に形成されるものである。反
応管7を構成する誘電体材料の誘電率は放電空間21に
おけるプラズマの低温化の重要な要素であって、具体的
には誘電体材料として石英、アルミナ、イットリア部分
安定化ジルコニウムなどのガラス質材料やセラミック材
料などを例示することができる。また、反応管7の上面
はガス導入口51として略全面に亘って開放されている
と共に反応管7の下面は吹き出し口12として略全面に
亘って開放されている。従って、この吹き出し口12は
反応管7の幅広方向と平行方向に長くて幅の狭いスリッ
ト形状に形成されており、これにより、吹き出し口12
を小さい孔(スポット形状)に形成する場合に比べて、
広い面積を一度に処理することができるものである。上
記の吹き出し口12及びガス導入口51は反応管7内の
放電空間21と連通して形成されている。尚、反応管7
は円筒状に形成しても良い。
【0017】電極9、10は、例えば、銅、アルミニウ
ム、真鍮、耐食性の高いステンレス鋼(SUS304な
ど)などの導電性の金属材料で形成することができる。
また、電極9、10はリング状(環状)に形成されてい
るが、その内周形状は反応管7の外周形状に合致するよ
うに形成されている。そして、電極9、10の内側に反
応管7を挿着することによって、反応管7の外周に電極
9、10を取り付けることができる。この時、各電極
9、10の内周面は反応管7の外周面に全周に亘って接
触させるものであり、これにより、電極9、10を反応
管7の外周面に全周に亘って接触させない場合に比べ
て、電極9、10と反応管7の接触面積が大きくなって
接触性を向上させることができ、電極9、10間に電圧
を印加した際に放電空間21に放電が発生しやすくなっ
てプラズマ13の生成効率を高めることができるもので
ある。また、反応管7の外側に電極9、10を設けるこ
とによって、電極9、10がプラズマ13によるスパッ
タリングや腐食作用を受けないようにすることができ、
電極9、10のスパッタリングにより生じる汚染物質で
被処理物50が汚染されないようにすることができると
共に電極9、10の長寿命化を図ることができるもので
ある。尚、電極9、10の間隔はプラズマを安定に生成
するために3〜20mmに設定するのが好ましい。
【0018】電源11としては、高周波電圧またはパル
ス電圧を発生し、且つ放電空間21でプラズマ13を連
続的に生成するのに必要な電圧を電極9、10間に印加
することができるものを用いる。高周波電圧は休止時間
(電圧が一定で定常状態になっている時間)が無いかほ
とんど無い電圧波形(例えば、正弦波)を有するもので
あり、パルス電圧は休止時間のある電圧波形を有するも
のである。また、放電空間21でプラズマ13を連続的
に生成するのに必要な電圧は反応管7の厚みや放電空間
21の大きさやプラズマ生成用ガスの組成等によって異
なるので適宜設定すればよいが、例えば、0.5〜5k
Vに設定することができる。
【0019】電極9、10間に印加する電圧として高周
波電圧を用いると、電源11として用いる電源装置の構
造を簡素化することができると共に電極9、10間に印
加する電圧の周波数や放電空間21に供給する電力の大
きさ等を容易に調整することができるので好ましい。ま
た、電極9、10間に印加する電圧としてパルス電圧を
用いると、電源11として用いる電源装置の構造が複雑
化するものの、電界による荷電粒子の加速が無い時間が
あるので、荷電粒子が放電空間21に滞在する時間が長
くなり、放電空間21における放電が容易に起こりやす
くなって放電効率が上がりプラズマを容易に生成するこ
とができるので好ましい。特に、Heを放電空間21に
導入しない場合は、Heを放電空間21に導入する場合
よりも絶縁破壊電圧が高くなり、放電が発生しにくくな
るので、パルス電圧を用いるのが好ましい。
【0020】プラズマ生成用ガス(図1に矢印で示す)
8としては希ガスと酸素ガスの混合ガスを用いる。この
ようにプラズマ生成用ガス8に酸素ガスを含有させる
と、プラズマ13中の電子を酸素ガスが吸着して自ら負
イオンとなり、プラズマ13中の電子密度を下げる作用
をするものである。一般的に、電子の方がイオンに比べ
ると移動度が大きくまた寿命もイオンより長いので、本
発明のようにジェット状のプラズマ(プラズマジェッ
ト)を吹き出してプラズマ処理を行う場合においては、
チャージアップダメージは電子によって主に引き起こさ
れることが確認されている。そこで、本発明では酸素ガ
スをプラズマ生成用ガス8に加えることによって、電子
が電子回路基板15などの被処理物50に到達するまで
に酸素ガスで吸着して消滅させることができるようにし
たものであり、これにより、電子による半導体チップ1
4へのチャージアップを少なくすることができるもので
ある。また、酸素の負イオンは被処理物50に到達する
までに消滅するので、チャージアップに影響を及ぼさな
い。このように本発明ではチャージアップの原因である
被処理物50の表面に到達する電子を減らすことができ
るので、被処理物50として半導体チップ14が搭載さ
れた電子回路基板15をプラズマ処理した場合でも、半
導体チップ14にチャージアップダメージの発生を抑え
て半導体チップ14の特性不良を低減できるものであ
る。
【0021】反応管7に導入されるプラズマ生成用ガス
8の全体(希ガスと酸素ガスの合計量)に占める酸素ガ
スの混合比率(プラズマ生成用ガス8中の酸素濃度)は
2〜5vol%に設定するのが好ましい。プラズマ生成
用ガス8に占める酸素ガスの混合比率が2vol%未満
であれば、酸素ガスによる電子の吸着効果が低くなって
チャージアップダメージを低減させることができない恐
れがあり、プラズマ生成用ガス8に占める酸素ガスの混
合比率が5vol%を超えると、酸素ガスによる電子の
吸着効果が高くなり過ぎて、酸素のマイナスイオンと希
ガス(ArやHe)のプラスイオンとの衝突によるイオ
ンの消滅や放電空間21内における電子密度の低下が生
じて放電効率が低下し、プラズマ13によるプラズマ処
理(クリーニングなどによる被処理物50の表面改質処
理)の効果が低下する恐れがある。
【0022】プラズマ生成用ガス8の希ガスとしてはH
e、Ne、Ar、Kr、Xeなどをそれぞれ単独で用い
たり複数種を併用したりすることができるが、安価なA
rのみを用いるのがコスト面で好ましい。電極9、10
間に印加する電圧がパルス電圧の場合は放電効率が高い
ので、プラズマ生成用ガス8の希ガスとしてArのみを
用いてもよい(もちろんHeを併用しても良い)。しか
しながら、電極9、10間に印加する電圧が高周波電圧
の場合は放電効率がパルス電圧に比べて高くないので、
プラズマ生成用ガス8の希ガスとしてHeとArを併用
するのが好ましい。このようにプラズマ生成用ガス8の
希ガスとしてHeとArを併用すると、Heにより放電
空間21における絶縁破壊電圧が低くなってそれだけ放
電効率を高くすることができてプラズマ13を容易に生
成することができ、プラズマ13の生成効率が高まって
有機物の除去(クリーニング)等のプラズマ処理の性能
を向上させることができるものである。
【0023】プラズマ生成用ガス8の希ガスとしてHe
とArを併用する場合は、プラズマ生成用ガス8に占め
るHeの混合比率を30vol%以下にするのが好まし
い。プラズマ生成用ガス8に占めるHeの混合比率が3
0vol%を超えるとコストアップにつながる恐れがあ
り、しかも、Heの方がArよりも原子量が小さいため
にガス全体としての平均原子量が小さくなるものであ
り、よって、吹き出し口12から吹き出されるプラズマ
13の被処理物50への到達速度が低下して、被処理物
50にプラズマ13が到達する前に、クリーニングを行
う活性種が死滅する割合が大きくなってクリーニング性
能が低下する恐れがある。従って、プラズマ生成用ガス
8に占めるHeの混合比率を30vol%以下にするの
が好ましいが、放電効率を向上させるためにプラズマ生
成用ガス8に占めるHeの混合比率は10vol%以上
にするのが好ましい。
【0024】また、上記のようにプラズマ生成用ガス8
の希ガスとしてArのみを用いる場合は、Arの方がH
eよりも原子量が大きいために、Heと併用した場合に
比べて、ガス全体としての平均原子量が大きくなるもの
であり、よって、吹き出し口12から吹き出されるプラ
ズマ13の被処理物50への到達速度が向上して、被処
理物50にプラズマ13が到達する前に、クリーニング
を行う活性種が死滅する割合が小さくなってクリーニン
グ性能を高くすることができる。
【0025】そして、上記のようなプラズマ処理装置を
用いて、被処理物50の表面に付着した有機物等の除去
(クリーニング)するなどして被処理物50の表面改質
するプラズマ処理を行うにあたっては、次のようにして
行う。まず、ガス導入口51から反応管7内にプラズマ
生成用ガス8を導入すると共にプラズマ生成用ガス8を
反応管7内で上から下に向かって流して放電空間21に
導入する。次に、電源11により電極9、10間に高周
波電圧またはパルス電圧を印加することによって、反応
管7内の放電空間21に高周波電界またはパルス電界を
発生させて印加し、この高周波電界またはパルス電界に
より大気圧近傍の圧力下(93.3〜106.7kPa
(700〜800Torr))で放電空間21にグロー
状の放電を発生させる。この後、グロー状の放電でプラ
ズマ生成用ガス8がプラズマ化されてプラズマ活性種を
含むプラズマ13が放電空間21で連続的に生成され
る。そして、このようにして生成されたプラズマ13を
吹き出し口12から下方に向かってジェット状に連続的
に流出させると共にこのプラズマ13を吹き出し口12
の下側に配置された被処理物50の表面に吹き付けて供
給することによって、プラズマ13中に生成されたラジ
カル等の活性種のスパッタリングにより被処理物50の
表面の有機物等を除去してクリーニングすることがで
き、被処理物50の表面改質を行うことができるもので
ある。また、プラズマ13を吹き出し口12から吹き出
しながら吹き出し口12の下側において複数個の被処理
物50を連続的に搬送することによって、複数個の被処
理物50をインラインで連続的にプラズマ処理すること
ができるものである。尚、被処理物50に付着している
有機物は、例えば、バンプや回路等を形成する際に用い
る銀ペースト材に含まれている有機物成分や被処理物5
0を洗浄液(例えば、アセトンなど)で洗浄したときに
被処理物50の表面の残存する洗浄液などである。
【0026】上記のようにプラズマ処理を行うにあたっ
て、電源11により電極9、10間に印加される高周波
電圧あるいはパルス電圧の周波数は1kHz〜200M
Hzに設定するのが好ましい。高周波電圧あるいはパル
ス電圧の周波数が1kHz未満であれば、放電空間21
での放電を安定化させることができなくなり、プラズマ
処理を効率よく行うことができなくなる恐れがある。ま
た、高周波電圧あるいはパルス電圧の周波数が200M
Hzを超えると、放電空間21でのプラズマの温度上昇
が著しくなり、反応管7や電極9、10の寿命が短くな
る恐れがあり、しかも、電子回路基板15や半導体チッ
プ14が熱的損傷を受けたり、プラズマ処理装置が複雑
化及び大型化する恐れがある。
【0027】また、放電空間21に供給される(印加さ
れる)電力の密度は20〜3500W/cm3に設定す
るのが好ましい。放電空間21に供給される電力の密度
が20W/cm3未満であれば、放電空間21でプラズ
マ13を充分に発生させることができなくなり、逆に、
放電空間21に供給される電力の密度が3500W/c
3を超えると、放電空間21で安定した放電を得るこ
とができなくなる恐れがある。尚、電力の密度(W/c
3)は(放電空間21に供給される電力/放電空間2
1の体積)で定義される。
【0028】
【実施例】以下本発明を実施例によって具体的に説明す
る。
【0029】(実施例1)図1に示す構造のプラズマ処
理装置を形成した。反応管7は石英ガラスで形成した。
また、上側の電極9と下側の電極10は銅製のものを用
い、電極9が高圧電極に、電極10が低圧(接地)電極
となるように電源11と電気的に接続した。プラズマ生
成用ガス8はHeとArと酸素ガス(O2)の混合ガス
を用いた。この時、Heの流量は2リットル/分、Ar
の流量は10リットル/分、酸素ガスの流量は0.4リ
ットル/分として反応管7に導入し、プラズマ生成用ガ
ス8に占める酸素ガスの混合比率を約3.2vol%と
した。
【0030】そして、大気圧下で周波数が13.56M
Hz、700Wの電力を電極9、10間(放電空間2
1)に供給して電極9、10間に高周波電圧(正弦波の
波形)を印加することにより、反応管7内の放電空間2
1でグロー状の放電を発生させると共にこの放電により
放電空間21にプラズマ13を生成し、このプラズマ1
3を吹き出し口12からジェット状に吹き出すように形
成した。
【0031】(実施例2)プラズマ生成用ガス8として
Arと酸素ガスの混合ガスを用いた。この時、Arの流
量は12リットル/分、酸素ガスの流量は0.4リット
ル/分として反応管7に導入し、プラズマ生成用ガス8
に占める酸素ガスの混合比率を約3.2vol%とし
た。
【0032】また、電極9、10間に印加する電圧とし
てはパルス電圧を用いた。このパルス電圧は周波数(繰
り返し周波数)が13.56MHzで電圧(パルス振
幅)が5kVでパルス幅が5秒のものを用いた。
【0033】これら以外は実施例1と同様にした。
【0034】(比較例1)酸素ガスの流量を0.12リ
ットル/分とし、プラズマ生成用ガス8に占める酸素ガ
スの混合比率を1.0vol%とした以外は、実施例1
と同様にした。
【0035】(比較例2)酸素ガスの流量を0.12リ
ットル/分とし、プラズマ生成用ガス8に占める酸素ガ
スの混合比率を1.0vol%とした以外は、実施例2
と同様にした。
【0036】そして、上記の実施例1、2及び比較例
1、2のプラズマ処理装置を用いてQbd評価を行っ
た。このQbd評価は、Qbd評価用の被処理物50と
してガラス基材エポキシ樹脂基板である基板にMOSF
ETのゲート酸化膜を形成したものを用い、この被処理
物50にプラズマを5秒間供給してプラズマ処理を行っ
た後、ゲート酸化膜の寿命を測定し、チャージアップダ
メージによるダメージをプラズマ処理前後でのゲート酸
化膜の寿命の差により評価した。結果を図2、3に示
す。
【0037】図2、3から明らかなように、実施例1、
2ではプラズマ処理前(未処理)のものに比べて、ゲー
ト酸化膜の寿命の低下がほどんどなく、チャージアップ
ダメージによるダメージが緩和されているのに対して、
比較例1、2ではプラズマ処理前(未処理)のものに比
べて、ゲート酸化膜の寿命が大幅に低下していて、チャ
ージアップダメージによるダメージが発生した。
【0038】上記の実施例1、2及び比較例1、2のプ
ラズマ処理装置を用いてクリーニング性能評価を行っ
た。このクリーニング性能評価は、クリーニング性能評
価用の被処理物50としてウェハ16の表面にネガタイ
プのレジスト17を塗布したものを用い、図4に示すよ
うに、この被処理物50にプラズマ13を1秒間供給し
てプラズマ処理を行った後、レジスト17の膜厚を測定
した。尚、このクリーニング性能評価はレジスト17を
被処理物50の表面に付着した有機成分のモデルとして
想定している。結果を図5に示す。
【0039】図5から明らかなように、実施例1、2及
び比較例1、2では、プラズマ処理によりレジスト17
が除去(エッチング)されることで、プラズマ処理前よ
りもレジスト17の膜厚を大幅に薄くすることができ、
有機成分のクリーニングをおこなうのに十分な性能を有
することが確認された。
【0040】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1の発明
は、誘電体材料で筒状の反応管を形成すると共に反応管
の片側をスリット形状の吹き出し口として開放し、反応
管の外側に複数個の電極を配設し、希ガスと酸素ガスを
含むプラズマ生成用ガスを反応管に導入すると共に電極
間に電圧を印加することによって大気圧近傍の圧力下で
反応管内に放電を発生させ、放電により反応管内に生成
されたプラズマを吹き出し口から吹き出すプラズマ処理
装置において、プラズマ生成用ガスに占める酸素ガスの
混合比率を2〜5vol%にするので、プラズマ中に生
じる電子を酸素ガスで吸着して消滅させることができ、
プラズマ処理時に半導体チップに加わる電子によるチャ
ージアップを少なくすることができて半導体チップのチ
ャージアップダメージを低減することができるものであ
る。
【0041】また本発明の請求項2の発明は、電極間に
印加する電圧を高周波電圧とし、プラズマ生成用ガスの
希ガスとしてHeとArを併用すると共にプラズマ生成
用ガスに占めるHeの混合比率を30vol%以下にす
るので、HeとArを併用することによって、Heによ
り絶縁破壊電圧が低くなって放電効率を高くすることが
できてプラズマを容易に生成することができ、プラズマ
の生成効率が高まってプラズマ処理の性能を向上させる
ことができるものであり、しかも、プラズマ生成用ガス
に占めるHeの混合比率を30vol%以下にすること
によって、吹き出し口から吹き出されるプラズマの被処
理物への到達速度が低下しないようにすることができ、
被処理物にプラズマが到達する前にプラズマ中の活性種
が死滅する割合を小さくすることができてプラズマ処理
の性能低下を防止することができるものである。
【0042】また本発明の請求項3の発明は、電極間に
印加する電圧をパルス電圧とし、プラズマ生成用ガスの
希ガスとしてArを用いるので、放電効率が上がってプ
ラズマを容易に生成することができるものであり、ま
た、Heと併用した場合に比べて、吹き出し口から吹き
出されるプラズマの被処理物への到達速度を向上させる
ことができ、被処理物にプラズマが到達する前にプラズ
マ中の活性種が死滅する割合を小さくすることができて
プラズマ処理の性能低下を防止することができるもので
ある。
【0043】また本発明の請求項4の発明は、電極をリ
ング状に形成すると共に反応管の外周面に接触させて設
けるので、電極と反応管の接触面積が大きくなって接触
性を向上させることができ、電極間に電圧を印加した際
に放電が発生しやすくなってプラズマの生成効率を高め
ることができるものである。
【0044】本発明の請求項5の発明は、請求項1乃至
4のいずれかに記載のプラズマ処理装置の反応管の吹き
出し口からプラズマを吹き出し、半導体チップを搭載し
た電子回路基板の表面に供給することによって電子回路
基板の表面改質を行うので、プラズマ中に生じる電子を
酸素ガスで吸着して消滅させることができ、プラズマ処
理時に半導体チップに加わる電子によるチャージアップ
を少なくすることができて半導体チップのチャージアッ
プダメージを低減することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す斜視図であ
る。
【図2】同上の実施例1と比較例1のQbd評価を示す
グラフである。
【図3】同上の実施例2と比較例2のQbd評価を示す
グラフである。
【図4】同上のクリーニング性能評価の実験を示す斜視
図である。
【図5】同上の実施例1、2及び比較例1、2のクリー
ニング性能を示すグラフである。
【図6】チャージアップを説明する説明図である。
【符号の説明】
7 反応管 8 プラズマ生成用ガス 9 電極 10 電極 12 吹き出し口 13 プラズマ 14 半導体チップ 15 電子回路基板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体材料で筒状の反応管を形成すると
    共に反応管の片側をスリット形状の吹き出し口として開
    放し、反応管の外側に複数個の電極を配設し、希ガスと
    酸素ガスを含むプラズマ生成用ガスを反応管に導入する
    と共に電極間に電圧を印加することによって大気圧近傍
    の圧力下で反応管内に放電を発生させ、放電により反応
    管内に生成されたプラズマを吹き出し口から吹き出すプ
    ラズマ処理装置において、プラズマ生成用ガスに占める
    酸素ガスの混合比率を2〜5vol%にして成ることを
    特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】 電極間に印加する電圧を高周波電圧と
    し、プラズマ生成用ガスの希ガスとしてHeとArを併
    用すると共にプラズマ生成用ガスに占めるHeの混合比
    率を30vol%以下にして成ることを特徴とする請求
    項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】 電極間に印加する電圧をパルス電圧と
    し、プラズマ生成用ガスの希ガスとしてArを用いて成
    ることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装
    置。
  4. 【請求項4】 電極をリング状に形成すると共に反応管
    の外周面に接触させて設けて成ることを特徴とする請求
    項1乃至3のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のプラ
    ズマ処理装置の反応管の吹き出し口からプラズマを吹き
    出し、半導体チップを搭載した電子回路基板の表面に供
    給することによって電子回路基板の表面改質を行うこと
    を特徴とするプラズマ処理方法。
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