JP2002107284A - 力計測方法及び走査型力顕微鏡 - Google Patents

力計測方法及び走査型力顕微鏡

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JP2002107284A
JP2002107284A JP2000297276A JP2000297276A JP2002107284A JP 2002107284 A JP2002107284 A JP 2002107284A JP 2000297276 A JP2000297276 A JP 2000297276A JP 2000297276 A JP2000297276 A JP 2000297276A JP 2002107284 A JP2002107284 A JP 2002107284A
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Nobuyuki Nakagiri
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フォースカーブを取得するに際して、精度良
く力計測を行う。 【解決手段】 レーザ光源15は、レーザ光をカンチレ
バー11に照射する。2分割フォトディテクタ16は、
カンチレバー11で反射した反射光を受光する。信号処
理回路20は、フォトディテクタ16からの2つの出力
の差分信号を出力する。演算・制御部21は、この差分
信号に基づいて、この差分信号がゼロに保たれるよう
に、駆動回路19を介して移動機構17を駆動して、フ
ォトディテクタ16のK方向の位置を制御する。PZT
スキャナ14によって、カンチレバー11と試料13と
の間の距離を変えながら、各距離において、フォトディ
テクタ16の位置に基づき、探針11aに働く力を計測
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるフォース
カーブを計測するための力計測方法及び走査型力顕微鏡
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】走査型力顕微鏡では、カンチレバーの探
針と試料表面との間に働く力によって、カンチレバーが
撓む。この探針と試料表面との間に働く相互作用によ
り、探針には様々な力が働く。カンチレバーと試料との
間の距離を変化させて、試料表面と探針との間の距離に
対する探針に働く力(カンチレバーの撓み)を計測した
ものを、フォースカーブと呼ぶ。
【0003】図2に、典型的なフォースカーブを模式的
に示す。図2は、縦軸にカンチレバーの変位、横軸にカ
ンチレバーと試料との距離を表している。そして、図中
の→は、カンチレバーの支持端を試料に近づける方向
か、遠ざける方向かを示している。図2の経路A→B→
C→Dは、探針を試料面に接近させ、接触させたときに
得られるフォースカーブ、経路D→E→F→Gは、探針
が試料面に接触している状態から遠ざけたときに得られ
るフォースカーブである。
【0004】このようなフォースカーブによって、試料
表面の物性をさらに詳細に理解することができる。具体
的には、C−D間或いはD−E間の直線の傾きは、試料
に探針を押し込んだときの斥力を示しており、これは、
試料の弾性を反映している。また、Eの地点では、表面
の吸着力と、カンチレバーの撓み力が釣り合っていると
ころであるので、E−F間の距離は、試料と探針の吸着
力を示している。また、C−D間或いはD−E間の直線
上におけるカンチレバーの変位(撓み)がゼロの地点
は、試料表面の高さ(試料表面の形状)を示している。
【0005】このようにして、フォースカーブを得て、
そしてフォースカーブを解析することで、試料の堅さと
か電磁気的特性や吸着力などの様々な情報が得られる。
【0006】ところで、走査型力顕微鏡では、カンチレ
バーの変位(すなわち、相互作用力)の検出には、測定
光をカンチレバーに照射し、そのカンチレバーからの反
射光を2分割フォトディテクタでモニタする光てこ法が
よく用いられる。この従来の光てこ法では、2分割フォ
トディテクタは、固定されて移動しないものであった。
【0007】この光てこ法を用いた従来の走査型力顕微
鏡による相互作用力の計測について説明すると、まず、
試料とカンチレバーの探針との間に力が働くと、カンチ
レバーに撓みが生ずる(変換1)。この撓みは、カンチ
レバーで反射されるレーザ光の反射方位を変化させる
(変換2)。この反射方位の変化は、反射光のスポット
のディテクタ上での位置を変化させる(変換3)。2分
割フォトディテクタ上で光スポット(ビームスポット)
の位置が変化すると、2分割フォトディテクタの2つに
分割された受光面の各領域から得られる2つの出力の差
分信号が変化する(変換4)。後述するように最後の変
換4は非線形性が大きく、前記変換2〜4を1つの変換
として、その関係を予め計測して変換テーブルを作製し
ておき、実際に計測された差分信号からこの変換テーブ
ルを参照して、カンチレバーの変位を求め、カンチレバ
ーのバネ定数から力を求めていた。
【0008】なお、走査型力顕微鏡において、試料表面
の形状に関する情報を得る場合には、例えば、カンチレ
バーを試料表面上で走査しつつ、試料と探針との間に働
く力が一定値を保つように、カンチレバーの撓みを一定
(前記2分割ディテクタからの出力を一定)に保つよう
にカンチレバーと試料との間の距離を制御する。この制
御信号は、試料表面の形状を示す情報となる。この方式
は、試料と探針との間に働く力が一定値を保つことか
ら、コンスタントフォースモードと呼ばれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の走査型力顕微鏡によりフォースカーブを取得する場
合、2分割フォトディテクタの特性、及び、計測すべき
力の範囲が広いことから、探針に働く力を高い精度で計
測することができなかった。この点について、以下に説
明する。
【0010】2分割フォトディテクタは、その受光面上
の光スポットが変位すると、図3に示すように出力が変
化する特性を有する。図3の横軸は、2分割フォトディ
テクタの受光面上の光スポット1の変位を示す。この変
位は、図4に示すように、光スポット1の中心が、2分
割フォトディテクタの受光面を2つの領域3a,3bに
分割する境界線2上にあるときを基準(ゼロ)とし、光
スポット1の中心の、境界線2からの距離を示してい
る。図3の縦軸は、2つの領域3a,3bからそれぞれ
得られる2つの出力信号の差分信号を、規格化して示し
ている。図3からわかるように、光スポットの変位が小
さければ、変位に対する差分信号の変化が大きく、しか
も両者は比例する。ところが、光スポットの変位が大き
くなると、光スポットの変位に対する差分信号の変化が
小さくなって両者は比例しなくなり、ついには差分信号
は一定値となってしまい、2分割フォトディテクタはデ
ィテクタとして働かなくなる。
【0011】一方、フォースカーブを取得する場合に
は、前述したように、カンチレバーと試料との間の距離
を変化させて、試料表面と探針との間の距離に対する探
針に働く力(カンチレバーの撓み)を計測するので、試
料表面と探針との間に働く力は大きく変化し、計測すべ
き力の範囲が広い。したがって、カンチレバーの撓みの
範囲が広く、カンチレバーで反射した反射光の方位は大
きく変化するので、2分割フォトディテクタ上の光スポ
ットの変位の範囲は広い。
【0012】したがって、前記従来の走査型力顕微鏡に
よりフォースカーブを取得する場合には、2分割フォト
ディテクタ上で光スポットが大きく変位することを避け
ることはできず、光スポットの変位の変化に対する前記
差分信号の変化が小さくなって両者が比例しない位置
に、光スポットが移動していた。このため、フォースカ
ーブを取得する場合には、探針に働く力を精度良く計測
することはできなかった。
【0013】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、フォースカーブを取得するに際して精度良く
力計測を行うことができる力計測方法及び走査型力顕微
鏡を提供することを目的とする。
【0014】また、本発明は、フォースカーブを取得す
るに際して精度良く力計測を行うことができ、しかも、
コンスタントフォースモードによる試料表面の形状情報
も得ることができる走査型力顕微鏡を提供することを目
的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の第1の態様による力計測方法は、試料表面
上の1つ以上の計測点において、探針が設けられた撓み
部材と試料とを前記試料表面と略垂直な方向へ相対的に
移動させ、前記各計測点における前記略垂直な方向の複
数の位置で、前記探針と前記試料表面との間の相互作用
力を計測する力計測方法において、前記撓み部材の反射
面に測定光を照射し、受光位置に応じた信号を出力する
光検出器により前記反射面で反射した前記測定光を受光
し、前記光検出器からの出力に基づいて、当該出力が実
質的に一定に保たれるように前記光検出器を移動させ、
前記光検出器の位置に基づいて前記相互作用力を計測す
るものである。
【0016】この第1の態様によれば、フォースカーブ
を取得する力計測に際して、実質的に光てこ法に基づき
ながら、光検出器からの出力に基づいて、当該出力が実
質的に一定に保たれるように前記光検出器が移動され
る。したがって、探針に力が働いてカンチレバー等の撓
み部材が撓むと、撓み部材の反射面で反射した測定光の
反射方位が変化し、反射光の光スポットの光検出器上で
の位置が変化しようとするが、この光スポットの変位に
追従して光検出器が移動し、光検出器に対する光スポッ
トの位置が実質的に一定に保たれる。このため、光検出
器の位置から反射光の変位を得ることができ、ひいては
探針に働く力を得ることができる。
【0017】このように、前記第1の態様によれば、フ
ォースカーブを取得する力計測に際して、光検出器に対
する光スポットの位置を実質的に一定に保つことができ
る。このため、光検出器に対する光スポットの位置を、
光検出器上の線形性が良くかつ感度の高い位置に保つこ
とができるので、計測精度が向上する。また、光検出器
の変位から直接反射光の光スポット位置が計測されるの
で、非線形性の大きい前述した変換4が無くなり、線形
性の高い前記変換1〜3のみとなる。このため、光検出
器の変位をある係数によって力の値に変換することも可
能となり、従来必要であった変換テーブルは必ずしも必
要ではなくなる。
【0018】本発明の第2の態様による走査型力顕微鏡
は、試料表面上の1つ以上の計測点において、探針が設
けられた撓み部材と試料とを前記試料表面と略垂直な方
向へ相対的に移動させ、前記各計測点における前記略垂
直な方向の複数の位置で、前記探針と前記試料表面との
間の相互作用力を計測する走査型力顕微鏡において、前
記撓み部材の反射面に測定光を照射する照射部と、前記
照射部から出射され前記反射面で反射した光を受光し、
受光位置に応じた信号を出力する光検出器と、前記光検
出器を移動させる移動機構と、前記光検出器からの出力
に基づいて、当該出力が実質的に一定に保たれるように
前記移動機構を駆動して前記光検出器の位置を制御する
制御部とを備え、前記光検出器の位置に基づいて、前記
相互作用力を計測するものである。
【0019】この第2の態様によれば、前記第1の態様
による力計測方法が実現され、前記第1の態様と同様の
利点が得られる。
【0020】本発明の第3の態様による走査型力顕微鏡
は、試料表面上の1つ以上の計測点において、探針が設
けられた撓み部材と試料とを前記試料表面と略垂直な方
向へ相対的に移動させ、前記各計測点における前記略垂
直な方向の複数の位置で、前記探針と前記試料表面との
間の相互作用力を計測する第1の計測モードと、前記撓
み部材と前記試料とを前記試料表面と略平行な方向へ相
対的に移動させつつ、前記探針と前記試料表面との間の
相互作用力が実質的に一定に保たれるように、前記撓み
部材と前記試料とを前記試料表面と略垂直な方向へ相対
的に移動させ、前記探針と前記試料との相対位置情報を
計測する第2の計測モードと、を選択的に切り替えて行
うものである。そして、この走査型力顕微鏡は、前記撓
み部材と前記試料とを前記試料表面と略垂直な方向及び
前記試料表面と略平行な方向に移動させる第1の移動機
構と、前記撓み部材の反射面に測定光を照射する照射部
と、前記照射部から出射され前記反射面で反射した光を
受光し、受光位置に応じた信号を出力する光検出器と、
前記光検出器を移動させる第2の移動機構と、制御部と
を備える。前記制御部は、前記第1の計測モード時に
は、前記光検出器からの出力に基づいて、当該出力が実
質的に一定に保たれるように前記第2の移動機構を駆動
して前記光検出器の位置を制御し、前記第2の計測モー
ド時には、前記光検出器からの出力に基づいて、当該出
力が実質的に一定に保たれるように前記第1の移動機構
を駆動して前記撓み部材と前記試料との前記試料表面と
略垂直な方向の相対位置を制御する。
【0021】前記第1の計測モードはフォースカーブの
取得に相当し、前記第2の計測モードはコンスタントフ
ォースモードによる試料表面の形状情報の取得に相当す
る。前記第1の計測モードでは、前記第1の態様による
力計測方法が実現されるので、前記第1の態様と同様の
利点が得られる。この第1の計測モード時には、光検出
器からの出力に基づいて、当該出力が実質的に一定に保
たれるように前記光検出器が移動される。前記第2の計
測モード時においても、前記第1の計測モード時と同様
に、光検出器からの出力に基づく制御の対象を光検出器
の位置とすることは可能だが、前記第3の態様の様に、
前記第2の計測モード時には、光検出器からの出力に基
づく制御の対象を、撓み部材と試料との距離に切り替え
るので、コンスタントフォースモードによる試料表面の
形状情報を適切に取得することも可能である。
【0022】本発明の第4の態様による走査型力顕微鏡
は、前記第2又は第3の態様において、前記光検出器
が、複数に分割された受光面を有する分割光検出器であ
るものである。分割光検出器としては、2分割フォトデ
ィテクタや4分割フォトディテクタを挙げることができ
る。
【0023】前記光検出器は、分割光検出器に限定され
るものではないが、分割光検出器を用いると、分割され
た受光面の領域間の境界線付近において、受光位置の変
化に対する感度が非常に高いので、計測精度がより向上
し、好ましい。
【0024】ところで、前記第1乃至第4の態様におい
て、光検出器の位置は、制御部からの光検出器の位置を
制御する制御信号から得られることになるので、当該制
御信号に基づいて光検出器の位置を検出してもよい。勿
論、光検出器の位置を検出する位置検出器を用いて、光
検出器の位置を検出してもよい。
【0025】また、前記第1乃至第4の態様において、
前記光検出器として1次元のみの受光位置を検出し得る
光検出器、例えば、2分割フォトディテクタを用い、前
記光検出器で、カンチレバー等の撓み部材の撓みのみを
検出してもよい。また、前記光検出器として2次元の受
光位置を検出し得る光検出器、例えば、4分割フォトデ
ィテクタを用い、前記光検出器で、カンチレバー等の撓
み部材の撓みのみならず当該撓み部材の捻れを検出して
もよい。この場合、探針に高さ方向に作用する力のみな
らず、探針に横方向に作用する力についても計測するこ
とができる。この場合、当該光検出器を移動させる移動
機構として、例えば、撓み方向に対応する1次元方向に
のみ光検出器を移動させ得る機構を用いて、フォースカ
ーブ取得時に撓み方向に対してのみ光検出器を反射光ス
ポットに追従させるように制御してもよいし、撓み方向
及び捻れ方向の両方に対応し得るように2次元に光検出
器を移動させ得る機構を用いて、フォースカーブ取得時
に撓み方向及び捻れ方向の両方に対して光検出器を反射
光スポットに追従させるように制御してもよい。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明による計測装置及び
走査型力顕微鏡について、図面を参照して説明する。
【0027】図1は、本発明の一実施の形態による走査
型力顕微鏡を模式的に示す概略構成図である。説明の便
宜上、図1において、紙面内の左右方向をX方向、紙面
と垂直な方向をY方向、紙面内の上下方向をZ方向とす
る。
【0028】本実施の形態による走査型力顕微鏡は、撓
み部材としてのカンチレバー11を備えている。カンチ
レバー11は、探針11aを先端側に有するレバー部1
1bと、該レバー部11bを支持する支持体11cと、
を有している。カンチレバー11は、その支持体11c
がカンチレバーホルダ12により保持されている。この
ホルダ12は、図示しないベースに対して固定されてい
る。試料13は、その表面が略XY平面と一致するよう
に、移動機構としてのチューブ型のPZTスキャナ14
上に搭載されている。PZTスキャナ14は、試料13
を前記ベースに対してX,Y,Z方向に移動させる。
【0029】また、本実施の形態による走査型力顕微鏡
は、カンチレバー11の反射面に測定光を照射する照射
部としてのレーザ光源15と、レーザ光源15から出射
されカンチレバー11の反射面で反射した光を受光し、
受光位置に応じた信号を出力する光検出器としての、2
分割フォトディテクタ16と、2分割フォトディテクタ
16を前記ベースに対して移動させる圧電素子やステッ
ピングモータなどのアクチュエータを用いた移動機構1
7とを備えている。2分割フォトディテクタ16の受光
面の2つの領域16a,16b間の境界線は、Y方向に
延びている。本実施の形態では、移動機構17は、図1
中の矢印Kで示す方向(受光面と平行な方向でかつ境界
線と直交する方向)に1次元にのみ2分割フォトディテ
クタ16を移動させるようになっている。もっとも、移
動機構17による移動方向は必ずしもこの方向に限定さ
れるものではない。レーザ光源15は、前記ベースに対
して固定されている。
【0030】さらに、本実施の形態による走査型力顕微
鏡は、PZTスキャナ14を駆動する駆動回路18と、
移動機構17を駆動する駆動回路19と、2分割フォト
ディテクタ16の2つに分割された受光面の各領域16
a,16bからそれぞれ得られる2つの出力信号の差を
とり、この差を示す差分信号を出力する信号処理回路2
0と、信号処理回路20からの差分信号を取り込んで駆
動回路18,19を制御したり、フォースカーブや試料
表面の形状を示すデータを作成したりするコンピュータ
等からなる演算・制御部21と、使用者が演算・制御部
21に指令等を与えるためのキーボードやマウス等の入
力装置22と、得られた結果等を表示するCRT等の表
示装置23とを備えている。
【0031】本実施の形態では、演算・制御部21は、
入力装置22からの指令に応じて、フォースカーブを取
得する第1の計測モードと、コンスタントフォースモー
ドによる試料表面の形状データを得る第2の計測モード
とを、切り替えて行うように、各部を制御する。
【0032】まず、第1の計測モードについて説明す
る。このモードでは、演算・制御部21は、駆動回路1
8に制御信号を与えてPZTスキャナ14を制御し、入
力装置22により指令された1つ以上の試料13の表面
上の計測点(XY位置)において、試料13をZ方向に
探針11aに近づく向きに移動させ、その後、試料13
をZ方向に探針11bから遠ざかる向きに移動させる。
このPZTスキャナ14の制御は、信号処理回路20か
らの差分信号と無関係に行う。Z方向の位置に応じて、
探針11aと試料13との相互作用により探針11aに
働く力が変化し、カンチレバー11の撓み量が変化し、
カンチレバー11で反射したレーザ光の反射方位が変化
する。
【0033】一方、前記第1の計測モード時には、演算
・制御部21は、信号処理回路20からの差分信号に基
づいて、この差分信号がゼロに保たれるように駆動回路
19に制御信号を与えて2分割フォトディテクタ16の
矢印K方向の位置を制御する。カンチレバー11で反射
したレーザ光の反射方位が変化し、反射光の光スポット
の2分割フォトディテクタ16上での位置が変化しよう
とするが、前述した2分割フォトディテクタ16の位置
制御によって、光スポットの変位に追従して2分割フォ
トディテクタ16が移動し、光検出器に対する光スポッ
トの位置が実質的に一定に(本実施の形態では、光スポ
ットの中心が境界線上となる位置に)保たれる。このた
め、フォトディテクタ16の位置から反射光の変位を得
ることができ、ひいては探針に働く力を得ることができ
る。
【0034】そして、前記第1の計測モード時には、演
算・制御部21は、前述した各制御を同時に行いつつ、
各計測点において、駆動回路18に与えたZ方向の各制
御信号(各Z方向位置に相当)とそれに応じて駆動回路
19に与えた制御信号(探針11aに働く力に相当)と
を関連づけて、フォースカーブを示すデータとして、図
示しない内蔵の記憶部に記憶し、また、表示装置23に
表示させる。
【0035】このように、本実施の形態によれば、フォ
ースカーブを取得する力計測に際して、フォトディテク
タ16に対する光スポットの位置を、フォトディテクタ
16上の線形性が良くかつ感度の高い位置に保つことが
できる。したがって、計測精度が向上する。また、2分
割フォトディテクタ16の変位から直接反射光の光スポ
ット位置が計測されるので、非線形性の大きい変換が無
くなり、線形性の高い変換のみとなる。このため、2分
割フォトディテクタ16の変位をある係数によって力の
値に変換することも可能となり、従来必要であった変換
テーブルは必ずしも必要ではなくなる。
【0036】次に、第2の計測モードについて説明す
る。このモードでは、2分割フォトディテクタ16の位
置は、何ら制御せずに、常に所定の位置としておく。そ
して、演算・制御部21は、駆動回路18にX方向及び
Y方向の制御信号を与えて試料13を試料表面と平行に
移動(走査)させる。同時に、演算・制御部21は、信
号処理回路20からの差分信号に基づいて、この差分信
号が所定値に保たれるように(すなわち、カンチレバー
11の撓み量が所定値に保たれるように)駆動回路18
にZ方向の制御信号を与えて試料13のZ方向の位置を
制御する。この制御により、探針11aの先端の位置は
試料表面と等間隔を保ったまま試料に対して相対的に移
動することになる。
【0037】そして、演算・制御部21は、駆動回路1
8に与えたX方向、Y方向及びZ方向の制御信号を互い
に関連づけて、試料表面形状を示すデータとして、図示
しない内蔵の記憶部に記憶し、また、表示装置23に表
示させる。
【0038】このように、本実施の形態によれば、第2
の計測モードにおいては、信号処理回路20からの差分
信号に基づくフィードバック制御の対象を、試料3のZ
方向の位置(すなわち、探針11aと試料13との間の
距離)に切り替えるので、コンスタントフォースモード
による試料表面の形状情報を適切に取得することができ
る。
【0039】以上、本発明の一実施の形態について説明
したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるもの
ではない。
【0040】例えば、前述した実施の形態において、2
分割フォトディテクタ16に代えて4分割フォトディテ
クタを用い、この4分割フォトディテクタによりカンチ
レバー11の撓みのみならずカンチレバー11の捻れを
検出してもよい。この場合、例えば、4分割フォトディ
テクタの受光面の互いに直交する2つの境界線のうち一
方の境界線を、Y方向に延びるように配置する。受光面
の4つの領域のうちY方向に延びる境界線に対して一方
の側の2つの領域の出力信号を加算した信号と他方の側
の2つの領域の出力信号を加算した信号との第1の差分
信号が、撓みを示し、Y方向と直交する方向に延びる境
界線に対して一方の側の2つの領域の出力信号を加算し
た信号と他方の側の2つの領域の出力信号を加算した信
号との第2の差分信号が、捻れを示すことになる。
【0041】この場合、移動機構17は、前記実施の形
態と同じくフォトディテクタを矢印K方向のみに移動さ
せるだけでもよい。このケースでは、前記第1の計測モ
ード時に、演算・制御部21は、各計測点において、駆
動回路18に与えたZ方向の各制御信号(各Z方向位置
に相当)と関連づけて、前記第2の差分信号もデータと
して取得するようにしてもよい。このデータは、探針1
1aに横方向に作用する力についてのフォースカーブと
なる。
【0042】また、前述したように4分割フォトディテ
クタを用いる場合に、フォトディテクタをK方向のみな
らずY方向にも2次元に移動し得るように、移動機構1
7を構成しておいてもよい。このケースでは、前記第1
の計測モード時に、演算・制御部21は、前記第1の差
分信号に基づいて、この信号が一定に保たれるように、
移動機構17を駆動してフォトディテクタの位置をK方
向に制御するのみならず、前記第2の差分信号に基づい
て、この信号が一定に保たれるように、移動機構17を
駆動してフォトディテクタの位置をY方向に制御する。
そして、前記第1の計測モード時に、演算・制御部21
は、各計測点において、駆動回路18に与えたZ方向の
各制御信号(各Z方向位置に相当)と関連づけて、駆動
回路19に与えたK方向の制御信号を、探針11aに高
さ方向に働く力についてのフォースカーブを示すデータ
として保持しておくのみならず、駆動回路19に与えた
Y方向の制御信号を、探針11aに横方向に働く力につ
いてのフォースカーブを示すデータとして保持する。こ
のケースでは、探針11aに高さ方向に働く力の計測の
みならず、横方向に働く力の計測についても、計測精度
が向上する。
【0043】また、前述した実施の形態では、コンスタ
ントフォースモードによる試料表面の形状情報も得るこ
とができるように構成されていたが、本発明では、この
形状情報は必ずしも得られなくてもよい。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
フォースカーブを取得するに際して精度良く力計測を行
うことができる力計測方法及び走査型力顕微鏡を提供す
ることができる。
【0045】また、本発明によれば、フォースカーブを
取得するに際して精度良く力計測を行うことができ、し
かも、コンスタントフォースモードによる試料表面の形
状情報も得ることができる走査型力顕微鏡を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による走査型力顕微鏡を
模式的に示す概略構成図である。
【図2】典型的なフォースカーブを模式的に示す図であ
る。
【図3】2分割フォトディテクタの特性を示す図であ
る。
【図4】2分割フォトディテクタの受光面の様子を示す
図である。
【符号の説明】
11 カンチレバー 11a 探針 13 試料 14 PZTスキャナ 15 レーザ光源 16 2分割フォトディテクタ 17 移動機構 18,19 駆動回路 20 信号処理回路 21 演算・制御部21 22 入力装置 23 表示装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料表面上の1つ以上の計測点におい
    て、探針が設けられた撓み部材と試料とを前記試料表面
    と略垂直な方向へ相対的に移動させ、前記各計測点にお
    ける前記略垂直な方向の複数の位置で、前記探針と前記
    試料表面との間の相互作用力を計測する力計測方法にお
    いて、 前記撓み部材の反射面に測定光を照射し、受光位置に応
    じた信号を出力する光検出器により前記反射面で反射し
    た前記測定光を受光し、前記光検出器からの出力に基づ
    いて、当該出力が実質的に一定に保たれるように前記光
    検出器を移動させ、前記光検出器の位置に基づいて前記
    相互作用力を計測することを特徴とする力計測方法。
  2. 【請求項2】 試料表面上の1つ以上の計測点におい
    て、探針が設けられた撓み部材と試料とを前記試料表面
    と略垂直な方向へ相対的に移動させ、前記各計測点にお
    ける前記略垂直な方向の複数の位置で、前記探針と前記
    試料表面との間の相互作用力を計測する走査型力顕微鏡
    において、 前記撓み部材の反射面に測定光を照射する照射部と、 前記照射部から出射され前記反射面で反射した光を受光
    し、受光位置に応じた信号を出力する光検出器と、 前記光検出器を移動させる移動機構と、 前記光検出器からの出力に基づいて、当該出力が実質的
    に一定に保たれるように前記移動機構を駆動して前記光
    検出器の位置を制御する制御部とを備え、 前記光検出器の位置に基づいて、前記相互作用力を計測
    することを特徴とする走査型力顕微鏡。
  3. 【請求項3】 試料表面上の1つ以上の計測点におい
    て、探針が設けられた撓み部材と試料とを前記試料表面
    と略垂直な方向へ相対的に移動させ、前記各計測点にお
    ける前記略垂直な方向の複数の位置で、前記探針と前記
    試料表面との間の相互作用力を計測する第1の計測モー
    ドと、 前記撓み部材と前記試料とを前記試料表面と略平行な方
    向へ相対的に移動させつつ、前記探針と前記試料表面と
    の間の相互作用力が実質的に一定に保たれるように、前
    記撓み部材と前記試料とを前記試料表面と略垂直な方向
    へ相対的に移動させ、前記探針と前記試料との相対位置
    情報を計測する第2の計測モードと、 を選択的に切り替えて行う走査型力顕微鏡において、 前記撓み部材と前記試料とを前記試料表面と略垂直な方
    向及び前記試料表面と略平行な方向に移動させる第1の
    移動機構と、 前記撓み部材の反射面に測定光を照射する照射部と、 前記照射部から出射され前記反射面で反射した光を受光
    し、受光位置に応じた信号を出力する光検出器と、 前記光検出器を移動させる第2の移動機構と、 前記第1の計測モード時には、前記光検出器からの出力
    に基づいて、当該出力が実質的に一定に保たれるように
    前記第2の移動機構を駆動して前記光検出器の位置を制
    御し、前記第2の計測モード時には、前記光検出器から
    の出力に基づいて、当該出力が実質的に一定に保たれる
    ように前記第1の移動機構を駆動して前記撓み部材と前
    記試料との前記試料表面と略垂直な方向の相対位置を制
    御する制御部と、 を備えたことを特徴とする走査型力顕微鏡。
  4. 【請求項4】 前記光検出器が、複数に分割された受光
    面を有する分割光検出器であることを特徴とする請求項
    2又は3記載の走査型力顕微鏡。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007017388A (ja) * 2005-07-11 2007-01-25 Jeol Ltd 走査形プローブ顕微鏡
WO2009136490A1 (ja) * 2008-05-09 2009-11-12 国立大学法人京都大学 表面物性計測方法、および表面物性計測装置
US8549660B2 (en) 2010-04-09 2013-10-01 Boise State University Cantilever-based optical fiber probe interfacial force microscope for partial immersion in liquid
US9091705B2 (en) 2010-04-09 2015-07-28 Boise State University System and method for high-speed atomic force microscopy with switching between two feedback loops

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