JP2002105758A - 共重合ポリエステル繊維及びシートベルトウェビング - Google Patents

共重合ポリエステル繊維及びシートベルトウェビング

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JP2002105758A
JP2002105758A JP2000291331A JP2000291331A JP2002105758A JP 2002105758 A JP2002105758 A JP 2002105758A JP 2000291331 A JP2000291331 A JP 2000291331A JP 2000291331 A JP2000291331 A JP 2000291331A JP 2002105758 A JP2002105758 A JP 2002105758A
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seat belt
fiber
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JP2000291331A
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Yoshiharu Okumura
由治 奥村
Katsunori Futai
克典 二井
Akio Tawara
昭夫 田原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の素材より格段にエネルギー吸収性能に優
れ、さらに染色工程を不要とし従来品と同等の光に対す
る染色堅牢性を備えたシートベルトウェビングを提供す
ることにより、従来一部車種の一部シートにしか装備さ
れていなかったエネルギー吸収機能をすべての席のシー
トベルトに付与し、事故時の衝撃による人体の傷害を減
少する。 【解決手段】5〜20モル%の第3成分が共重合された
IV0.7以上のエチレンテレフタレートからなり、少
なくとも1種類以上の着色剤を含有しており、強度が
4.5cN/dtex以上、伸度が20%以上であるこ
とを特徴とする共重合ポリエステル繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業用資材用途と
して好適な高強度共重合ポリエステル繊維およびエネル
ギー吸収性が良好で染色工程が不要なシートベルトウェ
ビングに関する。
【0002】
【従来の技術】シートベルト、ロープなどの用途に用い
られる産業資材用繊維には、主として高重合度のポリエ
チレンテレフタレートもしくはポリヘキサメチレンアジ
パミド(N66)、ポリカプラミド(N6)などのポリ
アミドからなる繊維が用いられている。
【0003】従来この分野では、ポリアミド系繊維が多
く用いられてきたが、ポリアミドの比較的高い平衡水分
率に起因する寸法安定性の不足、あるいは耐光性不良な
どのため、ポリエチレンテレフタレート繊維に置き換わ
ってきている。確かに、ポリエチレンテレフタレート繊
維は安価な上、低い吸水性を有するので寸法安定性に優
れ、また耐光性にも優れた好ましい素材である。
【0004】これらの用途において要求される特性とし
ては、高い引張り強力と耐摩耗性、耐光性、エネルギー
吸収能などが挙げられるが、特に近年では本来人体の保
護のために用いられるシートベルトや安全ロープなどに
よる人体の損傷、例えば、車の衝突事故の際にシートベ
ルトからの衝撃により肋骨が折れるなどの問題を解決す
るために、衝撃の初期におけるエネルギー吸収性能がよ
り重要な要素となってきている。
【0005】また、シートベルト、ロープなどの用途に
用いられる繊維の多くは衣料用繊維と同様所望の色に染
色して用いられるため、産業用繊維として厳しい環境下
での使用時における高い色の堅牢性を備えていることの
他に染色後においても良好な風合いと柔軟性を有してい
ることが必要である。
【0006】ポリエチレンテレフタレートに高いエネル
ギー吸収性を付与する方法として、特開平9−1438
16号公報、USP5,830,811に記載の方法が
ある。これらはいずれもポリエチレンテレフタレートに
第3成分を共重合することにより高強度で、エネルギー
吸収能に優れたポリエステル繊維を得るものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これらの方法によって
得られる共重合ポリエステル繊維は良好なエネルギー吸
収性を有するが、かかる共重合ポリエステル繊維ででき
たベルトやロープを通常ポリエチレンテレフタレートで
行われているような染色・熱固定の工程に共すると、製
品が極端に硬化し、実用に適さない物になってしまうと
いう欠点があった。硬化の程度を緩和するには染色後の
熱固定温度を下げることが有効であるが、低温の熱固定
では染色堅牢性が低下してしまい、色調の堅牢性の面か
ら実用上の問題が生じる。
【0008】このように、良好なエネルギー吸収性と色
調の堅牢性、柔軟性を併せ持つ共重合ポリエステル繊維
は得られていないのが実状であった。
【0009】本発明は、このような従来技術を背景にな
されたもので、従来にない良好なエネルギー吸収性と色
調の堅牢性、柔軟性を併せ持つ共重合ポリエステル繊維
およびそれによって得られるシートベルトウェビングを
提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ための本発明の共重合ポリエステル繊維は以下の構成よ
りなる。すなわち、5〜20モル%の第3成分が共重合
されたIV0.7以上のエチレンテレフタレートからな
り、少なくとも1種類以上の着色剤を含有しており、強
度が4.5cN/dtex以上、伸度が20%以上であ
ることを特徴とする。さらに、本発明の共重合ポリエス
テル繊維においては、次の(1)および(2)がそれぞ
れ好ましい態様であり、これらの条件を適用することに
よって、さらに優れた効果の取得を期待することができ
る。 (1)10%伸長時の強度が0.9〜1.8cN/dt
exであること。 (2)着色剤の含有量が0.1〜1.0重量%であるこ
と。 また、本発明のシートベルトウエビングは前記の共重合
ポリエステル繊維を少なくとも経糸に使用したことを特
徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の共重合ポリエステル繊維は、少なくとも1種類
以上の着色剤を含有していることが必要である。着色剤
としては、カーボンブラック系顔料、チタン系顔料のよ
うな無機系顔料や、フタロシアニン系顔料、アントラキ
ノン系着色剤、スチレン系着色剤、及びキナクリドン系
着色剤などのような有機系着色剤が挙げられる。なかで
も、使用済みシートベルトを再溶融によってリサイクル
することを考慮すると、カーボンブラック系顔料等の無
機顔料の使用が好ましい。
【0012】顔料の粒径は大きいほど製糸時における障
害となるポリマ中の異物となり易くなるので、粒径分布
の最大値が60nm以下であること、例えば、粒径分布
が1〜20nmや3〜20nmであることが好ましい。
また、粒径分布の最小値があまりにも小さくなり過ぎる
と、例えば1nmより小さくなると、顔料粒子どうしが
2次凝集し易くなるので、ポリマ中での均一分散性が阻
害され易くなり好ましくない。
【0013】着色剤の含有量は、ポリマに対し0.1〜
1.0重量%であることが好ましく、より好ましくは
0.3〜0.5重量%である。着色剤の含有量をかかる
範囲にすることにより、所望の色調の原着繊維が得られ
と同時に、安定して高強度の糸を製糸することができ
る。
【0014】着色剤の添加方法としては、共重合ポリエ
ステル製造のためのエステル化工程、エステル交換工
程、又は重縮合反応工程において添加する方法、チップ
乾燥時にブレンドして紡糸する方法、紡糸時ポリマに着
色剤を直接添加する方法、又は、着色剤を高濃度(例え
ば1重量%以上、好ましくは5重量%以上)に含有する
マスターチップを使用し、ベースチップとブレンド混和
し溶融混合する方法などの一般的な添加技術を適用する
ことができ、任意の添加時期が選択され得るが、品質の
安定性、操業の安定性、及び生産コストなどの点を考慮
すると、マスターチップを使用する方法が特に有効であ
る。
【0015】本発明の共重合ポリエステル繊維は、引張
り強度4.5cN/dtex以上、好ましくは5.0c
N/dtex以上、破断伸度が20%以上、より好まし
くは23%以上35%以下である。産業資材用途におい
ては、エネルギー吸収能や寸法安定性の他に、使用に耐
え得る強度特性がもちろん必要であり、上記範囲を外れ
ると引張り特性、引裂き特性、屈曲特性などの力学特性
が劣り、不適当である。また、破断伸度が20%未満で
あると、シートベルトやロープとした際のエネルギー吸
収性が不十分になる。また、伸度が35%を越える場合
には高い強度が得られにくいことから好ましくない。
【0016】本発明の共重合ポリエステル繊維は、ポリ
エチレンテレフタレートを主たる構成単位とし、5〜2
0モル%の範囲で第3成分が共重合されたものであり、
その共重合率は好ましくは6〜15モル%である。
【0017】ポリエチレンテレフタレートに共重合され
る第3成分としてはイソフタル酸、ナフタレンジカルボ
ン酸、アジピン酸、ジフェニルジカルボン酸、5−スル
ホン酸ナトリウムイソフタル酸、プロピレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、
カプロラクトン等があげられるが、良好なエネルギー吸
収性が得られることからイソフタル酸又はε−カプロラ
クトンが好ましい。第3成分の共重合率が5モル%未満
の場合には高いエネルギー吸収性を有する共重合ポリエ
ステル繊維は得られない。一方、共重合率が20モル%
を越える場合には高い破断強度が得られなくなる。
【0018】また、曳糸性を損ねない範囲で、布帛の性
能を高める目的で、難燃剤や酸化防止剤を添加すること
も何等差し支えない。
【0019】本発明の共重合ポリエステル繊維のIVは
0.7以上であり、好ましくは0.8以上である。IV
が0.7未満の場合にはベルト・ロープ用途に必要な強
度が得られない。
【0020】エネルギー吸収特性として、本発明の共重
合ポリエステル繊維は10%伸長時の強度が0.9〜
1.8cN/dtexであることが好ましく、さらに好
ましくは1.1〜1.6cN/dtexである。10%
伸長時の強度が0.9cN/dtex未満の場合にはベ
ルトが10%伸長するまでに吸収できる単位繊度あたり
のエネルギーが小さくなりすぎ、ベルトとして適当なエ
ネルギー吸収量を付与するために多量の繊維が必要とな
る。逆に、10%伸長時の強度が1.8cN/dtex
を越える場合にはベルトの伸長によって人体にかかる力
が大きくなりすぎる等の問題があり、10%伸長時の強
度をかかる範囲にすることにより、適度なエネルギー吸
収特性に優れた共重合ポリエステル繊維を得ることが可
能となる。
【0021】本発明における共重合ポリエステル繊維の
繊度構成は、用途に合わせて設定すればよく、一般に
は、総繊度250デシテックス以上2300デシテック
ス以下である。単糸繊度については1.0デシテックス
以上22.5デシテックス以下が好ましく、より好まし
くは2.0デシテックス以上15.0デシテックス以下
である。もちろん、用途に応じて強力を高めるために、
合糸により総繊度を増して使用することは何等差し支え
ない。繊維あるいはこの繊維を用いたベルトなどの柔軟
性を高めるためには、単糸繊度は小さい方が好ましい
が、単糸繊度が細すぎると耐摩耗性が低下すること、お
よび単糸繊度が1.0デシテックス未満と細くなると通
常の直接紡糸では糸切れや繊度斑のため安定な紡糸が困
難となるので実用的ではない。
【0022】次に、本発明にかかる共重合ポリエステル
繊維の製造方法の一例を説明するが、本発明の共重合ポ
リエステルの製法はこれに限定されるものではない。
【0023】IVが0.7以上となるような固有粘度水
準を有する共重合ポリエステルチップに、着色剤を高濃
度に含有する原着共重合ポリエステルチップまたは原着
ホモポリエステルチップを所定割合で混合することによ
って調整し、通常の溶融紡糸法により口金より紡出す
る。このとき、ポリマの熱による劣化を防ぐために、紡
糸機内におけるポリマの滞留時間は短いほど好ましく、
通常10分以内、好ましくは1〜5分とすればよい。紡
糸温度は通常260℃〜280℃であればよいが共重合
成分の種類や量などにより適宜最適化すればよい。
【0024】さらに、口金直下には加熱筒を配し、吐出
糸条はこの加熱筒内を通過させることが好ましい。この
加熱筒は、一般に、10〜100cmの長さで、200℃
〜350℃で温度制御された加熱筒であればよいが、そ
の長さ及び温度条件は、得られる糸条の繊度やフィラメ
ント数により最適化されればよい。この加熱筒の使用に
より、溶融ポリマの固化を遅らせ高強度を発現させるこ
とができる。なお、高温での熱劣化を防止するために
は、必要に応じて加熱筒内雰囲気を高温不活性ガスでシ
ールすることが好ましい。
【0025】紡出された糸条は、上記高温雰囲気中を通
過した後、冷風で冷却固化され、ついで油剤が付与され
た後、紡糸速度を制御する引取りロールで引取られる。
引取りロールに引取られた未延伸糸条は、通常連続して
延伸されるが、一旦巻取った後に別工程で延伸してもよ
い。紡糸速度は、通常300〜3000m/分、好まし
くは1500m/分以下であればよい。延伸は常法の熱
延伸が採用されればよく、2段以上の多段延伸が好まし
い。その延伸倍率は未延伸糸の複屈折、延伸温度、およ
び多段延伸する際の延伸比配分等によって変化させ得る
が、1.5〜6.5倍、好ましくは2.5〜6.0倍の
ような高倍率がとられる。
【0026】次いで、この延伸糸は熱固定される。熱固
定は糸条を熱ローラや熱板に接触させたり、また高温気
体中を通過させることなどの公知の方法により行えばよ
く、一般に160〜240℃、好ましくは180〜22
0℃の熱固定温度をとればよい。この熱固定時の張力お
よび温度を変化させることで、乾熱収縮率をコントロー
ルすることが可能である。
【0027】さらに、本発明における共重合ポリエステ
ル繊維に、工程上の毛羽発生を抑えるため、延伸工程お
よび熱固定工程において、フィラメントに交絡処理を施
すことは何等差支えない。交絡は、エア交絡など公知の
方法が採用でき、例えばエア交絡の場合、用いる糸条の
繊度や張力に応じて、エアの圧力を適宜変更する事で目
的の交絡度を達成することができる。この場合、交絡度
としては20以上さらには30以上が好ましい。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。本発明における各物性は次のようにして測定した値
である。
【0029】[繊維の強度、伸度]JIS L−101
3に準じ、試料を気温20℃、湿度65%の温調室にて
テンシロン引張試験機を用い、糸長25cm、引張速度
30cm/分で測定した。
【0030】[固有粘度IV]試料8.0gにオルソク
ロロフェノール100mlを加えて、160℃で10分
間加熱して溶解する。その後、オストワルド粘度計を用
いて、溶解した溶液の相対粘度ηrを25℃で測定し、
次の近似式によりIVを算出する。 IV=0.0242ηr+0.2634 ただし、ηr=(t×d)/(t0 ×d0 ) t:溶液の落下時間(秒) t0 :オルソクロルフェノールの落下時間(秒) d:溶液の密度(g/cc) d0 :オルソクロルフェノールの密度(g/cc) で
ある。
【0031】[ウェビングの引張り強力]JIS D
4604の7.4(1.1)項に準じて測定し、破断時
の引張り強力を求めた。
【0032】[ウェビングの伸び率]JIS D 46
04の7.4(1.3)項に準じて測定し、11.1k
N時の伸び率を求めた。
【0033】[ウェビングのエネルギー吸収仕事量]J
IS D 4604の7.4(1.4)項エネルギー吸
収率試験に準じて、初荷重(0.20kN)から最大荷
重(11.1kN)まで引張荷重時の曲線により生ずる
仕事量面積を初荷重時の評点間距離で除し、単位長さあ
たりの仕事量(J/m)に換算した値である。
【0034】[ウェビングの光に対する染色堅牢度]J
IS D 4604の7.4(2.6)項に準じて測定
し、JIS L 0801に規定する変退色5級以上を
◎、4級を○、3級を△、2級以下を×とした。
【0035】[柔軟性・風合い]適度な柔軟性と張りを
有するもの(◎)から厚紙調で全く柔軟性に欠けるもの
(×)までの間で官能的評価を行った。 [原糸の製造および特性] [実施例1]エチレンテレフタレートにイソフタル酸を
酸成分換算で12モル%共重合し、重合後の固相重合に
よりIV=1.05とした共重合ポリエステルベースチ
ップ97.5重量%と、カーボンブラック顔料(粒度分
布3〜20nm)を20重量%含有したIV=0.72
のポリエチレンテレフタレート顔料マスターチップ2.
5重量%とを混合した混合チップを得た。得られた混合
チップを紡糸温度285℃にて溶融し、孔数140の紡
糸口金から吐出した。吐出された糸条は直ちに長さ30
0mm、温度290℃の加熱筒を通過した後、風速30m
/分で18℃の冷却風を糸条に吹付けて冷却、固化さ
せ、ついで油剤を延伸糸で0.6%の油分量となる量で
付与した後、400m/分で引取った。
【0036】紡出糸を一旦巻取ることなく引続き2段延
伸によりトータル延伸倍率5.6倍、最終延伸ロール温
度210℃で延伸熱処理した後、15%の弛緩率でリラ
ックス処理を施し、1670デシテックス、140フィ
ラメントの延伸糸を得た。この原糸の物性測定結果を表
1に示した。
【0037】[実施例2]エチレンテレフタレートにイ
ソフタル酸を酸成分換算で7モル%共重合し、重合後の
固相重合によりIV=1.20とした共重合ポリエステ
ルベースチップ97.5重量%と、カーボンブラック顔
料(粒度分布3〜20nm)を20重量%含有したIV
=0.72のポリエチレンテレフタレートマスターチッ
プ2.5重量%とを混合した混合チップを得た。得られ
たチップを実施例1と同様にして紡糸し、1670デシ
テックス、140フィラメントの延伸糸を得た。この原
糸の物性測定結果を表1に示した。
【0038】[実施例3]エチレンテレフタレートにε
−カプロラクトンを14モル%共重合し、重合後の固相
重合によりIV=0.95とした共重合ポリエステルチ
ップをベースチップに使用したこと以外は実施例1と同
様にして1670デシテックス、140フィラメントの
延伸糸を得た。この原糸の物性測定結果を表1に示し
た。
【0039】[比較例1]IV=1.20のポリエチレ
ンテレフタレートチップをベースポリマとして使用し、
紡糸温度を300℃に変更し、延伸後の弛緩率を10%
に変更したこと以外は実施例1と同様にして1670デ
シテックス、140フィラメントの延伸糸を得た。この
原糸の物性測定結果を表1に示した。
【0040】[比較例2]顔料入りのマスターチップを
使用せず、エチレンテレフタレートにイソフタル酸を酸
成分換算で12モル%共重合したIV=1.05の共重
合ポリエステルチップのみを使用したこと以外は実施例
1と同様にして1670デシテックス、140フィラメ
ントの延伸糸を得た。この原糸の物性測定結果を表1に
示した。
【0041】[比較例3]エチレンテレフタレートにイ
ソフタル酸を酸成分換算で12モル%共重合したIV=
0.68の共重合ポリエステルチップをベースチップと
して使用したこと以外は実施例1と同様にして1670
デシテックス、140フィラメントの延伸糸を得た。こ
の原糸の物性測定結果を表1に示した。
【0042】[比較例4]トータル延伸倍率を3.2倍
に変更し、延伸後の弛緩率を10%に変更したこと以外
は実施例1と同じ条件で製糸し、1670デシテック
ス、140フィラメントの原糸を得た。この原糸の物性
測定結果を表1に示した。
【0043】
【表1】 [ウェビング試験] [実施例1〜3および比較例1〜4]上記、実施例1〜
3および比較例1〜4にて得られたそれぞれの原糸30
0本を経糸とし、緯糸としては、強度6.5cN/dt
ex、伸度20%の原着ポリエステル繊維(700dt
ex/72フィラメント)を2本引揃え、ニードル織機
を用いてシートベルトウェビングを製織し、次いで75
kgの張力下160℃2分間のヒートセットを行った後仕
上げ処理剤を付与し、シートベルトウェビングを製造し
た。ただし、比較例2のみ製織後ヒートセット前に液浴
による染料付与を行った。また、比較例2については染
料固着強化のためにヒートセット温度条件を185℃2
分間に変更した水準も行った(表2:比較例2A)。得
られたシートベルトウェビングの評価結果を表2に示
す。
【0044】
【表2】 表2の結果から明らかなように、得られた実施例1〜3
のシートベルトウェビングはエネルギー吸収仕事量が大
きく、光に対する染色堅牢度も良好で、強度特性にも優
れたシートベルトウェビングであった。一方比較例1
は、光に対する染色堅牢度は良好で、強度特性にも優れ
ているが、エネルギー吸収性に乏しく、衝撃時に人体に
傷害を加える可能性の高いシートベルトウェビングであ
った。比較例2は、エネルギー吸収仕事量が大きく、強
度特性にも優れているが、光に対する染色堅牢度が×で
あり、また、柔軟性にも劣るものであった。比較例3、
4は破断強力が小さく、シートベルトとして使用した際
にウェビングの破断が生じる可能性が高いシートベルト
ウェビングであった。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば原
着された共重合ポリエステル繊維を使用することによ
り、エネルギー吸収性および光に対する染色堅牢度が優
れ、なおかつ高温の熱セットが不要になるために製品と
して良好な風合いと柔軟性を併せ持つ繊維製品を低コス
トで得ることが可能になる。かかる繊維はシートベルト
ウェビングを始めとする産業用繊維製品として良好に使
用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D03D 1/00 D03D 1/00 D 15/00 15/00 A E Fターム(参考) 3D018 BA01 DA01 4L035 BB36 BB52 BB56 BB61 BB81 BB91 CC07 EE08 EE20 FF01 HH10 JJ10 4L048 AA21 AA48 AA49 AA56 AB07 AC09 AC10 BA02 CA00 CA01 CA12 DA26 EA00 EB05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】5〜20モル%の第3成分が共重合された
    IV0.7以上のエチレンテレフタレートからなり、少
    なくとも1種類以上の着色剤を含有しており、強度が
    4.5cN/dtex以上、伸度が20%以上であるこ
    とを特徴とする共重合ポリエステル繊維。
  2. 【請求項2】10%伸長時の強度が0.9〜1.8cN
    /dtexであることを特徴とする請求項1記載の共重
    合ポリエステル繊維。
  3. 【請求項3】着色剤の含有量が0.1〜1.0重量%で
    あることを特徴とする請求項1または2に記載の共重合
    ポリエステル繊維。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の共重合ポ
    リエステル繊維を少なくとも経糸に使用したことを特徴
    とするシートベルトウェビング。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022539850A (ja) * 2020-03-03 2022-09-13 百事基材料(青島)股▲分▼有限公司 キチンを含むポリエステル長繊維およびその製造方法

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