JP2002107363A - ヒト老化マーカー及びストレスマーカーの検定方法 - Google Patents

ヒト老化マーカー及びストレスマーカーの検定方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規な人の老化又は人のストレスのマーカーを
検出するための方法及び検出試薬を提供すること。 【課題解決手段】Asp151がβD体であるαAクリスタリン
に対する抗体を用いることで達成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒト老化マーカー及び
ストレスマーカーを認識する抗体を用いるそれらマーカ
ーの検出方法及び検出用試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、老化マーカーあるいはストレスマ
ーカーに対する抗体、およびそれら抗体を利用したマー
カーの検出法は存在する。例えば、ヒト老化マーカータ
ンパク質SMP30に対する抗体及び抗体を用いるヒトS
MP30の測定方法は、特開平7−97399及び特開平
8−319298に示されている。その場合、老化する
ほどSMP30の血中濃度が下がることを利用した老化モ
ニタリング、あるいは肝障害や腎障害でSMP30の血中
濃度が増大することを利用した肝細胞障害モニタリング
及び腎細尿管の破壊モニタリングに使用される。
【0003】また特開平7−181180に示されるよ
うに、骨格筋由来のストレスタンパク質p20に対する抗
体は、例えば、患者血清あるいは血漿中のストレスタン
パク質p20の濃度測定を可能にし、生体の受けたストレ
スの程度を測定することができる。さらには、Biochem.
J. (2000) 345, 473-480及びBiochem. J. (2000) 345,
481-485に示されるように、I型コラーゲンα1鎖C末
端テロペプチド由来の4種類の異性体ペプチド断片 (A
sp1211がそれそれ、aL体, aD体, βL体, 及びβD体)に
対する抗体は、尿中の各ペプチド断片の定量を可能に
し、コラーゲン分子の老化、コラーゲン代謝、骨代謝の
測定、及び骨代謝異常の診断に有効である。
【0004】本発明者らは、ヒトのレンズに含まれるα
Aクリスタリンにおいて、老化とともに鎖中Asp の異性
体が蓄積することを報告してきた。さらに本発明者ら
は、Molecular Vision (2000) 6, 1-5に示されるよう
に、Asp151がβD体であるαAクリスタリンに対して特異
的な抗体を用いて、その異性体タンパク質が老化したレ
ンズのコア部分に局在することを明らかにした。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ヒト
老化マーカー及びストレスマーカーを認識するAsp151
βD体であるαAクリスタリンに対して特異的な抗体を提
供し、この抗体を組織・細胞に適用して、人の老化又は
人のストレスのマーカーを検出するための方法及び検出
試薬を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究し
た結果、Asp151がβD体であるαAクリスタリンに対して
特異的な抗体が、レンズ以外の組織中に存在する老化マ
ーカーあるいはストレスマーカーに成り得る物質と反応
することを見い出した。例えば、老人顔面皮膚内のエラ
スチン繊維、顔面脂漏性角化症の皮下組織、さらには老
人皮膚組織の血管内皮が、本発明の抗体と際立った反応
を示すことを明らかにした。さらにこれら抗体を用いた
免疫学的検定法、及び免疫学的試薬を開発し本発明を完
成した。
【0007】すなわち本発明はAsp151がβD体であるαA
クリスタリンに対する抗体を用いて、ヒト組織の老化マ
ーカーあるいはストレスマーカーを検出し、組織の老化
の度合、ストレス度、及び病的変化をモニターすること
ができる。
【0008】本発明は、 1.下記の群より選ばれるポリペプチド又は該ポリペプ
チドを有するタンパク質を免疫学的に認識する抗体を用
いることを特徴とする、ヒト老化マーカー及びストレス
マーカーの検出方法; N末端より151番目のアスパラギン酸がD-β-アスパラ
ギン酸(D-β-Asp)であるaAクリスタリン、 N末端より151番目のアスパラギン酸がD-β-アスパラ
ギン酸であるaAクリスタリン由来であるポリペプチド断
片、 アミノ酸配列がGly-X1-D-β-Asp-Alaを含むポリペプ
チド(X1は疎水性アミノ酸を示す)、 アミノ酸配列がGly-X1-D-β-Asp-Alaを含むポリペプ
チド(X1はLeuあるいはValを示す) 前記〜のポリペプチドと少なくとも約50%のア
ミノ酸配列上の相同性を有するポリペプチド、 前記〜のアミノ酸配列において、1ないし数個の
アミノ酸の欠失、置換、付加あるいは挿入といった変異
を有するポリペプチド。 2.前項1に記載のいずれか一に記載された検出方法に
用いることを特徴とするヒトの老化マーカー又はストレ
スマーカーの検出用試薬。に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の抗体は、以下のタンパク
質又はポリペプチドを免疫原として常法により調製され
る。Asp151がβD体であるαAクリスタリン、このα
Aクリスタリン由来のポリペプチド断片、アミノ酸
配列がGly-X1-D-β-Asp-Alaを含むポリペプチド(X1
疎水性アミノ酸を示し、好ましくはLeuまたはValが例示
される)、これらポリペプチドと少なくとも約50%
以上、好ましくは約70%以上、より好ましくは約80
%以上、さらに好ましくは約90%以上、最も好ましく
は約95%以上の相同性を有するポリペプチド、のアミ
ノ酸配列上の相同性を有するポリペプチド、これらポ
リペプチドのアミノ酸配列において、1ないし数個のア
ミノ酸の欠失、置換、付加あるいは挿入といった変異を
有するポリペプチドが免疫原として例示される。
【0010】免疫原として、利用されるポリペプチド
は、その最小単位としては少なくともβD体のAsp151
位を保持し、3個以上のアミノ酸、好ましくは4個以上
のアミノ酸、より好ましくは6個以上、さらに好ましく
は8個以上の連続するアミノ酸で構成されるアミノ酸配
列からなり、好ましくは免疫学的に同定しうるポリペプ
チド又はペプチドを本発明の対象とする。これらのペプ
チドは、単独又はキャリア(例えば、キーホールリンペ
イトヘモシアニン又は卵白アルブミン)と結合して使用
できるが、これらのように別種のタンパク質又は物質を
結合したものも本発明の範囲に包含される。
【0011】さらに、このように特定されたポリペプチ
ドは、1以上、例えば1〜100個、好ましくは1〜3
0個、より好ましくは1〜20個、さらに好ましくは1
〜10個で特に好ましくは1ないし数個のアミノ酸の欠
失・置換・付加あるいは挿入といった変異を有するアミ
ノ酸配列からなるポリペプチド又はペプチドも利用可能
である。欠失・置換・付加あるいは挿入の手段は自体公
知であり、例えば、部位特異的変異導入法、遺伝子相同
組換え法、プライマー伸長法又はポリメラーゼ連鎖増幅
法(PCR)を単独又は適宜組み合わせて、例えば、Mo
lecular Cloning;A Laboratory Manual、第2版、Sambr
ookら編、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラト
リー・プレス、コールド・スプリング・ハーバー、ニュ
ーヨーク、1989年;[ラボマニュアル遺伝子工学]、村
松正實編、丸善株式会社、1988年;[PCRテクノロジ
ー、DNA増幅の原理と応用]、Ehrlich,HE.編、スト
ックトンプレス、1989年等の成書に記載の方法に準じ
て、あるいはそれらの方法を改変して実施することがで
き、例えばUlmerの技術(Science(1983)219:666)
を利用することが出来る。
【0012】上記のような免疫原に用いるポリペプチド
は、例えば常法に従ったペプチドの化学合成で十分量得
ることができる。このうち、より簡単には、固相法によ
る市販のペプチド合成機を用いる方法がある。すなわ
ち、ポリマー性の支持体にペプチド断片のC末端側か
ら、そのアミノ酸残基に対応した保護アミノ酸を縮合さ
せペプチド結合を形成させる。縮合方法としては、例え
ば、DCC法、酸無水物法、活性エステル法等の方法を使
用することができる。αアミノ基の保護基としてはBoc
基又はFmoc基が使用できる。例えば、ペプチド自動合成
機を用いて合成する時には、その装置のマニュアルに従
い適宜アミノ酸の性質を考慮して合成方法を選択するの
が好ましい。
【0013】抗体を産生するためには、上記ポリペプチ
ドからなる免疫原を、アジュバントの存在又は非存在下
で、単独又は担体に結合して、動物に対して体液性応答
及び/又は細胞性応答等の免疫誘導をおこなうことによ
って行われる。担体は、それ自体が宿主に対して有害作
用をおこさなければ、特に限定されず例えばセルロー
ス、重合アミノ酸、アルブミン等が例示される。免疫さ
れる動物は、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ウマ等が
好適に用いられる。ポリクローナル抗体は、自体公知の
血清からの抗体回収法によって取得される。好ましい手
段としては、免疫アフィニティークロマトグラフィー法
である。
【0014】モノクロ−ナル抗体を生産するためには、
上記の免疫手段が施された動物から抗体産生細胞(例え
ば、脾臓又はリンパ節由来)を回収し、自体公知の永久
増殖性細胞(例えば、P3X63Ag8株等のミエロー
マ株)への形質転換手段を導入することによって行われ
る。例えば、ペプチド断片をアジュバントと共にマウ
ス、ラット等に注射し、抗体価が高くなった状態で脾臓
を摘出し、その脾細胞をポリエチレングリコール等のよ
うな融合剤を用いてミエローマ細胞と融合させ、その融
合細胞群より当該抗体を産生するクローンを選択し増殖
させ、腹腔中あるいは培養液中で大量細胞培養すること
により、製造することができる。実例としては、ハイブ
リドーマ法(Kohler,G. and Milstein,C., Nature(197
5)256:495-497);トリオーマ法(Kozbor et al., Immu
nology Today(1983)4:72);及びEBV−ハイブリドー
マ法(Cole et al., Monoclonal Antibodies and Cance
r Therapy, Alan R Liss,Inc.,(1985):77-96)に記載さ
れるような種々の技法がある。
【0015】このようにして得られた抗体又はその抗原
結合性フラグメントは、そのままで、あるいは酵素標
識、放射標識、蛍光標識等を結合させて、組織中及び体
液中に存在する該抗原を検出することに用いることがで
きる。本発明の抗体を用いることにより、ヒト組織の老
化マーカーあるいはストレスマーカーを検出し、組織の
老化の度合、ストレス度、及び病的変化をモニターする
ことができる。さらに、本発明の抗体を用いることによ
り、ヒト組織の老化マーカーあるいはストレスマーカー
を検出し、組織の老化の度合、ストレス度、及び病的変
化をモニターする免疫学的試薬を得ることができる。
【0016】本発明の試薬の検体としては、ヒトの臓
器、組織、血液、尿、髄液等を挙げることができるがこ
れらに限定されるものではない。組織等の抗原を検出す
る場合は、常法に従って免疫組織化学の手法が用いられ
る。すなわちオートプシーされた組織をスライドに固定
した後、この抗体を反応させ、さらに例えばパーオキシ
ダーゼ等で標識した抗IgG抗体を反応させる。そして基
質液を反応させることにより抗原の存在部位を染色する
ことができる。
【0017】また本発明の抗体は、体液中の抗原を検出
するために、常法に従って免疫測定法に広く利用するこ
とができる。この免疫測定法としては、例えば酵素免疫
測定法、放射免疫測定法、蛍光免疫測定法、凝集免疫測
定法、免疫比濁測定法、ウェスタンブロット法等を挙げ
ることができ、これらのいずれの測定法を採用しても、
該抗原の測定を十分行なうことができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。
【0019】
【実施例1】免疫原の作製 1)Gly-Leu-D-β-Asp-Ala-Thr-Gly-Leu-D-β-Asp-Ala-
Thr-Gly-Leu-D-β-Asp-Ala-Thrの合成。市販のFmoc-Thr
(tBu)-Wang樹脂0.2gをジメチルホルムアミド(DMF)で
膨潤させた後、ペプチド合成機の反応器に入れた。樹脂
を20%ピペリジン/DMFで処理しFmoc基を除去してアミノ
基を遊離させ、DMFで洗浄した。このアミノ基に次のア
ミノ酸Fmoc-AlaをHOBt/PyBop法で縮合した。
【0020】以後同様に、Fmoc-D-Asp-OtBu, Fmoc-Leu,
Fmoc-Gly, Fmoc-Thr(tBu), Fmoc-Ala, Fmoc-D-Asp-OtB
u, Fmoc-Leu, Fmoc-Gly, Fmoc-Thr(tBu), Fmoc-Ala, Fm
oc-D-Asp-OtBu, Fmoc-Leu, Fmoc-Glyを順次縮合し、反
応を完了した。
【0021】樹脂を乾燥した後、94%トリフルオロ酢酸
(TFA)/5%アニソール/1%エタンジチオールで2時間処理
し、ペプチドを樹脂から切り離すとともにペプチドの保
護基を除去した。この脱保護ペプチドをジエチルエーテ
ルで洗浄し乾燥した。これを20%アセトニトリル/0.1%TF
Aに溶解し、C18マイクロボンダスフェアーカラム(ウォ
ータ−ズ社)を装着したHPLC装置にてグラジエント
溶出し精製した。この精製ペプチド分画を集め凍結乾燥
し、白色粉末10.1 mgを得た。
【0022】2)上記の合成ペプチドとキーホール・リ
ンペット・ヘモシアニン(KLH)との複合体を作製
し、免疫原とした。すなわち、KLH5mgとペプチド5
mgを各々2.5mlの0.1M NaH2CO3溶液に溶解し、両者を混
合した。次にジメチルアジピミデート(DMA)10 mgを冷
やした純水1 mlに溶かし、その内の0.25 mlを直ちに上
記混合物に添加した。室温で3時間振とう反応した後、
免疫原とした。
【0023】
【実施例2】抗体の作製 実施例1で調製した免疫原を完全フロイントアジュバン
トと1:1の割合で混合し、ウサギ背部皮内10カ所に注
射した(0.4 mg/ウサギ)。2週間後に、免疫原を不完全
フロイントアジュバントと1:1の割合で混合し、ウサ
ギ背部皮下10カ所に注射した(0.2 mg/ウサギ)。以降2
週間隔で繰り返し、5回目の免疫終了1週間後に採血し
抗血清を得た。抗血清中のペプチド特異抗体(ポリクロ
ーナル抗体)は、この抗血清5 mlをペプチド5 mgを結合
させた1 mlのアガロースビーズカラム(Aff-Gel 10; Bi
o-Rad社)に通すことにより精製した。収量は1 mgであ
った。安定化のためにウシ血清アルブミンを10 mg/mlに
なるように添加し−20℃に保存した。
【0024】
【実施例3】免疫組織染色 バイオプシーされたヒト皮膚を常法に従ってパラフィン
切片にした。脱パラフィンの後、次の手順にて組織免疫
染色を実施した。すなわち、1)TBS(0.05Mトリス塩
酸, pH7.6/ 0.15M NaCl)で5分間インキュベーションす
る、2)0.025%プロナーゼ/0.05Mトリス塩酸, pH7.6中
で20分間インキュベーションする、3)3%過酸化水素
水/TBS中で5分間を3回インキュベーションする、4)2
%正常ブタ血清/TBS中で20分間インキュベーションす
る、5)本発明のウサギポリクローナル抗体(約5μg/m
l;2%正常ブタ血清/TBS中)と4℃で一晩インキュベー
ションする、6)0.2%ツイーン/TBS中で5分間を3回イン
キュベーションする、7)ビオチン化ブタ抗ウサギIgG
(DAKO社製、コード番号E353、500倍希釈で使用)と30
分間インキュベーションする、8)0.2%ツイーン/TBS中
で5分間を3回インキュベーションする、9)StreptABCo
mplex/HRP(DAKO社、コード番号 K377)を用いて30分
間インキュベーションする、10)0.2%ツイーン/TBS中
で5分間を3回インキュベーションする、11)ペルオキ
シダーぜ基質液と5−15分間インキュベーションする、
12)純水で洗浄する、13)ヘマトキシリンで対比染
色した後、観察する。この実験の結果を図1〜5に示し
た。
【0025】皮膚の場合、普段露出している顔面では老
人で強い染色がみられた。一方、普段被覆されている胸
部では染色がみられなかった。また、若齢者では顔面で
も全く染色がみられなかった。老人の血管内皮、あるい
は顔面脂漏性角化症の皮下組織でも強い染色がみられ
た。
【0026】
【実施例4】ウェスタンブロッティング バイオプシーにて得られたヒト老人皮膚を純水で抽出
後、残査に6Mグアニジン塩酸を加え、抽出されたタン
パク質をウェスタンブロッティングに供した。すなわ
ち、抽出サンプルを12.5%ゲルを用いたSDS-PAGEにか
け、分離されたタンパク質をPVDF膜にブロットした。こ
のPVDF膜と本発明のウサギポリクローナル抗体(約1μg
/ml;1%ウシ血清アルブミン/0.05%ツイーン20/PBS中)
を室温で1時間反応させた後、PBSで3回洗浄した。次に
ヤギ抗ウサギIgG−HPR複合体と室温で30分間反応させた
後、PBSで3回洗浄し、0.6 mg 3−アミノ−9−エチルカ
ルバゾール/0.03% H2O2/0.2M酢酸緩衝液 (pH5.2)と反応
させた。この実験により分子量50kDa付近の染色バンド
が検出された(図6)。
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明は、Asp151がβD
体であるαAクリスタリンに対して特異的な抗体が、レ
ンズ以外の組織中に存在する老化マーカーあるいはスト
レスマーカーと反応することを見い出した。これによ
り、ヒト組織中又は体液中に存在するそれらマーカーを
検出及び定量することができるようになった。従って、
本発明は、老化の度合、ストレス度、及び病的変化の観
察に大いに寄与するものと考えられる。
【0028】
【図面の簡単な説明】
【図1】82歳女性の顔面皮膚の免疫組織染色を示してお
り、いろいろな部位に染色がみられる。
【図2】72歳男性の胸部皮膚の免疫組織染色を示してお
り、染色はみられない。
【図3】9歳男性の顔面皮膚の免疫組織染色を示してお
り、染色はみられない。
【図4】69歳男性の顔面脂漏性角化症皮下の免疫組織染
色を示しており、エラスチン繊維に強い染色がみられ
る。
【図5】69歳男性の顔面脂漏性角化症皮下の免疫組織染
色を示しており、血管内皮に強い染色がみられる。
【図6】老人顔面皮膚由来タンパク質のウェスタンブロ
ッティングを示しており、分子量50kDa付近の染色バン
ドが検出された。レーン1は標準マーカー、レーン2は
老人皮膚のクーマシーブリリアントブルー染色、レーン
3は老人皮膚の本発明ポリクローナル抗体によるウェス
タンブロッティングであり、矢印は分子量50kDa付近
の染色バンドを示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の群より選ばれるポリペプチド又は該
    ポリペプチドを有するタンパク質を免疫学的に認識する
    抗体を用いることを特徴とする、ヒト老化マーカー及び
    ストレスマーカーの検出方法; N末端より151番目のアスパラギン酸がD-β-アスパラ
    ギン酸(D-β-Asp)であるaAクリスタリン、 N末端より151番目のアスパラギン酸がD-β-アスパラ
    ギン酸であるaAクリスタリン由来であるポリペプチド断
    片、 アミノ酸配列がGly-X1-D-β-Asp-Alaを含むポリペプ
    チド(X1は疎水性アミノ酸を示す)、 アミノ酸配列がGly-X1-D-β-Asp-Alaを含むポリペプ
    チド(X1はLeuあるいはValを示す) 前記〜のポリペプチドと少なくとも約50%のア
    ミノ酸配列上の相同性を有するポリペプチド、 前記〜のアミノ酸配列において、1ないし数個の
    アミノ酸の欠失、置換、付加あるいは挿入といった変異
    を有するポリペプチド。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のいずれか一に記載された
    検出方法に用いることを特徴とするヒトの老化マーカー
    又はストレスマーカーの検出用試薬。
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