JP2002109854A - テープクリーナ - Google Patents

テープクリーナ

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JP2002109854A JP2000301423A JP2000301423A JP2002109854A JP 2002109854 A JP2002109854 A JP 2002109854A JP 2000301423 A JP2000301423 A JP 2000301423A JP 2000301423 A JP2000301423 A JP 2000301423A JP 2002109854 A JP2002109854 A JP 2002109854A
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】塵埃を除去する掻き取り部に欠けやチッピング
が殆どなく、走行する磁気テープとの摺動においても殆
ど摩耗することのない極めて長期間にわたって良好なク
リーニング効果が得られるテープクリーナを提供する。 【解決手段】テープクリーナ1の少なくとも掻き取り部
3をサファイアにより形成するとともに、上記掻き取り
部3の形状を、略V字状に配置した2つの平面4,5
と、その先端に設けた先端面6とから構成し、該先端面
6の幅を0.1μm〜3μmとするとともに、上記2つ
の平面4,5をそれぞれサファイアのA面にて形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主にオーディオテ
ープレコーダ、デジタルオーディオテープレコーダ、ビ
デオテープレコーダ、あるいはコンピューター等に用い
られる磁気テープに付着する塵埃を除去するのに用いる
テープクリーナに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
オーディオテープレコーダ、デジタルオーディオテープ
レコーダ、ビデオテープレコーダ、あるいはコンピュー
ター等においては、情報の記録媒体として磁気テープが
用いられており、磁気テープに塵埃が付着していると、
正確に情報の読み込みや書き込みができなくなることか
ら、磁気テープ上の付着する塵や埃を除去するためにテ
ープクリーナが使用されている。
【0003】図8はテープクリーナによる磁気テープの
クリーニング状態を示す概略図であり、テープクリーナ
41は、略V字状に配置した2つの平面44、45と、
その先端に設けた先端面(不図示)とからなる掻き取り
部43を有し、この掻き取り部43を走行する磁気テー
プTに接触させることにより、磁気テープT上に付着し
ていた塵埃を除去するようになっていた。
【0004】そして、従来、テープクリーナ41は、ジ
ルコニア系セラミックス、Al23−TiC系セラミッ
クス、あるいは超硬合金やサファイアにより形成したも
のがあった(特開平9−180406号公報参照)。
【0005】しかしながら、ジルコニア系セラミックス
やAl23−TiC系セラミックス、あるいは超硬合金
からなるものは、いずれも多結晶体であり、掻き取り部
43の先端がシャープエッジとなるように研削加工やラ
ッピング加工を施す際に欠けやチッピングが発生し易
く、掻き取り部43の先端に欠けやチッピングのあるテ
ープクリーナ41を用いて磁気テープTのクリーニング
を行うと、充分なクリーニング効果が得られないだけで
なく、磁気テープTの表面を傷付けて記録内容を破壊す
るといった課題があった。しかも、ジルコニア系セラミ
ックスやAl23−TiC系セラミックス、あるいは超
硬合金等は高硬度を有するものの、高速で走行する磁気
テープTとの摺動においては比較的短時間で摩耗し寿命
が短いといった課題もあった。
【0006】即ち、磁気テープTの表面には微細な酸化
鉄粉末が塗布されており、この酸化鉄粉末が磁気テープ
Tとテープクリーナ41との間に介在して研摩剤として
の作用をなすことから、硬度が11〜15GPa程度の
ビッカース硬度を有するジルコニア系セラミックスや超
硬合金では、掻き取り部43が短期間で大きく摩耗し、
硬度が17〜19GPaものビッカース硬度を有するA
23−TiC系セラミックスでも、1ヶ月程度の使用
で掻き取り部43の摩耗が生じていた。
【0007】一方、掻き取り部43を単結晶体であるサ
ファイアで形成したものでは、掻き取り部43の先端が
シャープエッジとなるように研削加工やラッピング加工
を施しても脱粒が発生する恐れが無く、また、高い硬度
を有することから、高速で走行する磁気テープTとの摺
動においても耐摩耗性に優れ、テープクリーナ41とし
て好適である。
【0008】ところで、サファイアは六方晶構造を持
ち、C面、R面、M面、A面等の面方位を有することが
知られており、従来、掻き取り部43を形成する2つの
平面44、45を、上記面方位の中でも高い硬度を有
し、かつ比較的加工性に優れるM面により形成したもの
が提案されている(特開昭53−109615号公報参
照)。
【0009】しかしながら、近年、磁気テープT上に形
成される磁性膜の変更や生産性の向上に伴うテープ走行
速度の向上に伴い、掻き取り部43を形成する2つの平
面44、45をサファイアのM面にて形成したテープク
リーナ41でも寿命を十分に向上させることができず、
より長寿命のテープクリーナ41が要求されているが未
だ得られていなかった。
【0010】
【発明の目的】本発明の目的は、掻き取り部先端に欠け
やチッピングの発生がなく、長期使用においても磁気テ
ープを傷付けることなく塵埃を除去することができる長
寿命のテープクリーナを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記課
題に鑑み、テープクリーナの少なくとも掻き取り部をサ
ファイアにより形成するとともに、上記掻き取り部の形
状を、略V字状に配置した2つの平面と、その先端に設
けた先端面とから構成し、該先端面の幅を0.1μm〜
3μmとするとともに、上記2つの平面をそれぞれサフ
ァイアのA面にて形成したことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0013】図1は本発明に係るテープクリーナ1を示
す斜視図であり、側面形状がほぼ正三角形からなる柱状
体2をしたもので、その全体をサファイアにより形成す
るとともに、3つのエッジ部をそれぞれ掻き取り部3と
してある。
【0014】また、図2に掻き取り部3の拡大図を示す
ように、掻き取り部3は実際にはシャープエッジではな
く、略V字状に配置された2つの平面4,5と、その先
端に設けられた先端面6とからなり、該先端面6の幅t
は0.1〜3μmとするとともに、サファイアのC軸と
平面になるように構成し、かつ上記先端面6の両側に形
成される2つの平面4,5は、サファイアのA面により
構成されるように形成してある。
【0015】また、このテープクリーナ1を用いて磁気
テープに付着する塵埃を除去するには、図8に示すよう
に、テープクリーナ1の掻き取り部3を、磁気テープT
の走行方向(矢印の方向)に対して垂直に接触させた状
態で磁気テープTを矢印の方向に走行させることによ
り、磁気テープTの表面上に付着する塵埃を除去するこ
とができる。
【0016】そして、本発明のテープクリーナ1によれ
ば、掻き取り部3を構成する2つの平面がサファイアの
A面にて形成されるようにしてあることから、掻き取り
部3の形成にあたり、研削加工やラッピング加工を施し
たとしても脱粒がなく、また欠けやチッピングを大幅に
低減することができるとともに、使用時においては高速
度で走行するテープとの摺動においても摩耗し難く、長
期間にわたって安定したクリーニングを施すことができ
る。
【0017】即ち、本件発明者らは、寿命の長いテープ
クリーナ1を開発するため、サファイアの特性について
種々研究を重ねたところ、サファイアのA面は、C面や
R面より高い硬度や強度を有するM面と同程度の硬度
(ビッカース硬度:21〜24GPa)と強度(3点曲
げ強度:600〜900MPa)を有するとともに、サ
ファイアはその面方位であるA面と平行な方向に開削性
を有することを知見した。開削性とは、切り込みを入れ
たときにその切り込みに沿って真っ直ぐにクラックが入
ることであり、その開削面は比較的綺麗な平面に形成さ
れる。そして、従来のように、掻き取り部43を形成す
る2つの平面44、45をサファイアのM面に形成した
テープクリーナ41では、M面が持つ優れた機械的特性
(硬度や強度)によって、掻き取り部43の形成時にお
ける研削加工時やラッピング加工時に欠けやチッピング
の発生が殆どないものの、サファイアのA面と平行な方
向、即ちサファイアのM面に垂直な方向に沿ってクラッ
クが発生し易く、掻き取り部43を形成する2つの平面
44、45がそれぞれサファイアのM面に形成されてい
る場合、掻き取り部43の幅方向に微少なクラックが多
数発生しているものと思われる。その為、掻き取り部4
3を走行するテープTに摺動させると、摩擦抵抗によっ
てクラックが進展し、遂には欠けやチッピングを発生し
て摩耗が促進されてしまうものと思われる。
【0018】これに対し、本発明のテープクリーナ1
は、掻き取り部3を形成する2つの平面4、5をそれぞ
れ、高硬度でかつ高強度を有するサファイアのA面にて
形成してあることから、掻き取り部3の形成時における
研削加工時やラッピング加工時に欠けやチッピングを発
生させることが殆どなく、また、掻き取り部3の幅方向
にクラックの発生も殆どないものとすることができる。
しかも、サファイアは上述したようにA面と平行な方向
に開削性を有することから、掻き取り部3を構成する2
つの平面4、5をそれぞれ平滑に仕上げることができ
る。その為、掻き取り部3を走行するテープTに摺動さ
せたとしても、掻き取り部3には摩耗を促進させるクラ
ックが殆どないため、サファイアのA面が持つ高い機械
的特性(硬度や強度)によって、掻き取り部43を形成
する2つの平面44、45をサファイアのM面に形成し
た従来のテープクリーナ41と比較して掻き取り部3の
摩耗をより一層低減し、極めて長寿命のテープクリーナ
1が得られることを本件発明者らは見出したのである。
【0019】なお、掻き取り部3の先端は先端面6のな
いシャープエッジである方が良いのであるが、先端面6
の幅tが0.1μm未満のシャープエッジとすると、掻
き取り部3を構成する2つの平面4、5をサファイアの
A面にて形成したとしても、掻き取り部3の形成時にお
ける研削加工時やラッピング加工時に欠けやチッピング
が発生し、逆に先端面6の幅tが3μmを超えると、ク
リーニング効果が低下する。その為、先端面6の幅tは
0.1〜3μmとすることが好ましい。
【0020】次に、本発明に係るテープクリーナ1の製
造方法について説明する。
【0021】まず、サファイアをEFG法(Edge−
defined Film−fedGrowth法)に
より製造する。具体的には、高純度のアルミナを不活性
雰囲気中で溶融し、このアルミナ融液と接するように内
部にスリットを備えたリボン状のサファイア単結晶育成
用のモリブデンダイを位置させ、アルミナ融液を毛細管
作用によりモリブデンダイ上端部までアルミナ融液を誘
導し、そこで種結晶(シード)と接触させ、次いでシー
ドを上方に引き上げて単結晶アルミナであるサファイア
基板の育成を行う。サファイア基板を引上育成するに当
たっては、シードの主面を育成したい面方位とし、その
成長軸を引き上げ軸としてセットし、引き上げれば良
く、例えば、シードの主面をA面として引き上げれば良
い。
【0022】このようにして得られたサファイア基板
は、図3に示すように、サファイア基板31の最も広い
面31aをA面とすることができるので、研削加工にて
厚み面を仕上げることにより、基準となるサファイアの
A面を簡単に得ることができる。
【0023】そして、サファイアは、図4示すように六
方晶系であり、その中心軸がC軸、これに垂直な面がC
面(0001)である。また、C軸から放射状にのびる
A軸(a1,a2,a3)とそれに垂直な面がA面(1
1−20)であり、R面(1−102)は、図4のよう
にC軸と一定の角度(約32.383゜)を有して存在
する。さらにM面(10−10)は図4のようにC軸に
平行に存在する。その為、上記サファイア基板をダイヤ
モンドホイール等により所定の形状に研削加工を行って
図1に示すテープクリーナ1の形状に切り出すのである
が、掻き取り部3を形成する2つの平面4、5をA面と
するには、上述したサファイアの結晶構造より上記2つ
の平面4、5の角度αを60°又は120°とすること
により得ることができる。ただし、2つの平面4、5の
角度α(交差角度)や2つの平面4、5の面方位は、研
削加工時にズレを生じることがあるが、上述のクリーニ
ング効果を維持するためには、2つの平面4、5の角度
α(交差角度)が±2°以下、2つの平面4、5の面方
位ズレが±2°以下の範囲内にあれば良い。
【0024】次いで、掻き取り部3を構成する2つの平
面4、5にダイヤモンドパウダーを用いラッピング加工
を行う。この際、サファイアのA面は加工が難しく、少
量の研磨でも加工に時間がかかるのであるが、ラッピン
グ時に加える荷重を0.4MPa程度の加圧条件下にて
研磨を行うことにより、短時間でラッピング加工を行う
ことができる。また、ラッピング加工を粗加工と仕上げ
加工の2工程に分けて、粗加工において平均粒径3〜1
0μmダイヤモンドパウダーを分散させた研磨液を供給
しながら鋳鉄、銅あるいは錫のラップ盤にてラッピング
加工を行った後、仕上げ加工において平均粒径2μm以
下、好ましくは平均粒径1μm以下のダイヤモンドパウ
ダーを分散させた研磨液を供給しながら銅あるいは錫の
ラップ盤にてラッピング加工を行うことで、更に短時間
にてラッピング加工を行うことができ好適である。
【0025】以上のようにして得られたサファイア製の
テープクリーナ1は、掻き取り部3を構成する2つの平
面がそれぞれ開削性に優れるとともに、ビッカース硬度
が20GPa以上、曲げ強度が600MPa以上と高硬
度、高強度を有するサファイアのA面からなり、2つの
平面の角度(交差角度)が60°±2°で、かつ先端面
の幅が0.1〜3μmの範囲にあるものとすることがで
きる。
【0026】なお、サファイアの面方位については、X
線回折により測定することができる。また、サファイア
の育成方法としてはEFG法に限らず、チョクラルスキ
ー法等の他の育成方法を用いても良いが、育成されたサ
ファイアの形状が円柱状体ではその後の加工効率が悪い
ため、板状体をしたサファイアが精度良く育成すること
ができるEFG法を用いることが好ましい。
【0027】次に、本発明の他の実施形態について説明
する。
【0028】図5のテープクリーナ11は、側面形状が
略四角形をした柱状体12で、その全体がサファイアか
らなり、一つのエッジ部を掻き取り部13としたもの
で、掻き取り部13を構成する2つの平面14,15を
サファイアのA面により形成するとともに、2つの平面
14,15の角度α(交差角度)を60°とし、かつ先
端面(不図示)の幅を0.1〜3μmとしてある。
【0029】図6のテープクリーナ31は、図5に示す
テープクリーナ11のうち、平面14と対向する平面と
平面15とで形成されるエッジ部を切り欠いてテーパー
面16を形成したもので、このようなテーパー面16を
設けることで、掻き取り部13を形成する一つの平面1
5の面積を少なくすることができるため、ラッピング加
工に時間を要するサファイのA面の加工時間を少なくす
ることができるとともに、チッピングの発生頻度もさら
に抑えることができる。なお、このような効果を得るに
は、平面15の幅eを2mm以下とすることが有効であ
る。
【0030】図7のテープクリーナ21は、側面形状が
略正六角形をした柱状体22で、その全体がサファイア
からなり、6つのエッジ部をそれぞれ掻き取り部33と
したもので、掻き取り部33を構成する2つの平面2
4,25をサファイアのA面により形成するとともに、
2つの平面24,25の角度α(交差角度)を120°
とし、かつ先端面(不図示)の幅を0.1〜3μmとし
てある。
【0031】そして、図5乃至図7に示すテープクリー
ナ11,21においても図1に示すテープクリーナ1と
同様の効果を奏することができる。
【0032】以上、本発明の実施形態について説明した
が、本発明はこれらの形状をしたものに限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で改良や変更
したものでも良いことは言うまでもない。また、上述し
た実施形態ではテープクリーナの全体をサファイアによ
り形成した例を示したが、少なくとも掻き取り部のみが
サファイアにより形成されていれば良い。
【0033】
【実施例】ここで、本発明のテープクリーナと従来のテ
ープクリーナを用い、走行する1/2インチ幅の磁気テ
ープと摺動させた時の磁気テープに傷が発生するまでの
時間と、1000時間経過した時の掻き取り部の摩耗量
について調べる実験を行った。
【0034】本実験にあたり、本発明のテープクリーナ
には、テープクリーナ全体がサファイアよりなり、掻き
取り部を構成する2つの平面がそれぞれサファイアのA
面で、かつ先端面の幅が1μmであるものを用い、従来
のテープクリーナには、テープクリーナ全体がサファイ
アよりなり、掻き取り部を構成する2つの平面がそれぞ
れサファイアのM面で、かつ先端面の幅が1μmである
もの、テープクリーナ全体がサファイアよりなり、掻き
取り部を構成する2つの平面がそれぞれサファイアのC
面で、かつ先端面の幅が1μmであるもの、テープクリ
ーナ全体がジルコニアセラミックスからなり、掻き取り
部を構成する2つの平面の角度が60°で、かつ先端面
の幅が1μmであるもの、テープクリーナ全体がAl2
O3−TiC系セラミックスからなり、掻き取り部を構
成する2つの平面の角度60°で、かつ先端面の幅が1
μmであるもの、テープクリーナ全体が超硬合金からな
り、掻き取り部を構成する2つの平面の角度60°で、
かつ先端面の幅が1μmであるものをそれぞれ用いた。
【0035】そして、各テープクリーナを、テンション
50g、速度3m/minにて往復走行する磁気テープ
と摺動させて実験を行い、磁気テープの傷の有無につい
ては、目視観察により判断し、各テープクリーナにおけ
る掻き取り部の摩耗量については、1000時間経過し
た後、掻き取り部先端を金属顕微鏡にて拡大した投影面
(×200倍)を観察し、磁気テープと摺動していない
掻き取り部先端の部分を基準とし、この基準から磁気テ
ープとの摺動によって凹んでいる部分の最大値を摩耗量
として求めた。
【0036】また、各テープクリーナの掻き取り部を構
成する平面のビッカース硬度(Hv)を、荷重500g
fの条件にて5回測定し、その平均値をそのテープクリ
ーナのビッカース硬度(Hv)として求めるとともに、
掻き取り部を構成する平面の強度を、3点曲げ試験によ
り求めた。
【0037】各テープクリーナの特性及びその結果は表
1に示す通りである。
【0038】
【表1】
【0039】この結果、掻き取り部を構成する2つの平
面がC面からなるテープクリーナや、掻き取り部がジル
コニアセラミックス、Al2O3−TiC系セラミック
ス、及び超硬合金からなるテープクリーナでは、100
0時間以内で磁気テープに傷が発生し、掻き取り部の摩
耗量具合を見ると、0.02mm以上あった。
【0040】また、掻き取り部を構成する2つの平面を
サファイアのM面にて形成したテープクリーナでは、1
000時間経過後でも磁気テープが傷付くことなく、長
時間の使用においてもクリーニング効果を持続すること
ができたものの、掻き取り部の摩耗量△Wが0.007
mm摩耗していた。
【0041】これに対して、掻き取り部を構成する2つ
の平面をサファイアのA面にて形成した本発明のテープ
クリーナは、1000時間経過後でも磁気テープが傷付
くことなく良好なクリーニング効果が得られ、また、掻
き取り部の摩耗量△Wも0.001mmと、掻き取り部
を構成する2つの平面をサファイアのM面にて形成した
従来のテープクリーナよりもさらに摩耗量を低減するこ
とができ、より長時間の間、良好なクリーニング効果が
得られることが判る。
【0042】
【発明の効果】以上のように、テープクリーナの少なく
とも掻き取り部をサファイアにより形成するとともに、
上記掻き取り部の形状を、略V字状に配置した2つの平
面と、その先端に設けた先端面とから構成し、該先端面
の幅を0.1μm〜3μmとするとともに、上記2つの
平面をそれぞれサファイアのA面にて形成したことによ
って、耐摩耗性に優れるとともに、掻き取り部をシャー
プエッジに近づけることができるため、磁気テープに傷
を付けることなく塵や埃等の付着物を極めて長期間にわ
たって除去することができる。しかも、サファイアには
鉄等の磁性不純物を実質的に含んでいないため、磁気テ
ープに対する磁気的な影響も殆ど無く、磁気テープのク
リーニングを行うのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るテープクリーナの一例を示す斜視
図である。
【図2】図1の掻き取り部の一部を拡大した斜視図であ
る。
【図3】EFG法にて引き上げたサファイア基板と結晶
構造の関係を示す模式図である。
【図4】サファイアの結晶構造を示す模式図である。
【図5】本発明に係るテープクリーナの他の例を示す斜
視図である。
【図6】本発明に係るテープクリーナの他の例を示す斜
視図である。
【図7】本発明に係るテープクリーナの他の例を示す斜
視図である。
【図8】テープクリーナによる磁気テープのクリーニン
グ方法を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
1,11,21,41…テープクリーナ 2,12,22,42…柱状体 3,13,23,43…掻き取り部 4,5,14,15,24,44,45…掻き取り部を
構成する2つの平面 6…掻き取り部の先端面 T…磁気テープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒川 順司 滋賀県蒲生郡蒲生町川合10番地の1 京セ ラ株式会社滋賀工場蒲生ブロック内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】走行するテープに掻き取り部を接触させ
    て、上記テープ上に付着する塵埃を除去するテープクリ
    ーナにおいて、少なくとも上記掻き取り部をサファイア
    により形成するとともに、上記掻き取り部の形状を、略
    V字状に配置した2つの平面と、その先端に設けた先端
    面とから構成し、該先端面の幅を0.1μm〜3μmと
    するとともに、上記2つの平面をそれぞれサファイアの
    A面にて形成したことを特徴とするテープクリーナ。
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