JP2002107138A - レール移動量測定システム - Google Patents

レール移動量測定システム

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JP2002107138A
JP2002107138A JP2000299354A JP2000299354A JP2002107138A JP 2002107138 A JP2002107138 A JP 2002107138A JP 2000299354 A JP2000299354 A JP 2000299354A JP 2000299354 A JP2000299354 A JP 2000299354A JP 2002107138 A JP2002107138 A JP 2002107138A
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plate
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vehicle
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Yasushi Yoshida
康史 吉田
Shuichi Adachi
修一 安達
Eiji Fukuda
英司 福田
Toru Ensho
徹 遠所
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Central Japan Railway Co
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Central Japan Railway Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プレートを検知するセンサの数を減らすこと
ができるレール移動量計測システムを提供する。 【解決手段】 レールプレート14を通り、保線用車両
3を走行させたとき検知センサ10が走査する走査線9
上に、予め定められた初期遊間距離だけ離して基準プレ
ート16を設置する。そして、検知センサ10で、レー
ルプレート14及び基準プレート16を検知し、各プレ
ート14,16を検知する合間に保線用車両3が進行し
た実遊間距離を測定する。そして、実遊間距離から初期
遊間距離を差し引くことによりレール移動量を求める。
このように、従来2台のセンサで検知していた基準プレ
ート16とレールプレート14とを、一本の走査線9上
に配置したので、一台の検知センサ10で、各プレート
14,16を検知できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レールを走行する
車両上で該レールの長さ方向の伸縮やふく進による移動
量を測定するためのレール移動量測定システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、鉄道では、200m以上の長さの
ロングレールが多くの路線で用いられている。これは、
このロングロールを用いれば、200m以下の標準的な
レールを用いる場合に比べ、車輪がレールの継ぎ目を拾
う音の発生回数を減らすことができ、その結果列車の乗
り心地を向上したり、騒音や振動の発生を防止したりす
ることができるためである。
【0003】通常レールは、主に鉄で形成されているた
め、温度変化により長さ方向に伸縮する。この温度変化
に伴う伸縮によってレールが移動する現象を以下、伸縮
移動と呼ぶ。ロングレールでは、この伸縮移動が両端部
から100m前後の範囲で主に見られ、中央部ではレー
ルが枕木に締結装置で固定されているので、この伸縮移
動は殆ど見られない。そのため、レールの中央部は不動
区間と呼ばれ、レールの両端部は可動区間(伸縮区間と
もいう)と呼ばれている。
【0004】そしてこの可動区間では、1年間で±10
0mm前後伸縮移動するので、長さ方向に移動自在にレ
ールを枕木に取り付け、さらに、図8に示すように、ト
ングレール110を利用するなどして伸縮継目120を
設けて、通過する列車の走行に問題がないよう、レール
100の伸縮を吸収するようにしている。
【0005】しかし、可動区間でのレールの伸縮量(以
下「EJストローク量」という)が予想されるEJスト
ローク量を越えてレール100が伸張したときは、伸縮
継目120部分で、図9(a)に示すような軌間縮小
(矢印で挟んだ部分)が発生したり、レール100が収
縮したときは、図9(b)に示すような軌間拡大(斜線
部分)が発生する。
【0006】一方、不動区間では、レール100が枕木
に固定されているため、温度変化によって伸縮しようと
する力が内部応力としてレール100内に蓄積され、あ
る一定値を越えるとレール100が枕木ごと移動して湾
曲する、いわゆる座屈を起こすことがある。ただ、この
座屈は、例えば、日向にあるレール100と日陰にある
レール100とでは内部応力に差があり、その差により
レールが長さ方向に移動するため、その移動を捕らえる
ことで座屈の発生を予見できる。また、列車が加速した
り制動が頻繁に行われる区間のレール100や、坂道に
敷設された区間のレール100等では、不動区間と言え
ども、レールの長さ方向に働く大きな軸力を列車から受
けレール100が移動することがある。このように、レ
ールの内部応力や車両から受ける軸力等により、不動区
間においてレール100が長さ方向に移動することをふ
く進と呼んでいる。
【0007】以上のような軌道縮小や軌道拡大、座屈、
軸力によるレールの移動等の異常を監視するため、従来
は、EJストローク量とふく進量とを、作業員が定期的
に測定する定期測定を1〜3ヶ月に一回行っていた。そ
の結果、例えば座屈が発生するような場合は、一旦締結
装置をすべて緩めてレール100を枕木から取外し、レ
ール100を機械的に引き伸ばして緊張力を加え、内部
応力を分散させるなどした後、再び締結装置でレール1
00を枕木に固定する作業等を行うなどして、異常の発
生を未然に防止しているのである。
【0008】ここで、EJストローク量やふく進量を測
定する方法について説明する。まず、図10(a)に示
すように、予めレール100の長さ方向に200m間隔
ごとに基準杭130a及び130bを設置する。そして
基準杭130a,130b間に水糸140を張設し、こ
の水糸140とレール100とが重なるレール100上
にポンチマーク150を刻印しおく。そして定期測定の
際には、図10(b)に示すように、基準杭130a,
130b間に水糸140を張設し、ふく進等がおきて水
糸140とレール100とが重なる位置と、ポンチマー
ク150とがずれていれば、そのズレ量を定規等で測定
していた。
【0009】しかし、EJストローク量やふく進量の測
定は、測定箇所の数が膨大であり、また定期測定の周期
も1〜3ケ月に1回と短く、多くの人手に頼るものであ
るため、作業員の負担が大きくまたその人件費に掛かる
コストも高くついてしまうものだった。
【0010】そのため、EJストローク量やふく進量
を、保線用車両上で測定するためのレール移動量測定シ
ステムが提案されている。このレール移動量測定システ
ムを実行するための装置200は、図11(a)に示す
ように、基準プレート210と、レールプレート220
と、基準杭センサ230と、検知センサ240と、走行
距離センサ250とで構成されている。
【0011】基準プレート210は、前述した基準杭1
30の先端に設置され、各レールプレート220は、レ
ール100の長さ方向に沿って距離αだけ離れた位置
で、各レール100に固定されている。基準杭センサ2
30は、図11(b)に示すように、基準プレート21
0を通る基準走査線上を車両の進行に伴ってレーザ光で
走査して基準プレート210を検知し、検知センサ24
0は、レールプレート220を通る計測走査線上を車両
の進行に伴ってレーザ光で走査し、レールプレート22
0を検知するよう、保線用車両300に取り付けられて
いる。また走行距離センサ250は、ドップラーセンサ
であり、0.1mm車輪が回転すると1パルスを出力す
るようにされている。
【0012】このレール移動量測定システムでは、ま
ず、基準プレート210とレールプレート220と間の
レール100の長さ方向に沿った距離αを予め測定して
おく。その上で定期測定の際、保線用車両300を走ら
せ、基準杭センサ230及び検知センサ240で基準プ
レート210とレールプレート220とを検知し、各プ
レート210及び220が検知された間に、走行距離セ
ンサ250から出力されたパルス数を測定する。する
と、基準プレート210とレールプレート220との間
の距離が、パルス数から算出されるので、その算出され
た距離と予め測定された距離αとを比較し、その差をE
Jストローク量あるいはふく進量として算出しているの
である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したレー
ル移動量測定システムでは、基準プレート210を検知
する基準杭センサ230と、レールプレート220を検
知する検知センサ240とが別個に必要となり、これら
のセンサは高額であるため、設置費用が高くなるという
問題があった。
【0014】そこで、本発明は、プレートを検知するセ
ンサの数を減らすことができるレール移動量計測システ
ムを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記課題
を解決する本発明は、レールを走行する車両上で該レー
ルの長さ方向の伸縮やふく進による移動量を測定するた
めのレール移動量測定システムであって、前記レールに
固定され、前記レールが移動すると一緒に移動するレー
ルプレートと、このレールプレートから前記レールの長
さ方向に沿って予め定められた初期遊間距離だけ離れた
位置に、前記レールに対して不動に設置された基準プレ
ートと、前記車両に取り付けられ、前記車両が前記レー
ルを走行するのに伴って前記レールの長さ方向に沿った
一本の走査線上を走査し、この走査線上で前記レールプ
レート及び前記基準プレートの有無を検知する一台のプ
レート検知手段と、前記プレート検知手段によって前記
レールプレート及び前記基準プレートのいずれか一方が
有から無になったと検知されてからもう一方が無から有
になったと検知されるまでに前記車両が進んだ距離を実
遊間距離として算出する実遊間距離算出手段とを備えた
ことを特徴とする。
【0016】本発明によれば、レールプレートと基準プ
レートとは同一走査線上に設けられているため、車両上
の一台のプレート検知手段によって両方のプレートの有
無を検知し、その検知結果に基づいて実遊間距離を求
め、その実遊間距離から初期遊間距離を差し引けば、レ
ール移動量が得られる。つまり、本発明のレール移動量
測定システムを用いれば、従来はレールプレートの検知
手段と基準プレートの検知手段がそれぞれ別個に必要だ
ったのに対して、一台のプレート検知手段でレール移動
量を測定できる。
【0017】ところで、車両は、走行中、進行方向に向
かって左右方向に車体が揺動する横回転を通常おこす。
そのため、本来、レール検知手段は基準プレートの真横
を通過するときに基準プレートを検知すべきところを、
車体が横回転したときには、基準プレートの真横を通過
する手前又は通過した後に基準プレートを検知すること
になり、それによって検知誤差が生じる。この検知誤差
は、基準プレートが車体から離れているほど大きくな
る。
【0018】そこで、本発明のレール移動量測定システ
ムのように、前記基準プレートは、前記レールの近傍に
設置するのが好ましい。このようにすれば、レール近傍
に基準プレートが設けられているため、車両が横回転を
起こしても、検知誤差を小さく抑えることができ、基準
プレートが設置された位置で、基準プレートを正確に検
知することができる。
【0019】次に、本発明のレール移動量測定システム
で用いられる前記基準プレートは、基準プレート支持構
造物によって支持されており、前記基準プレート支持構
造物は、バラスト内に略水平に設置された抵抗面板と、
前記抵抗面板から上方に延び出し、地上に表れた先端に
て前記基準プレートを支持する支柱部とを備えているも
のがこのましい。
【0020】この基準プレートを用いると、抵抗面板が
バラストの重みや、バラストとの摩擦により位置ズレし
にくく、このため、支柱部を介してこの抵抗面板に連結
されている基準プレートも位置ズレを起こし難くなるた
め、実遊間距離の測定精度、ひいてはレール移動量の測
定精度を向上させることができる次に、本発明のレール
移動量測定システムでは、前記初期遊間距離は、携帯用
の計尺器で計測可能な距離に設定するのが好ましい。こ
のようにすれば、定規やノギスなどの携帯用の計尺器を
両プレート間に当てるだけで、現場でも簡単に実遊間距
離を測定でき、ひいてはレール移動量を現場で簡単に把
握できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のレール移動量計
測システムの好適な実施形態を図面に基づいて説明す
る。ここで、図1(a)は、鉄道用のレールと、このレ
ール上を走行する保線用車両の模式図、図1(b)は、
レールの平面図、図2(a)は、レールプレートの正面
図、図2(b)は、レールプレートの側面図、図3
(a)は、基準プレートの正面図、図3(b)は、基準
プレートの平面図、図4は、レールプレート及び基準プ
レートの斜視図である。
【0022】本実施形態のレール移動量計測システムで
は、図1に示すように、検知センサ10と、ドップラー
センサ12と、レールプレート14と、基準プレート1
6が用いられる。検知センサ10は、周知のレーザセン
サであり、図1(a)に示すように、検知センサ10を
保線用車両3に固定した固定点から対象物までの高さに
応じた高さ信号を出力するよう設定されたもので、保線
用車両3の各車輪30よりも外側にそれぞれ1台づつ設
置する。この検知センサ10は、保線用車両3を走行さ
せたとき、図1(b)に示すように、各レール5の外側
近傍に取り付けられた各レールプレート14及び基準プ
レート16を通る走査線9に沿ってレーザ光を照射して
走査し、各レールプレート14及び基準プレート16を
検知する。各プレート14,16は、道床から所定高さ
に設置されているので、検知センサ10は、これらプレ
ート14,16と道床との高さの違いを捉えて各プレー
ト14,16の有無を検知する。尚、この検知センサ1
0は、本発明のプレート検知手段に相当する。
【0023】ドップラーセンサ12は、周知のレーザセ
ンサであり、保線用車両3の片方の車輪30の側面に向
かってレーザ光を照射するよう保線用車両3に設置す
る。このドップラーセンサ12は、車輪30が0.1m
m回転すると1パルスを出力するよう設定されている。
【0024】レールプレート14は、図1(b)に示す
ように、ロングレール5(以下単に「レール5」とい
う)の長さ方向に沿って200m毎に、枕木7の直上に
設置する。具体的には、このレールプレート14は、各
レール5の外側側面に近接するように、レール5に固定
している。そのためこのレールプレート14は、レール
5が移動したらレール5と一緒に移動する。
【0025】基準プレート16は、レールプレート14
が設置された枕木7の直上に位置するよう、各レールプ
レート14に対しそれぞれ一枚ずつ設置し、具体的に
は、レールプレート14からレール5の長さ方向に沿っ
て予め定められた初期遊間距離だけ離れた位置に、レー
ル5に対して不動に配置されている。また、基準プレー
ト16は、各走査線9上を通る位置に配置されている。
【0026】また、保線用車両3は、検知センサ10で
検知したレールプレート14と基準プレート16との間
の実遊間距離を、ドップラーセンサ12で測定した保線
用車両3の走行距離から算出する算出器32と、算出器
32での算出結果を外部に送信する送信器34を備えて
いる。尚、ドップラーセンサ12及び算出器32は、本
発明の実遊間距離算出手段に相当する。
【0027】次に、レールプレート14及び基準プレー
ト16について詳細に説明する。まずレールプレート1
4は、図2に示すように、スライド部40と、支柱部4
2と、プレート部44とからなる。このうちスライド部
40は、図2(a)に示すように、レール5の下部のフ
ランジ部50を覆って把持するよう構成し、レール5の
長さ方向にスライド自在かつ、任意の位置で固定できる
よう構成する。
【0028】支柱部42は、図2(b)に示すように、
スライド部40をスライドさせて枕木7に近接させたと
き、図2(a)に示すように、枕木7の上部に位置し、
フランジ部50上に立設されるよう構成する。プレート
部44は、図2(a)に示すように、プレート部44の
長手方向とレール5の長手方向とが略垂直になり、支柱
部42の頂部から延設されるように略水平に支柱部42
に取り付ける。このプレート部44は、枕木7の上部で
あって、レール5を越えない高さに配置されるよう設置
する。
【0029】そして、プレート部44と支柱部42とを
レールに堅固に固定するため、スライド部40と支柱部
42、支柱部42とプレート部44とをそれぞれ補強板
46で補強して固定している。次に、基準プレート16
は、図3に示すように、抵抗面板60と、支柱部62
と、プレート部64とからなる。
【0030】このうち抵抗面板60は、図3(b)に示
すように、面積の広い正方形状の板材からなる。この抵
抗面板60は、道床を構成するバラスト中に埋め、上部
に被せられたバラストの重みで基準プレート16全体が
起きあがらないようにするなど、基準プレート16がレ
ール5に対し動かないようにする。
【0031】支柱部62は、図3(a)に示すように、
抵抗面板60から上方に略垂直に延び出し、地上に表れ
た先端にてプレート部64を支持している。プレート部
64は、図3(a)に示すように、支柱部62の頂部か
ら延設されるように略水平に支柱部62に取り付ける。
このプレート部64は、枕木7の上部であって、レール
5を越えない高さに配置されるよう設置する。そして、
プレート部64は、支柱部62に対し堅固に固定するた
め、補強板66で補強して、支柱部62に取り付けてい
る。
【0032】以上のように構成されたレールプレート1
4及び基準プレート16は、図4に示すように、レール
プレート14をスライドさせて、プレート部44,64
が、レールが移動していない場合は所定の初期遊間距離
(定規やノギスなどの携帯用の計尺器で測定可能な距
離、例えば30mm)だけ離れた位置に配置されるよう
設置する。ただし、これらプレート14,16を設置す
る時にすでに、レール5が長手方向に移動していたら、
その分を考慮してこれらのプレート14,16を設置す
る。
【0033】次に、レールプレート14及び基準プレー
ト16を設置したレール5上に保線用車両3を走行させ
て、実遊間距離を計測する計測処理について説明する。
ここで、図5は、検知センサ10とドップラーセンサ1
2から出力される信号を表す図である。
【0034】まず、検知センサ10は、レールプレート
14及び基準プレート16の各プレート部44,64を
枕木7やバラスト等よりも高い位置に設置したので、車
両走行中にその高さの違いを捉えてレールプレート14
及び基準プレート16を検知すると、図5(a)に示す
ような、方形波A,Bを出力する。
【0035】一方、ドップラーセンサ12からは、図5
(b)に示すように、0.1mm車輪30が回転する毎
に1パルス出力されるので、算出器32では、検知セン
サ10が方形波A,Bを出力する合間Cにいくつのパル
スが出力されたかをカウントする。すなわち、例えば、
検知センサ10によってレールプレート14を検知した
のが方形波Aとすると、方形波Aが検知センサ10から
出力され、レールプレート14が「有」から「無」にな
ったと検知されてから、もう一方の基準プレート16を
検知したのが方形波Bとすると、方形波Bが検知センサ
10から出力され、基準プレート16が「無」から
「有」になったと検知されるまでの、ドップラーセンサ
12から出力されるパルスの数をカウントすれば、プレ
ート14,16間を保線用車両3が走行した走行距離、
すなわちプレート14,16の間の実遊間距離が算出さ
れる。
【0036】そして、本実施形態では、その算出した実
遊間距離を、送信器34を用いてレール5の移動量の計
測を行っている所定の計測所(各保線区を管轄している
支部など)に送信している。その計測所では、受信した
実遊間距離を、過去測定した実遊間距離や、初期遊間距
離と比較する作業が行われ、レール5の移動量の算出が
行われる。
【0037】以上説明した本実施形態のレール移動量計
測システムを用いれば、従来はレールプレート14を検
知するセンサと基準プレート16を検知するセンサがそ
れぞれ別個に必要だったのに対して、一台の検知センサ
10でレール5の移動量を測定できる。
【0038】また、本実施形態のレール移動量計測シス
テムを用いれば、レール5近傍に基準プレート16が設
けられているため、保線用車両3が横回転を起こして
も、横回転に起因する検知誤差を小さく抑えることがで
き、基準プレート16が設置された位置で、基準プレー
ト16を正確に検知することができる。
【0039】また、本実施形態のレール移動量計測シス
テムで用いられる基準プレート16を用いれば、抵抗面
板60がバラストの重みや、バラストとの摩擦により位
置ズレしにくく、このため、支柱部62を介してこの抵
抗面板60に連結されているプレート部64も位置ズレ
を起こし難くなるため、実遊間距離の測定精度、ひいて
はレール5の移動量の測定精度を向上させることができ
るさらに、本実施形態のレール移動量測定システムを用
いれば、初期遊間距離を定規やノギスなどの携帯用の計
尺器で計測可能な距離としたため、この計尺器を両プレ
ート14,16間に当てるだけで、現場でも簡単に実遊
間距離を測定でき、ひいてはレール5の移動量を現場で
簡単に把握できる。
【0040】尚、本発明の実施の形態は、上記実施形態
に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に
属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもな
い。例えば、方形波A,Bを出力する合間Cの時間間隔
をタイマなどで測定し、その合間Cにおける車速を車速
センサなどで測定し、合間Cの時間間隔及び車速からプ
レート14,16の間の実遊間距離を算出してもよい。
【0041】本実施形態では、実遊間距離を測定するた
めドップラーセンサ12を用いたが、これに限られるも
のではなく、他の距離計を用いてもよい。本実施形態の
ドップラーセンサ12は、車輪30にレーザ光を照射し
て実遊間距離を測定していたが、レール5にレーザ光を
照射して実遊間距離を測定してもよい。
【0042】本実施形態では、保線用車両3に検知セン
サ10やドップラーセンサ12を取り付けて実遊間距離
を測定したが、一般の旅客用車両や貨物用車両やトロリ
ーに検知センサ10等を取り付けて、実遊間距離を測定
してもよい。尚、トロリーとは、手押であるいはエンジ
ンを使ってレール5上を走らせることができる保守用の
車で、レール5上に人力で据え付けることができまた、
レール5上から人力で取外しができる車である。
【0043】本実施形態では、測定した実遊間距離を測
定所に送信してレール5の移動量を算出したが、レール
5の移動量の算出は保線用車両3上で行ってもよい。本
実施形態では、基準プレート16は抵抗面板60を用い
て固定したが、図6の基準プレート16の正面図のうち
図6(a)に示すように、路盤が盛土で形成されている
場合、支柱部62をその盛土に深く差し込むことによっ
て固定してもよいし、また、図6(b)に示すように、
路盤がコンクリートで形成されている場合は、固定部材
68を用いる等して支柱部62をコンクリートに固定す
るようにしてもよい。
【0044】本実施形態では、レールプレート14がレ
ール5の長さ方向へ移動したか否かを識別するための識
別マークを設けるとよい。このようにすれば、識別マー
クを見るだけで、何らかの原因でずれてしまったレール
プレート14を見付けることができるので、実遊間距離
の測定を常に正確に行えるようレールプレート14を保
守管理することができる。この識別マークの具体例とし
ては、図2のBーB’断面図である図7のうち図7
(a)に示すように、レールプレート14の支柱部42
を取り付けない側の抱込部47上から、レール5のフラ
ンジ部50上にかけて一筆書きした合マーク70を付け
るとよい。このようにすると、レールプレート14がず
れていれば、レールプレート14に書かれた合マーク7
0の位置と、フランジ部50に書かれた合マーク70の
位置とがずれるので、合マーク70を見るだけでレール
プレート14のズレを直ちに識別することができる。ま
たこの合マーク70の他に、図7(b)に示すように、
フランジ部50にポンチマーク72を付け、そのポンチ
マーク72の位置を指し示す指示マーク具48を抱込部
47に取り付けるようにしてもよい。このようにする
と、レールプレート14がずれていれば、指示マーク具
48の指し示す位置とポンチマーク72の位置とがずれ
るので、ポンチマーク72と指示マーク具48とを見る
だけでレールプレート14のズレを直ちに識別すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態のレール移動量計測方法が実施さ
れる鉄道用のレールと、このレール上を走行する保線車
両の模式図及びレールの平面図である。
【図2】 本実施形態のレール移動量計測方法で用いら
れるレールプレートの正面図、及び側面図である。
【図3】 本実施形態のレール移動量計測方法で用いら
れる基準プレートの正面図、及び平面図である。
【図4】 本実施形態のレール移動量計測方法で用いら
れるレールプレート及び基準プレートの斜視図である。
【図5】 本実施形態のレール移動量計測方法で用いら
れる検知センサ10とドップラーセンサ12から出力さ
れる信号を表す図である。
【図6】 本実施形態のレール移動量計測方法で用いら
れる基準プレートの正面図である。
【図7】 本実施形態で用いられるレールプレートのず
れを識別する方法を説明するための説明図で、図2のB
ーB’断面図である。
【図8】 伸縮継目が設けられた部分のレールの平面図
である。
【図9】 伸縮継目部分のレールの平面図である。
【図10】 レールの移動量を測定する方法を説明する
ためのレールの平面図である。
【図11】 従来の移動量計測方が実施される鉄道用の
レールと、このレール上を走行する保線車両の模式図及
びレールの平面図である。
【符号の説明】
3…保線用車両、5…ロングレール、7…枕木、9…走
査線、10…検知センサ、12…ドップラーセンサ、1
4…レールプレート、16…基準プレート、30…車
輪、32…算出器、34…送信器、40…スライド部、
42…支柱部、44…プレート部、46…補強板、47
…抱込部、48…指示マーク具、50…フランジ部、6
0…抵抗面板、62…支柱部、64…プレート部、66
…補強板、68…固定部材、70…合マーク、72…ポ
ンチマーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 英司 愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番4号 東海旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 遠所 徹 愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番4号 東海旅客鉄道株式会社内 Fターム(参考) 2F069 AA06 AA68 BB25 CC09 DD27 FF07 GG04 GG59 GG62 GG71 HH09 JJ06 MM02 NN12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レールを走行する車両上で該レールの長
    さ方向の伸縮やふく進による移動量を測定するためのレ
    ール移動量測定システムであって、 前記レールに固定され、前記レールが移動すると一緒に
    移動するレールプレートと、 このレールプレートから前記レールの長さ方向に沿って
    予め定められた初期遊間距離だけ離れた位置に、前記レ
    ールに対して不動に設置された基準プレートと、 前記車両に取り付けられ、前記車両が前記レールを走行
    するのに伴って前記レールの長さ方向に沿った一本の走
    査線上を走査し、この走査線上で前記レールプレート及
    び前記基準プレートの有無を検知する一台のプレート検
    知手段と、 前記プレート検知手段によって前記レールプレート及び
    前記基準プレートのいずれか一方が有から無になったと
    検知されてからもう一方が無から有になったと検知され
    るまでに前記車両が進んだ距離を実遊間距離として算出
    する実遊間距離算出手段とを備えたことを特徴とするレ
    ール移動量測定システム。
  2. 【請求項2】 前記基準プレートは、前記レールの近傍
    に設置されていることを特徴とする請求項1記載のレー
    ル移動量測定システム。
  3. 【請求項3】 前記基準プレートは、基準プレート支持
    構造物によって支持されており、 前記基準プレート支持構造物は、 バラスト内に略水平に設置された抵抗面板と、 前記抵抗面板から上方に延び出し、地上に表れた先端に
    て前記基準プレートを支持する支柱部とを備えているこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載のレール移動量測定
    システム。
  4. 【請求項4】 前記初期遊間距離は、携帯用の計尺器で
    計測可能な距離に設定されていることを特徴とする請求
    項1〜3何れか記載のレール移動量測定システム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012251882A (ja) * 2011-06-03 2012-12-20 Kawasaki Heavy Ind Ltd ふく進測定装置、ふく進測定システム及びふく進測定方法
JP2014510860A (ja) * 2011-04-10 2014-05-01 ヴィルフリート シェルフ 鉄道レールを修復する目的で軌道部分を測量するための装置
CN111780711A (zh) * 2020-07-23 2020-10-16 上海市特种设备监督检验技术研究院 一种金属结构焊接变形测量系统

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