JP2002107361A - 排泄物検知装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自分で排泄物の始末が困難な人の排泄物の検
知及び介護者に通報なおどを行うことができる排泄物検
知装置を提供する。 【解決手段】 身体の排泄器近傍より少量の空気を吸引
する空気吸引手段２と吸引管路２ａより特定の臭成分を
検知する化学センサ３と該化学センサ３を間欠作動させ
るタイマ５と該化学センサ３の検知信号を受けて通報手
段７又は排泄物処理手段８に作動信号を発する演算制御
装置６とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、寝たきり老人や、
尿意、便意が失われたり、自分で排泄物の始末が困難な
人のための排泄物の検知及び介護する人に通報などを行
うための排泄物検知装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、排尿の検知には電気抵抗の変化な
どが利用され、排便の検知には光の遮断などが利用され
ていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】尿は液体であることか
ら電気抵抗の変化や空気を微弱吸引する空気圧検出方法
などにより検知可能であり、又後始末も介護用品の進歩
により比較的容易であるが、便は半液体状や半固体状で
あることから検知が容易でなく、又後始末は時間が掛か
ると背中迄回り介護者の手を可成り煩わせる。

【０００４】本発明は上記の問題点を解消し、排便と放
屁とを区別し確実に排泄物の臭成分を検知してコール信
号を発し、迅速な介護作業ができる排泄物検知装置を提
供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成すべく身体の排泄器近傍より連続又は断続して少量の
空気を吸引する空気吸引手段と、該空気吸引手段の吸引
管路より特定の臭成分を検知する化学センサと、該化学
センサの検知を所定間隔に間欠作動させるタイマと、該
化学センサの検知信号を受けて通報手段或いは排泄物処
理手段に作動信号を発する演算制御装置とからなること
を特徴とする。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明の第１の実施の形態を図１
及び図２により説明する。

【０００７】１は本発明の第１の実施の形態である排泄
物から発生するガス、臭成分を検知して排泄を検知する
排泄物検知装置を示し、該排泄物検知装置１は、空気吸
引手段２と化学センサ３と湿度センサ４と間欠タイマ５
と演算制御装置６とからなり、該化学センサ３の検知信
号を受けて該演算制御装置６は通報手段７又は排泄物処
理手段８に作動信号を発する。

【０００８】先ず、空気吸引手段２は身体の排泄器近
傍、例えば、股間に覆ったおむつカバーＡ内部から吸引
管路である吸引チューブ２ａなどによって少量の空気を
例えば駆動モータ２ｃにより駆動される吸引ポンプ２ｂ
によって１分間１〜２リットル程度吸引し、吸引した空
気は脱臭容器２ｄにより脱臭して室内に排出される。
尚、吸引ポンプ２ｂは連続運転しても１分間隔などの断
続運転にしてもよい。

【０００９】次に、化学センサ３は前記吸引管路２ａに
設けられ、該吸引管路２ａから特定の臭成分を検知し、
排泄物から発生する臭成分がアンモニア及び硫化水素や
インドール、スカトールであれば便として検出し、又、
臭成分がエチルアミンやメチルアミンだけであれば尿と
して検知して便と尿とを区別するが、放屁は便から発生
するガスであるので放屁も同様に便として検知される。

【００１０】又、湿度センサ４も前記吸引管路２に設け
られ該吸引管路２ａからの湿度を検知し、ガスである放
屁と便の湿度の差や、待機中の着衣内の湿度などを検知
する。

【００１１】尚、化学センサ３の前記の臭成分のいくつ
かの感度素子と湿度センサ４の湿度素子とを一つの基板
上に集積化したハイブリット構造の複合センサとしても
よい。

【００１２】更に、間欠タイマ５はタイマ回路よりな
り、前記化学センサ３の検知作動を例えば３分間隔と
し、前記放屁と便との時間的な臭成分の濃度の差により
区別する。

【００１３】演算制御装置６はマイコンよりなり、前記
化学センサ３の臭成分の検知を受けて介護者へブザーで
知らせたり、或いはナースコールなどの通報手段７へ作
動信号を発したり又は採尿装置などの排泄物処理手段８
を作動させる。

【００１４】尚、前記間欠タイマ５は該演算制御装置６
に組み込んでもよく、又、前記化学センサ３の感度素子
は湿度成分にも反応することがあるので前記湿度センサ
４の検知によりその化学センサ３の反応湿度分を該演算
制御装置６が相殺して該化学センサ３の臭成分の検知の
確実性を高めている。

【００１５】次に、本発明の第１の実施の形態の作動に
ついて説明する。

【００１６】先ず、寝たままの患者や要介護者の股間を
覆った例えばおむつカバーＡ内や尿受け具などに吸引チ
ューブ２ａを装着し、該吸引チューブ２ａからは１分間
１〜２リットル程度の股間近傍の空気が吸引ポンプ２ｂ
により吸引されて、待機状態となる。

【００１７】その後、放屁されると、吸引チューブ２ａ
から吸引された空気から化学センサ３はガスの臭成分か
ら排便として検知して演算制御装置６に入力する。該演
算制御装置６は最初の検知信号では通報手段７や排泄物
処理手段８には作動信号を出力しないで、次の３分後に
間欠タイマ５により化学センサ３を作動させて検知信号
を再び演算制御装置６に入力する。その３分間の間に放
屁されたガスは３〜６リットル程の空気吸引により臭成
分は急速に低下して検知されず、そのため放屁の場合は
通報手段７や排泄物処理手段８は作動しない。

【００１８】次に、排便されると、化学センサ３は排便
から発する臭成分により排便として検知し、前述と同様
に次の３分後に間欠タイマ５により再び化学センサ３を
作動させると、その３分間の間の空気吸引によっても排
便から発する高い濃度の臭成分は発生し続け、該化学セ
ンサ３は再び排便として検知するので演算制御手段６は
通報手段７である介護者へブザーで知らせたり、ナース
コールを発信させたりして、介護者などにより汚れた所
を清潔に処理し、再び待機状態となる。

【００１９】又、排尿の場合には、化学センサ３の検知
成分がアミン系だけであれば尿として認識して演算制御
装置６は介護者などに通報したり、採尿装置を作動させ
たりする。

【００２０】尚、化学センサ３がアミン系成分だけを検
知したときには、演算制御装置６は間欠タイマ５に関係
なく、直ちに通報手段７や排泄物処理手段８を作動させ
てもよい。

【００２１】この様に、化学センサ３の特定の臭成分の
検知により排便と尿とを区別することができ、又、間欠
タイマ５による化学センサ３の間欠作動と空気吸引によ
るガス濃度の時間的な変化とにより排便と放屁とを区別
することができ、更に排便と尿とを区別して通報するこ
とができる。

【００２２】尚、空気吸引手段２は連続でなく、例えば
１分間毎の断続吸引にすることにより作動音を低減する
ことができ、又、間欠タイマ５を省いて化学センサ３の
間欠作動の機能を代行することができる。

【００２３】次に、本発明の第２の実施の形態を図３に
より説明する。

【００２４】この第２の実施の形態の排泄物検知装置１
１は、少量の空気を吸引し空気圧を検出手段とする自動
採尿装置２１の吸引系を前記第１の実施の形態の空気吸
引手段２として用いたことが特徴である。

【００２５】例えば、市販の空気圧検出の自動収尿器２
１は、要介護者を覆ったおむつカバー内の尿レシーバー
２３と、該尿レシーバー２３に接続した空気を微弱吸引
する吸引ポンプ２２ｂとモータ２２ｃとからなる空気吸
引手段２２の吸引チューブ２２ａと、脱臭器２５を有す
る収尿タンク２４などからなり、前記尿レシーバー２３
に排尿されると吸引チューブ２２ａ内に尿が入り吸引圧
が変って排尿が検出され、検出されると空気吸引手段２
２は微弱吸引から強吸引となって尿が吸引されて収尿タ
ンク２４に収尿され、吸引された空気は脱臭器２５によ
って脱臭されて室内に排出される。

【００２６】本発明の排泄物検知装置１１は、この自動
収尿器２１の空気吸引手段２２をそのまま用い、その吸
引チューブ２２ａの根部側に特定の臭成分を検知する化
学センサ３と湿度センサ４とを接続し、空気吸引手段２
２以外の構成は前記第１の実施の形態の排泄物検知装置
１と全く同様であり、排便の検知と介護者への通報を行
うのが特徴であり、この自動収尿器２１の本体側部や上
部に設置する。

【００２７】この第２の実施の形態である排泄物検知装
置１１は既存の自動収尿器２１を活用することにより、
要介護者に何ら追加や負担を加えることなく、介護者な
どに排便のコール信号を発して、迅速確実に排便の後処
理介護作業を行うことができ、又、尿は自動的に収尿さ
れるので定時的なおむつ交換作業を省くことができる。

【００２８】この様に自動採尿可能な装置と迅速な排便
の検知可能な装置との相乗効果により、何回も手間の掛
かる排泄物の後処理作業が排便時のおむつ交換だけとな
り介護作業を大巾に軽減することができる。

【００２９】更に、本発明の第３の実施の形態を図４に
より説明する。

【００３０】本発明の第３の実施の形態である排泄物検
知装置３１は、前記第１又は第２の実施の形態の排泄物
検知装置１、１１に補助化学センサ１３と補助湿度セン
サ１４を室内の所定個所に設けて演算制御装置６に接続
したことが特徴である。

【００３１】介護現場においては、不完全な身体清拭で
あったり、着衣に排泄物が付着したり、或いは室内に排
泄物の臭気が充満することがあり、前記排泄物検知装置
１、１１の化学センサ３、湿度センサ４は誤ってこの室
内の臭気を検知してしまうことがあり、この誤検知を防
止するために演算制御装置６は化学センサ３及び湿度セ
ンサ４と補助化学センサ１３及び補助湿度センサ１４と
の検知信号を対比し、比較演算して本当の排泄物検知を
算出する。

【００３２】この様に室内の所定個所に補助センサを設
けることにより、室内の臭気による誤検知を防止するこ
とができる。

【００３３】

【発明の効果】この様に本発明によると、身体の排泄器
近傍の空気から化学センサの特定の臭成分の検知により
排便と尿とを区別することができ、又、化学センサの間
欠検出と空気吸引によるガス濃度の時間的な変化とによ
り困難な排便と放屁とを区別することができ、更に、排
便と尿とを区別して通報することにより迅速な処理介護
作業を行うことができる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態の説明図である。

【図２】そのシステム構成図である。

【図３】本発明の第２の実施の形態の説明図である。

【図４】本発明の第３の実施の形態のシステム構成図で
ある。

【符号の説明】

１ 排泄物検知装置 ２ 空気吸引手段 ２ａ 吸引管路 ３ 化学センサ ４ 湿度センサ ５ 間欠タイマ ６ 演算制御装置 ７ 通報手段 ８ 排泄物処理手段

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成１２年１０月３日（２０００．１０．
３）

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】全図

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】

【図２】

【図３】

【図４】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 2D036 HA14 HA23 HA47 HA55 2G045 AA36 AA40 CB03 CB04 CB30 DA17 DB06 DB22 DB30 HA06 JA01 JA07 JA10 JA11 4C098 AA09 CD07 CD08

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 身体の排泄器近傍より連続又は断続して
   少量の空気を吸引する空気吸引手段と、該空気吸引手段
   の吸引管路より特定の臭成分を検知する化学センサと、
   該化学センサの検知を所定間隔に間欠作動させるタイマ
   と、該化学センサの検知信号を受けて通報手段或いは排
   泄物処理手段に作動信号を発する演算制御装置とからな
   ることを特徴とする排泄物検知装置。
2. 【請求項２】 前記化学センサと共に前記吸引管路より
   湿度を検知する湿度センサを前記演算制御装置に接続し
   たことを特徴とする請求項１に記載の排泄物検知装置。
3. 【請求項３】 前記化学センサは少なくともアンモニア
   及び硫化水素を検知することを特徴とする請求項１に記
   載の排泄物検知装置。
4. 【請求項４】 前記化学センサはエチルアミン及び又は
   メチルアミンの臭成分を検知することを特徴とする請求
   項３に記載の排泄物検知装置。
5. 【請求項５】 前記演算制御装置は待機中最初の化学セ
   ンサからの検知を受けてから前記間欠タイマを作動させ
   ることを特徴とする請求項１に記載の排泄物検知装置。
6. 【請求項６】 前記空気吸引手段は、少量の空気を吸引
   し空気圧を検出手段とする自動採尿装置の吸引系を用い
   ることを特徴とする請求項１に記載の排泄物検知装置。
7. 【請求項７】 前記化学センサは前記吸引管路に設ける
   と共に、室内の所定個所に補助化学センサ及び補助湿度
   センサを設け、これら補助センサを前記演算制御装置に
   接続したことを特徴とする請求項１又は請求項６に記載
   の排泄物検知装置。